JP3140776B2 - 無細胞ワクチン - Google Patents

無細胞ワクチン

Info

Publication number
JP3140776B2
JP3140776B2 JP03517407A JP51740791A JP3140776B2 JP 3140776 B2 JP3140776 B2 JP 3140776B2 JP 03517407 A JP03517407 A JP 03517407A JP 51740791 A JP51740791 A JP 51740791A JP 3140776 B2 JP3140776 B2 JP 3140776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
vaccine
bordetella pertussis
kda antigen
vaccine according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03517407A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06502159A (ja
Inventor
イアン ジョージ チャールズ
フレイザー フェアーウェザー,ネイル
Original Assignee
メデバ ホールディングス ベスローテン フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=10682814&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3140776(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by メデバ ホールディングス ベスローテン フェンノートシャップ filed Critical メデバ ホールディングス ベスローテン フェンノートシャップ
Publication of JPH06502159A publication Critical patent/JPH06502159A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3140776B2 publication Critical patent/JP3140776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/235Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Bordetella (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、無細胞ボルデテラペルツシスワクチン(Bo
rdetella pertussis)及び薬品におけるその使用に関す
る。
ボルデテラペルツシスは、ヒト特に子供の重篤で衰弱
を与える疾患の原因となり、発展途上国では、大規模な
免疫化計画によって、抑制されている。一般的には、免
疫化は、ボルデテラペルツシスの細胞培養物由来の全細
胞ワクチンを使用して実施されており、前記疾患の予防
に比較的有効であることが判明している。しかしなが
ら、発熱、局所反応、持続的絶叫のような有害な反応に
関する関心によって、近年では、ワクチンの許容性が減
少しており、その連続的使用について議論が行われてい
る。
開発国における前記疾患の低発病率に関して、全細胞
ワクチンの使用に関連する利益/危険比はほとんど定義
されていない。しかしながら、多くの臨床医は、有害な
反応の危険が、感染に対する免疫化の利点よりも重いと
信じている。その結果、今日では多くの子供が、百人咳
の流行の危険を高めながらも、免疫化を受けていない。
事実、近年では、全細胞ワクチンの使用が減少するにつ
れて、百日咳の発病率及びその結果の幼児の罹患率は増
加している。従って、前記疾患に対する保護を与えるた
めに必要な成分を保持しながら、全細胞ワクチンの有害
な効果の原因となる成分を含まない改良型のワクチンを
開発することに、かなりの研究努力が注がれている。
安全で効果的なワクチンの研究は、全細胞ワクチン中
に含まれる細菌有機体の病原性及び毒性の保護部分の作
用の同定及びメカニズムに関する情報が不十分であるの
で、妨げられている。従って、研究は、有機体の20また
はそれ以上の表面抗原を単離して特性化すること並びに
免疫反応を誘導するその効力に集束している(「J.Am.M
ed.Soc.」、1982、248(1)、22〜23)。研究されてい
る抗原の例は、百日咳毒素(PT)としても知られている
リンパ球増加促進因子(LPF)、繊維状血球凝集素(FH
A)、リポ多糖類(LPS)、凝集原、皮膚壊死毒素(DN
T)、非耐熱性及び耐熱性毒素、多形核白血球阻害因
子、アデニル化シクラーゼ、外膜69kDa(P.69)及びそ
の他の表面成分を包含する。これらの抗原はいずれもそ
れ自体では、有効なワクチンのの基礎とはなりえないと
考えられる。
本発明者らは、69kDa抗原とトキソイド化されたLPFの
組合せ物が、その個々の成分の効果の総和よりも驚くほ
ど強力であることを発現した。さらに、69kDa抗原及び
トキソイド化されたLPFの相乗的組合せの使用は、全細
胞ワクチンによって得られるもの(シーグロート、V.及
びシェフィールド、F.、「J.Biological Standard」、1
981、351〜365)と平行の用量−依存の線状応答を与え
る。従って、この相乗的組合せは、百日咳の予防におい
て使用される有効なワクチンの基礎を与える。
従って、本発明は、ボルデテラペルツシスの69kDaの
抗原及びボルデテラペルツシスのトキソイド化されたLP
Fの相乗的組合せ物を含むワクチンを提供する。69kDa抗
原は、シグナルペプチド及びC末端フラグメントを除去
することによって生体内で処理される、プレカーサータ
ンパク質、P93のN末端フラグメントである。すでにボ
ルデテラペルツシスの外膜のタンパク質として特性化さ
れている。特に、12%(w/w)ポリアクリルアミドゲル
電気泳動による測定によると、67〜73kDaの相対分子重
量を有しており、またアミノ酸分析(EP−A162639)に
よる測定によると、実質的に1:1のプロリン対グルタミ
ン酸比を有している。このアミノ酸配列は、クローン化
されたDNA分析(チャールズら、「P.N.A.S.」、1989、8
6、3554〜3558)から推定されているが、本発明におけ
る使用において、このアミノ酸配列は、得られた配列が
少なくとも90%、好ましくは95%において相同であり、
本質において実質的に類似の生物学的性質を有するよう
に変更されてもよい。この69kDa抗原は、例えば、ノボ
トニーら(1985)により記載された「Infection and Im
munity 50」、199〜206及び欧州公開第0162639号に記載
されているような従来の方法により、ボルデテラペルツ
シスの培養物から単離されることができる。代替的に、
組換えDNA技術を使用して得ることもできる。この点に
関して、69kDa抗原をコードするDNAを、例えばマコフら
によって記載された方法(「Bio/Technology」、8、19
90、1030〜1033)によりクローン化し、次いで、適当な
宿主中で表現することができる。例えばE.coliのような
細菌またはピチアパストリス(Pichia pastoris)のよ
うな酵母を宿主として使用することが特に好ましい。こ
のようにして得られた69kDaの抗原は不溶性であっても
よく、従来の方法による変性剤としての塩酸グアニジニ
ウムの使用の後で再生されることを必要としてもよく、
少なくとも、ヒト用ワクチンにおけるその使用に一致し
たレベルにまで精製されることが好ましい。LPFは、毒
性ボルデテラペルツシスの細胞外環境に放出される105k
Daのタンパク質である(タムラ、Mら、1982、「Bioche
mistry」、21、5516〜5522)。5のサブユニットをコー
ドするオペロンの出配列は、解明されている(ニコシア
ら、1986、「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」83、4631〜463
5;イオヒト及びケイス、1986、「Science」、232、1258
〜1264)。
LPFは、例えばイマイズミらにより記載された方法
(「Infect.Immun.」、1983、41、1138〜1143)のよう
な、文献記載の方法に従って、ボルデテラペルツシスの
培養物から得ることができる。これは、カラムクロマト
グラフィーまたはその他の知られた精製方法を使用して
精製することができる。これは、ホルムアルデヒド(ホ
ルマリン)、グルタルアルデヒド、過酸化水素(サトー
ら、「Lancet」、1984(1)、122〜126)またはこれら
の試薬のいずれかの組合せのような種々の異なる不活性
剤を使用してトキソイド化されることができる。
化学的無毒化に加えて百日咳毒素は、遺伝子操作によ
って不活化されることができる。ピザら(1989)「Scie
nce」、246、467〜500は、酵素的に活性なS1サブユニッ
ト中の1または2のキーアミノ酸を置換することによっ
て生成される百日咳毒素遺伝子の遺伝子的に操作された
多数の対立遺伝子について記載している。
69kDa抗原対トキソイド化されたLPFの比は、例えば1:
10〜10:1のような広い範囲内で変化することができる
が、約1:1が好ましく、とにかくワクチン効能に相乗的
効果をもたらすような比である。この比は重量比であ
る。
本発明のワクチンは、任意的に、破傷風及びジフテリ
アのようなボルデテラペルツシスまたはその他の細菌の
抗原をさらに含むことができる。
本発明のワクチンは通常、その相乗的組合せ物の患者
への投与を可能にする薬学的に許容され得る賦形剤と組
合せられる。投与は通常、経口または好ましくは非経口
経路を経由して行われる。非経口経路の場合、賦形剤は
一般的に液体であり、相乗的組合せ物は一般的にその中
に溶解または懸濁される。液体賦形剤の1の例として、
生理食塩水が挙げられる。
このワクチンは免疫反応を刺激する佐剤をも含むこと
ができ、それによって、この相乗的組合せ物の効能を高
める。本発明における使用に好都合の佐剤は、例えば、
水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムを包含す
る。
ワクチンは通常0.01〜5mg/ml、好ましくは0.03〜2mg/
ml、最も好ましくは0.3mg/mlの範囲の最終濃度の抗原タ
ンパク質を含有することが好都合である。処方の後に、
このワクチンを滅菌容器中に入れて、次いで密閉し、低
温度、例えば4℃において保存するかまたは凍結乾燥す
る。
本発明はまた、有効量の本発明のワクチンを患者に投
与することを含む、ヒトの百日咳に対する免疫を誘導す
る方法を提供する。
ヒトに百日咳に対する免疫を誘導するために、このワ
クチンの1またはそれ以上の投与物が通常投与される。
各投与物は、0.1〜2ml、好ましくは0.2〜1ml、最も好ま
しくは0.5mlである。
以下、本発明を図面及び実施例を参照してさらに詳し
く説明する。
図面の説明 図1 プラスミドpPERtac1、2、3、4、7及び8 1a.DNA及びアミノ酸配列は、それぞれSEQID NO:1及び
2である。pMUL6由来のAva I−Cla I1491bpフラグメン
トを、pPERtac1中にクローニングすることによって生成
されるプラスミドPERtec2。pPERtac4由来のSph I−Sac
II851bpフラグメントを、pPERtac2中にクローニングす
ることによって生成されるプラスミドpPERtac3。pMLU6
由来のAva I−Dra III1875bpフラグメントを、pPERtac1
中にクローニングすることによって生成されるプラスミ
ドpPERtac4。
1b.オリゴヌクレオチド1〜4(それぞれSEQID NO:3、
5、6及び8)を、pTETtac2のApa I及びBamH I部位の
間にクローニングして、中間プラスミドpPERtac1を生成
する。オリゴヌクレオチド1及び3の上に示されたアミ
ノ酸配列は、SEQ ID NO:4及び7である。
1c.オリゴヌクレオチド5(SEQ ID NO:9)は、pPERta
c4のBstX I及びBamH Iの間にクローニングされて、pPER
tac7を生成する。
1d.オリゴヌクレオチド6及び7(SEQ IDNO:10及び1
2)を、pPERtac7のBgl I及びBamH I部位の間にクローニ
ングして、pPERtac8を生成する。オリゴヌクレオチド6
の上に示されるアミノ酸は、SEQ ID NO:11である。図
2 a. オリゴヌクレオチド8、9及び10は、それぞれSEQ
ID NO:13、16及び14でり、RはGまたはAを示し、
YはCまたはTを示す。オリゴヌクレオチド9はオリゴ
8及び10にアニールされ、次いで、pPERtac8のBgl II及
びEcoR I部位の間にクローニングされ、形質転換体が提
供され、それから表現プラスミドpPERtac36が単離され
た。オリゴヌクレオチド10の上のアミノ酸配列はSEQ I
D NO:15である。
b. SEQ ID NO:17として示される生体内の修復後の上
記オリゴヌクレオチドの上部鎖であり、RはGまたはA
を示し、YはCまたはTを示す。
c. pPERtac8中に存在する(b)中の変更。
d. pPERtac36中に存在する(b)中の変更。
図3 pPERtac36の誘導された培養物の抽出物のSDSポリアク
リルアミドゲル。
図4 ベクターpPIc3−605Kの構造物。pA0804のAsu II及びE
coR Iの間の合成オリゴヌクレオチド(上方の鎖−SEQ
ID NO:18;下方の鎖−SEQ ID NO:19)のクローニング
によって生成されるプラスミドpPIC1。
pPIC1から生成されるプラスミドpPIC2。アダプターオ
リゴヌクレオチド(上方の鎖−SEQID NO:20、下方の鎖
−SEQ IDNO:21)を使用して、BamH I−Spe I切断され
たpPIC2中に、pPERtac8の1.8kbEcoR I−Nhe Iフラグメ
ントを挿入し、表現ベクターpPIC3−60.5Kが生成され
る。
図5 ベクターpPIC3−60.5Kのプラスミド地図がパートA中
に示されている。パートBは、pPIC3−60.5Kの構造にお
いて使用されたP.69遺伝子のDNA配列の詳細を示す。使
用されるDNAフラグメントは、93Kプレカーサー遺伝子
(チャールズら、1989、「PNAS」86、3554〜3558)由来
のAva I(nt.315)からBgl II(nt.1979)の領域を含
む。この領域は、ベクターpPERtac8(マコフら、「Bio/
Technology」、8、1990、1030〜1033)に由来する示さ
れた配列が側面に存在する。p69遺伝子の側部に存在す
る配列は、(左側)SEQ ID NO:22(右側)SEQ ID N
O:23である。
図6 GS115/pPIC3−60.5Kut5形質転換体のDNAドットブロッ
トスクリーン。示されたフィルターは、56の形質転換
体、プラスの対照(位置E10:前のスクリーンにおいて同
定された多重複製形質転換体「クローン22」)及びマイ
ナスの対照(E11:GS115)を有していた。スクリーン中
のほとんどの形質転換体は、類似の弱いシグナルを与
え、非常に小部分が、多重複製の組込みを示す強いシグ
ナルを与えた(A3、A4、B6:第3、4及び18と命名され
た)。同様にしてさらに4つのフィルターをスクリーニ
ングしたが、多重複製形質転換体は見られなかった。
図7 H154DNAによりプローブされたpPIC−60.5K形質転換体
のサザンブロット抗原。トラック1−Bgl II−切断され
たpPIC−60.5K;トラック2−95115DNA;トラック3及び
8−単一−複製トランスプレースメント;トラック4〜
7−4多重複製クローン第3、4、18及び22。
図8 誘導された単一−複製形質転換体(トラック5)及び
多重複製形質転換体(トラック6〜9−それぞれクロー
ン3、4、18及び22)に由来のタンパク質(30μg)の
ウェスタンブロット。トラック1〜3は、全細胞タンパ
ク質(0.3、0.6及び1.5μg)の1、2及び5%に等し
い量の純粋なボルデテラペルツシスP.69を含み、トラッ
ク4はサイズマーカー(見えない)を含む。
図9 クローン22の導入後の種々の時間に採取した発酵槽試
料由来のウェスタンブロット(トラック1〜12:それぞ
れ−1、0、2、4、6.75、22.75、24.75、27.75、30.
25、49.25、57.25、71.25時間)。トラック13は、揺動
フラスコ導入由来のタンパク質の等しい充填量、50mgを
含む。トラック14〜18は、0.5、1、2、4及び8%表
現レベルに等しい純粋なボルデテラペルツシスP.69を含
む。
図10 純粋なボルデテラペルツシスP.69と比較した可溶化さ
れたP.69調製物(トラック1〜3:2、5及び10μl)の
クーマシーのブルー染色されたゲル。
実施例 実施例に関する一般的な情報は下記の通りである:培
地 YPD、1、10g酵母抽出物、20gペプトン、20gグルコー
ス。
YNBBG、1:13.4g酵母窒素ベースw/oアミノ酸(ディフ
コ)、0.4mgビチオン、20mgグリセロール。
YNBBTGCas:YNBBGと同じで10gカザミノ酸を含む。
YNBBD:YNBBGと同じであるが、20mlグリセロールの代り
に20gグルコースを含む。YNBBM:YNBBGと同じであるが、
20mlグリセロールの代りに5mlメタノールを含む。YNBBD
Cas及びYNBBMCasは、1当り10gカザミノ酸を含む。
固形培地:1当り20gの寒天が追加される。
実施例1:ボルデテラペルツシスの69kDa抗原の生成 E.coliでの生成 (i)プラスミドの構成:中間プラスミドpPERtac1を、
図1bに示される4つのオリゴヌクレオチド(オリゴ1〜
4)を、pTETtac2(マコフら、「Bio/TEchnology」、19
89、7、1043〜1046)のApa I及びBamH I部位の間にク
ローニングすることによって構成した。プラスミドpPER
tac2、3、4、7及び8(図1a)は、全て、種々のボル
デテラペルツシスP93コード配列フラグメントを、pPERt
ac1中にクローニングすることによって構成された。P93
をコードする配列を、下記の制限部位:Ava I(315)、S
al I(1065)、Sph I(1250)、Cla I(1806)、Bgl I
(1979)、BstX I(2053)、Sac II(2101)、Dra III
(2190)を使用して、pMU6、pBP I60のサブクローン
(チャールズら、「P.N.A.S.」、1989、86、3554〜355
8)から得られた。[カッコ内の数字は、P93の文献に記
載の配列中のヌクレオチド番号に対応し、その一部、18
04〜2217は、図1a中で再生される。]プラスミドpPERta
c2は、pMLU6由来のAva I−ClaI 1491bpフラグメントをp
PERtac1中にクローニングすることによって生成され、
プラスミドpPERtac4は、Ava I−Dra III1875bpフラグメ
ントをクローニングすることによって生成された。プラ
スミドpPERtac3は、pPERtac4由来のSph I−Sac II851bp
フラグメントをpPERtac2中にクローニングすることによ
って生成された。プラスミドpPERtac7は、pPERtac4のBs
tX I及びBamH I部位の間に1本鎖のオリゴヌクレオチド
(オリゴ−5、図1c)をクローニングすることによって
構成された。プラスミドpPERtac8は、図1d中に示される
1対のオリゴヌクレオチド(オリゴ6及び7)を、pPER
tac7のBgl I及びBamH I部位の間にクローニングするこ
とによって構成された。プラスミドpPERtac2、3、4、
7及び8及び高表現の2つのシストロン誘導体(マコフ
及びスマルウッド、1990)の表現生成物の天然P.69との
移動度の比較は、Ser600におけるP.69のC末端と一致し
ている(マコフら、1990、「Nucl.Acids Res.」、18、1
711〜1718)。P.69の表現を高めるために(Ser600で終
結)、混合されたオリゴヌクレオチドオリゴ−9をオリ
ゴ8及び10(図2)にアニーリングし、pPERtac8のBgl
II及びEcoR I部位(どちらもオリゴ1及び2に源を発す
る(図1b))の間にクローニングした後に得られる多数
の形質転換体から、プラスミドpPERtac36は単離され
た。全てのオリゴヌクレオチドを合成し、精製し、キナ
ーゼ処理し、文献記載の方法により配列を確認した(マ
コフら、「Bio/Technology」、1989、7、1043〜144
6)。E.coli株MM294(メルセソンら、「Nature」、196
8、217、1110〜1114)を全体を通して使用した。
(ii)表現されたタンパク質の誘導及び分析:表現プラ
スミド、pPERtac36は、lac I遺伝子の機能性複製を含
み、従って、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシド(IPTG)により誘導されることができる。pPERta
c36を含むE.coliMM294の培養物をLブロス中で一晩生長
させ(マニアチスら、「Moleculer Cloning」:A(実験
マニュアル、1982、コールドスプリングハーバーラボラ
トリー)、75μg/mlIPTGを含む新鮮な培地中で1/5に希
釈した。細胞を、素早く通気しながら4時間さらに生長
させ、遠心分離(10,000×g、10分)により採取した。
69kDa抗原は、精製された抗原に対するラビット中に生
じたポリクロナール抗血清を使用してウェスタンブロッ
トにより検出された。表現のレベルをジョイス−レブル
クロモスキャン3(マコフら、「Nucl.Acids Res.」、1
989、17、10191〜10202)を使用して、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲルのデンシトメーターの走査により定量し
た。これによって、pPERtac36は36.0±4.8%と決定され
た(マコフら、「Bio/Technology」、1990、8、1030〜
1033。(iii)再生及び精製:遠心分離後に、細胞ペレ
ットを、50mMトリス−HCl、pH7.5、50mM NaClを含む緩
衝液中に再懸濁し、フレンチプレッシャーセル(15,000
lb in-2)を2回通すことによって溶解した。溶解物の
ペレット画分を1%トリトンX−100を含む緩衝液
(A)(50mMトリス−HCl、pH8.0、100mM NaCl、1mM ED
TA)中で洗浄した。不溶性物質(ほとんどが封入体とし
て不溶性69kDa抗原を含む)を遠心分離により回収し、6
M塩酸グアニジニウム(GuHCl)を含む緩衝液(A)中に
再懸濁することによって可溶化した。タンパク質溶液を
6mg/mlに調整し、希釈することによって、GuHCl濃度を1
Mに減少させた。69kDa抗原溶液を、透析バッグ中に入
れ、緩衝液(A)に対して3回の変更により4℃で24時
間透析してタンパク質を再生した。(マーストン、「Bi
ochem.J.」、1986、2405、1−12を参照。)透析により
表われた不溶性物質を10,000×gで10分間遠心分離する
ことにより除去した。
図3は、可溶化操作中における、pPERtac36の誘導さ
れた培養物の抽出物のSDS−ポリアクリルアミドゲル(1
0%)を示す。レーン1、全細胞抽出物;レーン2、第
1上清画分;レーン3、第1ペレット画分;レーン4、
トリトンX−100洗浄上清画分;レーン5、GuHCl中の可
溶化及び透析によるその除去後の全画分;レーン6、透
析後の上清画分;レーン7、透析後のペレット画分。サ
イズマーカーはkDaで示される。
可溶性69kDa抗原調製物をさらに、Q−セファロース
上でのイオン−交換クロマトグラフィーによって精製し
た。試料を50mgトリス−HCl、pH8.0におけるカラム上に
充填し、洗浄し、抗原を0〜0.4MNaCl勾配により溶離し
た。この精製された物質は、カブトガニアメーバ細胞溶
解物アッセイにより、タンパク質1μg当り0.1エンド
トキシン単位末端を有していた。ピチアパストリス(Pi
chia pastoris)の生成 (i)表現ベクターの構造:寄託番号第40270号を与え
られて1990年3月30日に英国スコットランド、AB98DG、
アバディーン、エイビーロード、135、P.O.ボックス31
のナショナルコレクションオブインダストリアルアンド
マリンバクテリアリミテッドに寄託され、pA0804(K.ス
トリークリシュナら、「Biochmistry」、1989、28、411
7〜4125)に由来するベクターpPIC3−60.5Kを、ピチア
パストリス中の69kDa抗原の細胞内表現のために使用し
た。このベクターは、A0X1遺伝子に由来のプラスミドを
使用して表現を駆動し、宿主染色体A0X1遺伝子座中に組
込むことができる。69kDa抗原をコードする遺伝子の挿
入を促進するために、図4中に示される合成オリゴヌク
レオチドをpA0804のAsu II及びEcoR Iの間にクローンし
て、pPIC1を与えた。次いで、EcoR I部位を欠くプラス
ミドの誘導体、pPIC2を構成した。これは、EcoR Iによ
る消化の後に、突出1本鎖の末端にDNAポリメラーゼI
のクレノウフラグメントを充填し、ブラント末端と連結
することによって行われた。69kDa抗原をコードする遺
伝子のほとんどを含むプラスミドpPERtac8由来の1.8kbE
coR I−Nhe Iフラグメント(図5参照)が、図4に示さ
れるアダプターオリゴヌクレオチドを使用して、BamH I
−Spe I切断されたpPIC2中に挿入され、pPIC3−60.5Kを
与えた。これらのオリゴヌクレオチドは、イニシエータ
ーATGコドンを含む遺伝子の5′末端をコードする。
(ii)形質転換;クレッグらによる「Bio/Technolog
y」、1987、5、479〜485に記載のスファロプラスト方
法を使用して、ピチアパストリス株GS115(his4-)を、
pPIC3−60.5Kにより形質転換した。形質転換体をヒスチ
ジンを欠く最小培地上で再生し、それによりHis+コロニ
ーが選択された。形質転換DNAは、Bgl II−消化されたp
PIC3−60.5K10または20μgであった。この消化物は、
2つのDNAフラグメントを含み、その1つ(7.2kb)は一
方の端部にAOX1配列を有し、それにより、それは標的と
されてそこで組込まれ、染色体A0X1を置換(トランスプ
レース)する。
生成されるHis+形質転換体は、主に非分裂A0X1を含む
ことが判明しており、トランスプレースメント(aox1)
は、その他のスクリーニング方法を使用して単離される
ことができる。トランスプレースメントは、メタノール
上での生長が遅いことで同定されることができる(Mut+
表現型に対するMutS)。この形質転換体は、再生プレー
トから直接採り出して最小メタノールプレート(YNBBM
寒天)上での成育を試験することができる。代替的に、
再生上部寒天を取上げて、水中で均質化して、この酵母
細胞を、プレートに最小グルコースプレート(YNBBD寒
天)上でプレート当り約300コロニーとなるようにプレ
ート上にのせることができる。次いで、MutSコロニー
を、最小メタノールプレート上でレプリカ培養すること
によって同定される。一般的に、Mutsの比率は、全形質
転換体の10〜20%であることが判明している。ときおり
Mut+形質転換体はMutSとして計測され、これらはベクタ
ーの多重複製を含むことを証明することもできる。(ii
i)スクリーニング:多数の形質転換体を迅速にスクリ
ーニングするために、これらを96−空間滅菌微滴定プレ
ート(NUNCLON)中の個々のウェル中で成長させた。各
ウェル中のYPDブロス200μlにMuts形質転換体を植菌
し、振動を与えずにこのプレートを30℃で2日間インキ
ュベートし、成長が定常期に達していることを確認し
た。各微滴定プレート上に、GS115(負の対照)を含む
ウェル及び知られたpPIC3−60.5K組込み体(正の対照)
を含むウェルが含まれていた。多重チャネルピペット器
具(ティターテック)を使用して、各微培養物の試料50
μlを、シュライヒャー及びシュエルの「マニホール
ド」上のニトロセルロースフィルター上に、真空下で転
移した。このフィルターを空気乾燥し、方向付のために
マークし、次いで下記の方法により処理して細胞を溶解
した:(i)50mM EDTA、2.5%2−メルカプトエタノー
ル、pH9.0により室温で15分間、(ii)水中1mg/ml発酵
溶解物(100T)により37℃で4時間、(iii)0.1MNaC
l、1.5MNaCl中で室温で5分間及び(iv)2×SSC中で室
温で5分を2回。各処理は、3MM紙2シートを前記容器
で浸漬し、ニトロセルロースフィルターを上部上に置く
ことによって行った。これらの処理の後、このフィルタ
ーを80℃で1時間焼いた。
このフィルターを、ランダム開始された標識(ファイ
ンバーグら、「Anal.Biochem」、1989、132、6〜13)
を使用して、高特異的活性に放射能標識された69kDa抗
原特異的DNAを用いて、サザンハイブリッド形成により
調べた。予備ハイブリッド形成、ハイブリッド形成、洗
浄及び放射能写真撮影は標準方法を使用して行った。
図6は、そのようなpPIC3−60.5Kの200より多いMuts
形質転換体のスクリーンの結果を示す。全ての形質転換
体は、プローブと反応し、ほとんどが類似の弱いシグナ
ルを与えた(単一−複製形質転換体)。しかしながら、
非常に小さい比率のものは、例A3及び4のより強いシグ
ナルを与えた。これらの多重複製形質転換体をさらに試
験した。示されるフィルター中の正の対照は、多重複製
としてすでに同定された形質転換体である。
ドットブロットにより同定された2つの選択された単
一複製トランスプレースメント及び4つの多重複製形質
転換体由来のDNAを、さらにサザンブロットにより分析
した。ジャーマン、F.ら(「Methods in Yeast Genetic
s」、1983、ニューヨークー州コールドスプリングハー
バー)によって、DNAをピチア細胞の培養物50mlから製
造した。Bgl II消化物を0.6%アガロースゲル中で分離
し、サザンブロットによりニトロセルロースに転移し、
放射能標識されたHIS4DNAとハイブリッド形成した(図
7)。Bgl II切断されたベクター、pPIC3−60.5Kに関し
て、表現カセットに対応する7.2kbバンドが観察され、
それにより、非形質転換された株GS115が、染色体2.7kb
HIS4フラグメントを与えた(トラック2)。単一の形質
転換体がこれらのバンドを与え(トラック3及び8)、
一方、多重複製形質転換体の2つが増加した強度の7.2k
bバンドを有し、表現カセットの多重挿入を示唆してい
る(トラック4及び5)。その他の2つの多重複製形質
転換体は、7.2kbバンドを全く示さず、Bgl II部位を欠
く多重結合の高い分子量のバンドを示した。
(iv)タンパク質分析:選択された形質転換体を30℃で
2日間YNBBGCas中で溶媒して、定常期に達した。これら
の出発培養物を、新鮮なYNBBGCas5ml中の0.25のOD600
希釈し6時間成長させた。これらの培養物を誘導するた
めに、細胞を遠心分離によって収集し、滅菌水中で1度
洗浄し、YNBBGCas中に再懸濁した。誘導は30℃で2日間
行った。細胞を低速遠心分離により採取し、水中で1度
洗浄し、その0.5mlを氷冷破壊緩衝液(20mMリン酸ナト
リウム、pH7.0、0.1%トリトンX−100、4mMフェニルメ
チルスルホニルフルオリド)中に懸濁した。酸洗浄され
たガラスビーズ(0.45mm)を添加し、激しく渦巻き状に
回転して破壊した。抽出物のタンパク質濃度を、バイオ
ラッドのタンパク質アッセイ(バイオラッド、製造者の
支持に従って)を使用して測定し、この物質を−20℃で
保存した。
タンパク質を、7.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル
(レムリU.K.、「Nature」、1970、227:680〜785)中の
電気泳動により分離した。このタンパク質をクーマシー
のブリリアンドブルーRによるゲル染色により可視化し
た。代替的に、このタンパク質をニトロセルロースフィ
ルターへ転移し、69kDa抗原特異的モノクローナル抗体b
BB05(モンタラズら、「Infect.Immunity」、1985、4
7、744〜751)と反応させ;ブタペスト条約の合意に従
って、1990年2月1日に受託番号第90020103号で、ヨー
ロピアンコレクションオブアニマルセルカルチャーズに
おける英国ウィルトシャイアー、サリスベリー、ポート
ンダウンのPHLSパブリックヘルスラボラトリーサービス
センターフォーアプライドマイクロバイオロジーアンド
リサーチに寄託し、次いでヤギ抗マウスIgGによって、
ホースラディッシュペルオキシダーゼに接合し、H2O2
び4−クロロナフトール(バイオラッド)で展開した。
このようにして、表現された69kDa抗原を特異的に検出
することができた。
図8は、4つの選択された多重複製形質転換体(クロ
ーン第3、4、18及び22号)及び1の典型的単一複製形
質転換体の誘導された抽出物のウェスタンブロットを示
す。標準濃度の純粋な69kDa抗原と比較することによっ
て、単一複製トランスプレースメントは、全細胞タンパ
ク質(t.c.p.)の0.1〜0.5%において69kDa抗原を表現
し、クローン第22号は約2%において、クローン第4号
は約5%において表現することを推定することができ
る。これらのレベルは、最適下限の誘導条件である。発
酵槽誘導において、5倍の改良が10%t.c.p.に対してク
ローン22において見られた。しかしながら、Mut+である
ことが判明したクローン4は、発酵槽中で6%t.c.p.で
残存していた。低表現形質転換体において、69kDa抗原
は非常に可溶性で、一方、高表現において、それは主に
(90%)不溶性である。この物質は容易に単離されるこ
とができるので、不溶性の画分から復元されて精製され
ることが好ましい。
(v)発酵:高細胞密度のピチアパストリス培養物によ
る69kDa抗原の生成を、pH、溶解されたO2、撹拌速度、
温度及び空気流のモニター及び制御装置を備えた2Lのブ
ラウン発酵槽中でクローン22を使用して実施した。YNBB
G10mlの一晩の培養物を使用して、5×基礎塩(リン
酸、42ml/L;硫酸カルシウム2H2O、1.8g/L;硫酸カリウム
28.6g/L;硫酸マグネシウム7H20、23.4g/L;水酸化カリウ
ム、6.5g/L)1LとPTM1塩(硫酸第2銅5H20、6g/L;ヨー
化カリウム、0.08g/L;硫酸マグネシウムH20、3g/L;モリ
ブデン酸ナトリウム、0.2g/L;硫酸第1鉄7H20、65h/L;
ビチオン、0.2g/L;硫酸5ml/L)4ml及び5%(v/v)グリ
セロールを30℃において含む発酵槽に植菌した。溶解さ
れた酸素を、通気及び撹拌により20%より高く維持し、
pHを50%(v/v)水酸化アンモニウムを添加することに
よりpH5.0に維持した。グリセロールが排出されるまで
成長を続けた(24〜30時間)。制限されたグリセロール
流(50%w/vグリセロール及び12ml/LPTM1塩を含む)を1
2ml/時間で、17〜21時間開始した。この期間の後、グリ
セロール流をメタノール流(100%メタノール及び12ml/
LPTM1塩)に1ml/時間で2時間置換することにより培養
物を誘導した。次いで、メタノール流速を、6時間かけ
て6ml/時間まで徐々に増加させ、発酵を、このような条
件を使用してさらに40時間続けた。この時にメタノール
流速を2ml/時間にまで減少した。
次いで、誘導の後の種々の時間において試料を発酵槽
から採取し、上記に記載のようにして69kDa抗原表現を
分析した。ウェスタンブロット分析の結果を図9に示す
が、約10%の細胞タンパク質の69kDa抗原のレベルが達
成されたことを示唆している。
(vi)変性:OD600200における細胞30mlを含む、誘導開
始28時間及び32時間後の発酵槽試料をプロセシングのた
めに集めた。細胞を低速遠心分離により採取し、水中で
1度洗浄し、次いで1%トリトンX−100を含む緩衝液
A(50mlトリスpH8.0、0.1MNaCl、1mlEDTA)により30ml
とした。次いでこの細胞を0.45mmのガラスビーズを有す
るビードビーター(バイオスペックプロダクツ、バート
ルスビル、O.K.)中で10回の1分間パルスで破壊した。
細胞溶解物を、15,000で30分間遠心分離することにより
清澄化した(ソーベル、RC−5B、SS−34回転装置)。ペ
レットを緩衝液A中に懸濁することにより洗浄し、再遠
心分離した。不溶性タンパク質のペレットを、緩衝液A
(6ml)及び7.0M塩化グアニジニウム7.0M中に再懸濁
し、50mMトリスpH8.0、1mM EDTAを可溶化タンパク質に
添加した。この溶液を、さらに7M塩化グアニジニウムに
より希釈して110mlとし、緩衝液A5Lに対して4℃で大量
に透析した。次いで、透析バッグ中の物質を遠心分離に
より清澄化した(40分、10,000rpm、RC−5B、SS−34回
転装置)。可溶化された69kDa抗原を含む最終上清を固
形セファデックスG−100に対する透析によって濃縮し
た。この手順の各段階に由来する画分の相当量を、SDS
−PAGE、次いでウェスタンブロットにより分析した。得
られた結果により、69kDa抗原の約50%が特定の実験に
おいて可溶化されたが、その全ては透析の後に可溶性の
ままでいることが示される。クーマシー染色されたゲル
は、最終物質の純度が高い(60〜70%;図10)ことを示
した。
実施例2:トキソイド化されたLPFの調製及び不活化 ボルデテラペルツシスの培養物は、ヘプタキス−
(2、6−O−ジメチル)−β−シクロデキストリン
(MeBCD)を補給された修正されたステイナー−ショル
テ培地において、フラスコまたは発酵槽内で生長するこ
とができる(イマイズミら、「Infect.Immun.」、198
3、41:1138〜1143)。LPFは、ヒドロキシアパタイトア
ガロース(サトら、「Seminars in Infectious Diseas
e、1982、vol IV」380〜5、ニューヨーク州スリーム−
ストランドインコーポレイテッド)上のカラムまたはバ
ッチ吸着により、培養上清から精製されることができ
る。このヒドロキシアパタイトは、最初に0.01Mリン酸
塩緩衝液pH8.0により平衡化される。次いで、培養上清
をカラムに与えて、その後0.01Mリン酸塩緩衝液pH6.0に
より洗浄されることができる。LPFの溶離は、NaCl0.5m
を含む0.1Mリン酸塩緩衝液pH7.0を使用して行われる。L
PFは、さらに、例えばハプトグロビン−セファロース4B
カラム(イマイズミら、「Infect & Immun」、1983、4
1、1138〜1143)上で精製されることができる。LPFの精
製された調製物の不活化または「トキソイド化」は、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、過酸化水素若し
くはホルマリン(サトら、「Lancet」、1984、(1)、
122〜126)またはこれらの試薬のいずれかの組合せのよ
うな種々の異なる不活化剤を使用して実施することがで
きる。
実施例3:ケンドリック試験における生物学的効能 この試験は、14〜16gの異系交配されたNIH−Sマウス
(OLAC、カテゴリー3、B.bronchisepticaを含むほとん
どの病原を持たない)を使用して、百日咳ワクチンにつ
いてのW.H.O.の要件に従って行った。0.5ml容量の抗原
を、混合物として腹膜内に接種し、上記希釈及び3つの
3倍連続希釈を含んでいた。2週間後に、マウスに、推
奨された攻撃株18−323(〜400LD50)を使用して、大脳
内に攻撃した。平衡線プロビット分析のプログラムを使
用して、ブリティッシュ百日咳参照ワクチン66/84(J.B
iological Standard」、1981、9、351〜365)に関して
相対的効能を算出した。この結果を表1、2及び3中に
示す。これらのデータの例は、ワクチンとして単独に使
用される場合の69kDa抗原またはトキソイド化されたLPF
の限定された保護を示す。対照的に、69kDa抗原及びト
キソイド化されたLPFの組合せは、全細胞参照ワクチン
に非常に類似したレベルの保護を生じさせる驚くべき相
乗効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フェアーウェザー,ネイル フレイザー イギリス国ビーアール3 3ビーエス ケント,ベッケンハム,ラングリィ コ ート(番地なし) ザ ウエルカム フ ァウンデーション リミテッド 気付 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 39/10 A61P 31/04 BIOSIS(STN) CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボルデテラペルツシス(Bordetella pertu
    ssis)の69kDa抗原とボルデテラペルツシスのトキソイ
    ド化されたリンパ球促進因子との相乗的組合せ物を含む
    ワクチン。
  2. 【請求項2】69kDa抗原が、組換えDNA技術を使用して得
    られた請求項1に記載のワクチン。
  3. 【請求項3】リンパ球促進因子が、ホルムアルデヒド、
    グルタルアルデヒド、過酸化水素またはそれらの組合せ
    から選択される不活性剤を使用してトキソイド化された
    請求項1または2に記載のワクチン。
  4. 【請求項4】69kDa抗原とトキソイド化されたリンパ球
    促進因子の重量比が、約1:1である請求項1〜3のいず
    かに記載のワクチン。
  5. 【請求項5】さらに、非経口投与に適した薬学的に許容
    され得る液体賦形剤を含む請求項1〜4のいずれかに記
    載のワクチン。
  6. 【請求項6】抗原タンパク質の濃度が、0.03〜2mg/mlで
    ある請求項5に記載のワクチン。
  7. 【請求項7】さらに、佐剤を含む請求項1〜6のいずれ
    かに記載のワクチン。
  8. 【請求項8】さらに、ボルデテラペルツシスのその他の
    抗原またはジフテリア若しくは破傷風の抗原を含む請求
    項1〜7のいずれかに記載のワクチン。
  9. 【請求項9】ボルデテラペルツシスの69kDa抗原とボル
    デテラペルツシスのトキソイド化されたリンパ球促進因
    子とを、その相乗的組合せを与えるような量で混合する
    ことを含む請求項1に記載のワクチンの製造方法。
JP03517407A 1990-09-27 1991-09-27 無細胞ワクチン Expired - Lifetime JP3140776B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9021004.8 1990-09-27
GB909021004A GB9021004D0 (en) 1990-09-27 1990-09-27 Acellular vaccines
PCT/GB1991/001669 WO1992005798A1 (en) 1990-09-27 1991-09-27 Acellular vaccine

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06502159A JPH06502159A (ja) 1994-03-10
JP3140776B2 true JP3140776B2 (ja) 2001-03-05

Family

ID=10682814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03517407A Expired - Lifetime JP3140776B2 (ja) 1990-09-27 1991-09-27 無細胞ワクチン

Country Status (4)

Country Link
EP (2) EP0550558A1 (ja)
JP (1) JP3140776B2 (ja)
GB (1) GB9021004D0 (ja)
WO (1) WO1992005798A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6602705B1 (en) 1998-12-31 2003-08-05 Chiron Corporation Expression of HIV polypeptides and production of virus-like particles

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8412207D0 (en) * 1984-05-12 1984-06-20 Wellcome Found Antigenic preparations
GB8512972D0 (en) * 1985-05-22 1985-06-26 Univ Glasgow Vaccine production
EP0267998A1 (en) * 1986-11-17 1988-05-25 Institut Pasteur Means for protecting against bordetella infections and toxic processes
GB8807860D0 (en) * 1988-04-05 1988-05-05 Connaught Lab Pertussis vaccine
JP2706792B2 (ja) * 1988-11-29 1998-01-28 財団法人化学及血清療法研究所 百日咳毒素のトキソイド化法
GB8910570D0 (en) * 1989-05-08 1989-06-21 Wellcome Found Acellular vaccine

Also Published As

Publication number Publication date
WO1992005798A1 (en) 1992-04-16
GB9021004D0 (en) 1990-11-07
EP0550558A1 (en) 1993-07-14
EP0764445A2 (en) 1997-03-26
JPH06502159A (ja) 1994-03-10
EP0764445A3 (ja) 1997-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU690570B2 (en) High level expression, purification and refolding of the neisseria meningitidis outer membrane group B porin proteins
US6040427A (en) Vaccine
JP3633933B2 (ja) 弱毒化細菌における組換え融合タンパク質の発現
JP5566684B2 (ja) Clostridiumdifficileに対する、組換え毒素A/毒素Bワクチン
AU721954B2 (en) Expression of lipoproteins
HU219673B (hu) Neisseria meningitidis elleni vakcina
WO2004043376A2 (en) Compositions and methods for treating or preventing pneumococcal infection
US7902349B2 (en) Nucleic acids encoding protective epitopes of adenyl cyclase-haemolysin (AC-Hly)
JP3236610B2 (ja) 豚胸膜肺炎用ワクチン
KR20220032054A (ko) 결핵 백신용 융합 단백질
JPH09500537A (ja) B型インフルエンザウイルス由来のタンパク質p2の発現および精製方法
JP3140776B2 (ja) 無細胞ワクチン
HU219762B (hu) Neisseria meningitidis fertőzések elleni alegység vakcina és a megfelelő tisztított alegységek
JPS6117523A (ja) 淋疾のための広域スペクトルワクチン
EP0320866A2 (en) A protective immunodominant epitope included in the S1 subunit of pertussis toxin
US20020086349A1 (en) Nucleic acid molecules which code proteins which mediate the adhesion of neisseria cells to human cells
AU644828B2 (en) Novel vaccine
EP1468076B1 (en) AroQ-deficient Bordetella strain and uses thereof
AU2002357406B2 (en) Defective entities and uses therefor

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RVTR Cancellation due to determination of trial for invalidation
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250