JP3145290B2 - セルロースアセテート複合繊維の製造方法 - Google Patents
セルロースアセテート複合繊維の製造方法Info
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Description
ート複合繊維の製造方法に関する。
維に、浸漬法や乾熱法等でアルカリ鹸化処理を施すこと
によって繊維表面をセルロース化し、レーヨンと同様な
制電性、ウエット感の風合いを付与する技術が知られて
いる。しかしながら、かかる技術によって得られる繊維
は、鹸化が繊維表面から進行するため繊維表面のセルロ
ース層と内部のセルローストリアセテートとの間に鹸化
の程度の異なるものが混在する中間層が存在し、鮮明性
等の染色性に悪影響を与える。
にアルカリ水溶液を付着させ、高温スチーム処理或いは
高温乾熱処理した場合、また、特開平5−140865
号公報にて提案されているようにセルローストリアセテ
ート繊維をアルカリ水溶液に浸漬、予備乾燥後、スチー
ム処理した場合、セルローストリアセテート繊維の表層
にセルロースアセテート混在の中間層が少ないセルロー
ス層が得られるが、鹸化斑が発生し易く、また高温での
処理は、繊維に損傷を与える。さらにかかる繊維表面か
らセルローストリアセテートを直接アルカリ鹸化する方
法では、鹸化反応のみでセルロースアセテート混在の中
間層を存在させることなくセルロース層を得ることは困
難で、また高温、長時間、高濃度での処理を必要とし、
安全性、制御面に問題を有する。
トリアセテートとセルロースジアセテートとの対アルカ
リ特性差を利用し、アルカリ鹸化の容易なセルロースジ
アセテートを予めセルローストリアセテート繊維の表層
部に配するならば、穏やかな条件でのアルカリ鹸化処理
により実質的にセルロースアセテート混在の中間層を存
在させることなくセルロース層が得られることを見い出
したことに基づくものである。本発明の目的は、鞘部が
実質的に酢化されていないセルロース層である明瞭な2
層構造を有し、ウエット感の風合いを奏するセルロース
アセテート複合繊維を提供することにある。
平均酢化度56.2%以上62.5%以下のセルロース
トリアセテートを有機溶媒に溶解した紡糸原液、鞘成分
として平均酢化度48.8%以上56.2%未満のセル
ロースジアセテートを有機溶剤に溶解した紡糸原液を用
い、芯鞘型に乾式紡糸し、得られた芯鞘型複合繊維を、
アルカリ鹸化処理して鞘部のセルロースジアセテートの
全部をセルロース化することを特徴とするセルロースア
セテート複合繊維の製造方法、にある。
合繊維は、芯部が平均酢化度56.2%以上62.5%
以下のセルローストリアセテートからなり、鞘部がセル
ロースのみからなり、鞘部の厚みが2ミクロン以上であ
ることから、鞘部のセルロースと芯部のセルローストリ
アセテート間にはセルロースジアセテート或いはセルロ
ースモノアセテートの中間層が存在しない明瞭な2層構
造を有するものである。
合繊維は、鞘部のセルロースに基づく吸湿性、風合いを
有するものであり、この吸湿性は制電性の向上を伴う。
また、本発明のセルロースアセテート複合繊維は、染色
した場合でも斑等が生ぜず良好な染色性を有する。
製造方法は以下のとおりである。芯成分として酢化度5
6.2%以上62.5%以下のセルローストリアセテー
トと鞘成分として48.8%以上56.2%未満のセル
ロースジアセテートを、塩化メチレン等の溶剤或いは塩
化メチレンとメタノール等の混合溶剤にそれぞれ溶解
し、それぞれの溶液濃度を15〜30重量%、好ましく
は18〜27重量%とした紡糸原液を調製する。
ロースジアセテート紡糸原液とは、好ましくはセルロー
ストリアセテート/セルロースジアセテート比、即ち芯
鞘重量比で5/95〜95/5に、芯鞘型に紡糸原液を
分配する芯鞘複合紡糸ノズル装置へ供給し、高温雰囲気
中に吐出する乾式紡糸法により芯鞘型に紡糸して芯部が
平均酢化度56.2%以上62.5%以下のセルロース
トリアセテート、鞘部が平均酢化度48.8%以上5
6.2%未満のセルロースジアセテートの芯鞘型複合前
駆体繊維を製造する。
カリ鹸化処理する。アルカリ鹸化処理条件は、セルロー
ストリアセテートとセルロースジアセテートの対アルカ
リ特性差により決定され、セルローストリアセテートは
反応せず、セルロースジアセテートのみが容易に反応す
る条件を選択する必要がある。アルカリとしては、水酸
化ナトリウムや炭酸カルシウム等が用いられる。処理条
件としては、セルローストリアセテートまで反応させた
り、セルロースジアセテートの反応が不十分である条件
は、避けるべきで、好ましい処理条件としては、水酸化
ナトリウム濃度0.5〜5重量%、より好ましくは1〜
2重量%水溶液、温度30〜90℃、より好ましくは3
0〜60℃、時間5〜25分、より好ましくは8〜15
分が用いられる。
ミクロン以上とすることができ、セルロース層の厚さ
は、芯鞘型複合前駆体繊維を製造する際、芯部と鞘部の
比、即ち芯鞘重量比で任意に設定することができ、目的
に応じた制電性、ウエット感の風合いを有するセルロー
スアセテート複合繊維を得ることができる。
る。なお、実施例における酢化度、減量率及び水分率の
測定は、下記の方法に拠った。
105℃で2時間乾燥後、デシケーター内で1時間冷却
し、秤量して試料の重量を測定する。次いで試料を50
0ミリリットル三角フラスコに入れ、アセトン100ミ
リリットル、ジメチルスルホキシド300ミリリットル
を加えて20時間放置後、1N−水酸化ナトリウム水溶
液30ミリリットルを加え、2時間攪拌し、フェノール
フタレイン溶液を指示薬として数滴加え、1N−硫酸溶
液で過剰の水酸化ナトリウムを滴定して平均酢化度を算
出した。
(Wb)、アルカリ鹸化処理後の乾燥試料(Wa)をそ
れぞれ測定し、次式で算出した。 減量率(%)=〔(Wb−Wa)/Wa〕×100
れ、105℃で2時間乾燥後、デシケーター内で1時間
冷却し、秤量して試料の乾燥重量(Wa)を測定する。
次いで試料を20℃、65%RHに調整された恒温恒湿
室に24時間放置した後、吸湿重量(Wc)測定し、次
式で算出した。 水分率(%)=〔(Wc−Wa)/Wa〕×100
均酢化度55.2%のセルロースジアセテートを、それ
ぞれ塩化メチレン/メタノール=91/9の混合溶剤に
溶解し、溶液濃度22重量%のセルローストリアセテー
ト紡糸原液及び溶液濃度22重量%のセルロースジアセ
テート紡糸原液を調製した。両紡糸原液を用い、表1に
示す芯鞘重量比にて芯鞘複合紡糸ノズルにて乾式紡糸
し、75デニール/20フィラメントの前駆体繊維を得
た。得られた前駆体繊維を下記条件のアルカリ鹸化処理
を施し、鞘部が厚さ2ミクロン以上のセルロース層であ
るセルロースアセテート複合繊維を得た。得られたセル
ロースアセテート複合繊維の減量率、酢化度及び水分率
の測定を行い、その結果を表1に示した。また、直接染
料による染色後の繊維断面を観察し2層構造形成の有無
を調べた。
下記条件のアルカリ鹸化処理を施した。得られたセルロ
ースアセテート繊維は、鞘部が厚さ2ミクロン未満のセ
ルロース層であり、前駆体繊維の鞘部のセルロースジア
セテート或いはセルロースモノアセテートが残存するも
のであった。また、得られたセルロースアセテート繊維
の減量率、酢化度及び水分率の測定を行い、その結果を
表1に示した。
下記条件のアルカリ鹸化処理を施した。得られたセルロ
ースアセテート繊維は、鞘部が厚さ2ミクロン以上のセ
ルロース層であったが、前駆体繊維の芯部のセルロース
トリアセテートの一部が鹸化されて生じたセルロースジ
アセテート或いはセルロースモノアセテートが存在する
ものであった。また、得られたセルロースアセテート繊
維の減量率、酢化度及び水分率の測定を行い、その結果
を表1に示した。
ーストリアセテートを塩化メチレン/メタノール=91
/9の混合溶剤に溶解し、溶液濃度22重量%のセルロ
ーストリアセテート紡糸原液を調製した。この紡糸原液
を用い、通常の紡糸ノズルにて乾式紡糸し、75デニー
ル/20フィラメントのセルローストリアセテート繊維
を得た。得られたセルローストリアセテート繊維の水分
率の測定を行い、その結果を参考までに表1に示した。
ースアセテート複合繊維の減量率及び酢化度は、アルカ
リ鹸化処理前のセルローストリアセテートとセルロース
ジアセテートの芯鞘複合比にかかわらず鞘部のセルロー
スジアセテートのみが全部鹸化されてセルロース化され
芯部のセルローストリアセテートが全く鹸化されていな
いと仮定して算出した値とほぼ一致した。また、本発明
のセルロースアセテート複合繊維は、繊維表層のセルロ
ース層と芯部のセルローストリアセテート間には中間層
が存在せず明瞭な2層構造を有していた。
いセルロース層で、芯部がセルローストリアセテートの
明瞭な2層構造を有するセルロースアセテート複合繊維
が得られ、従来のセルロースジアセテート繊維やセルロ
ーストリアセテート繊維のドライ感のある風合い比べ、
レーヨン様のシットリしたウエット感のある風合いを有
し、また、吸湿性、良好な染色性を有するセルロースア
セテート複合繊維を穏やかな条件で得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯成分として平均酢化度56.2%以上
62.5%以下のセルローストリアセテートを有機溶媒
に溶解した紡糸原液、鞘成分として平均酢化度48.8
%以上56.2%未満のセルロースジアセテートを有機
溶剤に溶解した紡糸原液を用い、芯鞘型に乾式紡糸し、
得られた芯鞘型複合繊維を、アルカリ鹸化処理して鞘部
のセルロースジアセテートの全部をセルロース化するこ
とを特徴とするセルロースアセテート複合繊維の製造方
法。 - 【請求項2】 得られた芯鞘型複合繊維を、水酸化ナト
リウム濃度0.5〜5重量%水溶液にて、温度30〜9
0℃、時間5〜25分の条件でアルカリ鹸化処理する請
求項1記載のセルロースアセテート複合繊維の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32527095A JP3145290B2 (ja) | 1995-11-21 | 1995-11-21 | セルロースアセテート複合繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32527095A JP3145290B2 (ja) | 1995-11-21 | 1995-11-21 | セルロースアセテート複合繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09143819A JPH09143819A (ja) | 1997-06-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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KR100472386B1 (ko) * | 2001-11-22 | 2005-03-08 | 에스케이케미칼주식회사 | 연속적 알칼리 처리 방법에 의한 셀룰로오스 섬유의제조방법 |
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1995
- 1995-11-21 JP JP32527095A patent/JP3145290B2/ja not_active Expired - Fee Related
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