JP3143131U - 頁捲り部を設けた新聞 - Google Patents

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Abstract

【課題】新聞の頁捲りを容易にする。
【解決手段】新聞紙面の左側側部の所定の位置に一定の幅と各紙面毎に設定した所定の長さを有する矩形状の切り込み凹部10を設け、一枚目に相当する紙面に設ける切り込み凹部の長さを最大とし、順次続く紙面に設ける切り込み凹部の長さを紙面一枚ずつ所定の間隔で小さくして形成し、前記一枚目に形成した切り込み凹部を通して奇数頁の紙面の切り込み凹部の縁部が現れるようにした頁捲り部を設けている。
【選択図】図1

Description

本考案は、新聞に関し、特に、頁めくりを容易にするための切り込みを設けた新聞に関する。
現在の新聞は、通常の日刊紙は、縦約54cm、約横80cmの紙(以下、「大判紙面」と略す。)を複数枚重ねて二つ折りに畳まれて(スタンダード(ブランケット)サイズ、縦約54mm,横約40mm)購読者に供給されている。そして、日刊紙では朝刊で36頁(9枚)〜40頁(10枚)、夕刊では20頁(5枚)程度である。新聞紙に使用される紙は古紙から再生される再生紙が使用され、その材質と厚さにより腰の柔らかい紙質となっており、そのため、頁数を指先で捲ることが困難である。この傾向は特に頁数が増加するにつれて著しい。特に、高齢者にとっては、視力の衰えばかりでなく、指先の運動神経の衰えなどにより、より困難を伴う。
そこで、この問題を解決するために、新聞紙の左右の側部に複数の凹部(切り込み)を形成し、その凹部の形成する位置を一枚毎にずらして形成し、これを重ねて折り込むようにした新聞が提案されている(特許文献1)。
また、新聞の折り込み線をすこしずつずらして折り畳むことにより、紙葉の左端が少しずつずれて現れるようにして各頁を捲り易くした新聞が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、紙面の側部に複数の切り込みを形成する方法は、紙面を重ねたとき、切り込みによって形成された凹部とそれに隣接する残部(凸部)が他の紙葉の凸部と凹部に引っ掛かり、かえって頁捲りに支障を来したり、残部(凸部)の部分がちぎれ落ちたりするという問題がある。
また、一枚ずつずらして折り込む方法は、紙葉毎に紙面のサイズが異なり、新聞の頁毎の編集が煩雑になるばかりでなく、折り畳んで綴じる方法が複雑になり、そのために印刷工程から綴じ込み工程に至る設備の改変が必要となる。
特開2005−314101号公報 特開2002―234288号公報
本考案は、従来の問題点を解決するためになされたもので、特に紙面のサイズを変えることなく、また、大幅な設備の改変を必要としないで、頁捲り部を設けた新聞を提供することにある。
上記課題は、新聞紙面の左側側部の所定の位置に一定の幅と各紙面毎に設定した所定の長さを有する矩形状の切り込み凹部を設け、一枚目に相当する紙面に設ける切り込み凹部の長さを最大とし、順次続く紙面に設ける切り込み凹部の長さを紙面一枚ずつ所定の間隔で小さくして形成し、前記一枚目に形成した切り込み凹部を通して次頁以降の紙面の切り込み凹部の上側縁部が現れるようにした頁捲り部を設けることにより達成することができる。
また、新聞紙面の左側側部の所定の位置に一つの矩形状の切り込み凹部を形成し、各紙面に形成する前記切り込み凹部は、同一サイズであり、隣接する紙面毎に位置がずれるようにして形成することにより達成できる。
本考案によれば、新聞紙面の側部に切り込み凹部を一カ所設けるだけで、頁捲りを容易に行える新聞を提供することができる。
以下、図面を参照して、本願考案の実施形態を説明する。図1は、本考案を通常の日刊新聞に適用した第1の実施例を示し、新聞1に本願考案による頁捲り用の切り込み凹部10を設けた状態を示す。なお、図1は、大判紙の新聞紙10枚、40頁分を折り畳んだ状態を示している。図1は新聞1の第1頁を観た状態を示し、切り込み凹部10は、新聞1の左側部に設けられ、紙面の上辺から略20cm〜30cmの範囲に設けられているが、新聞を手で持ちながら、広げて読むとき、通常の持つ位置であれば、特に限定されない。
以下、図2、図3を参照して、切り込み凹部の詳細について説明する。
図2(a)は、1枚目の紙面1-1を示す。尚、左右上端に付された数字は、その紙面の頁数を示す(括弧内はその裏面の頁)。本実施例の新聞は大判紙10枚、40頁から成るため、左側紙面が第1頁、その裏紙面が第2頁となり、また、右側紙面は最終の40頁、その裏紙面が39頁となる。第1頁(裏第2頁)の側部には、横幅が約10mm、縦長さが約38mmの矩形状の切り込み凹部10-L1が形成される。
図2(b)は、上記1枚面の紙面1-1の下に重ねられる2枚目の紙面1-2を示す。この2枚目の紙面1-2は左側紙面が3頁(裏4頁)、右紙面が38頁(裏37頁)となるものである。紙面1-2にも、同様に左紙面の側部に切り込み凹部10-L2が形成される。この切り込み凹部10-L2は第1枚目の切り込み凹部10-L1に較べて縦長さを所定の長さs、ここでは約2mmだけ短くなるサイズ、36mmで形成される。ここで、切り込み凹部の下端のレベルhは一定にしておく。
一方、右側紙面の右側部にも、切り込み凹部10を形成するための切り込み凹部10-R2が形成される。この右側紙面は折り畳まれた新聞の最終頁から2枚目に当たる紙面であり、38頁(裏面37頁)となる紙面である。この場合、切り込み凹部10-R2の位置は、左側凹部10-L2と下部の位置を同一レベルhに合致させ、同一の横幅で、縦長さをs=2mmとしている。
図2(c )は順次下に重ねられていく最後の10枚目の紙面1-10を示し、左側紙面は19頁(裏20頁)、右側紙面22頁(裏21頁)となる。そして、この紙面の左側側部に形成される切り込み凹部10-L10は順次s=2mmだけ短くされた結果、18mmの縦長さとなる。
一方、右側紙面22頁(裏21頁)の右側部にも、同様な切り込み凹部10-R10が形成され、この凹部10-R10は縦長さが左紙面の切り込み凹部10-L10よりs=2mmだけ短くされ、16mmとされている。
以上のように、大判紙の一枚目1-1の左側部所定位置に切り込み凹部を形成し、他の大判紙の左右側部の所定位置に順次長さを変えた切り込み凹部を形成することにより、これらの紙面を重ねて折り畳めば、図1に示すように、新聞左側部の所定位置に切り込み凹部10が形成される。
図3は、図1に示された頁捲り用の切り込み凹部10の詳細図を示す。図3aは上述の実施形態によって形成された切り込み凹部10であり、1枚目の切り込み凹部10-L1の長さを38mmとし、以下、順次、s=2mmの間隔で短くして形成してものである。このように、一枚目に形成した切り込み凹部10-L1の窓を通して、以下の次頁以降の奇数頁の切り込み凹部10-L2,・・10-L10の上側縁部が見える状態となる。
なお、図中、数字は、切り込み凹部に現れる各頁を説明のために便宜上示すものであり、特に、各紙面に数字を付す必要はないが、例えば、政治、経済、スポーツ欄等、紙面のジャンル毎に色分けすると、好都合である。
図3bは、本考案に形成された切り込み凹部10を利用して、頁捲りをする様子を示すもので、各紙面に形成された矩形の切り込み凹部10-L2, 10-L3,・・・10-R10の上辺aの縁部分を親指の腹部又は爪などを利用して所望の頁を容易に捲ることができる。
図3cは、切り込み凹部10の変形例を示し、一枚目の切り込みの長さを20mmだけ余分に長くし、56mmとしている。これによって、第39頁の紙面に親指が入る程度のスペースが確保され、頁捲りの操作がよりスムースに行えるようになる。
以上、本実施形態においては第1頁の切り込み凹部10-L1を最大38mmとし、以下の頁順次所定の間隔で長さを短くし、第1頁の切り込み凹部10-L1の窓を通して以下の頁の切り込み奥部の上縁部が現れるようにしたものであり、必ずしも実施例のように、切り込み凹部10-L1の長さを38mm或いは56mmと限定する必要はなく、種々の値に設定して実施できることは理解できるであろう。
図4は、本考案の他の実施形態(実施形態2)の頁捲り用切り込み凹部20を形成した新聞2を示す。
本実施形態の新聞2は、各頁の側部の所定位置に一つの矩形状の切り込み凹部を形成する点では、前述の新聞1と変わるところはないが、切り込み凹部20のサイズを一定のものとし、その位置を重ねた状態の隣接する紙面と合致しない位置としている。
図4は、実施形態2の新聞2の第1頁目を示している。第1頁の右側部の所定位置に頁捲り用切り込み凹部20が形成されている。以下、各紙面に形成する切り込み凹部について説明する。尚、実施形体2も、前述の例と同様に大判紙10枚、40頁の新聞として説明する。
図5は、各紙面に形成される切り込み凹部を示す。図5aは、第1枚面の大判紙2-1を示し左欄が第1頁、右欄が最終の40頁となる。紙面の左側部の所定の個所、ここでは紙面の上辺からh1の位置に矩形状の切り込み凹部20-L1、20-R1が形成される。切り込み凹部のサイズは幅約15mm、縦の長さが20mm程度とされる。本実施形態においては、右の切り込み凹部20-R1は、通常、新聞を手で持つ位置の紙面上辺からh1(20cm程度)の位置に形成されている。一方、左欄の左側部にも同じサイズの切り込み凹部20-R1を形成するが、左の切り込み凹部20-L1との位置と略1個分下方にずらした位置h2の位置に形成しておく。したがって、h2?h1+20mmの関係となるようにしている。
図5bは第2枚面の紙面2-2を示し、同様に左右の側部に同じサイズの切り込み凹部20-L2、20-R2が形成される。左欄の左側部の切り込み凹部20-L2は、第1枚面の切り込み凹部20-L1とは、位置を下方にずらして形成されている。本実施態様においては、上述の上辺よりh2の位置に形成している。また、右欄の右側部の切り込み凹部20-R2は、略一個分上方にずらした位置、即ち、h1の位置に形成する。
したがって、第1枚目の紙面と第2枚目の紙面を重ねたとき、切り込み凹部20-L1と20-L2、20-R1と20-R2とは形成されている位置がずれているため、互いに重ならず、図4に示すように、下の紙面の切り込み凹部は上の紙面に隠れて見えない状態となる。
同様に第3枚面の紙面(図示せず)に形成される切り込み凹部は第2枚目の紙面に形成された左右の切り込み凹部20-L2,20-R2の位置をそれぞれ上下に、即ち、左欄の切り込み凹部20-L3は上方に一枚目と同じ位置h1にずらし、また、右側の切り込み凹部20-R3は下方にずらしたh2に形成する。以下順次、紙面の左右の切り込み凹部を上辺からh2,h1と交互に位置を変えて形成する。図5cは、10枚目の紙面を示し、左欄の切り込み凹部20-L10はh2の位置に、右側欄の切り込み凹部20-R10はh1の位置に形成されることとなる。
以上のように、大判紙の左右側部の所定の位置、ここでは、紙面上辺からh1,h2の2個所に交互に所定サイズ、ここでは幅約15mm、長さ約20mmの矩形状の切り込み凹部
を形成し、これを二つに折り畳むことにより、紙面の左側部に一個所切り込み凹部が形成された新聞ができあがる。そして、各頁毎に形成された切り込み凹部は頁毎に位置が切り込み凹部の略1個分、上下にずれた位置にあることになる。
図6は、この切り込み凹部20を利用して頁捲りを行う状態を示している。頁を捲る場合には、この切り込み凹部に図示のように、親指を切り込み凹部に入れ、親指を矢印のように上下にずらすことにより、容易に次頁を捲ることができる。
本実施形態2においては、切り込み凹部の位置を、切り込み凹部の略1個分サイズだけ交互にずらして2個所の位置に形成したが、ずらす量はこれに限らないが、実際の頁捲りを行う場合、親指のみの移動で凹部に到達する範囲に形成することが望ましい。
以上、本考案の実施形態につき、通常のスタンダード版の日刊紙を例に説明したが、これに限ることなく、タブロイド版(縦約40mm、横約27mm)の新聞にも適用できることは明らかである。
本考案の一実施形態の新聞を示す図である。 頁捲り部の切り込み凹部の詳細を示し、(a) は第1枚目、(b)は第2枚面、 (c)は第10枚目を示す。 新聞に形成された頁捲り部の切り込み凹部を示す。(a) は拡大図、(b)は頁捲りの操作状態、 (c)は切り込み凹部の一変形例を示す。 本考案の実施形態2を示す図である。 切り込み凹部の凹部の詳細を示し、(a) は第1枚目、(b)は第2枚面、 (c)は第10枚目を示す。 実施形態2の頁捲りの操作状態を示す図である。
符号の説明
1,2 新聞
10、20 切り込み凹部
1-1, 1-2,・・、2-1, 2-2, ・・大判紙
10-L1、20-L1 一枚目の左欄切り込み凹部
10-R1、20-R1 一枚目の右欄切り込み凹部

Claims (5)

  1. 新聞紙面の左側側部の所定の位置に一定の幅と各紙面毎に設定した所定の長さを有する矩形状の切り込み凹部を設け、一枚目に相当する紙面に設ける切り込み凹部の長さを最大とし、順次続く紙面に設ける切り込み凹部の長さを紙面一枚ずつ所定の間隔で小さくして形成し、前記一枚目に形成した切り込み凹部を通して次頁以降の紙面の切り込み凹部の上側縁部が現れるようにした頁捲り部を設けた新聞。
  2. 前記切り込み凹部の幅は5mm〜10mmの範囲であり、前記所定の間隔は2mm〜5mmの範囲の間隔である請求項1に記載の新聞。
  3. 奇数頁の紙面の切り込み凹部の縁部に紙面のジャンルを示す色を付した請求項1に記載の新聞。
  4. 新聞紙面の左側側部の所定の位置に一つの矩形状の切り込み凹部を形成し、各紙面に形成する前記切り込み凹部は、同一サイズであり、隣接する紙面毎に位置がずれるようにして形成したことを特徴とする新聞。
  5. 前記切り込み凹部の位置は、切り込み凹部の1個分に相当する位置を交互に上下にずらして形成する請求項4に記載の新聞。
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