JPH09500537A - B型インフルエンザウイルス由来のタンパク質p2の発現および精製方法 - Google Patents

B型インフルエンザウイルス由来のタンパク質p2の発現および精製方法

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JPH09500537A JP7505353A JP50535395A JPH09500537A JP H09500537 A JPH09500537 A JP H09500537A JP 7505353 A JP7505353 A JP 7505353A JP 50535395 A JP50535395 A JP 50535395A JP H09500537 A JPH09500537 A JP H09500537A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般に、B型インフルエンザウイルス(ヘモフィルス・インフルエンザエ・タイプB)由来の外層膜タンパク質P2(Hib−P2)あるいはその融合タンパク質を発現する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、Hib−P2タンパク質が大腸菌内で発現される総タンパク質の2%以上であることを特徴とするB型インフルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質を大腸菌内で発現する方法に関する。本発明はまた、Hib−P2タンパク質およびその融合タンパク質を精製および再生する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 B型インフルエンザウイルス由来のタンパク質P2の発現および精製方法 発明の背景 発明の技術分野 本発明は、組換えDNA技術、タンパク質発現およびワクチンの分野に属する 。特に本発明は、B型インフルエンザウイルス[ヘモフィルス・インフルエンザ エ・タイプB]由来の外層膜タンパク質P2(Hib−P2)の発現方法に関する。 本発明はまた、組換えタンパク質の精製および再生方法に関する。背景の情報 アメリカ合衆国では、B型インフルエンザウイルスにより、4才以下の児童に おいて細菌性髄膜炎およびその他の侵入性感染が発病している。数種のB型イン フルエンザウイルス株由来のP2タンパク質が精製され、特徴が記載されている [マンソンらの「J.Clin.Invest.」,72:677〜684(1983年)および ヴェイコンらの「J.Bacterio1.」,162:918〜924(1985年)]。1 H型P2タンパク質をコードする構造遺伝子がクローン化され、該DNA配列が 決定されている[ハンセン,E.J.らの「インフェンクション・アンド・イムニ ティ」,56:2709〜2716(1988年10月);ハンセン,E.J.らの「イ ンフェンクション・アンド・イムニティ」,57:1100〜1107(1989 年4月);およびマンソン・ジュニア,R.およびトラン・ジュニア,R.W.らの「 インフェンクション・アンド・イムニティ」,57:88〜94(1989年1月 )]。組換えP2遺伝子がRdインフルエンザウイルス[ハンセン,E.J.らの「 インフェンクション・アンド・イムニティ」,56:2709〜2716(198 8年10月)]および大腸菌[マンソン・ジュニア,R.およびトラン・ジュニア, R.W.らの「インフェンクション・アンド・イムニティ」,57:88〜94(1 989年1月)]において発現されているけれども、マンソン[マンソン・ジュ ニア,R.およびトラン・ジュニア,R.W.らの「インフェンクション・アンド・ イムニティ」,57:88〜94(1989年1月)]およびハンセン[ハンセン, E. J.らの「インフェンクション・アンド・イムニティ」,56:2709〜271 6(1988年10月)]によって示唆されたように、おそらく大腸菌内でのP2 タンパク質の毒性により、大腸菌内における発現濃度は低い。本発明は、Hib− P2タンパク質が大腸菌内で発現される総タンパク質の2%以上であることを特 徴とする大腸菌内でHib−P2を発現する方法を提供する。 発明の要約 本発明の一般的な目的は、B型インフルエンザウイルス由来の組換え外層膜タ ンパク質P2(Hib−P2)あるいはその融合タンパク質を大腸菌内で発現する方 法を提供することである。 本発明の特別の目的は、 (a)選択可能なマーカーおよび (i)成熟P2タンパク質および (ii)T7遺伝子のφ10キャプシドタンパク質の1〜22番のアミノ酸に融合 した成熟P2タンパク質を含む融合タンパク質 からなるグループから選択されたタンパク質をコードする遺伝子を含むベクター によって大腸菌を形質転換し[ここで該遺伝子はT7プロモーターに機能的に結 合する];および (b)該形質転換された大腸菌を、グルコースおよび選択剤を含むLB培地中で 約30℃にて成長させる[ここで、生産された該タンパク質は大腸菌内で発現さ れた総タンパク質の2%以上である] ことを特徴とする、B型インフルエンザウイルス由来の組換え外層膜タンパク質 P2(Hib−P2)あるいはその融合タンパク質を発現する方法を提供することで ある。 また本発明の特別の目的は、上記方法にしたがって生産されたB型インフルエ ンザウイルスの外層膜タンパク質P2(Hib−P2)あるいはその融合タンパク質 を精製し、再生する方法を提供することである。 さらにまた本発明の特別の目的は、動物においてB型インフルエンザウイルス に対する保護抗体を誘発するための有効量で投与される、上記方法にしたがって 生産されたB型インフルエンザウイルスの外層膜タンパク質P2(Hib−P2)あ るいはその融合タンパク質、ならび医薬的に許容し得る希釈剤、担体または賦形 剤にを含むワクチンを提供することである。 本発明の他の特別の目的は、該外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパ ク質がヘモフィルスの莢膜多糖に複合している上記ワクチンを提供することであ る。 本発明のさらに特別の目的は、上記方法にしたがって生産したHib−P2タン パク質あるいはその融合タンパク質−ワクチンを動物に投与することを特徴とす る動物における細菌性髄膜炎を予防する方法を提供することである。 本発明の他の特別の目的は、上記外層膜タンパク質P2あるいはその融合タン パク質得ること;ヘモフィルス有機体由来の多糖を得ること;および該タンパク 質を該多糖に複合させることを特徴とする多糖複合体を製造する方法を提供する ことである。 本発明の他の特別の目的は、形質転換された大腸菌を溶解することにより、P 2タンパク質あるいはその融合タンパク質を封入体として放出させ;該封入体を 緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌細胞タンパク質を除去し;該封入 体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し;得られる溶液を界面活性剤で希 釈し;および可溶化されたP2タンパク質あるいはその融合タンパク質をゲル濾 過によって精製することを特徴とする上記外層膜タンパク質P2あるいはその融 合タンパク質を精製する方法を提供することである。 本発明の他の特別の目的は、形質転換された大腸菌を溶解することにより、P 2タンパク質あるいはその融合タンパク質を封入体として放出させ;該封入体を 緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌細胞タンパク質を除去し;該封入 体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し;得られる溶液を界面活性剤で希 釈し;および可溶化されたP2タンパク質あるいはその融合タンパク質をゲル濾 過によって精製し;および該外層膜タンパク質P2が再生するまで該ゲル濾過生 成物を高濃度のNaClおよびカルシウムイオンを含有する水性溶液中に約4℃ で貯蔵することを特徴とする上記外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパ ク質を再生する方法を提供することである。 本発明のさらなる目的および利点は、下記詳細な説明から明らかとなるであろ う。 簡単な記載および図面 図1 プラスミドpNV−3の誘導の動力学を示す電気泳動ゲル(クーマシー ブルー染色8〜16%直線勾配SDS−PAGE(Novex製))。レーン1は分子 量マーカーを示す:ホスホリラーゼb(97.4kDa)、ウシ血清アルブミン(6 6kDa)、卵白アルブミン(45kDa)、炭酸デヒドラターゼ(31kDa)、 大豆トリプシンインヒビター(21.5kDa)およびリゾチーム(14.4kDa) 。レーン2および14は精製rHibポーリン(組換え体)の4μgサンブルを示 す。レーン3〜13は、培養物へIPTGを添加してから、0,15,30,45, 60,120,180,240,300,360および420分後に除去された細胞 から得られた大腸菌抽出物のサンプルを示す。各時点では、5mlの培養物を除去 し、直ちに4℃に冷蔵した。次いで、遠心分離によって細胞を集め、−75℃で 貯蔵した。150μlのトリス−HCl,pH=8.0,5μM尿素,1%SDS,3 0mMのNaCl,2,5%βメルカプトブタノールおよび0.05%のブロムフェ ノールブルーを加えることによって全細胞抽出物を作成した。混合物を5分間沸 騰させた後、次いでロード緩衝液でサンプルを1:10に希釈し、10μlの希 釈サンプルをレーンにロードした。 図2 プラスミドpNV−6の誘導の動力学を示す電気泳動ゲル(クーマシ ーブルー染色8〜16%直線勾配SDS−PAGE(Novex製))。レーン1は分 子量マーカーを示す:ホスホリラーゼb(97.4kDa)、ウシ血清アルブミン( 66kDa)、卵白アルブミン(45kDa)、炭酸デヒドラターゼ(31kDa) 、大豆トリプシンインヒビター(21.5kDa)およびリゾチーム(14.4kD a)。レーン2および14は精製rHibポーリンの4μgサンプルを示す。レーン 3〜13は、培養物へIPTGを添加してから、0,15,30,45,60,12 0,180,240,300,360および420分後に除去された細胞から得られ た大腸菌抽出物のサンプルを示す。各時点では、5mlの培養物を除去し、直ちに 4℃に 冷蔵した。次いで、遠心分離によって細胞を集め、−75℃で貯蔵した。図1で 記載したように、全細胞抽出物を作成した。 図3および3A rHibポーリンのゲル濾過を示すグラフ。6MグアニジンH Clで封入体を抽出し、実施例6で記載するように界面活性剤を添加した。混合 物を遠心分離して幾らかの残留物質を除去し、100mMのトリス−HCl,10 mMのEDTA,1MのNaClおよび0.05%の3,14−Zwittergent,pH 8.0で平衡化した180×2.5cmのS−300カラムに供した。次いで、第2 のバッチを20mMのCaCl2を加えた同様の緩衝液に供した。各フラクション に対して280nmにおける光学密度を測定した。矢印は分子量マーカー(Sigm a製)の溶離位置を示す:1=ブルーデキストラン(2000kDa);2=アルコ ール脱水素酵素(150kDa);4=ウシ血清アルブミン;および6=チトクロ ームC(12.4kDa)。挿入はの見かけの分子量対溶離位置の半対数プロットを 示す。3番は、ポーリンで処理されたカルシウムイオンの主要ピークの位置であ り、一方、5番はポーリン非処理の主要ピークの位置である。 図4A〜4C pNV−1のSalI−SalI断片のDNA配列。制限部位を下 線で示す。該DNAの配列決定に用いた合成オリゴヌクレオチドを2重下線で示 す。矢印は、配列決定反応の方向を示す。左矢印の配列は、該DNA配列に相補 的である。プラスミドの残りの部分はpUC18と同一である。lacプロモータ ーは下流のSalI部位に隣接している。 図5A〜5C pNV−2のBamHI−XhoI断片のDNA配列。融合配列を コードするpET−17bベクターの部分を太字で示す。制限部位を下線で示す 。プラスミドの残りの部分はpET−17bと同一である。 図6A〜6C pNV−3のNdeI−XhoI断片のDNA配列。制限部位を下 線で示す。プラスミドの残りの部分はpET−17bと同一である。 図7A〜7C pNV−3のNdeI−BamHI断片のDNA配列。制限部位を 下線で示す。プラスミドの残りの部分はpET−11aと同一である。 図8A および8B 組換えP2を有するヘモフィルス・インフルエンザエ由来の天然の 抗P2の免疫原性を示す電気泳動ゲル(パネルA)およびウエスタンブロット(パ ネルB)。パネルA:(クーマシーブルー染色,8〜16%直線勾配SDS−PA GE(Novex製))。レーン1は分子量マーカーを示す:ホスホリラーゼb(97. 4kDa)、ウシ血清アルブミン(66kDa)、卵白アルブミン(45kDa)、 炭酸デヒドラターゼ(31kDa)、大豆トリプシンインヒビター(21.5kDa )およびリゾチーム(14.4kDa)。レーン3は精製組換えB型インフルエンザ ウイルスのポーリンの1μgサンプルを示す。レーン2、4、9、12および1 5はブランク。レーン5および6は、IPTGによる誘導前および3時間後の大 腸菌株BL21を示す。レーン7および8は、誘導の前と後のBL21[pNV −3]を示す。レーン10および11は、誘導の前と後のBL21(DE3)[p NV−3]を示す。レーン13および14は、誘導の前と後のBL21(DE3) [pNV−6]を示す。ロードしたサンプルは図1で記載したように調製したパ ネルB:(パネルAで示したものと同一の様式でロードしたゲルからのウエスタ ンブロット)。タンパク質をニトロセルロース膜(Novex製)に転写した後、該膜 を粉末ミルクでブロックする。次いで、Eagan株に相当するHib株A2由来の精 製P2を構成成分とする複合ワクチンで免疫感作したウサギから生産したポリク ローナル抗体および同じ有機体から単離された多糖を加えた。その後、アルカリ フォスファターゼにカプリングさせたヤギ抗ウサギIgGも加えた。ポーリンバ ンドの視覚化は、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート,p− トルイジン塩(Sigma製)から放出されたホスフェートと反応するニトロブルーテ トラゾリウム染料(Sigma製)を用いて行った[ブレイクらの「Analyt.Biochem.」, 136:175−179(1984年)]。 発明の詳細な記載 本発明はB型インフルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2あるいはそ の融合タンパク質を発現する方法に関する。 ひとつの具体例においては、本発明は、 (a)選択可能なマーカーおよび (i)成熟P2タンパク質および (ii)T7遺伝子のφ10キャプシドタンパク質の1〜22番のアミノ酸に融合 した成熟P2タンパク質を含む融合タンパク質 からなるグループから選択されたタンパク質をコードする遺伝子を含むベクター によって大腸菌を形質転換し[ここで該遺伝子はT7プロモーターに機能的に結 合する];および (b)該形質転換された大腸菌を、グルコースおよび選択剤を含むLB培地中で 約30℃にて成長させる[ここで、生産された該タンパク質は大腸菌内で発現さ れた総タンパク質の2%以上である] ことを特徴とする、B型インフルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2あ るいはその融合タンパク質を発現する方法に関する。好ましい具体例においては 、発現したHib−P2タンパク質あるいはその融合タンパク質は、大腸菌内で発 現した総タンパク質の約5%以上である。別の好ましい具体例においては、発現 したHib−P2タンパク質あるいはその融合タンパク質は、大腸菌内で発現した 総タンパク質の約10%以上である。さらに別の好ましい具体例においては、発 現したHib−P2タンパク質あるいはその融合タンパク質は、大腸菌内で発現し た総タンパク質の約40%以上である。 別の好ましい具体例においては、該ベクターは、発現プラスミドpET−17 b、pET−11a、pET−24a−d(+)またはpET−9aのT7プロモ ーターに機能的に結合したHib-p2遺伝子を含む。これらのプラスミドはすべ て、Novagen社(ウイスコンシン州マジソン、サイエンス・ドライブ565番)か ら市販されている。プラスミドpET−17b、pET−9aおよびpET−2 4a−d(+)は配列中にT7プロモーター、リボソーム結合部位、構造遺伝子を 挿入可能にする制限部位およびT7ターミネーター配列を含む。さらに、pFT −11aは、T7プロモーターに融合したlacオペレーターおよびlacI遺伝子の コピーをもつ。本発明で用いたプラスミド構築物は、マンソン・ジュニア,R.お よびトラン・ジュニア,R.W.らの「インフェンクション・アンド・イムニティ 」,57:88〜94(1989年1月)で用いられたものとは異なり、予P2タ ンパク質および融合タンパク質が著しく高い生産率で得られる 形質転換された大腸菌を、大腸菌が感受性をもつβ−ラクタム(たとえばカル ボペニシリン)などの選択剤を含む培地中で成長させる。該pFT発現ベクター は、形質転換された有機体に抗生物質抵抗性を付与する選択可能なマーカーを提 供する。 本発明に従って、P2ターミネーション配列を含むP2遺伝子から下流の外来 性の3'部分を排除する。このように構築された該断片は、翻訳停止コドンの後 約40bpで終了する。 T7ポリメラーゼをコードする大腸菌株はいずれも、本発明に用いることがで きる。好ましい具体例においては、大腸菌株BL21(DE3)ΔompAを用いる 。上述のプラスミドは、この株または野生型株BL21(DE3)に導入して形質 転換することができる。該株BL21(DE3)ΔompAは、バクテリオファージ λDE3の溶原であり、誘発可能なlacUV5プロモーターの制御下のT7RN Aポリメラーゼ遺伝子を含む。精製ポーリンタンパク質が混在し、かつ所望しな い免疫副作用を生み出す可能性があるOmpAタンパク質が産生されないという理 由から、大腸菌株BL21(DE3)ΔompAが好ましい。本発明の形質転換大腸 菌を、グルコースおよびカルベニシリンを含むLBブロス中、約30℃で、通気 速度を遅くして(約150rpm)成長させ、誘導してもよい。これらの条件下で、 高濃度のP2発現が得られた。 P2を長期間、高濃度で発現させることは、大腸菌にとって有毒となる可能性 がある。これまでに報告されているHib−P2の最も高濃度の発現は、発現され た総タンパク質の2%以下である[マンソン・ジュニア,R.およびトラン・ジュ ニア,R.W.らの「インフェンクション・アンド・イムニティ」,57:88〜9 4(1989年1月)]。驚くべきことに、本発明による大腸菌内でのHib−P2 タンパク質およびその融合タンパク質の発現を、クーマシーブルー染色後の電気 泳動ゲルをデンシトメーターで測定したところ、約35〜50%に達している。 別の好ましい具体例においては、本発明は、動物においてB型インフルエンザ ウイルスに対する保護抗体を誘発するための有効量で投与される、前記方法に従 って生産されたB型インフルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2(Hib −P2)あるいはその融合タンパク質ならびに医薬的に許容しうる希釈剤、担体 ま たは賦形剤を含むワクチンに関する。好ましい具体例においては、該動物は、ヒ ト、ウシ、ブタ、ヒツジおよびニワトリからなるグループから選択される。別の 好ましい具体例においては、該動物はヒトである。 別の好ましい具体例においては、本発明は、外層膜タンパク質P2あるいはそ の融合タンパク質がヘモフィルス莢膜多糖(capsular polysaccharide:CP)に 複合している上記ワクチンに関する。ヘモフィルスCP類は、シュネルソンらの「 J.Exp.Med.」,152:361〜376(1980年);マーバーグらの「J.Amer.C hem.Soc.」,108:5282(1986年);ジェニングスらの「J.Immunol.」,1 27:1011〜1018(1981年);およびビューバリらの「infect.Immun nol.」,40:39〜45(1983年)[これらの文献はすべて本発明の参考文 献である]の記載に従って製造または合成することができる。 さらに好ましい具体例においては、本発明は、前記外層膜タンパク質P2ある いはその融合タンパク質を生産し;ヘモフィルス由来のCPあるいはその断片を 得;および外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質を、CPあるいは その断片に複合させることを特徴とする多糖複合体を生産する方法に関する。 本発明複合体は、還元的アミノ化を行ってCP断片の還元末端基をポーリンの 第1アミノ基に反応させることによって製造してもよい。還元基は、選択的加水 分解または特異的酸化的切断、あるいはこれらの組み合わせによって形成しうる 。好ましくは、ジェニングスらの米国特許第4356170号[本発明の参考文 献である]に記載の方法(過ヨウ化物を用いたCPの制御酸化、次いでポーリン タンパク質を用いた還元的アミノ化)によってCPをポーリンタンパク質に複合 させる。 本発明のワクチンは、投与経路によって変化する有効量にて投与されるHib− P2タンパク質、融合タンパク質または複合ワクチンを特徴とする。皮下または 筋肉内経路での投与が好ましいけれども、本発明のHib−P2、融合タンパク質 またはワクチンは、腹腔内または静脈内経路でも投与することができる。当業者 であれば、いずれの特定の治療プロトコルに対しても、過度の実験を行うことな く、投与量を容易に決定しうるであろう。適当な用量はタンパク質2〜10μg /体重kgの範囲である。 本発明のワクチンは、経口投与用としてはカプセル剤、液剤、懸濁剤またはエ リキシル剤の形態で用いることができ、液剤または懸濁剤などの滅菌溶液の形態 で用いてもよい。生理的食塩水、リン酸緩衝食塩水などの不活性担体のいずれを 用いてもよく、あるいはHib−P2タンパク質、融合タンパク質または複合ワク チンが適当な溶解特性をもつ担体も適当である。ワクチンは、一回投与用製剤ま たは大規模予防接種プログラムに用い得る複数回投与用フラスコとして作成する ことができる。ワクチンの製造法および使用法の参考文献は、レミントンの「フ ァーマシューティカル・サイエンス」,マック・パブリッシング・コーポレイシ ョン,イーストン,ペンシルバニア州,オーソル編(1980年);および「ニュー ・トレンド・アンド・デベロップメント・イン・ワクチンズ」,ヴォラーら(編), ユニバーシティ・パーク・プレス,バルチモア,メリーランド州(1978年)であ る。 さらに、本発明のHib−P2タンパク質または複合ワクチンには、P2抗体の 産生を増強するアジュバントが含まれてもよい。このようなアジュバントとして は、完全フロイントアジュバント(CFA)、MDPとして知られるジペプチド、 サポニン、水酸化アルミニウムまたはリンパ球サイトカインなどの種々の油状製 剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 フロイントアジュバントは、免疫原物質と混合された鉱物油と水のエマルジョ ンである。フロイントアジュバントは強力であるが、通常ヒトには投与しない。 代わりに、ヒトの場合、水酸化アルミニウムのアジュバントを用いる。Hib−P 2タンパク質、融合タンパク質または複合ワクチンは、該水酸化アルミニウム上 に吸着され、注入後、そこからゆっくりと放出される。Hib−P2タンパク質、 融合タンパク質または複合ワクチンを、フラートンらの米国特許第423587 7号の記載に従ってリポソーム内カプセル剤にしてもよい。 別の好ましい具体例においては、本発明は、前記方法に従って生産した外層膜 タンパク質P2または複合ワクチンを、細菌性髄膜炎を予防するための有効量で 動物に投与することを特徴とする動物における細菌性髄膜炎の予防方法に関する 。 さらに他の具体例においては、本発明は、形質転換された大腸菌を溶解するこ とにより、P2タンパク質あるいはその融合タンパク質を封入体として放出させ ;該封入体を緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌細胞タンパク質を除 去し;該封入体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し;得られる溶液を界 面活性剤で希釈し;および可溶化されたP2タンパク質あるいはその融合タンパ ク質を変性剤なしでゲル濾過することによって精製することを特徴とする上記外 層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質を精製する方法に関する。 溶解工程は、超音波処理、酵素分解、浸透ショック法またはマル・プレス(mul l press)を通すことなどの当業者に公知の方法に従って行う。 封入体は、P2タンパク質あるいは融合タンパク質を含む封入体を可溶化する ことなく大腸菌細胞タンパク質を可溶化しうる緩衝液のいずれかで洗浄する。こ のような緩衝液としては、TEN緩衝液(50mMトリスHCl,1mM EDTA ,100mM NaCl,pH8.0)が挙げられるが、これに限定されるものではな い。Bicine、TricineおよびHEPESなどの他の緩衝液も使用しうる。 本発明に用いる変性剤としては、2〜8M尿素または約2〜6MグアニジンH Clが挙げられ、4〜8M尿素または約4〜6MグアニジンHClが好ましく、 約8M尿素または約6MグアニジンHClが最も好ましい。 可溶化されたP2タンパク質あるいは融合タンパク質を希釈するのに用いる界 面活性剤としては、SDSおよびCetavlon(Aldrich製)などのイオン性界面活 性剤;Tween、TritonX−100およびオクチルグルコシドなどの非イオン性 界面活性剤;および3,14−ZwittergentおよびChapsなどの両性イオン界面 活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 可溶化されたP2タンパク質あるいは融合タンパク質を、ゲル濾過法によって 精製して高分子量物質と低分子量物質とを分離する。濾過マトリックスのタイプ としては、セファクリル−300、セファロースCL−6BおよびBio−GelA −1.5mが挙げられるが、これらに限定されるものではない。可溶化タンパク 質を希釈するのに用いた緩衝液でカラムを溶離する。次いでP2タンパク質ある いはその融合タンパク質を含むフラクションをゲル電気泳動法により同定し、該 フラクションを集め、透析し、濃縮する。 最終的に、濃縮フラクションを高速Qセファロース高性能カラム(Pharmacia 製)に通すことによって、実質的に純粋な(>95%)P2タンパク質および融合 タンパク質が得られる。 他の具体例においては、本発明は、酵母Pichia発現系[スリークリシュナら の「J.Basic.Microbiol.」,28:265〜278(1988年)]および古細菌 発現系[ブラセイオおよびファイファーの「Proc.Acad.Natl.Sci.U.S.A.」,87 :6772〜6776(1990年);クラインらの「J.Bacteriol.」,171: 4987〜4991(1989年)]におけるHib−P2の発現に関する。P2タ ンパク質遺伝子あるいは融合遺伝子の発現ベクターへのクローニングは、連結の ための平滑末端または付着末端、適当な末端を得るための制限酵素による切断分 解、適当な付着末端の充填、不要な結合を避けるためのアルカリホスファターゼ 処理および適当なリガーゼによる連結などの常套の技術を用いて行う。一般的な クローニング法についての参考文献は、サムブルックらの「モレキュラー・クロ ーニング:ア・ラボラトリー・マニュアル」第2版,コールド・スプリング・ハ ーバー,ニューヨーク,コールド・スプリング・ハーバー・プレス(1989年)で ある。 免疫学的に天然のタンパク質の特性をもつ構造を達成するために、本発明に従 って発現したHib−P2および融合タンパク質を正しく再生しなければならない 。さらに他の具体例においては、本発明は、形質転換された大腸菌を溶解するこ とにより、P2タンパク質あるいはその融合タンパク質を封入体として放出させ ;該封入体を緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌細胞タンパク質を除 去し;該封入体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し[すなわち、外層膜 タンパク質P2を高濃度の塩(2〜8M尿素または約2〜6MグアニジンHCl が好ましい、4〜8M尿素または約4〜6MグアニジンHClがさらに好ましく 、約8M尿素または約6MグアニジンHClが最も好ましい)に再懸濁および溶 解し];得られる溶液を界面活性剤(両性イオン剤、SDSまたはTween−20 が好ましい)で希釈し;および外層膜タンパク質P2をゲル濾過によって精製し ;および該外層膜タンパク質P2が再生するまで(0〜10週間が好ましく、3 週 間が最も好ましい)、該ゲル濾過生成物を約1〜15℃(約4℃が好ましい)で貯 蔵することを特徴とする上記外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質 を再生する方法 ゲル濾過工程で、高分子量物質と低分子量物質が分離され、3量体と単量体の ポーリンになる。 ゲル濾過工程後、ポーリンを溶液中に保持するには、初めに高濃度の塩(1〜 4M NaCl)が必要である。rHibポーリンが充分に集合するには、マグネシ ウムもしくはマンガンイオンではなくて、カルシウムイオン(1mM〜1MのCa Cl2が好ましく、約20mMのCaCl2が最も好ましい)が必要である。この時 点では、塩を除去するとポーリンが溶液から沈殿するので、rHibポーリンは3 量体であっても、コンホメーションは“天然”とはいえない。このことは、野生 型のHibポーリンでは起こらない。しかし、ポーリンを4℃で貯蔵するので、ゆ っくりとしたコンホメーションの変化が起こり、ポーリンが沈殿することなく塩 を除去しうるようになる。 この時点でのタンパク質の純度は、クーマシーブルー染色SDS−PAGEで 測定すると約80〜90%である。次いでこの物質をイオン交換カラムに供し、 塩勾配で溶離する。得られる物質の純度は95%である。 他の好ましい具体例においては、本発明は、上記方法に従って生産された実質 的に純粋な再生Hib−P2に関する。実質的に純粋なタンパク質とは、たとえば 、電気泳動などから明らかなように、インフルエンザウイルスのその他の細胞成 分が概ね欠損しているタンパク質である。このような実質的に純粋なタンパク質 の純度を、電気泳動ゲルをデンシトメーターで測定すると、>95%である。 次の非制限的実施例において本発明をさらに詳しく説明する。 実施例1 B型インフルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2のクローニング 既に文献に記載されている方法[サムブルックらの「モレキュラー・クローニ ング:ア・ラボラトリー・マニュアル」第2版,コールド・スプリング・ハーバ 一,ニューヨーク,コールド・スプリング・ハーバー・プレス(1989年)]を用 いて0.5gのB型インフルエンザウイルスのEagan株から全ゲノムDNAを単 離した。次いでこのDNAを、標準的PCR条件を用いるポリメラーゼ鎖反応( PCR)における2つのP2特異的オリゴヌクレオチド用のテンプレートとして 用いた[米国特許第4683195号;米国特許第4683202号;サイキら の「Science」,230:1350〜1354(1985年;イニスらの「PCR プロトコルズ:ア・ガイド・トウ・メソッド・アンド・アプリケーションズ」, アメリカン・プレシ・インコーポレイテッド,サンディエゴ,カリフォルニア州 (1990年)(これらの文献は本発明の参考文献である)]。 5'側のP2特異的オリゴヌクレオチドは、ATG(出発コドン)から40b p5'であるように設計し、配列を配列番号1で示した。 3'側のP2特異的オリゴヌクレオチドは、停止コドンから300bp3'であ るように設計し、配列を配列番号2で示した。 両方のP2特異的オリゴヌクレオチドに、増幅した精製物のクローニングを促 進するためのSalI制限酵素部位を含めた。 P2増幅反応に続いて、0.8%寒天ゲル上の電気泳動によって該増幅したD NAを単離した。ゲルには1.4kbのシングルバンドが現れた。このDNAを ゲルから精製し、3つの制限酵素(EcoRI、DraIおよびPvuII)で切断し たところ予測しうる大きさのバンドが得られた。次いで1.4kbの断片をSal Iで切断し、T4DNAリガーゼを用いて、SalI切断pUC18に連結した[ ヤ ニッシュ−ペロンらの「Gene」,33:103〜119(1985年)]。 連結混合物を用いて、コンピテント大腸菌株DH5αの形質転換を行った[サ ムブルックらの「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル 」第2版,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク,コールド・スプリン グ・ハーバー・プレス(1989年)]。得られるコロニーを単離し、次いでミニ プレップDNA群を製造して解析した。該DNA群をSalIで切断して解析する と、2.7kbのベクターバンドおよび1.4kbの断片バンドが得られた。 プラスミドpNV−1を生成する連結は、方向性はなかった。このことは、該 DNA挿入体が両方の方向において存在することを意味する。該挿入体の方向性 を試験するために、MluIおよびNarIの両方でプラスミドを切断した。得られ るフラグメントのサイズは、挿入体がlacプロモーターと同じ方向性をもつか、 あるいは反対の方向性をもつかを示す。プラスミドの数個の単離物に対して試験 を行ったところ、すべてがlacプロモーターと反対の方向性をもつことがわかっ た。該プロモーターと同じ方向性をもつ挿入体は成長中に選択されなかったこと が明らかである。このことは、rHib−P2の発現が大腸菌にとって有害である ことを示唆する。同様な結論にマンソンのグループ[マンソンおよびトランの「 インフェンクション・アンド・イムニティ」,57:88〜94(1989年1月 )]およびハンセンのグループ[ハンセン,E.J.らの「インフェンクション・アン ド・イムニティ」,56:2709〜2716(1989年10月)]が到達した。 DNA配列を解析するために、1.4kb断片を含むクローンを選択した。サ ンガー法[サンガーらの「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」,74:5463(197 7年)]を用いて、ひとつのクローンを試験し、pNV−1が両方向に配列され ていることを示した。プラスミドpNV−1はHib株のMinnAについて公開さ れている配列と同一であることがわかった[マンソン・ジュニア,R.およびトラ ン・ジュニア,R.W.らの「インフェンクション・アンド・イムニティ」,57: 88〜94(1989年1月)。 ここで用いた分子生物学的技術は、サムブルックらの「モレキュラー・クロー ニング:ア・ラボラトリー・マニュアル」第2版,コールド・スプリング・ハー バー,ニューヨーク,コールド・スプリング・ハーバー・プレス(1989年)およ びオースベルらの「カレント・プロトコルズ・イン・モレキュラー・バイオロジ ー」,Vol.1および2,ウイリー−リス,ニューヨーク州ニューヨーク(199 2年)に記載されたものを用いた。これらの文献は本発明の参考文献である。 実施例2 外層膜タンパク質P2遺伝子を含む発現ベクターの構築 P2の発現には、発現ベクターpET−17b(Novagen pET システムマニュ アル)を用いた。このプラスミドはファージT7φ10遺伝子プロモーターを利 用する。このプロモーターは大腸菌DNA依存性RNAポリメラーゼによって認 識されず、したがって、T7RNAポリメラーゼが存在しないと、実質的な濃度 のポーリンを生産しない。BL21(DE3)株は、lacUV5プロモーターの 制御下で要求されたポリメラーゼをコードする溶原性λファージを含む。pET −17b発現ベクターを用いて2つのタイプの組換えP2タンパク質を作成した 。ひとつのタイプは、N末端にメチオニンを含有する成熟P2であった。2つめ のタイプは、N末端にpET−17bベクターから誘導されるファージT7の遺 伝子10の22個のアミノ酸をもつ成熟P2を含有する融合タンパク質(融合P 2と称する)であった。 該P2をpET−17bにクローニングするために、PCRを用いてオリジナ ルのP2遺伝子(pNV−1)を修飾した。成熟P2を構築するために、成熟ポ ーリンがpET−17bのNdeI部位にクローン化されるようにオリゴヌクレオ チドを構築した。このように設計された該オリゴヌクレオチド配列を配列番号3 で示した。 融合P2を構築するために、成熟ポーリンがpET−17bのBamHI部位に クローン化されるようにオリゴヌクレオチドを構築した。したがって、T7タン パク質の主要なキャプシドタンパク質である融合P2が遺伝子10に渡される。 該オリゴヌクレオチド配列を配列番号4で示した。 翻訳停止コドンから約40bpにXhoI部位を導入することによって外来性の 3'配列を除去した。このオリゴヌクレオチドは、XhoI部位が、pET−17 bのXhoI部位にクローン化されるようにXhoI部位を含むように設計した。該 オリゴヌクレオチド配列を配列番号4で示した。 PCRを用いて、NdeI部位を含む5'オリゴヌクレオチドおよびXhoI部位 を含む3'オリゴヌクレオチドで、全長P2(pNV−1)から1.1kbの断片 を生産した。この断片をNdeIおよびXhoIで切断し、精製し、NdeI−XhoI 切断したpET−17bに連結した。これによって、成熟P2構築が達成された (pNV−3またはN−X)。 同様に、PCRを用いて、BamHI部位を含む5'オリゴヌクレオチドおよび XhoI部位を含む3'オリゴヌクレオチドで、全長pNV−1から1.1kbの断 片を生産した。この断片をBamHIおよびXhoIで切断し、精製し、BamHI− XhoI切断したpET−17bに連結した。これによって融合P2構築が達成さ れた(pNV−2またはB−X)。両方の構築物(pNV−3およびpNV−2 )を、T7ポリメラーゼが欠損している大腸菌DH5α株に形質転換した。多数 のDH5α形質転換細胞からプラスミドDNAを単離した。成熟P2構築物およ び融合P2構築物の両方は、それらの5'および3'末端においてクローニングジ ャンクションが正確であるのを確実にするように配列された。 図1は、大腸菌株BL21(DE3)[pNV−3]のIPTGによる誘導の 動力学を示す。非代謝性誘導物質の添加前に、存在するポーリンの重要なレベル があることに留意せよ。これは、lacUV5プロモーターが完全には抑制されな いからである。ポーリンの濃度は急速に増加し、約3時間後に最大に達する。 株BL21(DE3)におけるポーリンの発現は、なお有害である。これは、 図1で観測された、ポーリンの重要な非誘導レベルによるものである。ポーリン を生産しないような欠失あるいは他の突然変異が選択されるので、この株は注意 して扱わねばならない(使用するまで凍結し、30℃で誘導せよ)。 実施例3 pNV−6の構築 プラスミドpET−11a(Novagen pETシステムマニュアル)はpET−1 7bと同じ発現シグナルをもつ。しかし、このプラスミドは、T7遺伝子φ10 プロモーターに隣接したlacオペレーターも含む。これは、lacリブレッサーの制 御下のT7プロモーターを配置する。プラスミドpET−11aは、lacリプレ ッサーをコードするlacI遺伝子の余分のコピーも含む。この構築からは実質的 に、より低い非誘導レベルのポーリンが得られる。 プラスミドpET−11aに含まれる使用可能な制限部位の数は、pET−1 7bよりも少ない。pET−17bと同じ位置にNdeI部位があり、したがって 、P2遺伝子の5'末端に配列番号3のオリゴヌクレオチドを再利用しうる。し かし、利用可能なXhoI部位はない。代わりに、配列番号6を用いてBamHI部 位を組み入れる。 PCRを用いて、オリゴヌクレオチド3および6で、全長P2(pNV−1) から新規1.1kbの断片を生産した。この断片をNdeIおよびBamHIで切断 し、精製し、NdeI−BamHIであらかじめ切断したpET−11aに連結した 。 これによって第2の成熟P2構築が達成された(pNV−6)。この構築物の5 '末端および3'末端の両方は、クローニングジャンクションが正確であるのを確 実にするように配列された。 図2は、BL21(DE3)[pNV−6]のIPTGによる誘導の動力学を 示す。非誘導レベルのポーリンが、pNV−3において観測されるよりも非常に 低いことに留意せよ。最大レベルの誘導に到達するのに必要な時間pNV−3の 場合よりも僅かに長いが、3時間後、ポーリンのレベルはpNV−3に匹敵する ようになる。pNV−6において、より低い非誘導レベルのポーリンが見られる ということは、このプラスミドが、プラスミドpNV−3よりも毒性のレベルが 低いことを示し、従って、より安定であることを意味する。 実施例4 発現株BL21(DE3)ΔompAの構築 大腸菌株DME558[S.ベンソンのコレクションから入手:シルハビーら の「エクスペリメンツ・ウイズ・ジーン・フュージョン」,コールド・スプリン グ・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク (1986年)]BRE51[ブレマー,E.らの「FEMS Microbiol.Lett.」, 33:173〜178(1986年)]およびBL21(DE33)をLB寒天 平板上、37℃で成長させた。 P1形質導入: 大腸菌株DME558のP1vir溶解産物を用いて、完全なo mpA遺伝子が欠損した株[シルハビーらの「エクスペリメンツ・ウイズ・ジーン ・フュージョン」,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド ・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(1986年)]BRE51にテトラサ イクリン耐性マーカーを形質導入した[ブレマー,E.らの「FEMS Microbiol.L ett.」,33:173〜178(1986年)]。光学密度がおよそ0.6OD60 0nm ni達するまで、ompA遺伝子にきわめて接近しているテトラサイクリン耐性 マーカーを含む株DME558を、LB培地中で成長させた。培養物10mlおよ び1×109PFUのP1virを含有する溶液0.1mlに、1ミリリットルの10 分の1の0.5M CaCl2を加えた。該培養物を37℃で3時間インキュベー ト した。この時点で、細菌の細胞密度は目に見えて減少した。1ミリリットルの半 分のクロロホルムを加え、該ファージ培養物を4℃で貯蔵した。通常、1〜2% の大腸菌染色体を各ファージにパッケージングしうるので、生産されたファージ の数は、ompA遺伝子に隣接したテトラサイクリン耐性マーカーを含めて、細菌 の宿主染色体全体をカバーする。 次に、ompA遺伝子が欠損している株BRE51をLB培地中、37℃で一夜 成長させた。一夜培養物を新鮮なLBで50倍に希釈し、2時間成長させた。遠 心分離によって細胞を除去し、MC塩に再懸濁させた。1ミリリットルの10分 の1の細菌細胞を、0.05の上記ファージ溶解産物と混合し、室温で20分間 インキュベートした。その後、等量の1Mクエン酸ナトリウムを加え、細菌細胞 を12.5μg/mlのテトラサイクリンを含むLB平板上に置いた。平板を37℃ で一夜インキュベートした。テトラサイクリン耐性(12μg/ml)形質導入体 を後記SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析にて、OmpAタンパク質 の発現の欠損についてのスクリーニングを行った。抗生物質に耐性がある細菌は 、ompA遺伝子がこの株から欠失したところに非常に近い染色体中の位置に取り 込まれたテトラサイクリン耐性遺伝子をもつ。この特殊な株をBRE−TRと名 づけた。 次いで、上記と同じ方法を用いて、株BRE−TRでファージ生産の第2ラウ ンドを行った。このファージ集団の典型には、テトラサイクリン耐性遺伝子とom pA欠失の両方が含まれている。次いで、これらのファージを集め、貯蔵した。 次いでこれらのファージを大腸菌BL21(DE3)に感染させた。感染後、細 菌はテトラサイクリン耐性マーカーを含んだ。それに加えて、テトラサイクリン を含むLB平板上でompA欠失が選択される確率が高くなった。 該平板上で成長した細菌のコロニーを、LB培地中で別々に成長させ、OmpA タンパク質の存在について試験を行った。SDS−PAGEウエスタンブロット での抗体反応性によって判定したところ、実験用に選択されたこれらのコロニー のすべてにおいてOmpAタンパク質が欠損していた。 該SDS−PAGEは、ブレイクおよびゴッチュリッチの「J.Exp.Med.」,1 59:452〜462(1984年)に記載されているレムリの方法[レムリ, U.K.の「Nature」,227:680〜685(1970年)]を応用して行った。 最初にペーパーをメタノールに浸す以外は、トウビンらの方法[トウビン,H. らの「Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.」,76:4350〜4354(1979年) ]にしたがって、イムオビロン(Immuobioon)P[ミリポア・コーポレイション 製、マサチューセッツ州ベッドフォード]への電気泳動をおこなった。ウエスタ ンブロットは、フォスファターゼ複合試薬でプローブした[ブレイク,M.S.ら の「Analyt.Biochem.」,136:175〜179(1984年)]。 実施例5 外層膜タンパク質P2の発現 成熟P2および融合P2構築物を用いて発現株BL21(DE3)ΔompAを 形質転換した。形質転換平板を30℃で培養した。これらの平板から両方のタイ プのコロニーを単離して分析した。実質的にすべての形質転換物が所望のプラス ミドDNAを含んでいることがわかった。 次いでクローンを含む各種の融合P2および成熟P2のタンパク質発現を分析 した。クローンを誘導し、0.4%グルコースおよびアンピシリンの代わりに1 18μMのカルベニシリンを含むLB培地中で、通気速度100〜150rpmで 約30℃にて成長させた。P2タンパク質の発現を、培養物の総大腸菌タンパク 質の0.1mlを、8〜16%勾配のSDSゲル(図1および図2を参照)上をロ ードさせることによって分析した。 実施例6 外層膜タンパク質P2の精製および再生 大腸菌株BL21(DE3)ΔompA[pNV−3]をルリアブロス中で中央 (mid)対数増殖期まで成長させた(600nmにおけるOD=0.6)。次い でイソプロピルチオガラクトシドを加え(最終的に0.4mM)、細胞をさらに3 時間30℃で成長させた。次いで細胞を収穫し、数倍容のTEN緩衝液(50m Mトリス−HCl,0.2MのNaCl,10mMのEDTA,pH8.0)で洗 浄し、細胞ペーストを−75℃で凍結貯蔵した。 精製するために、約3gの細胞を解かし、9mlのTEN緩衝液に懸濁させた。 リゾチーム(シグマ製,0.25mg/ml)、次いでデオキシコレート(シグマ製,1 .3mg/ml)+PMSF(シグマ製,10μg/ml)を加え、混合物を室温で1時間 緩やかに振とうした。この間に、細胞は溶解し、放出されたDNAのため、溶液 の粘度が上昇した。次いでDNアーゼ(シグマ製,2μg/ml)を加え、溶液を室 温で1時間、再度混合した。次いで、SA−600ローターにて、15Krpmで 30分間混合物を遠心分離し、上清を捨てた。次いで、ペレットを10mlのTE N緩衝液に2回懸濁させ、上清を捨てた。次いで、ペレットを10mlの8M尿素 (ピアス製)/TEN緩衝液に懸濁した。別法として、ペレットを10mlの6M グアニジン塩酸塩(シグマ製)/TEN緩衝液に懸濁した。混合物を緩やかに撹 拌して固まっている部分をほぐした。懸濁液を20分間、あるいは均質な懸濁液 が得られるまで超音波処理した。10mlの10%3,14−両性イオン剤水溶液 を加え、溶液を完全に混合した。溶液を再度10分間の超音波処理に付した。残 留不溶物を遠心分離によって除去した。 次いで、この混合物を、100mMトリスHCl,1MのNaCl,10mMの EDTA,20mMのCaCl2および0.05%の3,4−両性イオン剤,pH 8.0で平衡化したセファクリル300(ファルマシア製)の180×2.5cmカ ラムに狂した。流速は1ml/分に維持した。10mlのフラクションを集めた。ゲ ル濾過中に、ポーリンは三量体に再生した。各フラクションのOD280nmを測定 し、ポーリン含有フラクションをポーリン用SDSゲル電気泳動アッセイに付し た。ポーリンを含有するフラクションを合わせ、4℃で3週間貯蔵した。4℃で インキュベート中に、コンフォメーションの変化が起こった。これは、塩濃度が 上昇することなくタンパク質が溶液中に残るために必要であった。次いで、50 mMトリスHCl,200mMのNaCl,10mMのEDTAおよび0.05% の3,4−両性イオン剤,pH8.0にて、合わせたフラクションを透析した。 次いで、同じ緩衝液で平衡化したファースト・フロウQ(ファルマシア製)カラ ム(2.5xcm)に、この物質を供した。次いで、結合しなかったタンパク質を 出発緩衝液で溶出させた。次いで、カラムを0.2〜2.0MのNaCl勾配に供 した。ポーリンは勾配の中心の直前に溶離した。フラクションをSDS−PAG Eで検定し、最も純粋なフラクションを合わせ、0.05%の3,14−両性イ オン剤を含むTEN緩衝液で透析した。 実施例7 酸化Hib莢膜多糖の天然インフルエンザウイルス P2タンパク質へのカップリング 酸化Hib莢膜多糖(10.4mg)を、マンソンンらの「J.Clin.Investig.」,72: 677〜684(1983年)に記載の方法によって精製した天然HibP2タン パク質(3.1mg)に加え、5%オクチルグルコシドを含む0.2Mリン酸緩衝液 0.21mlに溶解した。多糖が溶解した後、水素化シアノホウ素ナトリウム(7m g)を加え、反応溶液を37℃で4日間インキュベートした。次いで反応混合物を 、0.01%シメロサールを含有する0.15Mの塩化ナトリウム溶液で希釈し 、を用いるBiogel A−1.5m(バイオーラド製)を用いるゲル濾過カラムク ロマトグラフィーによって分離した。 空容量近くに溶離するシングルピークとして複合体(Hib−PP)が得られた 。シアル酸およびタンパク質に体する複合体溶液の分析から、該複合体が43重 量%の多糖からなることが示された。P2タンパク質は複合体中44%の収率で 、多糖は12%の収率で回収された。異なる実験におけるタンパク質の回収率は 、通常50〜80%の範囲であり、多糖の回収率は9〜13%である。 実施例8 天然のHib−PP複合体を用いる免疫原性の研究 免疫原性の研究を以下のように行った。Hib−PP複合体および同様の操作で カップリングさせて製造したHibテタナストキソイド(Hib−TT)複合体の免 疫原性を、7週齢のニュージーランドシロウサギにおいて検定した。該多糖複合 体(10μg)を0、7および14日目に投与し、28日目に血清を採集した。 複合体は生理的食塩水溶液として投与した。多糖抗原に体する血清ELISA力 価を下記の表1に示す。表1中の“PP”は、B型インフルエンザウイルスから 精製された外層膜ポーリンタンパク質P2を表す。 Eagan株と等価であるHib株A2から単離された天然のP2タンパク質に結合 したHib多糖を含む複合ワクチンによる、ウサギの免疫感作から生産したポリク ローナル抗血清を用い、精製組換えP2および組換えP2を発現した大腸菌から 誘導された溶解産物の両方についてウエスタンブロット分析を行った。ウエスタ ンブロットに用いた抗血清は、予めELISA分析を行って、抗多糖力価が85 00および抗P2力価が60000であることが解っている。 図8に示した結果から、Hib細菌から誘導された天然のP2タンパク質を含む 複合ワクチンによる、ウサギの免疫感作から生産したポリクローナル抗血清が、 ウエスタンブロットにおいて、組換えP2とよく反応することが示される。この ことは、天然および組換えP2タンパク質の間に分割されたエピトープの存在を 示す。 高発現大腸菌系から精製された組換えP2は、以下の局面において、B型イン フルエンザウイルスから精製された天然のP2と似ている。第1に、天然および 組換えP2タンパク質の間に分割されたエピトープの存在を示すウエスタンブロ ットにおいて、インフルエンザウイルス由来の天然のP2に対する抗体は、高発 現大腸菌系からの組換えP2とよく反応した。 第2に、P2はポーリンである。他のグラム陰性菌のポーリンと類似して、P 2は、3つの独立したポリペプチド鎖からなり、それらの天然の三量体コンフォ メーションにおいて、細菌の外層膜に、親水性の電圧依存性チャンネルを形成す る。精製された組換えP2は、Superose12(ファルマシア製)を用いるゲル濾 過クロマトグラフィーで示されるように三量体である。組換えP2は、分子量1 20kDaに対応してカラムから溶出する。インフルエンザウイルス由来の天然 のP2およびネイセリア・メニゲチジスのクラス2および3ポーリンなどの他の 細菌ポーリンもまた類似したプロファイルで溶出した。再生されなかったP2は 、可溶化されず、サイズカラムにおいてモノマーとして溶出した。図3に示すよ うに、CaCl2の添加は、三量体コンフォメーションでのP2の再生を補助す る。 本明細書中に言及されたすべての文献は本発明の参考文献である。 本発明を明確にし、理解を深める目的で、幾つかの特定の詳細により説明した が、本発明を考慮することにより変更および修飾を施し得ることは当業者には理 解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 1/21 7804−4B C12N 1/21 C12P 21/02 9637−4B C12P 21/02 C //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,LU, LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ソッパー,トーマス・エス アメリカ合衆国20707メリーランド、ロー レル、ゴーマン・アベニュー8216番アパー トメント374 (72)発明者 リャン,シュー−メイ アメリカ合衆国20817メリーランド、ベセ スダ、リバー・ロード6627番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)選択可能なマーカーおよび (i)成熟P2タンパク質および (ii)T7遺伝子のφ10キャプシドタンパク質の1〜22番のアミノ酸に融合 した成熟P2タンパク質を含む融合タンパク質 からなるグループから選択されたタンパク質をコードする遺伝子 を含むベクターによって大腸菌を形質転換し[ここで該遺伝子はT7プロモータ ーに機能的に結合する];および (b)該形質転換された大腸菌を、グルコースおよび選択剤を含むLB培地中で 約30℃にて成長させる[ここで、生産されたタンパク質は大腸菌内で発現され た総タンパク質の約2%以上である] ことを特徴とする、B型インフルエンザウイルス由来の組換え外層膜タンパク質 P2(Hib−P2)の大腸菌内での高濃度発現方法。 2.該タンパク質(Hib-P2)が大腸菌内で発現された総タンパク質の約10% 以上である請求項1に記載の方法。 3.該タンパク質(Hib−P2)が大腸菌内で発現された総タンパク質の約40 %以上である請求項1に記載の方法。 4.該ベクターが、pET−17b、pET−11a、pET−24a−d(+ )およびpET−9aからなるグループから選択される請求項1に記載の方法。 5.該ベクターが発現プラスミドpET−17bのT7プロモーターに機能的 に結合したHib-p2遺伝子を含む請求項1に記載の方法。 6.(c)工程bで得られた大腸菌を溶解することにより、該タンパク質を封入 体として放出させ; (d)工程cで得られた封入体を緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌 細胞タンパク質を除去し; (e)工程dで得られた封入体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し; (f)工程eで得られた溶液を界面活性剤で希釈し;および (g)可溶化されたタンパク質をゲル濾過によって精製する ことを特徴とする請求項1に従って得られた外層膜タンパク質P2あるいはその 融合タンパク質を精製する方法。 7.(c)工程bで得られた大腸菌を溶解することにより、該タンパク質を封入 体として放出させ; (d)工程cで得られた封入体を緩衝液で洗浄することにより、混在する大腸菌 細胞タンパク質を除去し; (e)工程dで得られた封入体を変性剤の水性溶液中に再懸濁および溶解し; (f)工程eで得られた溶液を界面活性剤で希釈し; (g)可溶化されたタンパク質をゲル濾過によって精製し;および (h)タンパク質が再生するまで該ゲル濾過生成物を高濃度のNaClおよびカ ルシウムイオンを含有する水性溶液中に約4℃で貯蔵することを特徴とする請求 項1に従って得られた外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質を再生 する方法。 8.請求項7に記載の方法に従って生産された実質的に純粋なB型インフルエ ンザウイルス由来の再生外層膜タンパク質P2(Hib−P2)あるいはその融合タ ンパク質。 9.動物においてB型インフルエンザウイルスに対する保護抗体を誘発するた めの有効量で投与される、請求項7に記載の方法に従って生産されたB型インフ ルエンザウイルス由来の外層膜タンパク質P2(Hib−P2)あるいはその融合タ ンパク質、ならびに医薬的に許容し得る希釈剤、担体または賦形剤を含むワクチ ン。 10.該外層膜タンパク質P2がヘモフィルス莢膜多糖に複合している請求項 9に記載のワクチン。 11.(i)請求項7の記載の方法に従って外層膜タンパク質P2あるいはその 融合タンパク質を生産し; (j)ヘモフィルス莢膜多糖を得;および (k)工程iの外層膜タンパク質P2あるいはその融合タンパク質を、工程jの 多糖に複合させる ことを特徴とするP2タンパク質またはP2タンパク質−多糖複合体を生産する 方法。 12.請求項1の方法にしたがって生産したHib−P2タンパク質あるいはそ の融合タンパク質を、細菌性髄膜炎を予防するための有効量で動物に投与するこ とを特徴とする動物における細菌性髄膜炎の予防方法。 13.ベクターpNV−3。 14.ベクターpNV−2。 15.ベクターpNV−6。
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