JP3854999B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋内に設置される免震装置に関し、特に、美術品等の小型の物体を保護するための免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、構造物における免震の原理は、構造物の基礎とその上部構造物との間に柔らかい支承(免震支承)やダンパーなどの装置を設けて構造物全体の固有周期を伸ばし、あるいは振動を受け流し、減衰を増加させて、地震に対する応答の軽減を図るものである。これは、多くの場合、構造物の固有周期が1秒以下では加速度応答が大きく、固有周期が2〜3秒と長くなると加速度応答が小さくなるという長年の地震観測を通じて明らかになった成果に基づく技術である。免震をエネルギー的に捉えると、ダンパーを利用して構造物に入力される地震エネルギーを吸収し、免震支承を用いて振動を上部構造に伝えにくくする仕組みであるといえる。また、免震装置は、柔らかさや滑らかさを保持しつつ、地震によって生じる大きな変位に対応できること、繰り返しの変位に耐えられること、大きな変形を生じても地震が終わった後は元の位置に戻るという復元性が必要になる。
【0003】
このような構造物における免震に関する従来技術として、特許文献1が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−315886号公報
【0005】
この文献によれば、構造物側と基礎側とに受け台を設け、この上下一対の受け台の間に球体を挟み、基礎側の受け台に減衰要素と復元要素とを設けることにより、地震の水平方向の振幅の大きさに関わらず共振周波数を低く一定に保つことができるとされている。
【0006】
また、3次元方向に対する免震構造の従来技術として、特許文献2が挙げられる。
【0007】
特開平6−294443号公報
この文献によれば、構造物の床下に設置する免震装置として、ダンパーの下部にベアリングを配して水平方向と上下方向との振動を低減させる構造が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
大規模直下型地震による振動は水平方向のみならず、上下方向すなわち鉛直方向に伝播する振動を無視することはできない。しかし、上記の特許文献1の方法によれば、水平方向の振動のみについて免震され、鉛直方向に対する免震の考え方が全くない。さらに、サイクロイド曲線面に沿って球体が移動することにより、水平方向の振動が加えられた場合に球体は鉛直方向にも変位を持つこととなり、いわば水平方向の振動を鉛直方向の振動に変換するよう働くこととなる。また、特許文献2によれば、ベアリング支承体(符号18)の上部にダンパー(符号11)を有するため、免震装置全体としては、最低でもこれらの高さを足し合わせた高さが必要となってしまい、免震を施した部屋空間が狭くなったり、加震時において発生するせん断力やモーメントによって免震装置の強度が保たれなかったりする恐れがある。また、特許文献1や特許文献2を含め、一般に従来の免震装置は構造物全体や部屋全体を対象とするため、すでに建築されている構造物に対して免震を施すことは非常に困難であり、また、このような免震装置は装置規模が大きく、高価である場合が多い。そのため、美術館や博物館等に所蔵されている美術工芸品や有形文化財(以下、美術品と総称する)を保護する場合は、免震装置を導入するために構造物全体を建て直す等の大規模な工事が必要となっていた。しかも、地震の伝わり方は地域によって様々であり、仮にその地域において多発する地震波に対して免震装置が対応していない場合、既に構造物の基礎や壁内に設置した免震装置の特性を変更することは、ほぼ不可能であった。また、構造物の基礎や壁内に免震装置を設置した場合、経年劣化等の理由により免震装置の一部を交換したり修理したりすることはほぼ不可能である。
【0009】
一方、美術品の重量は様々であり、一定の入力波に対する変動すなわち地震時におけるゆれ方も様々である。また、美術品は台座に対して剛に固定されていることはなく、台座に静置させていることが一般的である。このため、従来の免震装置のように構造物や部屋に対する保護方法では、様々な重量すなわち様々なゆれ方をする美術品を全て同様に保護することは困難である。美術品は、貨幣価値に換算することの出来ない文化的価値を有することが多いことからも、早急に小型かつ効果の高い免震装置の開発が望まれていた。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、水平方向のみならず鉛直方向の振動に対しても高い免震効果を持つ小型の免震装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の免震装置は、上部に美術品等の保護物体を静置させ固定台の上に設置する免震装置において、免震装置は、固定台に配される受台と本体とからなり、上記本体は複数の脚部と一つの基部とを備え、上記脚部はボールベア部と上下一対のアーム部とを備え、上記受台は凹状曲面を有し、受台の凹状曲面にボールベア部を配して本体が滑り可能に支承され、ボールベア部には上下一対のアーム部の片端が回転可能に接続され、上記アーム部の他端が基部に回転可能に接続され、固定台に対して略鉛直方向となるように減衰要素と復元要素とが、基部及び脚部にそれぞれ回転可能に接続されていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、ボールベア部と受台の凹状曲面とが地震動入力における水平方向の応答を軽減させ、減衰要素と復元要素とが地震動入力における鉛直方向の応答を軽減させる。また、上下一対のアーム部に対してボールベア部と基部とがそれぞれ回転可能に接続され、減衰要素と復元要素とが基部及び脚部にそれぞれ回転可能に接続されているため、水平方向の動きと鉛直方向の動きとが互いに影響しない。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の免震装置は、請求項1記載の発明を前提として、前記脚部は4つ以上備えられ、前記凹状曲面は4つ以上備えられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、脚部及び凹状曲面を4つ以上備え、一方、ボールベア部、アーム部及び基部がそれぞれ回転可能に接続されているため、ボールベア部の1つが凹状曲面から逸脱した場合は、基部を水平に保つようにそのボールベア部と基部との間の各接続の回転角度が変化する一方で、他の少なくとも3つのボールベア部においても基部を水平に保つよう働くこととなる。
【0015】
また、本発明の請求項3記載の免震装置は、請求項1記載の発明を前提として、前記上下一対のアーム部のいずれか一方がターンバックルタイロッドであることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、アーム部の一方がターンバックルタイロッドであるため、このアーム長さが調節可能となり、固定台に対する免震装置の上部の水平度や免震装置を構成する個々の部品精度のばらつきを調整することができる。
【0017】
また、請求項4記載の免震装置は、請求項1記載の発明を前提とし、前記減衰要素が、油圧ダンパーであることを特徴とする。また、請求項5記載の免震装置は、請求項1記載の発明を前提とし、前記復元要素が、コイルバネであることを特徴とする。
【0018】
これらの発明は、請求項1記載の発明において、減衰要素が油圧ダンパーであることが好ましく、また、復元要素がコイルバネであることが好ましいことを示す。
【0019】
また、請求項6記載の免震装置は、請求項1記載の発明を前提とし、前記上下一対のアーム部のいずれか一方、減衰要素、及び復元要素を回転可能に接続する手段として、ピロボールを使用することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、上方のアーム部、減衰要素、及び復元要素が、それぞれピロボールによって回転可能に接続されているため、それぞれの接続先には回転力が伝わらず軸力のみが伝えられる。
【0021】
なお、免震装置の設計方法は、水平方向と鉛直方向とで異なる振動軽減機構を選択し、かつ、回転機構によってそれぞれの振動軽減機構を接続し、予想される地震動入力に対する免震装置の応対を水平方向と鉛直方向とについて運動方程式を計算した結果から免震装置の部品の定数を決定する事を特徴とする。
【0022】
地震動の伝わり方は地域によって様々であるため、免震装置の応答も様々であると考えられる。したがって、シミュレーションにより免震装置の応答を確認しておくことは重要である。水平方向と鉛直方向とで振動軽減機構が異なり、かつ、回転機構によってそれぞれの振動軽減機構が接続されているため、入力波に対する免震装置の応答は水平方向と鉛直方向とに切り分けて運動方程式を計算することができる。したがって、予想される地震動入力に対する免震装置の応答を容易なシミュレーション手法にて予想することができ、この結果から地震動入力時に所望の動きが得られるよう部品の定数を決定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、美術品の保護を目的とする免震装置を例に図面を引用しながら説明する。
【0024】
本発明の免震装置の概観図を図1に示す。免震装置100は、4枚の受台1と、本体とからなり、本体は4個の脚部101と、1個の基部102とからなる。受台1は、上面を凹状曲面として球面にくり抜いたプレートであり、それぞれ固定台200(図2に示す)の上に固定される。また、受台1の材料は、装置強度を確保し経年劣化に対応するためにステンレスが好ましい。本実施の形態において、受台1は4枚とし、受台1のそれぞれに凹状の球面が形成されているが、本発明はこれを限定するものではなく、例えば、受台1を5枚以上としても、受台1の表面に複数の凹状曲面を設けたり、凹状曲面を楕円体等にくり抜いたりした受台1であっても本発明に含まれる。脚部101は、それぞれ受台1に対して滑り可能に支承される。この受台1と脚部101とが水平方向に対する免震構造を成し、受台1の凹状の面の位置エネルギーを利用した復元力、及び脚部101と受台1との摩擦力を利用した減衰力を発生させる機構となっている。この免震構造は、入力された地震動を受け流す、いわゆる絶縁の概念に近いものである。
【0025】
免震装置100の脚部101近辺の側面図を図2に示す。受台1に接触する部分はボールベア構造であり、ステンレス製のボール2、ボールベア本体3、及び接合ネジ5とでボールベア部が構成される。接合ネジ5はフット4の底部内側に累合され、フット4の上部側面がフット側アップライト6に累合されている。フット側アップライト6には、上下一対のアームが接合されている。上側のアームすなわちアッパーアームはターンバックルタイロッドであり、ターンバックル用アジャスター7及びターンバックルシャフト8からなる。下側のアームすなわちロアアームは、ステンレスプレート9及び可動ヒンジ部9aからなる。アッパーアームのターンバックル用アジャスター7は、フット側アップライト6及びマウンター側アップライト17と、それぞれピロボール20によって回転可能に接合されている。ピロボール20のボール型接合により、フット側アップライト6及びマウンター側アップライト17には、ターンバックルタイロッドの軸力のみが伝えられる。ロアアームは、フット側アップライト6及びマウンター側アップライト17と、それぞれ可動ヒンジ部9aによって回転可能に接合されている。
【0026】
基部102は、1枚のベースプレート18、4個のマウンター19及び4個のダンパーステー16からなる。ベースプレート18は、上面形状が正方形のプレートであり、正方形の頂点にあたる部分にそれぞれマウンター19の底部が累合される。ベースプレート18は、偏心がなければ他の形状としてもよい。マウンター19の外側面にはマウンター側アップライト17が累合される。マウンター19の上部には、ダンパーステー16が累合される。ダンパーステー16には長穴16aが形成されているため、マウンター19との累合位置を調整することが出来る。また、ターンバックルシャフト8を回転させてターンバックル用アジャスター7の位置を調整することにより、ダンパーステー16の上面の角度(水平度)や個々の部品精度のばらつきを調整することができる。
【0027】
ダンパーステー16の上端部にはオイルダンパー(油圧ダンパー)の片端がピロボール20によって回転可能に取り付けられる。オイルダンパーは、減衰要素としてのショックアブゾーバと復元要素としてのコイルバネ13とからなる。ショックアブゾーバは、シリンダー11と、シリンダー11に累合されるシリンダーナット12と、ピストンロッド14と、ピストンロッド14の端部を固定するロアアーム用アジャスター10と、シリンダーキャップ15とからなる。コイルバネ13は、内側にピストンロッド14及びシリンダー11を擁し、ロアアーム用アジャスター10とシリンダーナット12との間に弾性力に抗して支持されている。シリンダーナット12を回転させることにより、ダンパーステー16の上面の角度(水平度)や個々の部品精度のばらつきを調整することもできる。ロアアーム用アジャスター10は、ピロボール20によってロアアーム9と回転可能に取り付けられる。このようにして、減衰要素及び復元要素の機能を持つオイルダンパーが、固定台200に対して略鉛直方向となるように、かつ、基部102及び脚部101に対してそれぞれ回転可能に接続されている。本実施の形態において、オイルダンパーは脚部101のロアアーム9に接続されているが、本発明はこれを限定するものではなく。脚部101における他の部分にオイルダンパーを回転可能に接続することも本発明に含まれるものとする。また、免震装置100の受台1を除く部分の質量を軽減するために、フット4、フット側アップライト6、ロアアーム9、マウンター側アップライト17、ダンパーステー16、マウンター19及びベースプレート18の材料は、ジュラルミンを使用した。本発明は、上記材料を限定するものではなく他の材料を使用することも含むが、軽く、強度が十分に保てる材料であることが好ましい。また、本実施の形態の免震装置100は、従来のように建物に施すような装置とは異なって小型であり、受台1を除く部分の大きさは、幅29cm、奥行き29cm、高さ11cmであり、受台1を含む大きさは、幅47cm、奥行き47cm、高さ12cmである。
【0028】
図3は、免震装置100を美術品22の保護に使用した側面図である。図3において前後方向に相当する脚部101は、図示を省略している。免震装置100の受台1は、固定台200に固定されている。美術品22は、基部102のダンパーステー16上部に配した載置台21に静置されている。静止状態における載置台21の水平度を高精度に保つため、ターンバックルシャフト8及びシリンダーナット12を回転させてダンパーステー16上面の水平度を微調整することができる。また、美術品22の展示における美観を保つため、載置台21の上面から布(図示せず)を被せて免震装置100が外から見えなくするようにしてもよい。このとき、載置台21の大きさを十分確保する等により、布が免震装置100の動作を妨げないように注意する必要がある。
【0029】
このような免震装置100に水平方向の振動が加えられた場合は、ボール2が受台1の球面状表面を滑り、位置エネルギーにより復元力が働き、同時にボール2の摩擦により減衰力が働くことにより、所定の時間経過後においてボール2は受台1の中心部に収束する。脚部101において、水平方向の運動は絶縁の概念によるものであるため、鉛直方向の運動に対して影響を与えることは少ない。また、各部のピロボール20及び可動ヒンジ部9aによる回転機構によって、脚部101の水平移動に伴って生じる鉛直方向の変位が吸収されることとなる。一方、免震装置100に鉛直方向の振動が加えられた場合は、ショックアブゾーバによって減衰力が働き、コイルバネ13によって復元力が働くことにより、振動が軽減及び収束される。また、各部のピロボール20及び可動ヒンジ部9aによる回転機構により、鉛直方向の運動に関わらずボールベア部は固定台200に対して鉛直姿勢が保たれ、鉛直方向の運動が水平方向の運動に影響を与えることが少ない。したがって、水平方向と鉛直方向とにおいてそれぞれ独立して運動するため、水平方向と鉛直方向と同時に振動が加えられても、水平方向と鉛直方向とで互いに影響を及ぼすことなく、それぞれが独立して振動が軽減される。図4に、この動作の様子を模式的に表す。図4(a),(b),(c)は、鉛直方向に振動が加えられたときの動作イメージを表す。また、図4(d)は、1個の脚部101が受台1から脱落したときの動作イメージを表す。すなわち、仮に1個の脚部101が受台1の凹状曲面から逸脱(場合によっては受台1から脱落)しても、回転機構により基部102の上面をほぼ水平に保つことができ、比較的安定性が確保される。
【0030】
上述したように、本発明の免震装置100は、水平方向に対する振動軽減機構と鉛直方向に対する振動軽減機構とがほぼ独立して運動する。したがって、水平及び鉛直振動の同時入力の際においても、その応答において水平方向と鉛直方向とで互いに影響しあうことは少なく、水平方向の入力に対する水平方向の応答と、鉛直方向の入力に対する鉛直方向の応答とについて、それぞれ運動方程式を導出することによってシミュレーションを行う。また、シミュレーションにより免震装置100の応答を確認することで、地震動入力時に所望の動きが得られるよう部品の定数を決定する。
【0031】
(水平方向の運動方程式)
水平方向の振動軽減機構は、受台1の凹状球面をボール2が転がる運動であり、可動ヒンジ部9aの機構によりサスペンションが水平方向へ回転しないため、4枚の受台1のそれぞれについてボール2は同じ運動をする。したがって、水平方向の運動は、円弧(球面)を拘束とする1質点の運動であると考えることができる。このとき、運動方程式は、次式で表される。
【数1】
Figure 0003854999
ここで、mは質量、cは減衰係数、kはばね定数(復元力の係数)、xは変位、F0sinωtは外力を表す。
【0032】
数1の解は、右辺を0としたときの斉次解と、数1を満たす一つの特殊解との和として表される。右辺を0としたときの斉次解は、数2で表され、一つの特殊解として、数3で表されるため、一般解は数4で表される。
【数2】
Figure 0003854999
【数3】
Figure 0003854999
【数4】
Figure 0003854999
【0033】
この一般解は、通常の1自由度系強制振動の運動方程式の解と同じであるが、本発明のように絶縁の免震装置100の場合、ばね定数kの値が非常に小さいため、装置の固有振動数は非常に低く、すなわち固有周期が非常に長くなる。ここで、ばね定数kを無視すると、速度応答及び加速度応答は数5及び数6で表される。
【数5】
Figure 0003854999
【数6】
Figure 0003854999
【0034】
数4、数5及び数6は、質量mもしくは減衰係数cが増加するにしたがって変位応答、速度応答及び加速度応答のいずれにおいてもその値が減少すること、すなわち免震効果が大きくなることを示している。また、数4は、円振動数ωが大きい場合は、質量m及び減衰係数cに関係なく大きな変位応答軽減効果が得られることを示す。すなわち、本発明のような絶縁の免震装置100は、高振動数領域において、外力(入力振動)が大きくても変位を非常に小さく抑えることが可能であることを示す。さらに、数6から加速度応答は常にF0/mよりも小さな値をとるため、本発明の免震装置100は、入力振動数によらず広い振動数領域にわたって免震効果が得られることが示される。
【0035】
(鉛直方向の運動方程式)
鉛直方向の運動は、サスペンション(符号6,7,8,9,17に相当)及びダンパー(符号10,11,12,13,14,15に相当)の一般的な作用から、4つの脚部101は一つの系と考えられ、ばね定数k、減衰係数cを持つ1質点系の運動として解釈することができる。このときの運動方程式は、数7で表される。
【数7】
Figure 0003854999
ここで、mは質量、cは減衰係数、kはばね定数(復元力の係数)、yは変位、F0sinωtは外力を表す。
【0036】
数7の解は、右辺を0としたときの斉次解と、数7を満たす一つの特殊解との和として表される。ここで、減衰定数をhとすると、本発明の免震装置100において、鉛直方向の減衰要素には一般的なダンパーを使用するため、減衰定数hは1以上である。このとき、右辺を0としたときの斉次解は、数8(hが1より大きい場合)及び数9(hが1である場合)で表され、一つの特殊解として、数10で表されるため、一般解は数11で表される。
【数8】
Figure 0003854999
【数9】
Figure 0003854999
【数10】
Figure 0003854999
【数11】
Figure 0003854999
【0037】
通常、振動系の固有振動数と入力波形の卓越振動数とが等しい場合、もしくは非常に近い場合、振動系は共振状態となり応答は大幅に増大する。しかし、本発明の免震装置100のように鉛直方向の減衰定数hが1以上である場合は、振動系の固有振動数と入力波形の卓越振動数とが等しい場合でも、共振現象は現れない。したがって、広い振動数領域の入力に対しても、加速度応答の低下を得ることができる。
【0038】
(シミュレーション)
本実施の形態におけるシミュレーションには、直接積分法(Wilsonθ法)を用いる。本発明のように一質点減衰系の運動方程式は、質点変位をx(t)、減衰定数をh、非減衰固有円振動数をω0、入力地動変位をz(t)とすると、数12のように表される。
【数12】
Figure 0003854999
【0039】
直接積分法は、微分方程式の解法としては初期値問題に属し、時刻tあるいはそれ以前の時点において、すでに既知となっている応答値(質点変位、質点速度及び質点加速度)と、時刻t+△tまでの入力地動加速度データに基づいて、時刻t+△tにおける応答値を決定し、この計算を繰り返すことによって、応答の全時刻暦を数値的に求める手法である。この手法を表現する漸化式は、数13乃至数15のように表される。
【数13】
Figure 0003854999
【数14】
Figure 0003854999
【数15】
Figure 0003854999
ここで時刻t+△tにおける質点変位及び質点速度が決まれば、時刻t+△tにおける相対応答加速度あるいは絶対応答加速度(相対応答加速度と入力地動加速度の和)は、時刻t+△tにおける運動方程式(数16)によって求められる。
【数16】
Figure 0003854999
【0040】
したがって、マトリックスAおよびマトリックスBを理論的あるいは近似的に定めれば、応答の初期値を与えた後、この漸化式を時間間隔△tごとに順次適用することにより、全応答時刻歴が求められる。上記マトリックスAおよびマトリックスBの係数を具体的に定めるためのWilsonθ法を以下に説明する。
【0041】
(Wilsonθ法)
Wilsonθ法では、時点tにおける本装置(1軸方向)の運動方程式は、数12で表され、区間t〜t+△tを越える時点t+θ△t(ただし、1≦θ)においても、数16が成り立つ。また、区間t〜t+△tを超えて時刻t+θ△tまで、相対応答加速度ならびに入力地動加速度を線形に外挿すれば、数17、数18のように凸結合で表される。
【数17】
Figure 0003854999
【数18】
Figure 0003854999
さらに時点t+θ△tにおける質点変位及び質点速度は、数19、数20のように表される。
【数19】
Figure 0003854999
【数20】
Figure 0003854999
ここでθ=1とおけば、上記の式は数21、数22となる。
【数21】
Figure 0003854999
【数22】
Figure 0003854999
【0042】
上記の数21、数22をマトリックスAおよびマトリックスBの漸化式(数13乃至数15)に代入すると、各マトリックスのパラメータは数23乃至数31で表される。
【数23】
Figure 0003854999
【数24】
Figure 0003854999
【数25】
Figure 0003854999
【数26】
Figure 0003854999
【数27】
Figure 0003854999
【数28】
Figure 0003854999
【数29】
Figure 0003854999
【数30】
Figure 0003854999
【数31】
Figure 0003854999
【0043】
一般に、運動方程式を直接積分法によって解く場合には、常に解の安定性に注意しなければならない。このことは、離散変数の時間間隔△tが、応答を求める系の固有周期Tに比べて、比較的大きいときに問題となる。Wilsonθ法は、θ≧1.37の場合に無条件安定であることが知られている。
【0044】
(実施例)
入力する模擬地震動として性質の異なる2種類の地震波を想定し、そのうちの1つについて高い効果が得られるよう、本実施の形態の免震装置100のパラメータを設定し、免震装置100を作成した。高い効果が期待される模擬地震動をHwとし、効果が期待されない模擬地震動をLwとする。
【0045】
模擬地震動Hwは、水平方向の最大加速度が1533gal、鉛直方向の最大加速度が543galであり、水平方向の振動数成分は3〜7Hzの領域を多く持ち卓越振動数が5.3Hz、鉛直方向の振動数成分は3Hzからそれ以上の高い振動数領域まで幅広い成分を持ち卓越振動数が11.9Hzである。この模擬地震動Hwは、2000年に発生した鳥取県西部地震のように内陸部の直下型地震に見られる地震波形の特徴に似ている。また、地盤が液状化しないことと、免震装置100の設置場所は比較的低層の鉄骨構造物もしくはそれよりも硬い構造物内であることを満たす波形であり、すなわち、鉛直方向の振動が無視できない大きさであり、高い振動数成分を多く持つという特徴を持つ。
【0046】
一方、模擬地震動Lwは、水平方向の最大加速度が253gal、鉛直方向の最大加速度が225galであり、水平方向の振動数成分は0.5〜4Hzの領域を多く持ち卓越振動数が1.4Hz、鉛直方向の振動数成分は0.5Hzからそれ以上の高い振動数領域まで幅広い成分を持ち卓越振動数が0.8Hz、3.6Hz及び4.8Hzである。この模擬地震動Lwは、沖積層地盤の直下型地震もしくは海洋プレート型地震に見られるような比較的長い周期の成分を多く持つ地震波形と同様の特徴を持つ。
【0047】
まず、水平方向の振動数成分について、模擬地震動Hwの振動数成分に近くなく、かつ模擬地震動Lwの振動数成分に近くなるよう、本実施の形態の免震装置100における水平方向の固有振動数fsを0.9Hzと定める。免震装置100の水平方向の運動方程式は、数1で表される。ここで、数1の両辺を質量mで割り、ばね定数k(復元力)との比k/mは、g/l(ただし、gは重力加速度、lは受台1の球面半径)で表されることから、固有円振動数ωs0は、数32で表される。また、減衰定数hは、数33、数34で表される。
【数32】
Figure 0003854999
【数33】
Figure 0003854999
【数34】
Figure 0003854999
ここで、固有円振動数ωs0は数35で表されるため、数32と数35とから受台1の球面半径lは、約0.3mに定められる。
【数35】
Figure 0003854999
また、本体装置の重量は1.7kgとし、保護する美術品の重量を0.5kgとすると、重力加速度gが980galであるから、質量mは0.0022kg・s2/cmである。本発明の免震装置100においては、ボールベアの減衰定数hに関わらず加速度応答の低下が得られるが、減衰定数hの大きなボールベアは滑りが悪いため、初期挙動が不安定になることが多い。したがって、滑らかに動き、減衰が比較的小さいボールベアを選択することが好ましい。
【0048】
次に、鉛直方向の振動数成分について、模擬地震動Hwの振動数成分に近くなく、かつ模擬地震動Lwの振動数成分に近くなるよう、本実施の形態の免震装置100における鉛直方向の固有振動数fpを4.8Hzと定める。免震装置100の鉛直方向の運動方程式は、数7で表されることから、固有円振動数ωp0は、数36で表される。
【数36】
Figure 0003854999
ここで、固有円振動数ωp0は数37で表され、数36と数37及び重力加速度gが980galであることから、ばね定数kは2.0kg/cmに定められる。
【数37】
Figure 0003854999
本実施の形態の免震装置100は、コイルバネ13を4個使用するため、1個のコイルバネ13のばね定数kは0.5kg/cmとなる。また、減衰係数cは、数38及び数39により求められる。鉛直方向の減衰要素には、減衰定数hが1から1.5程度の一般的なダンパーを使用するため、減衰係数cは、0.13〜0.2kg・s/cmとなる。
【数38】
Figure 0003854999
【数39】
Figure 0003854999
【0049】
ここで、高い減衰を得るために減衰定数hをあまりに大きくしたダンパーを用いると、オイルシリンダー内のオリフィスの問題や静止摩擦係数と動摩擦係数との関係などの理由により、振動の初期における挙動が不安定になることが多い。また、ばね定数kをあまりに大きくしても、振動の初期における挙動が不安定になることが多い。このため、固有円振動数ωp0の設定においては、質量mとのバランスが大切であり、保護対象である美術品等を十分に支持できる範囲内においてできるだけやわらかい(減衰定数hやばね定数kの小さい)ダンパーオイルやコイルバネ13を選択することが重要である。
【0050】
以上により求められたパラメータを用いて免震装置100を作成し、2種類の模擬地震動Hw,Lwを入力したときの加速度応答を測定した。測定は、振動台上に設置した加速度計を利用して行った。また、同様の条件において上記のシミュレーションを行い、その応答との比較を行った。その結果を図5乃至図12に示す。
【0051】
(水平方向の実施結果)
図5において(a)は、模擬地震動Hwの水平方向の波形を示し、(b)は、(a)に示される入力に対する免震装置100の水平方向の応答(測定データ)を示し、(c)は、(b)と同じ条件におけるシミュレーションの水平方向の結果を示す。図5(a)及び(b)から、本実施の形態の免震装置100において、大きな加速度低減効果が確認される。また、図5(b)及び(c)から、測定データとシミュレーション結果について、非常に高い整合性が確認される。一方、図6において(a)は、模擬地震動Lwの水平方向の波形を示し、(b)は、(a)に示される入力に対する免震装置100の水平方向の応答(測定データ)を示し、(c)は、(b)と同じ条件におけるシミュレーションの水平方向の結果を示す。図6(a)及び(b)から、本実施の形態の免震装置100において、設計上、効果が期待されない地震動が入力された場合は、あまり加速度低減効果が得られないことが分かる。また、図6(b)及び(c)から、測定データとシミュレーション結果について、非常に高い整合性が確認される。
【0052】
また、図7及び図8は、図5及び図6におけるデータのフーリエスペクトルすなわち振動数特性を示す。図7(a)及び(b)から、入力された模擬地震動Hwが3Hzから7Hzの比較的広い振動数範囲において大きな値をとるのに対し、免震装置100によって0.95Hz付近の狭い領域にのみ成分を有し、特に高振動領域の成分が大幅に減少されたことが確認される。すなわち、本実施の形態の免震装置100は、固有振動数付近を除く振動数成分を広く大幅に低減させるため、大きな免震効果が得られることが確認される。また、図7(b)及び(c)から、測定データとシミュレーションとにおいて高い整合性が確認される。一方、図8(a)及び(b)から、設計上効果が期待されない地震動が入力された場合、卓越振動数の軽減効果は少ないことが分かる。また、模擬地震動Hwを入力したときの変位応答の最大値が4.0cmであったのに対し、模擬地震動Lwを入力したときの変位応答の最大値は7.1cmと非常に大きかった。
【0053】
これらの結果から、本実施の形態の免震装置100は、設計時において想定した地震動に対して大きな免震効果が得られることが分かった。一方、設計において効果が期待されない地震動に対しては免震効果があまり得られず、変位応答が大きいことから却って被害の増大が予想されることが分かる。すなわち、保護すべきもの(美術品等)が設置される地域における地震動の性質を考慮しない安易な免震装置の導入は、却って被害の増大を招くことが分かる。また、2種類の模擬地震動Hw,Lwの応答は、測定データ及びシミュレーション結果ともに高い整合性が確認されたことから、免震装置の導入には、事前にシミュレーションを行い、その結果を利用して免震装置を設計することが有効であると言える。
【0054】
(鉛直方向の実施結果)
図9において(a)は、模擬地震動Hwの鉛直方向の波形を示し、(b)は、(a)に示される入力に対する免震装置100の鉛直方向の応答(測定データ)を示し、(c)は、(b)と同じ条件におけるシミュレーションの鉛直方向の結果を示す。図9(a)及び(b)から、応答の最大加速度が543galから279galにまで、すなわちおよそ半分にまで低減されていることが分かる。一方、図10は、模擬地震動Lwの鉛直方向の波形及びその応答を示す。図10(a)及び(b)から、応答の最大加速度が225galから145galにまで、すなわち入力のおよそ60%にまで低減されていることが分かる。また、図9(b)と(c)、及び図10(b)と(c)から、測定データとシミュレーションとにおいて高い整合性が確認される。
【0055】
図11及び図12は、図9及び図10におけるデータのフーリエスペクトルすなわち振動数特性を示す。図11(a)及び(b)から、模擬地震動Hwの入力とその応答ともに広い振動数成分を持っていることが確認される。また、図11(b)において、本実施の形態の免震装置100における固有振動数である4.7Hz付近に共振現象が見られない。これは、減衰定数hが1以上である場合は、共振現象が起こらないため、広い振動数領域の模擬地震動Hwの入力に対して、系の固有振動数によらず加速度応答の低下を得ることができることを示す。また、図12(a)及び(b)からも上記と同様のことが示される。すなわち、設計上、効果が期待されない模擬地震動Lwに対しても、共振現象を起こすことなく加速度応答の低下を得ることができる。また、図11(a)と(c)、及び図12(a)と(c)からも、それぞれ上記と同様の結果が得られていることから、測定データとシミュレーションとにおいて高い整合性が確認される。
【0056】
上述したように、地震発生機構によって地震動波形は異なる特徴を持つため、地震動波形は地域によって異なるものである。各地域において発生頻度の高い地震動波形に関する情報は、主に地域の行政機関等においてデータが保管されている。また、免震装置100に入力される振動は、地震動の発生機構のほか、伝播経路や設置場所(建物の構造等)により振動波形の特徴が異なるため、これらの条件を考慮してシミュレーションに利用する模擬地震動Hwを選択する必要がある。
【0057】
以上述べたように、本実施の形態における免震装置100は、設置される地域における地震の特性、伝播経路や設置場所等の条件を踏まえて、柔軟に設計することができる。その手法は、運動方程式から各パラメータを算出するものであり、そのパラメータは、受台の表面をくり抜く球面の径、コイルバネのばね定数及びダンパーオイルの減衰定数であるため、パラメータを変更するにはこれらの部品を取り替えることで実現でき、装置本体の構造を変更する必要はない。
【0058】
本実施の形態において、免震装置100の脚部101及び受台1は4個ずつとしたが、本発明はこれを限定するものではなく、脚部101及び受台1を5個以上としてもよい。このとき、強い振動入力によって受台1から脚部101が外れ落ちた場合でもダンパーステー16の上面の水平度をさらに安定的に保つことができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、受台とボールベア部とが水平方向に加えられた振動を軽減させ、脚部のショックアブゾーバ及びコイルバネとによるダンパーが鉛直方向に加えられた振動を軽減させるため、従来のように水平方向に対してのみならず、鉛直方向に対しても免震効果が得られることとなる。また、各部が回転可能に接続されているため、これら水平方向の動作と鉛直方向の動作とが互いに影響しない構造となり、動作方向別に運動方程式を導出することができ、容易に応答のシミュレーションを行うことができる。すなわち、上述したように、地震動の波形は地域によって特徴が異なり、この特徴を考慮しないで免震装置を導入することは却って被害の増大を招く恐れがあることから、事前のシミュレーションによる免震装置の設計手法は重要であり、本発明の設計手法によれば、容易に応答のシミュレーションが可能となる。さらに、シミュレーションと実際の応答との整合性が高いため、効率的に設計することができる。
【0060】
また、設計時におけるパラメータは、受台の球状表面を形成する球径、ダンパーオイルの減衰定数及びばね定数であるため、装置構成を変更することなく部品交換にて容易に変更可能である。したがって、美術品の移動等により免震を施す場所(地域)を変更する際、上述のシミュレーション結果によりパラメータ変更が必要となっても、部品交換等の容易な手段によって装置の設計変更が可能であり、新たに免震装置を購入する必要がない。また、本発明の免震装置は、部品の種類が少ないためコストの面においても有利であり、装置全体の形状も小型であるため、設置に必要な面積をそれほど大きく確保する必要がない。したがって、美術品を個々に保護することができることとなり、地震対策計画において優先順位の高い美術品から順次導入したり、すでに建設された美術館等に大掛かりな工事を施すことなく容易に導入したりすることが可能である。
【0061】
また、予想外の強い地震動が入力されたときに、受台から脚部が脱落したとしても、脚部が基部に対して回転可能に接続されているため、美術品等を保持する基部を比較的水平に保つよう動作し、美術品等を損傷する事故発生率を少なくすることができる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震装置の概観図
【図2】本発明の免震装置における脚部の側面図
【図3】本発明の免震装置の設置状態を表す側面図
【図4】本発明の免震装置における鉛直方向の動作イメージ図
【図5】(a)は模擬地震動Hwの水平方向の入力波形図、(b)は実験による水平方向の加速度応答波形図、(c)はシミュレーションによる水平方向の加速度応答波形図
【図6】(a)は模擬地震動Lwの水平方向の入力波形図、(b)は実験による水平方向の加速度応答波形図、(c)はシミュレーションによる水平方向の加速度応答波形図
【図7】(a)は模擬地震動Hwの水平方向の入力波形の振動数特性図、(b)は実験による水平方向の加速度応答波形の振動数特性図、(c)はシミュレーションによる水平方向の加速度応答波形の振動数特性図
【図8】(a)は模擬地震動Lwの水平方向の入力波形の振動数特性図、(b)は実験による水平方向の加速度応答波形の振動数特性図、(c)はシミュレーションによる水平方向の加速度応答波形の振動数特性図
【図9】(a)は模擬地震動Hwの鉛直方向の入力波形図、(b)は実験による鉛直方向の加速度応答波形図、(c)はシミュレーションによる鉛直方向の加速度応答波形図
【図10】(a)は模擬地震動Lwの鉛直方向の入力波形図、(b)は実験による鉛直方向の加速度応答波形図、(c)はシミュレーションによる鉛直方向の加速度応答波形図
【図11】(a)は模擬地震動Hwの鉛直方向の入力波形の振動数特性図、(b)は実験による鉛直方向の加速度応答波形の振動数特性図、(c)はシミュレーションによる鉛直方向の加速度応答波形の振動数特性図
【図12】(a)は模擬地震動Lwの鉛直方向の入力波形の振動数特性図、(b)は実験による鉛直方向の加速度応答波形の振動数特性図、(c)はシミュレーションによる鉛直方向の加速度応答波形の振動数特性図
【符号の説明】
1 受台
2 ボール
3 ボールベア本体
4 フット
5 接合ネジ
6 フット側アップライト
7 ターンバックル用アジャスター
8 ターンバックルシャフト
9 ステンレスプレート
9a 可動ヒンジ部
10 ロアアーム用アジャスター
11 シリンダー
12 シリンダーナット
13 コイルバネ
14 ピストンロッド
15 シリンダーキャップ
16 ダンパーステー
17 マウンター側アップライト
18 ベースプレート
19 マウンター
20 ピロボール
21 載置台
22 美術品
100 免震装置
101 脚部
102 基部
200 固定台

Claims (6)

  1. 上部に美術品等の保護物体を静置させ固定台の上に設置する免震装置において、免震装置は、固定台に配される受台と本体とからなり、
    上記本体は複数の脚部と一つの基部とを備え、上記脚部はボールベア部と上下一対のアーム部とを備え、上記受台は凹状曲面を有し、
    受台の凹状曲面にボールベア部を配して本体が滑り可能に支承され、
    ボールベア部には上下一対のアーム部の片端が回転可能に接続され、
    上記アーム部の他端が基部に回転可能に接続され、
    固定台に対して略鉛直方向となるように減衰要素と復元要素とが、基部及び脚部にそれぞれ回転可能に接続されていることを特徴とする免震装置。
  2. 前記脚部は4つ以上備えられ、前記凹状曲面は4つ以上備えられていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 前記上下一対のアーム部のいずれか一方がターンバックルタイロッドであることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  4. 前記減衰要素が油圧ダンパーであることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  5. 前記復元要素がコイルバネであることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  6. 前記上下一対のアーム部のいずれか一方、減衰要素、及び復元要素を回転可能に接続する手段として、ピロボールを使用することを特徴とする請求項1記載の免震装置。
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