JP3138740B2 - 十分に精製したトランスフォーミング成長因子β1結合タンパク質および本結合タンパク質を発現するヌクレオチド配列 - Google Patents

十分に精製したトランスフォーミング成長因子β1結合タンパク質および本結合タンパク質を発現するヌクレオチド配列

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はタンパク質生化学の分野に関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明はTGF−β1結合タンパク
質(以下TGF−β1−BPとする)と称せられる、トラン
スフォーミング成長因子β1(以下TGF−β1とする)
として知られる物質の大きな潜在複合体の一成分、およ
び本TGF−β1−BPをコード、発現、ないし翻訳するゲ
ノムDNA、cDNAおよびmRNAのようなヌクレオチドに関す
るものである。本タンパク質は、たとえば上記複合体へ
の結合用の抗血清ないしアッセイ時の標識プローブの生
成、およびここに記述の用途などにおいて有用である。
背景および従来の技術 トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)は、TGF
−β1、−β2、−β3、−β4および−β5と称せら
れる構造的に関連のある分子の集団である。さらに、こ
れらの分子はインヒビン類/アクチビン類、ミューレリ
アン抑制物質、骨の形態形成タンパク質、ショウジョウ
バエのデカペンタプレジック(decapentaplegic)複合
体の生成物およびアフリカツメガエルのVglのような他
のいくつかの因子とより遠い関係にある。ロバーツ(Ro
berts)らの実験薬理学ハンドブック(Handbook of E
xperimental Pharmacology)95巻(1990年、印刷中)
を参照。)元来、TGF−βはTGF−αとの相乗作用でNRK
細胞の足場非依存性増殖を刺激する能力によって同定さ
れた。(ロバーツら、フェド・プロシ(Fed.Proc.)42
巻2621−2626ページ(1983年)。)ついで、TGF−βは
数多くのタイプの細胞の成長および分化を刺激ないし抑
制することが見出された。ロバーツらの上記の文献(19
90年)参照。
TGF−β類は少なくとも3種の異なるレセプター類似
分子に結合する。その3種とはそれぞれタイプIおよび
タイプIIレセプターと称せられる53および73kDa(キロ
ダルトン)の2種の小分子、およびタイプIIIレセプタ
ー、ないしベーターグリカンと称せられるプロテオグリ
カン類似の大きな構造体である〔チャイフェッツ(Chei
fetz)ら、セル(Cell)40巻409−415ページ(1987
年)、チャイフェッツら、ジェイ・バイオロ・ケミ(J.
Biol.Chem.)264巻2272−2278ページ(1988年)、アン
ドレス(Andres)ら、ジェイ・セル・バイオロ(J.Cel
l.Biol.)109巻3137−3146ページ(1989年)、セガリニ
(Segarini)ら、ジェイ・バイオロ・ケミ、263巻8366
−8370ページ(1988年)〕。TGF−βの生物学的作用は
タイプIレセプターにより仲介されるようである〔ボイ
ドおよびマサグ(Boyd and Massague)、ジェイ・バ
イオロ・ケミ、264巻2272−2278ページ(1989)〕。
TGF−β類は不活性な高Mγ(分子量)複合体として
合成、分泌される25kDaのジスルフィド結合で結合され
た二量体分子である〔パーチャ(Pircher)ら、キャン
サー・リス(Cancer Res.)44巻5538−5543ページ(19
84年)、パーチャら、ビオヘム・ビオフィジ・リス・コ
ミュン(Biochem.Biophys.Res.Commun)136巻30−37ペ
ージ(1984年)、ウェイクフィールド(Wakefield)ら
ジェイ・セル・バイオロ、105巻965−975ページ(1987
年)〕。ヒトの血小板から得られるTGF−β1の大きな
潜在複合体はミヤゾノ(Miyazono)ら、ジェイ・バイオ
ロ・ケミ、263巻6407−6415ページ(1988年)に記載さ
れているようにして精製、特徴付けされたが、この開示
は参考文献により本件に含まれている。この複合体で
は、TGF−β1分子はTGF−β1前駆体であるN末端プロ
ペプチドの二量体およびTGF−β1結合タンパク質(TGF
−β1−BP)と称せられる第三の成分とのジスルフィド
結合複合体と非共有結合的に会合している。血小板由来
のTGF−β1−BPは125から160kDaの大きさが数種のもの
として存在していることが判明した(ミヤゾノらの上記
の文献)。
TGF−β類が数多くのタイプの細胞の増殖および分化
に著しい効果を有する事実は、TGF−β類が数多くの異
なるタイプの細胞により合成されるという観察ととも
に、高Mγ(分子量)潜在性複合体からのTGF−β類の
活性化がインビボ(in vivo)で重要な調節段階である
ことに違いないことを示している。インビトロ(in vi
tro)では活性化はパーチャらおよびミヤゾノらが上記
の文献で記載しているように、4以下のpH値に酸性化す
ることにより達成される。インビボでは、そのような低
いpH値は細胞外ではほとんど得られない。活性化のイン
ビボ機構は充分には理解されていない。可能性のある機
構としては、潜在性複合体中のTGF−β1プロペプチド
の炭水化物構造のタンパク分解ないし摂動がある。(ミ
ヤゾノおよびヘルディーン(Heldin)、ネーチャー(Na
ture)338巻158−160ページ(1989年)参照。)その開
示は参考文献により本件に含まれる。さらにリオンス
(Lyons)ら、ジェイ・セル・バイオロ、106巻1659−16
65ページ(1988年)参照。
発明の要約 本発明は上記のTGF−β1−BPの単離および特徴付
け、とくに繊維芽細胞型および血小板型のTGF−β1−B
P分子について記述する。血小板から得られたタンパク
質の複合体を用いて、血小板型本分子を単離し、フラグ
メント化し、その一次構造(すなわちアミノ酸配列)を
推定した。フラグメントはDNAプローブを作成するのに
用い、ついでそのプローブは繊維芽細胞型本分子を発現
する十分に精製された(substantially pure:実質的に
純粋な)ヌクレオチド配列を確保するため、繊維芽細胞
の全cDNAライブラリーからヌクレオチド配列を得るため
に使用した。アミノ酸配列はcDNAクローンから推定した
が、血小板型本分子のための配列は繊維芽細胞型の60%
以内の部分に、すなわち繊維芽細胞型のC末端に関連
し、完全に含まれていることが判明した。繊維芽細胞型
本分子は、約125から約160キロダルトンの分子量を有す
る血小板型との比較で、約170から約190キロダルトンの
分子量により特徴付けられる。ライブラリーから単離し
たcDNAクローンは受取り側の(recipient)宿主細胞を
トランスフェクト(transfect)するのに用いられ、つ
いで結合タンパク質が発現される。本ヌクレオチド配列
はたとえば、トランスフェクションを完成するためにベ
クター内へ取り込まれる。
本タンパク質のユニークな特徴は、これまでの技術で
は認められなかった領域(domain)の3個の反復体(re
peat)とともに、以下に「上皮増殖因子類似の」領域と
称する領域の16個からなる一連の反復体を含んでいる。
図面の簡単な説明 図1には、ここで記述する血小板TGF−β1−BPのタ
ンパク質分解フラグメントの分離および配列決定を含む
HPLC(高分解能液体クロマトグラフィー)分析を示され
ている。
図2には、TGF−β1−BPにおいてβ−ヒドロキシル
化されたアスパラギン残基の存在を証明するデータが示
されている。
図3にはTGF−β1−BPのmRNAのノーザンブロッティ
ング分析が示されている。
図4aには、それぞれ「□」および「−」で示された翻
訳、非翻訳領域とともに、cDNAクローンBPA13が図式的
に描かれている。
図4bには、繊維芽細胞TGF−β1−BPを発現するcDNA
およびBP自体のためのヌクレオチド配列およびアミノ酸
配列が与えられている。
図5(a)−(c)には、本タンパク質のさまざまな
局面が示されている。図5(a)ではEGF類似の反復体
配列が並べられている。図5(b)では、本タンパク質
で3回出現する、いままでには認められなかった反復体
配列が並べられている。図5(c)では、他のフラグメ
ントおよび可能性のあるN−グリコシル化の部位ととも
に、本タンパク質全体における、図5(a)および図5
(b)で与えられた反復体の部位が示されている。
図6(a)−(c)は本タンパク質のcDNAで形質転換
された細胞に関する研究についてである。図6(a)で
は、cDNAでトランスフェクトされたCOS細胞の免疫沈降
に関する研究が示されている。図6(b)では、形質転
換された細胞からのTGF−β1−BPの前駆体のエンドH
処理が示されている。図6(c)では、繊維芽細胞から
得た本タンパク質の免疫沈降および血小板から得た本タ
ンパク質の免疫ブロッティングが示されている。
図7は、標識、精製されたTGF−β1および、いわゆ
る「大きな潜在性TGF−β1複合体」の間の相互作用が
示されている。
図8は、NRK細胞にたいする、TGF−β1およびTGF−
β1−BP間の拮抗的な結合に関する研究が示されてい
る。
好適実施例の詳細な説明 実施例1 ミヤゾノら、JBC263巻13号6407−6415ページ(1988
年)の記載に従って、TGF−β1−BPをヒト血小板から
精製したが、その開示は参考文献により本件に含まれて
いる。再考を容易にするため、ここでプロトコールを反
復しておく。ミヤゾノによればTGF−β1−BPはさまざ
まな分子との複合体として精製され得ることが指摘され
ている。ここで記載する個々のタンパク質の単離は以下
に述べる実施例2で議論する。
ヘルディーン(Heldin)ら、メト・エンザイモル(Me
th.Enzymol.)147巻3−13ページ(1987年)により、CM
−セファデックスクロマトグラフィでの非吸着フラクシ
ョンとして15リットルの血小板タンパク質を導くため
に、約800−1000リットルのヒトの血液を用いた。つい
で、この材料は、ミヤゾノら、ジェイ・バイオロ・ケム
(J.Biol.Chem.)262巻4098−4103ページ(1987年)に
より、QAE−セファデックスで処理した。この処理からp
H7.4、250ないし800mM塩化ナトリウム10mMリン酸緩衝液
で、潜在性TGF−β1(「L−TGF−β1」)の複合体が
溶出した。このQAE−セファデックスカラム溶出液に硫
酸アンモニウム(209g/リットル、35%飽和)を加え
た。2時間4℃で平衡化した後、本サンプルを15分間20
75×gで遠心分離した。沈澱物を分取し、pH7.4の150mM
塩化ナトリウム10mMのトリス−塩酸の約100mlに再度、
懸濁し、同じ緩衝液で充分に透析した。pH7.4の2M硫酸
アンモニウム10mMトリス−塩酸の等容量を本サンプルに
加え、ついで15分間2075×gで遠心分離した。上澄液を
pH7.4の1M硫酸アンモニウム10mMトリス−塩酸で予め平
衡化したオクチル−セファロース(ファルマシアLKBバ
イオテクノロジ会社)の20mlのカラムに加えた。カラム
を同じ緩衝液で洗浄し、pH7.4の10mMトリス−塩酸で溶
出した。オクチル−セファロースクロマトグラフィから
の溶出液をpH6.8の0.01mM塩化カルシウム10mMリン酸緩
衝液で透析し、保護カラム(50×4.0mm、バイオーラ
ド)を装備した高分解能ハイドロキシルアパタイトカラ
ム(100×7.8mm、バイオ−ラド)にかけた。カラムをpH
6.8の10mMリン酸0.01mM塩化カルシウムで平衡化し、流
速0.5ml/分でpH6.8の10−300mMリン酸塩0.01mM塩化カル
シウムのグラジエントで溶出した。高濃度のL−TGF−
β1を含有する分画をプールし、セントリコン10ミクロ
濃縮器(アミコン会社)で100μlまで濃縮し、スペロ
ーズ6カラム(HR10/30、ファルマシアLKBバイオテクノ
ロジ会社)にかけた。カラムをpH7.4の500mM塩化ナトリ
ウム10mMトリス−塩酸で平衡化し、流速0.5ml/分で溶出
した。L−TGF−β1を含有する分画をプールし、pH6.8
の2.8M硫酸アンモニウム(HPLCグレード、バイオ−ラ
ド)100mMリン酸塩の等容量に混合し、リン酸緩衝液中
の1.4M硫酸アンモニウムで平衡化したアルキル−スペロ
ーズHR5/5カラム(ファルマシアLKBバイオテクノロジ会
社)にかけた。カラムをpH6.8の1.4−0M硫酸アンモニウ
ム100mMリン酸塩のグラジエント、流速0.5ml/分で溶出
した。
このプロトコールにより、TGF−β1およびTGF−β1
結合タンパク質を含有する複合体が得られた。ミヤゾノ
ら、ジェイ・バイオル・ケム(J.Biol.Chem.)263巻13
号6407−6415ページ(1988年)の記載に従がった〔3H〕
−チミジン取り込みアッセイを用いて活性を測定した。
その開示は参考文献により本件に含まれる。
実施例2 ついで、実施例1で得たタンパク質複合体は、その複
合体からの精製(pure:純粋な)TGF−β1−BP単離に使
用した。大きなL−TGF−β1複合体溶出物についで直
後に、アルキルスペローズカラムから遊離のTGF−β1
−BPが溶出することが判明した。ついで、この遊離のTG
F−β1−BPはさらに精製処理を行い、アミノ酸配列を
決定した。
精製TGF−β1−BPのうち約75μgをC4孔の小さい逆
相カラム(ブラウニー、アカポアBU−300、2.1×30mm)
で脱塩し、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中でアセトニ
トリルのグラジエントで溶出した。溶出物はついでスピ
ードヴァック濃縮器で乾燥し、100μgジチオトレイト
ールを含有する200μlの6M塩酸グアニジン、pH8.5の0.
25Mトリス−塩酸、1mMのEDTAに再び溶解した。この溶液
に20秒間チッ素を流し(flushed with N2)、3時間
室温で放置し、その間に2μlの4−ビニルピリジンを
加えた。さらに室温3時間インキュベーションし、サン
プルは上記のC4カラムのクロマトにかけ脱塩した。揮発
性の溶媒を蒸発させ、ついでTGF−β1−BPは、2M尿素
を含有する200μlの0.1M重炭酸アンモニウム中、50:1
(w/w)の基質−酵素比、TPCK−トリプシン(シグマ、
ミズーリー州セントルイス)で37℃、14時間消化した。
トリプシンフラグメントはただちに、C4の小さな孔の逆
相HPLCカラムにかけ、0.1%TFA中のアセトニトリルの直
線グラジエントで溶出した。不均一なペプチドを、さま
ざまな条件下、HPLCの小さな孔の逆相カラムに再度かけ
た。カラム温度は35℃に保ち、流速は100μl/分とし、
溶出液は220nmでモニターした。手動でフラクションを
ポリプロピレンチューブに補集した。ペプチドはまた、
ブドウ球菌V8プロテアーゼ(ベーリンガーマンハイムビ
オケミカ、ドイツ)でフラグメント化したTGF−β1−B
Pから類似の方法で単離した。ペプチドのアミノ酸配列
は自動気相アミノ酸配列分析装置(アプライド・ビオシ
ステム・プロティン・シークエンサー、モデル470A、オ
ンラインPTH−アナライザー付き、モデル120A)を用い
て決定した。
推定アミノ酸配列を有するペプチドフラグメントの分
析は図1に示されている。
アミノ酸配列分析プロトコールでは、N−末端アミノ
酸配列決定の試みによりN−末端がブロックされている
ことが示されたので、トリプシンおよびブドウ球菌V8プ
ロテアーゼを使用した。図に示すように、27個のペプチ
ドが配列決定された。かなり驚いたことに、そのうちの
22個はEGF領域と類似性を示した。さらに、数個は血液
凝固に関係する数多くのビタミンK依存タンパク質で見
られるアスパラギン/アスパラギン酸残基のベータヒド
ロキシル化のための既知の共通配列を含有していた〔ド
ラケンベルグ(Drakenberg)ら、プロシ・ナショ・アカ
デ・サイ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)80巻18
02−1806ページ(1983年)参照〕。この観察の結果、そ
のような異常な翻訳後アミノ酸が含有されているかを決
定するために、フラグメントをさらに分析した。ペプチ
ドフラグメント5番の配列決定用サイクル1の逆相クロ
マトグラムでは、通常のアミノ酸のフェニルチオヒダン
トイン(PTH)誘導体に対応するピークは見られなかっ
たが、そのことは図2(b)および2(c)に示す。ク
ロマトグラムの初期に余分な二重ピークが見られたが、
これは標準物質として流したヒドロキシル化アスパラギ
ンのPTH誘導体とまったく同時に溶出した。このことは
図2aおよび2bの比較により見られる。類似のパターン
が、V8ペプチド2および3のサイクル5で観察され、TG
F−β1−BPがヒドロキシル化アスパラギン残基を含有
するという結論が導かれた。
実施例3 TGF−β1−BPの単離および精製についで、本分子を
発現およびコードするcDNAを得た。
cDNAライブラリのスクリーニング用に、24個のアミノ
酸ペプチド配列(図1、トリプシンフラグメント11番お
よびV8フラグメント8および9番、配列ECYYから出発し
てTKQEまで)を、リー(Lee)ら、サイエンス(Scienc
e)239巻1288−1291ページ(1988年)に従ってPCRを用
いてプローブ製造するために用いた。簡単に言えば、PC
Rは、ヒトの繊維芽細胞AG1518(ヒュマン・ジェネチッ
ク・ミュタント・セル・レポジトリ、カムデン、ニュー
ジャージ州)から調製したファーストストランドcDNAお
よびTaqポリメラーゼ(パーキン・エルマー・セタス、
ニューウオーク、コネチカット州)を用いて行った。PC
Rの30回サイクルの後、DNAは2.5%アガロースゲルで分
離し、約50−110bpの材料をPCR増幅の二回目に用いた。
ついで、予想されたサイズ86bpのフラグメント(72bpお
よび加えられた制限部位)は、2.5%アガロースゲルで
の分離の後、視覚化し、電気溶出により回収した。回収
DNAは配列分析のためにM13ベクターに凍結し、得られた
配列は鋳型として用いた24アミノ酸ペプチドをコードし
ていることが示された。
ヒト包皮繊維芽細胞λgt10のcDNAライブラリ〔クレー
ソン−ウエルチ(Claesson−Welsh)ら、プロシ・ナシ
ョ・アカデ・サイ(Proc.Natl.Acad.Sci.)86巻4917−4
921ページ(1989年)〕は、マルチプライムDNAラベリン
グ系(アマシャム、イギリス)により標識したPCRプロ
ーブでスクリーニングした。ニトロセルロースレプリカ
濾紙(filter paper)へのハイブリダイゼーション
は、40%フォルムアミド、5xSCC(1xSSCは15mMのクエン
酸ナトリウムおよび150mMの塩化ナトリウムを含有し、p
H7.4)、5xデンハルト溶液、0.1%SDS、および50μg/ml
のサケ精液DNA中で、約500,000cpmの32P−標識プローブ
/mlのハイブリダイゼーション液を用いて、37℃一晩で
行った。濾紙(filter)は2xSSC、0.1%SDSで37℃、20
分間3回洗浄し、乾燥後、フジX線フイルムに露出し
た。約107のバクテリオファージプラークをスクリーニ
ングし、6個の陽性のクローンが生成した。同定した最
大のクローンは5.1キロベースペアの長さで、BPA13と呼
称し、マニアチス(Maniatis)ら、モレキュラー・クロ
ーニング:実験室マニュアル(コールド・スプリング・
ハーバー)に従って精製し、ヤニシューペロン(Yannis
ch−Perron)ら、ジーン(Gene)33巻103−119ページ
(1985年)の記載によりpUC19にサブクローニングした
後、セクエナーゼ(Sequenase)(ユナイテド・ステイ
ツ・バイオケミカル・コーポレーション、クリーブラン
ド、オハイオ州)を用いて両ストランドについて、サン
ガー(Sanger)ら、プロシ・ナショ・アカデ・サイ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.)74巻5463−5467(1977年)に従っ
て配列を定めた。その配列は推定アミノ酸配列とともに
図4bに示す。
実施例4 全メッセンジャーRNA(“mRNA")は、チャーグイン
(Chirgwin)ら、バイオケミストリ(Biochemistry)18
巻5294−5299ページ(1979年)のグアニジウムチオシア
ナート法を用いてヒト繊維芽細胞(AG1518)から培養し
た。mRNAは、上記のマニアチス(Maniatis)らによる記
載のようにして、オリゴ−dT−セルロース(ファルマシ
アLKBバイオテクノロジー、ウプサラ、スエーデン)を
用いて選択した。
ノーザンブロッティングには、mRNA(2.5μg)をホ
ルムアルデヒドおよびホルムアミドで55℃、15分間変性
し、ホルムアルデヒドの存在下に1%アガロースゲルで
電気泳動し、ニトロセルロースフィルターにトランスフ
ァーした。ハイブリダイゼーションは50%ホルムアミ
ド、5xSSC、5×デンハルト溶液、0.1%SDS、pH6.5の50
mMリン酸ナトリウム緩衝液、および0.1mg/mlサケ精子DN
A中、一夜37℃、プローブとして32P−標識pVU IIフラグ
メント(BPA13のbp no.2900−3834)を用いて行った。
濾紙(filter paper)は0.1×SSC、0.1%SDSで30分3
回55℃で洗浄し、乾燥後、アマーシャアムハイパーフィ
ルムMPに露出した。
図3に示すように、BPA13をプローブとして用いた場
合は、長さ7および5.2キロベースの2個のバンドが得
られた。このデータより、BPA13は長さにおいて、2個
のmRNAのうちの短い方に類似すると結論づけられる。
実施例5 BPA13のヌクレオチド配列は、実施例3の末尾に述べ
る方法で推論した。
これらの方法により、BPA13は、5′末端にある90b
p、3′末端にある803bpの非翻訳配列により挟まれてい
る4182bpのオープンリーディングフレームおよびEcoR I
アダプター配列の14bpからなり、5089bpの長さであるこ
とが示された(図4)。3′の非翻訳配列はポリアデニ
ル化シグナルAATAAAを含有しているが、ポリA末尾が欠
けている。対応するmRNA分子の不安定性および迅速なタ
ーンオーバーを暗示する2個のATTTA配列〔ショーおよ
びカーメン(ShawおよびKamen)、セル(Cell)46巻659
−667ページ〕が見出された。オープンリーディングフ
レームの5′の部分では2個の可能な開始メチオニンコ
ドンが存在した。最初のATGはコザーク(Kozak)、セル
(Cell)44巻283−292ページ(1986年)による記載の翻
訳開始ルールに従ったが、第2番目のものはこのルール
に従わなかった(図4B)。翻訳は第1番目のATGにおい
て開始されるようである。推論されるアミノ酸配列によ
り、TGF−β1−BPは疎水性のリーダー配列で始まる139
4個のアミノ酸を含有していると予測される。シグナル
配列は、ジェイ・モル・ビオロ(J.Mol.Biol.)173巻24
3−251ページ(1984)でフォンハイネ(von Heine)に
より予測された好ましい部位であるアミノ酸20および21
の間でおそらく開裂するようである。シグナル配列を有
しないTGF−β1−BPの一次翻訳生成物の計算されるM
γ(分子量)は約151,000である。
図4(a)および図4(b)に、このcDNA配列および
TGF−β1−BPの推定アミノ酸配列に関するより多くの
情報が与えられている。とくに、cDNAクローンBPA13の
構造が、その翻訳される領域(□)および翻訳されない
領域(−)とともに(A)に図式的に略述されている。
cDNAライブラリーのスクリーニングのために用いられた
プローブの所在箇所もまた示されている(■)。
BPA13のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を
図4bに示す。ヌクレオチドおよび推定アミノ酸は右へ向
かって番号付けがなされている。アミノ酸は推定された
開始メチオニン残基から出発して番号付けし、成熟タン
パク質の推定N末端は矢印(▼)で示してある。可能な
N−グリコシル化サイトは上部に実線が引かれ、RGD配
列は点線が引かれている。5′の非翻訳配列中の2個の
停止コドンおよびオープンリーディングフレームを終わ
らせる停止コドンは(*)印が付けられている。3′の
非翻訳領域の2個のATTTAモチーフはアンダーラインが
引かれ、ポリA追加シグナル(AATAAA)は2本線で示さ
れている。EcoR Iアダプター配列は囲いの中である。
実施例6 フラグメントのアミノ酸配列および推定アミノ酸配列
が見出された場合は、単離TGF−β1−BP分子につい
て、さらに研究を行った。
TGF−β1−BP配列のうち最も著しい特徴は、その64
%がシステイン残基を多く含む反復配列から成っている
ことである。16個のEGF類似の反復体があり(図5A)さ
らに、8個のシステイン残基を含む約70個のアミノ酸の
長さのモチーフの3個の反復体は、データベース中の他
の配列においては見られなかった。(ジーンバンク・リ
リース60番、プロテイン・アイデンチフィケーション・
リソース・リリース21番)(図5B)。反復配列の2つの
タイプはお互いに離れて関連があるようで、とくに、シ
ステインおよびグリシン残基の多い新規な反復体の中頃
の領域がEGFでも見出されている。16個のEGF類似の反復
体は、これ以外で知られているEGF類似の反復配列より
も、たがいに類似し合っており〔アッペラ(Appella)
ら、1988年、EGF類似の反復体に関する総説を参照〕、
そのうちの15個はアスパラギン残基のβ−ヒドロキシル
化のための共通配列を含むことが判明した〔ステンフロ
(Stenflo)ら、プロシ・ナショ・アカデ・アメリカ(P
roc.Natl.Acad,USA)84巻、368−372ページ(1978
年)〕(図5A)。血小板TGF−β1−BPのアミノ酸配列
決定により、反復体4および8中のβ−ヒドロキシル化
アスパラギン残基の同定が導かれた(図5A)。EGF類似
の反復体9番はRGD配列を含有することが見出され、マ
トリックスタンパク質中のこの配列は細胞表面レセプタ
ーのインテグリン間の相互作用を仲介することが判明し
た〔ルオスラチ(Ruoslahti)ら、サイエンス(Scienc
e)、288巻、491−497(1978年)〕。新規でシステイン
を多く含むモチーフの一つ(図5B、反復体a)は、ラミ
ニンのB2鎖の配列と同一の8個のアミノ酸配列を含有す
ることが判明した〔ササキ(Sasaki)ら、ジェイ・ビオ
ル・ケム(J.Biol.Chem.)262巻17111−17117ページ(1
987年)〕。TGF−β1−BPの36%の非反復配列は他の既
知のいかなる配列とも類似しなかった。
合計322個のアミノ酸が、ヒト血小板TGF−β1−BPか
らのペプチドの配列決定により同定され、得られたcDNA
配列はこれらのタンパク質個々のタンパク質配列に一致
した。このcDNAから推定されたタンパク質配列中の7個
の可能性のあるN−グリコシル化サイトのうち、最もカ
ルボキシル末端にあるものは配列決定されたペプチドに
包含された(図5C)。対応するトリプシンおよびV8ペプ
チド(図1のペプチド番号11および8および9にそれぞ
れ対応)の配列決定の結果、この部位に該当するアミノ
酸が決められなかったので、このアスパラギン残基はお
そらく成熟タンパク質中でグリコシル化されるのであろ
う。図5Cに示すように、血小板TGF−β1−BPに由来す
るペプチドすべての配列は繊維芽細胞型の配列のカルボ
キシル末端60%に局在している。このことは以下に議論
するように、血小板(125−160kDa)と繊維芽細胞170−
190kDaタンパク質との間の大きさの違いと一致してい
る。
ヒト繊維芽細胞からのTGF−β1−BPのEGF−類似の反
復配列のアラインメントを図5に若干詳細に示す。反復
配列はN末端(左)から順に番号付けしており、TGF−
β1−BP配列中のアミノ酸の番号も示してある(右)。
16個の反復配列の12以上に存在するアミノ酸残基は共通
配列として示してある。TGF−β1−BPの血小板板でβ
−ヒドロキシル化されたことが分かったアスパラギン残
基はRGD配列とともにアンダーラインを施してある。比
較のため、ヒトのタンパク質SのEGF類似の配列(タン
パク質中のアミノ酸116−159)、ヒトのウロモジュリン
(タンパク質中のアミノ酸84−125)およびヒトのEGFが
示される。
TGF−β1−BP中の第二の反復配列で、以前には認め
られなかったタイプのアラインメントを図5(b)に示
す。反復体は文字(左)で示してあり、TGF−β1−BP
配列中のアミノ酸の番号は(右)に示す。3個の反復体
で同一のアミノ酸残基は共通配列として示してある。反
復体aの8個のアミノ酸から成る配列で、ラミニンB2の
配列と同一のものはアンダーラインを施してある。
ヒト繊維芽細胞からのTGF−β1−BPの図式的表示を
図5(c)に示し、シグナル配列(■)、16個のEGF類
似反復体 別のタイプの3個の反復配列 および7個の可能なN−グリコシル化部位 が表示されている。反復配列は番号および文字で同定し
てある(図5AおよびB参照)。ヒト血小板から精製した
TGF−β1−BPのトリプシン およびV8プロテアーゼ フラグメントのアミノ酸配列の存在位置が示されてい
る。
実施例7 真核細胞のTGF−β1−BPの一過性の発現を研究する
実験を行った。これを行うために、翻訳部分を有するTG
F−β1−BPcDNA(bp3−4943)をトルエット(Truett)
ら、ディ・エヌ.エー(DNA)4巻333−349ページ(198
5年)により記載のSV40に基づく発現ベクターpSV7dにク
ローニングした。一過性発現のために、この構造はウイ
グラー(Wigler)ら、セル(Cell)16巻777−785ページ
(1979年)によるリン酸カルシウム沈澱法によりCOS細
胞にトランスフェクションした。トランスフェクション
されたCOS細胞はトランスフェクションの2日後、TGF−
β1−BPの発現のために分析した。
COS−1細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション)およびヒト繊維芽細胞(AG1518)およびTG
F−β1−BPcDNAによりトランスフェクションされたCOS
−1細胞は、1mlにつき10%ウシ胎児血清(FBS、フロウ
・ラボラトリー、アービン、スコットランド)、100単
位のペニシリンおよび50μgのストレプトマイシンを含
有するダルベッコの修正イーグル培地(DMEM)を用い
て、5%二酸化炭素インキュベータ中で37℃で培養し
た。
本タンパク質の一過性発現の測定を容易にするため、
75ないし175cm2の組織培養フラスコで細胞を、1ml当た
り0.2mCiの35S−メチオニンおよび35S−システイン(ア
マシャム、イギリス)によって10%FBS含有でメチオニ
ンおよびシステイン不含のDMEM(3ないし6ml)中にて3
7℃で4時間標識した。4時間の標識の後、培養液を回
収し、細胞は氷冷したリン酸緩衝の生理食塩水(PBS)
で3回洗浄した。細胞をはがし、1ないし2mlの0.5%ト
リトンX−100、0.5%のデオキシコール酸塩、pH7.5の2
0mMトリス−塩酸、150mMの塩化ナトリウム、10mMのEDT
A、1%のトラジロール(バイエル、レーバクーゼン、
ドイツ)および1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル
(シグマ、セントルイス、ミズリー州)を加えて溶解し
た。溶解した細胞は4℃で15分間インキュベートし、1
0,000xg、4℃で30分間遠心分離した。培養液と溶解細
胞の上澄液を非免疫ウサギ血清および熱処理しホルマリ
ン固定の黄色ブドウ球菌コーワン1バクテリアを用いて
プレクレア(preclear)した。ヒト血小板からの精製TG
F−β1−BPに対するウサギ抗血清(Ab39)10μlない
し10μlのAb39プラス1μgのTGF−β1−BPを1mlのプ
レクレアしたサンプルに加え、4℃で14時間ゆるやかに
振盪しながらインキュベートした。タンパク質A−セフ
ァロース(ファルマシア、バイオテクノロジー、ウプサ
ラ、スエーデン)を免疫複合体の沈澱に用いた。このタ
ンパク質A−セファロースビーズを1%トリトンX−10
0、1%デオキシコール酸塩、0.1%SDS、pH7.5の50mMト
リス−塩酸、150mM塩化ナトリウムおよび10mMEDTAで3
回、1%トリトンX−100、0.5M塩化ナトリウムおよびp
H7.5の20mMトリス−塩酸で一回、および蒸留水で一回洗
浄した。この免疫複合体は、4%SDS、pH8.8の0.2Mトリ
ス−塩酸、0.5Mスクロース、0.01%ブロモフェノールブ
ルーおよび2%β−メルカプトエタノールを含有するSD
S−サンプル緩衝液中で5分間煮沸してビーズから溶出
し、5−10%グラジエントスラブゲル(ブローベルおよ
びドバースタイン、1975)を用いてSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動により分析した。免疫沈澱物のゲル
はアンプリファイ(アマシャム、イギリス)中に浸して
フルオログラフィーで処理し、乾燥、アマシャムハイパ
ーフィルムMPに露出した。ヒト血小板からの精製TGF−
β1−BPのゲルは電気泳動的にニトロセルロース紙にト
ランスファーし、テラッシオ(Terracio)ら、ジェイ・
セル・ビオロ(J.Cell Biol.)107巻、1947−1957ペー
ジ(1988年)に従って、血小板TGF−β1−BPの合成ペ
プチド(TGF−β1−BPのアミノ酸1111−1122)に対す
る抗体(Ab37)を用いて免疫ブロッティングを施し、結
合抗体は125I−タンパク質Aを用いて可視化し、オート
ラジオグラフィーにかけた。
35S−メチオニンおよび35S−システイン−標識した、
TGF−β1−BP cDNAでトランスフェクトされたCOS細胞
からの、Ab39で免疫沈澱したサンプルは、pH6.8の0.1M
トリス−塩酸、0.1%SDSおよび2%β−メルカプトエタ
ノールを含有する緩衝液中、1mUのエンドH(マイルス
・ラボラトリー社、ネイパービル、イリノイ州、USA)
で37℃、6時間インキュベートした。サンプルはSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびフルオログラフ
ィーで分析した。
TGF−β1(RアンドDシステム社、ミネアポリス、
ミネソタ州)をクロラミン−T法を用いて比活性80μCi
/μgに達するまで、125I(アマシャム、イギリス)で
標識した。TGF−β1−BPおよび大きな潜在性TGF−β1
複合体はヒト血小板から精製(ミヤゾノら、上記)し、
500mM塩化ナトリウムおよびpH7.5の10mMの2−ヒドロキ
シエチル−ピペラジンエタンスルホナート(ヘペス:Hep
es)中、スペロース6を用いたクロマトグラフィーで脱
塩した。1μgのTGF−β1−BPないし250ngの大きな潜
在性TGF−β1複合体は、128mM塩化ナトリウム、5mM塩
化カリウム、1.2mM塩化カルシウム、1.2mM硫酸マグネシ
ウムおよびpH7.4の50mMヘペスの100−200μl中、5ngの
125I−TGF−β1で4℃、2時間インキュベートした。
架橋(クロスリンク)は15分間20℃で、最終濃度0.25mM
のDSS(ピアス、ロックフォード、イリノイ州、USA)を
用いてインキュベーションして行ったが、この反応はpH
7.4の最終濃度20mMのトリス−塩酸緩衝液を加えて停止
した。サンプルはAb39およびタンパク質A−セファロー
スにより免疫沈澱し、SDS−サンプル緩衝液中で5分間
煮沸して溶出し、還元条件でのSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動およびオートラジオグラフィーで分析し
た。
125I−TGF−β1の細胞への結合を阻害するTGF−β1
−BPの能力は、ゼラチンで予めコーティングした24ウエ
ルのプレート(コスター、バードヘーベドルプ、オラン
ダ)に播いた(seed)NRK細胞(NRK49F、アメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション)を用いて分析し
た。コンフルエントな細胞の培養物は血清不含に1日保
ち、0.1mg/mlの塩化カルシウムおよび0.13mg/mlの塩化
マグネシウムを含むPBS中pH7.4の25mMヘペス、0.1%ウ
シ血清アルブミン(BSA、分画V、ベーリンガー・マン
ハイム、ビオケミカ、ドイツ)を含む氷冷した結合緩衝
液で2回洗浄した。ついで、細胞は0.2mlの結合緩衝液
中、25pMの125I−TGF−β1とさまざまな量の非標識TGF
−β1ないし脱塩したTGF−β1−BPとともに4℃、3
時間インキュベートした。氷冷した結合緩衝液で3回洗
浄した後、細胞結合の放射活性は0.5mlの1%トリトン
X−100、10%グリセロール、0.01%BSA、pH7.4の20mM
ヘペスで4℃20分間可溶化し、γ−カウンターで定量し
た。
トランスフェクションCOS細胞を用いて上記のように
行った免疫沈澱に関する研究により、細胞溶解物中に約
170−190キロダルトンおよび、ならし培地中に190kDaの
SDSゲル電気泳動バンドが見られた。これらの成分は大
きさにおいて、上記の繊維芽細胞からの精製TGF−β1
−BPに類似していたが、それは図6(a)および6
(c)に示されている。対照的に、平行して行った免疫
ブロッティングにより分析した血小板TGF−β1−BPは
図6(c)に示すように、125−160kDaの成分を現し
た。トランスフェクションされていないCOS細胞は抗血
清と免疫反応を示す成分を含有していなかった。
TGF−β1−BPトランスフェクションCOS細胞を35S−
メチオニン−および35S−システインで短時間(15分)
標識した時、170kDaのバンドは細胞溶解物から免疫沈澱
した(図6B)。このバンドはエンドグリコシダーゼHで
分解した後、160kDaにシフトし、それが未熟なN−結合
炭水化物グループを含有する前駆物質の形を現している
ことを意味した。エンドグリコシダーゼH処理による前
駆物質の大きさのシフトは、cDNAクローンから推定した
配列中の可能性のあるN−グリコシル化の部位の存在と
一致している(図5c)。さらに、脱グリコシル化タンパ
ク質の大きさ(160kDa)はコアタンパク質の予想サイズ
(151kDa)に近いものである。成熟糖タンパク質から予
想されるように、長い標識時間で見出された170−190kD
a形はエンドグリコシダーゼH処理の後も大きさのシフ
トはなかった。
実施例8 TGF−βのタイプIIIレセプター(ベータグリカン)は
可溶な変異体中に存在する〔アンドレ(Andres)ら、ジ
ェイ・セル・ビオル(J.Cell Biol.)109巻、3137−31
46ページ(1989年)。TGF−β1−BPがこのレセプター
の可溶な変異体に類似しているかも知れないことを調べ
るためにアプローチがなされた。
タイプIIIレセプターはヘパリン硫酸およびコンドロ
イチン硫酸多糖鎖を含有するプロテオグリカン類似分子
である〔シェイフェツ(Cheifetz)ら、上記、セガリニ
(Segarini)およびセイエデン(Seyedin)上記〕。し
かし、一過性発現COS細胞から免疫沈澱したTGF−β1−
BPをコンドロイチナーゼabcのヘパリナーゼ、ヘパリチ
ナーゼでインキュベーションしても、多糖鎖を含む場合
に予想されるようなSDSゲル電気泳動での移動度のシフ
トは発生しなかった。
TGF−β1−BPがTGF−β1に直接に結合するかいなか
を検討するために、血小板TGF−β1−BP、ないしコン
トロールに用いた大きな潜在性TGF−β1複合体を125I
−TGF−β1とともにインキュベートした。4℃で2時
間後、共有結合架橋剤のスベリン酸ジスクシニミジル
(DSS)を加えた。TGF−β1−BP抗体で免疫沈澱した
後、サンプルは還元条件でのSDS−ゲル電気泳動および
オートラジオグラフィーで分析した(図7)。125I−TG
F−β1がTGF−β1−BP遊離型へ結合しないことを記録
した。対照的に、125I−TGF−β1は大きな潜在性TGF−
β1複合体へは架橋し、50kDa、90−100kDa、150−160k
Daおよび230−260kDaのバンドが見出された(図7)、
これらの成分の大きさは、それぞれN−末端のプロパー
ト(propart)のサブユニット一個(40kDa)、プロパー
トの二量体(80kDa)、TGF−β1−BP(125−160kDa)
およびこれらの成分の3個全部(約210kDa)と共有結合
的にカプリングする125I−TGF−β1(還元条件下で12.
5kDa)の予想サイズである(ミヤゾノら、上記)。これ
らのデータは大きな潜在性TGF−β1複合体においてTGF
−β1−BPがTGF−β1の近辺に存在するが、遊離型のT
GF−β1−BPはTGF−β1に対して親和性が低いか親和
性がないかを示唆している。TGF−β1−BPがTGF−β1
を潜在的に保つ場合になんらかの役割を有しているか
ら、TGF−β1−BPはTGF−β1が細胞表面レセプターに
結合するのを妨害していることが考えられる。従って、
125I−TGF−β1のNRK細胞への結合をTGF−β1−BPが
阻害する能力が検討された。図8で示すように、TGF−
β1−BPは、極めて高濃度でも125I−TGF−β1の結合
に効果がなかった。このことはTGF−β1−BPがTGF−β
1と結合および不活性化しないと言う結論と一致してい
る。
上述の実験はTGF−β1−BPが主に、2種の反復する
配列、すなわち16個のEGF類似の反復体、および以前に
は未知であったモチーフの3個の反復体から成っている
ことを示している。両者のモチーフはシステインを多く
含み、このタンパク質の最も共通の(common)アミノ酸
はシステインである。ここで研究した2つのタイプ、す
なわち血小板および繊維芽細胞TGF−β1−BPは上記の
ように、大きさにおいて著しく異なっている。血小板タ
イプのタンパク質中の存在するペプチドのすべては繊維
芽細胞型のC末端60%に局在し、TGF−β1−BP遺伝子
はオールターナティヴ(選択的)・スプライシングない
し細胞特異的タンパク質分解を受けることが示唆され
た。
繊維芽細胞TGF−β1−BPにはアスパラギン/アスパ
ラギン酸のベータヒドロキシル化のための15個の共通部
位が存在していた。さらに、アスパラギンは血小板由来
のタンパク質において2個のそのような部位でベータヒ
ドロキシル化されることが示された。アミノ酸のベータ
ヒドロキシル化はCa2+結合においてある役割を有してい
るが、その役割は実験的にはいまのところ示されていな
い。
さらに、ここで記載する結合タンパク質はいわゆる
「RGD」配列を有している。これらの配列はこの配列を
含有するタンパク質が「インテグリン」として知られる
細胞表面分子のクラスに結合することを可能にすること
に関連している。〔ハイネス(Hyenes)、セル(Cell)
48巻、549−554(1987年)参照〕。これはTGF−β1結
合タンパク質が細胞表面内ないし細胞表面上で、インテ
グリンと結合するのに関連している可能性を示唆してい
る。
ここで記載する実験はTGF−β1−BPのためのDNAもま
た他の造血細胞中で発現を受けるかも知れないことを示
唆し、その選択は当業者により行われるであろう。
採用した用語および表現は記述の用語としてであっ
て、制限の用語ではなく、そのような用語および表現の
使用にあたり、呈示し、記述した特徴の同等用語全体な
いし一部を除外する意向はなく、発明の範囲内でさまざ
まな修正の可能なことが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 モーレン,アニタ スウェーデン国 エス―753 ウップサ ラ 26 サラガタン 45ビー (72)発明者 ヴェルンステット,クライスター スウェーデン国 エス―752 ウップサ ラ 63 ヘッセルマンスヴェーク 49 (72)発明者 ヘルマン,ウルフ スウェーデン国 エス―752 ウップサ ラ 29 ボルイエガタン 40 (72)発明者 ミヤゾノ,コーヘイ スウェーデン国 エス―752 ウップサ ラ 63 フロークスタヴェーゲン 63デ ィ (72)発明者 クレッソン―ヴェルシュ,リーナ スウェーデン国 エス―752 ウップサ ラ 43 グラニトヴェーゲン 16エイ (72)発明者 ヘルディーン カール―ヘンリック スウェーデン国 エス―752 ウップサ ラ 63 ヘッセルマンスヴェーク 35 (56)参考文献 THE JOURNAL OF BI OLOGICAL CHEMISTRY (1988)Vol.263,No.13,p. 6407−6415 THE JOURNAL OF BI OLOGICAL CHEMISTRY (1988)Vol.263,No.16,p. 7646−7654 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/47 C12N 5/10 C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq SwissProt/PIR/GeneS eq

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)または(b)のDNAからなる
    単離核酸分子: (a)図4bに記載の核酸配列を有する、ヒトトランスフ
    ォーミング成長因子β1結合タンパク質(TGF−β1−B
    P)をコードするDNAからなる単離核酸分子; (b)図4bに記載の核酸配列を有するDNAからなる単離
    核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    し、かつ、ヒトトランスフォーミング成長因子β1結合
    タンパク質をコードするDNAからなる単離核酸分子。
  2. 【請求項2】前記TGF−β1−BPが繊維芽細胞型である
    請求項1記載の単離核酸分子。
  3. 【請求項3】cDNAからなる請求項2記載の単離核酸分
    子。
  4. 【請求項4】図4bに描かれたアミノ酸配列のアミノ酸1
    −1394によって表されるアミノ酸配列からなるタンパク
    質をコードする核酸分子。
  5. 【請求項5】請求項1記載の核酸分子を含む組換えベク
    ター。
  6. 【請求項6】前記TGF−β1−BPが血小板型である請求
    項1記載の単離核酸分子。
  7. 【請求項7】mRNAからなる、請求項1記載の単離核酸分
    子。
  8. 【請求項8】請求項1記載の核酸分子で形質転換された
    宿主細胞からなるTGF−β1−BPを生産する細胞系。
  9. 【請求項9】請求項5の核酸分子を含む組換えベクター
    で形質転換された宿主細胞からなるTGF−β1−BPを生
    産する細胞系。
  10. 【請求項10】繊維芽細胞型であり、約170から約190キ
    ロダルトンの分子量により特徴付けられるトランスフォ
    ーミング成長因子β1結合タンパク質(TGF−β1−B
    P)、であって、以下の(a)または(b)の核酸分子
    によってコードされるTGF−β1−BP、 (a)図4bに記載の核酸配列を有する核酸分子、 (b)相補鎖が図4bに記載のアミノ酸配列をコードする
    核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    し、かつTGF−β1−BP活性を有するタンパク質をコー
    ドする核酸分子。
  11. 【請求項11】繊維芽細胞型であり、約170から約190キ
    ロダルトンの分子量により特徴づけられるトランスフォ
    ーミング成長因子β1結合タンパク質(TGF−β1−B
    P)であって、以下の(a)または(b)のTGF−β1−
    BP、 (a)図4bのアミノ酸配列からなるTGF−β1−BP、 (b)図4bのアミノ酸配列において1もしくは数個のア
    ミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列
    からなり、かつ、TGF−β1−BP機能を有するTGF−β1
    −BP。
JP03505361A 1990-02-27 1991-02-20 十分に精製したトランスフォーミング成長因子β1結合タンパク質および本結合タンパク質を発現するヌクレオチド配列 Expired - Fee Related JP3138740B2 (ja)

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