JP3135418B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3135418B2
JP3135418B2 JP05127498A JP12749893A JP3135418B2 JP 3135418 B2 JP3135418 B2 JP 3135418B2 JP 05127498 A JP05127498 A JP 05127498A JP 12749893 A JP12749893 A JP 12749893A JP 3135418 B2 JP3135418 B2 JP 3135418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶シリコン半導体基
板の構成とその製造方法及び半導体装置の構成とその製
造方法に関するもので、特に半導体装置としては、CM
OS構成をとる半導体集積回路装置、半導体イメージセ
ンサ装置及びバイポーラ要素を有する半導体装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】CMOS構成をとる半導体集積回路装置
におけるラッチアップ現象を例にとり従来技術を説明し
ていく。図18は従来のCMOS構成をとる半導体集積
回路装置を示す模式的断面図である。P−型(7E14
atms/cm3 程度)Si半導体基板1016にN−
ウエルのN−型(3E16atms/cm3 程度)層1
015を有し、NチャネルMOSトランジスタ1010
とPチャネルMOSトランジスタ1009を構成する一
般的CMOS型半導体集積回路装置である。
【0003】ところで、PチャネルMOSトランジスタ
1009は等価的にPNPのバイポーラトランジスタT
r1 1001を構成し、NチャネルMOSトランジス
タ1010は等価的にやはり、NPNのバイポーラトラ
ンジスタTr2 1003を構成し、寄生抵抗としてベ
ース・エミッタ間抵抗成分Rn1002とRp1004
をそれぞれ有し、図19に示すように等価回路的に結線
される。ここで、入力端子1020にある量のサージ電
流1021が入ってきたとする、そうすると入ってきた
キャリア1022は拡散していって前述のNPNトラン
ジスタもしくはPNPトランジスタのどちらかを動作
(オンと称する)させた場合そのトランジスタのコレク
タ電流は図19からも判るように、もう一方のトランジ
スタのベース電流となりもう一方のトランジスタも動作
させる。そうなると、最初に動作したトランジスタのベ
ースにもひき続き電流が供給され、最初のトリガーとな
ったサージを取り去ってもVcc1005とVss10
06間には電流が流れ続けることになる。こうなると半
導体集積回路装置としては、正常の動作をしないばかり
でなく、ひどい場合には配線パターン等が溶断したりす
る。このような現象をラッチアップと称する。
【0004】通常の半導体集積回路装置は当然ある程度
のサージやノイズに対してはラッチアップしてはいけな
いわけで、この電流値をラッチアップ耐量と称する。そ
こで、ラッチアップ耐量を上げるためにはどういう方策
が取られているかというと、第1番目としては図の寄生
抵抗であるRp1004およびRn1002を下げてや
るという方法がある。抵抗として下がることで、サージ
によって入ってきたキャリアによるベース領域の電位上
昇が緩和され各トランジスタがオンしにくくなり、ラッ
チアップ耐量が向上する。
【0005】抵抗をさげる方法としては、基板1016
の不純物濃度を高くするとか、ウエル1015の不純物
濃度をやはり高くするとか、エピウエハ{今、図18に
便宜上示しておいたが半導体基板をP+型(1E18か
ら1E20atms/cm3ぐらいの濃度)基板としそ
の表面に数μmから数10μm程度所望の濃度のP−型
層(図のP−型半導体基板1016になる)がエピタキ
シアル成長されたものである}を用いるとかのことが考
えられる。第2番目の方法としては、前述した寄生バイ
ポーラトランジスタのhFE(直流電流増幅率)をさげ
てやるという方法である。hFEが低いということは、
同じベース電流だったらコレクタ電流は少なくなるわけ
で、次のトランジスタのオンの維持につながりにくくな
るということである。hFEを下げるためには、前述の
ごとく基板1016の不純物濃度を高くするとか、ウエ
ル1015の不純物濃度をやはり高くするとかの方法が
考えられる。
【0006】また図18における寸法L11007やL
21008を大きくとってやるという方法がある、ベー
ス幅いわゆるWBを広くしてhFEを下げるということ
である。第3番目の方法としては、サージなどによる拡
散してくるキャリアの量を抑えてやるというものがあ
る。
【0007】図18に示したように、入力端子1020
とCMOS部(この場合、NチャネルMOSトランジス
タ1010とPチャネルMOSトランジスタ1009と
で構成されるような部分)の間にVcc1005につな
がったN−型層のウエル1018を設けて入って来たキ
ャリアを途中で抜いてやろうというものである。このV
ccにつながったN−ウエルをガードリングと称する。
拡散キャリアの量を抑えるという面では、エピウエハを
用いるというのはやはり同様に効果がある。高濃度の例
えばP+型基板1023中ではキャリアのライフタイム
(寿命)はP−型領域に比べて数桁短いから、CMOS
部まで到達しにくくできるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体装置は前
述してきたような構造・構成を取っているが以下のよう
な解決すべき課題があげられる。第1の問題として、基
板不純物濃度やウエル不純物濃度を上げるとひとつには
MOSトランジスタのgmの低下につながり、必要な電
流値やすなわち動作速度を得るためのトランジスタの平
面的な寸法が大きくなりチップサイズ(半導体集積回路
装置の平面的な寸法)の増大につながる。したがって、
製造コストアップにつながるし、反集積化(場所を食
う)の方向となる。また、MOSトランジスタのVTH
(しきい値電圧)の上昇(半導体集積回路装置としての
動作電圧の上昇)につながったり、VTHとリーク電流
のトレードオフの関係が悪化したり、ホットエレクトロ
ンによる耐久性も低下したりと、ちっともよいことがな
く、濃度の上昇にはおのずとすぐ限界がある。
【0009】第2の問題として、図18の寸法L1やL
2を大きくしたり、ガードリングを設けるなどすること
はやはり、チップサイズの増大につながるものである。
第3の問題として、エピウエハを用いることでは半導体
基板の製造コストの大幅な上昇を来すことになる。基板
で数倍から10倍程度のコスト上昇にはなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明では以下の手段を取った。第1の手段として、1
50K程度(ケルビン温度)で活性化エネルギー(バレ
ンスバンドEvから)0.1eV以下で1.2から1.
7E15/cm3 程度の濃度の浅い準位(Shallo
w level)と活性化エネルギーが0.28から
0.32eV程度で1.6から2.0E13/cm3
度の濃度の深い準位(Deep level)とを再結
合中心として、Siのバンドギャップ内に有する半導体
基板を得るというものである。深い準位の再結合中心の
欠陥は、150KでDLTS信号が最大値を示す性質を
有している。
【0011】第2の手段として、電子線2MeV以上
で、1E14/cm2 以上の照射を行う手段1記載の半
導体基板の製造方法を取るというものである。第3の手
段として、電子線2MeV以上で、1E14/cm2
上の照射を特定部分にのみ行う手段1記載の半導体基板
の製造方法を取るというものである。
【0012】第4の手段として 1E−2Torr以上
(真空度が高いの意)の真空にひかれ、密閉してある容
器中にて電子線照射を行う手段2、3記載の半導体基板
の製造方法を取るというものである。第5の手段とし
て、200℃以上のアニールを行う手段2から4記載の
半導体基板の製造方法を取るというものである。
【0013】第6の手段として、150K程度(ケルビ
ン温度)で、活性化エネルギー(バレンスバンドEvか
ら)0.1eV以下で1.2から1.7E15/cm3
程度の濃度の浅い準位(Shallow level)
と活性化エネルギー(イオン化エネルギー)0.28か
ら0.32eV程度で1.6から2.0E13/cm 3
程度の濃度の深い準位(Deep level)とを再
結合中心として、Siのバンドギャップ内に有する半導
体装置を得るというものである。
【0014】第7の手段として、150K程度(ケルビ
ン温度)で、活性化エネルギー(バレンスバンドEvか
ら)0.1eV以下で1.2から1.7E15/cm3
程度の濃度の浅い準位(Shallow level)
と活性化エネルギー0.28から0.32eV程度で
1.6から2.0E13/cm3 程度の濃度の深い準位
(Deep level)とを再結合中心として、Si
のバンドギャップ内に有する部分を部分有する半導体装
置を得るというものである。
【0015】第8の手段として、電子線2Me以上、1
E14/cm2 以上の照射を行う手段6、7記載の半導
体装置の製造方法を取るというものである。第9の手段
として、電子線2Me以上、1E14/cm2 以上の照
射を特定部分のみ行う手段6、7記載の半導体装置の製
造方法を取るというものである。
【0016】第10の手段として、1E−2Torr以
上(真空度が高いの意)の真空にひかれ、密閉してある
容器中にて電子線照射を行う手段6、7記載の半導体装
置の製造方法を取るというものである。第11の手段と
して、200℃以上のアニールを行う手段6、7記載の
半導体装置の製造方法を取るというものである。
【0017】第12の手段として、CMOS構成を取る
手段6、7記載の半導体装置を得るというものである。
第13の手段として、半導体イメージセンサ装置である
手段6、7記載の半導体装置を得るというものである。
【0018】第14の手段として、バイポーラ要素を有
する手段6、7記載の半導体装置を得るというものであ
る。第15の手段として、BiCMOS構成を取る手段
6、7記載の半導体装置を得るというものである。
【0019】第16の手段して、CMOS構成を取る手
段8から11記載の半導体装置の製造方法を取るという
ものである。半導体製造装置の製造方法は、第1導電型
の半導体領域に第2導電型の不純物を導入して第2導電
型の不純物領域を形成して、PN接合を形成する工程
と、各々の半導体領域に電圧印加するための電極を形成
する工程と、その電極の上に半導体装置を保護するため
のパシベーション膜形成工程と、パシベーション膜の上
から電子線を照射する工程とからなっている。
【0020】第17の手段として、半導体イメージセン
サ装置である手段8から11記載の半導体装置の製造方
法を取るというものである。第18の手段として、バイ
ポーラ要素を有する手段8から11記載の半導体装置の
製造方法を取るというものである。
【0021】第19の手段として、BiCMOS構成を
取る手段8から11記載の半導体装置の製造方法を取る
というものである。
【0022】
【作用】前記手段を取ることで以下の作用が得られる。
第1、6、7、9、12から19の手段を取ることで以
下の作用が得られる。すなわち、基板少数キャリアライ
フタイムを低下させ、ラッチアップ耐量の向上が図れる
というものである。
【0023】第2、3、8の手段を取ることで以下の作
用が得られる。すなわち、前記準位をSi基板内に適切
に形成できるというものである。第4、10、13から
19の手段を取ることで以下の作用が得られる。すなわ
ち、所望のラッチアップ耐量を得ると同時にPN接合リ
ークやMOSトランジスタ特性の良好な回復が得られる
というものである。
【0024】第5、10の手段を取ることで以下の作用
が得られる。すなわち、酸素(O2)などがノックオンさ
れたSiウエハ中に注入されるための種々良くない影響
を妨げるというものである。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を詳細に説明する。図1は本発明にかかる半導体装置の
第1の実施例の半導体集積回路装置の部分を示す模式的
断面図である。模式図であるので、中間絶縁層やAl配
線や表面保護膜(パシベーション膜)等々は省略してい
る。図2は本発明にかかる半導体装置の第1の実施例の
半導体集積回路装置の部分を示す模式的平面図である。
本実施例で用いた半導体集積回路装置は平面的寸法(チ
ップサイズ)約4.4X13.0mmのCMOS型回路
構成を取る256KbitSRAMである。デザインル
ール的にはいわゆる1.0μmルールである。基板11
はP−型で濃度的には20から30Ω・cmである。通
常はエピウエハを使用しているが、エピウエハを使用し
ない場合、図示しているように入力端子12からCMO
S部23までは、Vcc17につながったガードリング
15を間に介して最も短いところでも300μmある
が、ラッチアップ耐量は数10mAしかない。後述する
が、Vcc5.5V、電流注入法にて最低数100mA
が半導体集積回路装置としての要件である。本実施例で
はパシベーションまで形成終了したウエハとしては完成
状態の前記半導体集積回路装置を用いて、電子線の照射
を行った。
【0026】図3は本発明にかかる半導体装置の第1の
実施例の半導体集積回路装置の製造方法である電子線照
射の様子を示す模式的図である。ウエハ36はポリエチ
レンの袋37に入れられ、1E−2Torr以上(真空
度が高いの意)の真空にひかれ密閉してある。高エネル
ギー電子線発生器からの電子線(Electrons)
を照射ノズル35から約1mのところにウエハを置き大
気中で照射した。この程度の真空に密閉しないと(大気
中でそのまま照射すると)酸素(O2 )などがノックオ
ンされSiウエハ中に注入されいろいろ良くない影響が
でてきてしまうからである。電子線に対してSiウエハ
の表裏は結果としてどちらでもかまわない。今回比較の
ため、中性子(Neutrons)やγ(ガンマ)線
(rays)の照射も行ったので同時に説明していく。
【0027】図4は半導体集積回路装置のラッチアップ
耐量の一般的測定(規定)方法の回路を示す模式的ブロ
ック図である。測定に供される半導体集積回路装置
(D.U.T、Device Under Test)
のVccには5.5V印加され各入力端子(Input
Terminals)に電流印加(Current
Force)され、ラッチアップ開始する電流値がラッ
チアップ耐量(IL)と規定される。
【0028】図5は照射後(As Exposed)の
ILと各照射量の関係を示すグラフである。Initi
alというのは、照射前を表している。電子線と中性子
線の照射でILの顕著な向上が見られる。γ線での向上
はごく僅かである。ところがここで、半導体集積回路装
置(SRAM)は全く正常の動作をしていないのであ
る。pn接合のリーク電流やMOSトランジスタのVT
Hなどがとんでもなく大きな値となっているからであ
る。そこで、照射後アニール(N2雰囲気中での熱処
理)を行うと、電子線照射のものはpn接合のリーク電
流やMOSトランジスタの特性は充分回復することが判
る、この時、若干ILは低下するが問題になるレベルで
はない。中性子照射のものも、pn接合のリーク電流や
MOSトランジスタの特性は回復はするが充分ではな
い。γ線照射のものも、pn接合のリーク電流やMOS
トランジスタの特性は完全に回復するがILも全くもと
にもどってしまう。
【0029】図6はILの値を照射後とそれに続くアニ
ールでの変化を表すグラフである。図7はアニール後の
ILと各照射量の関係を示すグラフである。電子線2M
eV以上のエネルギーで、1E15/cm2 以上のもの
だけが正常な半導体集積回路装置の機能を回復した上で
必要なILが確保できたことがわかる。ではなぜILの
向上が可能になったのかについて説明する。
【0030】図8はtRR(pn接合のリカバリータイ
ム、順方向に4mA/mm2 の電流を流した場合)と各
照射量の関係を示すグラフである。tRRは直接的に基
板小数キャリアライフタイムを表していると言えるの
で、本発明におけるILの向上は基板小数キャリアライ
フタイムの低下が原因であるといえる。ところで、前述
したように、アニール行っても中性子照射したものは、
電子線と同じILでも半導体集積回路装置としての機能
の回復が充分でない、主にはpn接合のリーク電流が多
いことである。
【0031】図9はアニール後のpn接合のリーク電流
とtRR(基板小数キャリアライフタイム)の関係を各
照射線種毎に表したグラフである。リーク電流と基板小
数キャリアライフタイムの関係(トレードオフ)が線種
によって異なるということである。このことはSiのバ
ンドギャップ内に形成された再結合中心の位置(準位)
の違いを意味する。そこで、DLTS法(D.V. Lang, A
ppl. Phys. 45-7 (1974), 3014, 3023.)とICTS法
(H. Okushi and Y. Tokumura, Jpn. J. Appl.Phys. 19
(1980) L335.)で準位を定量比較してみる。
【0032】表1は準位の測定データの表である。
【0033】
【表1】
【0034】γ線照射のものと照射していないSiは観
測出来る準位は全く存在していないので表には載せてい
ない。電子線と中性子で顕著な差は150K(ケルビン
温度)でのDLTS信号のピークの出方である。電子線
150K,中性子140Kである。中性子のピークはA
u(金)等の重金属ドープしたものと出方が似ている。
重金属ドープで基板小数キャリアライフタイムを低下さ
せた場合もリーク電流とのトレードオフはよくないとさ
れている。したがって、電子線照射でもたらされた活性
化エネルギー(バレンスバンドEvからのActiva
tion Energy;ΔE)0.1eV以下で1.
2から1.7E15/cm3 程度の濃度の浅い準位(S
hallow level)と150Kでピークを持
つ、0.28から0.32eV程度の活性化エネルギー
で1.6から2.0E13/cm3程度の濃度の深い準
位(Deep level)とを再結合中心として、S
iのバンドギャップ内に有することがラッチアップ向上
に大変重要であると言える。この再結合中心は、電子線
照射により形成されるシリコン結晶内格子欠陥によるも
ので、不純物ドーピングによって生ずる不純物準位とは
異なる。
【0035】図10はアニール後のリーク電流とILの
関係を表すグラフである。つまり、CMOS構成を取る
半導体集積回路装置において、例えば入力端子からCM
OS部までの距離300μmぐらいのもので、エピウエ
ハなども使わず充分なラッチアップ耐量を確保し、なお
かつpn接合のリーク電流等が許容の範囲に納まるため
には上述の準位が必要であるということである。くどく
なるが、本発明の斬新で大変優れている点はここにある
といえる。すなわち上述した範囲でのSiバンドギャッ
プ内での準位を有することで初めてラッチアップ耐量と
リーク電流その他特性との現実的トレードオフが得られ
るという点である。
【0036】また、そのため電子線2MeV以上で、1
e14/cm2 以上の照射を行い、それに引続き200
から300℃1時間程度のアニールを行うことで上述の
準位形成(MOSトランジスタ特性の回復も含んで)が
可能となるということは大変重要なことである。説明し
てきたように、半導体集積回路装置の製造工程(ウエハ
プロセス)の終盤での準位形成(電子線照射)可能だか
らである。200℃〜300℃の低温アニールを行えば
よいことから、パシベーション膜形成後に電子線照射を
行うことができる。思わぬ設計間違い(寸法間違い等)
で半導体集積回路装置が出来上がってからテスト工程に
てラッチアップ耐量が足りなかった場合などに後から追
加で行えるからである。もちろん、ウエハプロセスの途
中に設けてもかまわない、その場合アニールの条件設定
の自由度はましてくる。より高温のプロセスが可能とな
るからである。
【0037】ところで、図示しないが本発明、本実施例
のような準位を有するということ、もしくは電子線照射
にてそれを形成するということは半導体集積回路装置の
製造工程前の半導体基板形成時に行ってもよい。すなわ
ち、半導体基板として単結晶シリコン形成後に、電子線
照射して準位を形成する。その後、半導体素子の集積化
工程で半導体集積回路を形成する。電子線照射はウエハ
状態にカットする前でも後でも良い。ところで、さらに
電子線の照射であるが、これまでウエハ全面一様に照射
されるように説明してきたが、ビーム状にて、必要な部
分(例えば前述したように、入力端子とCMOS部の
間)のみ照射することで、工程時間の短縮やpn接合リ
ークの増加やMOSトランジスタ特性の劣化の影響を少
なくすることが可能となりまた有益である、これまた図
示しないが明白な事例であろう。
【0038】図11は本発明にかかる半導体装置の第2
の実施例の半導体集積回路装置を示す模式的平面図であ
る。半導体イメージセンサ装置である。半導体イメージ
センサ装置とは光を受けそれを電気信号に変換して出力
する半導体集積回路装置である。ここでは、FAXなど
に用いられているライン型の半導体イメージセンサ装置
を例に取って説明していく。
【0039】図12は半導体イメージセンサ装置の回路
を示す模式的ブロック図である。フローテイングベース
のNPNトランジスタであるフォトトランジスタ1から
64は光を受け電荷として蓄積し、トランスミッション
ゲートA1から64で選択された時hFE倍したコレク
タ電流として出力端子128へと出力する。ここで、8
ドット/mmの半導体イメージセンサ装置だとして64
ビットのフォトトランジスタの配列のピッチは125μ
mである。
【0040】図13は図11のA−A’断面を表す模式
図である。隣接するフォトトランジスタの様子を示して
いる。例えば、フォトトランジスタ63のコレクタ領域
であるN−基板146の深いところで発生した光電キャ
リア147は拡散散乱しあるものは隣のフォトトランジ
スタ64で検出されることになる。各フォトトランジス
タ間(ビット間ともいう)の信号の分離が悪いことにな
る、コントラストが悪いとも言う。本発明を適用するこ
とで、これまで説明してきたことと同様にエピウエハな
どを使用せずとも、隣接ビットへの拡散キャリアが減
り、良好な信号の分離、コントラストが得られるもので
ある。また、そのビットの選択は終わってるのにいつま
でもふらふらしているキャリアがあり、それが残像特性
の悪化などをもたらすことあるが、そういったことも良
好に改善可能となる。
【0041】図14は図11のB−B’断面を表す模式
図である。半導体イメージセンサ装置のチップ端(チッ
プエッジ)近傍の様子を示している。チップエッジ15
2はダイシングソーなどで切断される部分であり、チャ
ネルストッパーであるN+型層153などが切り白とし
てある長さ領域確保されている、これをスクライブエリ
アという。切断される前に良品か不良品かの検査が行わ
れる。その際通常この種の半導体イメージセンサ装置は
当然光を照射しての信号の出方を見なければならない
が、一番端のビット(フォトトランジスタ1とかフォト
トランジスタ64)だけ異常な信号が出ることがある。
スクライブエリアに入った光による光電キャリアのやは
り拡散・散乱によるものである。そこで、本発明を適用
することで、これまで説明してきたことと同様にエピウ
エハなどを使用せずとも、信号の回り込みが減り大変有
効である。本実施例では、ライン型半導体イメージセン
サ装置で説明してきたが、容量結合型半導体イメージセ
ンサ装置いわゆるCCDにおいても同様大変有益である
ことは言うまでもない。
【0042】図15は本発明にかかる半導体装置の第3
の実施例の半導体装置を示す模式的断面図である。単一
のNPNバイポーラトランジスタである。高速のスイッ
チングスピードを必要とする用途の場合、バイポーラト
ランジスタで問題なのは、オフする時間であるTof
f、とくにはベース領域164の過剰の小数キャリアが
蓄積されるまでの時間Tstgである。Tstgを高速
化するためには、ベース幅WB167を狭くすればよい
のだがそうするとトランジスタの安全動作領域(AS
O)も狭くなるという問題がある。
【0043】図16はWBとTstgの関係を表すグラ
フである。本発明を適用したものは同じWBでも(同じ
ASOを確保したうえで)Tstgが2倍程度高速が得
られている。図17は本発明にかかる半導体装置の第4
の実施例の半導体集積回路装置の部分を示す模式的断面
図である。バイポーラ要素とCMOS要素が混在する、
いわゆるBiCMOS型半導体集積回路装置である。こ
こで、本発明を適用することで、前述してきたごとくC
MOS部190における良好なラッチアップ耐量の確保
とバイポーラ部183における良好なスイッチングスピ
ードの確保と合わせ持つこと可能とし大変有益である。
【0044】
【発明の効果】以上、説明してきたように、1E−2T
orr以上(真空度が高いの意)の真空にひかれ密閉し
てある容器中にて電子線2MeV以上のエネルギーで、
一般的には1e15/cm2 以上の数の照射を行い照射
後200℃以上の高温で、1時間以上のアニールを行う
ことで150Kでの活性化エネルギー(バレンスバンド
Evから)が0.1eV以下で1.2から1.7E15
/cm3 程度の濃度の浅い準位(Shallow le
vel)と0.28eVから0.32eV程度の準位の
欠陥で1.6から2.0E13/cm3 程度の濃度の深
い準位(Deeplevel)とを再結合中心として、
Siのバンドギャップ内に有する半導体基板が得られ、
基板小数キャリアライフタイムが低いためラッチアップ
耐量の向上が図れると同時に良好なPN接合リークやM
OSトランジスタ特性が得られる。チップサイズの増大
もなく、エピウエハも使わず廉価である。また半導体集
積回路装置の工程終盤での加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体装置の第1の実施例の半
導体集積回路装置の部分を示す模式的断面図である。
【図2】本発明にかかる半導体装置の第1の実施例の半
導体集積回路装置の部分を示す模式的平面図である。
【図3】本発明にかかる半導体装置の第1の実施例の半
導体集積回路装置の製造方法である電子線照射の様子を
示す模式的図である。
【図4】半導体集積回路装置のラッチアップ耐量の一般
的測定(規定)方法の回路を示す模式的ブロック図であ
る。
【図5】照射後(As Exposed)のILと各照
射量の関係を示すグラフである。
【図6】ILの値を照射後とそれに続くアニールでの変
化を表すグラフである。
【図7】アニール後のILと各照射量の関係を示すグラ
フである。
【図8】tRR(pn接合のリカバリータイム、順方向
に4mA/mm2 電流流した場合)と各照射量の関係を
示すグラフである。
【図9】アニール後のpn接合のリーク電流とtRR
(基板小数キャリアライフタイム)の関係を各照射線種
毎に表したグラフである。
【図10】アニール後のリーク電流とILの関係を表す
グラフである。
【図11】本発明にかかる半導体装置の第2の実施例の
半導体集積回路装置を示す模式的平面図である。
【図12】半導体イメージセンサ装置の回路を示す模式
的ブロック図である。
【図13】図12のA−A’断面を表す模式図である。
【図14】図12のB−B’断面を表す模式図である。
【図15】本発明にかかる半導体装置の第3の実施例の
半導体装置を示す模式的断面図である。
【図16】WBとTstgの関係を表すグラフである。
【図17】本発明にかかる半導体装置の第4の実施例の
半導体集積回路装置の部分を示す模式的断面図である。
【図18】従来のCMOS構成をとる半導体集積回路装
置を示す模式的断面図である。
【図19】従来のCMOS構成をとる半導体集積回路装
置等価回路を示す模式的ブロック図である。
【符号の説明】
11 P−型基板 12 入力端子 13 N+型層 14 距離a 15 N−型層、ガードリング 16 N+型層 17 Vcc 18 N+型層 19 Vss
フロントページの続き (72)発明者 神谷 昌明 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 渡邉 ひと美 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−198746(JP,A) 特開 昭64−10658(JP,A) 特開 昭56−137669(JP,A) 特開 平2−36562(JP,A) 特開 昭62−298120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/06 H01L 21/263 H01L 21/324 H01L 21/8234 H01L 21/8236 H01L 21/8238 H01L 21/8249 H01L 27/08 H01L 27/088 H01L 27/092 H01L 27/146

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン単結晶半導体領域に、150K
    において活性化エネルギーが0.28eVから0.32
    eVで1.6×1013cm-3から2.0×1013cm-3
    の濃度の結晶欠陥を有することを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 150Kにおいて、活性化エネルギーが
    0.1eV以下で 1.2×1015cm-3から7×10
    15cm-3の濃度の結晶欠陥を有する請求項1記載の半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコン単結晶半導体領域にN型絶
    縁ゲート電界効果トランジスタとP型絶縁ゲート電界効
    果トランジスタとからなる相補型絶縁ゲート電界効果ト
    ランジスタ回路を含む請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記シリコン単結晶半導体領域に周期的
    に間隔をおいて複数のフォトセンサが配置されている請
    求項1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶半導体領域の一部が
    第1導電型のベース領域を構成し、さらに、前記ベース
    領域に接して第2導電型のシリコン半導体領域からなる
    エミッタ領域とコレクタ領域とからなる請求項1記載の
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 基板に設けられた第1導電型の単結晶シ
    リコン半導体領域の一部に第2導電型の不純物領域を形
    成する工程と、 前記第1導電型の単結晶シリコン半導体領域と前記第2
    導電型の不純物領域に各々電極を設ける工程と、 前記第1導電型の単結晶シリコン半導体領域、前記第2
    導電型の不純物領域及び前記電極の上にパシベーション
    膜を形成する工程と、 電気特性検査工程とそれらの工程の後、2MeV以上の
    エネルギーの電子を第1導電型の単結晶シリコン半導体
    領域に対して、1×1014cm-2以上の割合で照射する
    電子線照射工程と、 その後、200℃から300℃の間で熱処理を行うアニ
    ール工程と、 からなる半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電子線照射工程が、1×10-2Torr
    より高真空雰囲気で行われる請求項記載の半導体装置
    の製造方法。
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