JP3140337B2 - 電気掃除機の吸込口体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機の吸込
口体、特に、吸込溝内に回転清掃体を設け、本体内に駆
動源を設け、この駆動源の回転出力をベルトを介して回
転清掃体に伝達すると共に、動力伝達用のベルトを仕切
壁により吸込溝と分離された底面開放空間内に設けた電
気掃除機の吸込口体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、電気掃除機によって絨毯や畳
或は床面に落ちている塵埃等を広い範囲で掃除する場
合、図８に示すように、電気掃除機本体１に蛇腹状の吸
引ホース２並びに延長管３を介して正面視略Ｔ字形状の
吸込口体４が接続される。

【０００３】この吸込口体４には、例えば、図７に示す
ように、その底面４ａに吸込口４ｂが形成されると共
に、掃除面が絨毯であった場合に、この絨毯の毛の根本
側に付着した塵埃等を浮き上がらせるための回転清掃体
５が吸込口４ｂの上方（使用状態において）に形成され
た吸込溝４ｃ内に設けられている。

【０００４】この回転清掃体５は、吸込口体４内に設け
られたモータ６の回転駆動を受けて回動移動するベルト
７によって伝達され、回転清掃体５に螺旋状に設けられ
た複数のブレード５ａ，５ａ…が塵埃等を浮き上がらせ
るものである。

【０００５】一方、ベルト７は、例えば、特開平６−８
６７４２号公報に示すように、ベルト７に吸い込んだ塵
埃等が付着してその回動移動の妨げとならないように、
一般的には吸込口４ｃとで仕切られた底面開放空間内に
設けられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如く
構成された電気掃除機の吸込口体４にあっては、吸込口
４ｂを除く底面４ａが一体に覆われているため、例え
ば、髪の毛や糸屑等が回転清掃体５に絡まったりした場
合に回転清掃体５を吸込口体４から取り外して髪の毛や
糸屑を除去することが困難であるばかりでなく、ベルト
７に付着した塵埃等の除去やベルト７の交換等のメンテ
ナンスが行い難いばかりでなく、ベルト７とその周辺部
分のみのメンテナンスを行うために吸込口体４の全体を
分解することとなり、モータ６の設置や電源供給用の配
線（図示せず）の組み付け等の余計な作業が増える等の
作業が煩雑であった。そこで、ベルト７に付着した塵埃
等の除去やベルト７の交換等のメンテナンスを容易に行
うために、ベルト７とその周辺部分のみを覆う蓋体を設
けることが考えられる。この際、この蓋体を吸込口体４
の底面側から着脱操作できることが好ましいことから、
蓋体を吸込口体４に固定するための固定手段を吸込口体
４の底面側に設け、しかも、清掃作業時に固定手段が抵
抗となったり被清掃面に引っ掛かったりしないほうが好
ましい。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あって、回転清掃体やベルト並びにその周辺部分のメン
テナンスを容易に行うことができ、しかも、スリットが
清掃時の抵抗となったり、絨毯の毛が引っ掛かって切れ
てしまう等の不具合が発生しない電気掃除機の吸込口体
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明は、本体の底面に形成された
吸込口と、該吸込口の上方に形成された吸込溝と、該吸
込溝内に設けられた回転清掃体と、前記本体内に設けら
れた駆動源と、前記吸込溝と分離され且つ前記駆動源の
出力軸と前記回転清掃体の一端とが臨む底面開放空間
と、前記駆動源の出力軸と前記回転清掃体の一端との間
に張設されたベルトと、前記底面開放空間を閉成する本
体とは別体の蓋体と、該蓋体に回転可能に保持され且つ
前記蓋体を前記本体に着脱可能に保持させるロック部材
とを備えた電気掃除機の吸込口体において、 前記ロック
部材の頭部に着脱操作用のスリットが形成されていると
共に、該スリットの延出方向が前記蓋体を保持させてい
る状態のときに前記吸込口体の操作方向に沿っているこ
とを要旨とする。

【０００９】

【００１０】

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の電気掃除機の吸込
口体の実施の形態を、図面に基づいて説明する。

【００１２】図６において、吸込口体１０は、図８に示
した吸込口体４と同様に電気掃除機本体１に吸引ホース
２並びに延長管３を介して接続されるもので、この延長
管３の先端と係合する接続管１１と本体１２とを備えて
いる。

【００１３】本体１２は、図１に示すように、上下一対
のケース１３，１４と、この各ケース１３，１４に挟持
されたバンパー１５とによって中空の所定形状に形成さ
れている。また、本体１２には、前後一対の回転清掃体
１６，１７と、複数種類の車輪１８，１８，１９，２
０，２０と、吸込口体１０の接地状態を検出する検出手
段２１と、検出手段２１が電気的に接続される基板２２
と、駆動源としてのモータ２３とが設けられている。

【００１４】下ケース１４には、その底面１４ａ（本体
１２の底面）に前後（図６において上が前方）に離間す
る２つの吸込口１４ｂ，１４ｃと、吸込口１４ｂ，１４
ｃの上方（吸込口体１０の使用状態での上方）に位置す
る吸込溝（吸込室）１４ｄ，１４ｅと、図５に示すよう
に、前後方向に延在されて吸込溝１４ｄ，１４ｅの一端
を仕切る仕切壁１４ｆと、仕切壁１４ｆと下ケース１４
の一方の周壁とによって形成された底面１４ａ側に開放
する底面開放空間１４ｇと、底面開放空間１４ｇの開放
端寄りの前方内側に位置する係合部１４ｈと、底面開放
空間１４ｇ内の開放端寄りの後方内側に位置する位置決
め孔１４ｉと、底面開放空間１４ｇの開放端寄りの略中
央から左右に跨って延在された保持壁部１４ｊとが形成
されている。

【００１５】底面開放空間１４ｇは、常時は蓋体２４に
よって閉成されると共に、ロック部材２５によって閉成
状態が維持される。また、底面開放空間１４ｇには回転
清掃体１６，１７の一端１６ａ，１７ａが臨んで下ケー
ス１４の内壁面に支持されている。さらに、底面開放空
間１４ｇにはモータ２３の出力を２出力に分離させる減
速分離器２６が設けられている。しかも、減速分離器２
６から突出された出力軸２６ａ，２６ｂと回転清掃体１
６，１７の一端１６ａ，１７ａとの間には動力伝達用の
ベルト２７，２８が張設されている。

【００１６】保持壁部１４ｊは底面１４ａと平行な水平
壁となっており、その中央には円形の凹部１４ｋが形成
されている。また、凹部１４ｋの中央には蓋体保持孔１
４ｍと、この蓋体保持孔１４ｍに連通し且つ互いに対向
する一対の切り欠き１４ｎ，１４ｎが形成されている。

【００１７】蓋体２４には、図４（Ａ），（Ｂ）に示す
ように、凹部１４ｋと係合するように略中央に位置して
表面に凹で裏面に凸の円形座部２４ａと、円形座部２４
ａに形成されたロック部材保持孔２４ｂと、ロック部材
保持孔２４ｂに連通し且つ互いに対向する一対の切り欠
き２４ｃ，２４ｃと、切り欠き２４ｃ，２４ｃを挟むよ
うに蓋体２４の裏面に形成された円弧溝２４ｄ，２４ｄ
と、係合部１４ｈと係合する係合爪２４ｅと、位置決め
孔１４ｉと係合する位置決め突起２４ｆと、回転清掃体
１６，１７の一端を仕切壁１４ｆとで挟持すると共に仕
切壁１４ｆと共同して吸込溝１４ｂ，１４ｃと底面開放
空間１４ｇとを分離する前後一対の隔壁２４ｇ，２４ｇ
とが形成されている。

【００１８】ロック部材２５は、図３に示すように、円
板状の頭部２５ａと、頭部２５ａの底面側に突出され且
つ頭部２５ａよりも径の小さい円柱突起２５ｂと、円柱
突起２５ｂの突出端面寄り周壁面から側方に突出された
一対の蓋体係合突起２５ｃ，２５ｃと、円柱突起２５ｂ
の突出端面から突出され且つ円柱突起２５ｂよりも外径
の小さい円筒突起２５ｄと、円筒突起２５ｄの突出端寄
り周壁面から側方に向けて突出された一対のケース係合
突起２５ｅ，２５ｅが形成されている。また、頭部２５
ａの表面には硬貨の一部等が係合可能なスリット２５ｆ
が形成されている。尚、ケース係合突起２５ｅ，２５ｅ
の突出量は円柱突起２５ｂの外径よりも小さくなるよう
に設定されている。

【００１９】上記の構成において、吸込口体１０を組み
付ける場合、先ず、下ケース１４に車輪１８，１９，２
０並びに検出手段２１を組み付けると共に、接続管１
１、バンパー１５、基板２２、モータ２３を下ケース１
４に設置する。

【００２０】次に、下ケース１４を上ケース１３で覆っ
て接続管１１、バンパー１５、基板２２、モータ２３を
各ケース１３，１４で挟持した後、所定複数箇所を図示
しないネジによって各ケース１３，１４同士を合わせ結
合する。

【００２１】そして、吸込口体１０の底面１４ａを上向
きとしてベルト２８を底面開放空間１４ｇの開放端から
挿入して出力軸２６ｂに係合させ、これと同様にベルト
２７を底面開放空間１４ｇの開放端から挿入して出力軸
２６ａに係合させた後、回転清掃体１６，１７の一端１
６ａ，１７ａを底面開放空間１４ｇの開放端から挿入し
てベルト２７，２８に係合させる。この際、ベルト２
７，２８は出力軸２６ａ，２６ｂと一端１６ａ，１７ａ
との間に単に跨って係合しているのみで緊張状態にはな
い。

【００２２】さらにこの状態から、回転清掃体１６，１
７の他端１６ｂ，１７ｂを各ケース１３，１４内に臨ま
せて各ケース１３，１４で挟持させた後、回転清掃体１
６，１７の一端１６ａ，１７ａを仕切壁１４ｆの所定位
置に設置する。

【００２３】一方、蓋体２４にロック部材２５を予め装
着するが、この場合、蓋体２４の表面側からロック部材
２５の円筒突起２５ｄをロック部材保持孔２４ｂに挿入
し、蓋体係合突起２５ｃ，２５ｃを切り欠き２４ｃ，２
４ｃから蓋体２４の裏面側へと貫通させる。

【００２４】この際、蓋体２４を樹脂で形成すると共
に、蓋体係合突起２５ｃの幅を切り欠き２４ｃの幅より
も若干大きくすることにより、蓋体係合突起２５ｃの切
り欠き２４ｃへの貫通は樹脂の剛性により強制的に行う
ことができると共に、貫通後にはロック部材２５の蓋体
２４からの抜け止め（仮保持）とすることができる。

【００２５】次に、ロック部材２５を非ロック位置（ス
リット２５ｆが図４（Ａ）の『ひらく』を指すようにす
る）とした状態で、位置決め突起２４ｆを位置決め孔１
４ｉに挿入すると同時に係合爪２４ｅを係合部１４ｈに
係合させて蓋体２４を下ケース１４に仮保持させると同
時に一端１６ａ，１７ａを仕切壁１４ｆと蓋体２４とで
挟持する。

【００２６】この際、ロック部材２５のケース係合突起
２５ｅ，２５ｅが切り欠き１４ｎ，１４ｎを貫通して円
筒突起２５ｄの先端が蓋体保持孔１４ｍから保持壁部１
４ｊの裏面側へと突出する。

【００２７】次に、硬貨等をスリット２５ｆに係合して
ロック部材２５をロック位置（スリット２５ｆが図４
（Ａ）の『しまる』を指すようにする）まで回転させる
と、図２（Ａ），（Ｂ）に示すように、蓋体係合突起２
５ｃ，２５ｃが円弧溝２４ｄ，２４ｄに案内されつつ円
筒突起２５ｂとケース係合突起２５ｅとで下ケース１４
の保持壁部１４ｊを挟持し、これにより、蓋体２４が下
ケース１４（本体１２）に保持される。尚、ロック部材
２５をロック位置に回転させた際には、図６に示すよう
に、スリット２５ｆは吸込口体の前後方向に沿ってその
溝が延在されるため、スリット２５ｆが清掃時の抵抗と
なったり、絨毯の毛が引っ掛かって切れてしまう等の不
具合が発生しないようになっている。

【００２８】一方、回転清掃体１６，１７を吸込口体１
０から取り外す場合やベルト２７，２８を清掃する場合
には、スリット２５ｆに硬貨とうを係合してロック部材
２５を非ロック位置に回転させた後、係合爪２４ｅと係
合部１４ｈとの係合状態を解除すれば蓋体２４を下ケー
ス１４から取り外すことができるため、容易に回転清掃
体１６，１７の取り外しやベルト２７，２８の清掃等の
メンテナンスを行うことができる。

【００２９】尚、この図２（Ａ），（Ｂ）に示すよう
に、凹部１４ｋには円形座部２４ａが係合一致し、円形
座部２４ａには頭部２５ａが係合一致するため、蓋体２
４にガタ等が発生することもなく、しかも、頭部２５ａ
を底面１４ａと面一とすることもできる。

【００３０】このように、底面開放空間１４ｇを吸込溝
１４ｄ，１４ｅとは別に形成し、この底面開放空間１４
ｇ内に動力伝達用のベルト２７，２８を設けると共に、
底面開放空間１４ｇを蓋体２４で閉成し、ロック部材２
５の操作により蓋体２４を着脱可能としたことにより、
ベルト２７，２８並びにその周辺の壁面や減速分離器２
６の清掃等のメンテナンスを下ケース１４を取り外すこ
となく蓋体２４のみを取り外すことにより容易に行うこ
とができる。

【００３１】また、ロック部材２５の頭部２５ａの表面
は底面１４ａと面一なので、清掃時にロック部材２５が
絨毯の毛に引っ掛かる等の不具合もなく、頭部２５ａと
蓋体２４との間に隙間もないので塵埃の目詰まりも発生
しない。

【００３２】さらに、スリット２５ｆが吸込口体１０の
操作方向、即ち、前後方向に沿って延在されているた
め、スリット２５ｆが清掃時の抵抗となったり、絨毯の
毛が引っ掛かって切れてしまう等の不具合が発生しな
い。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気掃除
機の吸込口体にあっては、ロック部材の頭部に着脱操作
用のスリットが形成されていると共に、該スリットの延
出方向が前記蓋体を保持させている状態のときに前記吸
込口体の操作方向に沿っていることにより、回転清掃体
やベルト並びにその周辺部分のメンテナンスを容易に行
うことができ、しかも、スリットが清掃時の抵抗となっ
たり、絨毯の毛が引っ掛かって切れてしまう等の不具合
の発生することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係わる電気掃除機の吸込
口体を示し、一部を破断した吸込口体の側面図である。

【図２】同じく、（Ａ）はロック部材によるロック状態
の要部の横断面図、（Ｂ）はロック部材によるロック状
態の要部の縦断面図である。

【図３】同じく、ロック部材の底面方向の拡大斜視図で
ある。

【図４】同じく、（Ａ）は蓋体の正面図、（Ｂ）は蓋体
の裏面図である。

【図５】同じく、蓋体を取り外した状態の吸込口体の底
面図である。

【図６】同じく、蓋体を装着した状態の吸込口体の底面
図である。

【図７】従来の電気掃除機の吸込口体を示し、吸込口体
の底面図である。

【図８】同じく、電気掃除機の外観を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１…電気掃除機 １０…吸込口体 １２…本体 １４ａ…底面 １４ｂ…吸込口 １４ｃ…吸込口 １４ｄ…吸込溝 １４ｅ…吸込溝 １４ｇ…底面開放空間 １６…回転清掃体 １６ａ…一端 １７…回転清掃体 １７ａ…一端 ２３…モータ（駆動源） ２６ａ…出力軸 ２６ｂ…出力軸 ２４…蓋体 ２５…ロック部材 ２７…ベルト ２８…ベルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−8422（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−56623（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−174838（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−189054（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−141959（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−139256（ＪＰ，Ｕ) 特公 平５−34974（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/04

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体の底面に形成された吸込口と、該吸込
   口の上方に形成された吸込溝と、該吸込溝内に設けられ
   た回転清掃体と、前記本体内に設けられた駆動源と、前
   記吸込溝と分離され且つ前記駆動源の出力軸と前記回転
   清掃体の一端とが臨む底面開放空間と、前記駆動源の出
   力軸と前記回転清掃体の一端との間に張設されたベルト
   と、前記底面開放空間を閉成する本体とは別体の蓋体
   と、該蓋体に回転可能に保持され且つ前記蓋体を前記本
   体に着脱可能に保持させるロック部材とを備えた電気掃
   除機の吸込口体において、 前記ロック部材の頭部に着脱操作用のスリットが形成さ
   れていると共に、該スリットの延出方向が前記蓋体を保
   持させている状態のときに前記吸込口体の操作方向に沿
   っている ことを特徴とする電気掃除機の吸込口体。