JP3142045B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

パンツ型使い捨ておむつ

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JP3142045B2 JP06249760A JP24976094A JP3142045B2 JP 3142045 B2 JP3142045 B2 JP 3142045B2 JP 06249760 A JP06249760 A JP 06249760A JP 24976094 A JP24976094 A JP 24976094A JP 3142045 B2 JP3142045 B2 JP 3142045B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、幼児、大人又は失禁者
用又はトレーニングパンツ等のパンツ型使い捨ておむつ
に関し、更に詳細には、フィット性に優れ、着用時にお
ける漏れを確実に防止することができるパンツ型使い捨
ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパ
ンツ型の使い捨ておむつは種々提案されており、最近で
は、特開平4−166150号公報において、上記ウエ
スト開口部と一対の上記レッグ開口部との間に存し上記
吸収体の配置されている胴周囲部に、その全周に亘って
実質的に連続したギャザーを形成する複数の弾性部材が
設けられた、パンツ型の使い捨ておむつが提案されてい
る。上記公報において提案されているパンツ型の使い捨
ておむつは、上記胴周囲部の弾性部材により、おむつの
胴周囲部を着用者に良好にフィットさせることができる
ものであり、着用時におけるおむつからの排泄物の漏れ
を確実に防止することができるものである。
【0003】しかし、最近では、上記使い捨ておむつよ
りも更に漏れ防止性を向上させたパンツ型使い捨ておむ
つが要求されている。即ち、上記のパンツ型の使い捨て
おむつでも、着用者が排泄した際には、排泄物の重みに
より使い捨ておむつがズレて、局部的に形状がふくらみ
外観がわるくなり、フィット性が低下し、動きにくくな
ったり、排泄物の漏れを生じる場合があるため、着用者
が排泄した際においても、ズレずにモレを生じないパン
ツ型使い捨ておむつが最近では要求されている。
【0004】従って、本発明の目的は、着用者が排泄し
て排泄物の重みが加わった場合でも、ズレずに漏れを生
じない、フィット性に優れ、おむつが局部的にふくらん
で、外観を損なうことがないパンツ型使い捨ておむつを
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、着用時に着用者の
排泄部近傍に位置する部位にギャザーが形成されたパン
ツ型使い捨ておむつが、上記目的を達成し得ることを知
見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、液透過性のトップシートと、液不透過性のバ
ックシートと、これら両シート間に配置される吸収体と
を有する吸収性本体を備え、該吸収性本体における着用
者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部そ
れぞれの両側縁部の接合固定により、ウエスト開口部及
び一対のレッグ開口部が形成されており、上記ウエスト
開口部及び一対の上記レッグ開口部には、それぞれその
周縁部全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成す
る弾性部材が設けられており、上記ウエスト開口部と一
対の上記レッグ開口部との間に存する胴周囲部には、そ
の全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成する複
数の弾性部材が設けられているパンツ型使い捨ておむつ
において、上記胴周囲部の下部に位置し且つおむつを着
用した際に排尿部自体の周辺に位置する部分の内の上部
には、おむつの幅方向に向けて連続したギャザーを形成
する複数の弾性部材が設けられており、上記上部は、上
記腹側部の下腹部領域における、上記胴周囲部に設けら
れた上記弾性部材及び上記レッグ開口部に設けられた上
記弾性部材により囲まれた部分であることを特徴とする
パンツ型使い捨ておむつを提供するものである。
【0007】
【作用】本発明のパンツ型使い捨ておむつは、着用時に
排尿部の周辺に位置する部分の内の上部に設けられた弾
性部材が、おむつの幅方向に向けてギャザーを形成して
おり、該ギャザーにより該排尿ポイント部におけるフィ
ット性が更に向上されている。そして、これにより、着
用者が排泄した際においても、おむつがズレることがな
く、おむつが極部的にふくらむこと(ダボつき)を防止
でき、外観を損なうことがなく、結果として、排泄物の
漏れを生じることがない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の吸収性物品を実施例により更
に詳細に説明する。本発明のパンツ型使い捨ておむつの
1実施例について、図1及び図2を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの1
実施例を示す斜視図であり、図2は、図1に示すパンツ
型使い捨ておむつの展開図である。
【0009】図1及び図2に示す本実施例のパンツ型使
い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不
透過性のバックシート3と、これら両シート間に配置さ
れる吸収体4とを有する吸収性本体5を備え、該吸収性
本体5における着用者の腹側に位置する腹側部6及び背
側に位置する背側部7それぞれの両側縁部の接合固定に
より、ウエスト開口部10及び一対のレッグ開口部20
が形成されており、上記ウエスト開口部10及び一対の
上記レッグ開口部20には、それぞれその周縁部全周に
亘って実質的に連続したギャザーを形成する弾性部材1
1,21が設けられており、上記ウエスト開口部10と
一対の上記レッグ開口部20との間に存し、本実施例に
おいては上記吸収体4の配置されている胴周囲部30に
は、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成
する複数の弾性部材31が設けられている。
【0010】更に詳述すると、上記パンツ型使い捨てお
むつ1においては、腹側部6の側縁部と背側部7の側縁
部6a,7a及び腹側部6の側縁部と背側部7の側縁部
6b,7bが、それぞれ接合固定されて接合部8が形成
されている。
【0011】また、上記トップシート2、上記バックシ
ート3及び上記吸収体4は、それぞれ、中央が括れた砂
時計状に形成されており、これらを形成する材料として
は、下記するものを用いることができる。
【0012】上記トップシート2の材料としては、排泄
物を吸収体4へ透過させる液透過性シートで肌着に近い
感触を有したものが好ましく、このような液透過性シー
トとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等
が好ましく挙げられる。また、上記トップシート2に
は、その周縁部にシリコン系油剤、パラフィンワックス
等の疎水性化合物を塗布する方法や、あらかじめアルキ
ルリン酸エステルのような親水性化合物を全面に塗布
し、次いでその周縁を温水で洗浄する方法により撥水処
理を施し、周縁部における尿等のにじみによるモレを防
止することができる。
【0013】上記バックシート3の材料としては、熱可
塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した液不透過性かつ蒸
気を透過させる蒸気透過性のシートが用いられ、肌着に
近い感触を有したもの、たとえば、フィルムと不織布と
の複合材、あるいはフィルムと織布との複合材料等が用
いられる。
【0014】上記吸収体4の材料としては、解繊パルプ
を主材とし、高分子吸水ポリマーを併用したものが好ま
しく、その他熱可塑性樹脂、セルロース繊維、あるいは
高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理したものが好まし
い。高分子吸水ポリマーの存在位置は、上層、中層、下
層のいずれであってもよく、パルプと混合したものであ
っても良い。高分子吸水ポリマーは自重の20倍以上の
液体を吸収して保持する性能を有し、ゲル化する性質を
有する粒子状のものが好ましく、このような高分子吸水
ポリマーとしては、デンプン−アクリル酸(塩)グラフ
ト共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセ
ルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等が好まし
い。
【0015】上記ウエスト開口部10に設けられている
上記弾性部材11は、腹側部6と背側部7とにそれぞれ
4本づつ等間隔に設けられており、上記接合固定により
連結されて、上記ウエスト開口部10の全周に亘って実
質的に連続したギャザーを形成するようになされてい
る。上記弾性部材11としては、通常使い捨ておむつに
用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることが
できるが、その形状は帯状であるのが好ましい。また、
その伸長率は、80%〜140%の範囲とするのが好ま
しい。尚、本発明において、上記「伸長率」は、伸長率
100%を、たとえば長さ10cmのものを20cm、
即ち2倍の長さに伸張することとして定義したものであ
る。また、上記ウエスト開口部10の弾性部材11の3
0%伸長時の応力は50〜150gであるのが好まし
い。
【0016】また、上記レッグ開口部20に設けられて
いる上記弾性部材21は、腹側部6と背側部7とにそれ
ぞれ3本づつ、等間隔に且つおむつの股下部において吸
収体4を横断するようにして設けられており、上記接合
固定により連結されて、上記レッグ開口部20の全周に
亘って実質的に連続したギャザーを形成するようになさ
れている。上記弾性部材21としては、通常使い捨てお
むつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いる
ことができるが、その形状は帯状であるのが好ましい。
また、その伸長率(レッグ開口部における伸長率)は、
60%〜100%の範囲とするのが好ましい。また、上
記レッグ開口部20の弾性部材21の30%伸長時の応
力は40〜100gであるのが好ましい。また、おむつ
の股下部50には、伸長率30%〜50%で上記弾性部
材21が吸収体4を横断して設けられていることによ
り、弾性部材が配されている。上記股下部50に弾性部
材が設けられている場合の該弾性部材の30%伸長時の
応力は40〜100gであるのが好ましい。上記応力が
40g未満であると、股下部で吸収体のヨレを生じ巾が
狭くなり、吸収性能が悪くなり、また上記応力が100
gを超えると、吸収体の形状を変動させ、外観を損ねて
しまう。
【0017】また、上記胴周囲部30に設けられている
上記弾性部材31は、腹側部6と背側部7とにそれぞれ
5本づつ、上記ウエスト開口部10に近づく程各弾性部
材の間隔が狭くなるように設けられており、上記接合固
定により連結されて、上記胴周囲部30の全周に亘って
実質的に連続したギャザーを形成するようになされてい
る。上記弾性部材31としては、通常使い捨ておむつに
用いられる弾性部材であれば特に制限なく用いることが
できるが、その形状は糸状であるのが好ましい。また、
その伸長率は、80〜120%の範囲とするのが好まし
い。また、上記伸長率は、上記ウエスト開口部10に近
づく程各弾性部材31の伸長率が高くなるようになされ
ているのが好ましい。上記伸長率の変化率は、40%と
するのが好ましい。
【0018】また、上記胴周囲部30における上記ウエ
スト開口部10側の弾性部材31aの30%伸長時の応
力は50〜150g、更には50〜100gであり、上
記胴周囲部30における上記レッグ開口部20側の弾性
部材31eの30%伸長時の応力は40〜100gであ
るのが好ましい。
【0019】また、上記背側部7の上記バックシート3
の表面には、廃棄処理用のファスニングテープ60が設
けられており、該ファスニングテープ60によりおむつ
の廃棄時に衛生的に廃棄することができる。また、上記
接合部8の接合方法としては、ヒートシール、高周波シ
ーツ、超音波シール等の公知の接合方法を特に制限なく
用いて行うことができる。
【0020】而して、本実施例のパンツ型使い捨ておむ
つは、図1及び図2に示すように、上記胴周囲部30の
下部に位置し且つ着用者の排尿部近傍に位置する、排尿
ポイント部40には、おむつの幅方向に向けて連続した
ギャザーを形成する複数の弾性部材41が設けられてい
る。具体的には、腹側部6に4本、それぞれ等間隔で設
けられている。ここで、上記「排尿部近傍」とは、着用
者がおむつを着用した際に排尿部自体及びその周辺に位
置する部分を意味し、具体的には、一対の上記レッグ開
口部20の間に位置する、腹側部6の股下領域(下腹部
域)を意味し、本実施例では、複数の弾性部材41
は、図1及び図2に示すように、排尿部自体の周辺に位
置する部分の内の上部であって、腹側部6の下腹部領域
における上記胴周囲部30に設けられた上記弾性部材3
1及び上記レッグ開口部20に設けられた上記弾性部材
21により囲まれた部分に設けられている。
【0021】上記弾性部材41としては、通常使い捨て
おむつに用いられる弾性部材であれば特に制限なく用い
ることができるが、その形状は糸状であるのが好まし
い。また、その伸長率は、50〜80%の範囲とするの
が好ましい。尚、上記弾性部材41の本数は、上記実施
例においては、4本であるが、3〜6本とするのが好ま
しい。また、上記弾性部材41の30%伸長時における
応力は40〜100g、更には50〜90gであるのが
好ましい。上記弾性部材41の応力が40g未満である
と、局部的に膨らんだ形状を防止できず、100gを超
えると吸収体の形状を変形させ外観を損ねてしまう。ま
た、上記各弾性部材41の間隔は、特に制限されるもの
ではなく、本発明の所望の効果を害しない範囲の間隔を
適宜採用することができる。
【0022】本実施例のパンツ型使い捨ておむつは、上
記排尿ポイント部40に上記弾性部材が設けられている
ので、上記排尿ポイント部40におけるフィット性が向
上されており、おむつ全体のフィット性に優れるもので
あり、着用者が排尿等の排泄を行い排泄物の重みが加わ
っても、おむつがズレることがなく、その結果、漏れを
有効に防止することができる。
【0023】
【0024】
【0025】尚、本発明のパンツ型使い捨ておむつは、
上述の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明のパンツ型使い捨ておむつは、着
用者が排泄して排泄物の重みが加わった場合でも、ズレ
ずに漏れを生じない、フィット性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの1
実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの
展開図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ 2 トップシート 3 バックシート 4 吸収体 5 吸収性本体 6 腹側部 6a 腹側部の側縁部 6b 腹側部の側縁部 7 背側部 7a 背側部の側縁部 7b 背側部の側縁部 8 接合部 10 ウエスト開口部 11 弾性部材 20 レッグ開口部 21 弾性部材 30 胴周囲部 31 弾性部材 40 排尿ポイント部 41 弾性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋田 治三 栃木県芳賀郡益子町七井1014−5 (56)参考文献 特開 平4−166150(JP,A) 特開 平3−139349(JP,A) 特開 昭61−138701(JP,A) 特開 昭61−132601(JP,A) 特開 昭55−112303(JP,A) 実開 平3−67619(JP,U) 実開 昭57−34509(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性のトップシートと、液不透過性
    のバックシートと、これら両シート間に配置される吸収
    体とを有する吸収性本体を備え、該吸収性本体における
    着用者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側
    部それぞれの両側縁部の接合固定により、ウエスト開口
    部及び一対のレッグ開口部が形成されており、上記ウエ
    スト開口部及び一対の上記レッグ開口部には、それぞれ
    その周縁部全周に亘って実質的に連続したギャザーを形
    成する弾性部材が設けられており、上記ウエスト開口部
    と一対の上記レッグ開口部との間に存する胴周囲部に
    は、その全周に亘って実質的に連続したギャザーを形成
    する複数の弾性部材が設けられているパンツ型使い捨て
    おむつにおいて、 上記胴周囲部の下部に位置し且つおむつを着用した際に
    排尿部自体の周辺に位置する部分の内の上部には、おむ
    つの幅方向に向けて連続したギャザーを形成する複数の
    弾性部材が設けられており、 上記上部は、上記腹側部の下腹部領域における、上記胴
    周囲部に設けられた上記弾性部材及び上記レッグ開口部
    に設けられた上記弾性部材により囲まれた部分である
    とを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
  2. 【請求項2】 上記胴周囲部における上記ウエスト開口
    部側の弾性部材の30%伸長時の応力が50〜150g
    であり、上記胴周囲部における上記レッグ開口部側の弾
    性部材の30%伸長時の応力が40〜100gであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむ
    つ。
  3. 【請求項3】 上記上部の弾性部材の30%伸長時の応
    力が40〜100gであることを特徴とする請求項1記
    載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 【請求項4】 上記パンツ型使い捨ておむつの股下部に
    は、おむつの幅方向に沿って弾性部材が設けられてお
    り、該弾性部材の30%伸長時の応力が40〜100g
    であることを特徴とする請求項1記載のパンツ型使い捨
    ておむつ。
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