JP3139296U - 歯間ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い歯間挿入性並びに清掃性が得られ、また、良好な使用感が得られるとともに、用毛の耐久性に優れた歯間ブラシを提供する。
【解決手段】把持部21とブラシ固定部22とを有するハンドル2と、ワイヤ31間に複数の用毛からなる毛束32を挟持させ、ワイヤ31を捻り加工することによって毛束32が固定されるとともに、一端側がワイヤ31からなる首部35とされ、該首部35の端部35aがハンドル2のブラシ固定部22に取り付けられるブラシ部材3とを具備しており、毛束32をなす用毛の内の少なくとも一部が、表面に複数の凹部34が形成された用毛33である。
【選択図】図1

Description

本考案は、通常の歯ブラシによるブラッシングでは歯垢清掃が困難な歯間部分を清掃するための歯間ブラシに関する。
歯間ブラシは、主として、通常の歯ブラシでは毛先が届き難い歯と歯の間の狭い場所、つまり隣接歯間を清掃するための補助清掃用具として使用されるものであり、通常、2つ折りとされたワイヤの間に合成繊維あるいは天然繊維の束からなるフィラメント(用毛)を複数挟んで毛束とし、ワイヤを捻り加工してフィラメントを捻り止めしたブラシ部材と、該ブラシ部材のワイヤ基端が埋め込み固定されるハンドルから構成されるのが一般的である。そして、このような歯間ブラシは、前記ブラシ部材のワイヤ基端が、樹脂製のハンドルにインサート成形された構成とされる(例えば、特許文献1を参照)。
また、従来の歯間ブラシでは、ブラシ部材を歯間の狭い隙間に挿入するため、用毛を挟持するワイヤとして、直径0.23〜0.35mm程度の細いワイヤが使用される。また、毛束を構成する用毛としては、一般に、径が0.05〜0.09mm(2〜3.5mil)程度の樹脂製で、横断面が円形状であり、縦断面がストレート形状とされたものが用いられている。
上記構成の歯間ブラシにおいては、歯間部空隙の個人差に合わせ、例えば、SSS、SS、S、MやL等のサイズが設定されており、SSS等の小さなサイズの歯間ブラシほど、L等の大きなサイズの歯間ブラシに比べて細い径のワイヤ及び用毛が用いられるとともに、毛切り径も小径とされ、狭い歯間への挿入が容易な構成とされている。このような歯間ブラシは、用毛の径が細いほど歯茎の痛みが小さく、当たり心地が良いものとなる。しかしながら、上記構成のような小サイズの歯間ブラシの場合、ワイヤが低強度であるとともに、用毛のへたりが早いために耐久性に劣るものとなり、使用開始後、短期間で歯垢除去効果が低下するため、清掃性に劣るという問題がある。
上述のような小径のワイヤの強度特性を改善するため、0.2〜0.35mm程度のワイヤにおいて、ばね用として用いられるCo合金からなる金属材料を採用し、繰り返して屈曲した場合でもワイヤが折れ曲がり難い構成とされた歯間ブラシが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、従来の歯間ブラシでは、毛束を構成する用毛として、一般的に、ポリアミド樹脂(6−12ナイロン、6−10ナイロン)やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の合成樹脂が用いられている。また、近年、通常の歯ブラシの分野において、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)やポリエチレンテレフタレート(PET)を用毛の材料に用いたものが提案されており(例えば、特許文献3〜5を参照)、上記特許文献1に記載の歯間ブラシにおいても、上記特許文献3〜5に記載の歯ブラシと同様の材料を用毛に用いることが提案されている。
ここで、上述のようなPTT樹脂を用毛の材料に用いた場合、PTT樹脂は屈曲回復性や柔軟性に優れているため、ナイロン樹脂やPBT樹脂を用いた場合に比べ、毛束が拡がり難く、高い清掃効果を長期間に亘って維持することができるという効果がある。しかしながら、PTT樹脂からなる用毛を用いた場合、毛束が拡がり難いことから歯間ブラシの交換時期、つまり耐用期間が使用者からは判り難いため、既に耐用期間を過ぎた歯間ブラシが長期に亘って使用されることがある。このような場合には、用毛に繰り返し応力が加えられ続けるので、用毛の断裂や折れ等の機械的損傷が生じることがある。
このため、PTT樹脂からなる用毛の損傷防止を目的として、例えば、PTT樹脂とポリエステル系樹脂とからなる合成樹脂製のモノフィラメントを用いた歯間ブラシが提案されている(例えば、特許文献6)。しかしながら、特許文献6に記載の歯間ブラシの構成では、用毛の耐久性は高められているものの、歯肉に対する刺激が強くなり、使用感が低下するという問題がある。
また、通常の歯ブラシの分野においては、PTT樹脂からなる用毛の劣化状態を可視的に表示させるため、用毛を二重の芯鞘構造とし、磨耗によって用毛の色彩や色の濃淡が変化する構成とされた歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献7)。特許文献6に記載の歯ブラシによれば、毛束の開き具合によることなく、歯ブラシの交換時期を使用者に知らせることが可能となるというものである。しかしながら、特許文献7に記載の通常の歯ブラシにおける用毛の構成を歯間ブラシの用毛に適用した場合でも、上記同様、歯肉に対する刺激が強くなり、使用感が低下するという問題がある。
特開2003−102548号公報 特許第2538533号公報 特開2003−144227号公報 国際公開01/75200パンフレット 特表2001−511379号公報 特開2005−270366号公報 特開2005−103184号公報
従来の歯間ブラシでは、歯間への挿入性を向上させるため、上述したように、細い径の用毛を用いたり、毛束の毛切り径を小さくしたり、あるいは柔軟な材料を用毛に用いる等の他、用毛の本数を減らして植毛密度を下げる等の工夫が行なわれていた。
しかしながら、径の細い用毛を用いたり、あるいは植毛本数を減少させた構成とした場合、狭い歯間へのブラシ部材の挿入を繰り返した際に、用毛に対して急角度(略直角)に傾斜させる強い応力が作用するため、用毛のへたりが早く耐久性が低いという問題があった。また、毛束の毛切り径を小さくした場合には、用毛の腰が強くなって屈曲し難くなるため、歯肉に対する刺激が強くなり、使用者が痛みを感じる虞があった。また、柔軟な材料を用毛に用いた場合、用毛のへたりが早く、清掃効果が低下するという問題があった。またさらに、PTT樹脂等の耐久性に優れる樹脂材料を用毛に用いた場合には、用毛がへたりにくいために長期間に亘って使用される場合があり、用毛の断裂や折れ等の機械的損傷が発生する虞があるとともに、歯肉に対する刺激が強くなり、使用者が傷みを感じる虞があるという問題があった。
本考案は上記問題に鑑みてなされたものであり、高い歯間挿入性並びに清掃性が得られ、また、良好な使用感が得られるとともに、用毛の耐久性に優れた歯間ブラシを提供することを目的とする。
本考案者等は、上記問題を解決ために鋭意研究したところ、ブラシ部材において、毛束を構成する用毛の表面形状の改善することにより、優れた操作性と清掃性、良好な使用感と高い耐久性が同時に実現できる歯間ブラシが得られることを見出し、本考案を完成した。
本考案は、把持部とブラシ固定部とを有するハンドルと、ワイヤ間に複数の用毛からなる毛束を挟持させ、前記ワイヤを捻り加工することによって前記毛束が固定されるとともに、一端側が前記ワイヤからなる首部とされ、該首部の端部が前記ハンドルのブラシ固定部に取り付けられるブラシ部材とを具備した歯間ブラシであって、前記毛束をなす用毛の内の少なくとも一部が、表面に複数の凹部が形成された用毛であることを特徴とする歯間ブラシを提供する。
また、本考案の歯間ブラシは、前記毛束をなす用毛の内の少なくとも一部が、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなる構成とすることができる。
ことを特徴とする請求項1に記載の歯間ブラシ。
また、本考案の歯間ブラシは、前記複数の凹部が形成された用毛が、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなる構成とすることができる。
また、本考案の歯間ブラシは、前記複数の凹部が、前記用毛の長さ方向において、用毛径方向で相対する位置に形成された構成とすることができる。
また、本考案の歯間ブラシは、前記複数の凹部が、前記用毛の長さ方向において、用毛径方向で交互にずれて形成された構成とすることができる。
また、本考案の歯間ブラシは、 前記複数の凹部の内の少なくとも一部が、断面半円形状、断面矩形状、断面三角形状、あるいは断面台形状の内の何れかの形状とされた構成とすることができる。
また、本考案の歯間ブラシは、前記用毛の径が0.03〜0.13mmの範囲であることがより好ましい。
本考案の歯間ブラシによれば、把持部とブラシ固定部とを有するハンドルと、ワイヤ間に複数の用毛からなる毛束を挟持させ、ワイヤを捻り加工することによって毛束が固定されるとともに、一端側が前記ワイヤからなる首部とされ、該首部の端部がハンドルのブラシ固定部に取り付けられるブラシ部材とを具備してなり、毛束をなす用毛の内の少なくとも一部が、表面に複数の凹部が形成された用毛である構成とされているので、用毛並びに該用毛からなる毛束が柔軟性及び耐久性に優れたものとなる。これにより、歯間にブラシ部材を挿入するのが容易であり、優れた清掃効果及び使用感が得られ、また、超寿命の歯間ブラシを実現することができる。
以下、本考案の一実施形態である歯間ブラシについて、図1〜図8を適宜参照しながら説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態の歯間ブラシ1は、把持部21とブラシ固定部22とを有するハンドル2と、ワイヤ31間に複数の用毛33からなる毛束32を挟持させ、ワイヤ31を捻り加工することによって毛束32が固定されるとともに、一端側がワイヤ31からなる首部35とされ、該首部35の端部35aがハンドル2のブラシ固定部22に取り付けられるブラシ部材3とを具備し、毛束32をなす用毛の内の少なくとも一部が、表面に複数の凹部34が形成された用毛33からなり、平面視でI字型の歯間ブラシとして概略構成されている。
また、本実施形態の歯間ブラシ1は、毛束32を構成する用毛の全てが、表面に複数の凹部34が形成された用毛33が用いられてなる構成とされている。
なお、本考案において説明する凹部とは、一例として、エンボス加工によって得られる凹部である。
ハンドル2は、細長のロッド状に形成され、把持部21と、ハンドル2の一端側に設けられ、ブラシ部材3が取り付けられるブラシ固定部22とが一体に成形されてなる。
把持部21は、歯間ブラシ1を使用する際に手指で把持するものであり、図示例では細長棒状で、横断面円形状に形成されている。また、把持部21は、使用者が指で掴み易いように、例えば、横断面で多角形状に形成しても良い。また、把持部21の表面21aに、例えば、凹凸加工等を施すことが、使用者が指で把持部21を掴んだ際に指が滑りにくく、使用性が向上する点でより好ましい。
ブラシ固定部22は、把持部21と一体に形成され、内部に、詳細を後述するブラシ部材3に供えられる首部35の端部33bが、インサート成形によって埋め込まれている。また、図示例のブラシ固定部22は、把持部21の一端側に接続される接続部22aから中間部22bへ向かうに従って徐々に縮径するように略円錐形状に形成され、中間部22bには突設部22cが設けられている。本実施形態の歯間ブラシ1は、図示例のように、ブラシ部材3の首部35が突設部22cから突出するように、一体成形で固定されている。このようなブラシ固定部22の形状は、特に限定されないものの、略円筒形状か、あるいは図示例のような略円錐形状として先細形状に構成することが、口腔内における操作性を向上させることができる点から好ましい。
ハンドル2の長さは、ブラシ部材3及びハンドル2が図示例のような直線状とされ、主として前歯の歯間への挿入性が高められた構成の所謂I字型の歯間ブラシの場合、50〜70mmと短めの寸法とすることが好ましい。ハンドル2の長さがこの範囲内であれば、使用者が歯間ブラシ1を口腔内で操作し、ブラシ部材3を歯間に挿入するのが容易になる。また、図示を省略するが、ブラシ部材とハンドルとが角度を有して傾斜するように取り付けられ、奥歯の歯間への挿入性が高められた構成の所謂L字型の歯間ブラシの場合には、ハンドルの長さを、図示例のようなI字型の歯間ブラシ1よりも長めの寸法とすることが、口腔内における操作性の点から好ましい。
ハンドル2の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)及びアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の硬質樹脂を単独で用いることができる。また、これら硬質樹脂材料に加え、さらに、天然ゴム、合成ゴム及び熱可塑性エラストマー樹脂等のゴム状弾性材を組み合わせて用いた構成としても良く、例えば、PP樹脂とエラストマー樹脂を用いた2色成形で構成する等、適宜採用することが可能である。
また、例えば、ハンドル本体をPPで構成し、エラストマー樹脂からなる滑り止めグリップがハンドル表面に形成された構成としても良い。
また、把持部21とブラシ固定部22を、それぞれ異なる材質から構成しても良い。
ブラシ部材3は、ワイヤ31間に複数の用毛33を挟持させ、ワイヤ31を捻り加工することで用毛33を固定して毛束32とするとともに、一端側がワイヤ31からなる首部35とされている。図示例のブラシ部材3は、2つ折りにして折り返したワイヤ31間に、合成繊維又は天然繊維の複数のフィラメントからなる用毛33を、ワイヤ31に直交する方向に向けて挟持させ、ワイヤ31を所定ピッチで捻り加工することにより、用毛33を固定して毛束32を構成している。
また、図1(a)に示すブラシ部材3は、先端3aから11mm程度の範囲が、毛束32が設けられる植毛領域とされており、首部35が1〜2mm程度の無植毛領域として露出するように構成されており、この首部35の端部35aが、ハンドル2のハンドル固定部22内にインサート成形によって埋め込まれている。
ワイヤ31に用いる材料としては、従来から歯間ブラシ用ワイヤとして用いられているステンレスを何ら制限なく用いることができるが、例えば、Co基合金等からなるワイヤ材料を用いることが、耐久性の点からより好ましい(例えば、上記特許文献2:特許第2538533号公報に記載の材質等)。
本実施形態で用いられるワイヤ31は、例えば、直径が0.20〜0.35mmの範囲、より好ましくは0.23〜0.30mmの範囲のものを用いる。ワイヤ31の直径が0.20mm未満だと、細すぎて耐久性が低下する虞があり、また、0.35mmを超えると、ブラシ部材を歯間に挿入する際の抵抗が増大して使用感が低下する。
なお、上述したように、歯間ブラシにおいては、一般的に直径が0.23〜0.35mmの範囲のワイヤが使用されるが、本実施形態の歯間ブラシは、図1(a)に示すように2本のワイヤを捻って用いる構成とされ、高い強度を維持できることから、直径が0.23mmよりも細いワイヤを採用することも可能である。
また、ワイヤ31は、その表面がポリアミド樹脂やポリウレタン樹脂、フッ素樹脂の他、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂等によって被覆された構成としても良い。また、ワイヤ31の被覆に用いる樹脂としては、ハンドル2(ブラシ固定部22)を構成する樹脂と同系統で、互いが接着性を有する樹脂同士の組み合わせとすることが好ましい。例えば、ワイヤ31をポリプロピレン樹脂で被覆した場合には、ハンドル2を同種のポリオレフィン系樹脂で構成し、ポリエステル樹脂で被覆した場合には、ハンドル2をポリエステル系樹脂で構成し、ポリスチレン樹脂で被覆した場合には、ハンドル2をポリスチレン系樹脂で構成する等の組み合わせとすることが好ましい。
なお、図1に示す例の歯間ブラシ1は、ブラシ部材3に備えられる首部35の端部33bが、ハンドル2に備えられるブラシ固定部22に埋め込まれるように取り付けられているとともに、首部35の端部35aが直線状に形成されているが、これには限定されない。例えば、ブラシ部材3の首部31の端部は、ハンドル2のブラシ固定部22から抜け難いように固定するため、例えば、屈曲部を有する形状や、かしめた構成とすることも可能である。
毛束32は、上述したように、詳細を後述する複数の用毛33が、ワイヤ31を捻ることによって固定されて構成されるものであり、図1(a)に示す例では、平面視で、ブラシ部材3の先端3aに向かって徐々に縮径するようなテーパ状の円錐形状に毛切りされている。また、毛束32は、毛切り形状が、図示例のような歯間に挿入し易い形状とされ、上述したように、ブラシ部材3において、先端3aから10mm程度の範囲で設けられる植毛領域とされている。
毛束32の毛切り形状としては、歯間に挿入し易い形状であれば、図1(a)に示すような平面視テーパ状の円錐形状には限定されず、例えば、図2に示す歯間ブラシ10のように、ストレート形状の毛束13aとすることもでき、その他、歯間ブラシ長手方向に沿って部分的に膨らみを持たせた樽型形状等、適宜採用することができる。また、毛束の毛切り横断面形状としては、円形状であることが洗浄効果や使用感の面から好ましいが、特に限定されず、例えば、断面四角形や三角形、楕円形等に構成することができ、適宜採用することができる。
このような、毛束32の毛切り形状としては、歯間部や、歯肉と歯冠修復物との空隙部に適した形状となるように構成することが好ましい。
用毛33は樹脂材料等からなるフィラメントであり、例えば、ナイロン(PA:6−12ナイロン、6−10ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等、歯間ブラシ及び通常の歯ブラシで従来から用いられている樹脂フィラメントを何ら制限無く用いることが可能である。
本実施形態では、上記各材料の中でも、特にPTT樹脂を用いることが、ナイロンに比べてたわみ抵抗(強度)が小さく歯間挿入性や使用感に優れる点や、屈曲回復性(復元力)を有し耐久性に優れる点から好ましい。なお、本実施形態では、毛束32をなす用毛33の内の少なくとも一部をPTT樹脂から構成しても良いし、全ての用毛33をPTT樹脂から構成しても良く、適宜決定することができる。
また、用毛33の材料は、用毛としての特性を大きく損なわない範囲で改質して用いることができる。具体的には、例えば、樹脂材料に、熱や光に対する安定化剤、難燃剤、フィラー、表面潤滑剤、帯電防止剤及び殺菌(抗菌)素材等の改質材や、その他の硬質樹脂あるいはエラストマー樹脂等を1種又は2種以上配合した構成としても良く、あるいはモノフィラメント表面に上記改質材を塗布した構成としても良い。
また、用毛33は、その材料が有する純粋色(ナチュラル色)のまま用いても良いし、顔料や染料による透明系着色あるいは不透明系着色(白色を含む)を施して用いることもでき、歯間ブラシの外観等を考慮したうえで適宜採用することができる。また、透明用毛、透明系着色用毛、不透明系着色用毛の各々の内、必要に応じて2種以上を、毛束単位あるいは毛束内において組み合わせて用いた構成としても良い。
また、用毛33を、透明系着色あるいは不透明系着色を施して用いる場合、紡糸する際の樹脂そのものを着色する方法や、紡糸後あるいは紡糸工程に付随して、用毛表面に着色する方法等、この分野において一般に用いられる方法を採用することが可能である。
用毛33を構成する樹脂フィラメントの径は、0.03〜0.13mm(1.2〜5mil)の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.09mm(2〜3.5mil)の範囲であり、例えば、従来公知の歯間ブラシで使用されている直径0.051mm、0.064mm、0.076mm等の寸法のフィラメントを何ら問題無く採用することができる。用毛33を構成するフィラメントの径が0.03mm未満だと、径が細すぎて歯間の清掃効果が得られ難く、また、0.13mmを超えると、太すぎて毛腰が強くなり過ぎ、使用感が低下する虞がある。
上述したように、歯間ブラシは、歯間の空隙の大きさによってサイズが設定されており、一般的に、歯間ブラシのサイズに応じて用毛の太さを選択して使い分けるが、使用性、擦掃感、清掃効果及び耐久性等を考慮しながら、太さの異なる用毛を組み合わせて毛束を構成しても良い。また、本実施形態では、上述した用毛の太さのみならず、材質、長さ、色及び断面形状等が異なる用毛を組み合わせた毛束を構成することも可能である。
用毛33の横断面形状としては、一般的に用いられるような円形状(ラウンド)には限定されず、例えば、楕円形、三角形や四角形等の多角形、星型、三つ葉や四つ葉のクローバー形状等の他、直線や曲線同士、あるいは直線と曲線とを組み合わせた不定形としても良く、適宜採用することができる。
用毛33の横断面形状を、多角形状等の複雑な断面形状として構成した場合には、通常の断面円形状の用毛と比較すると、歯垢等、歯の表面の汚れの擦掃効果に優れ、清掃性及び除去性が向上するという効果がある。
また、用毛33として、縦断面形状が波状とされたクリンプ用毛を用いた場合には、同径のストレート用毛と比較して腰が柔らかいことから歯茎への当たり心地が優しく、また、毛束32において、トラ毛や毛薄等のような粗く乱立した植毛状態の箇所がある場合でも、このような箇所が目立たなくなるという効果がある。
また、用毛33をなすフィラメントの毛切りの長さとしては、特に限定されず、1.0〜12.0mmの範囲であれば良く、1.5〜8mmであることが好ましい。用毛33をなすフィラメントの長さがこの範囲であれば、良好な清掃効果及び使用感が同時に得られる。
本実施形態では、毛束32をなす用毛が、図1(b)に示すような、表面に複数の凹部34が形成された用毛33からなる構成とされており、図示例では、縦断面形状が略半円形状の凹部34が、用毛33の長さ方向において、用毛33径方向で相対する位置で複数形成されている。
本実施形態の歯間ブラシ1においては、毛束32をなす用毛33の表面に、複数の凹部34が形成されることにより、以下に説明するような効果が得られる。
本実施形態の歯間ブラシ1は、用毛33の表面に、例えば、エンボス加工等によって凹部34を形成することにより、用毛33の腰が弱められて柔軟化するので、用毛33を短寸に毛切りして毛束32を構成した場合でも歯間への挿入が容易となる。また、柔軟化された用毛33が歯面に当たって屈曲することにより、歯面に対して大きく傾斜しながら歯面を撫でるように擦掃処理行なわれるので、用毛33表面に形成された凹部34によって歯面の汚れを絡み取ることができ、高い清掃効果が得られる。また、用毛33が柔軟化されることにより、適度なたわみ強度を有する用毛とされているので、毛束32の歯茎への刺激が抑制され、当たり心地の良いものとなる。
またさらに、用毛33の表面に複数の凹部34が形成されていることにより、毛束32全体の植毛密度が高められたような視覚的効果が得られるので、高級感を醸し出すことが可能となる。
また、歯間ブラシ1の製造時に用毛33を束ねて毛束32とする際、トラ毛や毛薄等の乱立による用毛植立のばらつきが目立たなくなるので、歩留まりの向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の歯間ブラシ1においては、該歯間ブラシ1の使用時に用毛33に加わる応力を、用毛33の根元、つまり用毛33がワイヤ31によって固定されている箇所の近傍に集中させることなく分散させることができる。これにより、歯間ブラシ1を使用することに伴って用毛33が劣化して生じる毛束32の広がり具合を、用毛33の劣化に伴って相関して変化するような形状に構成することが可能となる。従って、充分な耐久性を確保しつつ、用毛劣化に伴う交換時期を、視覚的に明確に確認することが可能な歯間ブラシ1を実現できる。
また、歯間ブラシ1の使用時に、用毛33に加わる応力を分散させることにより、屈曲回復性に優れるPTT樹脂から用毛33を構成した場合でも、用毛33を屈曲させた際に機械的損傷が生じるのを防止することができるとともに、用毛33が、捻られたワイヤ31から抜け落ちるのを防止することが可能となる。
なお、図1(b)に示す例では、用毛33の表面に設けられる凹部が、断面半円形状の凹部34とされているが、これには限定されない。例えば、図3に示す例のように、矩形状の凹部50aが備えられた用毛50としても良いし、図4に示す例のような、断面三角形状の凹部51aが備えられた用毛51としても良く、また、図5に示す例のような、断面台形状の凹部52aが備えられた用毛52としても良い。また、用毛の表面に設けられる凹部の形状としては、その他、断面視でコの字状やV字状、U字状あるいはC字状等としても良く、凹部の形状は適宜決定することが可能である。また、用毛に形成される凹部は、例えば、用毛の周囲全周に亘って設けられる溝として構成されていても良い。
また、本実施形態では、図1(b)に示すような、用毛33の長さ方向全体に亘って凹部34が形成された例を説明しているが(図3〜5の凹部50a、51a、52aも参照)、これには限らず、例えば、植毛先端部の1〜3mm程度の範囲にのみ、凹部を形成した構成とすることも可能である。
また、図3に示す例では、複数の凹部34が、用毛33の長さ方向において、用毛33の径方向で相対する位置に形成されているが、これには限定されない。例えば、図6に示す例のように、複数の凹部53aが、用毛53の長さ方向において、用毛53の径方向で交互にずれて形成されている構成としても良いし、図7に示す例のように、複数の凹部54aが、用毛54の径方向で交互にずれて形成されるとともに、用毛54径方向において形成数が異なる構成としても良い。
また、本実施形態では、歯間ブラシに備えられる毛束において、各用毛に形成される凹部の全てが同一形状であっても良いし、あるいは、毛束中の用毛の各々が、それぞれ異なる形状の凹部が形成されてなる構成であっても良い。
また、1本の用毛に形成される複数の凹部の全てが同一形状であっても良いし、あるいは、図8に示す例のように、それぞれ異なる形状を有する複数の凹部が形成された用毛55として構成しても構わない。図8に示す例では、用毛55の表面に、半円形状の凹部55a、矩形状の凹部55b及び三角形状の凹部55cの各々が、それぞれ複数形成されている。
また、上述のような凹部は、用毛の全長に亘って複数設けることが好ましいが、凹部の大きさの他、用毛の断面形状や径等によって適宜決定すれば良い。
本実施形態の歯間ブラシにおいては、凹部の形成位置や数、形状については図示例に限定されるものではなく、適宜採用することが可能である。
また、本実施形態では、歯間ブラシの毛束に備えられる用毛の全てに凹部が形成されている例を説明しているが、歯間ブラシに備えられる毛束において、少なくとも一部の用毛が上述のような凹部が形成されてなる構成とされていれば、上述のような効果が得られる。また、このような場合には、例えば、凹部の有無に関わらず全ての用毛を上述したようなPTT樹脂から構成しても良いし、あるいは、凹部が形成された用毛のみをPTT樹脂で構成しても良く、適宜決定することが可能である。
本実施形態の歯間ブラシに用いられる用毛を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、一般的に用いられる共押し出しモノフィラメントを製造する方法等を採用することができる。
また、用毛の表面に凹部を形成する方法としても、特に限定されないが、例えば、モノフィラメントを製造する際の延伸工程やアニーリング工程等の前あるいは後工程において、凹部の形状に対応した凸部を表面に有するローラを、フィラメントの上下あるいは左右に配置し、この対向配置されたローラ間にフィラメントを通過させることによって、フィラメント(用毛)の表面にエンボス加工を施し、凹部を形成することができる。この際、モノフィラメントに熱処理を施しながら、対向配置されたローラ間を通過させる方法としても良い。
上述のような、用毛の表面に凹部を形成するためのローラとしては、例えば、半球状や、三角形や四角形等の略多角形、略長円形等、用毛に形成する凹部の形状に対応した形状を有する凸部が表面に備えられたローラを用いる。
また、用毛の表面に凹部を形成するその他の方法としては、例えば、紡糸する際に、予めマスターバッチに無機物を入れておくことで紡糸された用毛の表面析出物を溶解させ、用毛の表面にランダムな凹部を付与する方法を採用することも可能である。
また、本実施形態の歯間ブラシに用いられる用毛は、例えば、酸又はアルカリ薬剤に溶解させる化学的方法や、用毛をワイヤで挟持して植毛した後に毛先を機械的に研磨する方法等を用いて、毛先をテーパ状に形成しても良い。ここで、用毛の毛先を機械的に研磨する方法としては、例えば、回転研磨体を備えた研磨装置を用いて、毛先を丸く加工するか、あるいはテーパ状に加工する方法を挙げることができる。
また、本実施形態の歯間ブラシは、上記方法によって用毛に凹部を形成する点を除き、従来の歯間ブラシと同様の材料及び製造装置を用いて製造することが可能である。
具体的には、従来の歯間ブラシと同様、ワイヤを、図示しない製造装置にチャックし、フィラメントからなる用毛を挟み込んだ状態でワイヤを捻り加工して用毛を固定する。この際、ブラシ部材の内、ハンドル側の首部にはブラシを取り付けない。
また、ハンドルの成形は、インサート成形金型を用いる等、従来の歯間ブラシと同様の成形方法によって行うことが可能である。
以上説明したように、本実施形態の歯間ブラシ1によれば、把持部21とブラシ固定部22とを有するハンドル2と、ワイヤ31間に用毛32を挟持させ、ワイヤ31を捻り加工することによって用毛32が固定されるとともに、一端側がワイヤ31からなる首部35とされ、該首部35の端部35aがハンドル2のブラシ固定部22に取り付けられるブラシ部材3とを具備し、毛束32をなす用毛が、表面に複数の凹部34が形成された用毛33からなる構成とされているので、用毛33並びに該用毛33からなる毛束32が、柔軟性及び耐久性に優れたものとなる。これにより、歯間にブラシ部材3を挿入するのが容易であり、優れた清掃効果及び使用感が得られ、また、超寿命の歯間ブラシを実現することができる。
本実施形態では、用毛33の表面に複数の凹部34が形成されていることにより、用毛33の腰が弱められて柔軟化するので、ブラシ部材3の歯間への挿入が容易となり、使用性が向上するとともに、高い清掃効果が得られる。また、用毛33が、柔軟化によって適度なたわみ強度を有するものとされているので、歯茎への刺激が抑制されて当たり心地が良く、使用感に優れるものとなる。
また、用毛33に加わる応力が凹部34に分散されることにより、歯間ブラシ1の使用時間に伴って、用毛33が変形して毛束32が拡がり易くなるので、歯間ブラシの取替え時期を視覚的に明確に確認することが可能となる。
また、本実施形態の歯間ブラシは、図1(a)に示す例では、略I字型の歯間ブラシ1として構成されているが、このような形状には限定されず、図示を省略するが、例えば、ハンドルとブラシ部材との間に角度を持たせ、略L字型の歯間ブラシとして構成した場合であっても上記同様の効果が得られる。このように、歯間ブラシを略L字型に構成した場合には、特に奥歯の歯間にブラシ部材を挿入して歯間を清掃する際の操作性に優れ、高い洗浄力が得られるものとなる。
また、図1(a)に示す例では、用毛33からなる毛束32が、ブラシ部材3長寸方向において連続して設けられた構成とされているが、これには限定されず、例えば、用毛33が、ブラシ部材3長寸方向において間欠状に取り付けられた構成としても良く、適宜決定することができる。
以下に、本考案の歯間ブラシを実証するための実施例について説明するが、本考案は本実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、図1(a)、(b)に示すような本考案に係る歯間ブラシを作製した。
まず、ワイヤ31として直径0.23mmのステンレス(SUS304)製ワイヤを使用し、また、用毛33として直径0.05mmの円形状を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)製フィラメントを準備し、このPTT製フィラメントを、表面に凸部を有する一対のローラ間を通過させることにより、図1に示すような半円形状の凹部34を形成したものを使用して、ブラシ部材3を作製した。この際、従来の歯間ブラシと同様に2本のワイヤ31間に用毛33を挟持し、ブラシ部材製造装置のチャックを回転させ、ワイヤを捻ることによって毛束32を形成することにより、ブラシ部材3を作製した。また、毛束32中の用毛33の本数は300本とし、全て二つ折りにして固定した。
ねじられたワイヤの全長、つまりブラシ部材3の長手方向の寸法は20mmであり、ブラシ部材3の先端部3aから11mmの位置まで用毛33を植毛し、端部35aから用毛33が植毛された領域までの首部35の長さは9mmとした。
次いで、ブラシ部材3をブラシ製造装置にチャックした状態で、用毛33が植毛された長さ11mmの範囲において、先端部3a側の直径が2.0mm、首部35側の直径が2.5mmの毛切り長さとなるように毛揃えを行った。このようにして、ブラシ先端部が歯間の隙間に挿入し易い形状に整え、本考案に係る歯間ブラシを構成するブラシ部材を作製した。
そして、ブラシ部材3を歯間ブラシ成形機の金型内にセットし、ハンドル2の材料としてポリエチレンを用いて一体成形(インサート成形)した。ここで、ハンドル2の長さ方向の全長を30mmとし、ブラシ固定部22の寸法を、長さ=10.0mm、把持部21側の直径=7.0mmとし、接続部22aから中間部22bまでの長さ=7mm、突設部22cの長さ=3mmとした。
このような方法により、ブラシ部材の有効長さ(ブラシ固定部22の突設部22c先端からブラシ部材3の先端部3aまでの長さ)が12mm、ブラシ部材3の長手方向における植毛領域の長さが11mm、ブラシ固定部22内に埋め込まれた首部35の長さが8mmであり、また、毛切り形状が上記テーパ状とされたブラシ部材3を有し、用毛33の表面に複数の凹部34が形成されてなり、I字型形状を有する実施例1の歯間ブラシを作製した。
[実施例2〜6]
実施例2〜6として、用毛に用いるフィラメントの材質、直径、横断面形状及び凹部形状(実施例3、4は波状のクリンプ加工)と、ワイヤの線径を下記表1に示すような仕様とした点を除き、上記実施例1と同様の手順で各実施例の歯間ブラシのサンプルを作製した。
[比較例1〜4]
比較例1〜4として、用毛に用いるフィラメントの材質、直径及び横断面形状と、ワイヤの線径を下記表1に示すような仕様とした点を除き、上記実施例1と同様の手順で、用毛に凹部が形成されていない、従来の構成の歯間ブラシを作製した。
なお、上記比較例1〜4の歯間ブラシは、各部の寸法が、図1に示す歯間ブラシと同様の寸法とされており、また、毛束に用いられる用毛が、図9に示す用毛100のように、表面に凹部が設けられていないものとされている。
[評価方法]
上述のようにして得られた各実施例及び比較例の歯間ブラシについて、「清掃性」、「歯間挿入性」、「使用感」、「用毛耐久性」の各項目について、以下に説明するような方法で評価した。
なお、上記各評価項目は、上記歯間ブラシの各サンプル(実施例1〜6、比較例1〜4)について、専門パネル(n=5名)により、口腔内の適切な歯間(空隙)で、1日1回、1回あたり前後10往復の洗浄処理を行うことで、1ヶ月間使用して官能評価を行なった。また、上記各評価項目の内、「清掃性」、「歯間挿入性」、「使用感」の各項目については、評価試験開始から1週間の試験期間として、各パネル(n=5名)の平均で評価した。
「清掃性」
各実施例及び比較例の歯間ブラシを使用する前に、まず、歯垢染色液(ライオン株式会社製:DENT.liquid plaque tester:登録商標)を用いて歯間を染め、汚れた状態とした。そして、上記歯間ブラシの各サンプル(実施例1〜6、比較例1〜4)を用いて歯間を洗浄処理した後、汚れの除去状況を、以下に示す4段階で評価した。
(1)◎:歯間の汚れがほとんど無い。
(2)○:歯間の汚れが少し残った。
(3)△:歯間の汚れが多く残った。
(4)×:歯間の汚れがほとんど残った。
「歯間挿入性」
上記歯間ブラシの各サンプル(実施例1〜6、比較例1〜4)を用いて歯間の洗浄を行う際の、歯間への挿入のし易さを、以下に示す4段階で評価した。
(1)◎:ブラシ部材先端の挿入抵抗がほとんど無く、非常に挿入し易い。
(2)○:ブラシ部材先端の挿入抵抗がややあるが、挿入し易い。
(3)△:ブラシ部材先端の挿入抵抗があり、やや挿入し辛い。
(4)×:ブラシ部材先端の挿入抵抗が大きく、非常に挿入し辛い。
「使用感」
上記歯間ブラシの各サンプル(実施例1〜6、比較例1〜4)を用いて歯間の洗浄を行う際の、歯間前後方向での往復運動による歯茎への刺激並びに痛みの有無や程度について、以下に示す4段階で評価した。
(1)◎:歯茎への刺激がほとんど感じられなかった。
(2)○:歯茎への刺激がややあるものの、特に痛みを感じることのない程度であった。
(3)△:歯茎への刺激が少々あるものの、特に大きな痛みは感じられなかった。
(4)×:歯茎への刺激が強く、大きな痛みを感じた。
「用毛耐久性」
上記歯間ブラシの各サンプル(実施例1〜6、比較例1〜4)を用いて、上記条件による歯間洗浄を1ヶ月間行い、使用の都度、用毛のへたり(傾斜)状態を確認し、以下に示す4段階で評価した。なお、使用中、へたりが著しく使用不可と判断した場合は、1ヶ月の期間が経っていなくても、その時点で使用を中止した。
(1)◎:1ヶ月使用後、へたりはほとんど見られず、まだ充分に使用可能。
(2)○:1ヶ月使用後、へたりが若干見られるが、1ヶ月の間、充分に使用できた。
(3)△:2〜3週間使用の後、へたりが多く発生した。
(4)×:2週間以内でへたりが発生し、激しいへたりのために1ヶ月間の使用は不可。
下記表1に、作製した各実施例及び比較例の歯間ブラシの仕様一覧を示すとともに、上記各評価項目における、各パネル(n=5名)の平均の評価結果をそれぞれ示す。
Figure 0003139296
[評価結果]
表1に示す結果より、毛束を構成する用毛の表面に複数の凹部が形成されてなる、実施例1〜6の本考案に係る歯間ブラシは、清掃性が何れも「◎」または「○」の評価であり、確実に歯間の汚れを取り除くことができ、高い清掃性を有していることが明らかとなった。また、実施例1〜6の歯間ブラシは、歯間挿入性が何れも「○」の評価であり、無理なく歯間に挿入することができ、挿入性に優れていることが明らかとなった。また、実施例1〜6の歯間ブラシは、使用感が何れも「◎」または「○」の評価であり、歯茎に対する刺激が抑制されて痛みを感じることがなく、使用性に優れていることが明らかとなった。
また、PTT樹脂の用毛が用いられた実施例1〜5の歯間ブラシは、用毛耐久性が何れも「◎」または「○」の評価であり、繰り返し与えられる応力に対して高い耐久性を示し、用毛耐久性に優れていることが明らかとなった。一方、ナイロン(6−12ナイロン)の用毛が用いられた実施例6の歯間ブラシは、用毛耐久性が「×」〜「△」の評価となり、PTT樹脂が用毛に用いられた歯間ブラシに比べ、用毛がへたり易く、耐久性に若干劣る評価結果となった。
上記各実施例の歯間ブラシに対し、用毛の表面に凹部が形成されていない比較例1の歯間ブラシは、用毛がPTT樹脂からなるため、用毛耐久性が「○」の評価と良好であるものの、ワイヤで固定された用毛の根元に断裂や折れが発生した。また、比較例1の歯間ブラシが、清掃性が「△」〜「○」、歯間挿入性が「△」、使用感が「△」の評価となり、用毛表面に複数の凹部が形成されてなる実施例1〜6の歯間ブラシに比べて劣る評価結果となった。
また、比較例2の歯間ブラシは、用毛耐久性が「◎」の評価と良好であるものの、比較例1と同様、ワイヤで固定された用毛の根元に断裂や折れが発生した。また、比較例2の歯間ブラシは、清掃性が「○」の評価と比較的良好であるものの、歯間挿入性が「△」〜「○」、使用感が「△」の評価となり、用毛表面に複数の凹部が形成されてなる実施例1〜6の歯間ブラシに比べて劣る評価結果となった。
また、比較例3の歯間ブラシは、用毛耐久性が「○」の評価と良好であるものの、比較例1、2と同様、ワイヤで固定された用毛の根元に断裂や折れが発生した。また、比較例3の歯間ブラシは、清掃性が「△」〜「○」、歯間挿入性が「△」〜「○」、使用感が「△」の評価となり、用毛表面に複数の凹部が形成されてなる実施例1〜6の歯間ブラシに比べて劣る評価結果となった。
また、比較例4の歯間ブラシは、用毛がナイロンからなる構成なので、用毛耐久性が「×」〜「△」の評価と、実施例1〜5の歯間ブラシに比べて若干劣る結果となった。また、比較例4の歯間ブラシは、清掃性が「△」〜「○」、歯間挿入性が「△」〜「○」、使用感が「△」の評価となり、用毛表面に複数の凹部が形成されてなる実施例1〜6の歯間ブラシに比べて劣る評価結果となった。
以上の結果により、本考案に係る歯間ブラシが、高い清掃性並びに歯間挿入性を有し、また、良好な使用感が得られるとともに、用毛の耐久性に優れ、長寿命であることが明らかである。
本考案に係る歯間ブラシの一例を示す模式図であり、(a)が歯間ブラシ全体の平面図、(b)が歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの他の例を示す模式図である。 本考案に係る歯間ブラシの別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの更に別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの更に別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの更に別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの更に別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 本考案に係る歯間ブラシの更に別の例を示す模式図であり、歯間ブラシに用いられる用毛の拡大断面図である。 従来の歯間ブラシに用いられる用毛を示す模式図である。
符号の説明
1、10…歯間ブラシ、2、12…ハンドル、21、12a…把持部、22、12b…ブラシ固定部、3、13…ブラシ部材、31、13a…ワイヤ、32、13b…毛束、33、13c、50、51、52、53、54、55…用毛、34、50a、51a、52a、53a、54a、55a…凹部、35、13d…首部、3a…先端

Claims (7)

  1. 把持部とブラシ固定部とを有するハンドルと、
    ワイヤ間に複数の用毛からなる毛束を挟持させ、前記ワイヤを捻り加工することによって前記毛束が固定されるとともに、一端側が前記ワイヤからなる首部とされ、該首部の端部が前記ハンドルのブラシ固定部に取り付けられるブラシ部材とを具備した歯間ブラシであって、
    前記毛束をなす用毛の内の少なくとも一部が、表面に複数の凹部が形成された用毛であることを特徴とする歯間ブラシ。
  2. 前記毛束をなす用毛の内の少なくとも一部が、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなることを特徴とする請求項1に記載の歯間ブラシ。
  3. 前記複数の凹部が形成された用毛が、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなることを特徴とする請求項2に記載の歯間ブラシ。
  4. 前記複数の凹部が、前記用毛の長さ方向において、用毛径方向で相対する位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の歯間ブラシ。
  5. 前記複数の凹部が、前記用毛の長さ方向において、用毛径方向で交互にずれて形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の歯間ブラシ。
  6. 前記複数の凹部の内の少なくとも一部が、断面半円形状、断面矩形状、断面三角形状、あるいは断面台形状の内の何れかの形状とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の歯間ブラシ。
  7. 前記用毛の径が0.03〜0.13mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の歯間ブラシ。
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