JP7350451B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、傘歯車式の差動機構と、遊星歯車機構を有する電気自動車用の動力伝達装置が開示されている。
特開平8-240254号公報
動力伝達装置の組立性を向上することを目的とする。
本発明は、
差動機構と、
前記差動機構を収容するケースと、
前記ケースに支持されたピニオン軸と、
前記ピニオン軸を軸心とするピニオンギアと、を有し、
前記ケースは、前記ピニオン軸の一端を圧入支持する第1部材と、前記ピニオン軸の他端を非圧入支持する第2部材と、が第1のボルトにより締結されており、
前記差動機構の傘歯車の軸は、前記第1部材の切欠部と前記第2部材の切欠部とに挟まれて配置されている構成の動力伝達装置とした。

本発明によれば、組立性の高い動力伝達装置を提供できる。
動力伝達装置のスケルトン図である。 動力伝達装置の断面図である。 動力伝達装置の遊星減速ギア周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動機構周りの拡大図である。 動力伝達装置の差動機構の斜視図である。 動力伝達装置の差動機構の分解斜視図である。 差動機構の第1ケース部を説明する図である。 差動機構の第1ケース部を説明する図である。 差動機構の第2ケース部を説明する図である。 差動機構の第2ケース部を説明する図である。 差動機構の第2ケース部を説明する図である。 オイルキャッチ部を説明する図である。 オイルキャッチ部を説明する図である。 オイルキャッチ部を説明する図である。 オイルキャッチ部を説明する図である。 組立手順を説明する図である。 組立手順を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明するスケルトン図である。
図2は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する断面図である。
図3は、動力伝達装置1の遊星減速ギア4周りの拡大図である。
図4は、動力伝達装置1の差動機構5周りの拡大図である。
図1に示すように、動力伝達装置1は、モータ2と、モータ2の出力回転を減速して差動機構5に入力する遊星減速ギア4(減速機構)と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、パークロック機構3と、を有する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、パークロック機構3と、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転が、遊星減速ギア4で減速されて差動機構5に入力された後、ドライブシャフト9(9A、9B)を介して、動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪W、Wに伝達される。
ここで、遊星減速ギア4は、モータ2の下流に接続されており、差動機構5は、遊星減速ギア4の下流に接続されており、ドライブシャフト9(9A、9B)は、差動機構5の下流に接続されている。
図2に示すように、動力伝達装置1の本体ボックス10は、モータ2を収容する第1ボックス11と、第1ボックス11に外挿される第2ボックス12と、第1ボックス11に組み付けられる第3ボックス13と、第2ボックス12に組み付けられる第4ボックス14と、から構成される。
第1ボックス11は、円筒状の支持壁部111と、支持壁部111の一端111aに設けられたフランジ状の接合部112と、を有している。
第1ボックス11は、支持壁部111をモータ2の回転軸Xに沿わせた向きで設けられており、支持壁部111の内側にモータ2が収容される。
接合部112は、回転軸Xに直交する向きで設けられていると共に、支持壁部111よりも大きい外径で形成されている。
第2ボックス12は、円筒状の周壁部121と、周壁部121の一端121aに設けられたフランジ状の接合部122と、周壁部121の他端121bに設けられたフランジ状の接合部123と、を有している。
周壁部121は、第1ボックス11の支持壁部111に外挿可能な内径で形成されている。
第1ボックス11と第2ボックス12は、第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121を外挿して互いに組み付けられている。
周壁部121の一端121a側の接合部122は、回転軸X方向から、第1ボックス11の接合部112に当接している。これら接合部122、112は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。
第1ボックス11では、支持壁部111の外周に凹溝111bが設けられている。凹溝111bは、回転軸X方向に間隔をあけて複数設けられている。凹溝111bの各々は、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121が外挿されると、凹溝111bの開口が周壁部121で閉じられて、支持壁部111と周壁部121との間に、冷却水が通流する複数の冷却路CPが形成される。
第1ボックス11の支持壁部111の外周では、凹溝111bが設けられた領域の両側に、リング溝111c、111cが形成されている。リング溝111c、111cには、シールリング113、113が外嵌して取り付けられている。
これらシールリング113は、支持壁部111に外挿された周壁部121の内周に圧接して、支持壁部111の外周と、周壁部121の内周との間の隙間を封止する。
第2ボックス12の他端121bには、内径側に延びる壁部120が設けられている。壁部120は、回転軸Xに直交する向きで設けられており、回転軸Xと交差する領域に、ドライブシャフト9Aが挿通する開口120aが開口している。
壁部120では、モータ2側(図中、右側)の面に、開口120aを囲む筒状のモータ支持部125が設けられている。
モータ支持部125は、後記するコイルエンド253bの内側に挿入されて、ロータコア21の端部21bに回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
第2ボックス12の周壁部121は、動力伝達装置1の車両への搭載状態を基準とした鉛直線方向の下側の領域が、径方向の厚みが、上側の領域よりも厚くなっている。
この径方向の厚みが厚い領域には、回転軸X方向に貫通してオイル溜り部128が設けられている。
オイル溜り部128は、第1ボックス11の接合部112に設けた連通孔112aを介して、第3ボックス13の接合部132に設けた軸方向油路138に連絡している。
第3ボックス13は、回転軸Xに直交する壁部130を有している。壁部130の外周部には、回転軸X方向から見てリング状を成す接合部132が設けられている。
第1ボックス11から見て第3ボックス13は、差動機構5とは反対側(図中、右側)に位置している。第3ボックス13の接合部132は、第1ボックス11の接合部112に回転軸X方向から接合されており、第3ボックス13と第1ボックス11は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。この状態において第1ボックス11は、支持壁部111の接合部122側(図中、右側)の開口が、第3ボックス13で封止される。
第3ボックス13では、壁部130の中央部に、ドライブシャフト9Aの挿通孔130aが設けられている。
挿通孔130aの内周には、リップシールRSが設けられている。リップシールRSは、図示しないリップ部をドライブシャフト9Aの外周に弾発的に接触させている。挿通孔130aの内周と、ドライブシャフト9Aの外周との隙間が、リップシールRSにより封止されている。
壁部130における第1ボックス11側(図中、左側)の面には、挿通孔130aを囲む周壁部131が設けられている。周壁部131の内周には、ドライブシャフト9AがベアリングB4を介して支持されている。
周壁部131から見てモータ2側(図中、左側)には、モータ支持部135が設けられている。モータ支持部135は、回転軸Xを所定間隔で囲む筒状を成している。
モータ支持部135の外周には、円筒状の接続壁136が接続されている。接続壁136は、壁部130側(図中、右側)の周壁部131よりも大きい外径で形成されている。接続壁136は、回転軸Xに沿う向きで設けられており、モータ2から離れる方向に延びている。接続壁136は、モータ支持部135と第3ボックス13の壁部130とを接続している。
モータ支持部135は、接続壁136を介して第3ボックス13で支持されている。モータ支持部135の内側を、モータシャフト20の一端20a側が、モータ2側から周壁部131側に貫通している。
モータ支持部135の内周には、ベアリングB1が支持されており、モータシャフト20の外周が、ベアリングB1を介してモータ支持部135で支持されている。
ベアリングB1に隣接する位置には、リップシールRSが設けられている。
第3ボックス13では、接続壁136の内周に、後記する油孔136aが開口しており、接続壁136で囲まれた空間(内部空間Sc)に、油孔136aからオイルOLが流入するようになっている。リップシールRSは、接続壁136内のオイルOLのモータ2側への流入を阻止するために設けられている。
第4ボックス14は、遊星減速ギア4と差動機構5の外周を囲む周壁部141と、周壁部141における第2ボックス12側の端部に設けられたフランジ状の接合部142と、を有している。
第4ボックス14は、第2ボックス12から見て差動機構5側(図中、左側)に位置している。第4ボックス14の接合部142は、第2ボックス12の接合部123に回転軸X方向から接合されており、第4ボックス14と第2ボックス12は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。
動力伝達装置1の本体ボックス10の内部には、モータ2を収容するモータ室Saと、遊星減速ギア4と差動機構5を収容するギア室Sbとが形成されている。
モータ室Saは、第1ボックス11の内側で、第2ボックス12の壁部120と、第3ボックス13の壁部130との間に形成されている。
ギア室Sbは、第4ボックス14の内径側で、第2ボックス12の壁部120と、第4ボックス14の周壁部141との間に形成されている。
ギア室Sbの内部には、プレート部材8が設けられている。
プレート部材8は、第4ボックス14に固定されている。
プレート部材8は、ギア室Sbを、遊星減速ギア4と差動機構5を収容する第1ギア室Sb1と、パークロック機構3を収容する第2ギア室Sb2とに区画している。
回転軸X方向において第2ギア室Sb2は、第1ギア室Sb1と、モータ室Saとの間に位置している。
モータ2は、円筒状のモータシャフト20と、モータシャフト20に外挿された円筒状のロータコア21と、ロータコア21の外周を所定間隔で囲むステータコア25とを、有する。
モータシャフト20では、ロータコア21の両側に、ベアリングB1、B1が外挿されて固定されている。
ロータコア21から見てモータシャフト20の一端20a側(図中、右側)に位置するベアリングB1は、第3ボックス13のモータ支持部135の内周に支持されている。他端20b側に位置するベアリングB1は、第2ボックス12の円筒状のモータ支持部125の内周に支持されている。
モータ支持部135、125は、後記するコイルエンド253a、253bの内径側で、ロータコア21の一方の端部21aと他方の端部21bに、回転軸X方向の隙間をあけて対向して配置されている。
ロータコア21は、複数の珪素鋼板を積層して形成したものであり、珪素鋼板の各々は、モータシャフト20との相対回転が規制された状態で、モータシャフト20に外挿されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成しており、珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
ロータコア21の外周を囲むステータコア25は、複数の電磁鋼板を積層して形成したものであり、第1ボックス11の円筒状の支持壁部111の内周に固定されている。
電磁鋼板の各々は、支持壁部111の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252と、を有している。
本実施形態では、巻線253を、複数のティース部252に跨がって分布巻きした構成のステータコア25を採用している。ステータコア25は、回転軸X方向に突出するコイルエンド253a、253bの分だけ、ロータコア21よりも回転軸X方向の長さが長くなっている。
なお、ロータコア21側に突出する複数のティース部252の各々に、巻線を集中巻きした構成のステータコアを採用しても良い。
モータシャフト20の他端20b側は、第2ボックス12の壁部120(モータ支持部125)に設けた開口120aを差動機構5側(図中、左側)に貫通して、第4ボックス14内に位置している。
モータシャフト20の他端20bは、第4ボックス14の内側で、後記するサイドギア54Aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
図3に示すように、モータシャフト20では、第4ボックス14内に位置する領域に、段部201が設けられている。段部201は、モータ支持部125の近傍に位置しており、段部201とベアリングB1との間の領域の外周には、モータ支持部125の内周に支持されたリップシールRSが当接している。
リップシールRSは、モータ2を収容するモータ室Saと、第4ボックス14内のギア室Sbとを区画している。
第4ボックス14の内径側には、遊星減速ギア4と差動機構5を潤滑するためのオイルOLが封入されている(図2参照)。
リップシールRSは、モータ室SaへのオイルOLの流入を阻止するために設けられている。
図3に示すように、モータシャフト20では、段部201から他端20bの近傍までの領域が、外周にスプラインが設けられた嵌合部202となっている。
嵌合部202の外周には、パークギア30とサンギア41がスプライン嵌合している。
パークギア30は、当該パークギア30の一方の側面が、段部201に当接していると共に、他方の側面に、サンギア41の円筒状の基部410の一端410aが当接している。
基部410の他端410bには、モータシャフト20の他端20bに螺合したナットNが、回転軸X方向から圧接している。
サンギア41とパークギア30は、ナットNと段部201との間に挟み込まれた状態で、モータシャフト20に対して相対回転不能に設けられている。
サンギア41は、モータシャフト20の他端20b側の外周に、歯部411を有している。歯部411の外周には、段付きピニオンギア43の大径歯車部431が噛合している。
段付きピニオンギア43は、サンギア41に噛合する大径歯車部431と、大径歯車部431よりも小径の小径歯車部432とを有している。
段付きピニオンギア43は、大径歯車部431と小径歯車部432が、回転軸Xに平行な軸線X1方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
大径歯車部431は、小径歯車部432の外径R2よりも大きい外径R1で形成されている。
段付きピニオンギア43は、軸線X1に沿う向きで設けられており、この状態において大径歯車部431をモータ2側(図中、右側)に位置させている。
小径歯車部432の外周は、リングギア42の内周に噛合している。リングギア42は、回転軸Xを所定間隔で囲むリング状を成している。リングギア42の外周には、径方向外側に突出する係合歯421が設けられている。係合歯421は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。
リングギア42は、外周に設けた係合歯421を、第4ボックス14の支持壁部146に設けた歯部146aにスプライン嵌合して設けられている。リングギア42は、回転軸X回りの回転が規制されている。
段付きピニオンギア43は、大径歯車部431と小径歯車部432の内径側を軸線X1方向に貫通した貫通孔430を有している。
段付きピニオンギア43は、貫通孔430を貫通したピニオン軸44の外周で、ニードルベアリングNB、NBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸44の外周では、大径歯車部431の内周を支持するニードルベアリングNBと、小径歯車部432の内周を支持するニードルベアリングNBとの間に中間スペーサMSが設けられている。
図4に示すように、ピニオン軸44の内部には、軸内油路440が設けられている。軸内油路440は、軸線X1に沿ってピニオン軸44の一端44aから、他端44bまで貫通している。
ピニオン軸44には、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させる油孔442、443が設けられている。
油孔443は、大径歯車部431の内周を支持するニードルベアリングNBが設けられた領域に開口している。
油孔442は、小径歯車部432の内周を支持するニードルベアリングNBが設けられた領域に開口している。
ピニオン軸44において油孔443、442は、段付きピニオンギア43が外挿された領域内に開口している。
さらに、ピニオン軸44には、オイルOLを軸内油路440に導入するための導入路441が設けられている。
ピニオン軸44の外周において導入路441は、後記する第2ケース部7の支持孔71a内に位置する領域に開口している。導入路441は、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させている。
支持孔71aの内周には、ケース内油路781が開口している。ケース内油路781は、第2ケース部7の基部71から突出するガイド部78の回転軸X側の外周と、支持孔71aの内周とを連通させている。
軸線X1に沿う断面視においてケース内油路781は、軸線X1に対して傾斜している。ケース内油路781は、回転軸X側に向かうにつれて、基部71に設けたスリット710に近づく向きで傾斜している。
ケース内油路781には、後記するデフケース50が掻き上げたオイルOLや、デフケース50の回転による遠心力で外径側に移動するオイルOLが流入するようになっている。
ケース内油路781から導入路441に流入したオイルOLは、ピニオン軸44の軸内油路440に流入する。軸内油路440に流入したオイルOLは、油孔442、443から径方向外側に排出されて、ピニオン軸44に外挿されたニードルベアリングNBを潤滑する。
図4に示すように、ピニオン軸44は、長手方向の一端44a側が、後記する第1ケース部6の支持孔61aで支持されており、他端44b側が、後記する第2ケース部7の支持孔71aで支持されている。この状態において、ピニオン軸44の中心線は、軸線X1と一致している。
具体的には、ピニオン軸44の一端44a側は、支持孔61aに圧入支持されることで第1ケース部6に固定されている。ピニオン軸44の他端44b側は、キャップボルトBaを介して第2ケース部7に固定されている。これにより、ピニオン軸44は、第1ケース部6と第2ケース部7に対して軸線X1回りに相対回転不能に固定されている。
ここで、第1軸部445は、ピニオン軸44における段付きピニオンギア43が外挿されていない一端44a側の領域を意味する。第2軸部446は、ピニオン軸44における段付きピニオンギア43が外挿されていない他端44b側の領域を意味する。
ピニオン軸44では、第1軸部445よりも第2軸部446のほうが、軸線X1方向の長さが長くなっている。
以下、差動機構5の主要構成を説明する。
図5は、差動機構5のデフケース50周りの斜視図である。
図6は、差動機構5のデフケース50周りの分解斜視図である。
図4から図6に示すように、差動機構5のデフケース50は、第1ケース部6と第2ケース部7を回転軸X方向で組み付けて形成される。本実施形態では、デフケース50の第1ケース部6と第2ケース部7が、遊星減速ギア4のピニオン軸44を支持するキャリアとしての機能を有している。
図6に示すように、デフケース50では、第1ケース部6と第2ケース部7との間に、ピニオンメートシャフト51と、ピニオンメートギア52が配置される。
ピニオンメートシャフト51は、回転軸X周りの周方向に等間隔で3つ設けられている(図6参照)。
ピニオンメートシャフト51各々の内径側の端部は、共通の連結部510に連結されている。
ピニオンメートギア52は、ピニオンメートシャフト51の各々に1つずつ外挿されている。ピニオンメートギア52の各々は、回転軸Xの径方向外側から、連結部510に接触している。
この状態においてピニオンメートギア52の各々は、ピニオンメートシャフト51で回転可能に支持されている。
図4に示すように、ピニオンメートシャフト51には、球面状ワッシャ53が外挿されており、球面状ワッシャ53は、ピニオンメートギア52の球面状の外周に接触している。
デフケース50では、第1ケース部6で回転可能に支持されたサイドギア54Aと、第2ケース部7で回転可能に支持されたサイドギア54Bが、回転軸X方向における連結部510の一方側と他方側に位置している。
サイドギア54Aは、回転軸X方向における一方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。サイドギア54Bは、回転軸X方向における他方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。
図7から図8は、第1ケース部6を説明する図である。図7の(a)は、第1ケース部6を第2ケース部7側から見た斜視図である。図7の(b)は、第1ケース部6を第2ケース部7側から見た平面図である。図8の(a)は、図7の(b)におけるA-A断面図であって、ピニオンメートシャフト51とピニオンメートギア52の配置を仮想線で示した図である。図8の(b)は、図7の(b)におけるA-A断面図であって、紙面奥側の連結梁62の図示を省略しつつ、サイドギア54Aと段付きピニオンギア43とドライブシャフト9Aの配置を仮想線で示した図である。
図7に示すように、第1ケース部6は、リング状の基部61を有している。基部61は、回転軸X方向に厚みW61を有する板状部材である。
図8に示すように、基部61の中央部には、開口60が設けられている。基部61における第2ケース部7とは反対側(図中、右側)の面には、開口60を囲む筒壁部611が設けられている。筒壁部611の外周は、ベアリングB3を介して、プレート部材8で支持されている(図2参照)。
基部61における第2ケース部7側(図中、左側)の面には、第2ケース部7側に延びる連結梁62が設けられている。
連結梁62は、回転軸X周りの周方向に、等間隔で3つ設けられている(図7参照)。
連結梁62は、基部61に対して直交する基部63と、基部63の幅W1よりも幅広の幅W2を有する連結部64と、を有している。
図8の(a)に示すように、連結部64の先端面64aは、回転軸Xに直交する平坦面であり、先端面64aには、ピニオンメートシャフト51を支持するための支持溝65が設けられている。
図7の(b)に示すように、回転軸X方向から見て支持溝65は、リング状の基部61の半径線Lに沿って、直線状に形成されている。支持溝65は、回転軸X周りの周方向における連結部64の中央部を、内径側から外径側に横断している。
図8に示すように、支持溝65は、ピニオンメートシャフト51の外径に沿う半円形を成している。支持溝65は、円柱状のピニオンメートシャフト51の半分を収容可能な深さ、すなわち、ピニオンメートシャフト51の直径Daの半分(=Da/2)に相当する深さで形成されている。
連結部64の内径側(回転軸X側)には、ピニオンメートギア52の外周に沿う形状で円弧部641が形成されている。
円弧部641では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される。
円弧部641では、前記した半径線Lに沿う向きで油溝642が設けられている。油溝642は、ピニオンメートシャフト51の支持溝65から、連結部64の内周に固定されたギア支持部66までの範囲に設けられている。
ギア支持部66は、基部63と連結部64との境界部に接続されている。ギア支持部66は、回転軸Xに直交する向きで設けられており、中央部に貫通孔660を有している。
図7の(b)に示すように、ギア支持部66の外周は、3つの連結部64の内周に接続されており、この状態において貫通孔660の中心は、回転軸X上に位置している。
図8に示すように、ギア支持部66では、基部61とは反対側(図中、左側)の面に、貫通孔660を囲む凹部661が設けられている。凹部661には、サイドギア54Aの裏面を支持するリング状のワッシャ55が収容される。
サイドギア54Aの裏面には、円筒状の筒壁部541が設けられており、ワッシャ55は筒壁部541に外挿されている。
回転軸X方向から見て、ギア支持部66における凹部661側の面には、油溝662が設けられている。油溝662は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。
油溝662は、前記した半径線Lに沿って、ギア支持部66の内周から外周まで及んでおり、前記した円弧部641側の油溝642に連絡している。
図7に示すように、基部61では、回転軸X周りの周方向で間隔をあけて配置された連結梁62、62の間の領域に、ピニオン軸44の支持孔61aが開口している。
基部61には、支持孔61aを囲むボス部616が設けられている。ボス部616には、ピニオン軸44に外挿されたワッシャWc(図8の(b)参照)が、回転軸X方向から接触する。
基部61では、中央の開口60からボス部616までの範囲に、油溝617が設けられている。
図7の(b)に示すように、油溝617は、ボス部616に近づくにつれて、回転軸X周りの周方向の幅が狭くなる先細り形状で形成されており、ボス部616に設けた油溝618に連絡している。
図8の(b)に示すように、基部61の支持孔61aには、ボス部616側からピニオン軸44の一端44a側が圧入されている。ピニオン軸44は、圧入により軸線X1回りの回転が規制された状態で第1ケース部6に固定されている。
この状態において、ピニオン軸44に外挿された段付きピニオンギア43の大径歯車部431が、ワッシャWcを間に挟んで、軸線X1方向からボス部616に当接している。
連結部64では、支持溝65の両側に、ボルト穴67、67が設けられている。
第1ケース部6の連結部64には、第2ケース部7側の連結部74が回転軸X方向から接合される。第1ケース部6と第2ケース部7は、第2ケース部7側の連結部74を貫通したボルトBが、ボルト穴67、67に螺入されて、互いに接合される。
図9から図11は、第2ケース部7を説明する図である。
図9の(a)は、第2ケース部7を第1ケース部6側から見た斜視図である。
図9の(b)は、第2ケース部7を第1ケース部6側から見た平面図である。
図10の(a)は、図9の(b)におけるA-A断面図であって、ピニオンメートシャフト51とピニオンメートギア52の配置を仮想線で示した図である。
図10の(b)は、図9の(b)におけるA-A断面図であって、紙面奥側の連結部74の図示を省略しつつ、サイドギア54Bと段付きピニオンギア43とドライブシャフト9Bの配置を仮想線で示した図である。
図11の(a)は、第2ケース部7を第1ケース部6とは反対側から見た斜視図である。
図11の(b)は、第2ケース部7を第1ケース部6とは反対側から見た平面図である。
図10に示すように、第2ケース部7は、リング状の基部71を有している。
基部71は、回転軸X方向に厚みW71を有する板状部材である。
基部71の中央部には、基部71を厚み方向に貫通する貫通孔70が設けられている。
基部71における第1ケース部6とは反対側(図中、左側)の面には、貫通孔70を囲む筒壁部72と、筒壁部72を所定間隔で囲む周壁部73が設けられている。
周壁部73の先端には、回転軸X側に突出する突起部73aが設けられている。突起部73aは、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
図11の(b)に示すように周壁部73の外径側には、ピニオン軸44の支持孔71aが開口している。支持孔71aは、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。
周壁部73の内径側には、基部71を厚み方向に貫通するスリット710が設けられている。
回転軸X方向から見てスリット710は、周壁部73の内周に沿う弧状を成している。スリット710は、回転軸X周りの周方向に所定の角度範囲で形成されている。
第2ケース部7においてスリット710は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。スリット710の各々は、支持孔71aの内径側を、回転軸X周りの周方向に横切って設けられている。
回転軸X周りの周方向で隣り合うスリット710、710の間には、紙面手前側に突出した突出壁711が設けられている。突出壁711は、回転軸Xの径方向に直線状に延びており、外径側の周壁部73と内径側の筒壁部72とに跨がって設けられている。
突出壁711は、回転軸X周りの周方向に所定間隔で3つ設けられている。突出壁711は、スリット710に対して、回転軸X周りの周方向に大凡45度位相をずらして設けられている。
周壁部73の外径側では、回転軸X周りの周方向で隣り合う支持孔71a、71aの間に、紙面奥側に窪んだボルト収容部76、76が設けられている。これらボルト収容部76、76は、半径線Lを間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。ボルト収容部76は、基部71の外周71cに開口している。
ボルト収容部76の内側には、ボルトの挿通孔77が開口している。挿通孔77は、基部71を厚み方向(回転軸X方向)に貫通している。
図9に示すように、基部71における第1ケース部6側(図中、右側)の面には、第1ケース部6側に突出する連結部74が設けられている。
連結部74は、回転軸X周りの周方向に、等間隔で3つ設けられている。連結部74は、第1ケース部6側の連結部64と同じ周方向の幅W7で形成されている。
図10の(a)に示すように、連結部74の先端面74aは、回転軸Xに直交する平坦面であり、先端面74aには、ピニオンメートシャフト51を支持するための支持溝75が設けられている。
図9の(b)に示すように、回転軸X方向から見て支持溝75は、基部71の半径線Lに沿って直線状に形成されている。支持溝75は、連結部74を内径側から外径側に横断して形成されている。
図5に示すように、支持溝75は、ピニオンメートシャフト51の外径に沿う半円形を成している。
図10の(a)に示すように、支持溝75は、円柱状のピニオンメートシャフト51の半分を収容可能な深さ、すなわち、ピニオンメートシャフト51の直径Daの半分(=Da/2)に相当する深さで形成されている。
連結部74の内径側(回転軸X側)には、ピニオンメートギア52の外周に沿う円弧部741が設けられている。
円弧部741では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される(図10参照)。
円弧部741では、前記した半径線Lに沿う向きで油溝742が設けられている。油溝742は、ピニオンメートシャフト51の支持溝75から、連結部74の内周に位置する基部71までの範囲に設けられている。
油溝742は、基部71の表面71bに設けた油溝712に連絡している。回転軸X方向から見て油溝712は、半径線Lに沿って設けられており、基部71に設けた貫通孔70まで形成されている。
基部71の表面71bには、サイドギア54Bの裏面を支持するリング状のワッシャ55が載置される。サイドギア54Bの裏面には、円筒状の筒壁部540が設けられており、ワッシャ55は筒壁部540に外挿されている。
貫通孔70を囲む筒壁部72の内周には、油溝712と交差する位置に油溝721が形成されている。筒壁部72の内周では、油溝721が、回転軸Xに沿う向きで、筒壁部72の回転軸X方向の全長に亘って設けられている。
図9に示すように、第2ケース部7の基部71では、回転軸X周りの周方向で隣り合う連結部74、74の間に、第1ケース部6側(紙面手前側)に突出して、ガイド部78が設けられている。
回転軸X方向から見て、ガイド部78は筒状を成しており、基部71に設けた支持孔71aを囲んでいる。ガイド部78の外周部は、基部71の外周71cに沿って切除されている。
図4に示すように、基部71には、軸線X1方向におけるガイド部78と反対側に、座ぐり部79が形成されている。座ぐり部79は、軸線X1方向におけるガイド部78側にへこんでいる。
座ぐり部79は、軸線X1に直交する平坦面からなる座面791と、軸線X1を中心に座面791を円形に囲む周壁部792と、から構成される。軸線X1方向における周壁部792の長さは、キャップボルトBaの頭部B10の長さh2よりも僅かに長い長さh1を有している(h1>h2)。
軸線X1に沿う断面視において、支持孔71aには、ガイド部78側からピニオン軸44が挿入されている。この状態において、ピニオン軸44は、他端44bが軸線X1方向で座面791より突出しない長さに設定されている。
ピニオン軸44の他端44bには、ボルト穴44cが開口している。ボルト穴44cの中心線はピニオン軸44の中心線と同軸である。
図6に示すように、ピニオン軸44は、座ぐり部79側からボルト穴44cにキャップボルトBaを螺入することで、軸線X1回りの回転が規制された状態で第2ケース部7に固定されている。
この状態において、キャップボルトBaの頭部B10は、座ぐり部79内に収容され、軸線X1方向で頭部B10が基部71から突出しないようになっている(図4、5参照)。
この状態において、ピニオン軸44に外挿された段付きピニオンギア43の小径歯車部432が、ワッシャWcを間に挟んで、軸線X1方向からガイド部78に当接している(図10参照)。
図4に示すように、デフケース50では、第2ケース部7の筒壁部72に、ベアリングB2が外挿されている。筒壁部72に外挿されたベアリングB2は、第4ボックス14の支持部145で保持されており、デフケース50の筒壁部72は、ベアリングB2を介して、第4ボックス14で回転可能に支持されている。
支持部145には、第4ボックス14の開口部145aを貫通したドライブシャフト9Bが、回転軸X方向から挿入されており、ドライブシャフト9Bは、支持部145で回転可能に支持されている。
開口部145aの内周には、リップシールRSが固定されており、リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト9Bに外挿されたサイドギア54Bの筒壁部540の外周に弾発的に接触している。
これにより、サイドギア54Bの筒壁部540の外周と開口部145aの内周との隙間が封止されている。
デフケース50の第1ケース部6は、筒壁部611に外挿されたベアリングB3を介して、プレート部材8で支持されている(図2参照)。
第1ケース部6の内部には、第3ボックス13の挿通孔130aを貫通したドライブシャフト9Aが、回転軸方向から挿入されている。
ドライブシャフト9Aは、モータ2のモータシャフト20と、遊星減速ギア4のサンギア41の内径側を回転軸X方向に横切って設けられている。
図4に示すように、デフケース50の内部では、ドライブシャフト9A、9Bの先端部の外周に、サイドギア54A、54Bがスプライン嵌合しており、サイドギア54A、54Bとドライブシャフト9(9A、9B)とが、回転軸X周りに一体回転可能に連結されている。
この状態においてサイドギア54A、54Bは、回転軸X方向で間隔をあけて、対向配置されており、サイドギア54A、54Bの間に、ピニオンメートシャフト51の連結部510が位置している。
本実施形態では、合計3つのピニオンメートシャフト51が、連結部510から径方向外側に延びている。ピニオンメートシャフト51の各々で支持されたピニオンメートギア52は、回転軸X方向の一方側に位置するサイドギア54Aおよび他方側に位置するサイドギア54Bに、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
図2に示すように、第4ボックス14の内部には、潤滑用のオイルOLが貯留されている。デフケース50の下部側は、貯留されたオイルOL内に位置している。
本実施形態では、連結梁62が最も下部側に位置した際に、連結梁62がオイルOL内に位置する高さまで、オイルOLが貯留されている。
貯留されたオイルOLは、モータ2の出力回転の伝達時に、回転軸X回りに回転するデフケース50により掻き上げられるようになっている。
図12から図15は、オイルキャッチ部15を説明する図である。
図12の(a)は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た平面図である。図12の(b)は、図12の(a)に示したオイルキャッチ部15を斜め上方から見た斜視図である。
図13の(a)は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た平面図であって、デフケース50を配置した状態を示した図である。図13の(b)は、図13の(a)に示したオイルキャッチ部15を斜め上方から見た斜視図である。
図14は、図13の(a)におけるA-A断面図である。
図15は、動力伝達装置1を上方から見た場合におけるオイルキャッチ部15と、デフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)との位置関係を説明する模式図である。
尚、図12の(a)および図13の(a)では、第4ボックス14の接合部142と、支持壁部146の位置を明確にするために、ハッチングを付して示している。
図12の(a)に示すように、回転軸X方向から見て第4ボックス14には、中央の開口部145aを所定間隔で囲む支持壁部146が設けられており、支持壁部146の内側(回転軸X)側が、デフケース50の収容部140となっている。
第4ボックス14内の上部には、オイルキャッチ部15の空間と、ブリーザ室16の空間が形成されている。
第4ボックス14の支持壁部146では、鉛直線VLと交差する領域に、オイルキャッチ部15と、デフケース50の収容部140とを連通させる連通口147が設けられている。
オイルキャッチ部15とブリーザ室16は、回転軸Xと直交する鉛直線VLを挟んだ一方側と他方側に、それぞれ位置している。
オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転中心(回転軸X)を通る鉛直線VLからオフセットした位置に配置されており、上方からオイルキャッチ部15を見ると、オイルキャッチ部15は、デフケース50の真上からオフセットした位置に配置されている。
ここで、鉛直線VLは、動力伝達装置1の車両での設置状態を基準とした鉛直線VLであり、回転軸X方向から見て鉛直線VLは、回転軸Xと直交している。
オイルキャッチ部15は、支持壁部146よりも紙面奥側まで及んで形成されている。
オイルキャッチ部15の下縁には、紙面手前側に突出して支持台部151が設けられている。支持台部151は、支持壁部146よりも紙面手前側であって、第4ボックス14の接合部142よりも紙面奥側までの範囲に設けられている。
回転軸X方向から見て、オイルキャッチ部15の鉛直線VL側(図中、右側)には、オイルキャッチ部15と、デフケース50の収容部140とを連通させる連通口147が、支持壁部146の一部を切り欠いて形成されている。
回転軸X方向から見て連通口147は、鉛直線VLをブリーザ室16側(図中、右側)から、オイルキャッチ部15側(図中、左側)に横切る範囲に設けられている。
図13の(a)に示すように、本実施形態では、動力伝達装置1を搭載した車両の前進走行時に、第3ボックス13側から見てデフケース50は、回転軸X周りの反時計回り方向CCWに回転する。
そのため、オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置している。そして、連通口147の周方向の幅は、鉛直線VLを挟んだ左側(デフケース50の回転方向における下流側)のほうが、右側(デフケース50の回転方向における上流側)よりも広くなっている。これにより、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、オイルキャッチ部15内に流入できるようになっている。
さらに、図15に示すように、第2軸部446の回転軌道の外周位置と、大径歯車部431の回転軌道の外周位置は、回転軸Xの径方向でオフセットしており、第2軸部446の回転軌道の外周位置のほうが、大径歯車部431の回転軌道の外周位置よりも内径側に位置している。
そのため、第2軸部446の外径側に空間的な余裕があり、この空間を利用して、オイルキャッチ部15を設けることで、本体ボックス10内の空間スペースの有効利用が可能となっている。
そして、第2軸部446は、モータ2から見て小径歯車部432の奥側に突出しており、第2軸部446の周辺部材(例えば、第2軸部446を支持するデフケース50のガイド部78)が、オイルキャッチ部15に近接した位置になる。
よって、当該周辺部材からオイルキャッチ部15へのオイルOL(潤滑油)の供給をスムーズに行うことができるようになっている。
図12の(b)に示すように、支持台部151の奥側には、油孔151aの外径側の端部が開口している。油孔151aは、第4ボックス14内を内径側に延びており、油孔151aの内径側の端部は、支持部145の内周に開口している。
図2に示すように、支持部145において油孔151aの内径側の端部は、リップシールRSとベアリングB2との間に開口している。
図13の(b)および図15に示すように、支持台部151には、オイルガイド152が載置されている。
オイルガイド152は、キャッチ部153と、キャッチ部153から第1ボックス11側(図13の(b)における紙面手前側)に延びるガイド部154とを有している。
図15に示すように、上方から見て支持台部151は、回転軸Xの径方向外側で、デフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)の一部に重なる位置に、段付きピニオンギア43(大径歯車部431)との干渉を避けて設けられている。
回転軸Xの径方向から見て、キャッチ部153は、ピニオン軸44の第2軸部446と重なる位置に設けられている。さらにガイド部154は、ピニオン軸44の第1軸部445と大径歯車部431と重なる位置に設けられている。
そのため、デフケース50が回転軸X回りに回転する際に、デフケース50で掻き上げられたオイルOLが、キャッチ部153とガイド部154側に向けて移動するようになっている。
キャッチ部153の外周縁には、支持台部151から離れる方向(上方向)に延びる壁部153aが設けられており、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの一部が、オイルガイド152に貯留できるようになっている。
キャッチ部153の奥側(図13の(b)における紙面奥側)では、壁部153aに切欠部155が設けられている。
切欠部155は、油孔151aに対向する領域に設けられており、キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部が、切欠部155の部分から油孔151aに向けて排出されるようになっている。
ガイド部154は、キャッチ部153から離れるにつれて下方に位置する向きで傾斜している。ガイド部154の幅方向の両側には、壁部154a、154aが設けられている。壁部154a、154aは、ガイド部154の長手方向の全長に亘って設けられており、キャッチ部153の外周を囲む壁部153aに接続されている。
そのため、キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部が、ガイド部154側にも排出されるようになっている。
図14に示すように、ガイド部154は、デフケース50との干渉を避けた位置を、第2ボックス12側に延びており、ガイド部154の先端154bは、第2ボックス12の壁部120に設けた貫通孔126aに、回転軸X方向の隙間を空けて対向している。
壁部120の外周には、貫通孔126aを囲むボス部126が設けられており、ボス部126には、回転軸X方向から配管127の一端が嵌入している。
配管127は、第2ボックス12の外側を通って第3ボックス13まで及んでおり、配管127の他端は、第3ボックスの円筒状の接続壁136に設けた油孔136a(図2参照)に連通している。
そのため、本実施形態では、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられて、オイルキャッチ部15に到達したオイルOLの一部が、ガイド部154と配管127を通って、接続壁136の内部空間Scに供給されるようになっている。
第3ボックス13には、内部空間Scに連通する径方向油路137が設けられている。
径方向油路137は、内部空間Scから径方向下側に延びており、接合部132内に設けた軸方向油路138に連通している。
軸方向油路138は、第1ボックス11の接合部112に設けた連通孔112aを介して、第2ボックス12の下部に設けたオイル溜り部128に連絡している。
オイル溜り部128は、周壁部121内を回転軸X方向に貫通しており、第4ボックス14に設けた第2ギア室Sb2に連絡している。
かかる構成の動力伝達装置1の作用を説明する。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
モータ2の駆動により、ロータコア21が回転軸X回りに回転すると、ロータコア21と一体に回転するモータシャフト20を介して、遊星減速ギア4のサンギア41に回転が入力される。
図3に示すように、遊星減速ギア4では、サンギア41が、モータ2の出力回転の入力部となっており、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50が、入力された回転の出力部となっている。
サンギア41が入力された回転で回転軸X回りに回転すると、段付きピニオンギア43(大径歯車部431、小径歯車部432)が、サンギア41側から入力される回転で、軸線X1回りに回転する。
ここで、段付きピニオンギア43の小径歯車部432は、第4ボックス14の内周に固定されたリングギア42に噛合している。そのため、段付きピニオンギア43は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
ここで、段付きピニオンギア43では、小径歯車部432の外径R2が大径歯車部431の外径R1よりも小さくなっている(図3参照)。
これにより、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)が、モータ2側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア4のサンギア41に入力された回転は、段付きピニオンギア43により、大きく減速されたのちに、デフケース50(差動機構5)に出力される。
そして、デフケース50が入力された回転で回転軸X回りに回転することにより、デフケース50内で、ピニオンメートギア52と噛合するドライブシャフト9(9A、9B)が回転軸X回りに回転する。これにより動力伝達装置1が搭載された車両の左右の駆動輪(図示せず)が、伝達された回転駆動力で回転する。
図2に示すように、第4ボックス14の内部には、潤滑用のオイルOLが貯留されている。そのため、貯留されたオイルOLは、モータ2の出力回転の伝達時に、回転軸X回りに回転するデフケース50により掻き上げられる。
掻き上げられたオイルOLにより、サンギア41と大径歯車部431との噛合部と、小径歯車部432とリングギア42との噛合部と、ピニオンメートギア52とサイドギア54A、54Bとの噛合部とが潤滑される。
図13の(a)に示すように、第3ボックス13側から見てデフケース50は、回転軸X周りの反時計回り方向CCWに回転する。
第4ボックス14の上部には、オイルキャッチ部15が設けられている。オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置しており、デフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、オイルキャッチ部15内に流入する。
図15に示すように、オイルキャッチ部15内には、支持台部151に載置されたオイルガイド152が設けられている。
デフケース50の第1ケース部6の径方向外側と、デフケース50の第2ケース部7の径方向外側に、オイルガイド152のガイド部154とキャッチ部153が位置している。
そのため、デフケース50で掻き上げられてオイルキャッチ部15内に流入したオイルの多くが、オイルガイド152に捕捉される。
オイルガイド152に捕捉されたオイルOLの一部は、壁部153aに設けた切欠部155から排出されて、支持台部151の上面に一端が開口した油孔151aに流入する。
油孔151aの内径側の端部は、支持部145の内周に開口している(図2参照)。そのため、油孔151aに流入したオイルOLは、第4ボックス14の支持部145の内周と、サイドギア54Bの筒壁部540との間の隙間Rxに排出される。
隙間Rxに排出されたオイルOLの一部は、支持部145で支持されたベアリングB2を潤滑したのち、デフケース50の回転による遠心力で外径側に移動する。デフケース50の外径側では、周壁部73の内周に沿ってスリット710が設けられている。外径側に移動したオイルOLは、外径側への移動が周壁部73により妨げられてスリット710を第1ケース部6側に通過する。
スリット710の第1ケース部6側には、ガイド部78の内周にケース内油路781が開口しており、スリット710を通過したオイルOLの一部が、デフケース50の回転による遠心力によりケース内油路781内に流入する。
ケース内油路781に流入したオイルOLは、導入路441を通ってピニオン軸44の軸内油路440に流入する。軸内油路440に流入したオイルOLは、油孔442、443から径方向外側に排出されて、ピニオン軸44に外挿されたニードルベアリングNBを潤滑する。
さらに、隙間Rxに排出されたオイルOLの一部は、図10に示すように、第2ケース部7の筒壁部72の内周に設けた油溝721を通ってサイドギア54Bの裏面を支持するワッシャ55に供給されて、ワッシャ55を潤滑する。
さらに、第2ケース部7の基部71に設けた油溝712と、円弧部741に設けた油溝742を通って、ピニオンメートギア52の裏面を支持する球面状ワッシャ53に供給されて、球面状ワッシャ53を潤滑する。
また、オイルキャッチ部15のオイルガイド152に捕捉されたオイルOLの一部は、ガイド部154側に排出される(図13の(b)参照)。ガイド部154の先端154bは、第2ボックス12の壁部120に設けた貫通孔126aに、回転軸X方向の隙間を空けて対向している(図14参照)。
そのため、ガイド部154側に排出されたオイルOLの多くが、第2ボックス12の貫通孔126aに流入する。
壁部120の外周には、貫通孔126aを囲むボス部126が設けられており、ボス部126には、回転軸X方向から配管127の一端が嵌入している。
配管127は、第2ボックス12の外側を通って第3ボックス13まで及んでおり、配管127の他端は、第3ボックスの円筒状の接続壁136に設けた油孔136a(図2参照)に連通している。
そのため、本実施形態では、オイルキャッチ部15に到達したオイルOLの一部が、ガイド部154と配管127を通って、接続壁136の内部空間Scに供給される。
油孔136aから内部空間Scに排出されたオイルOLは、内部空間Scに貯留されると共に、第3ボックス13の周壁部131で支持されたベアリングB4を潤滑する。
内部空間Scに排出されたオイルOLの一部は、ドライブシャフト9Aの外周とモータシャフト20の内周との隙間を通って、モータシャフト20の他端20b側まで移動する。
図8に示すように、モータシャフト20の他端20bは、サイドギア54Aの筒壁部541の内側に挿入されている。筒壁部541の内周には、サイドギア54Aの裏面に連通する連絡路542が設けられている。
そのため、モータシャフト20の他端20b側まで移動して、筒壁部541の内側に排出されたオイルOLの一部は、連絡路542を通って、サイドギア54Aの裏面のワッシャ55に供給されて、ワッシャ55を潤滑する。
さらに、サイドギア54Aの裏面のワッシャ55を潤滑したオイルOLは、第1ケース部6のギア支持部66に設けた油溝662と、円弧部641に設けた油溝642を通って、ピニオンメートギア52の裏面を支持する球面状ワッシャ53に供給されて、球面状ワッシャ53を潤滑する。
また、図2に示すように、第3ボックス13の内部空間Scは、径方向油路137と、軸方向油路138と、連通孔112aと、第2ボックス12の下部に設けたオイル溜り部128と、を介して、第4ボックス14に設けた第2ギア室Sb2に連絡している。
そのため、内部空間Sc内のオイルOLは、第4ボックス14内に貯留されたオイルOLと同じ高さ位置に保持される。
このように、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、オイルキャッチ部15内に流入し、オイルキャッチ部15から、第4ボックス14の支持部145内に供給されてベアリングB2を潤滑すると共に、第3ボックス13内の内部空間Scに供給されてベアリングB4を潤滑する。
そして、これらベアリングB2、B4を潤滑したオイルOLは、最終的に第4ボックス14内に戻されて、回転するデフケース50により掻き上げられる。
よって、動力伝達装置1では、駆動輪W、Wの回転時に第4ボックス14内のオイルOLが掻き上げられて、ベアリングや、ギア同士の噛合部の潤滑に用いられたのち、第4ボックス14内に戻されて、再び掻き上げられるようになっている。
本実施形態にかかる差動機構5の組立手順について説明する。
図16、17は、差動機構5の組立手順を順番に説明する図である。
差動機構5の組立は、回転軸Xを鉛直線VL方向に沿わせた状態で、図示しない組立用治具の上で行う。
(i)まず、第1ケース部6の中心線(回転軸X)を、鉛直線VL方向に沿わせた状態で組立用治具上に固定する。第1ケース部6は、連結部64側を鉛直線VL方向上側に向けた状態で固定されている(図16の(a)参照)。そして、段付きピニオンギア43が外挿されたピニオン軸44について、当該ピニオン軸44の一端44a側を支持孔61aに圧入する(図16の(a)における黒矢印参照)。
これにより、第1ケース部6に対するピニオン軸44の位置が決まる(図16の(b)参照)。
(ii)次に、サイドギア54Aの筒壁部541を、ギア支持部66の貫通孔660に挿入する。そして、ワッシャ55を挟んでサイドギア54Aの裏面をギア支持部66の凹部661に当接させる(図16の(c)における黒矢印参照)。
(iii)次に、ピニオンメートギア52が外挿されたピニオンメートシャフト51を、第1ケース部6の支持溝65に配置すると共に、ピニオンメートギア52をサイドギア54Aに噛合させる(図17の(a)参照)。
(iv)そして、サイドギア54Bが筒壁部72に挿入された第2ケース部7を第1ケース部6に取り付ける(図17の(a)における黒矢印参照)。具体的には、第2ケース部7の挿通孔77を第1ケース部6のボルト穴67に重ねて、ボルトBで固定する(図5、6参照)。
この状態において、サイドギア54Bはピニオンメートギア52に噛合している。また、第1ケース部6と第2ケース部7は、支持溝65、75でピニオンメートシャフト51を互いに挟み込むと共に、支持孔61a、71aでピニオン軸44の一端44aと他端44bを支持している(図17の(b)参照)。
ピニオン軸44は、一端44a側が第1ケース部6の支持孔61aに圧入支持され、他端44b側が第2ケース部7の支持孔71aに遊嵌している。
(v)最後に、第2ケース部7の座ぐり部79側からピニオン軸44のボルト穴44cにキャップボルトBaを螺入する(図17の(c)における黒矢印参照)。これにより、ピニオン軸44の他端44b側が第2ケース部7に固定される。
キャップボルトBaをピニオン軸44のボルト穴44cに螺入して締め込む際に、ピニオン軸44の中心線が回転軸Xと平行な軸線X1に沿うように位置決めされる。
以上の通り、本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置1は、
差動機構5と、
差動機構5を収容するデフケース50と、
デフケース50に支持されたピニオン軸44と、
ピニオン軸44を軸心とする段付きピニオンギア43と、を有する。
デフケース50は、ピニオン軸44の一端44aを圧入支持する第1ケース部6(第1部材)と、ピニオン軸44の他端44bをキャップボルトBaで支持(非圧入支持)する第2ケース部7(第2部材)と、がボルトBにより締結されている。
ピニオン軸44の支持を両端とも非圧入支持(例えばキャップボルトBa)とすると、ピニオン軸44は、組立時において軸線X1周りの周方向に変位する。そうすると、軸線X1周りの周方向の変位を規制するための位置決めピンが必要となり、部品点数が増加する。ケース内油路781と導入路441との連通を確保するためである。
一方で、ピニオン軸44の支持を両端とも圧入支持とすると、ピニオン軸44の両端を圧入した後にボルトBを螺入することになる。この場合において、製造ばらつきによりボルト穴67と挿通孔77の位置がずれていると、ボルトBが螺入できないことがある。ピニオン軸44の両端を圧入した後に、ボルト穴67と挿通孔77の位置の微調整をすることは難しいため、組立性が悪くなる。
そこで、上記のように構成して、非圧入、圧入の組み合わせとすることにより、圧入側で軸線X1周りの周方向の変位を規制する位置決めピンの機能を発揮させ、非圧入側でボルト穴67と挿通孔77の位置の微調整を可能とし、組立性を向上することができる。
本実施形態では、ピニオン軸44の一端44a側を圧入による支持とし、他端44b側をキャップボルトBaによる非圧入支持とした場合を例示したがこれに限られない。例えば、ピニオン軸44は、一端44a側をキャップボルトBaによる非圧入支持とし、他端44b側を圧入による支持としても良い。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(2)デフケース50の第2ケース部7は、軸線X1方向にへこむ座ぐり部79(凹部)を有している。
キャップボルトBaの頭部B10は、座ぐり部79内に収容される。
このように構成すると、キャップボルトBaの頭部B10が第2ケース部7からはみ出て大型化することを抑制することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(3)差動機構5のピニオンメートシャフト51(傘歯車の軸)は、第1ケース部6の支持溝65(切欠部)と第2ケース部7の支持溝75(切欠部)とに挟まれて配置されている。
このように構成すると、組立時にピニオンメートシャフト51を挿入して組み立てるのでなく、挟み込んで組み立てることができるので、組立性を向上することができる。
本実施形態にかかる動力伝達装置1は、以下の構成を有している。
(4)差動機構5の上流にはモータ2が配置されている。
差動機構5は、モータ2と回転軸X方向にオーバーラップしている。
このように構成すると、1軸の電気自動車用の動力伝達装置であり、コンパクトな動力伝達装置を提供することができる。
さらに、本願発明は、動力伝達装置1の製造方法としても特定可能である。
すなわち、
(5)デフケース50は、ピニオン軸44の一端44aを支持する第1ケース部6(第1部材)と、ピニオン軸44の他端44bを支持する第2ケース部7(第2部材)と、がボルトBにより締結されている動力伝達装置1の製造方法であって、
ピニオン軸44の一端44aが第1ケース部6を圧入支持する工程と、ピニオン軸44の他端44bが第2ケース部7を非圧入支持する工程と、を有する。
このように構成すると、圧入支持側で軸線X1周りの周方向の変位を規制する位置決めピンの機能が発揮され、非圧入支持側でボルト穴67と挿通孔77の位置の微調整を可能となるので、組立性の高い動力伝達装置の製造方法を提供することができる。
なお、支持の順序は限定されないが、圧入支持の後に非圧入支持とすることが組立性の観点から好ましい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
1 動力伝達装置
10 本体ボックス
11 第1ボックス
12 第2ボックス
13 第3ボックス
14 第4ボックス
140 収容部
141 周壁部
142 接合部
145 支持部
145a 開口部
146 支持壁部
146a 歯部
147 連通口
15 オイルキャッチ部
151 支持台部
151a 油孔
152 オイルガイド
153 キャッチ部
154 ガイド部
16 ブリーザ室
2 モータ
20 モータシャフト
21 ロータコア
25 ステータコア
3 パークロック機構
4 遊星減速ギア
41 サンギア
42 リングギア
43 段付きピニオンギア
44 ピニオン軸
44a 一端
44b 他端
44c ボルト穴
430 貫通孔
431 大径歯車部
432 小径歯車部
440 軸内油路
441 導入路
442、443 油孔
445 第1軸部
446 第2軸部
5 差動機構
50 デフケース
51 ピニオンメートシャフト
52 ピニオンメートギア
53 球面状ワッシャ
54A、54B サイドギア
55 ワッシャ
6 第1ケース部
60 開口
61 基部
61a 支持孔
611 筒壁部
616 ボス部
617、618 油溝
62 連結梁
63 基部
64 連結部
641 円弧部
642 油溝
65 支持溝
66 ギア支持部
660 貫通孔
661 凹部
662 油溝
67 ボルト穴
7 第2ケース部
70 貫通孔
71 基部
71a 支持孔
710 スリット
711 突出壁
712 油溝
72 筒壁部
721 油溝
73 周壁部
74 連結部
741 円弧部
742 油溝
75 支持溝
76 ボルト収容部
77 挿通孔
78 ガイド部
781 ケース内油路
79 座ぐり部
791 座面
792 周壁部
8 プレート部材
9(9A、9B) ドライブシャフト
B ボルト
B1、B2、B3、B4 ベアリング
B10 頭部
Ba キャップボルト
CP 冷却路
L 半径線
MS 中間スペーサ
N ナット
NB ニードルベアリング
OL オイル
RS リップシール
Rx 隙間
Sa モータ室
Sb ギア室
Sb1 第1ギア室
Sb2 第2ギア室
Sc 内部空間
VL 鉛直線
W 駆動輪
Wc ワッシャ
X 回転軸
X1 軸線

Claims (3)

  1. 差動機構と、
    前記差動機構を収容するケースと、
    前記ケースに支持されたピニオン軸と、
    前記ピニオン軸を軸心とするピニオンギアと、を有し、
    前記ケースは、前記ピニオン軸の一端を圧入支持する第1部材と、前記ピニオン軸の他端を非圧入支持する第2部材と、が第1のボルトにより締結されており、
    前記差動機構の傘歯車の軸は、前記第1部材の切欠部と前記第2部材の切欠部とに挟まれて配置されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記ピニオン軸の前記他端は、第2のボルトにより前記第2部材に締結されており、
    前記ケースは、前記ピニオン軸の軸方向にへこむ凹部を有し、
    前記第2のボルトの頭部が、前記凹部内に収容されることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記差動機構の上流に配置されるモータを有し、
    前記差動機構は、前記モータと回転軸方向にオーバーラップすることを特徴とする動力伝達装置。
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