JP2896329B2 - 建築工事における外側足場枠と建築物との梯子施工法及びその梯子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高層建築物工事にお
ける外側足場枠と建築物との梯子施工法及びその梯子に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来高層建築物工事では外側に鉄パイプ
による足場枠を組み、足場枠から又は足場枠に設けた建
築用エレベーターのステージから工事中の建築物の床面
に作業員が出入した。

【０００３】この床面はベランダ床面又は高窓の内側床
面であるためベランダ柵又は高窓の下縁を越えて外側足
場枠又は上記エレベーターのステージから該内側床面に
飛び降り、或は逆に高窓の下縁又はベランダ柵に上り、
そこから外側足場と建築物の外面との間の間隔Ｔを越え
て外側足場枠に移動したため間隔からの転落や床面への
飛び降りによる外傷等の危険性があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は高層建築物工
事における外側足場から建築物内に出入する際の危険性
を防止することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は高層建築物の床面から外側上部開放壁の上縁
上方に傾斜梯子を配置し、上記上縁を越えて上記梯子の
上端と外側足場枠とを踊り場で接続し、該踊り場と上記
上縁との間には該上縁の外装工事用空間を介在させ、か
つ外側上部開放壁の外面と外側足場枠の内面との間隔に
応じて上記踊り場の外側を上記足場枠に設けた横枠にク
ランプ金具で支持することを特徴とする建築工事におけ
る外側足場枠と建築物との梯子施工法 傾斜梯子、該梯子に沿って設けられる手摺り及び踊り場
を分解して現場に搬入し、現場で組立てる上記発明記載
の建築工事における外側足場枠と建築物との梯子施工法 高層建築工事において、床面から外側上部開放壁の上縁
の上方に至る傾斜梯子と、該梯子の上端部に着脱自在に
枢支した水平方向の踊り場と、傾斜梯子の傾斜杆に沿っ
て着脱自在に固設した手摺りとよりなり、上記踊り場が
両側に側板を有し、該踊り場の底部両側に上記上縁の外
側に向う長孔を穿設し、該長孔に摺動自在にクランプ金
具を支持し、上記外側足場枠に架設した横枠に上記踊り
場を載せて該横枠を上記クランプ金具で支持するよう形
成し、かつ該踊り場と傾斜梯子との枢支部が上記上縁の
上方に外装工事用空間を介して位置する寸法に形成され
た建築工事における外側足場枠と建築物との梯子によっ
て構成される。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明では高層建築物の工事現場
において階層の床面１から外側上部開放壁２の上縁３の
上方に向って傾斜梯子４を仮支持し、その上端部にボル
ト１１で枢支した踊り場６を上記上縁３の上方に水平方
向に開き、踊り場６の外端部下面を外側足場枠５に架設
した水平横枠７に載せ、クランプ金具８、８を長孔１
０、１０に沿って摺動させて挟持しボルト１２で締付け
て固定する。

【０００７】上記傾斜梯子４は上端部４”を水平に屈曲
させ、踊り場６の内端に設けた直立ストッパ１３及び水
平ストッパ１４に上記上端の屈曲部４”の前端面１３’
を直立ストッパ１３に上面１４’を水平ストッパ１４の
下面に接し、かつ踊り場６内端に設けた垂下片１５と梯
子４の上端部側に設けた垂直片１６とにボルト１７を挿
通しこれを締付けることによって該梯子４と踊り場６と
の開き角を９０度以上とし傾斜梯子４とする。

【０００８】上記梯子４の傾斜杆４’、４’の一方又は
双方には該傾斜杆４’、４’に沿って手摺り９を着脱自
在に固設する。

【０００９】従って床面１の外側上部開放壁２の上縁３
に介在された空間ｓのため上縁３のモルタル塗装、ペン
キ塗装等の外装工事を行うことができるし、上記上部開
放壁２の外面と外側足場枠５の内面との間隔Ｔの変化に
拘わらず踊り場６の外端を上記足場枠５に架設した横枠
７に固設することができる。

【００１０】

【実施例】マンションその他の高層建築物現場工事にお
いては地上工事に入ると建築物の外側面から間隔Ｔを置
いて鉄パイプによる足場枠５が組立てられ足場枠５から
各階の床面１に作業員が出入し、機材等が搬入出され
る。又上記足場枠５には建築用エレベーターが露出状態
に設けられ、そのステージから各階の床面１への通路、
出入が計られる。

【００１１】上記各階床面１の外側にはベランダの外柵
又は高窓の下縁に至る外壁即ち外側上部開放壁２が形成
され、上記外柵又は高窓下縁の上方は開放されている。

【００１２】上記開放壁２の上縁３の上方に空間ｓを介
して傾斜梯子４の上端を仮支持し、下端に嵌合させたゴ
ムシュー１８、１８を床面１に支持し、梯子４の上端と
外側足場枠５にクランプ金具８、８で架設した水平横枠
７とを水平方向の踊り場６で接続する。

【００１３】上記空間ｓは上部開放壁２の上縁３の外装
加工用に用いられる限り高さに制限はない。

【００１４】踊り場６は方形水平台板であって、側板
６’、６’を備え、図４に示すように直立ストッパ１３
及び上部水平ストッパ１４が設けられ、傾斜梯子４の上
端水平屈曲部４”の前端１３’及び上面１４’を両スト
ッパ１３、１４に接し、その状態において梯子４の上端
部側及び水平ストッパ１４側に設けた垂直片１５、１６
を重合し、両垂直片１５、１６に穿設した共通孔１
７’、１７”にボルト１７を挿入しナットで締付けて梯
子４と踊り場６との開き角を１２０度程度となし水平踊
り場６及び傾斜梯子４を形成する。

【００１５】踊り場６の外端部には側板６’、６’の下
縁を接続する底板１９を設け、該底板１９に内外方向に
向う長孔１０、１０を両側に設け、図６に示すように鉄
パイプクランプ金具８の弯曲本体８’をボルト・ナット
によって長孔１２に摺動自在に支持し、開閉弯曲腕８”
の先端を本体８’の先端にボルト１２’で締付けて鉄パ
イプによる水平横枠７を挟持する。そしてクランプ金具
８、８を長孔１０、１０に沿って摺動させることによっ
て上記間隔Ｔに対応することができる。

【００１６】上記傾斜梯子４は２個の水平傾斜杆４’、
４’を踏板２０で接続してなり、傾斜杆４’、４’の上
下端部に垂直角短管２１、２１を溶着し、長い垂直角パ
イプ２２、２２から下方に突出させた嵌合金具２３を垂
直角短管２１、２１に着脱自在に嵌合し、長い垂直角パ
イプ２２、２２の上端に傾斜杆４’、４’と水平な手摺
り９、９を溶着する。この手摺り９は傾斜杆４’、４’
の一方又は双方に設けることができる。

【００１７】尚図中２４で示すものは垂直角短管２１に
嵌合金具２３を固定する締付けボルト、２５は踊り場６
の両側板６’、６’の接続杆である。

【００１８】

【発明の効果】本発明は上述のように間隔を介して足場
枠が設けられた高層建築工事現場において足場枠側から
各階床面に踊り場及び傾斜梯子を経て手摺りをもって安
全に出入し得て間隔からの転落がなく、かつ各階床面の
外側上部開放壁の上縁の外装工事を支障なく行い得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建築工事における外側足場枠と建築物
との梯子施工法及び梯子を示す側面図である。

【図２】図１の斜視図である。

【図３】踊り場附近の斜視図である。

【図４】踊り場と傾斜梯子との接続部の一部切欠側面図
である。

【図５】踊り場の底面図である。

【図６】図５Ａ−Ａ線による縦断面図である。

【符号の説明】

１ 床面 ２ 外側上部開放壁 ３ 上縁 ４ 傾斜梯子 ４’ 傾斜杆 ５ 外側足場枠 ６ 踊り場 ｓ 外装工事用空間 Ｔ 間隔 ７ 横枠 ８ クランプ金具 ９ 手摺り １０ 長孔

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高層建築物の床面から外側上部開放壁の
   上縁上方に傾斜梯子を配置し、上記上縁を越えて上記梯
   子の上端と外側足場枠とを踊り場で接続し、該踊り場と
   上記上縁との間には該上縁の外装工事用空間を介在さ
   せ、かつ外側上部開放壁の外面と外側足場枠の内面との
   間隔に応じて上記踊り場の外側を上記足場枠に設けた横
   枠にクランプ金具で支持することを特徴とする建築工事
   における外側足場枠と建築物との梯子施工法。
2. 【請求項２】 傾斜梯子、該梯子に沿って設けられる手
   摺り及び踊り場を分解して現場に搬入し、現場で組立て
   る請求項(1) 記載の建築工事における外側足場枠と建築
   物との梯子施工法。
3. 【請求項３】 高層建築工事において、床面から外側上
   部開放壁の上縁の上方に至る傾斜梯子と、該梯子の上端
   部に着脱自在に枢支した水平方向の踊り場と、傾斜梯子
   の傾斜杆に沿って着脱自在に固設した手摺りとよりな
   り、上記踊り場が両側に側板を有し、該踊り場の底部両
   側に上記上縁の外側に向う長孔を穿設し、該長孔に摺動
   自在にクランプ金具を支持し、上記外側足場枠に架設し
   た横枠に上記踊り場を載せて該横枠を上記クランプ金具
   で支持するよう形成し、かつ該踊り場と傾斜梯子との枢
   支部が上記上縁の上方に外装工事用空間を介して位置す
   る寸法に形成された建築工事における外側足場枠と建築
   物との梯子。