JP3134728B2 - 動力伝達機構の潤滑装置 - Google Patents

動力伝達機構の潤滑装置

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    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H37/082Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with a plurality of driving or driven shafts with only one input shaft and additional planetary reduction gears

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝達機構の潤滑
装置に係り、特に、その動力伝達機構によって駆動され
る機械式ポンプを利用した潤滑装置の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】動力伝達機構によって駆動される機械式
ポンプを備え、その機械式ポンプにより潤滑油を吸引し
て動力伝達機構の被潤滑部材へ圧送する潤滑装置が、例
えば変速機や減速機、差動装置などの車両用動力伝達機
構、特に電気自動車における動力伝達機構の潤滑装置と
して提案されている。図11は電気自動車用の動力伝達
機構の一例で未だ未公開のものであるが、この動力伝達
機構200は、車両搭載状態において略水平となる一中
心線Oと同心に配設された遊星歯車式の減速装置202
および傘歯車式の差動装置204を含んで構成されてお
り、図の左側に一中心線Oと同心に配設される図示しな
い電動モータのモータ軸206の回転は、減速装置20
2によって減速されたのち差動装置204を介して一対
の出力部材208,210へ伝達され、更に左右の駆動
輪へ伝えられる。減速装置202のキャリア212は、
差動装置204のデフケースの一部を兼ねており、その
デフケース部212aの外周部にはポンプ駆動用の駆動
歯車214が配設され、ドリブンギヤ216を介して機
械式ポンプ(この例ではトロコイドポンプ)218が回
転駆動されるようになっている。
【0003】上記機械式ポンプ218によりオイル溜部
220から汲み上げられた潤滑油は、ハウジング222
に設けられた油路224、デフカバー226に設けられ
た油路228,切欠溝230を経てデフケース部212
aの内部に供給され、差動装置204の歯車の軸受部分
や噛合部分を潤滑する。デフケース部212aは、供給
された潤滑油を比較的長期間に亘って保持できるように
液密に構成されており、車両停止時に機械式ポンプ21
8からの潤滑油の供給が停止しても、その後の発進時に
良好な潤滑作用が得られるようになっている一方、一部
は出力部材208とモータ軸206との間の環状通路2
32からモータ側へ送られ、モータ軸206や出力部材
208の軸受などを潤滑するとともにモータの冷却に利
用された後オイル溜部220まで戻される。また、前記
デフカバー226の油路228まで導かれた潤滑油の一
部は、同じくデフカバー226に設けられた油路23
4、キャリア212のデフケース部212aに設けられ
た油路236を経て、キャリア212に固設されたピニ
オンシャフト238へ供給され、そのピニオンシャフト
238に配設されたステップドピニオンギヤ240の軸
受部分、すなわちニードルベアリング242やスラスト
ワッシャ244を潤滑する。キャリア212にはピニオ
ンシャフト238が複数(この例では3本)設けられて
おり、上記油路234,236はそのピニオンシャフト
238に対応して複数設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような潤滑装置に
おいては、差動装置204についてはデフケース部21
2a内に保持される潤滑油により車両発進時にも良好な
潤滑作用が得られるが、遊星歯車式減速装置202のス
テップドピニオンギヤ240の軸受部については車両発
進時に潤滑油不足となる恐れがある。すなわち、車両の
発進時には動力伝達機構200も回転し、機械式ポンプ
218から潤滑油が圧送されるようになるが、実際に潤
滑油がステップドピニオンギヤ240に達するまでには
時間遅れがあるとともに、発進当初の回転速度は遅くて
ポンプ218の吐出量は少ないのに対し、発進時には一
般に比較的大きなトルクを伝達するためステップドピニ
オンギヤ240の軸受部には大きな負荷が作用し、十分
な潤滑を行うためには多量の潤滑油を必要とするのであ
る。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、動力伝達機構の作動
開始当初から被潤滑部材に潤滑油が速やかに供給される
ようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、発明は、車両搭載状態において略水平となる一
中心線と同心に配設された遊星歯車式の減速装置および
傘歯車式の差動装置を含んで構成されており、駆動源の
回転を減速装置によって減速したのち差動装置を介して
左右の駆動輪へ伝達する車両用の動力伝達機構と、その
動力伝達機構によって駆動される機械式ポンプを備
え、その機械式ポンプにより潤滑油を吸引して前記動力
伝達機構の被潤滑部材へ圧送する潤滑装置において、
(a)前記機械式ポンプから供給される潤滑油を前記差
動装置のデフケースの内部に保持する一方、(b)その
デフケースの外周側に配設されている前記減速装置のピ
ニオンギヤを潤滑するために、デフケースの回転に伴っ
てそのデフケース内の潤滑油を前記ピニオンギヤの軸受
部分へ導くようにデフケースに供給油路を設け、且つ、
(c)前記デフケースの回転停止位置に拘らず所定量の
潤滑油がそのデフケース内に残るようにする流出制限手
段を設けたことを特徴とする。
【0007】
【0008】
【発明の効果】このような潤滑装置においては、デフケ
ースの内部に潤滑油が保持されるため、車両の再発進時
でも、デフケース内に収容されている差動装置の傘歯車
の軸受部分や噛合部分が良好に潤滑される一方、デフケ
ースの内部に保持されている潤滑油が、そのデフケース
の回転に伴って供給油路から減速装置のピニオンギヤの
軸受部分へ導かれるため、機械式ポンプからの潤滑油の
供給遅れや供給量不足に拘らず、動力伝達機構の作動開
始当初すなわち車両発進時からピニオンギヤの軸受部分
が良好に潤滑されるようになる。
【0009】また、デフケースの回転停止位置に拘らず
所定量の潤滑油がそのデフケース内に残るため、デフケ
ース内部の傘歯車や減速装置のピニオンギヤの軸受部分
が常に良好に潤滑される。すなわち、デフケースは略水
平な一中心線まわりに回転させられるため、例えばその
一中心線と直交するように供給油路を設けた場合、その
供給油路が真下に位置する状態でデフケースの回転が停
止すると、デフケース内の潤滑油は供給油路から流れ出
て無くなってしまい、動力伝達機構の作動開始時の潤滑
作用が損なわれるのに対し、流出制限手段によって所定
量の潤滑油がそのデフケース内に残されることにより、
常に良好な潤滑作用が得られるようになるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】ここで、上記本発明の潤滑装置
は、車両停止時に総ての回転が停止する車両用動力伝達
機構、特に電気自動車用動力伝達機構の潤滑装置に好適
に適用される。また、デフケースは、信号待ちなどによ
る車両の一時停止の間、例えば5分〜10分程度の間だ
け潤滑油を保持できるものでも良いが、長時間放置した
後の車両発進時にも十分な潤滑作用が得られるようにす
るために、1週間程度以上の長期間に亘って潤滑油を保
持できるものであることが望ましい
【0011】供給油路は、デフケースの回転に伴う遠心
力やオイル自体の慣性、重力などにより、デフケース
の潤滑油を外周側の減速装置のピニオンギヤの軸受部分
へ導くもので、供給油路は一中心線からの径寸法ができ
るだけ大きくなる部位に設けることが望ましい。ピニオ
ンギヤは、一中心線まわりにおいてデフケースと一体的
に回転させられるものでも相対回転させられるものでも
良い。
【0012】前記流出制限手段は、例えば前記供給油路
が、前記減速装置のピニオンギヤ側の流出部から前記一
中心線まわりにおいて所定角度、例えば100°程度以
上、好ましくは120°程度以上前記デフケースの回転
方向へ形成されてそのデフケースの内周面に開口させら
れるようにすれば良い。この場合は、供給油路が設けら
れた角度範囲に応じて最低残油量が定まり、例えば18
0°の角度範囲で供給油路を設けた場合には最低50%
の潤滑油がデフケース内に残る。また、ピニオンギヤ
デフケースの回転方向へ形成されるため、デフケース
の開口から供給油路内に侵入した潤滑油は、その慣性に
よりデフケースの回転に伴って良好にピニオンギヤへ供
給される。上記供給油路は流出制限手段を兼ねており、
装置が簡単且つコンパクトに構成される。
【0013】流出制限手段の別の態様は、(a) 供給油路
デフケース内面側の開口位置から一中心線までの寸法
より小さい内径寸法でデフケース内に設けられ、供給油
路内への潤滑油の流入が制限される副室を形成する堰
と、(b) その副室を一中心線まわりにおいて複数に分離
する仕切り壁とを有して構成される。デフケースの回転
停止位置に拘らず副室内には常に所定量の潤滑油が残る
とともに、デフケースの回転時には、仕切り壁の存在に
よって潤滑油は堰を乗り越えて供給油路側へ流入し、そ
の供給油路から減速装置のピニオンギヤへ供給される。
【0014】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1の電気自動車用動力伝達機構10
は、基本的には前記図11の動力伝達機構200と同じ
で、車両搭載状態において略水平となる一中心線Oと同
心に配設された遊星歯車式の減速装置12および傘歯車
式の差動装置14を含んで構成されており、図の左側に
一中心線Oと同心に配設される図示しない電動モータの
モータ軸16の回転は、減速装置12によって減速され
たのち差動装置14を介して一対の出力部材18,20
へ伝達され、更に左右の駆動輪へ伝えられる。この動力
伝達機構10は電動モータのモータ軸16に直結されて
おり、車両の走行時には電動モータによって回転させら
れるが、車両停止時に電動モータの回転が停止すると、
動力伝達機構10も総ての構成要素の回転が停止する。
【0015】上記減速装置12は、一中心線Oまわりの
回転可能に配設されたキャリア22と、大径ピニオンギ
ヤ24および小径ピニオンギヤ26を軸方向に一体に備
え、ピニオンシャフト28を介して一中心線Oと略平行
な軸心まわりの回転自在にキャリア22に等角度間隔で
配設された複数、この実施例では3個のステップドピニ
オンギヤ30と、前記モータ軸16にスプライン嵌合さ
れて一中心線Oまわりに一体的に回転させられるととも
に上記大径ピニオンギヤ24と噛み合わされたサンギヤ
32と、ハウジング34に固定されるとともに上記小径
ピニオンギヤ26と噛み合わされたリングギヤ36とを
備えており、サンギヤ32がモータ軸16によって回転
駆動されることにより、リングギヤ36を反力要素とし
てキャリア22が所定の変速比で減速回転させられる。
【0016】上記キャリア22は、小径ピニオンギヤ2
6側にデフケース部22aを一体に備えており、デフケ
ース部22a側の開口部にデフカバー40が複数のボル
ト41によって一体的に固設されることにより、差動装
置14のデフケースが構成されるとともに、キャリア2
2とデフカバー40とが一体化された状態において、両
端部が一対のベアリング42,44を介してハウジング
34により一中心線Oまわりの回転可能且つ軸方向の移
動不能に支持されている。一方のベアリング42は、ハ
ウジング34に一体的に固設されるギヤカバー46によ
って支持されるようになっている。また、複数のステッ
プドピニオンギヤ30は、それぞれ一対のニードルベア
リング48を介してピニオンシャフト28に回転可能に
配設されているとともに、軸方向両端にそれぞれ配設さ
れた2枚組のスラストワッシャ50を介してキャリア2
2により軸方向位置が規定されるようになっている。
【0017】一方、前記差動装置14は、前記ステップ
ドピニオンギヤ30の小径ピニオンギヤ26側、すなわ
ち図1における右側において減速装置12に近接して配
設されており、図2の拡大図から明らかなように、ピニ
オンシャフト52を介して前記一中心線Oと略直交する
軸心まわりの回転自在に前記デフケース部22a内に等
角度間隔で配設された複数、この実施例では3個の駆動
側傘歯車54と、前記一対の出力部材18,20に相対
回転不能にスプライン嵌合されるとともに、それぞれ3
個の駆動側傘歯車54と噛み合わされた一対の従動側傘
歯車56とを含んで差動歯車機構が構成されている。従
動側傘歯車56の歯数は3の整数倍で、一中心線Oまわ
りに等角度間隔で配設された3個の駆動側傘歯車54に
対して容易に噛み合わすことができるようになってい
る。また、一対の出力部材18,20は一中心線Oと同
心に配設されており、出力部材18は円筒形状のモータ
軸16内を相対回転可能に挿通させられて電動モータの
反対側に達している一方、出力部材20はデフカバー4
0を挿通させられてハウジング34の外部に突き出して
いる。なお、上記駆動側傘歯車54および前記ステップ
ドピニオンギヤ30は、何れもピニオンシャフト52,
28を介してキャリア22に配設されているが、それ等
の配設位置は、一中心線Oまわりにおいて略等角度間隔
(60°間隔)で互い違いとなるように定められてい
る。
【0018】上記駆動側傘歯車54とデフケース部22
aとの間には、球面状に湾曲したワッシャ58が配設さ
れているとともに、従動側傘歯車56とデフケース部2
2a,デフカバー40との間にはそれぞれリング状のワ
ッシャ60が配設されている。また、前記ピニオンシャ
フト52は段付の円柱形状を成しており、大径の本体部
52aがデフケース部22aに設けられた取付穴62内
に嵌合されるとともに、小径の先端部52bが円筒形状
のホルダ64に設けられた位置決め穴66内に挿入され
る状態で、位置決めピン68によりデフケース部22a
に位置決め固定されるようになっている。ピニオンシャ
フト52とデフケース部22aの取付穴62との間は密
封されているとともに、デフカバー40はデフケース部
22aの開口部に密着する状態で前記ボルト41によっ
て固設されており、デフケース部22a内の潤滑油が外
部へ流出することが規制される。本実施例では、デフケ
ース部22aおよびデフカバー40の一部によってデフ
ケースが構成され、1週間程度以上の長期間に亘って潤
滑油が保持される。ピニオンシャフト52と取付穴62
との間には、必要に応じてOリング等のシール部材が設
けられる。なお、ピニオンシャフト52の本体部52a
のうち、デフケース部22a内に突き出して駆動側傘歯
車54を支持する部分には、一対の平面取り52cが設
けられ、本体部52aと駆動側傘歯車54との摺接部に
潤滑油が容易に侵入できるようになっている。また、ホ
ルダ64は、3本のピニオンシャフト52の先端部と係
合させられることにより、一中心線Oと同心に位置決め
される。
【0019】ハウジング34の下端部には機械式ポンプ
(この例ではトロコイドポンプ)74が設けられてお
り、前記キャリア22に固定された駆動歯車75により
ドリブンギヤ76を介して回転駆動されるようになって
いる。機械式ポンプ74によりオイル溜部78から汲み
上げられた潤滑油は、ハウジング34に設けられた油路
80、デフカバー40に設けられた環状溝82,軸方向
の油路84,切欠溝86を経てデフケース部22a内に
供給され、デフケース部22a内に収容されている傘歯
車54,56の軸受部分や噛合部分が潤滑される。この
潤滑は、高速走行時には機械式ポンプ74から圧送され
る潤滑油によって十分に行われる一方、車両発進時や低
速走行時にはデフケース部22a内に保持された潤滑油
によって十分に行われる。
【0020】デフケース部22a内に供給された潤滑油
は、デフケース部22aに設けられた油路88,90を
経て減速装置12のピニオンシャフト28へ供給され、
そのピニオンシャフト28に形成された油路92,94
からステップドピニオンギヤ30の軸受部分、すなわち
被潤滑部材であるニードルベアリング48およびスラス
トワッシャ50へ導かれる。上記油路88,90は請求
項1の供給油路に相当するもので、ピニオンシャフト2
8に対応して一中心線Oまわりに複数(この例では3箇
所)設けられている。なお、ニードルベアリング48お
よびスラストワッシャ50を潤滑した潤滑油はオイル溜
部78へ流下する。
【0021】上記油路88は、図3に示すように、デフ
カバー40と突き合わされるデフケース部22aの端面
96に形成された溝によって構成されており、キャリア
22の鋳造成形時に同時に形成され、切削加工などの後
加工が不要である。また、この油路88は一中心線Oま
わりに略120°の角度範囲で円弧形状に設けられてお
り、潤滑油を供給すべきピニオンシャフト28側の流出
部からデフケース部22aの回転方向、図3では右回り
方向へ略120°だけ回転した位置に、デフケース部2
2aの内周面に開口する開口部98が回転方向側へ傾斜
して設けられている。したがって、デフケース部22a
内に潤滑油が存在する状態でデフケース部22aが一中
心線Oの右まわりに回転させられると、潤滑油に作用す
る遠心力や重力、慣性により潤滑油は開口部98から油
路88内に良好に侵入するとともに、その油路88内を
ピニオンシャフト28側へ良好に流動させられ、前記油
路90からピニオンシャフト28の油路92へ流入す
る。図3では、位置決めピン68など一部の部材が省略
されている。
【0022】一方、このように油路88,90が設けら
れると、デフケース部22aの回転停止時にピニオンシ
ャフト28が下方にある場合、デフケース部22a内の
潤滑油が油路88,90から流出するが、油路88が略
120°の角度範囲で形成されていることから、デフケ
ース部22aの回転停止位置に拘らず常に所定量の潤滑
油がデフケース部22a内に残留し、再発進時に常に良
好な潤滑作用が得られる。すなわち、デフケース部22
aは略水平な一中心線Oまわりに回転させられるととも
に、潤滑油を供給すべきピニオンシャフト28はデフケ
ース部22aの外周側に配設されているため、例えば図
4および図5に示すように、そのピニオンシャフト28
の内側部分に一中心線Oと直交するように供給油路10
0を設けた場合、図5に示すように供給油路100が真
下に位置する状態でデフケース部22aの回転が停止す
ると、デフケース部22a内の潤滑油は供給油路100
から流れ出て無くなってしまい、再発進時の潤滑作用が
損なわれるのである。図3の斜線部分は、デフケース部
22aの回転停止時における潤滑油の残量を示したもの
で、その残油量が略最小となる場合である。本実施例で
は、供給油路としての油路88が流出制限手段を兼ねて
いる。また、上記油路88の角度範囲を180°とすれ
ば、残油量は一中心線O以上すなわち50%以上とな
り、100°〜180°程度、更に好ましくは120°
〜180°程度の角度範囲で油路88を形成することが
望ましい。180°を超える角度範囲θ°の場合、残油
量は(360°−θ°)の時と同じになる。
【0023】上記油路88,90からピニオンシャフト
28へ流出する潤滑油量は、通常の走行状態では機械式
ポンプ74からデフケース部22a内に供給される潤滑
油量よりも少なく、デフケース部22a内に潤滑油が蓄
積されるように、油路88,90の断面積などが設定さ
れている。したがって、デフケース部22a内の潤滑油
量は増大し、その油圧によってデフケース部22aに設
けられた切欠溝102から、出力部材18とモータ軸1
6との間の環状通路104を経てモータ側へ送られ、モ
ータ軸16や出力部材18の軸受などを潤滑するととも
にモータの冷却に利用された後オイル溜部78まで戻さ
れる。デフケース部22aとモータ軸16との間にはオ
イルシール106が設けられている。
【0024】以上のような動力伝達機構10の潤滑装置
においては、デフケース部22aとピニオンシャフト5
2との間が密封されているため、そのデフケース部22
aの内部に潤滑油が長時間に亘って保持され、長時間放
置した後の車両発進時にも、そのデフケース部22a内
に収容されている差動歯車機構、すなわち傘歯車54,
56の軸受部分や噛合部分の潤滑が良好に行われる。し
かも、そのデフケース部22a内の潤滑油を油路88,
90からピニオンシャフト28に導いてニードルベアリ
ング48やスラストワッシャ50を潤滑するようにして
いるため、そのニードルベアリング48等にも潤滑油が
速やかに供給され、機械式ポンプ74からの潤滑油の供
給遅れや供給量不足に拘らず、車両発進時から良好な潤
滑作用が得られる。
【0025】また、油路88は一中心線Oまわりに12
0°程度の角度範囲で設けられ、デフケース部22aの
回転停止位置に拘らず所定量の潤滑油がそのデフケース
部22a内に残るようになっているため、そのデフケー
ス部22a内の差動歯車機構は勿論、ニードルベアリン
グ48やスラストワッシャ50についても常に良好な潤
滑作用が得られる。所定の残油量を確保するために、本
実施例では油路88を120°程度の角度範囲に亘って
設けただけであり、デフケース部22aが簡単且つコン
パクトに構成される。しかも、油路88はデフケース部
22aの端面96に設けられているため、その油路88
を簡単に形成できる利点がある。
【0026】また、デフケース部22a内へ供給された
潤滑油をピニオンシャフト28へ供給するようになって
いるため、前記図11の場合のように油路234を設け
て別経路でピニオンシャフト238側へ潤滑油を供給す
る場合に比較し、潤滑油の供給経路が簡単になり、安価
に構成される。
【0027】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前記実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0028】図6および図7の実施例は、前記環状溝8
2まで供給された潤滑油を、デフカバー40に設けられ
た環状溝110から複数(本実施例では3本)の油路1
12を経て前記円弧状の油路88の中間位置へ供給し、
その油路88を介してデフケース部22a内へ流入させ
るようにした場合である。また、図8の実施例は、前記
デフケース部22aに油路88を設ける代わりに、デフ
カバー40の端面116に油路88に対応する油路11
8を設けた場合である。図7は、位置決めピン68など
一部の部材が省略されている。
【0029】図9および図10の実施例は流出制限手段
の別の態様で、デフケース部22aの開口端に内向きフ
ランジ状に設けられた堰120と、デフケース部22a
およびデフカバー40の突合せ部分に形成された副室1
22とを有して流出制限手段123が構成されており、
デフケース部22aのうち一中心線Oからの半径寸法が
略最大となる部分には、前記ピニオンシャフト28の油
路92に連通するように供給油路124が図10の状態
で一中心線Oと略直交するように設けられている。堰1
20の内径(半径)R2 は、供給油路124の開口位置
から一中心線Oまでの寸法R1 より小さく、副室122
内に溜まる潤滑油量を大きくするとともに、一旦主室1
34に流入した潤滑油を速やかに供給油路124内へ流
入させ、また副室122への逆流を防止する。副室12
2は、デフケース部22aおよびデフカバー40の双方
の端面に設けられた凹所126,128によって構成さ
れているとともに、一中心線Oまわりにおいて略120
°間隔で残された仕切り壁130,132により、一中
心線Oまわりにおいて3つに分離されている。
【0030】この場合には、デフケース部22aの回転
停止位置に拘らず副室122内には常に所定量の潤滑油
が残されるとともに、デフケース部22aが一中心線O
まわりに回転させられると、仕切り壁130,132の
存在によって副室122内の潤滑油は堰120を乗り越
えてデフケース部22a内へ流入し、遠心力や重力によ
り供給油路124からピニオンシャフト28へ供給され
る。図10の斜線部分は、デフケース部22aの回転停
止時における副室122内の潤滑油の残量を示したもの
で、真下に位置する供給油路124によりデフケース部
22a内、すなわち主室134内の潤滑油が完全に流出
してしまう場合であり、図9に対して一中心線Oまわり
の位相が60°ずれている。
【0031】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施すること
もできる。
【0032】
【0033】また、前記実施例の減速装置12は一対の
ピニオンギヤを備えたステップドピニオンギヤ30を有
する遊星歯車装置であったが、単一のピニオンギヤから
成る遊星歯車式減速装置を採用することもできる。
【0034】また、前記実施例の減速装置12のステッ
プドピニオンギヤ30および差動装置14の駆動側傘歯
車54の配設個数はそれぞれ3個ずつであったが、それ
等の配設個数は適宜変更できる。
【0035】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である潤滑装置を備えた電気
自動車用動力伝達機構の断面図である。
【図2】図1の動力伝達機構における差動装置部分の拡
大図である。
【図3】図2の差動装置のデフケース部に設けられた油
路を示す端面図である。
【図4】デフケース部に設けられる油路の本発明とは異
なる別の例を示す図で、図2に対応する図である。
【図5】図4のデフケース部に設けられた油路を示す断
面図である。
【図6】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図2
に対応する図である。
【図7】図6の実施例におけるデフケース部の端面図で
ある。
【図8】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図2
に対応する図である。
【図9】本発明の更に別の実施例を説明する図で、図2
に対応する図である。
【図10】図9の実施例におけるデフケース部の端面図
である。
【図11】本発明の背景技術を説明する図で、電気自動
車用動力伝達機構の断面図である。
【符号の説明】
10:動力伝達機構12:減速装置 14:差動装置 22a:デフケース部(デフケース30:ステップドピニオンギヤ 40:デフカバー(デフケース) 48:ニードルベアリング(軸受部分) 50:スラストワッシャ(軸受部分) 74:機械式ポンプ 88:油路(供給油路,流出制限手段) 90:油路(供給油路) 24:供給油路 118:油路(供給油路,流出制限手段) 123:流出制限手段 O:一中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 折坂 英司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−246537(JP,A) 特開 平5−272621(JP,A) 特開 平7−42817(JP,A) 実開 平5−19719(JP,U) 実開 平1−111867(JP,U) 実開 昭59−63260(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/00 - 57/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両搭載状態において略水平となる一中
    心線と同心に配設された遊星歯車式の減速装置および傘
    歯車式の差動装置を含んで構成されており、駆動源の回
    転を該減速装置によって減速したのち該差動装置を介し
    て左右の駆動輪へ伝達する車両用の動力伝達機構と、該
    動力伝達機構によって駆動される機械式ポンプを備
    え、該機械式ポンプにより潤滑油を吸引して前記動力伝
    達機構の被潤滑部材へ圧送する潤滑装置において、 記機械式ポンプから供給される潤滑油を前記差動装置
    のデフケースの内部に保持する一方、 該デフケース の外周側に配設されている前記減速装置の
    ピニオンギヤを潤滑するために、該デフケースの回転に
    伴って該デフケース内の潤滑油を前記ピニオンギヤの軸
    受部分へ導くように該デフケースに供給油路を設け、 且つ、前記デフケースの回転停止位置に拘らず所定量の
    潤滑油が該デフケース内に残るようにする流出制限手段
    を設けた ことを特徴とする動力伝達機構の潤滑装置。
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