JP3139800B2 - フラットパネル画像表示装置 - Google Patents

フラットパネル画像表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、前面壁と蛍光スクリーン及び背
面壁を有する真空エンベロープを有するカラー画像表示
装置に関し、特に従来の画像表示装置とは明確に区別さ
れるフラットパネル画像表示装置(つまり、「前面から
背面への距離」が小さい画像表示装置)に関するもので
ある。
【0002】フラットパネル型の画像表示装置の分野に
おける多くの研究は、透明のフェースプレートと側壁に
より結合されている背面プレートとを有し、そのフェー
スプレートの内側面にはそれの一面に導電コーティング
が設けられている蛍光パターンが設けられている(この
結合を一般に蛍光スクリーンと称する)装置に関してい
る。通常数多くの電子ビーム発生手段が背面プレートに
配置されていてかつ数多くの偏向手段が蛍光スクリーン
の一部を各電子ビームが走査する事を可能とするように
設けられている。(画像情報により制御されている)電
子ビームが蛍光スクリーンに突入すると、フェースプレ
ートの前面側を介して見える可視像が形成される(電子
ビームと言う表現は、ビーム内の電子のパスが実質上平
行であるか又は互いにわずかな角度で延在していてかつ
電子が移動する主方向が存在していることを意味するも
のと理解すべきである。)既知の電子ビーム制御装置
は、複雑な電子ビーム発生、収束及び/又は増幅手段と
複雑な偏向手段とを必要とする。
【0003】フラットフェースプレートと背面プレート
とを有する薄型CRT表示装置の場合には大気圧がフェー
スプレートと背面プレートに大きな力を及ぼす。内部で
手段が講じられていない場合には、表示スクリーンの寸
法が大きくなるにつれ、フェースプレートと背面プレー
トを厚くしなければならない。
【0004】この様な状況に於て本発明の目的は、上述
した装置の欠点を本質的に有しないフラットパネル画像
表示装置を提供することにある。
【0005】本発明によると、前面壁と蛍光スクリーン
及び背面壁を備えた真空エンベロープを有するカラー画
像表示装置は、複数の並置された電子放出源と、前記背
面壁に隣接しかつ前記電子放出源と協働しかつ真空中を
電子流の形態で電子を移送させる電子移送に適した二次
放出係数を有する実質的み電気絶縁体の材料の壁を有す
る電子ダクト、そのダクトから予め決められている(特
に順次の)位置で各電子流を引き込む手段及び前記蛍光
スクリーン上の所望の位置に対して当該電流を向ける手
段とを有し、当該蛍光スクリーンが異なった色(例えば
赤、緑及び青)を発光させる蛍光発光エレメントが繰り
返されるトリプレットのパターンを有し、電気絶縁材料
のフルスペーサ(flu-spacer)構造が前記蛍光スクリーン
に隣接して配置されている。フルスペサー構造とは蛍光
スクリーンに隣接しているスペーサを意味するものと理
解するべきである。
【0006】フラットパネル画像表示装置を提供する本
発明は、十分なパワーの電界が(コンパートメントの両
端に大きな電位差を与えることによって)コンパートメ
ントの長さ方向に実現される場合、実質上電気絶縁体で
ある材料(例えばガラス)の高電気抵抗の壁によって規
定される細長の真空空洞(コンパートメントと称する)
の壁に電子が突入すると電子移送が可能であると言う発
見に基づいている。この場合、突入する電子は壁とのイ
ンタラクションにより二次電子を放出し、これらは別の
壁のセクションに引き寄せられそしてそこでも壁とのイ
ンタラクションにより二次電子を放出する。後に詳細に
説明するように条件(フィールド強度、壁の電気抵抗、
壁の二次放出係数δ)は、一定真空電流がコンパートを
流れるように選択しても良い。
【0007】コンパートメントから(開口を介して)所
望の位置で電子を引き込みかつ、例えば加速フィールド
によりそれらを蛍光スクリーンの方向に向けることによ
り画像を蛍光スクリーン上に形成させることが出来る。
【0008】最大のランディング率は蛍光スクリーン上
に画像パターンをデルタ配置(三角形内に配置されてい
るトリプレット)に形成することにより得られる。この
ランディング率は、カラーラインを有するスクリーンの
場合におけるよりも例えばより大きくしても良い。更に
カラーラインのスクリーンを有するマトリックス型ディ
スプレイの場合には、画像内に(例えばストライプ構
造)のアーテファクト(artefact)が生じる可能性がある
が、これらのアーテファクトは除去する事が出来る。
【0009】第一実施例が特徴とする点は、各電子流を
前記蛍光スクリーン上の所望の位置に向ける前記手段
が、前記蛍光スクリーンから前記フルスペーサ構造によ
り分離されている電気絶縁材料の開口を有する選択プレ
ートを有し、前記選択プレートの各開口が前記(特に、
プレート形状又はハニカム形状の)フルスペーサ構造内
の開口を介して前記蛍光発光エレメントの一個に関連し
ている点である。所望の真空保持は、前記結合:電子ダ
クトの側壁・選択プレート・フルスペーサ構造によって
得られる。
【0010】フルスペーサ構造を、例えば電子ダクトの
内側壁に対し(約60゜の)ある角度で延在する相互に平
行な壁のシステムとしても良い。これは、蛍光発光エレ
メント及びデルタ配置により可能となり、そして当該側
壁とスペーサ壁が平行である場合よりもより安定した構
造をもたらす。
【0011】しかしながら望ましい一実施例が特徴とす
る点は、前記フルスペーサ構造が前記蛍光発光エレメン
トに対応する開口を有するプレート形状又はハニカム形
状の構造を有している点である。これらの開口の各々は
隣接する選択プレート内の一個の開口の開口エレメント
に対応している。安定性がより大きくなる点に加えこれ
らの構造の使用による別の利点は、蛍光スクリーンから
バックスキャッタされる電子が他の蛍光発光エレメント
に到達することがないので、これによりコントラストと
色純度が改善される点である。
【0012】選択手段は、これらの電極が行の開口を介
してダクトから電子流を引き込むように(正の)第一電
圧(パルス)の手段によって活性化可能であり、または
ダクトから電子が局所的に引き込まれるべきでない場合
には(より低い)第二電圧の手段により活性化可能であ
る電極を選択プレートの開口に行毎に設けることによっ
て得られる。この選択手段により引き込まれる電子は加
速電圧を印加することによりスクリーンの方向に向ける
ことが出来る。
【0013】電子放出源により発生された全ての電子流
は、蛍光スクリーンの上側端又は下側端の方向に少なく
とも高さの一部分に渡って電子ダクト内にガイドされる
べきである。この目的のために電子放出源の一列又は電
子放出源の複数の平行列を設けても良い。
【0014】これらの電子放出源の各々はそれが協働す
る電子ダクト内に配置しても良いし、それらが協働する
電子ダクトの入射部分に対向する外側に位置させても良
い。
【0015】電子放出源とそれと協働する電子ダクトの
入射部分との間に十分大きな正の電圧差を印加すること
により放出される電子は、電子ダクトの方向に加速さ
れ、その後それらは壁とのインタラクションにより電子
ダクト内で二次電子を発生させる。
【0016】電子ダクトからライン順次的に引き込まれ
た電子は、電子ダクトとスクリーンとの間に十分大きな
電圧差、例えば3kVを印加することにより蛍光スクリー
ンの方向に(ビームとして)加速させることが出来る。
この様にして一時に一本の画像ラインを書くことが出来
る。ビデオ情報(グレースケール)も、例えばパルス幅
変調の形態で表示させることが出来る。スクリーンへの
距離をスポットを小さくしたまま非常に小さくすること
も可能である。
【0017】
【実施例】本発明の上述した又他に特徴とする点は、こ
れ以降に記載される実施例から明らかとなるであろう。
対応する部品には同一の参照番号が付されている。
【0018】図1と図2のAは、表示パネル(窓)3と当該
パネルに対向して位置する背面壁4とを有する本発明の
フラットパネル画像表示装置を示す。図1の一点鎖線の
円内に示されている赤(R)、緑(G)及び青(B)の蛍光発光
エレメントのトリプレットが繰り返されるパターンを有
している蛍光スクリーン7が、窓3の内側面に配置されて
いる。この場合トリプレットのドット形状の蛍光発光エ
レメントは、一辺aの正三角形の頂点に位置している。
例えば、600と言う多数の電子エミッタ又は同様な数の
個別のエミッタを電極手段によって提供する、例えばラ
インカソードの、電子発生源部5は、パネル3と背面壁と
を連結する壁2の近傍に存在している。これらのエミッ
タの各々は、多くの型のカソード(冷陰極又は熱陰極)
をエミッタとして使用可能とするように小電流を提供す
る。それらのエミッションは一定でも良いし制御可能で
あっても良い。電子発生源部5は、スクリーンに実質上
平行に延在する一列の電子ダクトの入射口に対向して配
置されている。それらのダクトは、一個のコンパートメ
ントが各電子発生源に対応しているコンパートメント6,
6’, 6”により構成されている。各コンパートメント
の少なくとも一面の壁(望ましくは背面壁)は、本発明
の目的に対し適切な高抵抗(例えば、被覆された又は被
覆されていないセラミック材料、ガラス、合成材料)を
有しかつ一次電子エネルギの所定範囲内で二次放出係数
δ>1を有する(図4参照)材料から形成されている。壁
材料の電気抵抗は、コンパートメントの軸方向のフィー
ルド強度が電子移送に必要な100〜数100 V/cmのオーダ
である場合に壁内を流れる電流の合計値が最小となる
(望ましくは、例えば10mA以下)様な値を有している。
数10〜数100 Vのオーダの電圧(電圧の値は条件に依存
する)を電子発生源の行5とコンパートメント6,6’,6”
との間に印加することにより、電子は電子発生源からコ
ンパートメントの方に加速され、その後それらはコンパ
ートメント内の壁に衝突して二次電子を発生させる。
【0019】本発明は、電気絶縁材料の壁を有するコン
パートメント内の真空電子移送が、十分なパワーの電界
(Ey)がコンパートメントの長手方向に印加される場合に
可能になると言う認識に基づいている。この様な電界に
よって、コンパートメントの壁の実効二次放出係数δ
effが動作中平均して1となるようにコンパートメントに
注入される電子の所定のエネルギ分布と空間分布が実現
される。これらの状態では(平均して)電子が一個入射
する毎に一個の電子が去り、換言すれば電子流はコンパ
ートメント中で一定でありかつ入射する電流に略等しい
と言える。壁材料が充分高抵抗である場合(全ての型の
適切な非処理ガラス並びにカプトン(商品名)、パーテ
ィナックス(商品名)及びセラミック材料の場合)に
は、コンパートメントの壁は、何等のネット電流をも発
生させず又はそれを取り込む事は出来ないので、厳密な
近似においてすらこの電流は入射電流に等しくなる。電
界が放出係数δeff=1となるのに必要な最小値よりも大
きい場合には、次の事が発生する。δeffが1を越えると
瞬時に、壁は不均一に正にチャージされる(コンダクタ
ンスが非常に小さいためこのチャージが消滅することは
ない)。この結果電子はこの正電荷が存在しない場合よ
りも平均してより早く壁に到達する事になる。つまり、
長手方向の電界により与えられる平均エネルギーは、δ
eff=1の状態が得られるようにより小さくなるであろ
う。この点は、その値が前述した最小値よりも大きい構
造は、電界の正確な値は重要でないと言う理由により望
ましい利点である。
【0020】他の利点は、δeff=1の状態に於いてコン
パートメント内の電子流が一定でありかつ測定とフィー
ドバックにより、又は電流制御により一定の画像が蛍光
スクリーン上に得られるように各コンパートメントに対
する電子流を非常に満足行くように等しくすることが出
来る点である。
【0021】パネル3の内側壁内に配置されている蛍光
スクリーン7に面しているコンパートメントの壁は、図
1の実施例の選択プレート10(図2のA参照)によって構
成されている。選択プレート10は引出し開口8,8’,
8”,...を有している。個々に駆動されるエミッタは、
選択電圧により活性化されるストリップ形状の選択電極
9,9’,9”,...の平行な開口が設けられているパターン
との結合で使用されることが望ましい。これらの電極は
プレート10の主面の内の一方又は両方に設けられる。ど
の場合に於いても開口8,8’, 8”,...の壁を金属により
形成しても良い。開口8,8’, 8”,...と蛍光発光エレメ
ントR, G, Bとの間の結合を形成する、この場合には開
口14を有する、プレートでフルスペーサ構造12は、プレ
ート10をフェースプレート3から離間させかつ取り出さ
れた電子ビームの横方向の局在化を確実にして開口1
4,...が電子ビームパスを正確に囲む様にする。選択電
極がプレート10のスクリーン7に面している面に配置さ
れている場合、それらが構造12の開口14の壁の間に位置
しているこれらの面領域を少なくとも完全に覆っている
場合には、有利となる(例えば図2のC参照)。選択電極
9,9’,9”,...は、例えば図2のBに示されているように
(開口8,8’, 8”,...の領域で貫通された拡大する電
極)各画像ライン毎に形成される。電極材料は開口8,
8’, 8”,...の壁を覆っていても良い。スクリーン7上
の所望の位置は、各々のカソードと選択電極9,9’,
9”,...の(マトリックス)駆動によりアドレスさせる
ことが出来る。(カソード側から見て)実質上線形に増
大する電圧が、電極9,9’,9”,...に、例えば電圧分割
抵抗器により印加される。一本の画像ラインを得ようと
する場合、つまり平行なコラム内のそれらの後ろに流れ
る電流から一行の一開口内の開口を介して電子を引き込
むには、パルス状電圧ΔUを局所電圧に加える。コンパ
ートメント内の電子が壁との衝突により低い速度を有し
ていると言う事実に鑑み、ΔUは(例えば100V〜200Vと
言うオーダの)低い値でも良い。電圧差Vaは、移送電界
を供給するようにコンパートメントの高さ全体に渡って
印加される。
【0022】電子ダクトの壁に使用される材料は、高電
気抵抗と一次電子エネルギーEpのある領域E1-E2につい
て少なくとも二次放出係数がδ>1(図4参照)である二
次放出係数を有していなければならない。E1は、例えば
1〜数十eVと言うような可能な限り低い値が望ましい。
特定な型のガラス(E1がほぼ30eV)、セラミック材料、
パーティナックス及びカプトンがこの要求を満たす。こ
の要求を満たさない材料には、例えば(例えばMgOの)
適切なコーティングを設けても良い。
【0023】電気抵抗は、電子ダクトの(全長又は一部
に渡って)電子誘導のみならず増幅も必要であるか否か
に依存し、そして消費されるパワーとの関連で壁内にど
れだけの合計電流が流れるかに依存している。
【0024】電子誘導モードのみが望ましい。その場合
の電気抵抗は106と1013Ωの間の範囲とすることが可能
である。これに代えて電子ダクトのカソード側の部分の
抵抗を増幅が可能となるように、例えば10kΩと100kΩ
の領域の低抵抗とさせても良い。これらの値により必要
なパワーを100W以下に維持させることが出来る。
【0025】上記の例において、長さ17cmかつ1mmの直
径のボアが設けられている(長さに渡って測定された電
気抵抗>1015Ωの)鉛ガラスのコンパートメントの両端
に3.5kVの電圧を印加することにより電子移送が実現し
た。
【0026】ダクトの壁を構成機能と二次放出機能とを
有する電気絶縁材料から構成しても良いことに更に注目
すべきである。これに代えてそれらを構成機能を有する
電気絶縁材料(例えば合成材料)に、二次放出機能を有
する層(例えば石英又はガラス又はMgOのようなセラミ
ック材料)を設けた材料から構成しても良い。
【0027】電子誘導に必要な電子ダクトにかけるべき
電圧はダクトの長さと共に増大する。しかしながら、例
えば表示装置の一端の近くの代わりに中心に(ライン)
電子発生源を配置することによりこの電圧を減少させる
こともできる。電子発生源が表示装置の一端の近くに配
置されている場合に高さに渡って6kVの電圧差を印加さ
せる代わりに、例えば3kVの電圧差をダクトの中心とそ
れらの一方の端との間に印加して、一方向に電流を引き
出し、続いて同じ電圧差を中心と他方の端との間に印加
して、反対方向に電流を引き出すようにすることも可能
である。複数の平行な列電子発生源を使用することはこ
の点で更に利点となる。
【0028】選択電極により電子ダクトにおける開口か
ら引き出される電子は、一時に一本の画像ラインが書き
込まれる蛍光スクリーン7の方向に更に向けられる。ビ
デオ情報は、例えばパルス幅変調の形態で与えることが
出来る。例えば電子ダクトと協働するカソードをより短
い時間あるいはより長い時間について活性化させること
が出来る。白のピクセルを発生させるためにはカソード
を、例えばこの場合には完全なラインピリオドの間に活
性化させても良い。この代わりにラインピリオド全体の
間カソードの活性化を一定にして、放出レベルを制御し
ても良い。
【0029】図3は開口と選択ストリップを有する選択
プレート20の一部の正面図である。蛍光スクリーンの蛍
光発光エレメントR, G, B...は開口を介して見える位置
にある。これらのエレメントは図1の一点鎖線の円内で
示したように配置されている。この場合選択プレート20
は、(六角形の開口のパターンを有している)プレート
形状のスペーサ構造とは協働せず、ピッチaで配置され
ている相互に平行な壁21, 22, 23, 24,...を有しかつピ
ッチa√3で配置されている電子ダクト側壁25, 26, 2
7,...に対しほぼ60゜の角度で延在しているスペーサ構
造と協働する。
【0030】既に第一パラグラフで述べた様に、開口を
有するプレート構造又はハニカムスペーサ構造の使用
は、コントラストと色純度に関する限り60゜の角度で配
置されている壁を有するスペーサ構造の使用よりも有利
である。ハニカム構造28の一部が図8に示されている。
【0031】図5は、開口31, 31'...を有する選択プレ
ート29Aと開口R, G, Bを有するファイン選択プレート29
Bとを有する選択プレート構造32を備えた本発明の表示
装置の一部の実施例を断面図で示している。この場合3
個のファイン選択開口R, G, Bは各プレ選択開口31, 31'
と関連している(挿入図参照)。3個以外の数も又可能
である。中間スペーサ構造29Cがプレ選択プレート29Aと
ファイン選択プレート29Bとの間に配置されている。
【0032】電子移送ダクト30は構造32と背面壁との間
に形成されている。開口31, 31',...を介して移送ダク
ト30から電子を引き出すことを可能とするために、貫通
された金属プレ選択電極34, 34'...がプレート29A上に
配置されている。開口31, 31',...の壁は金属被覆され
ているが、プレート29Aの電子が到達する側の面には殆
どあるいは全く電極は存在しない。この事はアドレッシ
ングの間、選択電極に何の電子も残存しない(つまり電
極が電流を引き込むべきではない)ことを確実にする。
電流を引き込む問題に関する別の解決方法は、電子が到
達する選択プレート面上に電極金属がある場合には、こ
の金属が、プレ選択電極が何等のネット電流をも引き込
まないような充分大きな二次放出係数を確実に有する様
にする事である。
【0033】図1の構成のプレート10と同様にファイン
選択プレート29Bは、カラー選択を実現させるために
(ファイン)選択電極を有している。この点でカラー選
択電極に各々の色に対して(例えばカップリングキャパ
シタを介して)電気スルー接続を与えることを可能とす
ることも重要である。事実プレ選択は既に行われてい
て、電子はもはや誤った位置に到達することはない。こ
の事は、この形態のカラー選択に対しては、3個の別々
に活性化可能であるカラー選択電極の一グループ又は小
数のグループしか必要でないことを意味する。この代わ
りに他のモードも可能であるが、駆動は例えば次のよう
に実行される。コース(粗)選択とファイン選択電極の
両方に実質上線形に増大するポテンシャルが(例えば適
切な電圧分割抵抗器によって)与えられる。この場合、
ファイン選択電極のポテンシャルはコース選択電極のそ
れよりもわずか低い。一本(又はそれ以上)の画像ライ
ンが、例えば200Vの正電圧パルスを所望のコース選択電
極に印加することにより選択される。続いてカラーピク
セルが、例えば300Vの大きさのより短いパルスをファイ
ン選択電極に印加することによりアドレスされる。
【0034】ファイン選択プレート29Bを、前述したフ
ルスペーサ構造(図1における12”;図3における"21",
"22", "23", "24";図8における"28")の1個により蛍
光スクリーンから分離させることも可能である。フルス
ペーサの材料を低二次放出とするか又はこの特性を有す
るコーティングをその上に設けることが望ましい。加え
て満足の行く動作に対する他の条件も重要である。それ
は、例えば図2のCに示される様に、各(ファイン)選択
電極をスペーサ開口を介して見たときに選択プレートの
絶縁材料が見えないような寸法にすべきであると言う点
である。
【0035】図6はピッチPを有する移送ダクト41,41',4
1”,...の前面壁を構成する選択プレート40の一部を線
図的に示す。水平方向の画像分解能は移送ダクトのピッ
チによって決定される。従ってこのピッチを減少させる
ことによってより良い解像度が得られる。しかしながら
この事は電子流を移送するのに必要となるダクトの長さ
に渡る電圧差が増大すると言う欠点を有していて、これ
は常に望ましいことではない。この問題は、図6を参照
していかに説明されるように、移送ダクトのピッチを変
えないで選択開口と電極のパターンを適切にする事によ
って解決することが出来る。
【0036】図6は2個のプレ選択開口が各行内において
各プリ選択位置に対して(p/2)のピッチで与えられてい
る場合を示す。各選択電極42は、図示されるように2個
の開口されたサブ電極43aと43bに分割されていて、これ
によりコンタクトが単純化される。このようにして水平
方向の解像度を図5に示される構成のそれの倍とするこ
とが可能となり、一個の電子エミッタと各々協働する移
送ダクト11,11',11”,...は同様にかつ同一の電圧で動
作させることが可能となる。赤(R)、緑(G)及び青(B)の
色を選択するファイン選択プレート内のファイン選択開
口は、例えば図7で示されるように各プレ選択開口44,4
4',...と関連している。ここで示されるシステムはマル
チプレックスモードで動作させることが出来る。この事
は例えば2個の電子流と6個の蛍光発光エレメントが1個
の電子エミッタの手段により、1個のラインピリオド内
においてマルチプレックスに動作させることが出来る。
これに代えて他のマルチプレックスモードも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子ダクト、選択プレート及びフルスペーサ
構造(これらの部品は比例関係では描かれていない)を
有する本発明の画像表示装置の構造の一部を、その内部
を部分的に開示させて、示す線図的な斜視図である。
【図2】 Aは本発明の装置の一般的な動作を示すため
の図1の構成の内部構造を示した側面図で、Bは図1の構
成に使用される有孔選択プレートの一部の前面図で、C
は隣接するフルスペーサ構造内の開口を介して見て選択
電極が設けられている選択プレートの一部の前面図であ
る。
【図3】 別の構成に対する図2のBと同様な選択プレー
トを示す。
【図4】 本発明の特徴である壁材料に対して一次電子
エネルギEpの函数として二次放出係数δをプロットした
グラフを示す。
【図5】 図2のAの構成に代わる、プレ選択及びファイ
ン選択用の選択プレートを有する構成の一部分の「縦方
向の」断面図である。
【図6】 プレ選択用の別の構成を示す。
【図7】 図6の詳細を示す。
【図8】 別の構成用のハニカム形状のスペーサ構造を
示す。
【符号の説明】
2:壁 3:表示パネル(窓) 4:背面壁 5:電子発生源部 6, 6’,6”:コンパートメント 7:蛍光スクリーン 8,8’,8”:引出し開口 9,9’,9”:選択電極 10:プレート 11,11'11”:移送ダクト 12:フルスペーサ構造 14:開口 20:選択プレート 21, 22, 23, 24...:壁 25, 26, 27,...:側壁 29A, 29B:選択 29C:中間スペーサ構造 30, 31':プレ選択開口 30:電子移送ダクト 32:構造 41,41',41”:移送ダクト 44,44':プレ選択開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 590000248 Groenewoudseweg 1, 5621 BA Eindhoven, T he Netherlands (72)発明者 ペトラス・ヒューベルタス・フランシス カス・トゥロムペナーズ オランダ国 アインドーフェン フルー ネヴァウツウェッハ 1 (72)発明者 シーベ・ティエルク・デ・ツバルト オランダ国 アインドーフェン フルー ネヴァウツウェッハ 1 (72)発明者 ニコラース・ランバート オランダ国 アインドーフェン フルー ネヴァウツウェッハ 1 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/20 H01J 29/32

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面壁と蛍光スクリーン及び背面壁を備
    えた真空エンベロープと、複数の並置された電子放出源
    と、前記背面壁に隣接しかつ前記電子放出源と協働しか
    つ真空中を電子流の形態で電子を移送させる電子移送に
    適した二次放出係数を有する実質的に電気絶縁体である
    材料の壁を有する電子ダクトと、そのダクトから予め決
    められている位置で各電子流を引き込む手段と、前記蛍
    光スクリーン上の所望の位置の方向に当該電流を向ける
    手段とを有し、当該蛍光スクリーンが赤、緑及び青の蛍
    光発光エレメントのトリプレットが繰り返されるパター
    ンを有し、電気絶縁材料のフルスペーサ構造が前記蛍光
    スクリーンに隣接して配置されているカラー画像表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記フルスペーサ構造が、前記蛍光発光
    エレメントに対応する開口を有するプレート形状又はハ
    ニカム構造を有していることを特徴とする請求項1記載
    の装置。
  3. 【請求項3】 各電子流を前記蛍光スクリーン上の所望
    の位置に向ける前記手段が、前記蛍光スクリーンから前
    記フルスペーサ構造により分離されている電気絶縁材料
    の開口を有する選択プレートを有し、前記選択プレート
    の各開口が前記プレート形状又はハニカム形状のフルス
    ペーサ構造内の開口を介して前記蛍光発光エレメントの
    一個に関連している事を特徴とする請求項2記載の装
    置。
  4. 【請求項4】 前記選択プレートが開口を有するプレ選
    択プレートと協動し、前記プレ選択プレート内の前記開
    口が前記移送ダクトに通じていて、中間スペーサ構造が
    前記プレ選択プレートと前記選択プレートとの間に配置
    されていてかつ前記プレ選択プレート内の各開口が前記
    選択プレート内の少なくとも2個の開口と関連している
    事を特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記プレ選択プレート内の各開口が前記
    選択プレート内の3個の開口に関連していて、かつ当該3
    個の開口の1個が、1個のトリプレットの前記赤色蛍光発
    光エレメントに関連し、1個が前記青色蛍光発光エレメ
    ントに関連しかつ1個が緑色蛍光発光エレメントと関連
    している事を特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記プレ選択プレート内の前記開口に、
    前記開口の位置で貫通しているストリップ形状のプレ選
    択電極が列毎に設けられている事を特徴とする請求項3
    又は4記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記プレ選択電極が電圧分割抵抗器を介
    して共に接続されている事を特徴とする請求項6記載の
    装置。
  8. 【請求項8】 前記選択電極が色毎に電気的にスルー接
    続されている事を特徴とする請求項6記載の装置。
  9. 【請求項9】 各移送ダクトが、前記プレ選択プレート
    内の開口の2個の平行な列と協動する事を特徴とする請
    求項4記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記電子ダクトが、蛍光発光エレメン
    トの前記トリプレットのピッチの二倍のピッチを有して
    いる事を特徴とする請求項4記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記ストリップ形状のプレ選択電極
    が、前記プレ選択プレートのスクリーン側の面に配置さ
    れている事を特徴とする請求項6記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記選択プレート内の前記開口の周囲
    の、前記フルスペーサ構造の前記開口を介して見て、前
    記選択電極材料のみが見える事を特徴とする請求項11
    記載の装置。
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