JP3137232B2 - 分布増幅器 - Google Patents

分布増幅器

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JP3137232B2 JP08084496A JP8449696A JP3137232B2 JP 3137232 B2 JP3137232 B2 JP 3137232B2 JP 08084496 A JP08084496 A JP 08084496A JP 8449696 A JP8449696 A JP 8449696A JP 3137232 B2 JP3137232 B2 JP 3137232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2以上の入力信号
を合成する合成回路、又は1個の入力信号を2以上の出
力に分配する分配回路として機能する分布増幅器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図14にソース接地トランジスタを用い
た従来の典型的な分布増幅器の構成を示す。図14では
便宜上、分布増幅区間が4区間の構成のものを示した。
図中、1は出力線に設けられる出力側フィルタ回路の一
部を構成するインダクタもしくは伝送線路、2は入力線
に設けられる入力側フィルタ回路の一部を構成するイン
ダクタもしくは伝送線路、3は単位分布増幅区間の単位
増幅回路を構成するソース接地トランジスタ(図では便
宜上電界効果トランジスタの記号を用いた。)、4は出
力側終端回路、5は入力側終端回路、6は電源端子もく
しは電気的接地、7は電気的接地、8は入力端子、9は
出力端子である。出力側終端回路4は出力端子9から最
も遠くに位置する出力側フィルタ回路1の端に設けら
れ、入力側終端回路5は入力端子8から最も遠くに位置
する入力側フィルタ回路2の端に設けられる
【0003】図15はトランジスタの等価回路(電界効
果トランジスタのものを示した。)を示す図である。1
0はドレイン端子、11はソース端子、12はゲート端
子である。13はゲート・ソース間容量(Cgs)、1
4はチャネル抵抗(Ri)、15は電圧制御型電流源
(相互コンダクタンスgmと容量Cgsに印加される電
圧Vgsの積[gm・Vgs]で与えられる量の電流を
発生する)、16はドレイン・ソース間抵抗、(Rd
s)、17はドレイン・ソース間容量(Cds)であ
る。
【0004】一般に、分布増幅器は図14に示すインダ
クタもしくは伝送線路1とトランジスタ3のドレイン・
ソース間容量17(Cds)により出力側フィルタ回路
を構成し、また、インダクタもしくは伝送線路2とトラ
ンジスタ3のゲート・ソース間容量13(Cgs)によ
り入力側フィルタ回路を構成する。
【0005】これらのフィルタ回路は一般に非常に高い
カットオフ周波数をもつため、影像インピーダンスが整
合インピーダンス(通常50Ω)となるよう設計し、入
出力のフィルタ回路の位相定数を等しくなるように(位
相整合がとれるように)すれば、非常に広帯域な特性を
実現できる。位相整合の条件は、 Lg・Cgs=Ld・Cds ・・・・(1) である。ここで、Lg、Ldは図14のインダクタもし
くは伝送線路1、2の1個の分布増幅区間当たり(それ
らの2つ分)のインダクタンスである。
【0006】一般にはCgs>Cdsであるので、入出
力のフィルタ特性を等しくするには、図16に示す(1
個の分布増幅区間のみを示した。)ように、キャパシタ
17(Cds)に並列にキャパシタ18(容量Ca)を
付加して、 Cgs=Cds+Ca ・・・・(2) となるようにし、さらに Lg=Ld ・・・・(3) となるようにして、入出力に等価なフィルタ回路を形成
する。なお、抵抗14、16による効果はここでは無視
している。
【0007】さらに、説明の簡単化のために、ここから
は、 Cgs=Cds=C ・・・・(4) のトランジスタについて考えることとする。入出力のフ
ィルタ回路は等しいインダクタもしくは伝送線路を用い
て接続し、 (L/C)1/2=50 ・・・・(5) とすることにより、良好な入出力反射特性を得ることが
できる。
【0008】上述したように分布増幅器はその広帯域な
特性により、マイクロ波、ミリ波等の分野で広く応用さ
れており、この分布増幅器の応用による合成回路や分配
回路もまた提案されてきた。図17、18に典型的な従
来の分布型合成回路の構成を示し、図19、図20に典
型的な従来の分布型分配回路の構成を示す。
【0009】図17に示した合成回路は、差動増幅器を
分布化したもので、図14におけるものと同一のものに
は同一の符号を付している。トランジスタ3A、3B、
3Cの組は単位の差動増幅器を構成している。19は第
1入力端子、20は第2入力端子である。この合成回路
では、第1入力端子19と第2入力端子20から入力し
た信号が逆相関係にあるとき、出力端子9からそれらの
合成信号を出力することができる。
【0010】一方、図18に示した合成回路は、出力ド
レイン端に並列に任意数(図では2個)のソース接地ト
ランジスタ3のドレイン端子を接続し、この並列接続さ
れた各々のトランジスタ3のゲート側に各々入力側フィ
ルタ回路を構成したものである。図17におけるものと
同一のものには同一の符号を付している。この合成回路
では、第1入力端子19と第2入力端子20に入力した
信号が同相関係にあるとき、出力端子9からそれらの合
成信号を出力することができる。
【0011】さらに、図19に示した分配回路は、差動
増幅器を分布化したもので、図14、図17におけるも
のと同一のものには同一の符号を付している。21は第
1出力端子、22は第2出力端子である。この分配回路
では、分布増幅器の1/2の利得で逆位相の関係にある
信号を第1出力端子21と第2出力端子22のから出力
できる。
【0012】さらに、図20に示した分配回路は、入力
ゲート端に並列に任意数(図では2個)のソース接地ト
ランジスタ3のゲート端子接続し、この並列接続された
各々のトランジスタ3のドレイン側に各々出力側フィル
タ回路を構成したものである。図19におけるものと同
一のものには同一の符号を付している。この分配回路で
は、第1出力端子21と第2出力端子22から、同位相
の信号が出力する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図17に示
した合成回路では、回路構成の複雑さから集積回路化の
際に回路パターンの描画を行なうと、信号線間に交差が
生じ回路の特性に影響を及ぼすという問題点があった。
また、最大で2入力までしか合成することができないと
いう問題点もあった。
【0014】また、図18に示した合成回路では、出力
側フィルタ回路の容量が図14の分布増幅器と同じ大き
さのトランジスタを用いた場合に2倍となるため、出力
側フィルタの整合インピーダンスを50Ωに設計する
と、カットオフ周波数が1/2に低下する。また、位相
整合条件を考慮すると、2つの入力端子19、20の入
力インピーダンスが100Ωになってしまう。並列付加
するトランジスタの数を増せば入力端子数を3個、4個
としたものも構成可能であるが、出力側フィルタのカッ
トオフ周波数も1/3、1/4となり、入力インピーダ
ンスは3倍、4倍となるという問題があった。
【0015】一般にはCgs>Cdsであるので、図1
6で示したようなキャパシタ18(Ca)を付加しなけ
ればある程度劣化を抑えることができるが、Cgs=2
・Cdsとなるほど両容量間に差がなければ、出力側フ
ィルタのカットオフ周波数はかなり低下することにな
る。図16で説明した分布増幅器とは逆に、ゲート・ソ
ース間にキャシタCaを付加することによって、入力側
の50Ωの整合をとることはできるが、入力側フィルタ
のカットオフ周波数も出力側と同様に低下することにな
る。使用するトランジスタの大きさを小さくすることに
よってカットオフ周波数の改善を図ることはできるが、
合成数が増えた場合に非現実的な大きさ(非常に小さ
い)のトランジスタを使用しなければならなくなる。ま
た、3合成以上の合成数では集積化に際しての回路パタ
ーンのレイアウトが困難であるという点に関しては、図
17に示した合成回路と同様である。
【0016】一方、図19に示した分配回路では、図1
7に示した合成回路と同様に、回路構成の複雑さから集
積回路化の際に回路パターンの描画を行なうと、信号線
間に交差が生じ回路の特性に影響を及ぼすという問題点
があった。また、最大で2出力までしか分配することが
できないという問題点もあった。
【0017】また、図20に示した合成回路では、入力
側フィルタ回路の容量が図14の分布増幅器と同じ大き
さのトランジスタを用いた場合に2倍となるため、入力
側フィルタの整合インピーダンスを50Ωに設計する
と、カットオフ周波数が1/2に低下する。また、位相
整合条件を考慮すると、2つの出力端子21、22の出
力インピーダンスが100Ωになってしまう。並列付加
するトランジスタの数を増せば出力端子数を3個、4個
としたものも構成可能であるが、入力側フィルタのカッ
トオフ周波数も1/3、1/4となり、出力インピーダ
ンスは3倍、4倍となるという問題があった。
【0018】分布増幅器と同様に、キャパシタ18(C
a)を付加することによって出力側の50Ωの整合をと
ることができるが、出力側フィルタのカットオフ周波数
も入力側フィルタと同様に低下することになる。図18
の合成回路に対するのと同様に、使用するトランジスタ
の大きさを小さくすることによってカットオフ周波数の
改善を図ることはできるが、分配数が増えた場合に非現
実的な大きさ(非常に小さい)のトランジスタを使用し
なければならなくなる。また、3分配以上の分配数では
集積化に際しての回路パターンのレイアウトが困難であ
るという点に関しては、図19に示した分配回路と同様
である。
【0019】本発明は以上のような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、高周波特性を劣化させ
ることなく多合成/多分配を可能にし且つ回路パターン
のレイアウトの容易化を図った合成回路や分配回路とし
て機能する分布増幅器を提供せんとすることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の入
力線と1つの出力線とを有し、m(m≧2)個の分布増
幅区間からなり合成回路として使用される分布増幅器に
おいて、前記各区間の出力側フィルタ回路に対応するm
個の入力側フィルタ回路を、前記入力線の数と等しいグ
ループに任意に分け、該各グループを前記各入力線に振
り分け、前記複数の各入力線において、入力端子より最
も遠くに位置する入力側フィルタ回路の端に入力側終端
回路を設け、前記入力端子と前記入力側終端回路の間の
分布増幅域のうちの前記入力側フィルタ回路が振り分け
られていない部分に、当該部分の分布増幅区間に対応す
る出力側フィルタ回路と等しい特性を有するフィルタ回
路もしくは該出力側フィルタ回路の影像インピーダンス
と等しいインピーダンスをもち且つ遅延時間が等しい伝
送線路を挿入して構成した。ことを特徴とする分布増幅
回路。
【0021】第2の発明は、1つの入力線と複数の出力
線とを有し、m(m≧2)個の分布増幅区間からなり分
配回路として使用される分布増幅器において、前記各区
間の入力側フィルタ回路に対応するm個の出力側フィル
タ回路を、前記出力線の数と等しいグループに任意に分
け、該各グループを前記各出力線に振り分け、前記複数
の各出力線において、出力端子より最も遠くに位置する
出力側フィルタ回路の端に出力側終端回路を設け、前記
出力端子と前記出力側終端回路の間の分布増幅域のうち
の前記出力側フィルタ回路が振り分けられていない部分
に、当該部分の分布増幅区間に対応する入力側フィルタ
回路と等しい特性を有するフィルタ回路もしくは該入力
側フィルタ回路の影像インピーダンスと等しいインピー
ダンスをもち且つ遅延時間が等しい伝送線路を挿入して
構成した。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]図1は本発明の第1の実施の形態
の2入力の合成回路として機能する分布増幅器の構成を
示す図である。前述した図18に示した合成回路におけ
るものと同一のものには同一の符号を付した。
【0025】ここでは、2入力の場合であるので、出力
端子9に接続された出力線の出力側フィルタ回路に対応
する入力側フィルタ回路を2つのグループに振り分け
て、その一方のグループの入力側フィルタ回路を第1入
力端子19に接続された入力線に構成し、他方のグルー
プの入力側フィルタ回路を第2入力端子20に接続され
た入力線に構成している。なお、各グループは2個の単
位分布増幅区間としている。
【0026】そして、第1入力端子19の側の入力線で
は、その第1入力端子19と前記した入力側フィルタ回
路の前段との間にソース接地トランジスタを使用した分
布増幅区間が構成されないので、その部分に、フィルタ
回路もしくは伝送線路23を2個接続している。このフ
ィルタ回路もくしは伝送線路23は、出力端子9に接続
された出力線の出力側フィルタ回路の対応するもの(矢
印で示した。)と等しい特性をもつフィルタ回路、もし
くは該対応するものの影像インピーダンスと等しい特性
インピーダンスをもち且つ等しい遅延をもつ伝送線路で
ある。
【0027】以上のように構成した結果、第1入力端子
19と第2入力端子20に入力した信号が、同相で合成
されて出力端子9から出力する。
【0028】図2、図3は第1入力端子19と出力端子
9との間の透過特性(S31)を示す特性図である。ま
ず図2の実線40は図1に示した合成回路の透過特性、
破線41は図17に示した従来の合成回路の透過特性で
ある。両特性の比較から明らかなように、図1の合成回
路では、回路中の信号伝送線路の交差がないため、図1
7に示した合成回路に比べて信号間の相互作用によって
生じる特性劣化が生じない。
【0029】図3の実線40は図1に示した合成回路の
透過特性、破線42は図18に示した従来の合成回路の
透過特性である。図1に示した合成回路では、その回路
を構成するフィルタ回路のカットオフ周波数が劣化しな
いため、図18に示した合成回路に比べて広帯域な特性
を得ることができる。
【0030】[第2の実施の形態]図4は本発明の第2
の実施の形態の2入力の合成回路として機能する分布増
幅器の構成を示す図である。ここでは、出力側フィルタ
回路に対して、単位分布増幅区間ごとに第1入力端子1
9側の入力線からの信号と第2入力端子20側の入力線
からの信号を交互に振り分けて加えた。
【0031】図1に示した合成回路では、ソース接地ト
ランジスタ3の図15で説明した抵抗16(Rds)に
よって生じる高周波損失により、第2入力端子20側か
らの入力信号が第1入力端子19側からの入力信号より
劣化するが、この図4に示した合成回路では交互に合成
するのでこれが改善される。
【0032】第1入力端子19の側の入力線、および第
2入力端子20の側の入力線において、ソース接地トラ
ンジスタ3を接続しない部分には、前記したフィルタ回
路もしくは伝送線路23を接続する。この合成回路で
も、第1入力端子19と第2入力端子20に入力した信
号が同相で合成されて出力端子9から出力する。
【0033】[第3の実施の形態]図5は本発明の第3
の実施の形態の3入力の合成回路として機能する分布増
幅器の構成を示す図である。これは、第1の実施の形態
を発展させたもので、出力側フィルタ回路の1グループ
を2個の単位分布増幅区間として、3グループとし、そ
の各グループに第1入力端子19、第2入力端子20、
第3入力端子24の入力線の入力側フィルタ回路を振り
分けたものである。各入力線において、ソース接地トラ
ンジスタ3が接続されない単位分布増幅区間には、前記
したフィルタ回路もしくは伝送線路23を接続する。
【0034】この合成回路でも、第1入力端子19、第
2入力端子20、第3入力端子24に入力した信号が同
相で合成されて出力端子9から出力する。このように、
3合成の場合であっても回路の信号線が交差することは
なく、回路パターンのレイアウトが容易であることがわ
かる。
【0035】[第4の実施の形態]図6は本発明の第4
の実施の形態の2入力の合成回路として機能する分布増
幅器の構成を示す図である。これは図4に示した合成回
路の改変例であり、第2入力端子20に接続される入力
線の単位分布増幅区間の単位増幅回路をゲート接地トラ
ンジスタ3Eで構成したものである。25はゲート接地
トランジスタ3Eのドレイン側の出力フィルタを構成す
るインダクタもしくは伝送線路である。その他は、図4
に示したものと同じである。
【0036】この合成回路では、ゲート接地トランジス
タ3Eを使用するので、第1入力端子19と第2入力端
子20に入力する信号を逆相関係にある信号とすること
が可能となる。
【0037】[第5の実施の形態]図7は本発明の第5
の実施の形態の2出力の分配回路として機能する分布増
幅器の構成を示す図である。前述した図20に示した分
配回路におけるものと同一のものには同一の符号を付し
た。
【0038】ここでは、2出力の場合であるので、入力
端子8に接続された入力線の入力側フィルタ回路に対応
する出力側フィルタ回路を2つのグループに振り分け
て、その一方のグループの出力側フィルタ回路を第1出
力端子21に接続された出力線に構成し、他方のグルー
プの出力側フィルタ回路を第2出力端子22に接続され
た出力線に構成している。なお、各グループは2個の単
位分布増幅区間としている。
【0039】そして、第1出力端子21の側の出力線で
は、前記した出力側フィルタ回路の後段と第1出力端子
21との間にソース接地トランジスタを使用した分布増
幅区間が構成されないので、その部分に、フィルタ回路
もしくは伝送線路26を2個接続している。このフィル
タ回路もくしは伝送線路26は、入力端子1に接続され
た入力線の入力側フィルタ回路の対応するもの(矢印で
示した。)と等しい特性をもつフィルタ回路、もしくは
該対応するものの影像インピーダンスと等しい特性イン
ピーダンスをもち且つ等しい遅延をもつ伝送線路であ
る。
【0040】以上のように構成した結果、入力端子8に
入力した信号が、第1出力端子21と第2出力端子22
から同相で出力される。なお、特に各出力信号の位相が
同相でなくてはならない場合を除いて、フィルタ回路も
しくは伝送線路26は不要である。
【0041】図8、図9は入力端子8と第1出力端子2
1との間の透過特性(S21)を示す特性図である。ま
ず図8の実線50は図7に示した本発明の分配回路の透
過特性、破線51は図19に示した従来の分配回路の透
過特性である。両特性の比較から明らかなように、図7
の分配回路では、回路中の信号伝送線路の交差がないた
め、図19に示した分配回路に比べて信号間の相互作用
によって生じる特性劣化が生じていない。
【0042】図9の実線50は図7に示した本発明の分
配回路の透過特性、破線52は図20に示した従来の分
配回路の透過特性である。図7に示した分配回路では、
その回路を構成するフィルタ回路のカットオフ周波数が
劣化しないため、図20に示した分配回路に比べて広帯
域な特性を得ることができる。
【0043】[第6の実施の形態]図10は本発明の第
6の実施の形態の2出力の分配回路として機能する分布
増幅器の構成を示す図である。ここでは、入力側フィル
タ回路の単位分布増幅区間ごとに、第1出力端子21側
の出力線への信号と第2出力端子22側の出理線への信
号を交互に振り分けた。
【0044】図7に示した合成回路では、ソース接地ト
ランジスタ3の図15で説明した抵抗14(Ri)によ
って生じる高周波損失により、第2出力端子21側への
出力信号が第1出力端子22側への出力信号より劣化す
るが、この図10に示した分配回路では交互に分配する
のでこれが改善される。
【0045】第1出力端子21の側の出力線、および第
2出力端子22の側の出力線において、ソース接地トラ
ンジスタ3を接続しない部分には、前記したフィルタ回
路もしくは伝送線路26を接続する。この分配回路で
も、入力端子8に入力した信号が、第1出力端子21と
第2出力端子22に同相で分配されて出力する。なお、
出力間の位相を等しくする必要のない場合にはフィルタ
回路もしくは伝送線路26を省略できる。ただし、ソー
ス接地トランジスタ3を有する単位分布増幅区間の相互
間では省略できない。
【0046】[第7の実施の形態]図11は本発明の第
7の実施の形態の3出力の分配回路として機能する分布
増幅器の構成を示す図である。これは、第5の実施の形
態を発展させたもので、入力側フィルタ回路の1グルー
プを2個の単位分布増幅区間として、3グループとし、
その各グループに第1出力端子21、第2出力端子2
2、第3出力端子27の出力線の出力側フィルタ回路を
振り分けたものである。各出力線において、ソース接地
トランジスタ3が接続されない単位分布増幅区間には、
前記したフィルタ回路もしくは伝送線路26を接続す
る。
【0047】この分配回路でも、入力端子8に入力した
信号が、第1出力端子21、第2出力端子22、第3出
力端子27から同相で分配されて出力する。このよう
に、3分配の場合であっても回路の信号線が交差するこ
とはなく、回路パターンのレイアウトが容易であること
がわかる。なお、出力間の位相を等しくする必要のない
場合にはフィルタ回路もしくは伝送線路26を省略でき
る。
【0048】[第8の実施の形態]図12は本発明の第
8の実施の形態の2出力の分配回路として機能する分布
増幅器の構成を示す図である。これは、図10に示した
分配回路の改変例であり、第2出力端子22に接続され
る出力線の単位分布増幅区間の単位増幅回路をゲート接
地トランジスタ3Eで構成したものである。28はゲー
ト接地トランジスタ3Eのドレイン側の出力フィルタを
構成するインダクタもしくは伝送線路である。その他
は、図10に示したものと同じである。
【0049】この分配回路では、ゲート接地トランジス
タ3Eを使用するので、第1出力端子21と第2出力端
子22から出力する信号を逆相関係にある信号とするこ
とが可能となる。
【0050】[その他の実施の形態]なお、図1、図4
に示した合成回路や図7、図10に示した分配回路は、
分布増幅区間が4区間によって構成されたもの、図5に
示した合成回路や図11に示した分配回路は6区間によ
って構成されたものであったが、本発明は任意の区間数
に対して有効である。
【0051】また、これらの図中ではすべて便宜上Cg
s=Cdsを前提にしたソース接地トランジスタ3によ
る分布増幅区間を示したが、必ずしもCgs=Cdsで
ある必要はなく、図16で説明したキャパシタ18を付
加した構成のもや、図13に示すように、カスコード接
続トランジスタ3Fを用いた構成でも有効である。この
図13において、29はゲートバイアス回路である。こ
の図13におけるキャパシタ18も、ドレイン出力端子
からみた容量成分がCgsとぼぼ等しい場合には省略可
能である。
【0052】また、前記した各実施の形態において、電
界効果トランジスタはすべてバイポーラトランジスタに
置換可能であり、また全て同じ分布増幅区間を用いた
が、各出力間の利得を等しくする必要のない場合には、
使用されるトランジスタのサイズは各区間の回路で等し
くする必要はなく、また、各入力や各出力に振り分けら
れる区間数も等しくする必要はない。後者の場合、図中
のフィルタ回路もしくは伝送線路23、26は対応する
出力側フィルタ回路や入力側フィルタ回路に応じて異な
るものとなる。
【0053】
【発明の効果】以上から本発明の分布増幅器によれば、
高周波特性の劣化がなく、しかも多入力合成や多出力分
配時に、回路パターンのレイアウトが容易になるという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の2入力合成回路
として機能する分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】 図1の合成回路と図17の合成回路の第1入
力端子と出力端子間の透過特性の比較を表した特性図で
ある。
【図3】 図1の合成回路と図18の合成回路の第1入
力端子と出力端子間の透過特性の比較を表した特性図で
ある。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の2入力合成回路
として機能する分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の3入力合成回路
として機能する分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態の2入力合成回路
として機能する分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図7】 本発明の第5の実施の形態の2出力分配回路
として機能する分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図8】 図7の分配回路と図19の分配回路の入力端
子と第1出力端子間の透過特性の比較を表した特性図で
ある。
【図9】 図7の分配回路と図20の分配回路の入力端
子と第1出力端子間の透過特性の比較を表した特性図で
ある。
【図10】 本発明の第6の実施の形態の2出力分配回
路として機能する分布増幅器の構成を示す回路図であ
る。
【図11】 本発明の第7の実施の形態の3出力分配回
路として機能する分布増幅器の構成を示す回路図であ
る。
【図12】 本発明の第8の実施の形態の2出力分配回
路として機能する分布増幅器の構成を示す回路図であ
る。
【図13】 本発明の他の実施の形態で使用する単位分
布増幅区間の構成を示す図である。
【図14】 従来のソース接地トランジスタを用いた分
布増幅器の構成を示す回路図である。
【図15】 電界効果トランジスタの簡略化した等価回
路図である。
【図16】 従来の分布増幅区間に容量を付加した構成
を示す図である。
【図17】 従来の2入力合成回路として機能する分布
増幅器の構成を示す回路図である。
【図18】 従来の2入力合成回路として機能する別の
例の分布増幅器の構成を示す回路図である。
【図19】 従来の2入力分配回路として機能する分布
増幅器の構成を示す回路図である。
【図20】 従来の2入力分配回路として機能する別の
例の分布増幅器の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1:出力側フィルタ回路の一部を構成するインダクタも
しくは伝送線路、2:入力側フィルタ回路の一部を構成
するインダクタもしくは伝送線路、3:電界効果トラン
ジスタ、4:出力側終端回路、5:入力側終端回路、
6:電源端子もしくは電気的接地、7:電気的接地、
8:入力端子、9:出力端子、10:ドレイン端子、1
1:ソース端子、12:ゲート端子、13:ゲート・ソ
ース間容量(Cgs)、14:チャネル抵抗(Ri)、
15:電圧制御型電流源、16:ドレイン・ソース間抵
抗(Rds)、17:ドレイン・ソース間容量(Cd
s)、18:キャパシタ、19:第1入力端子、20:
第2入力端子、21:第1出力端子、22:第2出力端
子、23:フィルタ回路もしくは伝送線路、24:第3
入力端子、25:インダクタもしくは伝送線路、26:
フィルタ回路もしくは伝送線路、27:第3出力端子、
28:インダクタもしくは伝送線路、29:ゲートバイ
アス回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−81017(JP,A) 米国特許4769618(US,A) 1990年電子情報通信学会春季全国大会 C−75 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 3/60 H01P 5/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の入力線と1つの出力線とを有し、m
    (m≧2)個の分布増幅区間からなり合成回路として使
    用される分布増幅器において、 前記各区間の出力側フィルタ回路に対応するm個の入力
    側フィルタ回路を、前記入力線の数と等しいグループに
    任意に分け、該各グループを前記各入力線に振り分け 前記複数の各入力線において、入力端子より最も遠くに
    位置する入力側フィルタ回路の端に入力側終端回路を設
    け、 前記入力端子と前記入力側終端回路の間の分布増幅域の
    うちの前記入力側フィルタ回路が振り分けられていない
    部分に、当該部分の分布増幅区間に対応する出力側フィ
    ルタ回路と等しい特性を有するフィルタ回路もしくは該
    出力側フィルタ回路の影像インピーダンスと等しいイン
    ピーダンスをもち且つ遅延時間が等しい伝送線路を挿入
    した ことを特徴とする分布増幅回路。
  2. 【請求項2】1つの入力線と複数の出力線とを有し、m
    (m≧2)個の分布増幅区間からなり分配回路として使
    用される分布増幅器において、 前記各区間の入力側フィルタ回路に対応するm個の出力
    側フィルタ回路を、前記出力線の数と等しいグループに
    任意に分け、該各グループを前記各出力線に振り分け、 前記複数の各出力線において、出力端子より最も遠くに
    位置する出力側フィルタ回路の端に出力側終端回路を設
    け、 前記出力端子と前記出力側終端回路の間の分布増幅域の
    うちの前記出力側フィルタ回路が振り分けられていない
    部分に、当該部分の分布増幅区間に対応する入力側フィ
    ルタ回路と等しい特性を有するフィルタ回路もしくは該
    入力側フィルタ回路の影像インピーダンスと等しいイン
    ピーダンスをもち且つ遅延時間が等しい伝送線路を挿入
    した ことを特徴とする分布増幅回路。
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