JP3140316B2 - 気泡巻き込み体積を減少したラミネート方法 - Google Patents
気泡巻き込み体積を減少したラミネート方法Info
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- JP3140316B2 JP3140316B2 JP07046690A JP4669095A JP3140316B2 JP 3140316 B2 JP3140316 B2 JP 3140316B2 JP 07046690 A JP07046690 A JP 07046690A JP 4669095 A JP4669095 A JP 4669095A JP 3140316 B2 JP3140316 B2 JP 3140316B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容器材料分野において適
用されるラミネート材、すなわち樹脂フィルムを金属帯
にラミネートした材料を製造する際に、樹脂フィルムと
金属帯間に巻き込まれる気体の体積を効果的に減少させ
る方法に関する。
用されるラミネート材、すなわち樹脂フィルムを金属帯
にラミネートした材料を製造する際に、樹脂フィルムと
金属帯間に巻き込まれる気体の体積を効果的に減少させ
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】容器材料分野では、めっき鋼板あるいは
アルミ板に塗装を施したものが現在主流となっているが
溶剤による環境汚染に対し法規制化の方向にあり、また
塗装・焼き付け工程の能率アップ及び省エネルギーに限
界がある事から塗装の代わりに溶剤を用いない方法とし
て樹脂フィルムを平板にラミネートし、その後製缶加工
して使用する方法が今後の趨勢となる事が考えられてい
る。今まで包装材料としてのフィルムと金属箔のラミネ
ートあるいは樹脂フィルムの多層ラミネートは、すでに
技術的に完成し今日多くの需要に答えている。また、食
品缶の分野にも適用され始めている。従来公知となって
いるラミネート法として特公昭61−3676号公報で
は、有機樹脂フィルムを鋼帯にはりつける事が開示され
ている。この方法においては、錫めっきされた鋼帯を予
熱し、そこに樹脂フィルムを圧着ロールにて仮圧着し、
次いで鋼帯を昇温して樹脂フィルムをさらに圧着ロール
にて本圧着している。
アルミ板に塗装を施したものが現在主流となっているが
溶剤による環境汚染に対し法規制化の方向にあり、また
塗装・焼き付け工程の能率アップ及び省エネルギーに限
界がある事から塗装の代わりに溶剤を用いない方法とし
て樹脂フィルムを平板にラミネートし、その後製缶加工
して使用する方法が今後の趨勢となる事が考えられてい
る。今まで包装材料としてのフィルムと金属箔のラミネ
ートあるいは樹脂フィルムの多層ラミネートは、すでに
技術的に完成し今日多くの需要に答えている。また、食
品缶の分野にも適用され始めている。従来公知となって
いるラミネート法として特公昭61−3676号公報で
は、有機樹脂フィルムを鋼帯にはりつける事が開示され
ている。この方法においては、錫めっきされた鋼帯を予
熱し、そこに樹脂フィルムを圧着ロールにて仮圧着し、
次いで鋼帯を昇温して樹脂フィルムをさらに圧着ロール
にて本圧着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗装の数倍の速度で高
速ラミネートするプロセス技術は、安価で安定した材料
供給のために必須であるが、樹脂フィルムを高速で鋼帯
表面に向けて送給するとき、樹脂フィルムの表面近傍に
ある空気が樹脂フィルムの走行に随伴されて、圧着部に
持ち込まれる事がある。持ち込まれた空気は、鋼帯と樹
脂フィルムの間に気泡として残留し、大きい気泡の場合
はふくれとなる。このふくれが積層鋼帯の商品価値を下
げることは明かであるが、外観に感じない程度の微小な
気泡であっても絞り・しごき加工等の製缶加工を受ける
と加工後のフィルム密着性が著しく劣る事となり缶用素
材として用をなさない。この様な気泡巻き込みを防止す
るため、特開昭63−233824号公報では、鋼帯と
樹脂フィルム間の角度を30〜90度に維持しながら樹
脂フィルムを鋼帯に向けて送給して圧着ロールにより圧
着する方法が開示されている。この方法は空気流体のく
さび効果を防止する事と理解されるが、鋼帯の走行速度
200m/min以上で高速ラミネートを行うとやはり
空気巻き込みが発生し、この対策では不十分である。
速ラミネートするプロセス技術は、安価で安定した材料
供給のために必須であるが、樹脂フィルムを高速で鋼帯
表面に向けて送給するとき、樹脂フィルムの表面近傍に
ある空気が樹脂フィルムの走行に随伴されて、圧着部に
持ち込まれる事がある。持ち込まれた空気は、鋼帯と樹
脂フィルムの間に気泡として残留し、大きい気泡の場合
はふくれとなる。このふくれが積層鋼帯の商品価値を下
げることは明かであるが、外観に感じない程度の微小な
気泡であっても絞り・しごき加工等の製缶加工を受ける
と加工後のフィルム密着性が著しく劣る事となり缶用素
材として用をなさない。この様な気泡巻き込みを防止す
るため、特開昭63−233824号公報では、鋼帯と
樹脂フィルム間の角度を30〜90度に維持しながら樹
脂フィルムを鋼帯に向けて送給して圧着ロールにより圧
着する方法が開示されている。この方法は空気流体のく
さび効果を防止する事と理解されるが、鋼帯の走行速度
200m/min以上で高速ラミネートを行うとやはり
空気巻き込みが発生し、この対策では不十分である。
【0004】さらに抜本的な方法としてラミネート部を
真空状態にする方法が考えられる。このような真空装置
は、亜鉛めっきにおける連続式真空蒸着装置で既に多く
の公報が知られている。これは材料(鋼帯コイル)は大
気中にあり、真空蒸着室に到るまでに多段の差動減圧室
を経る、いわゆるエアーTOエアー方式であり既に商業
生産に用いられている。しかし、この真空装置をラミネ
ートに適用する場合には次の欠点がある。フィルムを大
気から真空室内へ導入する際に多段のシールロールによ
り挟むためにフィルムに過大な張力がかかりやすい。さ
らに、圧着部においてフィルムは軟化あるいは一部溶融
するためこの過大な張力に耐えられずフィルム破断が起
こりやすい。また、ラミネートの高速化は経済的メリッ
トのために行うものであるが、真空装置は一般に高価で
あるために高速化による経済的メリットを相殺すること
になる。そこで、本発明はラミネート時に高速化での空
気巻き込み体積を抑制する経済的な方法を提供するもの
である。
真空状態にする方法が考えられる。このような真空装置
は、亜鉛めっきにおける連続式真空蒸着装置で既に多く
の公報が知られている。これは材料(鋼帯コイル)は大
気中にあり、真空蒸着室に到るまでに多段の差動減圧室
を経る、いわゆるエアーTOエアー方式であり既に商業
生産に用いられている。しかし、この真空装置をラミネ
ートに適用する場合には次の欠点がある。フィルムを大
気から真空室内へ導入する際に多段のシールロールによ
り挟むためにフィルムに過大な張力がかかりやすい。さ
らに、圧着部においてフィルムは軟化あるいは一部溶融
するためこの過大な張力に耐えられずフィルム破断が起
こりやすい。また、ラミネートの高速化は経済的メリッ
トのために行うものであるが、真空装置は一般に高価で
あるために高速化による経済的メリットを相殺すること
になる。そこで、本発明はラミネート時に高速化での空
気巻き込み体積を抑制する経済的な方法を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは金属帯へ樹
脂フィルムを高速ラミネートする方法において、気泡巻
き込み体積の減少策を種々検討した結果、以下の方法を
見いだした。即ち、本発明は、樹脂フィルムを金属帯に
ラミネートする際の圧着直後から冷却部にわたって、圧
下しラミネートする方法において、樹脂フィルムと金属
帯間に発生する面圧を20kgf/cm2 以上1000
kgf/cm2 以下となる様に圧下し、かつ面圧(kg
f/cm2 )とラミネート速度(m/min)の間に下
記式の関係を満足させ、さらに金属帯の温度は、圧着直
後では金属帯側の樹脂フィルムの融点以下とし、冷却部
では樹脂フィルムのガラス転移温度以下とすること、さ
らに好ましくは圧着開始部の雰囲気を分子量44以下の
気体で飽和することを特徴とする。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
脂フィルムを高速ラミネートする方法において、気泡巻
き込み体積の減少策を種々検討した結果、以下の方法を
見いだした。即ち、本発明は、樹脂フィルムを金属帯に
ラミネートする際の圧着直後から冷却部にわたって、圧
下しラミネートする方法において、樹脂フィルムと金属
帯間に発生する面圧を20kgf/cm2 以上1000
kgf/cm2 以下となる様に圧下し、かつ面圧(kg
f/cm2 )とラミネート速度(m/min)の間に下
記式の関係を満足させ、さらに金属帯の温度は、圧着直
後では金属帯側の樹脂フィルムの融点以下とし、冷却部
では樹脂フィルムのガラス転移温度以下とすること、さ
らに好ましくは圧着開始部の雰囲気を分子量44以下の
気体で飽和することを特徴とする。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
【0006】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。高速走
行する鋼帯あるいはアルミ帯に対してラミネートを行う
場合、気泡巻き込み体積を効果的に減少させるために
は、以下の条件を満足する事が必要である。まず、現状
の問題点の考察から述べる。圧着ロールの圧下力を下げ
ると空気巻き込み体積を減少できるが金属帯の走行速度
が増すと空気巻き込み量が増加するため圧下力もそれに
応じて上げる必要がある。ところがラミネート速度が2
00m/min以上の高速化では圧着圧力を金属帯1c
m2 面積当たり100kgfの荷重まで増加してもその
効果は高圧下になる程飽和し、十分低い気泡面積率を得
ることは困難であることが判明した。これは、次の様に
解釈される。圧着部では気泡体積は加圧力により十分収
縮しているが、圧着部を離れたラミネート金属帯では樹
脂は軟化しており、一方、圧力は大気圧であるために一
旦収縮した気泡は、冷却部で樹脂が固化するまでの間
に、次第に再度膨張することと考えられる。
行する鋼帯あるいはアルミ帯に対してラミネートを行う
場合、気泡巻き込み体積を効果的に減少させるために
は、以下の条件を満足する事が必要である。まず、現状
の問題点の考察から述べる。圧着ロールの圧下力を下げ
ると空気巻き込み体積を減少できるが金属帯の走行速度
が増すと空気巻き込み量が増加するため圧下力もそれに
応じて上げる必要がある。ところがラミネート速度が2
00m/min以上の高速化では圧着圧力を金属帯1c
m2 面積当たり100kgfの荷重まで増加してもその
効果は高圧下になる程飽和し、十分低い気泡面積率を得
ることは困難であることが判明した。これは、次の様に
解釈される。圧着部では気泡体積は加圧力により十分収
縮しているが、圧着部を離れたラミネート金属帯では樹
脂は軟化しており、一方、圧力は大気圧であるために一
旦収縮した気泡は、冷却部で樹脂が固化するまでの間
に、次第に再度膨張することと考えられる。
【0007】そこで本発明者らは金属帯の温度が、圧着
直後での樹脂融点から冷却部での樹脂の固化温度にわた
って、圧下しながらラミネートを行う方法として例えば
図1に示す様な無限軌道圧下装置を適用する。本装置で
は樹脂フィルムと金属帯の圧着直後から冷却部にわたっ
て圧下するが、樹脂フィルムと金属帯間に加える圧力
は、金属帯の走行速度に応じて20kgf/cm2 から
1000kgf/cm2の範囲で下式の範囲を満足する
様に選択する。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
直後での樹脂融点から冷却部での樹脂の固化温度にわた
って、圧下しながらラミネートを行う方法として例えば
図1に示す様な無限軌道圧下装置を適用する。本装置で
は樹脂フィルムと金属帯の圧着直後から冷却部にわたっ
て圧下するが、樹脂フィルムと金属帯間に加える圧力
は、金属帯の走行速度に応じて20kgf/cm2 から
1000kgf/cm2の範囲で下式の範囲を満足する
様に選択する。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
【0008】加圧力がラミネート速度に対して、上式よ
り求められる面圧未満であると、気泡面積率は実用的な
許容限界である1%を上回る。また加圧力が1000k
gf/cm2 を越えると樹脂フィルムの厚み減少が起こ
る。気泡面積率の許容限界については、表1に気泡面積
率と加工後のERV(エナメルレーター値)を示した。
加工は製缶時の板厚減少を考慮してラミネート板を圧延
した。ERVは皮膜のピンホールの程度を電流値で表し
たものである。この表1より、気泡面積率を1%以下に
すれば、実用上ピンホールの問題は起こらないことが明
かである。本発明では、この値を基準にして上記のよう
に加圧力(面圧)を規定する。
り求められる面圧未満であると、気泡面積率は実用的な
許容限界である1%を上回る。また加圧力が1000k
gf/cm2 を越えると樹脂フィルムの厚み減少が起こ
る。気泡面積率の許容限界については、表1に気泡面積
率と加工後のERV(エナメルレーター値)を示した。
加工は製缶時の板厚減少を考慮してラミネート板を圧延
した。ERVは皮膜のピンホールの程度を電流値で表し
たものである。この表1より、気泡面積率を1%以下に
すれば、実用上ピンホールの問題は起こらないことが明
かである。本発明では、この値を基準にして上記のよう
に加圧力(面圧)を規定する。
【0009】
【表1】
【0010】また圧下を加える装置例としては上記の無
限軌道圧下装置に限定するものでなく、複数の圧下ロー
ル装置、さらには圧着直後の冷却などの手段も本発明の
範囲である。圧下を行う範囲(圧着から冷却までの範
囲)において、金属帯の温度は、圧着直後では樹脂を溶
融させる温度として高々金属帯側の樹脂融点とし、冷却
部では樹脂を十分固化させる温度として樹脂のガラス転
移温度以下とするのが好ましい。実操業では冷却能力か
らみて60℃未満に冷却することは現実的でないので6
0℃以上にとどめるのがよい。
限軌道圧下装置に限定するものでなく、複数の圧下ロー
ル装置、さらには圧着直後の冷却などの手段も本発明の
範囲である。圧下を行う範囲(圧着から冷却までの範
囲)において、金属帯の温度は、圧着直後では樹脂を溶
融させる温度として高々金属帯側の樹脂融点とし、冷却
部では樹脂を十分固化させる温度として樹脂のガラス転
移温度以下とするのが好ましい。実操業では冷却能力か
らみて60℃未満に冷却することは現実的でないので6
0℃以上にとどめるのがよい。
【0011】この様に高圧状態で気泡に封入された気体
は樹脂フィルム中の気体透過速度に応じて、大気中に放
置の間に順次逃散するため、製缶時には影響のないもの
となる。この点で、さらに好ましくは、封入される気泡
の気体の種類を通常の空気から変更して、樹脂フィルム
中での透過速度の早い気体、即ち分子量44以下の、例
えば炭酸ガス、ヘリウムガス、水素ガス等とするとよ
い。このために、圧着部の雰囲気を制御する方法とし
て、図2に示す様な、通常の箱型シールボックスを適用
するとよい。
は樹脂フィルム中の気体透過速度に応じて、大気中に放
置の間に順次逃散するため、製缶時には影響のないもの
となる。この点で、さらに好ましくは、封入される気泡
の気体の種類を通常の空気から変更して、樹脂フィルム
中での透過速度の早い気体、即ち分子量44以下の、例
えば炭酸ガス、ヘリウムガス、水素ガス等とするとよ
い。このために、圧着部の雰囲気を制御する方法とし
て、図2に示す様な、通常の箱型シールボックスを適用
するとよい。
【0012】なお、本発明で缶用に用いる金属帯として
は、めっき原板、錫めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、
電解クロム酸処理鋼板(テインフリーステイール)、ア
ルミめっき鋼板やこれらの合金めっき鋼板等の鋼帯、缶
用アルミニウム板(3000番系、5000番系合金)
のアルミニウム帯を使用できる。熱接着可能な樹脂フィ
ルムとしては、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
イソフタレートなど)、酸変性ポリオレフィン樹脂(ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどの酸変成物)、ポリア
ミド樹脂(ナイロンなど)等を使用するとよい。熱圧着
時の鋼板温度あるいはアルミ板の温度は、ラミネートす
る樹脂フィルムの融点近傍とし、熱圧着法は鋼帯あるい
はアルミ帯から樹脂フィルムに向かって熱を与えるとい
う常法でよい。また、接着剤を介してラミネートするい
わゆるドライラミネートも本発明の範囲内である。
は、めっき原板、錫めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、
電解クロム酸処理鋼板(テインフリーステイール)、ア
ルミめっき鋼板やこれらの合金めっき鋼板等の鋼帯、缶
用アルミニウム板(3000番系、5000番系合金)
のアルミニウム帯を使用できる。熱接着可能な樹脂フィ
ルムとしては、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
イソフタレートなど)、酸変性ポリオレフィン樹脂(ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどの酸変成物)、ポリア
ミド樹脂(ナイロンなど)等を使用するとよい。熱圧着
時の鋼板温度あるいはアルミ板の温度は、ラミネートす
る樹脂フィルムの融点近傍とし、熱圧着法は鋼帯あるい
はアルミ帯から樹脂フィルムに向かって熱を与えるとい
う常法でよい。また、接着剤を介してラミネートするい
わゆるドライラミネートも本発明の範囲内である。
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。図
1および図2は、本発明の方法を実行する例である無限
軌道圧下装置の概略を示すものであって、金属板1の両
面に樹脂フィルム2、2′を圧着するロール3 、3 ′の
直後に、両面の樹脂フィルム側には、それぞれ、一対の
支持ロール4、5に、例えば鋼製の複数の耐熱ブロック
7からなるエンドレス帯8を掛けわたし、エンドレス帯
8の外側に、例えばシリコンなどの耐熱ゴム帯9を設置
した構成が設けられている。そして、金属板1と樹脂フ
ィルム2、2′を圧下するため、エンドレス帯8の背面
には複数の圧下ロール6が配置されている。一方、圧着
ロール3、3′部には圧着時の雰囲気を制御するための
シールボックス10が設けられている。他方、冷却部1
1には、冷却ノズル12が配置されており、圧下終了段
階および圧下完了後に冷却するようになっている。
1および図2は、本発明の方法を実行する例である無限
軌道圧下装置の概略を示すものであって、金属板1の両
面に樹脂フィルム2、2′を圧着するロール3 、3 ′の
直後に、両面の樹脂フィルム側には、それぞれ、一対の
支持ロール4、5に、例えば鋼製の複数の耐熱ブロック
7からなるエンドレス帯8を掛けわたし、エンドレス帯
8の外側に、例えばシリコンなどの耐熱ゴム帯9を設置
した構成が設けられている。そして、金属板1と樹脂フ
ィルム2、2′を圧下するため、エンドレス帯8の背面
には複数の圧下ロール6が配置されている。一方、圧着
ロール3、3′部には圧着時の雰囲気を制御するための
シールボックス10が設けられている。他方、冷却部1
1には、冷却ノズル12が配置されており、圧下終了段
階および圧下完了後に冷却するようになっている。
【0014】以上のような装置を用いてラミネートし
た。金属板1としては、電解クロム酸処理鋼板を用い、
樹脂フィルム2、2′としてPET(ポリエチレンテレ
フタレート)を260℃の板温にて大気中でラミネート
した。この時、無限軌道圧下装置13の圧下力を鋼板1
cm2 面積当たりの圧力として表2に示す範囲で変化さ
せた。また冷却部の鋼板温度を種々変化させた。この条
件も表2に記載した。得られたラミネート材の気泡面積
率を調査した。気泡面積率は、気泡体積が同一であって
もラミネート時の樹脂溶融層の厚みにより変化する。従
って、用いた樹脂を完全に溶融させた後(PETの場合
は260℃)に、気泡面積率を測定した。また、260
℃へ加熱する直前の気泡の内圧が高い程、260℃加熱
後の気泡面積率は増加する。従って、大気圧下での放置
の間に、気泡中のガス(この場合は空気)が透過して、
気泡の内圧が減少したことになる。
た。金属板1としては、電解クロム酸処理鋼板を用い、
樹脂フィルム2、2′としてPET(ポリエチレンテレ
フタレート)を260℃の板温にて大気中でラミネート
した。この時、無限軌道圧下装置13の圧下力を鋼板1
cm2 面積当たりの圧力として表2に示す範囲で変化さ
せた。また冷却部の鋼板温度を種々変化させた。この条
件も表2に記載した。得られたラミネート材の気泡面積
率を調査した。気泡面積率は、気泡体積が同一であって
もラミネート時の樹脂溶融層の厚みにより変化する。従
って、用いた樹脂を完全に溶融させた後(PETの場合
は260℃)に、気泡面積率を測定した。また、260
℃へ加熱する直前の気泡の内圧が高い程、260℃加熱
後の気泡面積率は増加する。従って、大気圧下での放置
の間に、気泡中のガス(この場合は空気)が透過して、
気泡の内圧が減少したことになる。
【0015】
【表2】
【0016】このようにして表2の空気を気泡として巻
き込んだ場合には、ラミネート時の圧下力に対応して気
泡体積は収縮し、かつ大気中放置の間に気泡の内圧が減
少し、ラミネート板を製缶加工する際には無害なものと
することができる。ラミネート速度の増加に伴い、空気
の巻き込み体積は増加するが、ラミネート速度の増加に
応じて、圧下力を増加させれば、気泡体積は一定レベル
(無害なレベル)まで収縮し、さらに大気圧放置により
気泡内圧を減少させるので、製缶時には問題にならな
い。これらの関係は圧下力をkgf/cm2 、ラミネー
ト速度をm/minで表示した時、次式の関係を満足す
れば気泡巻き込みの問題が解消されることが明らかとな
った。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
き込んだ場合には、ラミネート時の圧下力に対応して気
泡体積は収縮し、かつ大気中放置の間に気泡の内圧が減
少し、ラミネート板を製缶加工する際には無害なものと
することができる。ラミネート速度の増加に伴い、空気
の巻き込み体積は増加するが、ラミネート速度の増加に
応じて、圧下力を増加させれば、気泡体積は一定レベル
(無害なレベル)まで収縮し、さらに大気圧放置により
気泡内圧を減少させるので、製缶時には問題にならな
い。これらの関係は圧下力をkgf/cm2 、ラミネー
ト速度をm/minで表示した時、次式の関係を満足す
れば気泡巻き込みの問題が解消されることが明らかとな
った。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000
【0017】次に、シールボックス中の雰囲気気体を変
えて無限軌道圧下装置の加圧力200kgf/cm2 、
ラミネート速度300m/min、冷却部の鋼板温度8
5℃でラミネートした。その後、大気圧下の放置時間を
変えた後に、大気圧下で260℃まで再加熱した後の気
泡面積率を調査した。その結果、気泡面積率1%以下と
なるには空気では15日の放置日数であったが、ヘリウ
ムや炭酸ガスでは1日の放置でよかった。
えて無限軌道圧下装置の加圧力200kgf/cm2 、
ラミネート速度300m/min、冷却部の鋼板温度8
5℃でラミネートした。その後、大気圧下の放置時間を
変えた後に、大気圧下で260℃まで再加熱した後の気
泡面積率を調査した。その結果、気泡面積率1%以下と
なるには空気では15日の放置日数であったが、ヘリウ
ムや炭酸ガスでは1日の放置でよかった。
【0018】また表2、表3はポリエチレンテレフタレ
ート(融点265℃)を圧着温度260℃で行ったもの
であるが、ポリブチレンテレフタレート(融点230
℃)、ナイロン6(融点215℃)、酸変性ポリプロピ
レン(融点188℃)についても各々の融点での圧着温
度でラミネートして、表2、表3と同様の結果を得た。
さらに、表2、表3では素材として板幅500mmの電
解クロム酸処理鋼板を用いたが、錫めっき鋼帯、めっき
原板、ニッケルめっき鋼帯あるいは缶用アルミ帯を用い
ても表2、表3と同様の結果であった。また圧下装置と
して複数の圧下ロール装置を用いた場合、さらには圧着
直後の冷却によっても表2、表3と同様の結果であっ
た。
ート(融点265℃)を圧着温度260℃で行ったもの
であるが、ポリブチレンテレフタレート(融点230
℃)、ナイロン6(融点215℃)、酸変性ポリプロピ
レン(融点188℃)についても各々の融点での圧着温
度でラミネートして、表2、表3と同様の結果を得た。
さらに、表2、表3では素材として板幅500mmの電
解クロム酸処理鋼板を用いたが、錫めっき鋼帯、めっき
原板、ニッケルめっき鋼帯あるいは缶用アルミ帯を用い
ても表2、表3と同様の結果であった。また圧下装置と
して複数の圧下ロール装置を用いた場合、さらには圧着
直後の冷却によっても表2、表3と同様の結果であっ
た。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明の樹脂ラミネート法によれば、現
在の塗装・焼き付け工程における溶剤による環境汚染を
防止でき、また溶剤揮発エネルギー消費も皆無にでき
る。特に、本発明による高速ラミネートでは大量生産可
能で安価に安定して製缶素材を供給できると同時に、錫
めっきやテインフリーめっき(クロムめっき)等のめっ
きラインのライン速度とラミネート速度がマッチングす
るため、めっきライン内にラミネート設備を設置できる
ので、さらに安価に製造できる。
在の塗装・焼き付け工程における溶剤による環境汚染を
防止でき、また溶剤揮発エネルギー消費も皆無にでき
る。特に、本発明による高速ラミネートでは大量生産可
能で安価に安定して製缶素材を供給できると同時に、錫
めっきやテインフリーめっき(クロムめっき)等のめっ
きラインのライン速度とラミネート速度がマッチングす
るため、めっきライン内にラミネート設備を設置できる
ので、さらに安価に製造できる。
【図1】本発明のラミネート方法における無限軌道圧下
装置の例を示す概略断面図、
装置の例を示す概略断面図、
【図2】本発明のラミネート方法における雰囲気シール
装置の例を示す概略断面図である。
装置の例を示す概略断面図である。
1 金属板 2、2′樹脂フィルム 3、3′圧着ロール 4、5 支持ロール 6 圧下ロール 7 耐熱ブロック 8 エンドレス帯 9 耐熱ゴム帯 10 雰囲気シール装置 11 冷却部 12 冷却ノズル 13 無限軌道圧下装置(全体) 14 雰囲気シールロール
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B32B 31/20
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂フィルムを金属帯にラミネートする
際の圧着直後から冷却部にわたって、圧下しラミネート
する方法において、樹脂フィルムと金属帯間に発生する
面圧を20kgf/cm2 以上1000kgf/cm2
以下となる様に圧下し、かつ面圧(kgf/cm2 )と
ラミネート速度(m/min)の間に下記式の関係を満
足させ、さらに金属帯の温度は、圧着直後では金属帯側
の樹脂フィルムの融点以下とし、冷却部では樹脂フィル
ムのガラス転移温度以下とすることを特徴とする気泡巻
き込み体積を減少したラミネート方法。 面圧−10≧(ラミネート速度)2 /1000 - 【請求項2】 圧着開始部の雰囲気を分子量44以下の
気体で飽和することを特徴とする請求項1記載の気泡巻
き込み体積を減少したラミネート方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07046690A JP3140316B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 気泡巻き込み体積を減少したラミネート方法 |
EP96103561A EP0730952A3 (en) | 1995-03-07 | 1996-03-07 | Method for laminating a metallic strip with resin film, laminate thus obtained, and box formed from this laminate |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07046690A JP3140316B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 気泡巻き込み体積を減少したラミネート方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08238715A JPH08238715A (ja) | 1996-09-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3140316B2 (ja) |
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JP4681404B2 (ja) * | 2005-09-15 | 2011-05-11 | 新日本製鐵株式会社 | ラミネート方法 |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP07046690A patent/JP3140316B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08238715A (ja) | 1996-09-17 |
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