JP3135820U - 水転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷シート基層の表面に水溶解層を設け、この水溶解層の表面に印刷層を設けた水転写シートにおいて、印刷層をアクリル系インクによって形成した水転写シートである。
【効果】車両用ホイール等に意匠(文字や絵柄等)を写し150°Cで焼き付けた場合、この意匠は耐候性・耐擦性に富んでいる。車両用ホイール等の耐候性を要求する金属製品に文字・図柄等の意匠を水写しする場合にその実用的価値は従来に彼此極めて高い。この場合、印刷層の下面にクッション層を設けることで曲面への追随性と被写体への接着力への接着力が向上し、上面にクリアー層を設ければ耐擦性・耐候性が向上するという効果を奏することができる。
【選択図】図1
【効果】車両用ホイール等に意匠(文字や絵柄等)を写し150°Cで焼き付けた場合、この意匠は耐候性・耐擦性に富んでいる。車両用ホイール等の耐候性を要求する金属製品に文字・図柄等の意匠を水写しする場合にその実用的価値は従来に彼此極めて高い。この場合、印刷層の下面にクッション層を設けることで曲面への追随性と被写体への接着力への接着力が向上し、上面にクリアー層を設ければ耐擦性・耐候性が向上するという効果を奏することができる。
【選択図】図1
Description
この考案は水転写シートに関するものであり、車両用ホイール等の金属表面に耐候性を有する文字や絵柄等の意匠を水写しして焼き付ける場合に使用されるものである。
従来におけるこの種の水転写シートは、印刷シート基層の表面に水溶解層を設け、この水溶解層の表面にエポキシ系インクによって形成した印刷層(文字や絵柄を表現したもの)を設けたものであり、水中において、前記印刷層を剥離し、この剥離したシールを車両用ホイール等の直接印刷しにくい形状部に貼り付け、比較的低温の約150°C(ホイール自体の物性が変化しない上限温度)にて焼き付けることによって印刷に代えていた。
しかしながら、前記エポキシ系インクは、150°Cの加熱では本来の特性を発揮することができず(180°Cの加熱で発揮する)また仮に180°Cで加熱して被写体に焼付けを行った場合でも、、図4及び図5に示すように、400hr経過すると耐候性・耐擦性に乏しく色落ちを起こし、よってこの従来の水転写シートは実用化しにくいという不都合を有した。
この考案の課題はかかる不都合を解消することである。
上記課題を達成するために、この考案に係る水転写シートにおいては、印刷シート基層の表面に水溶解層を設け、この水溶解層の表面に印刷層を設けた水転写シートにおいて、前記印刷層をアクリル系インクによって形成したものである。
この場合、前記印刷層の下面にクッション層を設けることで曲面への追随性と被写体への接着力への接着力が向上し、上面にクリアー層を設ければ耐擦性・耐候性・が向上する。
この考案に係る水転写シートは上記のように構成されているため、即ち、印刷シート基層の表面に水溶解層を設け、この水溶解層の表面に印刷層を設けた水転写シートにおいて、前記印刷層をアクリル系インクによって形成したため、前記車両用ホイール等に意匠(文字や絵柄等)を写し150°Cで焼き付けた場合、図4及び図5に示すように、この意匠は耐候性・耐擦性に富んでいるものである。
よって、この水転写シートは車両用ホイール等の耐候性を要求する金属製品に文字・図柄等の意匠を水写しする場合にその実用的価値は従来に彼此極めて高いものである。
なお、この場合、前記印刷層の下面にクッション層を設けることで曲面への追随性と被写体への接着力への接着力が向上し、上面にクリアー層を設ければ耐擦性・耐候性・が向上するという効果を奏することができる。
印刷シート基層の表面に水溶解層を設ける。この水溶解層の表面に印刷層を設ける。この印刷層をアクリル系インクによって形成した水転写シートである。
以下、この考案の実施例を説明する。
図1はこの考案に係る水転写シートの断面図、図2は図1におけるII部拡大した他の実施例の図、図3はアルミニウム製車両用ホイールにシールを転写した状態の断面図である。また、図4はアルミニウム製車両用ホイールに転写したシールの耐候性を従来例と比較したグラフ(又は表)、図5は同耐擦性を従来例と比較したグラフ(又は表)である。
図1において、Aはこの考案に係る水転写シートである。10はその印刷シート基層であり、浸水性の良い基材,また平滑性の良い基材が使用される。例えば、上質紙,コート紙等が適している。
20は水溶解層であり、前記印刷シート基層10の上面に塗布することにより設けられている。この水溶解層20としては、デキストリン,α化デンプン等通常使用さているものを使用する。なお、ポリエチレングリコール等の保水剤を配合すると保水性が上がり低湿度でのひび割れを防止することができる。
30は印刷層であり、前記水溶解層20の表面に印刷によって形成される。この印刷層30は平面から見た場合、文字・絵模様等を構成しており、水写しされた後は、所謂、シールSとして機能する。この印刷層30はアクリル系インクによって印刷されているため、150°Cの焼付けによってその本来の特性を発揮することができる。
40はカバーコート層であり、前記印刷層30を覆った状態で前記水溶解層20の表面に印刷形成されている。このカバーコート層40は透明であり、スクリーン印刷用インキ(商品名「アストロコートEX2」,田中ケミカル株式会社製)を塗布することによって形成される。そして、この印刷用インキの成分は、合成樹脂30〜40重量パーセント, 芳香族樹脂40〜60重量パーセント,残りは、エチレングリコール,モノエチルエーテル,アセテートである。
なお、図2に示すように、前記印刷層30の下面にクッション層50を設置すれば、シールSに柔軟性を持たせることができる。また、前記印刷層30の上面にクリアー層60を設置すれば、シールSを保護するとともに光沢を付けることができる。
図3に基づいて、この水転写シートAを使用する方法を説明する。
まず、転写する対象物であるアルミニウム製車両用ホイールWを用意する。このホイールWの表面にはアクリルウレタン被膜Uが設置されている。
次に、水転写用シートAを水に浸すことによって、前記水溶解層20を溶かし、前記印刷層30を前記カバーコート層40に接着した状態で前記印刷シート基層10から剥がす。この剥がしたものを、アルミニウム製車両用ホイールWの表面(曲面等直接印刷のしにくい面)に貼り付ける。その後、前記カバーコート層40を剥がし、約150°Cで焼き付けることにより、前記印刷層30はシールSとしてアルミニウム製車両用ホイールWの表面に設置される。このようにして、貼着されたシールSの耐候性を図4に、耐擦性を図5に示した。いずれも従来例との比較である。
図4は耐候性の試験結果を表にしたものである。試験方法として「サンシャインウェザー方法」を使用した。試験条件は、〔照射+降雨(60分の間12分間の降雨)〕×400Hr,1000Hr,2000Hrであり、試験機として「サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)」を使用し、測定機として「分光光度計ColorEYEMS−2020(Macbeth製)を使用した。
また、ピースにおける試験面積の都合上、赤、紫、オレンジの3点のみについて測定した。
試験ピース1,同2は従来の水転写シートを使用したものであり、同ピース3はこの考案に係る水転写シートを使用したものである。
この表から、400Hr経過後の「各差値」を比較した場合、従来例もこの考案のものも殆ど差がないが、1000Hr経過後にあっては、従来の「差値ΔE」が42.4(ピース1)、30,41(ピース2)、同ΔLが23.98(ピース1)、25.96(ピース2)、同Δaがー29.42(ピース1)、ー9.48(ピース2)、同Δbがー18.55(ピース1)、14.03(ピース2)であり、明るさおよびあざやかさが退色しているのに対して、この考案の場合には、「差値ΔE」が 5.56、同ΔLがー2.57、同Δaがー1.54、同Δbがー3.44と極めて小さく、明るさおよびあざやかさは殆ど変化しないものである。
また、2000Hr経過後にあっては、従来例(ピース1,ピース2)の場合には剥離してしまうが、この考案の場合には殆ど変化しないものである。
図5は耐擦性の試験結果を表にしたものである。試験方法として「JISエンピツ硬度方法」を使用した。表における試験ピース1,2は従来の水転写シートを使用したものであり、同ピース3〜5はこの考案に係る水転写シートを使用したものである。
この表から、従来例(試験ピース1,2)にあっては、時間の経過ともに「鉛筆硬度」が退化し(4H→H,5H→H)、2000Hr経過後には剥離してしまうのに対して、この考案の場合には、2000Hr経過後しても「鉛筆硬度」に変化はなく(5H→5H)、当然剥離することはないものである。
なお、前記印刷層30が前記アルミニウム製車両用ホイールWの表面との相性が悪い場合には、前記カバーコート層40を付けたまま、約120°Cで焼付け、その後、カバーコート層40を剥がして、約150°Cで焼き付ければ、略同様の効果が得られる。
150°Cで焼き付けた場合、図4,図5に示すように、この文字や絵柄等の意匠は退色しにくいとともに剥がれにくく、この結果、耐候性・耐擦性に富んでいる。物性を維持するために約150°C以上で加熱できないアルミニウム製の車両用ホイールに文字や絵柄等の意匠を水写しする場合に利用できるものである。
A … 水転写シート
10 … 印刷シート基層
20 … 水溶解層
30 … 印刷層
40 … カバーコート層
50 … クッション層
60 … クリアー層
S … シール
W … アルミニウム製車両用ホイール
U … アクリルウレタン被膜
10 … 印刷シート基層
20 … 水溶解層
30 … 印刷層
40 … カバーコート層
50 … クッション層
60 … クリアー層
S … シール
W … アルミニウム製車両用ホイール
U … アクリルウレタン被膜
Claims (2)
- 印刷シート基層の表面に水溶解層を設け、この水溶解層の表面に印刷層を設けた水転写シートにおいて、前記印刷層をアクリル系インクによって形成したことを特徴とする水転写シート。
- 請求項1の水転写シートにおいて、前記印刷層の下面にクッション層を設けるとともにその上面にクリアー層を設けたことを特徴とする水転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005565U JP3135820U (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 水転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005565U JP3135820U (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 水転写シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3135820U true JP3135820U (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=43286298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007005565U Expired - Fee Related JP3135820U (ja) | 2007-07-19 | 2007-07-19 | 水転写シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3135820U (ja) |
-
2007
- 2007-07-19 JP JP2007005565U patent/JP3135820U/ja not_active Expired - Fee Related
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