JPH1199016A

JPH1199016A - 歯ブラシ

Info

Publication number: JPH1199016A
Application number: JP27793797A
Authority: JP
Inventors: Takao Kato; 孝夫加藤; Kazutoshi Endo; 和俊遠藤; Shingo Suzuki; 眞吾鈴木
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1997-09-26
Filing date: 1997-09-26
Publication date: 1999-04-13

Abstract

(57)【要約】【課題】清掃性に優れ、刷掃実感が高く、しかも、歯
茎への当たり心地の良い、スクラブ法やバス法による歯
磨きに適した歯ブラシを提供する。【解決手段】ヘッド部１の長軸方向のほぼ中心線Ｌに
沿って毛束３を一列に植毛するとともに、該中央列の毛
束３の両外側に複数の毛束４を植毛した歯ブラシにおい
て、前記両外側に配置した毛束４の断面形状が、縦・横
の長さ比が異なり、かつ、少なくともその断面の長手方
向に向かう長軸線ｍを規定できる形状からなり、該断面
形状になる毛束４を、ヘッド部先端側ではその断面の長
軸線ｍがヘッド部１の先端方向に向かって傾斜θすると
ともに、ヘッド部後端側ではその断面の長軸線ｍがヘッ
ド部１の後端方向に向かって傾斜φするように植毛す
る。また、前記中央列の毛束３の毛腰強度がその両外側
の毛束４の毛腰強度よりも大きくなるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、清掃性に優れ、刷
掃実感が高く、しかも、歯茎への当たり心地の良い、ス
クラブ法やバス法による歯磨きに適した歯ブラシ歯ブラ
シに関する。

【０００２】

【従来の技術】最も一般的な歯ブラシの製造方法として
は、予めヘッド部の植毛面に形成した複数の植毛孔に、
ナイロンやＰＢＴなどの用毛を束ねた毛束を差し込んで
金属片（これを平線という）で固定する方法が知られて
いる。この平線を用いた方法によるときは、製造法の制
約上、特別な場合を除いて毛束の断面形状は円形とする
のが普通である。

【０００３】一方、平線を使用しない製造方法として
は、熱融着により毛束をヘッド部に固定する方法（例え
ば、特開昭６０−２４１４０４号、特開平２−９９００
２号、特開平４−２２６６１０号）や、インモールドに
よる方法（例えば、特公平６−１６７２５号、特開昭６
１−２６８２０８号、特開平２−５０３１５０号）など
が知られている。これらの方法によれば、平線を使用し
ないで毛束を固定できるため、いろいろな断面形状の毛
束を植毛できるといった利点がある。

【０００４】例えば、前記円形以外の毛束断面形状の例
を挙げると、長方形やＸ形として実開昭６３−９９５２
７号、ハート形や十字形の毛束として実開昭６３−１６
３６３４号、凹レンズ状の毛束として実開平６−５７２
３０号、楕円形，四角形あるいは半円などの組み合わせ
として特開平９−１８２６２６号、特開平９−１８２６
２７号、特開平９−１８２６２７号などが知られてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の歯ブラシのもつ清掃効果をさらに向上することを目
的としてなされたもので、植毛する毛束の配置を工夫す
ることにより、清掃性に優れ、刷掃実感が高く、しか
も、歯茎への当たり心地の良い、スクラブ法やバス法に
よる歯磨きに適した歯ブラシを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、ヘッド部の長軸方向のほぼ中心線に沿っ
て毛束を一列に植毛するとともに、該中央列の毛束の両
外側に複数の毛束を植毛した歯ブラシにおいて、前記両
外側に配置した毛束の断面形状が、縦・横の長さ比が異
なり、かつ、少なくともその断面の長手方向に向かう長
軸線を規定できる形状からなり、該断面形状になる毛束
を、ヘッド部先端側ではその断面の長軸線がヘッド部の
先端方向に向かって傾斜するとともに、ヘッド部後端側
ではその断面の長軸線がヘッド部の後端方向に向かって
傾斜するように植毛したものである。

【０００７】なお、前記中央列の毛束の毛腰強度をその
両外側の毛束の毛腰強度よりも大きくすることが好まし
い。この場合、前記中央列の毛束の用毛径をその両外側
の毛束の用毛径よりも大きくするか、両外側の毛束の高
さを高くすることにより、中央列の毛束の毛腰強度がそ
の両外側の毛束の毛腰強度よりも大きくなるように、任
意に設定することができる。

【０００８】

【作用】本発明の歯ブラシは、両外側の毛束について、
ヘッド部先端側ではその断面の長軸線がヘッド部の先端
方向に向かって傾斜するとともに、ヘッド部後端側では
その断面の長軸線がヘッド部の後端方向に向かって傾斜
するように配置しているので、ヘッド部の長軸方向に往
復動させてブラッシングするスクラブ法やバス法で歯磨
きを行なうと、両外側の毛束の向きがほぼ連続的に変化
しているため、歯と歯茎の境目にいろいろな角度から毛
束が当たって刷掃するので、効果的に歯垢を除去すると
ともに、歯茎への当たり心地も良くなる。

【０００９】また、ヘッド部の中央列に植毛した毛束の
毛腰強度をその両外側に位置する毛束よりも大きくする
と、毛足の柔らかい両外側の毛束で歯と歯茎の境目を効
果的にブラッシングすることができるので、歯茎を効果
的にマッサージすることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図１に、本発明に係る歯ブラシの
第１の実施形態を示す。図において、１はヘッド部であ
って、このヘッド部１は首部２を介して図示しない把持
部に一体に連続されている。このヘッド部１の植毛面１
ａには、ヘッド部１の長軸方向の中央線Ｌに沿って、楕
円形や円形など任意の毛束断面形状になる複数の毛束３
が一列に植毛されているとともに、この中央列の毛束３
の両外側に、毛束断面形状が楕円形になる複数の毛束４
がヘッド部１の外形に沿ってヘッド部１の長軸方向に植
毛されている。

【００１１】そして、本発明の場合、前記中央列の毛束
３の両外側に配置した各毛束４について、その楕円形断
面の長軸線ｍの向きを、ヘッド部先端側ではヘッド部１
の先端方向に向けて中心線Ｌから角度θだけ傾けて植毛
するとともに、ヘッド部後端側ではヘッド部１の後端方
向に向けて中心線Ｌから角度φだけ傾けて植毛してい
る。なお、この各傾斜角θ，φは、垂直配置されたヘッ
ド中央部の毛束４を起点として、所定角度θまたはφと
なるまで、各毛束４の傾きをそれぞれ徐々に変えていく
ことが好ましいが、ヘッド中央部の毛束４を除くすべて
の毛束４を一定の角度θまたはφに固定配置してもよい
ものである。また、θ＝φとし、ヘッド部の前後方向で
対称な傾斜角を与えるようにすればより好ましい。な
お、この実施形態の場合、前記中央列の毛束３の毛腰強
度はその両外側に配置した各毛束４の毛腰強度よりも大
きく設定されている。

【００１２】上記ヘッド部１、首部２、図示を略した把
持部の構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ＡＢＳ、ＰＭＭＡ、ポリカーボネート、セルロース
プロピオネート、ポリアセタールといった周知の樹脂が
用いられるが、コストおよび成形性の点からポリプロピ
レンがより好ましい。また、図示を略した把持部の一部
に熱可塑性エラストマーを用いて、いわゆる２色成形と
すれば、歯ブラシ全体の弾力をより大きくすることがで
き、歯茎への当たり心地をさらに向上することができ
る。

【００１３】各毛束３，４に用いる用毛としては、ナイ
ロンもしくはポリエステルが好ましいが、特に限定され
るものではない。また、ナイロンとポリエステルを組み
合わせてもよい。さらに、中央列の毛束３を構成する用
毛としては、清掃力および刷掃実感の点から、０．１５
〜０．２８ｍｍ（＝６〜１１ｍｉｌ）程度の太さの用毛
を用いることが好ましい。また、両外側の毛束４を構成
する用毛としては、清掃力および歯茎への当たり心地の
点から、０．１２〜０．２１ｍｍ（＝５〜８ｍｉｌ）程
度の太さの用毛を用いることが好ましい。これらの用毛
は、適宜組み合わせて使用することができる。

【００１４】また、毛束の毛腰強度は、毛束の断面積が
同一の場合、用毛径を変えることによって調整すること
ができるし、また、同一径の用毛を用いる場合、毛束の
高さを変えることにより、また、用毛の硬さを変えるこ
とによって調整することができる。なお、毛腰強度は、
ＪＩＳＳ３０１６−１９９５の毛の硬さ試験法に記
載の装置によって測定することができる。

【００１５】さらに、ブラシ先端面を形成する植毛部全
体の毛切り形状としては、一般的な平切りでもよく、ま
た、中央列の毛束３を両外側の毛束４よりも０．５〜２
ｍｍ程度高くあるいは低くしてもよい。また、この平切
り形状の他、図２（ａ）に示すようなブラックカット、
図２（ｂ）に示すようなドームカット、図３（ｃ）に示
すような逆ドームカットなどに成形してもよいものであ
る。各毛束３，４をヘッド部１に植毛するには、公知の
熱融着法やインモールド法を利用すればよいが、生産性
および植毛強度の点から特にインモールド法によること
が望ましい。

【００１６】上記第１の実施形態の歯ブラシにあって
は、歯ブラシをヘッド部１の長軸方向に往復動してブラ
ッシングするスクラブ法やバス法によって歯磨きする
と、次のようにして極めて効果的に歯の清掃を行なうこ
とができる。すなわち、ブラッシング時に歯ブラシが図
１中の（イ）および（ロ）方向に動くと、毛束４がθか
らφまで角度がほぼ連続的に変化しているので、歯と歯
茎の境目にいろいろな角度から毛束が当たって刷掃させ
ることができ、効果的に歯垢を除去できる。また、外側
に配置した毛腰強度の小さな毛束４が歯と歯茎の境目や
歯茎に当たって優しくブラッシングするため、歯茎への
当たり心地も向上し、良好なブラッシング感を得ること
ができる。

【００１７】このようにして、上記実施形態の歯ブラシ
においては、歯ブラシが（イ）方向および（ロ）方向の
いずれの方向に移動する場合においても、清掃性と歯茎
のマッサージ効果を高めることが可能となる。

【００１８】図３に、本発明の第２の実施形態を示す。
この第２の実施形態の歯ブラシは、前述した第１の実施
形態の歯ブラシと同様の構成において、ヘッド部１の長
軸方向の中心線Ｌ上の最先端位置に断面略Ｘ形の毛束３
を植毛したものである。最先端部の毛束をこのような断
面略Ｘ形の毛束３とすることによって、このＸ形断面の
毛束３の尖端突起部で、より効果的に歯垢や食べ滓をか
き取ることができる。なお、図１と同一の部分には同一
の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

【００１９】図４に、本発明の第３の実施形態を示す。
この第３の実施形態の歯ブラシは、前述した第１の実施
形態の歯ブラシと同様の構成において、ヘッド部１の長
軸方向の中心線Ｌに沿って植毛する毛束として、断面オ
ウレンズ状の毛束３を採用したものである。このような
断面凹レンズ状の毛束３とすることによって、この凹レ
ンズ状断面の凹形部で、より効果的に歯垢や食べ滓をか
き取ることができる。

【００２０】上述した各実施の形態では、両外側の毛束
４の断面形状として長楕円形を採用した場合について例
示したが、毛束４の断面形状はこれに限定されるもので
はなく、その他に、例えば、図５（ａ）〜（ｇ）に示す
ように、長楕円、四角形、凹レンズ状、凸レンズ状、長
円状、菱形、リボン状など、種々の断面形状を採用でき
るものである。要は、断面形状の縦・横の長さ比が異な
り、少なくともその断面の長手方向に向かう長軸線ｍを
規定できる毛束断面形状であれば適用可能である。ま
た、すべての毛束４の断面形状を同じにする必要はな
く、場所によって毛束断面形状を変えてもよいものであ
る。また、中央列の毛束３も前記毛束４と同様に任意の
断面形状を採用することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の歯ブラシ
によるときは、中央列の毛束の両外側に植毛した毛束に
ついて、ヘッド部先端側ではその断面の長軸線がヘッド
部の先端方向に向かって傾斜するとともに、ヘッド部後
端側ではその断面の長軸線がヘッド部の後端方向に向か
って傾斜するように構成したので、ヘッド部の長軸方向
に往復動させてブラッシングするスクラブ法やバス法で
歯磨きを行なうと、両外側の毛束の向きがほぼ連続的に
変化しているため、歯と歯茎の境目にいろいろな角度か
ら毛束が当たって刷掃するので、効果的に歯垢を除去す
ることができるとともに、歯茎への当たり心地も向上す
る。

【００２２】また、中央列の毛束の毛腰強度をその両外
側の毛束よりも大きくしたので、より清掃効果を上げる
ことことができるとともに、毛先の柔らかな両外側の毛
束で歯と歯茎の境目を効果的にブラッシングすることが
でき、歯茎を効果的にマッサージすることができる。

【００２３】したがって、本発明によるときは、清掃性
に優れ、刷掃実感が高く、しかも、歯茎への当たり心地
の良い、スクラブ法やバス法による歯磨きに適した歯ブ
ラシを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る歯ブラシの第１の実施形態を示す
ヘッド部の平面図である。

【図２】植毛部全体の毛切り形状の他の例を示すもの
で、（ａ）はブラックカット、（ｂ）はドームカット、
（ｃ）は逆ドームカットの場合をそれぞれ示す図であ
る。

【図３】本発明に係る歯ブラシの第２の実施形態を示す
ヘッド部の平面図である。

【図４】本発明に係る歯ブラシの第３の実施形態を示す
ヘッド部の平面図である。

【図５】毛束の断面形状の他の例を示すもので、（ａ）
は長楕円、（ｂ）は四角形、（ｃ）は凹レンズ状、
（ｄ）は凸レンズ状、（ｅ）は長円状、（ｆ）は菱形、
（ｇ）はリボン状の断面形状をそれぞれ示す図である。

【符号の説明】

１ヘッド部１ａ植毛面２首部３中央列の毛束４両外側の毛束Ｌヘッド部の長軸方向の中心線ｍ毛束断面の長手方向に向かう長軸線 θ，φ 傾斜角

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘッド部の長軸方向のほぼ中心線に沿っ
て毛束を一列に植毛するとともに、該中央列の毛束の両
外側に複数の毛束を植毛した歯ブラシにおいて、前記両外側に配置した毛束の断面形状が、縦・横の長さ
比が異なり、かつ、少なくともその断面の長手方向に向
かう長軸線を規定できる形状からなり、該断面形状になる毛束を、ヘッド部先端側ではその断面
の長軸線がヘッド部の先端方向に向かって傾斜するとと
もに、ヘッド部後端側ではその断面の長軸線がヘッド部
の後端方向に向かって傾斜するように植毛したことを特
徴とする歯ブラシ。
【請求項２】前記中央列の毛束の毛腰強度をその両外
側の毛束の毛腰強度よりも大きくしたことを特徴とする
請求項１記載の歯ブラシ。