JP3140625B2 - 歯科治療ユニット - Google Patents

歯科治療ユニット

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JP3140625B2
JP3140625B2 JP06013339A JP1333994A JP3140625B2 JP 3140625 B2 JP3140625 B2 JP 3140625B2 JP 06013339 A JP06013339 A JP 06013339A JP 1333994 A JP1333994 A JP 1333994A JP 3140625 B2 JP3140625 B2 JP 3140625B2
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善男 山口
則夫 瀬戸
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株式会社長田中央研究所
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科治療ユニット、よ
り詳細には、歯科治療中に、患者の口腔から外部へ漏れ
る汚染空気を患者の口元でキャッチして排出するための
バキューム装置を有する歯科治療ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療室は外来患者の出入りも多く、
室内を効果的に滅菌・消毒するための注意を怠れば、床
ならびに器械、器具の表面あるいは空気中などには、微
生物が多数残存する可能性があり、歯科治療室が、患者
から患者へ、患者から術者へ、あるいは術者から患者へ
と、病原微生物を伝播する場所となってしまうおそれが
ある。一方、人の口腔内には種々雑多な微生物が生息し
ているため、歯科治療がきっかけとなって口腔常在微生
物による2次感染が起こる危険性があり、最近では、黄
色葡萄状球菌による院内感染が注目を集めている。その
ため、歯科治療において、最近、術者を浮遊粉塵や細菌
から守るためにバキューム装置を使用して診療中に患者
の口腔から外部へ漏れる浮遊粉塵や細菌を患者の口元で
キャッチすることが提案されている。
【0003】図2は、歯科治療ユニットに組み込まれて
いるバキューム装置、無影灯のアーム、或いは、ワーク
テーブルのアーム等を効果的に利用して浮遊粉塵を患者
の口元でキャッチして術者の健康を守ることのできる歯
科治療ユニットの一例を示す図で、周知のように、歯科
ユニット10は、治療椅子1、ワークテーブル2、スピ
ットン3、無影灯4、給排水及びバキュームユニット5
等から成り、該ユニット5内に設けられた給排水装置に
より(図示例の場合、治療椅子1と給排水及びバキュー
ムユニット5とは、独立して別体に構成されている)、
例えば、うがい用の水を供給したり、インスツルメント
の冷却水を供給したり、或いは、スプレー用の水を供給
したりし、更には、該ユニット5内に設けられたバキュ
ーム装置により、例えば、スピットン3に排泄される汚
物、患者の口腔内の唾液、或いは、治療中に患者の口腔
に発生する切削粉等を吸引するようにしている。
【0004】而して、図中の6は可撓性のバキュームホ
ース、7は該バキュームホース6の先端部に設けられた
吸気口、8は無影灯用の支柱で、該バキュームホース6
の図示しない端部は前述の給排水及びバキュームユニッ
ト5に接続されている。前記バキュームホース6は無影
灯のアーム或いはワークテーブルのアーム等に沿って取
り付けられており、治療時、無影灯或いはワークテーブ
ルを患者の近くに引き寄せた時に、吸気口7も一緒に患
者の近くに引き寄せられ、患者の口元に浮遊する粉塵を
効果的に吸引するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】而して、上記従来の歯
科治療ユニットによると、吸気口を患者の口腔近傍まで
持ってくるのに、無影灯も同時に移動させなければなら
ず、しかも、この移動操作は術者が行うものであり、そ
のため術者の負担が大きく、更には、吸気のみしようと
しても、いつも無影灯が一緒についてまわるため、患者
の口腔近辺の環境がすっきりせず、施術しにくい場合が
ある等の問題があった。しかも、無影灯及び吸気口がい
つも患者の前面にあるため、患者に威圧感を与える等の
問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)一端がスピットン本体又は給排水
ボックスに連結され、他端にアシスタント用インスツル
メントホルダーが取り付けられたアシスタント用アーム
と、先端部に吸気口を有し、他端部が前記スピットン本
体又は給排水ボックスに連通したバキューム装置を有
し、該バキューム装置が前記アシスタント用アームと一
緒に移動する前記アシスタント用インスツルメントアー
ムは、前記スピットン本体又は給排水ボックスに下方に
向けて垂直にかつ回転可能に連結され、かつ、所望長水
平方向に延長された後垂直に上方に立ち上がり、該垂直
立ち上がり部で回転可能に連結されていること、更に
は、(2)前記バキューム装置は、前記吸気口から前記
スピットン本体又は給排水ボックスに連通する通気用ア
ームを有し、該通気アームが前記アシスタント用アーム
に並設されていること、更には、(3)前記アシスタン
ト用アーム及び/又は通気用アームがフレキシブルチュ
ーブであること、更には、(4)前記アシスタント用ア
ームが前記通気用アームの一部を兼ねていること、更に
は、(5)スピットン本体又は給排水ボックスとの距離
を調整可能とするため、前記アシスタント用アーム及び
/又は通気用アームが前記スピットン本体又は給排水ボ
ックスからの延出長さを調節自在であること、或いは、
(6)一端が給排水及びバキュームユニットに連結さ
れ、他端にアシスタント用インスツルメントホルダーが
取り付けられたアシスタント用アームと、先端部に吸気
口を有し、他端部が前記給排水及びバキュームユニット
に連通したバキューム装置を有し、該バキューム装置
が前記アシスタント用アームと一緒に移動する歯科治療
ユニットにおいて、前記アシスタント用インスツルメン
トアームは、前記スピットン本体又は給排水ボックスに
下方に向けて垂直にかつ回転可能に連結され、かつ、所
望長水平方向に延長された後垂直に上方に立ち上がり、
該垂直立ち上がり部で回転可能に連結されていること
特徴としたものである。
【0007】
【作用】患者の口腔から外部へ漏れる汚染空気を患者の
口元でキャッチして排出するためのバキューム装置を、
アシスタント用インスツルメントホルダーと一緒に移動
するようにし、もって、該バキューム装置をアシスタン
トの作業エリア内でアシスタントが操作できるようにす
るとともに、前記吸気口が、常時は、患者の前面に来な
いようにする。
【0008】
【実施例】図1は、本発明による歯科治療ユニットの一
実施例を説明するための要部斜視図で、図中、10は歯
科治療ユニット、11は治療椅子、12はワークテーブ
ル用のアーム、13はスピットン、14は給排水ボック
ス、15はスピットン本体で、図示例の場合、スピット
ン本体15は、治療椅子11に取り付けられており、給
排水ボックス15とは分離して別体に構成されている
が、機能的には、図2に示した給排水及びバキュームユ
ニット5と同様の機能をする。従って、給排水ボックス
14とスピットン本体15は、図2に示した従来技術に
おける給水及びバキュームユニット5と同様、該スピッ
トン本体内に設けられた給水装置により、例えば、うが
い用の水を供給したり、インスツルメントの冷却水を供
給したり、或いは、スプレー用の水を供給したりし、更
には、該スピットン本体内に設けられたバキューム装置
により、例えば、スピットン13に排泄される汚物、患
者の口腔内の唾液、或いは、治療中に患者の口腔内に発
生する切削粉等を吸引するようにしている。
【0009】16はアシスタント用インスツルメントホ
ルダーで、該アシスタント用インスツルメントホルダー
16は、ホルダー部16a、把手部16b、操作パネル
部16cよりなり、ホルダー部16aには、図示しない
が、周知のように、アシスタントが使用する排唾管、バ
キューム管、スプレー用シリンジ等のインスツルメント
が懸架されるようになっている。これらインスツルメン
トは、可撓性ホースを通してスピットン本体15に連結
され、アシスタントは、操作パネル16c上の押しボタ
ン等を操作することにより、これらインスツルメントを
駆動し、例えば、治療中に口腔内に生じる唾液等を吸引
排出し、或いは、口腔内にスプレー等を噴射して口腔を
清掃する。
【0010】前記アシスタント用インスツルメントホル
ダー16は、一端が前記スピットン本体15に連結され
たアシスタントインスツルメントホルダー用アーム17
に固定して或いは回動自在に取り付けられているが、こ
のアシスタントインスツルメントホルダー用アーム17
は、端部17aにおいてスピットン本体15に、垂直軸
のまわり(矢印A方向)に回動可能に取り付けられ、か
つ、中間部17bにおいて、垂直軸のまわり(矢印B方
向)に回動可能に連結されている。従って、距離Lの範
囲において、スピットン本体15からの延出長さを調節
可能に取り付けられており、インスツルメントホルダー
16の把手16bを持って該インスツルメントホルダー
16を、アシスタント作業エリア内(矢印Cに示す方向
に2Lの範囲内において)、任意所望の箇所へ移動可能
になっている。
【0011】本発明は、前述のように、アシスタント用
インスツルメントホルダーを、アシスタントの作業エリ
ア内において任意所望の箇所へ移動できるようにし歯科
治療ユニットにおいて、更に、前記アシスタント用イン
スツルメントホルダーに、前述のごとき、患者の口腔付
近の汚染空気を吸引排出するバキューム装置を取り付け
るようにしたものであり、図1において、18は吸気
口、19は該吸気口18を支持する吸気用アームで、該
吸気用アーム19は、前述のアシスタントインスツルメ
ントホルダー用のアーム17と一体的に取り付けられ、
該アシスタントインスツルメントホルダー用のアーム1
7と一緒に移動できるようになっている。なお、これら
アシスタントインスツルメントホルダー用のアーム17
及び/又は吸気用アーム19としては、比較的硬目のフ
レキシブルアームを用いることも可能である。
【0012】従って、本発明によると、患者の口腔近辺
の汚染空気を吸引排出するバキューム装置は、常に、ア
シスタントの作業領域内にあり、アシスタントが操作す
るので、術者は、該バキューム装置の操作に神経を使う
ようなことはなく、歯科治療に専念することができ、歯
科治療の作業効率を上げることができる。また、バキュ
ーム装置の吸気口18が、常時は、患者の前面にないの
で、患者に威圧感を与えるようなことはなく、また、施
術時、つまり、無影灯使用時、場合によっては、該吸気
口のみを退避させることができるので、図2に示した従
来技術に比し、患者の前面がすっきりし、施術がしやす
くなる。また、吸気用アーム19は、19a部において
高さ方向(D方向)の長さを調整することができ、19
bにおいて垂直軸のまわり(矢印E方向)に回動でき、
しかも、吸気口18は蛇腹機構等によって矢印F方向に
傾動可能に取り付けられており、これらによって治療椅
子を起倒した時に、吸気口18の位置及び向きを、該患
者の口腔位置に合わせることができるようになってい
る。
【0013】なお、以上には、バキューム装置の吸気用
アーム19をアシスタントインスツルメントホルダー用
のアームに併設する場合について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、例えば、スピッ
トン本体15からアシスタント用インスツルメントホル
ダー16までは共用し、それ以降の延長部つまりアシス
タントインスツルメントホルダー16から吸気口18ま
でのみを吸気用アームとすることも可能である。換言す
れば、バキューム装置の吸気用アーム19にアシスタン
ト用インスツルメントホルダー16を取り付けるように
することも可能であり、このようにすれば、構造がより
簡単になり、コストが安くなるばかりでなく、アシスタ
ントエリアをよりすっきりしたものにすることができ
る。
【0014】また、以上には、スピットン本体15を治
療椅子11に一体的に取り付けて、給排水ボックス14
と別体構成にした歯科治療ユニットに本発明を適用した
場合について説明するが、本発明は、図示実施例に限定
されるものではなく、例えば、図中に鎖線Iで示すよう
に、前述のアシスタントインスツルメントホルダー用の
アーム17を給排水ボックス14に取り付け、このアー
ム17に前述の吸気用のアーム19を添わせるようにし
てもよい。
【0015】また、以上には、給排水ボックス14内に
真空ポンプ等のバキューム装置を内蔵した例について説
明したが、セントラルバキュームシステムを使用してい
る場合には、図中に、鎖線IIで示すようにセントラルバ
キューム装置からの配管によって、バキューム装置を全
治療ユニットに対して共通に使用するようにしてもよ
い。更に、以上には、スピットン本体15と給排水ボッ
クス14を別体に構成した歯科治療ユニットに本発明を
適用した場合について説明したが、図2に示した歯科治
療ユニットのように、スピットン本体と給排水ボックス
を一体的に構成し、これを治療椅子と別体にした給排水
及びバキュームユニットに本発明を適用することも可能
であることは容易に理解できよう。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、患者の口腔近辺の汚染空気を吸引排出するバ
キューム装置は、常に、アシスタントの作業領域内にあ
り、アシスタントが操作するので、術者は、該バキュー
ム装置の操作に神経を使うようなことはなく、歯科治療
に専念することができ、歯科治療の作業効率を上げるこ
とができる。また、バキューム装置の吸気口18が、常
時は、患者の前面にないので、患者に威圧感を与えるよ
うなことはなく、また、施術時、つまり、無影灯使用
時、該吸気口のみを退避させることができるので、図2
に示した従来技術に比し、患者の前面がすっきりし、施
術がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による歯科治療ユニットの一実施例を
説明するための要部斜視図である。
【図2】 従来の歯科治療ユニットの一例を説明するた
めの要部概略斜視図である。
【符号の説明】
10…歯科治療ユニット、11…治療椅子、12…ワー
クテーブル用アーム、13…スピットン、14…給排水
ボックス、15…スピットン本体、16…アシスタント
用インスツルメントホルダー、17…アシスタントイン
スツルメントホルダー用アーム、18…バキューム装置
の吸気口、19…バキューム装置の吸気用アーム。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 19/00 A61C 13/00 A61C 17/00 - 17/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端がスピットン本体又は給排水ボック
    スに連結され、他端にアシスタント用インスツルメント
    ホルダーが取り付けられたアシスタント用アームと、
    端部に吸気口を有し、他端部が前記スピットン本体又は
    給排水ボックスに連通したバキューム装置を有し、該
    バキューム装置が前記アシスタント用アームと一緒に移
    動する歯科治療ユニットにおいて、前記アシスタント用
    インスツルメントアームは、前記スピットン本体又は給
    排水ボックスに下方に向けて垂直にかつ回転可能に連結
    され、かつ、所望長水平方向に延長された後垂直に上方
    に立ち上がり、該垂直立ち上がり部で回転可能に連結さ
    れていることを特徴とする歯科治療ユニット。
  2. 【請求項2】 前記バキューム装置は、前記吸気口から
    前記スピットン本体又は給排水ボックスに連通する通気
    用アームを有し、該通気アームが前記アシスタント用ア
    ームに並設されていることを特徴とする請求項1に記載
    の歯科治療ユニット。
  3. 【請求項3】 前記アシスタント用アーム及び/又は通
    気用アームがフレキシブルチューブであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の歯科治療ユニット。
  4. 【請求項4】 前記アシスタント用アームが前記通気用
    アームの一部を兼ねていることを特徴とする請求項1に
    記載の歯科治療ユニット。
  5. 【請求項5】 スピットン本体又は給排水ボックスとの
    距離を調整可能とするため、前記アシスタント用アーム
    及び/又は通気用アームが前記スピットン本体又は給排
    水ボックスからの延出長さを調節自在であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の歯科治療ユ
    ニット。
  6. 【請求項6】 一端が給排水及びバキュームユニットに
    連結され、他端にアシスタント用インスツルメントホル
    ダーが取り付けられたアシスタント用アームと、先端部
    に吸気口を有し、他端部が前記給排水及びバキュームユ
    ニットに連通したバキューム装置を有し、該バキュー
    ム装置が前記アシスタント用アームと一緒に移動する
    科治療ユニットにおいて、前記アシスタント用インスツ
    ルメントアームは、前記スピットン本体又は給排水ボッ
    クスに下方に向けて垂直にかつ 回転可能に連結され、か
    つ、所望長水平方向に延長された後垂直に上方に立ち上
    がり、該垂直立ち上がり部で回転可能に連結されている
    ことを特徴とする歯科治療ユニット。
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