JP3136622B2 - 冷房服 - Google Patents

冷房服

Info

Publication number
JP3136622B2
JP3136622B2 JP03034179A JP3417991A JP3136622B2 JP 3136622 B2 JP3136622 B2 JP 3136622B2 JP 03034179 A JP03034179 A JP 03034179A JP 3417991 A JP3417991 A JP 3417991A JP 3136622 B2 JP3136622 B2 JP 3136622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
heat insulating
moisture
air
vest
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03034179A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04333602A (ja
Inventor
功 野村
晃 川野
駿作 蔭地
展弘 清嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP03034179A priority Critical patent/JP3136622B2/ja
Publication of JPH04333602A publication Critical patent/JPH04333602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3136622B2 publication Critical patent/JP3136622B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばクレーンのオ
ペレータ、製鉄や製鋼現場での作業者、ガラスやその他
の窯業関係の作業者、或いは毒性の強い化学物質や細菌
物質等で汚染された環境下で防護服を着て作業する作業
者等、温熱環境で作業する作業者に好適な冷房服に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の温熱環境で使用する
冷房服として、その身体表面側に冷却管を張り巡らせ、
この冷却管に冷水や低温のブラインを循環させることに
より、身体表面を冷却するようにしたものが知られてい
る(例えば「MECHANICAL ENGINEERING」/JANUARY 1980
/59、或いは「EFFECTIVENESS OF A MODULAR LIQUID-COO
LING GARMENT VS. A STANDARD APOLLO LIQUID-COOLING
GARMENT :A COMPARISONAT FOUR WORK LEVELS」/Ames R
eserch Center参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
ものでは、身体表面を冷却するのみの機能しかなく、身
体表面から蒸発した汗や該汗が冷却管との接触より凝縮
されて生じた凝縮水の処理については、全く考慮されて
いない。そして、これら水分の処理は作業者が着る下着
類で吸収しているのが現状で、その吸収が不十分であ
り、快適な冷房効果が得られないという不具合があっ
た。
【0004】また、この他、所定温度に冷却した冷風を
身体表面側に吹き込むことで冷房効果を得るようにした
冷房服もあるが、その冷房服は冷風による内圧で膨張す
るのは避けられ得ず、身体の動きが制約され、狭い場所
での使用も困難であり、操用性の点で実用化されていな
い。
【0005】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、身体表面からの汗や冷却管で凝縮した
凝縮水等の水分を積極的に吸収する手段を講じることに
より、これらの水分を効果的に冷房服外に放出させると
ともに、冷房服表面からの外部侵入熱を遮断して快適な
冷房効果を得るようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、服の内部に冷却管と共に風
通路を形成し、この風通路を流れる空気により汗等の水
分を吸収して服外に搬出するようにした。
【0007】具体的には、この発明の冷房服は、図1に
示すように、服の身体(B)表面側に張り巡らされ、内
部を冷水又は低温のブラインが流れる可撓性を有する冷
却管(4),(4),…と、この冷却管(4),
(4),…の外側に配設され、吸湿性を有する断熱材
(3)と、冷却管(4),(4),…の内側に配設され
た透湿材(6)と、これら断熱材(3)と透湿材(6)
との間に形成され、内部を空気が流れる風通路(11)
とを備え、上記断熱材(3)と透湿材(6)との間に透
湿性を有する成形材(5)を配設して、この成形材
(5)と上記透湿材(6)との間に上記風通路(11)
を形成し、かつ、この透湿成形材(5)を外方向及び内
方向に交互に折り曲げて凹凸状に形成し、そのうち外側
に向かって開放された凹溝部(5a)内に上記冷却管
(4),(4),…を収容する。
【0008】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、身体
(B)表面の汗は透湿材(6)を通過した後、その一部
が冷却管(4),(4),…表面で凝縮液化した凝縮水
と共に断熱材(3)に移り、そこに吸収保持される。ま
た、この断熱材(3)に吸収された水分の一部は服外部
からの熱により蒸発する。そして、上記断熱材(3)と
透湿材(6)との間に風通路(11)が形成されている
ので、上記のように水分が移動する間、その水分は上記
風通路(11)内を流れる空気内に蒸発して吸収され、
この空気と共に服外に排出される。このため、汗や凝縮
水が発生してもそれは速やかに除去され、身体(B)の
表面は常に略乾燥した状態になる。しかも、上記断熱材
(3)により外部侵入熱が遮断されるので、その断熱材
(3)よりも内側に対する断熱効果が得られる。これら
の相乗的な作用により快適な冷房効果を得ることができ
る。上記汗や水滴は経時的にみれば少量であり、全量が
断熱材(3)に吸収されたとしても、該断熱材(3)に
は依然として断熱空気層が残存しており、その断熱効果
は損なわれない。
【0009】また、上記断熱材(3)と透湿材(6)と
の間に透湿性を有する凹凸状の成形材(5)が配設さ
れ、該成形材(5)に形成された外側への凹溝部(5
a),(5a),…の各々に冷却管(4),(4),…
が収容されているので、冷却管(4),(4),…は身
体(B)に近付き、成形材(5)で冷却管(4),
(4),…のない部分(凹溝部(5a)以外の部分)は
身体(B)から離れて、その透湿材(6)との間が風通
路(11)に形成されることとなり、冷却管(4),
(4),…の身体(B)への近接により身体(B)表面
に対する冷却効率を高めつつ、風通路(11)のスペー
スを確保できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4及び図5は本発明の実施例に係る冷房服とし
てのベスト(Gm)(チョッキ)の全体構成を示す。こ
のベスト(Gm)は、例えば図6及び図7に示すよう
に、CBR防護服(Go)又は化学防護服の下に中間着
として着用される。上記CBR防護服(Go)は、気密
性及び水密性を有するゴム製のもので、毒性の強いガス
状化学物質(例えば弗化水素ガス、マスタードガス)の
存在する地域や細菌で汚染された地域等で各種の作業を
行う際に作業者の身体全体を覆うように着用される。従
って、このCBR防護服(Go)は、特に温熱環境下で
着用される場合、作業者の発汗等のために快適性が悪
く、この解決のため、その下に冷房服としてベスト(G
m)を着用する。図6及び図7中、(M)は作業者の顔
面に防護服(Go)の上から装着される防毒ガスマスク
である。
【0011】上記ベスト(Gm)は、作業者の身体上半
身の前面、背面及び左右側面を覆うチョッキ形状をなす
服本体(1)と、該服本体(1)の裾部分に一体的に取
り付けられ、両端部が閉塞された断面矩形状の可撓性を
有する衣服内冷風ダクト(12)とからなる。
【0012】上記服本体(1)は、図1に示す如く、外
側(上着つまり防護服(Go)側)の表地(2)と内側
(作業者の身体(B)側)の裏地(6)との間に、外側
から順に断熱材(3)、複数本の冷却管(4),
(4),…及び成形材(5)を配置して、これらを一体
的に縫い付けてなる。(Gi)は作業者の下着である。
上記表地(2)は、上着(Go)(CBR防護服)との
接触時にスムーズに摺接でき、かつ親水性を有するナイ
ロン、ビニロン、レーヨン等の材料で構成されている。
断熱材(3)は、吸湿性及び断熱性を併せ持つ繊維質の
素材からなり、例えば羊毛等の不織布や表面を親水処理
したアクリル等の起毛布等が使用できる。
【0013】上記冷却管(4),(4),…は、図4及
び図5に示すようにベスト(Gm)の全体に亘り張り巡
らされるもので(図5では右側部分を省略している)、
その内部を冷水が循環する。この冷却管(4),
(4),…はナイロン、ポリフロン、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレン等の可撓性を有する軟質
細径管からなり、好ましくは難燃性のポリフロンチュー
ブがよい。これらの冷却管(4),(4),…は、上記
断熱材(3)の内面(身体(B)側)に縫付けや接着材
による接着により埋め込まれるように一体的に取り付け
られる。そして、冷却管(4),(4),…の各々の両
端部はそれぞれ服本体(1)の左後側下部に配置した分
流器(7)(ディストリビュータ)に集合されて接続さ
れ、この分流器(7)には、服本体(1)外に延びる可
撓性を持った給水ホース(8)及び排水ホース(9)が
それぞれ接続されており、後述するように、両ホース
(8),(9)をそれぞれホースカプラ(10),(1
0)(セルフシールカプラ)を介して冷水循環装置(2
1)の給排水ホース(38),(33)に接続すること
により、冷水循環装置(21)からの冷水を分流器
(7)で分流した後、冷却管(4),(4),…の各々
で循環させるようにしている。上記分流器(7)は、ポ
リエチレンやポリ塩化ビニル等の加工性の良い材料が好
ましい。
【0014】上記成形材(5)は、図1に示す如く、外
方向及び内方向に交互に折り曲げられて断面が凹凸状に
形成されている。すなわち、成形材(5)は、外側に向
かって開放された外側凹溝部(5a),(5a),…と
内側に向かって開放された内側凹溝部(5b),(5
b),…とを交互に有し、これら凹溝部(5a),(5
b)は上下方向に互いに平行に延びており、外側凹溝部
(5a),(5a),…の各々の内部にそれぞれ2本の
冷却管(4),(4)が収容されている。この成形材
(5)は透湿性を有しており、具体的には、表面を親水
処理した例えばフォームポリエチレンやポリ塩化ビニル
等の多孔質材、或いはポリエチレン薄板構造材に繊維状
材を貼付して表面をフェルト状にした上で親水処理した
構造材等で構成される。
【0015】さらに、裏地(6)は本発明でいう透湿材
を構成するもので、透湿性、疎水性のメッシュ、又は織
りの粗い布等からなる。
【0016】上記成形材(5)と裏地(6)との間には
空気が流れる風通路(11)が形成されている。この風
通路(11)は、図1に示すように、成形材(5)にお
いて内側に開放された内側凹溝部(5b),(5b),
…(冷却管(4),(4),…が収容される外側凹溝部
(5a)以外の部分)の各々と裏地(6)との間に主と
して形成されるもので、各凹溝部(5b)に沿って互い
に平行に設けられている。図2及び図3に示す如く、こ
の各風通路(11)の下端は上記衣服内冷風ダクト(1
2)にそれぞれ連通孔(13),(13),…を介して
連通しており、ダクト内(12)の冷風を各連通孔(1
3)を経て風通路(11)に供給するようにしている。
【0017】上記冷却管(4),(4),…に冷水を供
給するための冷水循環装置(21)を図9に示す。この
冷水循環装置(21)はケーシング(22)を有し、こ
のケーシング(22)内には、例えば「R12」等のガ
ス冷媒を圧縮する圧縮機(23)と、この圧縮機(2
3)からの高圧ガス冷媒をモータファン(24)からの
空気と熱交換して液冷媒に凝縮する凝縮器(25)と、
この液冷媒を減圧させるキャピラリチューブ(26)
と、このキャピラリチューブ(26)で減圧された液冷
媒を冷水タンク(30)内の水と熱交換させて蒸発させ
る蒸発器(27)と、この蒸発器(27)で蒸発したガ
ス冷媒を上記圧縮機(23)の吸込側に戻すアキュムレ
ータ(28)とを直列に接続してなる冷凍回路(29)
が配設されており、蒸発器(27)での液冷媒との熱交
換により冷水タンク(30)内の水を所定温度(25〜
30°C)に冷却して冷水とするようになっている。上
記蒸発器(27)は冷水タンク(30)の周りに巻き付
けられた巻付熱交換器で構成されている。冷水タンク
(30)は略密閉円筒状のもので、その内部に冷水が充
満されている。冷水タンク(30)内下部とケーシング
(22)に設けた冷水入口(31)とは配管(32)を
介して接続されている。この冷水入口(31)には可撓
性を有する排水ホース(33)の下流端が接続され、こ
の排水ホース(33)の上流端は図5に示すように上記
ベスト(Gm)の排水ホース(9)下流端にカプラ(1
0)を介して接続されている。また、冷水タンク(3
0)内下部にはモータ(34)で駆動されるポンプ(3
5)の吸込口が開口され、このポンプ(35)の吐出口
にはケーシング(22)に設けた冷水出口(36)が配
管(37)を介して接続され、この冷水出口(36)に
は可撓性を有する給水ホース(38)の上流端が接続さ
れ、この給水ホース(38)の下流端は図5に示すよう
にベスト(Gm)の給水ホース(8)上流端にカプラ
(10)を介して接続されており、カプラ(10),
(10)によるベスト(Gm)の冷水循環装置(21)
への接続時、ポンプ(35)の作動により冷水タンク
(30)内の冷水をベスト(Gm)内の冷却管(4),
(4),…との間で循環させるようにしている。尚、図
9中、(39)は冷水タンク(30)内に水を充填する
ための給水口、(40)は冷水タンク(30)の周りを
覆う被覆断熱材である。
【0018】上記ベスト(Gm)の衣服内冷風ダクト
(12)において左側端部には、図3〜図5に示すよう
に可撓性を有する蛇腹状の接続用冷風ダクト(14)の
一端が連通状態で接合固定されている。このダクト(1
4)の他端はダクト接続具(15)を介して同様の冷風
ダクト(45)の下流端に接続され(図3参照)、この
ダクト(45)の上流端は図10に示す冷風供給装置
(41)に接続されている。上記冷風供給装置(41)
は、モータ(42)により駆動されるシロッコファン等
のファン(43)と、このファン(43)の吸込口に接
続されたフィルタ(44)と、ファン(43)の吹出口
に設けられたダクト接続具(46)とを有し、この接続
具(46)に上記冷風ダクト(45)の上流端が接続さ
れている。上記フィルタ(44)は、例えば0.1μm
程度の超微粒子を99.9995%以上捕集できる性能
を有するもので、具体的にはグラスペーパ等のガラス繊
維製紙状フィルタやポリエステル繊維、セルロース繊維
の不織布からなるパーティクルフィルタが望ましい。ま
た、毒性ガス雰囲気中で使用される場合には、これらフ
ィルタと併せて活性炭フィルタが使用される。尚、上記
の各冷風ダクト(12),(14),(45)は、外力
により変形して断面積が変化することのない例えばポリ
エチレンやポリ塩化ビニル等からなる中空ダクトを使用
する。
【0019】以上のベスト(Gm)をCBR防護服(G
o)の下に着る場合において、ベスト(Gm)から突出し
ている給排水ホース(8),(9)及び接続用冷風ダク
ト(14)を防護服(Go)に気密状及び水密状に貫通
させる必要がある。このため、図7に示すように、防護
服(Go)において、給排水ホース(8),(9)及び
冷風ダクト(14)に対応する部分に開口(16)が形
成されている。この開口(16)においては、図8に示
すように20〜30mmラップさせた防護服(Go)の素
地の一方に粘着性のある15〜25mm幅のコーキング材
(17)が貼り付けられ、このコーキング材(17)に
他方の素地をラップさせてボタン(18),(18),
…等で固定することにより、給排水ホース(8),
(9)及び冷風ダクト(14)を防護服(Go)から気
密状、水密状に引き出している。
【0020】尚、図7において、(19)は防護服(G
o)の頭部背面に取り付けられた排気ダクトで、このダ
クト(19)は防護服(Go)内部に連通しており、冷
風ダクト(14),(12)によりベスト(Gm)内に
供給された後、防護服(Go)内に放出された空気を排
気ダクト(19)から服外に排出するようにしている。
また、この排気ダクト(19)の先端には、空気が排気
ダクト(19)を通って防護服(Go)内へ逆流するの
を阻止する逆止弁(20)が取り付けられており、この
逆止弁(20)は、防護服(Go)内の圧力が所定以上
になると開弁して空気を服外に排出する機能を有する。
【0021】次に、上記実施例の作用について説明す
る。ベスト(Gm)を使用する場合、まず、作業者は下
着(Gi)の上にベスト(Gm)を着用した後、その上か
らCBR防護服(Go)を着用する。ベスト(Gm)の給
排水ホース(8),(9)及び接続用冷風ダクト(1
4)を防護服(Go)の開口(16)から引き出し、開
口(16)をコーキング材(17)及びボタン(18)
で気密状及び水密状に封閉した後、上記給水ホース
(8)を冷水循環装置(21)の冷水出口(36)に、
また排水ホース(9)を冷水入口(31)にそれぞれ必
要な長さのホース(33),(38)を介して接続す
る。これに並行して、上記冷風ダクト(14)をダクト
(45)を介して冷風供給装置(41)に接続する。そ
して、この状態で冷水循環装置(21)の圧縮機(2
3)及びポンプ(35)、並びに冷風供給装置(41)
のファン(43)を作動させると、この作動に伴い、冷
水タンク(30)内に冷水が生成され、この冷水はベス
ト(Gm)の服本体(1)における冷却管(4),
(4),…内を循環する。このことにより身体(B)の
表面が冷却され、冷房効果が得られる。
【0022】一方、上記冷風供給装置(41)から供給
された冷風はベスト(Gm)の衣服内冷風ダクト(1
2)から服本体(1)内の風通路(11)に入り、この
風通路(11)を上方に向かって流れる。また、その一
部は通気性を有する裏地(6)を通り抜けて下着(G
i)又は身体(B)表面に向かい、この部分を上方に流
れる。
【0023】ところで、作業者の身体(B)表面を流下
する汗は下着(Gi)に吸収され、その一部は水蒸気と
なり、上記低温の各冷却管(4)により冷やされてその
表面で凝縮液化する。上記冷却管(4),(4),…の
外側には透湿断熱材(3)が配設されているので、上記
汗や冷却管(4),(4),…表面での凝縮水の水滴は
裏地(6)ないし成形材(5)を通過して断熱材(3)
に吸収保持される。また、一部の汗等の水分は毛細管現
象により上記断熱材(3)を外側に移動し、その表面で
ベスト(Gm)外つまり防護服(Go)外からの熱により
蒸発する。そして、このような挙動を水分が示す状態に
おいて、上記冷風が流れると、この冷風は成形材(5)
表面、下着(Gi)又は身体(B)表面から水分を吸収
し、導入時点よりも湿度の高い空気となる。この空気は
ベスト(Gm)の襟口を経てベスト(Gm)外つまり防護
服(Go)内に吹き出される。また、一部の冷風は同様
の作用を行いながらベスト(Gm)の袖口から放出され
る。このようにベスト(Gm)から防護服(Go)内に放
出された空気は、排気ダクト(19)を通って防護服
(Go)外に排出される。
【0024】したがって、この実施例では、作業者の身
体(B)表面に汗等が発生してもそれはベスト(Gm)
内を吹き抜ける冷風により吸収されて速やかにかつ確実
に除去され、身体(B)の表面は常に略乾燥した状態に
なる。しかも、上記断熱材(3)により外部侵入熱が遮
断されるので、その断熱材(3)よりも内側に対する断
熱効果が得られる。これらの相乗的な作用により快適な
冷房効果を得ることができる。
【0025】また、上記ベスト(Gm)の断熱材(3)
と裏地(6)との間に透湿性を有する凹凸状の成形材
(5)が配設され、該成形材(5)に形成された外側凹
溝部(5a),(5a),…の各々に冷却管(4),
(4)が収容されているので、各冷却管(4)を身体
(B)表面側に近付けることができ、身体(B)表面に
対する冷却効率を高めることができる。しかも、成形材
(5)の内側凹溝部(5b)(外側凹溝部(5a)以外
の部分)は身体(B)表面から離れ、その裏地(6)と
の間が風通路(11)とされているので、風通路(1
1)のスペースを効果的に確保できる。
【0026】尚、上記透湿断熱材(3)が汗や水滴を吸
収することで断熱効果が低下することが懸念されるが、
汗や水滴は少量であり、たとえ全量が透湿断熱材(3)
に吸収されたとしても、透湿断熱材(3)には依然とし
て断熱空気層が残るため、その断熱効果は大幅に損なわ
れない。
【0027】上記実施例では、冷風を常温としてベスト
(Gm)内に供給するようにしているが、その温度を必
要に応じて変えてもよい。特に、冷凍装置で低温に冷却
した低温風を供給する場合には、冷房効果の増大により
快適性をさらに一層高めることができる。
【0028】また、上記実施例では、専用の冷風供給装
置(41)を設けたが、これ以外に、例えばCBR防護
を目的として製作された車両(例えば戦車等)では、C
BR防護フィルタを通して乗員の呼吸用のために清浄空
気を供給する清浄空気供給装置が装備されている場合が
あり、そのCBR防護が緊急でない条件に限定して、清
浄空気を呼吸器に供給するのを止め、その代わりに冷風
ダクトを介してベスト(Gm)に供給すればよく、単に
CBR防護服(Go)を下着(Gi)の上から直接着用す
る条件に比べ、乗員の蒸れ感を除去して快適な冷房効果
を得ることができる。
【0029】上記ベスト(Gm)としては、上記実施例
の如きチョッキタイプのものに限定されず、袖の付いた
タイプのものでもよい。さらに、ベストにおいて、必要
に応じて表地(2)を省略することも可能である。ま
た、本発明は勿論、ベスト(Gm)以外のタイプの服に
も適用することができる。
【0030】また、上記実施例のように冷却管(4),
(4),…で冷水を循環させるのに代え、熱媒体のブラ
インを使用してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によると、冷房服内に冷却管のみならず風通路をも張
り巡らせるとともに、冷房服における断熱材と透湿材と
の間に配置された透湿性を有する成形材を凹凸状にし、
その外側に開放された各凹溝部に上記冷却管を収容した
ことにより、汗や冷却管表面での凝縮水を、風通路内を
流れる空気中に蒸発させて冷房服外に速やかに放出で
き、身体表面を乾燥させて快適な冷房効果を得ることが
できるとともに、服表面側の断熱材の断熱効果により外
部侵入熱を防いで冷却負荷を低減することができる。
らには、成形材の凹溝部内に収容された冷却管を身体に
近付け、成形材で冷却管のない部分を身体から離して、
その透湿材との間を風通路とすることができ、冷却管の
身体への近接により身体表面に対する冷却効率を高めつ
つ、風通路のスペースを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI―I線断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る冷房服としてのベストの
要部を衣服内冷風ダクトに沿って切断した断面図であ
る。
【図3】図2のIII―III線断面図である。
【図4】ベストの正面図である。系統図である。
【図5】ベストの背面図である。
【図6】作業者がベストの上に上着としてCBR防護服
を着用した状態を示す正面図である。
【図7】同様にCBR防護服を着用した状態を示す側面
図である。
【図8】CBR防護服において給排水ホース及び冷風ダ
クトの挿通部分の拡大図である。
【図9】冷房服に接続される冷水循環装置の構成を示す
配管系統図である。
【図10】冷風供給装置を示す正面図である。
【符号の説明】
(Gm)…ベスト(冷房服) (1)…服本体 (2)…表地 (3)…断熱材 (4)…冷却管 (5)…成形材 (5a)…外側凹溝部 (6)…裏地(透湿材) (11)…風通路 (Gi)…下着 (B)…身体 (Go)…CBR防護服(上着) (21)…冷水循環装置 (30)…冷水タンク (35)…ポンプ (41)…冷風供給装置 (43)…ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔭地 駿作 大阪市天王寺区堂ヶ芝1丁目11番3号 株式会社デサント内 (72)発明者 清嶋 展弘 大阪市天王寺区堂ヶ芝1丁目11番3号 株式会社デサント内 (56)参考文献 特開 昭60−153858(JP,A) 実開 昭58−34911(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A41D 13/00 - 13/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用した人の身体(B)表面を冷房する
    冷房服であって、 服の身体(B)表面側に張り巡らされ、内部を冷水又は
    低温のブラインが流れる可撓性を有する冷却管(4),
    (4),…と、 上記冷却管(4),(4),…の外側に配設され、吸湿
    性を有する断熱材(3)と、 冷却管(4),(4),…の内側に配設された透湿材
    (6)と、 上記断熱材(3)と透湿材(6)との間に形成され、内
    部を空気が流れる風通路(11)とを備え 上記断熱材(3)と透湿材(6)との間に透湿性を有す
    る成形材(5)が配設され、該成形材(5)と上記透湿
    材(6)との間に上記風通路(11)が形成され、 上記成形材(5)は外方向及び内方向に交互に折り曲げ
    られて凹凸状に形成され、その外側に向かって開放され
    た凹溝部(5a)内に上記冷却管(4),(4),…が
    収容されている ことを特徴とする冷房服。
JP03034179A 1991-02-28 1991-02-28 冷房服 Expired - Fee Related JP3136622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03034179A JP3136622B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 冷房服

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03034179A JP3136622B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 冷房服

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04333602A JPH04333602A (ja) 1992-11-20
JP3136622B2 true JP3136622B2 (ja) 2001-02-19

Family

ID=12406985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03034179A Expired - Fee Related JP3136622B2 (ja) 1991-02-28 1991-02-28 冷房服

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3136622B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019050037A1 (ja) 2017-09-08 2019-03-14 キャビノチェ株式会社 土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法
WO2023286939A1 (ko) * 2021-07-16 2023-01-19 김태영 냉난방 의류

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11158710A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発熱または冷却用小型熱源内蔵型暖房または冷房衣服
JP4810719B2 (ja) * 2000-01-31 2011-11-09 東洋紡績株式会社 防護衣服用冷却システム
JP2003221709A (ja) * 2002-01-28 2003-08-08 Sg:Kk 着衣空調方法及び装置
US7124593B2 (en) * 2003-09-02 2006-10-24 Steve Feher Temperature conditioning apparatus for the trunk of a human body
JPWO2005082182A1 (ja) * 2004-02-26 2008-01-17 株式会社セフト研究所 空調衣服
WO2006019046A1 (ja) * 2004-08-20 2006-02-23 Seft Development Laboratory Co., Ltd. 空調衣服
JP2009300070A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Kingtec Korea Co Ltd ジャケット型個人冷房装置
US20100011491A1 (en) * 2008-07-21 2010-01-21 Richard Goldmann Garment Having a Vascular System for Facilitating Evaporative Cooling of an Individual
WO2011010993A1 (en) * 2009-07-20 2011-01-27 Richard Goldmann Wearable vascular system for facilitating evaporative cooling of an individual
JP2012219410A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Toyobo Co Ltd 冷却材料
JP6479551B2 (ja) * 2015-04-22 2019-03-06 オリオン機械株式会社 温度調整システム
JP6636339B2 (ja) * 2016-01-13 2020-01-29 株式会社鎌倉製作所 体温調節服
JP6656632B1 (ja) * 2019-10-04 2020-03-04 株式会社キノクニエンタープライズ 液体循環式冷却胴着における循環路配置構造
JP6910585B1 (ja) * 2020-04-06 2021-07-28 優章 荒井 防護服
JP6962483B1 (ja) * 2021-03-30 2021-11-05 東洋紡株式会社 身体冷却装置及びこれに用いられる冷却服

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019050037A1 (ja) 2017-09-08 2019-03-14 キャビノチェ株式会社 土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法
US11639918B2 (en) 2017-09-08 2023-05-02 Cabinotier Co., Ltd. Soil, moisture indicator, water detection unit used in soil, moisture indicator, body case, manufacturing method for water detection unit, and manufacturing method for soil moisture indicator
WO2023286939A1 (ko) * 2021-07-16 2023-01-19 김태영 냉난방 의류

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04333602A (ja) 1992-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3136622B2 (ja) 冷房服
US7674281B2 (en) Apparatus and methods for providing a flow of a heat transfer fluid in a microenvironment
US7121110B2 (en) Air conditioning system
NZ514751A (en) Dehumidifier/air-conditioning system with dessicant in two differing concentrations in two respective reservoirs
JP2004354036A (ja) 空気調和システム
JP2002081688A (ja) 換気装置
JPH04209809A (ja) 冷房服
JPH04209807A (ja) 冷房服
CN110345584A (zh) 一种喷射节流的温湿度独立控制空调系统
JP2020153050A (ja) 冷却服
US20040060095A1 (en) Breathable liquidproof protective gloves and cooling liquidproof protective gloves
CN101385575B (zh) 可更换冷源式降温服
KR101679574B1 (ko) 공기조화장치
JPH11323626A (ja) 冷暖房用衣服
JP2001115315A (ja) 冷暖房装置を備えた衣服
CN108552643A (zh) 恒温空调服
CN210772484U (zh) 一种集成供应系统室内机流路结构
CN2508587Y (zh) 制冷服装
JP2008020107A (ja) 浴室空調装置
CN206433802U (zh) 一种液冷服
KR102624186B1 (ko) 전투차량용 양압냉방장치
KR100368708B1 (ko) 일체형 냉.난방기의 콤프레샤 소음 및 결빙방지 장치
CN117157497B (zh) 具有冷却装置的中央空调热泵系统
JP3242217B2 (ja) 空気調和機
WO2004006698A1 (ja) 冷却衣服

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees