JP3143416U - 医療用複室容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに未混合状態で各収容室に収容されている薬剤を、使用時において確実に、かつ簡易な方法で混合するための医療用複室容器を提供する。
【解決手段】強シール部3により周囲が区画され、薬剤を収容可能な収容本体2と、互いに離間する強シール部3間に架設される弱シール部4によって区画される上部収容室5および下部収容室6と、下部収容室6の一端に対向配置され、下部収容室6に向かって進出することにより下部収容室6を開通させるための開通部材10と、一端が開通部材10に固定され、他端が一端から下部収容室5を区画する弱シール部4と強シール部3とに沿って延び、開通部材10に固定されるコード21と、を備える医療用複室容器1であって、開通部材10を下部収容室6に向かって進出させると、下部収容室6と開通部材10とが開通され、かつ、コード21が開通部材10に引き寄せられて、弱シール部4が開裂される。
【選択図】図1
【解決手段】強シール部3により周囲が区画され、薬剤を収容可能な収容本体2と、互いに離間する強シール部3間に架設される弱シール部4によって区画される上部収容室5および下部収容室6と、下部収容室6の一端に対向配置され、下部収容室6に向かって進出することにより下部収容室6を開通させるための開通部材10と、一端が開通部材10に固定され、他端が一端から下部収容室5を区画する弱シール部4と強シール部3とに沿って延び、開通部材10に固定されるコード21と、を備える医療用複室容器1であって、開通部材10を下部収容室6に向かって進出させると、下部収容室6と開通部材10とが開通され、かつ、コード21が開通部材10に引き寄せられて、弱シール部4が開裂される。
【選択図】図1
Description
本考案は、互いに未混合状態で各収容室に収容されている薬剤を、使用時に確実に混合するための医療用複室容器に関する。
静脈注射などにより患者に投与される薬剤には、例えば、アミノ酸輸液とブドウ糖輸液との組み合わせ、脂肪乳剤と電解質溶液との組み合わせ、リン酸含有液とカルシウム含有液との組み合わせなどのように、互いに混合した状態で保存すれば、薬剤間の相互作用によって分解、変色、凝集・沈殿などを生じる組み合わせがある。また、固形剤として供給される薬剤には、例えば、抗生物質などのように、生理食塩水などの溶解液に溶解させて保存することによって分解、変色などを生じる薬剤がある。
そこで、保存時の変質を防止し、使用時の簡易かつ無菌的な混合を実現するため、上記薬剤の組み合わせ、または上記した薬剤とその溶解液との組み合わせを、それぞれ区分して収容可能な複数の収容室を備え、各上記収容室間を使用時に連通可能な複室容器が用いられている。
しかし、近年の医療現場は、医療従事者の負担が過大である。このため、医療従事者が、複室容器の収容室間の連通処理を忘れる場合があり、複室容器に収容されている複数の薬剤の一部のみが誤って患者に投与されるおそれがある。
しかし、近年の医療現場は、医療従事者の負担が過大である。このため、医療従事者が、複室容器の収容室間の連通処理を忘れる場合があり、複室容器に収容されている複数の薬剤の一部のみが誤って患者に投与されるおそれがある。
そこで、このようなおそれを未然に防止するため、患者への投与前に、収容室間の連通が確実に行われるような複室容器が求められている。
特許文献1には、最内層がシーラント層でなる2枚の略方形状の複合シートが腹合わせ状態で、その上下および両側縁がシールされ、該上縁シール部には吊下げ用孔が穿設され、下縁シール部には注出口が設けられていて、前記2枚の複合シートの内面の上下方向の略中央部は、両側縁シール部を結ぶ帯状のセンターシール部でシールされている2液混合袋状輸液容器において、前記両側縁シール部を結ぶ帯状のセンターシール部が上部に頂点を持つ山形を形成し、かつ略中央で折り畳んだ際に、その内面同士がセンターシール部の山形の頂点に相当する位置でスポット状の接着層を形成し、該スポット状の接着層の接着強度が、前記センターシール部の接着強度よりも大きいことを特徴とする2液混合袋状輸液容器が提案されている。この2液混合袋状輸液容器によれば、その使用に際し、折り畳まれている容器を起こしてスポット状の接着層を剥離しようとすることにより、センターシール部が、その山形状の頂点を起点として、その裾野まで剥離する。このため、あらためてセンターシール部を剥離して開通しなくても、分離して収容されている2液を混合することができる。
特開2005−40415号公報
特許文献1には、最内層がシーラント層でなる2枚の略方形状の複合シートが腹合わせ状態で、その上下および両側縁がシールされ、該上縁シール部には吊下げ用孔が穿設され、下縁シール部には注出口が設けられていて、前記2枚の複合シートの内面の上下方向の略中央部は、両側縁シール部を結ぶ帯状のセンターシール部でシールされている2液混合袋状輸液容器において、前記両側縁シール部を結ぶ帯状のセンターシール部が上部に頂点を持つ山形を形成し、かつ略中央で折り畳んだ際に、その内面同士がセンターシール部の山形の頂点に相当する位置でスポット状の接着層を形成し、該スポット状の接着層の接着強度が、前記センターシール部の接着強度よりも大きいことを特徴とする2液混合袋状輸液容器が提案されている。この2液混合袋状輸液容器によれば、その使用に際し、折り畳まれている容器を起こしてスポット状の接着層を剥離しようとすることにより、センターシール部が、その山形状の頂点を起点として、その裾野まで剥離する。このため、あらためてセンターシール部を剥離して開通しなくても、分離して収容されている2液を混合することができる。
しかるに、特許文献1に記載の2液混合袋状輸液容器では、容器から実際に薬剤を排出するため、注出口に注射針などを刺し通し、注出口と、注出口に隣接する収容部とを開通させる操作と、センターシール部(弱シール部)を剥離し、2つの収容部に分離収容されている薬剤を混合させる操作とが、互いに関連付けられていない。
このため、上記2液混合袋状輸液容器によれば、例えば、センターシール部の剥離による薬剤の混合後、容器からの薬剤の排出をし忘れることで、薬剤が変質して使用できなくなる事態が生じるおそれがある。さらに、例えば、2液混合袋状輸液容器を折り畳んだ状態であっても、注出口に注射針などを刺し通して、注出口に隣接する収容部から薬剤を注出することができるため、未混合状態で使用されるおそれもある。また、上記2液混合袋状輸液容器は、弱シール部の剥離による薬剤の混合を避けるため、実際に薬剤を排出するまでの間、折り畳んだ状態で維持する必要がある。それゆえ、容器が嵩張り、保管、運搬などに不便である。
このため、上記2液混合袋状輸液容器によれば、例えば、センターシール部の剥離による薬剤の混合後、容器からの薬剤の排出をし忘れることで、薬剤が変質して使用できなくなる事態が生じるおそれがある。さらに、例えば、2液混合袋状輸液容器を折り畳んだ状態であっても、注出口に注射針などを刺し通して、注出口に隣接する収容部から薬剤を注出することができるため、未混合状態で使用されるおそれもある。また、上記2液混合袋状輸液容器は、弱シール部の剥離による薬剤の混合を避けるため、実際に薬剤を排出するまでの間、折り畳んだ状態で維持する必要がある。それゆえ、容器が嵩張り、保管、運搬などに不便である。
本考案の目的は、互いに未混合状態で各収容室に収容されている薬剤を、使用時において確実に、かつ簡易な方法で混合するための医療用複室容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案の医療用複室容器は、強シール部により周囲が区画され、薬剤を収容可能な収容本体と、互いに離間する前記強シール部間に架設され、前記収容本体を複数の収容室に区画する弱シール部と、任意の前記収容室の一端に対向配置され、その収容室に向かって進出することにより前記収容室を開通させるための開通部材と、一端が固定され、他端が、前記一端から、前記開通部材が対向配置されている収容室を区画する弱シール部と強シール部とに沿って延び、前記開通部材に固定されるコードと、を備え、前記開通部材を前記収容室に向かって進出させたときに、その開通部材の移動に伴って緊張されるコードによって、前記弱シール部が開裂されることを特徴としている。
本考案の医療用複室容器では、開通部材をこれと対向する収容室に向かって進出させると、上記収容室が開通される。また、開通部材をこれと対向する収容室に向かって進出させると、コードが緊張され、これにより、上記収容室と他の収容室とを区画する弱シール部が開裂されて、これら収容室間が互いに連通される。すなわち、上記医療用複室容器では、開通部材とこれに対向する収容室とを開通させる操作と、上記収容室と他の収容室とを区画する弱シール部を開裂させ、各収容室に分離収容されている薬剤を混合させる操作とが、互いに関連付けられている。しかも、これら一連の操作は、開通部材をこれと対向する収容室に向かって進出させるという簡易な操作によって達成される。
このため、本考案の医療用複室容器によれば、開通部材とこれに対向する収容室との開通と連動させて、各収容室間を連通させることができる。また、これにより、例えば、各収容室間の薬剤が未混合状態で、一部の収容室の薬剤のみが排出されるという事態や、各収容室間の薬剤が混合された状態であるにもかかわらず、開通部材とこれに対向する収容室との間が開通されずに放置されるという事態を防止することができる。すなわち、本考案の医療用複室容器によれば、互いに未混合状態で各収容室に収容されている薬剤を、使用時において確実に、かつ簡易な方法で混合することができる。
本考案の医療用複室容器は、前記コードの両端が前記開通部材に固定され、前記コードは、前記開通部材が対向配置されている収容室を取り囲むように、弱シール部と強シール部とに沿って配置されていることが好適である。
この場合、開通部材の上記進出方向への進出に伴って、より一層確実にコードを緊張させることができ、効率よく弱シール部を開裂させることができる。このため、上記医療用複室容器によれば、開通部材とこれに対向する収容室とを開通させる操作と、上記収容室と他の収容室とを区画する弱シール部を開裂させ、各収容室に分離収容されている薬剤を混合させる操作との関連付けを、より強固にすることができる。
この場合、開通部材の上記進出方向への進出に伴って、より一層確実にコードを緊張させることができ、効率よく弱シール部を開裂させることができる。このため、上記医療用複室容器によれば、開通部材とこれに対向する収容室とを開通させる操作と、上記収容室と他の収容室とを区画する弱シール部を開裂させ、各収容室に分離収容されている薬剤を混合させる操作との関連付けを、より強固にすることができる。
本考案の医療用複室容器は、前記コードが、前記開通部材の進出距離に対応して、前記弱シール部が開裂するように張設されていることが好適である。
この場合、開通部材の進出距離と、開通部材の進出によって開通部材に引き寄せられるコードの長さとの間の遊び量が解消される。それゆえ、開通部材の進出前に、既にコードが緊張されており、開通部材の進出に伴って、より一層確実に弱シール部を開裂させることができる。
この場合、開通部材の進出距離と、開通部材の進出によって開通部材に引き寄せられるコードの長さとの間の遊び量が解消される。それゆえ、開通部材の進出前に、既にコードが緊張されており、開通部材の進出に伴って、より一層確実に弱シール部を開裂させることができる。
本考案の医療用複室容器は、前記コードが、前記弱シール部における前記開通部材側と反対側の端縁に沿って配置されていることが好適である。
この場合、開通部材の移動に伴って緊張されるコードによって、上記弱シール部を、その開通部材側と反対側の端縁から開通部材側の端縁へと向かって、開裂させることができる。それゆえ、弱シール部をより一層確実に開裂させることができる。
この場合、開通部材の移動に伴って緊張されるコードによって、上記弱シール部を、その開通部材側と反対側の端縁から開通部材側の端縁へと向かって、開裂させることができる。それゆえ、弱シール部をより一層確実に開裂させることができる。
本考案の医療用複室容器は、前記コードが、前記強シール部の内部に埋設されていることが好適である。
この場合、コードが、医療用複室容器の外部に現れないようにすることができ、容器の外部からの細菌の混入、容器の外部への薬剤の漏出などを防止することができる。
本考案の医療用複室容器は、前記開通部材が、対向する前記収容室への進出方向と逆方向に開放され、前記収容本体から薬剤を排出するための薬剤排出具と接続されるアダプタ部と、このアダプタ部から前記進出方向に向かって延びる突起部と、を備え、さらに、前記収容室と医療用複室容器の外部とを連通し、前記開通部材を前記進出方向に保持する筒体と、この筒体の前記収容室側開口部を封止する栓体と、を備えていることが好適である。
この場合、コードが、医療用複室容器の外部に現れないようにすることができ、容器の外部からの細菌の混入、容器の外部への薬剤の漏出などを防止することができる。
本考案の医療用複室容器は、前記開通部材が、対向する前記収容室への進出方向と逆方向に開放され、前記収容本体から薬剤を排出するための薬剤排出具と接続されるアダプタ部と、このアダプタ部から前記進出方向に向かって延びる突起部と、を備え、さらに、前記収容室と医療用複室容器の外部とを連通し、前記開通部材を前記進出方向に保持する筒体と、この筒体の前記収容室側開口部を封止する栓体と、を備えていることが好適である。
この場合、例えば、まず、医療用複室容器から薬剤を注出するための点滴チューブなどの注出用部材を、開通部材のアダプタ部に取り付ける。次いで、このアダプタ部を、上記筒体内で進出方向に進出させて、筒体の収容室側開口部を封止する栓体を、アダプタ部から進出方向に向かって延びる突起部で刺し通すことができる。すなわち、注出用部材をアダプタ部に取り付け、進出方向に進出させることで、注出用部材と、医療用複室容器の収容本体とを連通させることができる。
本考案の医療用容器によれば、互いに未混合状態で各収容室に収容されている薬剤を、使用時において確実に、かつ簡易な方法で混合するための医療用複室容器を提供することができる。
図1は、本考案に係る医療用複室容器の一実施形態を示す正面断面図である。図2は、図1の拡大部分断面図であり、図3は、図1のA−A断面図である。図4は、図1のB−B断面図であり、図5は、図1のC部において、コード21を取り去った状態を示す拡大部分断面図であり、図6は、図1のD−D断面図である。
図1を参照して、医療用複室容器1は、正面視略矩形状の収容本体2を有している。この収容本体2は、2枚のプラスチックフィルム29,30(図4参照)を重ね合わせ、その周囲を互いに溶着することにより形成された略矩形枠状の強シール部3で区画されている。つまり、収容本体2は、その周囲の強シール部3により、バッグ状に形成されている。なお、図1は、2枚のプラスチックフィルム29,30の重ね合わせ部分で切断した断面を示している。
図1を参照して、医療用複室容器1は、正面視略矩形状の収容本体2を有している。この収容本体2は、2枚のプラスチックフィルム29,30(図4参照)を重ね合わせ、その周囲を互いに溶着することにより形成された略矩形枠状の強シール部3で区画されている。つまり、収容本体2は、その周囲の強シール部3により、バッグ状に形成されている。なお、図1は、2枚のプラスチックフィルム29,30の重ね合わせ部分で切断した断面を示している。
収容本体2は、正面視左右方向において互いに離間し、上下方向に沿って平行に配置される強シール部3(左側強シール部3a、および右側強シール部3b)間において、左右方向に架設された弱シール部4を備えている。この弱シール部4は、収容本体2の内部を上下に区画している。つまり、収容本体2は、弱シール部4により、上部収容室5と下部収容室6との2つの収容室に区画されている。
下部収容室6は、弱シール部4と上下方向に対向する位置の強シール部3(下側強シール部3c)において、薬剤排出部7を備えている。この薬剤排出部7は、筒体8と、筒体8の内部を封止する第1栓体9と、この筒体8の内部に保持される開通部材10と、を備えている。
筒体8は、図2に示すように、略円筒形状に形成されている。この筒体8は、下部収容室6と医療用複室容器1の外部とを連通するように、左右方向に延びる下側強シール部3cを横切って配置されている。また、筒体8は、2枚のプラスチックフィルム29,30間に挟持されており、正面視上側(すなわち、下部収容室6側)の端部から下側の端部にかけて、下側強シール部3c内に埋設されている。
筒体8は、図2に示すように、略円筒形状に形成されている。この筒体8は、下部収容室6と医療用複室容器1の外部とを連通するように、左右方向に延びる下側強シール部3cを横切って配置されている。また、筒体8は、2枚のプラスチックフィルム29,30間に挟持されており、正面視上側(すなわち、下部収容室6側)の端部から下側の端部にかけて、下側強シール部3c内に埋設されている。
一方、筒体8の下側端部は、下側強シール部3cから外部に露出されている。筒体8の下側端縁の内周面は、後述する開通部材10の脱落を防ぐため、径方向内側に突出した係止部11を備えている。
また、筒体8には、下側強シール部3cを形成する2枚のプラスチックフィルム29,30が接着されている。
また、筒体8には、下側強シール部3cを形成する2枚のプラスチックフィルム29,30が接着されている。
筒体8は、図3に示すように、その外周壁に、後述するコード21を通すための一対のスリット部12,13を備えている。この一対のスリット部、すなわち、左側スリット部12と右側スリット部13とは、いずれも筒体8の周壁において、正面視上下方向(すなわち、筒体8の軸方向)に沿って、かつ、筒体8の内周面から外周面へと貫通して形成されている。
一方、2枚のプラスチックフィルム29,30は、筒体8の各スリット部12,13と左右方向にそれぞれ隣接する部位において、互いに接着されておらず、後述するコード21の緊張を許容するための一対の非シール部14,15を形成している。
図2に示すように、一対の非シール部、すなわち、左側非シール部14と右側非シール部15とは、それぞれの側方に、下側強シール部3cとの側方境界縁16a,16bを有しており、かつ、それぞれの下側に、下側強シール部3cとの下側境界縁17a,17bを有している。
図2に示すように、一対の非シール部、すなわち、左側非シール部14と右側非シール部15とは、それぞれの側方に、下側強シール部3cとの側方境界縁16a,16bを有しており、かつ、それぞれの下側に、下側強シール部3cとの下側境界縁17a,17bを有している。
各側方境界縁16a,16bは、下部収容室6側に向かうに連れて各スリット部12,13の上側端縁に近づくテーパ状に形成されている。また、各下側境界縁17a,17bは、各スリット部12,13の下側端縁からそれぞれ左右方向に延びるように形成されている。
そして、この一対の非シール部14,15は、筒体8の各スリット部12,13と、2枚のプラスチックフィルム29,30とで囲まれた空間部を形成している。
そして、この一対の非シール部14,15は、筒体8の各スリット部12,13と、2枚のプラスチックフィルム29,30とで囲まれた空間部を形成している。
これによって、各スリット部12,13は、筒体8の外周面で2枚のプラスチックフィルム29,30のいずれにも被覆されておらず、筒体8の外周端縁で左右方向にそれぞれ開放されている。
第1栓体9は、略円柱形状に形成されており、筒体8の上側端部において、筒体8の内部を封止している。
第1栓体9は、略円柱形状に形成されており、筒体8の上側端部において、筒体8の内部を封止している。
開通部材10は、筒体8の内部において、下部収容室6に対し上下方向に対向して配置され、かつ、上下方向に進退自在に保持されている。この開通部材10は、アダプタ部18と、このアダプタ部18から下部収容室6へと向かう進出方向に延びる突起部19と、を備えている。
アダプタ部18は、図2に示すように、略円筒状に形成されている。このアダプタ部1に8は、上側、すなわち、下部収容室6側に、突起部19が連設されている。
アダプタ部18は、図2に示すように、略円筒状に形成されている。このアダプタ部1に8は、上側、すなわち、下部収容室6側に、突起部19が連設されている。
突起部19は、図2に示すように、中空針状に形成されている。この突起部19は、その先端部分が、筒体8の内部を封止する第1栓体9に対向するように配置されている。
また、アダプタ部18は、突起部19と対向する開放端において、第2栓体20を備えている。
第2栓体20は、図2に示すように、略円柱状に形成されており、アダプタ部18の下側開放端を封止している。この第2栓体20には、収容本体2から薬剤を排出するための薬剤排出具が、薬剤排出部7の下側、すなわち、医療用複室容器1の外部側から接続される。
また、アダプタ部18は、突起部19と対向する開放端において、第2栓体20を備えている。
第2栓体20は、図2に示すように、略円柱状に形成されており、アダプタ部18の下側開放端を封止している。この第2栓体20には、収容本体2から薬剤を排出するための薬剤排出具が、薬剤排出部7の下側、すなわち、医療用複室容器1の外部側から接続される。
医療用複室容器1は、さらに、コード21を備えている。
このコード21は、その一端22が開通部材10のアダプタ部18における正面視左側の外周壁に固定されており、このアダプタ18の左側外周壁から、筒体8の左側スリット部12を通過して、左側に延びている。
また、このコード21は、筒体8の左側スリット部12に隣接する左側非シール部14を通り、さらに左側に延びて、図4に示すように、下側強シール部3cの内部に埋設される。
このコード21は、その一端22が開通部材10のアダプタ部18における正面視左側の外周壁に固定されており、このアダプタ18の左側外周壁から、筒体8の左側スリット部12を通過して、左側に延びている。
また、このコード21は、筒体8の左側スリット部12に隣接する左側非シール部14を通り、さらに左側に延びて、図4に示すように、下側強シール部3cの内部に埋設される。
コード21は、下側強シール部3cの内部を左側強シール部3aへと向かって延び、下側強シール部3cと左側強シール部3aとが交差する第1角部23において、まず、後述する左側仮シール部36(図7(a)参照)に沿って左上方向へ屈曲し、次いで、上方向へと屈曲する。
さらに、コード21は、左側強シール部3aの内部を、左側強シール部3aと弱シール部4とが交差する第2角部24へ向かって延びる。図5に示すように、第2角部24において、コード21は、左側強シール部3aに埋設された状態で、左側強シール部3aと弱シール部4との境界縁に沿って右上方向へと屈曲する。なお、図5では、コード21の記載を省略している。
さらに、コード21は、左側強シール部3aの内部を、左側強シール部3aと弱シール部4とが交差する第2角部24へ向かって延びる。図5に示すように、第2角部24において、コード21は、左側強シール部3aに埋設された状態で、左側強シール部3aと弱シール部4との境界縁に沿って右上方向へと屈曲する。なお、図5では、コード21の記載を省略している。
次に、コード21は、左側強シール部3aの内部から上部収容室5へと抜け出て、右方向へと屈曲する。そして、図6に示すように、上部収容室5の内部において、弱シール部4の下部収容室6と反対側の端縁25に沿って、弱シール部4と右側強シール部3bとが交差する第3角部26に向かって延びる。
第3角部26において、コード21は、弱シール部4と右側強シール部3bとの境界縁に沿って右下方向へと屈曲し、右側強シール部3bに埋設される。そして、右側強シール部3bの内部において、下方向へと屈曲する。
第3角部26において、コード21は、弱シール部4と右側強シール部3bとの境界縁に沿って右下方向へと屈曲し、右側強シール部3bに埋設される。そして、右側強シール部3bの内部において、下方向へと屈曲する。
さらに、コード21は、右側強シール部3bの内部を下側強シール部3cに向かって延び、右側強シール部3bと下側強シール部3cとが交差する第4角部27において、まず、後述する右側仮シール部37(図7(a)参照)に沿って左下方向へ屈曲し、次いで、左方向へと屈曲する。
次いで、コード21は、下側強シール部3cの内部を右側非シール部15に向かって延び、下側強シール部3cの内部から右側非シール部15へと抜け出る。
次いで、コード21は、下側強シール部3cの内部を右側非シール部15に向かって延び、下側強シール部3cの内部から右側非シール部15へと抜け出る。
さらに、コード21は、左側に延びて、右側非シール部15を通り、この右側非シール部15に隣接する右側スリット部13を通過する。そして、コード21は、その他端28が、開通部材10のアダプタ部18における右側外周壁に固定される。
こうして、コード21は、その一端22が固定されているアダプタ部18の左側外周壁から、筒体8の左側スリット部12と、左側非シール部14とを通り、下部収容室6を区画する下側強シール部cの内部と、左側強シール部3aの内部と、弱シール部4の端縁25と、右側強シール部3bの内部と、および下側強シール部3cの内部とを経て、右側非シール部15と、筒体8の右側スリット部13とを通り、アダプタ部18の右側外周壁にその他端28が固定される。また、これにより、コード21は、開通部材10が対向配置されている下部収容部6を取り囲むように、強シール部3と弱シール部4とに沿って配置される。
こうして、コード21は、その一端22が固定されているアダプタ部18の左側外周壁から、筒体8の左側スリット部12と、左側非シール部14とを通り、下部収容室6を区画する下側強シール部cの内部と、左側強シール部3aの内部と、弱シール部4の端縁25と、右側強シール部3bの内部と、および下側強シール部3cの内部とを経て、右側非シール部15と、筒体8の右側スリット部13とを通り、アダプタ部18の右側外周壁にその他端28が固定される。また、これにより、コード21は、開通部材10が対向配置されている下部収容部6を取り囲むように、強シール部3と弱シール部4とに沿って配置される。
コード21は、下側強シール部3c、左側強シール部3a、および右側強シール部3bにおいて、それぞれの内部に埋設される。この際、コード21は、各強シール部3a,3b,3cを形成する2枚のプラスチックフィルム29,30によって、摺動可能に挟持されている。
図7(a)、(b)、および(c)は、図1に示す医療用複室容器1の製造方法の一例を模式的に示す説明図であって、(a)は、弱シール部と仮シール部との形成方法を示す斜視図であり、(b)は、弱シール部と仮シール部とを備える2枚のプラスチックフィルム間に薬剤排出部を装着する方法を示す模式図であり、(c)は、強シール部の形成方法を示す平面図である。
図7(a)、(b)、および(c)は、図1に示す医療用複室容器1の製造方法の一例を模式的に示す説明図であって、(a)は、弱シール部と仮シール部との形成方法を示す斜視図であり、(b)は、弱シール部と仮シール部とを備える2枚のプラスチックフィルム間に薬剤排出部を装着する方法を示す模式図であり、(c)は、強シール部の形成方法を示す平面図である。
図7(a)を参照して、まず、医療用複室容器1の収容本体3を形成する2枚のプラスチックフィルム29,30を重ね合わせ、一対の第1金型(第1上金型31および第1下金型32)で挟み込むように配置する。
第1上金型31と第1下金型32とは、それぞれの基板の表面に、医療用複室容器1の弱シール部4を形成するための弱シール用圧接部33と、2箇所の仮シール部36,37(図7(b)参照)を形成するための左側仮シール用圧接部34と、右側仮シール用圧接部35とを備えている。
第1上金型31と第1下金型32とは、それぞれの基板の表面に、医療用複室容器1の弱シール部4を形成するための弱シール用圧接部33と、2箇所の仮シール部36,37(図7(b)参照)を形成するための左側仮シール用圧接部34と、右側仮シール用圧接部35とを備えている。
弱シール用圧接部33と、各仮シール用圧接部34,35とは、いずれも各第1金型の基板の対向面において、互いに対向する方向に突出して形成されている。
弱シール用圧接部33の頂部は、第1上金型31と第1下金型32とを重ね合わせたときに、2枚のプラスチックフィルム29,30を挟んで圧接する平面に形成されている。また、弱シール用圧接部33の頂部の平面形状は、図1に示す弱シール部4の平面形状に合わせて形成されている。
弱シール用圧接部33の頂部は、第1上金型31と第1下金型32とを重ね合わせたときに、2枚のプラスチックフィルム29,30を挟んで圧接する平面に形成されている。また、弱シール用圧接部33の頂部の平面形状は、図1に示す弱シール部4の平面形状に合わせて形成されている。
2つの仮シール用圧接部34,35は、第1上金型31と第1下金型32とを重ね合わせたときに、2枚のプラスチックフィルム29,30を挟んで圧接する平面に形成されている。また、左側仮シール用圧接部34および右側仮シール用圧接部35の頂部の平面形状は、それぞれ、図1に示す左側仮シール部36および右側仮シール部37の平面形状に合わせて形成されている。
上記一対の第1金型で2枚のプラスチックフィルム29,30を挟み込み、熱シールすることにより、図7(b)に示すように、2枚のプラスチックフィルム29,30の間に、これら2枚のプラスチックフィルム29,30が互いに溶着された弱シール部4と、2箇所の仮シール部36,37とが形成される。
次に、図7(b)を参照して、弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とによって互いに接着された一対のプラスチックフィルム29,30に対し、薬剤排出部7と、この薬剤排出部7におけるアダプタ部18に接続されたコード21とを装着する。この際、コード21は、2枚のプラスチックフィルム29,30間に挟みこみ、弱シール部4の端縁25と、2箇所の仮シール部36,37とに、それぞれ引っ掛かるように配置する。また、薬剤排出部7は、2枚のプラスチックフィルム29,30間で、2箇所の仮シール部36,37に配置する。
次に、図7(b)を参照して、弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とによって互いに接着された一対のプラスチックフィルム29,30に対し、薬剤排出部7と、この薬剤排出部7におけるアダプタ部18に接続されたコード21とを装着する。この際、コード21は、2枚のプラスチックフィルム29,30間に挟みこみ、弱シール部4の端縁25と、2箇所の仮シール部36,37とに、それぞれ引っ掛かるように配置する。また、薬剤排出部7は、2枚のプラスチックフィルム29,30間で、2箇所の仮シール部36,37に配置する。
ここで、コード21は、その一端22から他端28へと至るまでの間で、遊び量が極力少なくなるように張設される。
次いで、図7(c)を参照して、弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とによって互いに接着された一対のプラスチックフィルム29,30を、コード21が弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とに引っ掛かるようにして配置された薬剤排出部7とともに、一対の第2金型(第2上金型38および第2下金型39)で挟み込むように配置する。
次いで、図7(c)を参照して、弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とによって互いに接着された一対のプラスチックフィルム29,30を、コード21が弱シール部4と2箇所の仮シール部36,37とに引っ掛かるようにして配置された薬剤排出部7とともに、一対の第2金型(第2上金型38および第2下金型39)で挟み込むように配置する。
第2上金型38と第2下金型39とは、それぞれの基板の表面に、医療用複室容器1の強シール部3を形成するための強シール用圧接部40を備えている。この強シール用圧接部40は、各第2金型の基板の対向面において、互いに対向する方向に突出して形成されている。
強シール用圧接部40の頂部は、第2上金型38と第2下金型39とを重ね合わせたときに、2枚のプラスチックフィルム29,30を挟んで圧接する平面に形成されている。また、強シール用圧接部40の頂部の平面形状は、図1に示す強シール部3の平面形状に合わせて形成されている。
強シール用圧接部40の頂部は、第2上金型38と第2下金型39とを重ね合わせたときに、2枚のプラスチックフィルム29,30を挟んで圧接する平面に形成されている。また、強シール用圧接部40の頂部の平面形状は、図1に示す強シール部3の平面形状に合わせて形成されている。
一対のプラスチックフィルム29,30を一対の第2金型で挟み込むように配置する場合において、薬剤排出部7は、一対の第2金型における各筒体保持部41に配置される。
筒体保持部41は、一対の第2金型を重ね合わせたときに、薬剤排出部7を嵌め合わせて、その外周面と一対のプラスチックフィルム29,30とを圧接させ、互いに接着させるための部位である。この筒体保持部41は、薬剤排出部7の外周形状に合わせて、強シール用圧接部40の突出を調整することにより形成される。
筒体保持部41は、一対の第2金型を重ね合わせたときに、薬剤排出部7を嵌め合わせて、その外周面と一対のプラスチックフィルム29,30とを圧接させ、互いに接着させるための部位である。この筒体保持部41は、薬剤排出部7の外周形状に合わせて、強シール用圧接部40の突出を調整することにより形成される。
また、一対のプラスチックフィルム29,30を一対の第2金型で挟み込むように配置する場合において、弱シール部4の配置は、弱シール部4の左右方向両端(強シール部3と交差する部位)と、一対の第2金型の強シール用圧接部40にそれぞれ設けられた一対の第1切欠き部42とを互いに重ね合わせることにより、位置合わせされる。
一対の第1切欠き部42は、一対の第2金型における強シール用圧接部40のうち、左側強シール部3aおよび右側強シール部3bに対応する部位において、第2角部24(図1参照)での左側強シール部3aの平面形状や、第3角部26(図1参照)での右側強シール部3bの平面形状に合わせて切り欠いた部位である。
一対の第1切欠き部42は、一対の第2金型における強シール用圧接部40のうち、左側強シール部3aおよび右側強シール部3bに対応する部位において、第2角部24(図1参照)での左側強シール部3aの平面形状や、第3角部26(図1参照)での右側強シール部3bの平面形状に合わせて切り欠いた部位である。
また、一対のプラスチックフィルム29,30を一対の第2金型で挟み込むように配置する場合において、コード21は、一対の第2金型の強シール用圧接部40にそれぞれ設けられたコード保持用溝部43に沿って配置される。
コード保持用溝部43は、一対の第2金型を重ね合わせたときに、コード21を嵌め合わせて、その外周面に沿って一対のプラスチックフィルム29,30を圧接させるための部位である。このコード保持用溝部43は、コード21の外周形状に合わせて、強シール用圧接部40の突出を調整することにより形成される。
コード保持用溝部43は、一対の第2金型を重ね合わせたときに、コード21を嵌め合わせて、その外周面に沿って一対のプラスチックフィルム29,30を圧接させるための部位である。このコード保持用溝部43は、コード21の外周形状に合わせて、強シール用圧接部40の突出を調整することにより形成される。
また、一対の第2金型の強シール用圧接部40には、筒体保持部41の左右両側に隣接して、一対の非シール部14,15を形成するための一対の第2切欠き部を備えている。
一対の第2切欠き部44は、左側非シール部14および右側非シール部15に対応する部位である。この一対の第2切欠き部44では、一対のプラスチックフィルム29,30に強シール用圧接部40が当接されないように、強シール用圧接部40の突出が調整される。
一対の第2切欠き部44は、左側非シール部14および右側非シール部15に対応する部位である。この一対の第2切欠き部44では、一対のプラスチックフィルム29,30に強シール用圧接部40が当接されないように、強シール用圧接部40の突出が調整される。
上記一対の第2金型で、一対のプラスチックフィルム29,30を挟み込み、熱シールすることにより、一対のプラスチックフィルム29,30間に、これら一対のプラスチックフィルム29,30が互いに溶着された強シール部3が形成される。なお、一対の第1金型による熱シールで形成された一対の仮シール部36,37は、一対の第2金型による熱シールによって、強シール部3の一部となる。
こうして、強シール部3を形成後、強シール部3の外周縁を切断、除去することにより、図1に示す医療用複室容器1が形成される。
収容本体2を形成するプラスチックフィルムとしては、薬剤容器に用いられる各種のプラスチックフィルムが挙げられる。また、好ましくは、例えば、2枚のプラスチックフィルムの互いに重ね合わせられる面が、ポリオレフィン系フィルムから形成される。
収容本体2を形成するプラスチックフィルムとしては、薬剤容器に用いられる各種のプラスチックフィルムが挙げられる。また、好ましくは、例えば、2枚のプラスチックフィルムの互いに重ね合わせられる面が、ポリオレフィン系フィルムから形成される。
上記の製造方法において、強シール部3のシール強度は、容易に剥離することがない程度に設定される。
また、弱シール部4のシール強度は、後述するように、筒体8内での開通部材10の進出に伴ってコード21が緊張されたときに、このコード21によって容易に開裂される程度であり、かつ、例えば、医療用複室容器1を誤って落下させたり、保管時に積み重ねたりした場合に、誤って開裂されない程度に設定される。
また、弱シール部4のシール強度は、後述するように、筒体8内での開通部材10の進出に伴ってコード21が緊張されたときに、このコード21によって容易に開裂される程度であり、かつ、例えば、医療用複室容器1を誤って落下させたり、保管時に積み重ねたりした場合に、誤って開裂されない程度に設定される。
これら強シール部3および弱シール部4の形成方法、形成条件などは、常法に従って適宜設定される。
コード21の形成材料としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−612などの脂肪族ポリアミド樹脂、例えば、パラ系アラミド樹脂、メタ系アラミド樹脂などの芳香族ポリアミド樹脂、などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、コード21には、例えば、白金線、チタン線、ステンレス線などの金属線を用いることもできる。
コード21の形成材料としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−612などの脂肪族ポリアミド樹脂、例えば、パラ系アラミド樹脂、メタ系アラミド樹脂などの芳香族ポリアミド樹脂、などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、コード21には、例えば、白金線、チタン線、ステンレス線などの金属線を用いることもできる。
コード21の直径は、コード21に要求される強度に応じて適宜設定すればよく、これに限定されないが、好ましくは、2mm以下、さらに好ましくは、0.3〜1mmである。
また、コード21には、筒体8内での開通部材10の進出に伴って緊張されたときに、切断や伸張変形を生じることのない引張強さと、上記製造方法による熱シール時に、熱変形を生じることのない耐熱性とを有していることが求められる。
また、コード21には、筒体8内での開通部材10の進出に伴って緊張されたときに、切断や伸張変形を生じることのない引張強さと、上記製造方法による熱シール時に、熱変形を生じることのない耐熱性とを有していることが求められる。
図8は、図1に示す医療用複室容器1の開通部材10を下部収容室6に向かって進出させた状態を示す正面断面図である。
図8を参照して、医療用複室容器1の使用時において、開通部材10のアダプタ部18内に注射針などの薬剤排出具45が接続されると、開通部材10は、筒体8内を下部収容室6に向かって進出し、筒体8内を封止する第1栓体9が、開通部材10の突起部19によって刺し通される。こうして、下部収容室6と薬剤排出部7の外部とが連通される。
図8を参照して、医療用複室容器1の使用時において、開通部材10のアダプタ部18内に注射針などの薬剤排出具45が接続されると、開通部材10は、筒体8内を下部収容室6に向かって進出し、筒体8内を封止する第1栓体9が、開通部材10の突起部19によって刺し通される。こうして、下部収容室6と薬剤排出部7の外部とが連通される。
また、開通部材10が筒体8内を、平面視上側に、すなわち、下部収容室6側に向かって進出したときに、コード21は、開通部材10によって引き寄せられる。具体的に、アダプタ部18の左側外壁部に固定されているコード21の一端22(図2参照)と、右側外壁部に固定されているコード21の他端28(図2参照)とは、開通部材10が筒体8内を下部収容室6側に向かって進出することで、アダプタ部18とともに上側へと移動する。ここで、コード21は、一端22および他端28に引き寄せられ、筒体8の一対のスリット部12,13に隣接する一対の非シール部14,15内において、各側方境界縁16a,16bに沿うように緊張される。
また、これにより、コード21の一端22は、下側強シール部3c内でコード21を右側へと摺動させ、左側強シール部3a内でコード21を下側へと摺動させる。また、コード21の他端28は、下側強シール部3c内でコード21を右側へと摺動させ、右側強シール部3bでコード21を下側へと摺動させる。
そして、弱シール部4の端縁25(図1参照)では、コード21が、左側強シール部3aと右側強シール部3bとの両側から引き寄せられる。これにより、コード21に対し、弱シール部4の端縁25から下側、すなわち、下部収容室6側へと引っ張る力がかかり、弱シール部4がコード21によって開裂される。
そして、弱シール部4の端縁25(図1参照)では、コード21が、左側強シール部3aと右側強シール部3bとの両側から引き寄せられる。これにより、コード21に対し、弱シール部4の端縁25から下側、すなわち、下部収容室6側へと引っ張る力がかかり、弱シール部4がコード21によって開裂される。
ここで、弱シール部4と左側強シール部3aとが交差する第2角部24では、上述のとおり、左側強シール部3a内で上側へと延びるコード21が、弱シール部4の端縁25に沿って左方向へと延びる前に、一旦、右上方向へと屈曲している。また、弱シール部4と右側強シール部3bとが交差する第3角部26では、上述のとおり、弱シール部4の端縁25に沿って延びるコード21が、右側強シール部3b内で下方向へと延びる前に、一旦、右下方向へと屈曲している。このように、コード21は、第2および第3角部24,26において、一旦、斜め方向へと屈曲していることから、コード21に対して左側および右側強シール部3a,3bの両側から引き寄せる力によって、弱シール部4を上下方向で引き裂きやすくなる。
こうして、筒体8内で開通部材10を下部収容室6に向かって進出させることにより、下部収容室6と薬剤排出部7の外部との連通と連動して、弱シール部4が開裂され、上部収容室5と下部収容室6との連通が達成される。
上記医療用複室容器1において、コード21は、その一端22から他端28へと至るまでの間で、遊び量が極力少なくなるように張設される。このように、コード21の遊び量を極力少なくして張設することで、開通部材10の移動に伴うコード21の移動を、そのまま弱シール部4の開裂操作にあてることができる。それゆえ、例えば、弱シール部4が、上部収容室5と下部収容室6との隣接方向で完全に開裂されないといった事態が生じることを防止し、コード21の緊張に伴う弱シール部4の開裂を確実に達成することができる。
上記医療用複室容器1において、コード21は、その一端22から他端28へと至るまでの間で、遊び量が極力少なくなるように張設される。このように、コード21の遊び量を極力少なくして張設することで、開通部材10の移動に伴うコード21の移動を、そのまま弱シール部4の開裂操作にあてることができる。それゆえ、例えば、弱シール部4が、上部収容室5と下部収容室6との隣接方向で完全に開裂されないといった事態が生じることを防止し、コード21の緊張に伴う弱シール部4の開裂を確実に達成することができる。
このように、上記実施形態によれば、医療用複室容器1の使用時に、開通部材10のアダプタ部18内に薬剤排出具45を接続し、そして、開通部材10を下部収容室6に向かって進出させることで、下部収容室6と薬剤排出部7の外部とを開通させることができる。また、これと連動させて、開通部材10に固定されているコード21によって、上部収容室5と下部収容室6とを区画する弱シール部4を開裂させ、両収容室5,6間を開通させることができる。
すなわち、上記実施形態によれば、上部収容室5と下部収容室6とで互いに未混合状態で収容されている薬剤を、その使用時において確実に、かつ簡易な方法で混合することができる。
それゆえ、上記医療用複室容器1の上部収容室5と下部収容室6とには、例えば、使用時に混合して使用され、かつ、経時的な変質を避けるため、互いに分離して保存される薬剤の組み合わせを、収容することができる。具体的に、このような薬剤の組み合わせとしては、例えば、アミノ酸輸液とブドウ糖輸液との組み合わせ、脂肪乳剤と電解質溶液との組み合わせ、リン酸含有液とカルシウム含有液との組み合わせなどが挙げられる。
それゆえ、上記医療用複室容器1の上部収容室5と下部収容室6とには、例えば、使用時に混合して使用され、かつ、経時的な変質を避けるため、互いに分離して保存される薬剤の組み合わせを、収容することができる。具体的に、このような薬剤の組み合わせとしては、例えば、アミノ酸輸液とブドウ糖輸液との組み合わせ、脂肪乳剤と電解質溶液との組み合わせ、リン酸含有液とカルシウム含有液との組み合わせなどが挙げられる。
本考案の医療用複室容器は、互いに未混合状態で各収容室に収容され、使用時において混合する薬剤を収容するための容器として好適である。
本考案は、以上の記載に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
本考案は、以上の記載に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
1 医療用複室容器、 2 収容本体、 3 強シール部、 4 弱シール部、 5 上部収容室、 6 下部収容室、 8 筒体、 9 第1栓体、 10 開通部材、 18 アダプタ部、 19 突起部、 21 コード、 22 (コード21の)一端、 25 (弱シール部4の)端縁、 28 (コード21の)他端。
Claims (6)
- 強シール部により周囲が区画され、薬剤を収容可能な収容本体と、
互いに離間する前記強シール部間に架設され、前記収容本体を複数の収容室に区画する弱シール部と、
任意の前記収容室の一端に対向配置され、その収容室に向かって進出することにより前記収容室を開通させるための開通部材と、
一端が固定され、他端が、前記一端から、前記開通部材が対向配置されている収容室を区画する弱シール部と強シール部とに沿って延び、前記開通部材に固定されるコードと、を備え、
前記開通部材を前記収容室に向かって進出させたときに、その開通部材の移動に伴って緊張されるコードによって、前記弱シール部が開裂されることを特徴とする、医療用複室容器。 - 前記コードの両端が前記開通部材に固定され、前記コードは、前記開通部材が対向配置されている収容室を取り囲むように、弱シール部と強シール部とに沿って配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の医療用複室容器。
- 前記コードが、前記開通部材の進出距離に対応して、前記弱シール部が開裂するように張設されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療用複室容器。
- 前記コードが、前記弱シール部における前記開通部材側と反対側の端縁に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の医療用複室容器。
- 前記コードが、前記強シール部の内部に埋設されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの記載の医療用複室容器。
- 前記開通部材が、対向する前記収容室への進出方向と逆方向に開放され、前記収容本体から薬剤を排出するための薬剤排出具と接続されるアダプタ部と、このアダプタ部から前記進出方向に向かって延びる突起部と、を備え、
さらに、前記収容室の一端で、前記収容室と医療用複室容器の外部とを連通するように接続され、前記開通部材を、その進出を許容するように保持する筒体と、この筒体の内部で前記開通部材と対向配置されて前記筒体を封止し、前記開通部材を前記収容室に向かって進出させたときに前記突起部で開通される栓体と、を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の医療用複室容器。
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