JP3140328B2 - 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法 - Google Patents

線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法

Info

Publication number
JP3140328B2
JP3140328B2 JP07129867A JP12986795A JP3140328B2 JP 3140328 B2 JP3140328 B2 JP 3140328B2 JP 07129867 A JP07129867 A JP 07129867A JP 12986795 A JP12986795 A JP 12986795A JP 3140328 B2 JP3140328 B2 JP 3140328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pickling
scale
solution
acid solution
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07129867A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08120472A (ja
Inventor
順一 児玉
正司 佐々木
茂美 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP07129867A priority Critical patent/JP3140328B2/ja
Publication of JPH08120472A publication Critical patent/JPH08120472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3140328B2 publication Critical patent/JP3140328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/08Iron or steel

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコイル状に巻き取られた
線材の表面に生成したスケールを酸洗により剥離する際
に脱スケールまでの時間短縮と酸洗後のコイル表面の清
浄化を図るための酸洗による脱スケール処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延により製造された線材あるいは
二次加工工程で熱処理された鋼線の表面にはスケールが
形成されており、線材の二次加工の伸線等に先立ち表面
に形成されたスケールを剥離することが必要である。こ
のスケールを剥離する方法としては機械的方法と化学的
方法あるいは両者を組み合わせた方法がある。また、化
学的方法でも線材を軸芯方向に走行させて酸洗液中を通
過させるストランド方式と線材をコイル状のまま酸洗液
中に浸漬させるバッチ方式とがある。
【0003】近年、公害問題やコスト低減の観点からメ
カニカルデスケーリング法も採用されているが酸洗法は
生産性が高く、各種鋼種への対応が容易であること、さ
らにスケールの剥離とともに、表面肌の制御による後工
程の二次加工での潤滑性の制御もしやすい等の利点を有
していることから酸洗によるスケールの剥離が広く採用
されている。しかし線材コイルの酸洗を行う場合には線
材がリング状に束になって結束されているためにそれぞ
れの線材が重なり合い、コイル内部に酸溶液が浸透し難
く、コイル内部はスケールが残存し易いために後工程で
のトラブルの原因となる問題があった。
【0004】このような問題を解決するために設備によ
る改善としては特開昭54−114438号公報には線
材コイルのバッチ酸洗時に線材コイルに振動を加えると
共に線材コイルをフック上で円周方向に回転させ線材全
長を均一に酸洗する方法が、また、特開平3−6878
9号公報には酸洗浴内に超音波振動子を設置し酸洗時に
超音波を付加して線材コイル全体を均一に酸洗する方法
が開示されている。
【0005】しかしこれらの従来技術では以下の問題が
あり必ずしも線材コイル重なり部の酸洗性を改善するに
は不十分であった。酸洗中にコイルを振動させる方法は
装置が大がかりで設備コストが大きくなり、設備化が容
易にできないこと。さらに騒音の発生による作業環境の
悪化、および振動がクレーンあるいは酸洗設備の建築物
まで伝わり設備故障の原因となり易い問題がある。この
ように酸洗時に振動を与える方法はスケール剥離性の改
善効果はあっても実用時の課題が多い技術である。
【0006】酸洗中に超音波振動を与える方法は超音波
振動子の設置位置が非常に重要であり、超音波振動子と
線材コイルの距離が変化するとその効果が著しく変化
し、スケール剥離性の改善効果が低下する。従って、ス
ケールの剥離性改善効果を発揮するためには線材コイル
を確実に位置決めする必要があり、微妙な作業が要求さ
れ、作業性の低下を招くため実用性が乏しい技術であ
る。また超音波を発生するための装置が高価であり容易
には実用化されにくい問題がある。
【0007】一方、酸溶液の酸洗性を改善する方法とし
ては特開昭58−73778号公報および特開昭58−
73779号公報に1塩基系の酸および2塩基系の酸溶
液の2価および3価の鉄イオン濃度を一定範囲に制御し
て酸洗時のスケールの剥離性を改善する方法が開示され
ている。しかし酸洗溶液によるスケールの剥離性を改善
する方法では線材コイルのように重なり合い、きつく結
束されている場合には線材内部まで酸溶液が浸透するこ
とは困難であり、この酸溶液による線材重なり部でのス
ケールの剥離性を改善するにはほとんど効果がないばか
りか線材重なり部および密閉部では鉄イオン濃度が急激
に増加し、短時間で飽和濃度に達し、酸溶液のスケール
の溶解能力が低下し、線材コイルのスケール剥離性を著
しく悪化させるために線材コイルの酸洗には適用できな
いものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況を鑑みて線材コイルのバッチ酸洗処理時に簡便な
方法を用いて線材コイルの重なり部でのスケールの剥離
性を改善し、効率よく短時間で線材スケールを全長にわ
たり均一に剥離するための方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような線材の重なり
部分あるいは密閉部分のスケールの剥離性を改善するた
めに本発明者らは酸洗状況に関して詳細な検討を加えた
結果、本発明を達成するに至ったものでその要旨とする
ところは線材コイルを酸洗浴に浸漬して脱スケール処理
を行う方法において酸洗溶液を強制的に撹拌、流動させ
ながら処理することを特徴とする線材コイルの酸洗脱ス
ケール方法である。
【0010】酸洗後の水洗処理あるいは中和処理時にお
いて溶液を撹拌、流動させながら処理することを特徴と
する線材コイルの中和、洗浄方法。
【0011】酸溶液および中和、洗浄溶液を撹拌する場
合、ガスを吹き付けるノズルを有するパイプを酸洗浴お
よび中和、洗浄浴内に浸漬し、該ノズルを線材コイルに
向かってガスを吹き付け酸溶液および中和、洗浄溶液を
流動化させることを特徴とする線材コイルの酸洗脱スケ
ール方法で、酸洗溶液の撹拌時にノズルから吹き付ける
ガスが酸素を含有することを特徴とする線材コイルの酸
洗脱スケール方法および中和、洗浄方法。
【0012】さらに、酸洗処理溶液中の3価のFeイオ
ン濃度が10g/l以上、60g/l以下の濃度範囲に
調整した酸洗溶液を用い、該酸溶液を強制的に撹拌、流
動化させることを特徴とする線材コイルの酸洗脱スケー
ル方法。
【0013】本発明における酸溶液あるいは水洗および
中和液の撹拌、流動させる手段としてはたとえば酸洗槽
の内部にスクリュー等を設置し機械的に撹拌する方法、
酸洗槽の中に一定流速のガスを吹き込んでガスの流れと
共に酸溶液を撹拌する方法またはこれらの方法を組み合
わせ等いずれの方法も適用できる。
【0014】酸溶液の流動化の程度は酸洗を行う線材表
面に形成されたスケール厚さ、組成、重量、結束強度、
酸溶液の酸濃度、酸溶液温度等により適宜決定すること
ができ、最適条件とすることにより最も効率よく酸洗が
可能となる。
【0015】たとえばスケールの剥離性が良好な線材コ
イルをスケールを剥離させる能力が高い酸溶液で酸洗す
る場合には比較的マイルドな撹拌で十分なスケールの剥
離が可能となる。
【0016】逆に線材コイルの結束強度が強く、かつス
ケールの酸洗剥離性が不良な線材コイルをスケール剥離
能力が低い酸溶液で酸洗する場合は、酸溶液の撹拌速度
を高め酸溶液の運動エネルギーを高めてやることにより
線材コイルの内部まで酸溶液を浸透させることができ、
十分なスケールの剥離が可能となる。
【0017】一方、過度に酸溶液を流動化した場合には
酸洗槽から酸溶液が飛散する可能性があるために、酸溶
液の撹拌、流動化は必要最低限の条件が好ましい。ま
た、酸洗槽に蓋をかぶせて酸洗を行うことにより酸溶液
の飛散を完全に防止することも可能である。
【0018】ノズルを有するパイプを酸溶液、中和液お
よび洗浄液に浸漬してノズルからガスを吹き込みこれら
の溶液を撹拌、流動化する本発明の方法において、ノズ
ルは単純な微少な穴をあけたものでもガスが拡散放出さ
れるように構成されたノズル等ガスの吹き込みが行える
ものであれば使用可能である。
【0019】ガス吹き出しノズルの設置形態は処理浴内
部に事前に浸漬させ、固定しておく方法でも、処理作業
を行うときにのみ浸漬する方法のいずれでも良いが、ノ
ズルの酸液による腐食防止、寿命を考慮すると、作業時
にのみ浸漬させる方法が好ましい。また、酸溶液、水洗
等の各処理液の撹拌、流動のみを目的とした場合には、
酸洗液と反応して有害なガスが発生するものでなければ
特にガスの種類は限定されず、不活性ガス、空気等使用
できる。
【0020】本発明の3価の鉄イオンの濃度を制御する
手段としては酸溶液に溶解し、Fe3+となる薬品を添加
しても、酸素を含有するガスを酸洗液中に吹き込んで酸
溶液の中の2価の鉄イオンを酸化して3価の鉄イオンと
するいずれの方法も適用可能である。
【0021】Fe3+となる試薬を添加する場合は酸洗浴
が比較的大きいために使用する薬品量が多くなること、
酸洗浴中にFe2+とFe3+の両イオンが溶解し、総Fe
イオン濃度が増す為に酸洗溶液の飽和溶解度に達し、比
較的早めにスケールの溶解能力が低下する可能性があ
る。一方、本発明の方法である酸素を含有するガスを酸
溶液内に吹き込んで酸洗浴中のFe2+を酸化してFe3+
とする方法は簡便でコストもかからない方法であり好ま
しい方法である。
【0022】この吹き込みガスは酸素を含有しているガ
スであればその種類は特に限定されず、酸素含有率が高
いガス、吹き込み流量が多い場合はより短時間でFe2+
をFe3+とすることができ、酸素含有率が低く吹き込み
流量が少ない場合はFe2+の酸化に長時間を有するもの
の、この場合でも十分に酸溶液中の鉄イオンの制御は可
能である。最も簡便かつ低コストのガスとしては工場圧
空、コンプレッサーによる圧空が使用できる。Fe2+
酸化による酸洗浴中のFeイオン濃度の調整による方法
は酸洗処理を行っていない間に空気を含有するガスを酸
溶液中に吹き込むことにより制御できるために特に酸洗
作業の支障となることはなく、酸溶液の撹拌、流動化処
理用ノズルが併用可能である。
【0023】
【作用】線材コイルの表面に形成されるスケールは熱間
圧延後の冷却時に酸化され、線材の鉄に近い部分からF
eO、Fe34、Fe23の層状構造になっている。こ
のスケールの剥離性改善のためにスケールの物性値とし
てスケール厚さ、スケール組成のFeO比率が管理さ
れ、酸洗剥離性を改善するためには薄いスケールで高い
FeO比率を有するスケール組成が有利とされている。
このFeO比率を高めるために一般的には高温で二次ス
ケールを形成する必要があり、この結果スケールも厚く
なる。従って、薄く、高FeO比率のスケールを達成す
ることは困難で、スケール性状のみで酸洗によるスケー
ル剥離性を改善することは実用上不可能であった。
【0024】しかし、鋼材の歩留りを高め、酸洗作業性
を改善するためにより薄く、高い剥離性を有するスケー
ルを有する線材が要求されている。この要求に対応する
ために本発明者らは線材コイルのスケールを酸洗剥離す
る方法について詳細に検討したものである。
【0025】スケールの酸洗剥離は1塩基系の塩酸を主
体とした反応ではFeO,Fe34のスケールの溶解反
応および酸洗処理中に酸洗溶液がスケールの亀裂及び欠
陥から進入し、地鉄、酸溶液、スケールの間に形成され
る局部電池による酸洗溶液中の水素イオンがガス化し水
素ガスとなることにより、地鉄の上層部に存在するスケ
ールに内部から圧力を加え機械的にスケールの剥離を行
う機械的な剥離作用による。
【0026】2塩基系の酸である硫酸の場合もほぼ同じ
作用でスケールの剥離が行われるが、溶解能力は塩酸ほ
ど大きくなく、スケール剥離の主体は水素ガス発生によ
る機械的な剥離作用となる。
【0027】酸洗処理はこのような化学反応が主体の反
応であるために、スケールの剥離能力を改善する方法と
して一般に高濃度、高温度が指向される。しかし、酸濃
度を高める場合には酸洗溶液の原単位の増加、作業環境
の悪化、スケールの溶解に伴う鉄イオンの溶解度の低下
による寿命の低下を引き起こし、酸溶液温度を高める方
法はヒューム等の飛散、加熱装置を有する等の設備対策
が必要であった。
【0028】また、スケール剥離能力を高めた酸溶液を
使用する場合には、線材と酸溶液が接触しており常に新
鮮な酸溶液が供給されている部分のスケールは剥離され
やすく、短時間でスケールが剥離するものの線材コイル
内部のスケールは剥離され難いためにスケールが残存
し、スケール剥離部と残存部の差が大きくなる。さらに
残存スケールを少なくするために酸洗時間を長くした場
合には、初期にスケールが剥離した部分はさらに線材の
浸食が進行し、孔食等の欠陥による品質の低下を引き起
こし問題となり、線材コイルの全長にわたるスケールを
短時間で均一に剥離することは困難であった。
【0029】特に、単純な浸漬酸洗方法では線材コイル
の重なり部周辺では酸溶液が滞留し、鉄イオン濃度が短
時間で増加し、新しい酸溶液が供給されないために酸溶
液中の2価の鉄イオンが飽和状態となりスケールの溶解
能力が著しく低下する。このために酸洗時間を長くして
もスケールは酸洗初期に剥離された状態のままで、スケ
ールの剥離性の改善効果は小さい。逆にスケール剥離部
では酸洗初期にスケールが剥離され、酸溶液と鉄部分が
直接接触するために孔食が発生し易く酸洗処理時間が長
くなると、特に激しい孔食が発生する。このようなアン
バランスな酸洗が行われる重なり部あるいは密閉部での
スケール剥離性を改善するためには、酸溶液のスケール
剥離性を高め、短時間で処理を終了する必要があり、新
しい酸溶液を常に供給してやることが有効である。
【0030】このような線材重なり部の酸洗性を改善す
る方法の一つとして振動酸洗があるが、本発明者らはよ
り簡便で効率良い酸洗を行う方法として、線材コイルを
酸洗浴に浸漬して脱スケール処理を行う時に、酸溶液を
撹拌し運動エネルギーを与える酸洗処理方法を発明した
ものである。撹拌、流動化することにより酸溶液は運動
エネルギーを得て、線材の重なり部境界および密閉空間
にスケール剥離性の高い酸溶液を強制的かつ連続的に供
給することができるようになりスケールの剥離性を改善
するものである。
【0031】本発明の酸洗処理を行うことにより同一酸
洗時間とした場合には従来の方法に比べ残留スケール量
が半分に低減し、逆に同一の残留スケール量とするため
には処理時間を半分にすることができる。従って本発明
の方法によれば線材の重なり部および密閉部のスケール
剥離性が改善され、酸洗処理時間が短縮されるために、
線材コイルの表面と内部、重なり部においてスケール剥
離性の差が小さくなり均一なスケールの剥離が達成でき
るものである。
【0032】また、酸溶液を撹拌、流動させながら酸洗
処理を行った場合には酸洗時間が適正時間よりも長くな
った場合でも線材表面での酸溶液の滞留が抑制され局部
的な孔食の発生が抑制されるために線材全体の表面粗さ
が小さくかつほぼ一定に保たされる傾向がある。この結
果、後工程での二次加工での伸線時のトラブルもなく、
良好な伸線状態が得られるものである。
【0033】さらに、酸洗後の水洗あるいは中和処理時
にも処理液を撹拌、流動することにより強制的に線材表
面に付着した酸洗溶液の成分を短時間で内部まで中和お
よび洗浄することができ、酸が原因として起こる錆の発
生を大幅に低減できるものである。
【0034】ガス吹き出しノズルを有するパイプを液の
中に浸漬してノズルから流出するガスのエネルギーで酸
洗溶液、中和液、洗浄液を撹拌する本発明の方法ではノ
ズルから吹き出すガス流速、ノズル形状、ノズルの数等
を調整して撹拌の強さ、液の流れの方向を自由に制御す
ることができる。
【0035】たとえば線材コイルの結束力が弱い場合は
ノズルから吹き出すガス流速はあまり速くする必要はな
く、逆に結束強さが強い場合はガス吹きだし速度を高め
かつノズルを数多く配置し、線材に向けてガスを吹き出
すことにより線材コイル内部の線材重なり部にまで酸溶
液、中和液、洗浄液を浸透、供給することによりスケー
ルの剥離性を高めるものである。
【0036】次に鉄イオンの影響であるが酸洗液により
溶解される鉄はほとんどが2価の鉄イオンとして酸溶液
中に存在するが、本発明者らの検討によれば、3価の鉄
イオンがスケールの剥離性を改善し、より短時間処理が
可能であることが明らかになった。しかし、酸溶液を撹
拌、流動化させない従来の酸洗方法では、線材密閉部に
3価の鉄イオンを含有する酸溶液が充填、滞留し、2価
の鉄イオンに短時間で還元され急激に鉄イオン濃度が増
加するためにスケールの剥離性を改善する効果はなくな
る。この結果、2価の鉄イオンの濃度が酸溶液の飽和濃
度に近づくためスケールの剥離性が悪化し、線材の残留
スケール量が多くなる。
【0037】一方、3価の鉄イオンを有する酸溶液を撹
拌流動させ線材コイルの密閉部分に新鮮な酸溶液を連続
的に供給した場合は、スケールの剥離性が改善された酸
溶液が供給されるために、酸洗浴中の3価の鉄イオン濃
度を制御しなかった場合に比べさらに短時間でスケール
の剥離が終了する。このようなことから本発明では酸溶
液中の3価の鉄イオン濃度を規定した。
【0038】酸洗浴中への鉄イオンの供給によりスケー
ルの剥離時間が短縮される理由は以下のように考えられ
る。線材スケール表面での局部電池形成反応に基づいて
考えると以下の式に示すようにアノード、カソード反応
は示される。以下に局部電池反応を示す。 (アノード反応) Fe→Fe2++2e (カソード反応) Fe23+6H++2e→2Fe2++3H2O Fe34+8H++2e→3Fe2++4H2O 2H++2e→H2
【0039】この局部電池形成によるスケールの剥離時
に3価の鉄イオンが存在することにより地鉄の溶解反応
にアノード反応と対の以下の反応が起こリ、3価のイオ
ンは酸溶液中ではより安定な2価のイオンへの還元が行
われこの時に酸溶液中の電子を消費する。 Fe3++e→Fe2+
【0040】この還元反応に関与する電子は鉄、あるい
はスケールの溶解により供給されるもので進行により相
手極であるFe(地鉄)は以下の溶解反応が促進され
る。 Fe→Fe2++2e この総括反応として以下の反応となり、 Fe+Fe3+→3Fe2+ 見かけ上3価の鉄イオンが鉄の溶解を促進する反応とな
る。この溶解反応が促進されるために3価の鉄イオンの
存在により局部電池反応が進み、スケールの剥離が改善
されるものと推定される。
【0041】しかし、逆にFe3+の濃度が高い酸溶液を
線材で密閉された空間に供給し、酸溶液が滞留、保持さ
れた場合は、線材の鉄部の溶解が促進され急激な鉄イオ
ン濃度の増加となり酸溶液の剥離能力が低下する。この
ような作用により3価の鉄イオンを酸溶液に添加するこ
とによりスケールの剥離が促進されるが、Fe3+の濃度
が10g/lより少ない場合は明確なスケールの剥離性
の改善効果は認められず、スケールの剥離を促進する作
用を行わせるためには少なくとも10g/l以上の3価
の鉄イオン濃度が必要である。一方、60g/l以上の
3価の鉄イオン濃度はスケールの溶解性を損なうこと、
地鉄の局部的溶解が促進され孔食状の欠陥が多くなるた
めに酸溶液中のFe3+濃度を60g/l以下とした。
【0042】しかし、脱スケール反応で生成する鉄イオ
ンはFe2+の2価の鉄イオンであり、2価の鉄イオンは
酸洗を継続していくことにより必然的に酸洗浴中に生成
し自然に3価の鉄イオンとはならないために、本発明の
目的を達成するために外部から3価の鉄イオンを制御す
る手段を講ずる必要がある。しかし、薬品を添加して鉄
イオン濃度を制御する場合には制御性は高いがランニン
グコストがかさむことと総鉄イオン濃度が増加するため
に比較的早く酸溶液の飽和濃度に達して酸溶液の溶解能
力が低下する。
【0043】これに対して本発明の酸溶液中に存在する
Fe2+イオンを酸素を含有するガスを酸溶液中に吹き込
むことにより酸化してFe3+化する方法は吹き込む酸素
の濃度、ガス量、時間によりFe2+の酸化比率が決定さ
れる。この条件を適宜選択することによりFe3+濃度の
制御ができると共に酸溶液中の総鉄イオン濃度は一定に
保たれることにより酸溶液の溶解能力の低下を防止し、
酸洗溶液の寿命を長く維持できるため、より好ましい方
法である。
【0044】
【実施例】 (実施例1)SWRH82Aの5.5φ線材1トンを結
束した線材コイルを用いて酸洗処理を行った。この線材
のスケール性状は厚さ10.3μm,組成はスケールを
剥離後X線回折による強度ピーク比から求め、FeO
64.4%,Fe34 34.2%,Fe23 1.4
%であり、地鉄側からFeO,Fe34,Fe23が層
状に形成されているものである。酸洗浴は塩酸濃度が2
0%,温度が20℃,Fe2+濃度が22g/l,Fe3+
濃度が4.3g/lのものを使用した。この酸洗液でカ
ットサンプルの重なり部が存在しないスケールの剥離時
間は3分であった。
【0045】本発明の方法による酸溶液の撹拌、流動化
する方法として酸洗槽の底に、上側に1.2mm径のノ
ズルを50mmピッチで設けた管状のエンビ管を浸漬
し、ノズルからガス吹き出すことにより行った。線材コ
イルはフックでつり下げて、クレーンで移動して酸洗槽
に浸漬後に圧力4kgf/cm2 の圧縮空気1Nm3
minを流して酸溶液を酸浴の撹拌、流動させて処理時
間を変えて線材コイルの残留スケール量を測定した。
【0046】比較例として空気を吹き込まない場合の従
来法の残留スケール量も同様の処理時間毎に測定した。
残留スケール量の測定は酸洗後、水洗槽で水洗処理を行
った後に乾燥してから求めた。このときの水洗処理槽で
も本発明の場合は空気を吹き込み、水を撹拌、流動させ
て処理を行った。残留スケール量の測定は線材コイルの
結束をはずした後に100リング間隔に2リング連続し
て1リング8等分に切断して重量を測定しW1とし、こ
の切断サンプルを地鉄の溶解を抑制するためにインヒビ
ターを添加した塩酸溶液に浸漬して、乾燥後再度重量を
測定しW2とし、 残留スケール(重量%)=(W1−W2)/W1×10
0 の計算式により残留スケール量を求めた。このときスケ
ールの完全剥離時にインヒビ夕ーは添加しているものの
地鉄が溶解して重量減が大きくなるためにダミーとして
スケールの付着していないサンプルと同長さに切断した
線材をダミーとして酸洗してこの重量変化を地鉄溶解重
量として補正を行った。
【0047】その結果を図1に示す。酸洗時に空気を吹
き込んだ本発明の方法は同じ酸洗時間で比較すると、従
来の方法で酸洗した線材の残留スケール量に比べ約半分
に低減しており、従来法と同等の残留スケール量とする
場合には酸洗処理時間は約半分に短縮された。
【0048】また、酸洗後の線材の表面粗さは図2に示
すように本発明による方法で酸洗した線材の表面粗さは
従来法より小さく、酸洗時間が長くなっても大幅な表面
粗さの悪化はない。
【0049】さらに本発明の方法でスケールの剥離を行
った線材は、大気環境で保管しても錆の発生が従来の方
法で酸洗した線材コイルに比べ少なく、水洗が十分に行
われ、酸溶液の除去効果も十分であることがわかった。
【0050】(実施例2)実施例1と同様の条件で酸洗
液のFe3+の鉄イオン濃度を変えて線材コイルの酸洗処
理を行った。酸溶液は酸洗前に薬品を添加しFe3+を溶
解させた状態および空気を吹き込んで、Fe2+をFe3+
に酸化させた酸溶液を用いて酸溶液を撹拌、流動させ、
線材コイルを酸洗時間10分の酸洗処理を行い残留スケ
ール量を測定した。
【0051】初期のFe2+が約60g/lの酸溶液に空
気を吹き込んだ場合の吹き込み時間とFe2+、Fe3+
濃度の変化を図3に示した。空気を長時間吹き込むこと
により、Fe2+がFe3+に酸化され、ほぼ全てのFe2+
がFe3+に酸化されることがわかる。また、総鉄イオン
濃度はほぼ一定の値であり、鉄イオン濃度の増加はな
い。
【0052】本発明の方法と従来の単純に浸漬酸洗した
場合の残留スケール量と酸溶液中のFe3+の鉄イオン濃
度の関係を図4に示す。これより従来の単純浸漬による
酸洗法ではFe3+が25g/lまではFe3+添加による
残留スケール量の改善効果は無く、Fe3+が25g/l
以上では残留スケール量が増加し、スケールの剥離性が
悪化した。これに対して本発明の方法ではFe3+の量が
10g/l以上で残留スケール量が低減し、Fe3+が増
すにつれ残留スケール量はさらに低下する。しかし、6
0g/l以上ではスケールの剥離性改善効果は認められ
ず、改善効果が小さくなった。また、薬品添加の場合と
Fe2+の酸化によるFe3+の制御による残留スケール量
低減効果に明瞭な差はなく、共にFe3+の制御を行わな
かった場合に比べ明らかに残留スケール量の低減効果が
認められた。しかし、Fe3+濃度が60g/l以上にな
ると線材表面に孔食状の欠陥が多発し、表面性状の悪化
となった。
【0053】酸溶液中のFe3+は酸洗処理時に還元さ
れ、Fe2+となるために酸洗後は再度空気を吹き込んで
Fe2+をFe3+に還元しておけば、常に適正範囲のFe
3+に調整することができ、コスト的に有利でかつ簡便に
鉄イオンの制御が可能となる。
【0054】
【発明の効果】線材コイルの浸漬酸洗において本発明の
方法による酸洗槽内の酸洗溶液を撹拌、流動することに
より、線材コイルの重なり部あるいは密閉部分に新鮮な
酸溶液を連続的に供給でき、線材コイルの重なり部ある
いは密閉された部分での残留スケールが半減できるため
に酸洗時間を半分に短縮可能である。また酸溶液中にノ
ズルからガスを吹き込む簡単な装置で酸溶液を撹拌、流
動化することが出来る。酸洗浴中の3価の鉄イオン濃度
を制御することにより酸洗溶液のスケールの剥離性をさ
らに改善することができ、酸洗浴を撹拌、流動させる酸
洗方法と併用することにより効率良い酸洗が可能であ
る。本発明はガスを吹き込むことができるパイプとノズ
ルおよび圧縮空気さえあれば容易に実行可能であり、ま
た、吹き込みガスとして酸素を含有するガスを用いるこ
とにより2価の鉄イオンの酸化により容易に3価の鉄イ
オン濃度の制御が可能となり簡便な装置で大きな効果が
得られ工業的に非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来の酸洗法の酸洗時間と残留スケー
ル量の関係を示す図。
【図2】本発明の方法と従来の酸洗法の線材の表面粗さ
の変化を示す図。
【図3】酸溶液中に酸素を吹き込んだ場合の鉄イオン濃
度の変化を示す図。
【図4】Feイオン濃度と残留スケール量の関係を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−109224(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 3/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材コイルを酸洗浴に浸漬して脱スケー
    ル処理を行う方法において酸洗溶液を強制的に撹拌、流
    動させながら処理することを特徴とする線材コイルの酸
    洗脱スケール方法。
  2. 【請求項2】 酸洗後の水洗処理あるいは中和処理時に
    おいて溶液を強制的に撹拌、流動させながら処理するこ
    とを特徴とする線材コイルの中和、洗浄方法。
  3. 【請求項3】 ガスを吹き付けるノズルを有するパイプ
    を酸洗浴内に浸漬し、該ノズルを線材コイルに向けてガ
    スを吹き付け、酸溶液を流動化させることを特徴とする
    線材コイルの酸洗脱スケール方法。
  4. 【請求項4】 ガスを吹き付けるノズルを有するパイプ
    を水洗および中和処理液内に浸漬し、該ノズルを線材コ
    イルに向けてガスを吹き付け、水洗および中和溶液を流
    動化させることを特徴とする線材コイルの中和、洗浄方
    法。
  5. 【請求項5】 ノズルから吹き付けるガスが酸素を含有
    することを特徴とする請求項3記載の線材コイルの酸洗
    脱スケール方法。
  6. 【請求項6】 酸洗処理溶液中の3価のFeイオン濃度
    が10g/l以上、60g/l以下の濃度範囲に調整し
    た酸洗溶液を用いたことを特徴とする請求項1又は3記
    載の線材コイルの酸洗脱スケール方法。
JP07129867A 1994-08-23 1995-04-03 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法 Expired - Fee Related JP3140328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07129867A JP3140328B2 (ja) 1994-08-23 1995-04-03 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-219643 1994-08-23
JP21964394 1994-08-23
JP07129867A JP3140328B2 (ja) 1994-08-23 1995-04-03 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08120472A JPH08120472A (ja) 1996-05-14
JP3140328B2 true JP3140328B2 (ja) 2001-03-05

Family

ID=26465137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07129867A Expired - Fee Related JP3140328B2 (ja) 1994-08-23 1995-04-03 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3140328B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007318170A (ja) * 2007-08-06 2007-12-06 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法及び製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08120472A (ja) 1996-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100448972B1 (ko) 강편및특히스테인리스강박판스트립의산세방법
JP2819378B2 (ja) ステンレス鋼のピックリング法
EP0776993B1 (en) Method for pickling steel
JP5313358B2 (ja) 第二鉄イオンを含有する酸性酸洗溶液でケイ素鋼を酸洗いするプロセス
US2199418A (en) Surface treatment of metals
KR101249167B1 (ko) 강판의 산세 처리 방법 및 산세 처리 장치
CN1451058A (zh) 使用交流电源电解池的用于金属产品的连续电解酸洗方法
JP3140328B2 (ja) 線材コイルの酸洗脱スケール方法および酸洗後コイルの中和、洗浄方法
KR100926924B1 (ko) 마르텐사이트계 또는 페라이트계 고급 강의 산세 방법
JPS61279311A (ja) 熱延鋼板の酸洗方法
US2353019A (en) Method of etching steel
JPH10324986A (ja) 高Crステンレス鋼の脱スケール用アルカリ溶融塩浴
JP2003533591A (ja) 酸化した熱間圧延銅棒を清浄にするための方法
JPS6286182A (ja) 一方向性電磁鋼帯の処理方法
JPH10265986A (ja) 冷間圧延ステンレス鋼帯の連続焼鈍・酸洗方法および設備
JPS63192882A (ja) 連続酸洗方法
JPH11172478A (ja) ステンレス鋼の脱スケール方法
JP3882866B2 (ja) ステンレス鋼の脱スケール方法
JPH05320961A (ja) ステンレス熱延鋼板の脱スケール方法
JPS63250421A (ja) 線材の冷却方法
JPH05117882A (ja) ステンレス鋼の洗浄方法
KR20000011280A (ko) 전해코팅된열연강대를제조하기위한공정및장치
JPH0920994A (ja) アーク溶接部及びその近傍の塗装後耐食性改善方法
JPH08269758A (ja) 線材のスケール除去装置
JPH01100287A (ja) 低クロム鋼鋼帯の酸洗方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees