JP3137257B2 - 足場装置および足場構築工法 - Google Patents

足場装置および足場構築工法

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JP3137257B2
JP3137257B2 JP08124044A JP12404496A JP3137257B2 JP 3137257 B2 JP3137257 B2 JP 3137257B2 JP 08124044 A JP08124044 A JP 08124044A JP 12404496 A JP12404496 A JP 12404496A JP 3137257 B2 JP3137257 B2 JP 3137257B2
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和仁 仲光
祐一 林
信市 佐川
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日立プラント建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建屋や柱等の高所位
置で壁面に対する各種作業をなす場合の作業スペースを
確保するために用いられる足場装置および足場構築工法
に係り、特に水平足場への出入りのために設けれられて
いる昇降口がデッドスペースとなっている点を改善した
足場装置および足場構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建屋や柱の高所作業に際して、足
場が構築されることが一般的に行われている。例えば柱
の縦継ぎ溶接等を行う場合には、通常は鋼管等を利用し
て、柱の周囲に支柱を立設するとともに、支柱間に一定
間隔に横梁用鋼管を組み付けた足場フレームを構築し、
横梁用鋼管の間に足場板を渡し掛けて構築される。足場
板は矩形平面とされ、端部にフック等を有して横梁に係
合あるいは固定されることで支持され、柱の周囲に複数
の足場板を水平配置することにより、水平足場が形成さ
れる。このような水平足場に対する出入りのために昇降
口が設けられ、これには滑り止め用の桟を設けた傾斜足
場板を上下位置に設置された水平足場や踊り場との間に
掛け渡し、当該水平足場に出入りできるようにしてい
る。
【0003】図6(1)は従来の足場装置の斜視図であ
り、例えば発電所の架構に用いられる柱は縦継ぎ溶接さ
れるため、溶接線の非破壊検査を行う等のために構築さ
れる水平足場の例を示している。図示のように、柱1の
溶接線2の設定位置での作業が可能なように柱1の周囲
に水平足場3が形成される。この水平足場3は地上側か
ら鋼管足場フレーム4を立ち上げ、足場フレーム4に矩
形の足場板(図示せず)を水平になるように複数渡し掛
けることにより形成されている。足場3の一部には張出
し部5を設け、この張出し部5から下方の踊り場6に至
る傾斜足場板7を順次渡しており、この傾斜足場板7か
ら水平足場3の張出し部5に形成される昇降口8を通じ
て出入りするようになっている。また、図6(2)は他
の従来例であり、水平足場への出入りは猿梯子9を通
じて行うようになっており、水平足場には張出し部5
ないが、手摺りを切り欠いて形成される昇降口8が形
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6(1)に示した前
者の足場装置では、張出し部5を設けたり、傾斜足場板
を取り付けたりするため、足場装置自体の水平投影面積
が大きくなり、しかも、水平垂直に鋼管足場フレーム4
を組み上げる必要があるため、使用する部品点数も膨大
であり、作業工数が非常に多くなる問題があった。ま
た、図6(2)に示した後者の足場装置では、張出し部
5や傾斜足場板7が不要であるものの、水平足場3の床
面部分に昇降口を形成することができないため、水平足
場3の外縁部に形成される昇降口8に猿梯子9を接続す
る必要があり、このため柱1の表面から離れた箇所に猿
梯子9を設置するために、猿梯子9の周囲に鋼管足場フ
レームを構築しなければならず、前者と同様に作業量が
多いという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、高
所に設定される水平足場への昇降口を足場板によって閉
鎖できるようにし、同時に昇降のための足場フレームの
構築工数を大幅に低減することができるようにした足場
装置および足場構築工法を提供することを目的としてい
る。また、足場装置の投影面積を小さくすることがで
き、部品点数の削減効果の高い足場装置および足場構築
工法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る足場装置は、複数の足場板を水平配置
することにより作業対象壁面に沿った水平足場を有する
足場装置であって、前記水平足場に開口される昇降口を
有し、固定足場板に立設された手摺りの上半部が前記昇
降口に延長形成されるとともに、前記昇降口を閉鎖可能
に配置され足場板本体の側縁に折曲げ起立可能にヒンジ
結合し固定足場板に設けている巾木にボルト連結するこ
とで直接固定されて巾木として用いられるつま先板を有
する開閉足場板を備えたことを特徴としている。この場
合において、前記開閉足場板に設けられたつま先板は、
前記足場板本体の片側縁に折曲げ起立可能にヒンジ結合
し固定足場板側に直接固定可能とされ巾木または足場と
して用いられる第1のつま先板と、当該第1のつま先板
に折曲げ起立可能にヒンジ結合し固定足場板側に直接固
定されて巾木として用いられる第2のつま先板とからな
る構造とすることができる。
【0007】また、本発明に係る足場構築工法は、U字
金具により形成される足場ピースを作業対象壁面に埋め
込み設定し固定足場板の前縁部に一体に巾木状のブラ
ケットを形成しこれに逆L字状に形成された抜け止め
ピンを前記足場ピース位置に対応するように設け前記
抜け止めピンを前記足場ピースに係合させることにより
前記固定足場板を取り付け、この固定足場板を間隔をお
いて取り付けることにより昇降口を形成するとともに前
記固定足場板に立設された手摺りの上半部を前記昇降口
に延長形成しておき、前記昇降口に足場板本体の側縁に
折曲げ起立可能にヒンジ結合し固定足場板に設けている
巾木にボルト連結することで直接固定されて巾木として
用いられるつま先板を有する足場板の両端部を載置して
閉鎖するとともに、前記つま先板を起立して固定足場板
側に固定して構築することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上記構成によれば、柱等の足場作業の対象物に
対し、水平足場の床面の一部に昇降口を形成し、これを
覆うように開閉足場を載置する。開閉足場は側縁部
分につま先板をヒンジ結合したものであるため、ヒンジ
部分で足場板本体が回動操作できる。つま先板を折曲げ
て起立させ、このつま先板部分を足場フレームや前後両
端に配置されている固定足場やこれに付帯する手摺り
等に固定する。これによりつま先板は巾木として機能
し、同時に昇降口は開閉足場板により覆われるが、ヒン
ジ部分を中心にして開閉できる。柱にはこの開閉足場板
の直下に位置するように猿梯子等を設ければよく、これ
により昇降出入りのための梯子構築用の鋼管足場フレー
ムは不要となる。したがって、作業者は柱面に形成され
た猿梯子を上って水平足場の下面に到達したときに、開
閉足場板を押し上げて昇降口を開き、水平足場上に乗っ
た後、開閉足場を閉鎖状態に戻すことにより、水平足
場の床面の昇降口は完全に閉じられ、作業者の移動が自
在となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る足場装置お
よび足場構築工法の具体的実施の形態を図面を参照して
詳細に説明する。
【0010】図1は実施例に係る足場装置の斜視図、図
2はその面図、図3はその面図および支持部詳細
図、図4は開閉足場板の平面図および端面図である。図
示の例は正方形断面の作業対象柱10の周囲に巡らした
足場装置12を示している。
【0011】実施例の足場装置12は、柱10の平行な
一対の側面部に固定足場板14、14を配置し、他の平
行な一対の側面部に開閉足場板16、16を配置するこ
とにより、水平足場18となるように構成されている。
【0012】まず、固定足場板14は、柱10の側壁面
巾寸法のほぼ2倍程度の長さ寸法を有する平板体として
形成されているが、柱側壁への対面部分を柱10に設け
た足場板固定ピース20に係止させることで支持される
ようになっている。図3(2)、(3)に示しているよ
うに、足場ピース20はU字金具により形成され、これ
が柱側壁面に左右一対設けられるとともに上下2段に埋
め込み設定されている。このような足場板固定ピース2
0に対する係合をなすために、固定足場板14の前縁部
に巾木状のブラケット22を一体に形成し、これに逆L
字状に形成された抜け止めピン24を各ピース20位置
に対応するように4ヵ所設けている。これにより、固定
足場板14は抜け止めピン24を足場ピース20に係合
させることにより、水平が保持された状態で柱10の側
壁面に取り付けられる。
【0013】このような固定足場板14の外周縁となる
長辺部と一対の短辺部分に手摺り26が立設されてい
る。特に短辺部の手摺り26は上半部が延長形成されて
おり、対向配置されている他の固定足場板14の同様な
短辺手摺り26と突合せ可能とされ、したがって一対の
固定足場板14、14に付帯する手摺り26が柱10の
全周を取り囲むようになっている。なお、固定足場板1
4の外周縁には巾木28が設けられている。
【0014】上述のように取り付けられた一対の固定足
場板14、14はその両端部が柱10の両側から張出し
た形態で柱10に固定設置されるが、この張出し部分に
開閉足場板16、16の両端を載せて水平足場18とす
るようにしている。開閉足場板16は、図4に詳細を示
しているように、足場板本体30と、その片側縁にヒン
ジ金具32により折曲げ起立可能とされた第1つま先板
34Aと、更に当該第1つま先板34Aの外側縁に同様
にヒンジ金具32により折曲げ起立可能とされた第2つ
ま先板34Bとから構成されている。足場板本体30お
よびつま先板34はCチャンネル材により形成された下
面開口部材であり、足場板本体30の表面には滑り止め
パンチング加工が施され、つま先板34も縞状エンボス
加工が施されている。前記つま先板34は、未使用状態
では足場板本体30と同一平面をなすようにして平板体
として積み重ねできるようになっているが、足場装置と
して使用される場合には、通常、巾木として機能するよ
うに足場板本体30の平面と直交するように起立され
る。2連のつま先板34により足場板の巾調整ができ、
最外縁の第2つま先板34Bのみ巾木として、あるいは
第1、第2のつま先板34A、34Bの両者を巾木とし
て使用することができる。
【0015】一対の開閉足場板16、16は、前述した
一対の固定足場板14、14の張出し部分に渡し掛けら
れて設置されるが、その際、つま先板34が外縁となる
ように配置され、第2つま先板34Bを起立させて固定
足場板14に設けている巾木28にボルト連結すること
で固定している。このため、つま先板34には、図4に
示すように、ボルト通し孔36を穿設している。
【0016】この状態では水平足場18は柱周囲に一対
の固定足場板14、14と、これに渡し掛けられた一対
の開閉足場板16、16とにより構成されるが、当該水
平足場18に対して作業者が出入りする昇降口38を、
柱10の1つの側壁面部側に張出された前記固定足場板
14の張出し部同志の間となるように設定している。そ
して、この昇降口38を前記一方の開閉足場板16によ
り閉鎖できるようにしているのである。足場板本体30
はともにヒンジ金具32部分で連結されているため、本
体30を引き上げ回転させることができる。そこで、昇
降口38設定されていない側の開閉足場板16は、安
全のため、足場板本体30を固定足場板14、14に固
定し開閉できないようにしている。この固定のために固
定足場板14の張出し部内側縁にボルト止め機構39を
設け、足場板本体30のパンチング孔を利用して固定し
ている。そして、昇降口38を覆うように設定された開
閉足場板16は足場板本体30を下から押し上げること
により昇降口38を開放させて作業者の出入りを可能と
しているのである。もちろん、一対の開閉足場板16、
16の設置箇所の両側を昇降口として利用することがで
き、この場合は足場板本体30を固定することを要しな
い。
【0017】このように構成された水平足場18に対す
る出入りのため、図1に示しているように、前記昇降口
38の設定箇所に対応して柱10の側壁面に直接猿梯子
40を設けている。作業者はこの梯子40を利用して昇
降し、水平足場18に対する出入りを行うことができ、
これは開閉足場板16の足場板本体30をヒンジ金具3
2を中心にして回転操作して昇降口38を開放させて行
えばよい。
【0018】上述の足場装置12は作業対象柱10の側
面に予め設定されている足場ピース20に対して固定足
場板14、14を係合固定させ、これに手摺り26と巾
木28を設定する。そして、柱10の側方に張出した固
定足場板14の端部間に開閉足場板16、16を渡し、
そのつま先板34を巾木28にボルトにより固定する。
昇降口38が設定される側の開閉足場板16はその足場
本体30を開閉できるようにしておき、他方の開閉足
場板16の足場板本体30は固定足場板14に固定させ
て構築作業が終了する。これにより、昇降口38の設定
側における柱10の側壁面に設けられた猿梯子40を利
用して作業者が水平足場18への出入りが可能となるの
である。
【0019】すなわち、図5に示しているように、猿梯
子40を利用して柱10を昇ってきた作業者は昇降口3
8を閉鎖している開閉足場板16を押し上げて開き(同
図(1))、水平足場18に達した後、固定足場板14
側にて開閉足場板16を閉じて昇降口38を閉鎖するの
である。これにより、水平足場18は全周にわたって床
面の開口部が閉鎖された状態となり、作業者は柱10の
縦継ぎ溶接部分42(図1参照)の非破壊検査の作業に
従事することができるものとなる。
【0020】以上のように、本実施の形態によれば、水
平足場18に形成しなければならない昇降口38は作業
状態で完全に閉鎖され、これにより作業スペースが確保
され、しかも足場構築のための鋼管フレーム組みが不要
となる。しかも出入り梯子40も直接柱10の側
壁に設定することができ、梯子設定のための足場組みも
不要とすることができるのである。
【0021】なお、上記実施の形態では、柱10を作業
対象としてその周囲に構築する例を示しているが、建屋
平面に構築する場合も同様であり、壁面に沿って固定足
場板を設置し、その間隔を明けて昇降口を形成した部分
に開閉足場板16を載置し、つま先板34を固定するこ
とで同様の作用をなす。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の足場板を水平配置することにより作業対象壁面に
沿った水平足場を有する足場装置を構築する際、前記水
平足場に開口される昇降口を設け、固定足場板に立設さ
れた手摺りの上半部を前記昇降口に延長形成し、前記昇
降口を閉鎖可能に配置され足場板本体の側縁に折曲げ起
立可能にヒンジ結合し固定足場板に設けている巾木にボ
ルト連結することで直接固定されて巾木として用いられ
るつま先板を有する開閉足場板を取り付けるようにした
ので、当該開閉足場板本体の開閉操作により、水平足場
の昇降口を閉じることができて作業デッドスペースをな
くすることができ、足場組みのための鋼管フレームの構
築作業も無くすることができるため、構築作業の労力を
大幅に低減することができ、また、足場装置の投影面積
を小さくすることができ、部品点数の削減効果の高いも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る足場装置の全体斜視図である。
【図2】同足場装置の平面図である。
【図3】同足場装置の面図および固定足場板の係合部
平面図、並びに断面図である。
【図4】開閉足場板の平面図および端面図である。
【図5】実施例の足場装置への出入り状態の説明図であ
る。
【図6】従来の足場装置の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 作業対象柱 12 足場装置 14 固定足場板 16 開閉足場板 18 水平足場 20 足場ピース 22 ブラケット 24 抜け止めピン 26 手摺り 28 巾木 30 足場板本体 32 ヒンジ金具 34A 第1つま先板 34B 第2つま先板 36 ボルト通し孔 38 昇降口 39 ボルト止め機構 40 猿梯子 42 溶接部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−35957(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 3/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の足場板を水平配置することにより
    作業対象壁面に沿った水平足場を有する足場装置であっ
    て、前記水平足場に開口される昇降口を有し、固定足場
    板に立設された手摺りの上半部が前記昇降口に延長形成
    されるとともに、前記昇降口を閉鎖可能に配置され足場
    板本体の側縁に折曲げ起立可能にヒンジ結合し固定足場
    に設けている巾木にボルト連結することで直接固定さ
    れて巾木として用いられるつま先板を有する開閉足場板
    を備えたことを特徴とする足場装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉足場板に設けられたつま先板
    は、前記足場板本体の片側縁に折曲げ起立可能にヒンジ
    結合し固定足場板に直接固定可能とされ巾木または足場
    として用いられる第1のつま先板と、当該第1のつま先
    板に折曲げ起立可能にヒンジ結合し固定足場板に直接固
    定されて巾木として用いられる第2のつま先板とからな
    ることを特徴とする請求項1に記載の足場装置。
  3. 【請求項3】 U字金具により形成される足場ピースを
    作業対象壁面に埋め込み設定し固定足場板の前縁部に
    一体に巾木状のブラケットを形成し、これに逆L字状に
    形成された抜け止めピンを前記足場ピース位置に対応す
    るように設け前記抜け止めピンを前記足場ピースに係
    合させることにより前記固定足場板を取り付け、この固
    定足場板を間隔をおいて取り付けることにより昇降口を
    形成するとともに前記固定足場板に立設された手摺り
    上半部を前記昇降口に延長形成しておき、前記昇降口に
    足場板本体の側縁に折曲げ起立可能にヒンジ結合し固定
    足場板に設けている巾木にボルト連結することで直接固
    定されて巾木として用いられるつま先板を有する足場板
    の両端部を載置して閉鎖するとともに、前記つま先板を
    起立して固定足場板側に固定して構築することを特徴と
    する足場構築工法。
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