JP3138899U - 3次元転倒防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡略な構造でありながら、対象物の3次元方向の制震が可能で、転倒防止を図ることができる3次元転倒防止装置を提供する。
【解決手段】3次元転倒防止装置1は、対象物2の設置を行う設置面3上に配置する基台11と、基台11の上方で対象物2の底面に当接させる架台12と、基台11と設置面3との間に介在させる低摩擦部材13と、基台11と架台12との間に各々配置したコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14と、基台11と架台12との間に配置した一対の油圧ダンパ21と、両油圧ダンパ21を相互に交差接続する配管路23、24を有し、対象物2の傾斜発生時に架台12を基台11に対して平行配置に維持し対象物2の転倒を防止する転倒防止機構15と、を有するものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、3次元転倒防止装置に関し、詳しくは計量機器、自動販売機、コンピュータサーバ、美術舘・博物館等に設置される常設・仮設の展示台、更には制御機器等、アスペクト比の比較的大きな機器等のような対象物に対する転倒防止機能を有する3次元転倒防止装置に関するものである。
従来、計量機器、自動販売機、コンピュータサーバ等の対象物に対しては種々の手段により地震対策が行われている。例えば、計量機器、コンピュータサーバや展示台等は加速度制御・対象物の転倒防止のため免震装置(応答変位については概ね許容されている)が採用されることが多くなっている。また、飲料等の自動販売機の場合には当該業界で基準を設定し、設置場所毎に種々の対策を施すことにしている。
自動販売機等の一般的な地震対策は、例えば中低層構造物の屋内に設置された機器を対象として機器の前後方向寸法より長く、転倒しにくくした滑り板を使用した簡単な機構を持った転倒防止装置や、地震時に自動販売機が後側に傾くことにより転倒しにくくする装置が使用されている。
高層構造物の上層階に設置される場合は、普通応答変位が大きくなる関係から特別に床に固在する場合もある。更に、屋外に設置される場合には当該業界で規定した基準を満足するような固定治具を使用し、例えば特殊なコンクリートブロックを基礎として固定した上で、業界基準で決められた強度を持ったアンカーボルトで固定される。
一般的に上述した通り中低層構造物の屋内に設置される場合は、機器の固定ボルトを機器寸法(前後方向)より長い滑りプレートに固定することで前後方向のみを対象にした転倒防止装置等を装着することで対処している。当然床に固定されていないこの滑りプレートは大きな地震入力の場合には床上面とこの滑りプレート間で滑り出すことになり地震エネルギーを吸収する機構となっている。
更に、この転倒防止装置の改良タイプとして、機器が地震を受けると同時に後側に傾く機構を取り入れたものもある。また、自動販売機の免震手段としては、同曲率或いは複曲率を持った転がりタイプ或いは滑りタイプのガイドレールを使用したもの又は転がりと滑りを併用したタイプのもの等が開発、実施されている。このような免震装置としては、対象機器の前後方向の復元力や減衰機構に特徴を持たせた滑りと転がり機構を利用した単独あるいは併用タイプ等がある。
前述の通りコンピュータサーバ等の場合には、主に応答加速度を低減(大きな応答変位が発生する)することが主な目的であることから免震対策されることが一般的である。
しかしながら、前述した自動販売機等の例の通り、滑り板のみを使用した転倒防止装置は、地震入力がある程度大きく、更に床との摩擦係数が大きい場合には転倒する恐れがある。また、別タイプの転倒防止装置は地震時後側に傾く複雑な機構を有しており、コストが掛かるし、更に復元装置が無いため地震終了後手動で正常な位置に復元する必要があり大きな経費と人手を必要とする。
更に、自動販売機等に採用されている転倒防止装置は、特に前後方向についてはその性能上出っ張り部分が必要のため例えば障害者等がアクセスする場合に問題となる。
また、免震装置の場合は、予想される地震応答解析結果から高層・超高層の場合応答変位が大きくなり過ぎ、周囲に対して大きなスペースが必要になり、しかも、機器サイズに合わせられる現実的な装置サイズにするにはかなり無理が生じる。
その理由は、大きな応答変位に追従する関係から当然装置が大きくなるため価格も高くなると同時に重くもなり、ハンドリングする際に特殊冶具が必要となる等設置が難しくなるためであり、対象機器の必要条件に対して必ずしも満足出来るものにはなっていない。
更に、前述した通り免震装置は超高層、高層建物の高層階に設置された場合には応答変位が非常に大きくなり周囲との取り合いや配線の処理の点で問題が生じることが予想されるため設置しにくい。
従って、地震時応答変位、価格、装置重量、装置の強度等の問題があり、設置場所等に制限が加えられることがある。また、双方共通の問題として滑り板は機器の前方向にかなりはみ出しておりアクセスするときに邪魔になる場合も生じている。
特許文献1には、小型軽量機器の底部に滑り板を有する上フレームを、地面上に設置した地面設置部上に滑り板を有する下フレームを各々設け、これら両フレームを滑り支承部材を介して水平方向に相対滑り移動可能として小型軽量機器の免震を行うとともに、上フレームを原点位置に復帰させるコイルスプリングを備える構成の小型軽量機器用免震装置が提案されている。
しかし、この特許文献1の免震装置の場合、前記上フレーム、下フレームを各々小型軽量機器の底部の寸法(例えば前後方向又は左右方向の寸法)と略同等の長さにわたって設けなければならず、更に原点位置に復帰させるコイルスプリングも必要であることから、構造が複雑化するとともに、その免震機能も水平方向(前後方向又は左右方向)のみに限られ、更に転倒防止対策も十分であるとは言えない。
特開2000−329191号公報
解決しようとする問題点は、簡略な構造でありながら、地震発生時に前後左右及び上下という3次元方向の制震が可能であり、且つ、対象物の傾きを自動的に復元して転倒防止を図ることができる3次元転倒防止装置が存在しない点である。
本考案の3次元転倒防止装置は、対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置した復元機能付支持機構と、前記基台と架台との間に配置した前記対象物の傾斜発生時に傾斜力を利用して前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、を有することを最も主要な特徴とする。
本考案によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の考案によれば、基台、架台、低摩擦部材、復元機能付支持機構、転倒防止機構から構成したものであり、全体として機構が簡略で低価格となり、対象物の上下方向、前後方向の振動に対する優れた振動減衰、転倒防止機構による対象物の転倒防止、更には低摩擦部材による傾き抑制を実現できる斬新な3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項2記載の考案によれば、復元機能付支持機構として支持ピン及びコイルバネを用いた構成、転倒防止機構として2個の油圧ダンパを用いた構成で、請求項1記載の考案の考案と同様、全体として機構が簡略で低価格となり、対象物の上下方向、前後方向の振動に対する優れた振動減衰、転倒防止機構による対象物の転倒防止、更には低摩擦部材による傾き抑制を実現できる斬新な3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項3記載の考案によれば、前記請求項2の3次元転倒防止装置を2個使用し、これらを対象物の前後方向両側底部に配置することによって、当該対象物の制震及び3次元転倒防止を実現できる斬新な3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項4記載の考案によれば、復元機能付支持機構として支持ピン及びコイルバネを用いた構成、転倒防止機構として任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ付の二組の平行リンクを用いた構成で、請求項1記載の考案の考案と同様、全体として機構が簡略で低価格となり、対象物の上下方向、前後方向の振動に対する優れた振動減衰、転倒防止機構による対象物の転倒防止、更には低摩擦部材による傾き抑制を実現できる斬新な3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項5記載の考案によれば、上述した請求項4の3次元転倒防止装置を2個使用し、これらを対象物の前後方向両側底部に配置することによって、当該対象物の制震及び3次元転倒防止を実現できる斬新な3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項6記載の考案によれば、請求項4記載の考案と略同様な構成で、且つ、摩擦ダンパに替えて別置の振動減衰手段を採用した構成で、請求項4記載の考案と同様な効果を奏する3次元転倒防止装置を提供することができる。
請求項7記載の考案によれば、請求項5記載の考案と略同様な構成で、且つ、摩擦ダンパに替えて別置の振動減衰手段を採用した構成で、請求項5記載の考案と同様な効果を奏する3次元転倒防止装置を提供することができる。
本考案は、簡略な構造でありながら、地震発生時に前後左右及び上下という3次元方向の制震が可能であり、且つ、対象物の傾きを自動的に復元して転倒防止を図ることができる3次元転倒防止装置を提供するという目的を、対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボル支持からなる復元機能付支持機構と、前記基台と架台との間において前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に配置した一対の2ポート型の油圧ダンパと、両油圧ダンパの各ポートを相互に交差接続する配管路とからなり、前記対象物の傾斜発生時に一方の油圧ダンパに加わる傾斜力に伴う変位を油圧移動により他方の油圧ダンパの変位に連携させて前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、を有する構成により実現した。
以下に、本考案の実施例に係る3次元転倒防止装置について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
図1、図2は本実施例1に係る3次元転倒防止装置1を示すものであり、この3次元転倒防止装置1は、例えば、後述する計量機器30等のような転倒防止用の対象物2を設置する設置面3上に配置する平坦な基台11と、該基台11の上方に平行配置され対象物2の底面に当接させる架台12と、前記基台11と設置面3との間に介在させる例えば金属板(SS板)からなり設置面3に対して前後左右に摩擦移動可能な低摩擦部材13と、前記基台11と架台12との間における前記対象物2の前側、後側位置に対応する位置に各々配置した復元機能付支持機構14と、前記基台11と架台12との間に配置した転倒防止機構15と、を有している。ここに、3次元とは、図1、図2に示すX,Y,Z各方向で観念される空間を意味するものとして以下の説明を行う。
前記前側の復元機能付支持機構14は、図1、図2に示すように、基台11上に支持ピン16を立設するとともに、この支持ピン16上に下側端部板17、コイルバネ18、上側端部板19を配置し、上側端部板19の上面を架台12の底面に当接させた構成としている。同様に、前記後側の復元機能付支持機構14も、支持ピン16、コイルバネ18、上側端部板19を備えた構成としている。
前記前側の上側端部板19は、図1に示すように、下側端部板17よりも後方側に突出する寸法とし、また、前記後側の上側端部板19は、下側端部板17よりも前方側に突出する寸法としている。
前記復元機能付支持機構14としては、上述した構造の他、ボルト支持、ピン支持等の構造を採用することも可能である。また、前記コイルバネ18に替えて、ゴム系、高分子系、粘性、粘弾性若しくは弾塑性材料からなる減衰部材と、皿バネ、防振ゴム若しくは板バネからなる復元部材との併用組み合わせ、又はこれらいずれかの単独構造とすることもできる。
前記転倒防止機構15は、図1、図2に示すように、前記基台11と架台12との間において前記対象物2の前側、後側位置に対応する位置で基台11上に立設配置した一対の油圧により動作する2ポート型の油圧ダンパ21、22と、両油圧ダンパ21、22の各ポートを相互に交差接続する配管路23、24と、油圧ダンパ21、22のシリンダーロッド21a、22aの端部に取り付けた当接板25、26とからなり、前側の油圧ダンパ21側の当接板25を前記前側の上側端部板19の下面に、後側の油圧ダンパ22側の当接板26を前記後側の上側端部板19の下面に各々当接させた構造としている。
次に、本実施例1に係る3次元転倒防止装置1の制震動作、転倒防止動作について図3をも参照して説明する。
本実施例1に係る3次元転倒防止装置1は、前記基台11、架台12、低摩擦部材13、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14、2個の油圧ダンパ21、22を用いた転倒防止機構15から構成したものであり、全体として機構が簡略で低価格な3次元転倒防止装置1とすることができる。
また、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14により、地震等による振動終了後に対象物2を自動的に正常な定位置への原点復元が可能である。また、前記コイルバネ18、前記油圧ダンパ21、22とにより、上下方向、前後方向の振動に対する優れた振動減衰作用を発揮させることもできる。なお、前記復元機能付支持機構14と並列又は直列に、例えば粘性体や粘弾性体を振動減衰部材として併用することもできる。また、前記復元機能付支持機構14と直列に前記振動減衰部材に使用する場合には前記コイルバネ18と前記振動減衰部材を一体化する構造とすればよい。
更に、2個の油圧ダンパ21、22を用いた転倒防止機構15により対象物2の転倒防止を実現できる。即ち、図3に示すように、前側、後側の2個の油圧ダンパ21、22のうちの例えば後側の油圧ダンパ22に対して対象物2の後方への傾きによる傾き荷重が前記架台12を介して作用するとき、この傾き荷重により後側の油圧ダンパ22のシリンダーロッド22a、シリンダー22bは下方に変位する。
このとき、シリンダー22bの変位に伴ってシリンダー22bの下側の油圧油は配管路23を経て前側の油圧ダンパ21におけるシリンダー21bの上側に圧送され、前側の油圧ダンパ21のシリンダー21bも下方に沈み込み、この結果、前記架台12は基台11に対して平行に維持されることになり、対象物2の傾きは自動的に無くなり転倒が防止される。また、本実施例1に係る3次元転倒防止装置1では、荷重伝達のための油圧シリンダーではなく、油圧ダンパ21、22を使用しているので、これら油圧ダンパ21、22自体により振動減衰作用を発揮させることもできる。
なお、2個の油圧ダンパ21、22の油圧の設定は、対象物2の重量、傾き角度の設定値等に応じて予め適正となるように設定される。この場合、図3に示すように、配管路23、24に各々手動の絞り弁27、28を各々接続し、絞り弁27、28を手動操作にて開閉して配管路23、24を流れる油圧油の油量調整を行うことで油圧ダンパ21、22の油圧の設定を適正に行うことができる。また、図示しないが、配管路23、24に各々電動絞り弁を接続し、図示しない油圧コントローラから電動絞り弁に開閉制御信号を伝送して前記油圧ダンパ21、22の油圧の設定を適正に行うようにすることもできる。
本実施例1に係る3次元転倒防止装置1は、更に設置面3上に前記低摩擦部材13を接触させているので、設置面3からこの3次元転倒防止装置1に前後又は左右方向の振動が伝達される際に、前記低摩擦部材13の滑動により3次元転倒防止装置1自体も前後又は左右方向に変位し、これにより、低摩擦部材13が無い場合に比べ対象物2の前記振動による傾きを抑制できる。
次に、図4を参照して、本実施例1に係る3次元転倒防止装置1を2個使用して、対象物2の一つである計量機器30の制震及び転倒防止を図る構成について説明する。
この場合には、図4に示すように、計量機器30の前後方向両側底部に2個の架台12を対称形状とした3次元転倒防止装置1を各々対称配置に設置して、既述した場合と同様な各3次元転倒防止装置1の作用により当該計量機器30の前後、左右及び上下の3次元の制震と転倒防止、更には傾きの抑制を行うものである。なお、図4において、12aは架台12の前側縁部、12bは架台12の側縁部であり、2個の架台12は、前側縁部12a、側縁部12bを図4において上下対称形状に設けている。
図4に示す構成によれば、2個の3次元転倒防止装置1により計量機器30の前後、左右及び上下の3次元の制震と転倒防止、更には傾きの抑制を効果的に図ることができる。
図4に示す構成において、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14に作用する計量機器30による荷重分布の一例を示すと、前側の復元機能付支持機構14に作用する荷重は片側で例えば340kg/2、後側の復元機能付支持機構14に作用する荷重は片側で例えば170kg/2である。
また、前側の復元機能付支持機構14のコイルバネ18の上下振動数は10〜15Hz、後側の復元機能付支持機構14のコイルバネ18の上下振動数は6.5Hzの例を挙げることができる。更に、前記架台12の上下撓みは±10mmの例を挙げることができる。なお、上述した各数値は図1に表示している。
(実施例2)
次に、図5、図6を参照して、本考案の実施例2に係る3次元転倒防止装置1Aについて説明する。
この3次元転倒防止装置1Aは、実施例1の場合と同様な基台11、架台12、低摩擦部材13及び復元機能付支持機構14を有している。
また、前記3次元転倒防止装置1Aは、実施例1の減衰機能付転倒防止機構15の替わりに、前記架台12と基台11との間に、中間部の連結体47を介して上下配置に二組の各々任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ53付の平行リンク42、43を各々回動可能に配置した転倒防止機構15Aを設けている。
即ち、転倒防止機構15Aは、架台12の下面に上側支持板45を、基台11の上面に下側支持板46を対称配置に固着するとともに、上側支持板45、下側支持板46の中間位置に連結体47を平行配置し、上側支持板45の前側端部と、連結体47の前側端部との間に、上側前リンクアーム48を連結し、上側支持板45の後側端部と、連結体47の後側端部との間に、上側後リンクアーム49を連結している。
また、下側支持板46の前側端部と、連結体47の前側端部との間に、下側前リンクアーム50を連結し、下側支持板46の後側端部と、連結体47の後側端部との間に、下側後リンクアーム51を連結している。
前記上側前リンクアーム48と上側後リンクアーム49、前記下側前リンクアーム50と下側後リンクアーム51は、各々平行配置としている。
更に、前記上側前リンクアーム48、上側後リンクアーム49は、架台12に対して各々回動支持部52により回動可能に連結され、前記下側前リンクアーム50、下側後リンクアーム51は、基台11に対して回動支持部52により回動可能に連結され、前記上側前リンクアーム48、下側前リンクアーム50は、連結体47の前側端部に任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ53を介して回動可能に連結され、前記上側後リンクアーム49、下側後リンクアーム51は、連結体47の後側端部に任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ53を介して回動可能に連結されている。
次に、本実施例2に係る3次元転倒防止装置1Aの制震動作、転倒防止動作について図7をも参照して説明する。
本実施例2に係る3次元転倒防止装置1Aは、前記基台11、架台12、低摩擦部材13、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14、摩擦ダンパ53付の平行リンク42、43を用いた減衰機能付転倒防止機構15Aから構成したものであり、実施例1の場合と同様、全体として機構が簡略で低価格な3次元転倒防止装置1Aとすることができる。
また、実施例1の場合と同様、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14により、地震等による振動終了後に対象物2を自動的に正常な定位置への原点復元が可能である。また、前記コイルバネ18、前記任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ53付の平行リンク42、43により、上下方向、前後方向の振動に対する優れた振動減衰作用を発揮させることもできる。
更に、転倒防止機構15Aにおける平行リンク42、43の連動により前記架台12を基台11に対して平行配置に維持し対象物2の転倒を防止することができる。
即ち、図7に示すように、前記転倒防止機構15Aに対して、例えば対象物2の後方への傾きによる傾き荷重が前記架台12を介して作用するとき、この傾き荷重により上側支持板45の後側は下方に変位が、このとき平行リンク42、43の連動動作によって、上側支持板45の前側も後側と同様に下方に変位し、前記架台12を基台11に対して平行配置に維持する。これにより、対象物2の傾きは自動的に無くなり転倒が防止される。
前記転倒防止機構15Aとしては、平行リンク42、43として摩擦ダンパ53を省略したものを用いるとともに、図示しないが前記架台12、基台11間に油圧ダンパ、弾塑性部材等からなる振動減衰手段を別置で配置した構成とすることもでき、この場合においても前記摩擦ダンパ53付の平行リンク42、43の場合と同様な転倒防止作用、振動減衰作用を発揮させることができる。
本実施例2に係る3次元転倒防止装置1Aは、更に設置面3上に前記低摩擦部材13を接触させているので、実施例1の場合と同様、設置面3からこの3次元転倒防止装置1に前後又は左右方向の振動が伝達される際に、前記低摩擦部材13の滑動により3次元転倒防止装置1自体も前後又は左右方向に変位し、これにより、低摩擦部材13が無い場合に比べ対象物2の前記振動による傾きを抑制できる。
次に、図8を参照して、本実施例2に係る3次元転倒防止装置1Aを2個使用して、対象物2の一つである計量機器30の制震及び転倒防止を図る構成について説明する。
この場合には、図8に示すように、計量機器30の前後方向両側底部に2個の架台12を対称形状とした3次元転倒防止装置1Aを各々対称配置に設置して、既述した場合と同様な各3次元転倒防止装置1Aの作用により当該計量機器30の前後、左右及び上下の3次元の制震と転倒防止、更には傾きの抑制を行うものである。
図8に示す構成によれば、2個の3次元転倒防止装置1Aにより、計量機器30の前後、左右及び上下の3次元の制震と転倒防止、更には傾きの抑制を効果的に図ることができる。
この場合においても、2個の3次元転倒防止装置1Aの各転倒防止機構15Aとして、平行リンク42、43として摩擦ダンパ53を省略したものを用い、図示しないが前記架台12、基台11間に油圧ダンパ、弾塑性部材等からなる振動減衰手段を別置で配置した構成とすることもでき、このような構成によっても図5に示す転倒防止機構15Aを使用する場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
図8に示す構成において、支持ピン16及びコイルバネ18を用いた復元機能付支持機構14に作用する計量機器30による荷重分布の一例を示すと、前側の復元機能付支持機構14に作用する荷重は片側で例えば320kg/2、後側の復元機能付支持機構14に作用する荷重は片側で例えば160kg/2である。
また、前側の復元機能付支持機構14のコイルバネ18の上下振動数は10Hz、後側の復元機能付支持機構14のコイルバネ18の上下振動数は6.5Hzの例を挙げることができる。更に、前記架台12の上下撓みは±10mmの例を挙げることができる。なお、上述した各数値は図5に表示している。
上述した実施例1、2において、対象物2としては上述した計量機器30他、多岐にわたり、取付寸法等はそれぞれ異なることになるが、本実施例1、2に係る3次元転倒防止装置1、1Aは各々各種寸法の対象物2に簡略に取り付けて対応することが可能である。
また、上述した実施例1、2において、3次元転倒防止装置1又は1Aにおける支持剛性は、対象物2の重心位置を配慮して設定し、場合によっては架台12を傾斜配置とする構成を採用することも可能である。更に、対象物2の並進については3次元転倒防止装置1又は1Aの横剛性を有効活用するという応用も可能である。
本考案は、上述したような各種の計量機器における地震時の制震、転倒防止を行う場合の他、コンピュータ装置、国宝や重要文化財指定を受けた美術品等の展示台、精密機器、制御機器等のような各種広範な対象物の地震時の転倒防止を行う場合に幅広く適用可能であり、地震発生時にこれら機器の移動・転倒等による人的な被害防止、これら機器の正常動作の確保、避難経路の確保による2次災害の発生防止を図ることができる。
本考案の実施例1に係る3次元転倒防止装置の概略構成を示す概略側面図である。 図1のA−A線断面図である 本実施例1に係る3次元転倒防止装置における油圧ダンパを用いた転倒防止機構の動作説明図である。 本実施例1に係る3次元転倒防止装置を2個用いて対象物の転倒防止を行う構成を示す概略平面図である。 本考案の実施例2に係る3次元転倒防止装置の概略構成を示す側面図である。 図5のB−B線断面図である 本実施例2に係る3次元転倒防止装置における平行リンクを用いた転倒防止機構の動作説明図である。 本実施例2に係る3次元転倒防止装置を2個用いて対象物の転倒防止を行う構成を示す概略平面図である。
符号の説明
1 3次元転倒防止装置
1A 3次元転倒防止装置
2 対象物
3 設置面
11 基台
12 架台
12a 前側縁部
12b 側縁部
13 低摩擦部材
14 復元機能付支持機構
15 転倒防止機構
15A 転倒防止機構
16 支持ピン
17 下側端部板
18 コイルバネ
19 上側端部板
21 油圧ダンパ
21a シリンダーロッド
21b シリンダー
22 油圧ダンパ
22a シリンダーロッド
22b シリンダー
23 配管路
24 配管路
25 当接板
26 当接板
27 絞り弁
28 絞り弁
30 計量機器
42 平行リンク
43 平行リンク
45 上側支持板
46 下側支持板
47 連結体
48 上側前リンクアーム
49 上側後リンクアーム
50 下側前リンクアーム
51 下側後リンクアーム
52 回動支持部
53 摩擦ダンパ

Claims (7)

  1. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置した復元機能付支持機構と、
    前記基台と架台との間に配置した前記対象物の傾斜発生時に傾斜力を利用して前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、
    を有することを特徴とする3次元転倒防止装置。
  2. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボルト支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記基台と架台との間において前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に配置した一対の2ポート型の油圧ダンパと、両油圧ダンパの各ポートを相互に交差接続する配管路とからなり、前記対象物の傾斜発生時に一方の油圧ダンパに加わる傾斜力に伴う変位を油圧移動により他方の油圧ダンパの変位に連携させて前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、
    を有することを特徴とする3次元転倒防止装置。
  3. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボルト支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記基台と架台との間において前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に配置した一対の2ポート型の油圧ダンパと、両油圧ダンパの各ポートを相互に交差接続する配管路とからなり、前記対象物の傾斜発生時に一方の油圧ダンパに加わる傾斜力に伴う変位を油圧移動により他方の油圧ダンパの変位に連携させて前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、により3次元転倒防止装置を構成し、
    該3次元転倒防止装置2個を対象物の前後方向両側底部に配置して当該対象物の制震及び3次元転倒防止を行うようにしたことを特徴とする3次元転倒防止装置。
  4. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボルト支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記架台と基台との間に、中間部の連結体を介して上下配置に任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ付の平行リンク二組を回動可能に配置し、前記対象物の傾斜発生時に前記摩擦ダンパにより振動減衰を行いつつ二組の平行リンクの連動により前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、
    を有することを特徴とする3次元転倒防止装置。
  5. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボル支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記架台と基台との間に、中間部の連結体を介して上下配置に任意の値に設定された摩擦力を持った摩擦ダンパ付の平行リンク二組を回動可能に配置し、前記対象物の傾斜発生時に前記摩擦ダンパにより振動減衰を行いつつ二組の平行リンクの連動により前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、により3次元転倒防止装置を構成し、
    該3次元転倒防止装置2個を対象物の前後方向両側底部に配置して当該対象物の制震及び3次元転倒防止を行うようにしたことを特徴とする3次元転倒防止装置。
  6. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボルト支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記架台と基台との間に、中間部の連結体を介して上下配置に平行リンク二組を回動可能に配置するとともに任意の値に設定された摩擦力を持った振動減衰手段を配置し、前記対象物の傾斜発生時に前記振動減衰手段により振動減衰を行いつつ二組の平行リンクの連動により前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、
    を有することを特徴とする3次元転倒防止装置。
  7. 対象物の設置を行う設置面上に配置する基台と、
    該基台の上方で対象物の底面に当接させる架台と、
    前記基台と設置面との間に介在させる低摩擦部材と、
    前記基台と架台との間における前記対象物の前側、後側位置に対応する位置に各々配置したバネ支持、ピン支持又はボルト支持からなる復元機能付支持機構と、
    前記架台と基台との間に、中間部の連結体を介して上下配置に平行リンク二組を回動可能に配置するとともに任意の値に設定された摩擦力を持った振動減衰手段を配置し、前記対象物の傾斜発生時に前記振動減衰手段により振動減衰を行いつつ二組の平行リンクの連動により前記架台を基台に対して平行配置に維持し対象物の転倒を防止する転倒防止機構と、
    により3次元転倒防止装置を構成し、
    該3次元転倒防止装置2個を対象物の前後方向両側底部に配置して当該対象物の制震及び3次元転倒防止を行うようにしたことを特徴とする3次元転倒防止装置。
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WO2011158823A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 国立大学法人熊本大学 振動減衰装置
JP2019516439A (ja) * 2016-04-13 2019-06-20 青島海爾洗衣机有限公司QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd. 自動レベリング機能を有する洗濯機脚および洗濯機

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