JP7073031B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
この遊星歯車機構は、ラージピニオンギアとスモールピニオンギアとを有するステップドピニオンギアを、備えている。
モータと軸方向にオーバラップする差動機構と、
前記差動機構を収容するケースと、
前記ケースに支持されたピニオンギアと、
前記ピニオンギアと噛合するリングギアと、をボックス内に有し、
前記ボックスは、前記リングギアの外周において前記リングギアと係合する係合部を有し、
前記係合部から前記モータに向かって前記軸方向に突出する肉盛部に、パークロック機構のマニュアルシャフトが挿入支持されている。
図1は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明するスケルトン図である。
図2は、本実施形態にかかる動力伝達装置1を説明する断面の模式図である。
図3は、動力伝達装置1の遊星減速ギア4周りの拡大図である。
図4は、動力伝達装置1の差動機構5周りの拡大図である。
動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、パークロック機構3と、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
ここで、遊星減速ギア4は、モータ2の下流に接続されている。差動機構5は、遊星減速ギア4の下流に接続されている。ドライブシャフト9(9A、9B)は、差動機構5の下流に接続されている。
第1ボックス11は、支持壁部111をモータ2の回転軸Xに沿わせた向きで設けられている。支持壁部111の内側には、モータ2が収容される。
周壁部121は、第1ボックス11の支持壁部111に外挿可能な内径で形成されている。
第1ボックス11と第2ボックス12は、第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121を外挿して互いに組み付けられている。
第1ボックス11では、支持壁部111の外周に複数の凹溝111bが設けられている。複数の凹溝111bは、回転軸X方向に間隔をあけて設けられている。凹溝111bの各々は、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
第1ボックス11の支持壁部111に、第2ボックス12の周壁部121が外挿される。凹溝111bの開口が周壁部121で閉じられている。支持壁部111と周壁部121との間に、冷却水が通流する複数の冷却路CPが形成される。
これらシールリング113は、支持壁部111に外挿された周壁部121の内周に圧接して、支持壁部111の外周と、周壁部121の内周との間の隙間を封止する。
壁部120では、モータ2側(図中、右側)の面に、開口120aを囲む筒状のモータ支持部125が設けられている。
モータ支持部125は、後記するコイルエンド253bの内側に挿入されている。モータ支持部125は、ロータコア21の端部21bに回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
この径方向の厚みが厚い領域には、回転軸X方向に貫通してオイル溜り部128が設けられている。
オイル溜り部128は、連通孔112aを介して、第3ボックス13の接合部132に設けた軸方向油路138に連絡している。連通孔112aは、第1ボックス11の接合部112に設けられている。
第1ボックス11から見て第3ボックス13は、差動機構5とは反対側(図中、右側)に位置している。第3ボックス13の接合部132は、第1ボックス11の接合部112に回転軸X方向から接合されている。第3ボックス13と第1ボックス11は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。この状態において第1ボックス11は、支持壁部111の接合部122側(図中、右側)の開口が、第3ボックス13で塞がれている。
挿通孔130aの内周には、リップシールRSが設けられている。リップシールRSは、図示しないリップ部をドライブシャフト9Aの外周に弾発的に接触させている。挿通孔130aの内周と、ドライブシャフト9Aの外周との隙間が、リップシールRSにより封止されている。
壁部130における第1ボックス11側(図中、左側)の面には、挿通孔130aを囲む周壁部131が設けられている。周壁部131の内周には、ドライブシャフト9AがベアリングB4を介して支持されている。
モータ支持部135の外周には、円筒状の接続壁136が接続されている。接続壁136は、壁部130側(図中、右側)の周壁部131よりも大きい外径で形成されている。接続壁136は、回転軸Xに沿う向きで設けられており、モータ2から離れる方向に延びている。接続壁136は、モータ支持部135と第3ボックス13の壁部130とを接続している。
モータ支持部135の内周には、ベアリングB1が支持されている。モータシャフト20の外周が、ベアリングB1を介してモータ支持部135で支持されている。
ベアリングB1と隣り合う位置には、リップシールRSが設けられている。
第4ボックス14は、第2ボックス12から見て差動機構5側(図中、左側)に位置している。第4ボックス14の接合部142は、第2ボックス12の接合部123に回転軸X方向から接合されている。第4ボックス14と第2ボックス12は、ボルト(図示せず)で互いに連結されている。
モータ室Saは、第1ボックス11の内側で、第2ボックス12の壁部120と、第3ボックス13の壁部130との間に形成されている。
ギア室Sbは、第4ボックス14の内径側で、第2ボックス12の壁部120と、第4ボックス14の周壁部141との間に形成されている。
プレート部材8は、第4ボックス14にボルトBで固定されている。
プレート部材8は、ギア室Sbを、遊星減速ギア4と差動機構5を収容する第1ギア室Sb1と、パークロック機構3を収容する第2ギア室Sb2とに区画している。
回転軸X方向において第2ギア室Sb2は、第1ギア室Sb1と、モータ室Saとの間に位置している。
ロータコア21から見てモータシャフト20の一端20a側(図中、右側)に位置するベアリングB1は、第3ボックス13のモータ支持部135の内周に支持されている。他端20b側に位置するベアリングB1は、第2ボックス12の円筒状のモータ支持部125の内周に支持されている。
モータシャフト20の回転軸X方向から見て、珪素鋼板はリング状を成している。珪素鋼板の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸X周りの周方向に交互に設けられている。
電磁鋼板の各々は、支持壁部111の内周に固定されたリング状のヨーク部251と、ヨーク部251の内周からロータコア21側に突出するティース部252と、を有している。
モータシャフト20の他端20bは、第4ボックス14の内側で、後記するサイドギア54Aに、回転軸X方向の隙間をあけて対向している。
リップシールRSは、モータ2を収容するモータ室Saと、第4ボックス14内のギア室Sbとを区画している。
リップシールRSは、モータ室SaへのオイルOLの流入を阻止するために設けられている。
嵌合部202の外周には、パークギア30とサンギア41がスプライン嵌合している。
基部410の他端410bには、モータシャフト20の他端20bに螺合したナットNが、回転軸X方向から圧接している。
サンギア41とパークギア30は、ナットNと段部201との間に挟み込まれた状態で、モータシャフト20に対して相対回転不能に設けられている。
段付きピニオンギア43は、大径歯車部431と小径歯車部432が、回転軸Xに平行な軸線X1方向で並んで、一体に設けられたギア部品である。
大径歯車部431は、小径歯車部432の外径R2よりも大きい外径R1で形成されている。
段付きピニオンギア43は、軸線X1に沿う向きで設けられている。この状態において大径歯車部431をモータ2側(図中、右側)に位置させている。
リングギア42は、外周に設けた係合歯421を、第4ボックス14の支持壁部146に設けた歯部146aにスプライン嵌合している。リングギア42は、回転軸X回りの回転が規制されている。すなわち、第4ボックス14の支持壁部146は、リングギア42と係合する係合部として機能する。
段付きピニオンギア43は、貫通孔430を貫通したピニオン軸44の外周で、ニードルベアリングNB、NBを介して回転可能に支持されている。
ピニオン軸44には、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させる油孔442、443が設けられている。
油孔442は、小径歯車部432の内周を支持するニードルベアリングNBが設けられた領域に開口している。
ピニオン軸44において油孔443、442は、段付きピニオンギア43が外挿された領域内に開口している。
ピニオン軸44の外周において導入路441は、後記する第2ケース部7の支持孔71a内に位置する領域に開口している。導入路441は、軸内油路440とピニオン軸44の外周とを連通させている。
軸線X1に沿う断面視においてケース内油路781は、軸線X1に対して傾斜している。ケース内油路781は、回転軸X側に向かうにつれて、基部71に設けたスリット710に近づく向きで傾斜している。
ケース内油路781から導入路441に流入したオイルOLは、ピニオン軸44の軸内油路440に流入する。軸内油路440に流入したオイルOLは、油孔442、443から径方向外側に排出される。油孔442、443から排出されたオイルOLは、ピニオン軸44に外挿されたニードルベアリングNBを潤滑する。
ピニオン軸44は、貫通孔444と、後記する第2ケース部7側の挿入穴782との軸線X1回りの位相を合わせて設けられている。挿入穴782に挿入された位置決めピンPが、ピニオン軸44の貫通孔444を貫通する。これによって、ピニオン軸44は、軸線X1回りの回転が規制された状態で、第2ケース部7側で支持される。
ピニオン軸44の長手方向の他端44b側では、段付きピニオンギア43から突出した領域が第2軸部446となっている。第2軸部446は、デフケース50の第2ケース部7に設けた支持孔71aで支持されている。
ピニオン軸44では、第1軸部445よりも第2軸部446のほうが、軸線X1方向の長さが長くなっている。
図5は、差動機構5のデフケース50周りの斜視図である。
図6は、差動機構5のデフケース50周りの分解斜視図である。
図4から図6に示すように、ケースとしてのデフケース50は、差動機構5を収容する。デフケース50は、第1ケース部6と第2ケース部7を回転軸X方向で組み付けて形成される。本実施形態のデフケース50は、第1ケース部6と第2ケース部7が、遊星減速ギア4のピニオン軸44を支持するキャリアとしての機能を有している。
ピニオンメートシャフト51各々の内径側の端部は、共通の連結部510に連結されている。
この状態においてピニオンメートギア52の各々は、ピニオンメートシャフト51で回転可能に支持されている。
サイドギア54Aは、回転軸X方向における一方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。サイドギア54Bは、回転軸X方向における他方側から、3つのピニオンメートギア52に噛合している。
図4に示すように、基部61の中央部には、開口60が設けられている。基部61における第2ケース部7とは反対側(図中、右側)の面には、開口60を囲む筒壁部611が設けられている。筒壁部611の外周は、ベアリングB3を介して、プレート部材8で支持されている。
連結梁62は、回転軸X周りの周方向に、等間隔で設けられている。連結梁62は、基部61に対して直交する基部63と、基部63よりも幅広の連結部64と、を有している。
連結部64の内径側(回転軸X側)には、ピニオンメートギア52の外周に沿う形状で円弧部641が形成されている。
円弧部641では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される。
サイドギア54Aの裏面には、円筒状の筒壁部541が設けられている。ワッシャ55は筒壁部541に外挿されている。
図3に示すように、基部61には、支持孔61aを囲むボス部616が設けられている。ボス部616には、ピニオン軸44に外挿されたワッシャWcが、回転軸X方向から接触する。
第1ケース部6の連結部64には、第2ケース部7側の連結部74が回転軸X方向から接合される。第1ケース部6と第2ケース部7は、第2ケース部7側の連結部を貫通したボルトBが、ボルト穴67、67に螺入されて、互いに接合される。
図4に示すように、基部71は、回転軸X方向に厚みW71を有する板状部材である。
基部71の中央部には、基部71を厚み方向に貫通する貫通孔70が設けられている。
基部71における第1ケース部6とは反対側(図中、左側)の面には、貫通孔70を囲む筒壁部72と、筒壁部72を間隔をあけて囲む周壁部73が設けられている。
周壁部73の先端には、回転軸X側に突出する突起部73aが設けられている。突起部73aは、回転軸X周りの周方向の全周に亘って設けられている。
周壁部73の内径側には、基部71を厚み方向に貫通する3つのスリット710が設けられている。
回転軸X方向から見てスリット710は、周壁部73の内周に沿う弧状を成している。スリット710は、回転軸X周りの周方向に所定の角度範囲で形成されている。
ボルト収容部76の内側には、ボルトの挿通孔77が開口している。挿通孔77は、基部71を厚み方向(回転軸X方向)に貫通している。
連結部74は、第1ケース部6側の連結梁62と同数設けられている。
円弧部741では、ピニオンメートギア52の外周が、球面状ワッシャ53を介して支持される。
第2ケース部7では、基部71の表面71bに、サイドギア54Bの裏面を支持するリング状のワッシャ55が載置される。サイドギア54Bの裏面には、円筒状の筒壁部540が設けられている。ワッシャ55は筒壁部540に外挿されている。
この状態において、ピニオン軸44に外挿された段付きピニオンギア43の小径歯車部432が、ワッシャWcを間に挟んで、軸線X1方向からガイド部78に当接している。
開口部145aの内周には、リップシールRSが固定されている。リップシールRSの図示しないリップ部が、ドライブシャフト9Bに外挿されたサイドギア54Bの筒壁部540の外周に弾発的に接触している。
これにより、サイドギア54Bの筒壁部540の外周と開口部145aの内周との隙間が封止されている。
図2に示すように、第1ケース部6の内部には、第3ボックス13の挿通孔130aを貫通したドライブシャフト9Aが、回転軸方向から挿入されている。
ドライブシャフト9Aは、モータ2のモータシャフト20と、遊星減速ギア4のサンギア41の内径側を回転軸X方向に横切って設けられている。
本実施形態では、合計3つのピニオンメートシャフト51が、連結部510から径方向外側に延びている。ピニオンメートシャフト51の各々に、ピニオンメートギア52が支持されている。ピニオンメートギア52は、回転軸X方向の一方側に位置するサイドギア54Aおよび他方側に位置するサイドギア54Bに、互いの歯部を噛合させた状態で組み付けられている。
本実施形態では、連結梁62が最も下部に位置した際に、連結梁62がオイルOL内に位置する高さまで、オイルOLが貯留されている。
貯留されたオイルOLは、モータ2の出力回転の伝達時に、回転軸X回りに回転するデフケース50により掻き上げられる。
図7は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た平面図である。
図8は、図7に示したオイルキャッチ部15を斜め上方から見た斜視図である。
図9は、第4ボックス14を第3ボックス13側から見た平面図である。図9は、デフケース50を配置した状態を示している。
図10は、図9に示したオイルキャッチ部15を斜め上方から見た斜視図である。
図11は、図9におけるA-A断面の模式図である。
図12は、動力伝達装置1を上方から見た場合におけるオイルキャッチ部15と、デフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)との位置関係を説明する模式図である。
なお、図7および図9では、第4ボックス14の接合部142と、支持壁部146の位置を明確にするために、ハッチングを付して示している。図12では、マニュアルプレート35の位置を仮想線で示している。
第4ボックス14内の上部には、オイルキャッチ部15の空間と、ブリーザ室16の空間が形成されている。
オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転中心(回転軸X)を通る鉛直線VLからオフセットした位置に配置されている。図12に示すように、上方からオイルキャッチ部15を見ると、オイルキャッチ部15は、デフケース50の真上からオフセットした位置に配置されている。
ここで、鉛直線VLは、動力伝達装置1の車両での設置状態を基準とした鉛直線VLである。回転軸X方向から見て鉛直線VLは、回転軸Xと直交している。
なお、以下の説明において水平線HLは、動力伝達装置1の車両での設置状態を基準とした水平線HLである。回転軸X方向から見て水平線HLは、回転軸Xと直交している。
回転軸X方向から見て連通口147は、鉛直線VLをブリーザ室16側(図中、右側)から、オイルキャッチ部15側(図中、左側)に横切る範囲に設けられている。
そのため、オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置している。そして、連通口147の周方向の幅は、鉛直線VLを挟んだ左側のほうが、右側よりも広くなっている。鉛直線VLを挟んだ左側は、デフケース50の回転方向における下流側であり、右側は上流側である。これにより、回転軸X回りに回転するデフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、オイルキャッチ部15内に流入できる。
よって、当該周辺部材からオイルキャッチ部15へのオイルOL(潤滑油)の供給をスムーズに行うことができる。
図2に示すように、支持部145において油孔151aの内径側の端部は、リップシールRSとベアリングB2との間に開口している。
支持孔151bは、支持台部151の角に設けた肉盛部156に、開口を上方に向けて設けられている。
オイルガイド152は、キャッチ部153と、キャッチ部153から第1ボックス11側(図10における紙面手前側)に延びるガイド部154とを有している。
回転軸Xの径方向から見て、キャッチ部153は、ピニオン軸44の第2軸部446と重なる位置に設けられている。さらにガイド部154は、ピニオン軸44の第1軸部445と大径歯車部431と重なる位置に設けられている。
図12に示すように、切欠部155は、油孔151aに対向する領域に設けられている。キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部は、切欠部155の部分から油孔151aに向けて排出される。
図10に示すように、ガイド部154の幅方向の両側には、壁部154a、154aが設けられている。壁部154a、154aは、ガイド部154の長手方向の全長に亘って設けられている。壁部154a、154aは、キャッチ部153の外周を囲む壁部153aに接続されている。
キャッチ部153に貯留されたオイルOLの一部が、ガイド部154側にも排出される。
壁部120の外周には、油孔126aを囲むボス部126が設けられている。ボス部126には、回転軸X方向から配管127の一端が嵌入している。
径方向油路137は、内部空間Scから径方向下側に延びている。径方向油路137は、接合部132内に設けた軸方向油路138に連通している。
オイル溜り部128は、周壁部121内を回転軸X方向に貫通している。オイル溜り部128は、第4ボックス14に設けたギア室Sbに連絡している。
図13は、プレート部材8をモータ2側から見た平面図である。
図14は、図13におけるA-A断面の模式図である。
図13に示すように、モータ2側から見てプレート部材8は、リング状の基部80を有している。基部80の中央部には、貫通孔800を囲むリング状の支持部801が設けられている。
接続片81、82、83、84の各々は、基部80の外周縁80cから径方向外側に延出している。接続片81、82、83、84には、それぞれボルト孔81a、82a、83a、84aが設けられている。
鉛直線VLの一方側(図13における左側)では、水平線HLを挟んだ上側と、下側に、それぞれ1つずつ接続片82、83が設けられている。これら接続片82、83もまた、基部80から離れる方向に延びている。
支持ボス86は、鉛直線VL上に位置する接続片81の下側に位置している。支持ボス86は、接続片81に隣接している。
さらに、鉛直線VL方向における支持ピン85bの下側には、取付ボス87と対になる取付ボス88が設けられている。
取付部89では、水平線HL方向で隣り合う2つのボルト孔89a、89aが設けられている。
なお、図15では、周壁部148、149、弧状壁部17の位置と、段部148d、149d、17dの位置と、接合部142の位置を明確にするために、これらにハッチングを付して示している。
図16は、第4ボックス14をモータ2側から見た図である。図16では、プレート部材8が取り付けられた状態を示している。
周壁部148、149は、回転軸Xを中心とした円弧状に形成されている。
回転軸X方向から見て周壁部148は、回転軸Xを通る水平線HLを、上側から下側に横切る範囲に設けられている。
周壁部148の上側の端部148aは、支持台部151の近傍に位置している。周壁部148の下側の端部148bは、直線HLaの近傍に位置している。
周壁部148の内側には、紙面奥側に窪んだ段部148dが設けられている。
プレート部材8を第4ボックス14に取り付けると、段部148dには、プレート部材8(基部80)の外周縁が当接する。プレート部材8(基部80)は、回転軸X方向から段部148dに当接する。
回転軸X方向から見て周壁部149の上側の端部149aは、鉛直線VL上で、ボス部18に接続している。ボス部18には、オイルキャッチ部15側に延びる側壁部159がさらに接続されている。周壁部149の下側の端部149bは、ブリーザ室16の下側で第4ボックス14の周壁部141に接続されている。
周壁部149の内側には、紙面奥側に窪んだ段部149dが設けられている。
プレート部材8を第4ボックス14に取り付けると、段部149dには、プレート部材8(基部80)の外周縁が当接する。プレート部材8(基部80)は、回転軸X方向から段部149dに当接する。
ボス部18、18は、周壁部149よりも紙面手前側まで突出している。
図15に示すように、回転軸X方向から見て弧状壁部17の内周17cは、前記したプレート部材8(基部80)の外周に沿う円弧状を成している。弧状壁部17の内周17cの回転軸Xを基準とした内径は、プレート部材8の回転軸Xを基準とした外径よりもわずかに大きくなっている。
弧状壁部17では、前記した直線HLaと交差する位置に、ボルト孔18aを有するボス部18が形成されている。ボス部18は、弧状壁部17よりも紙面手前側に突出している。
プレート部材8を第4ボックス14に取り付けると、段部17dには、プレート部材8(基部80)の外周縁が当接する。プレート部材8(基部80)は、回転軸X方向から段部17dに当接する。
図17は、パークロック機構3が設けられた第4ボックス14を斜め上方から見た斜視図である。
図18は、パークロック機構3が設けられた第4ボックス14をモータ2側から見た平面図である。
図19から図21は、パークロック機構3を説明する図である。
図19は、パークロック機構3を上方から見た図である。
図20は、図19におけるA-A断面の模式図である。
図21は、図20におけるC-C断面の模式図である。
パークロック機構3は、動力伝達装置1を搭載した車両の走行モード/駐車モードの切り替えがセンサにより検出されると、アクチュエータACTにより、マニュアルシャフト37を回転軸Y(図19参照)回りに回動させるパークバイワイヤ式のパークロック機構である。
ホルダ34は、ボルトB、Bで、プレート部材8の取付ボス87、88に取り付けられている。
図17および図18に示すように、回転軸X方向から見てホルダ34は、パークギア30の上方から、ブリーザ室16の下方までの範囲に設けられている。
パークポール31は、挿通孔310dを有する第1板状部310と、爪部311cを有する第2板状部311と、を有する一体部品である。
図18に示すように、回転軸X方向から見て第1板状部310は、軸線X2に直交する直線Lx1に沿って、突起部341で支持された領域から上方側に延びている。
第1板状部310は、プレート部材8の支持ボス86と略同じ高さ位置まで延びたのち、ブリーザ室16から離れる方向(図中、左方向)に屈曲している。
第1板状部310では、屈曲部310eよりも先の領域が、直線Lx2に沿って延びており、この領域の先端側が、パークロッド32のカム320により操作される被操作部310cとなっている。
被操作部310cは、サポート33で支持されたカム320に載置されている。
爪部311cは、第2板状部311の下部から回転軸X側に膨出して形成されている。
図3に示すようにパークポール31の第1板状部310は、回転軸X方向において、ホルダ34とプレート部材8との間に配置されている。第2板状部311は、第1板状部310よりもモータ2側(図中、右側)に位置しており、ホルダ34の内径側を下方に延びている。
パークロッド32は、カム320が外挿された先端側を、パークポール31側(ブリーザ室16側)に向けて設けられている。カム320は、サポート33と、パークポール31の被操作部310cとの間に挿入されている。
サポート33は、接続片334を貫通したボルトBにより、プレート部材8の取付部89に固定されている。
パークロッド32では、先端32a側にカム320が外挿されている。
カム320は、図示しないスプリングの付勢力で、先端32a側に付勢されている。
これにより、パークポール31は、図18における時計回り方向に回動して、爪部311cをパークギア30の外周に係合させた位置(係合位置:図17参照)に配置される。
これにより、パークポール31は、スプリングSpの付勢力により、図18における反時計回り方向に回動して、爪部311cをパークギア30の外周から離脱させた位置(離脱位置:図18参照)に配置される。
腕部353は、基部351の外周からモータ2に近づく方向に延びている。回転軸Xの径方向から見て、腕部353は、プレート部材8の外径側をモータ2側に横切っている。
マニュアルシャフト37が回動すると、マニュアルシャフト37に固定されたマニュアルプレート35もまた回転軸Y回りに回動する。そうすると、マニュアルプレート35の基部351から延びる腕部353と、腕部353の先端の支持部354に固定された連結部355が、回転軸Y周りの周方向に変位する。連結部355に連結されたパークロッド32もまた、当該パークロッド32の長手方向に変位する。
図22は、支持台部151に設けた肉盛部156を斜め下方から見た斜視図である。
図23は、支持台部151をモータ2側から見た図である。図23では、支持台部151の一部と肉盛部156の部分を切り欠いて断面で示している。なお、説明の便宜上、マニュアルプレート35とディテントスプリング36の図示は省略している。
この肉盛部156の部分には、マニュアルシャフト37の下端を回転可能に支持するための支持孔151bが、開口を上方に向けて設けられている。
図23に示すように、マニュアルシャフト37の回転軸Y方向における肉盛部156の厚みW156は、支持台部151の厚みW151よりも厚くなっている。さらに、肉盛部156の回転軸Yの径方向の厚みW156'は、マニュアルシャフト37の直径D37よりも厚くなっている。
マニュアルプレート35の外周には、ディテントスプリング36のローラ365が弾発的に係合している。ローラ365から作用する付勢力は、マニュアルシャフト37の回転を規制している(図17参照)。
この際に、マニュアルシャフト37は、ローラ365から作用する規制力に抗して回転軸Y回りに回転する。
そのため、マニュアルシャフト37の下端を支持する肉盛部156には、捩り応力が作用する。ここで、肉盛部156は、支持台部151よりも厚肉で形成されていると共に、支持台部151と支持壁部146(一部の歯部146a)とに跨がって、これらと一体に形成されている。
そのため、肉盛部156は、作用する捩り応力に耐え得る十分な剛性を持っているので、マニュアルシャフト37の支持安定性が確保されるようになっている。
図1に示すように、動力伝達装置1では、モータ2の出力回転の伝達経路に沿って、遊星減速ギア4と、差動機構5と、ドライブシャフト9(9A、9B)と、が設けられている。
そして、動力伝達経路におけるモータ2と遊星減速ギア4との間に、パークロック機構3のパークギア30が設けられている。
この状態では、駆動輪W、Wの回転が規制されており、動力伝達装置1を搭載した車両は駐車状態となる。
これにより、マニュアルシャフト37は、ディテントスプリング36のローラ365を、マニュアルプレート35の凹部352a(図19参照)に係合させた角度位置から、凹部352bに係合させた角度位置まで変位する。
そうすると、カム320が、サポート33とパークポール31の被操作部310cとの間から引き抜かれた時点で、パークポール31がスプリングSpの付勢力により、軸線X1回りに回動して、爪部311cがパークギア30の外周から離脱する。
この状態では、駆動輪W、Wの回転が許容されており、動力伝達装置1を搭載した車両は走行可能な状態となる。
ここで、段付きピニオンギア43の小径歯車部432は、第4ボックス14の内周に固定されたリングギア42に噛合している。そのため、段付きピニオンギア43は、軸線X1回りに自転しながら、回転軸X周りに公転する。
これにより、段付きピニオンギア43を支持するデフケース50(第1ケース部6、第2ケース部7)が、モータ2側から入力された回転よりも低い回転速度で回転軸X回りに回転する。
そのため、遊星減速ギア4のサンギア41に入力された回転は、段付きピニオンギア43により、大きく減速される。減速された回転はデフケース50(差動機構5)に出力される。
掻き上げられたオイルOLにより、サンギア41と大径歯車部431との噛合部と、小径歯車部432とリングギア42との噛合部と、ピニオンメートギア52とサイドギア54A、54Bとの噛合部とが潤滑される。
第4ボックス14の上部には、オイルキャッチ部15が設けられている。オイルキャッチ部15は、デフケース50の回転方向における下流側に位置している。デフケース50で掻き上げられたオイルOLの多くが、オイルキャッチ部15内に流入する。
マニュアルシャフト37の下端を支持する支持孔151bは、オイルキャッチ部15内でモータ2側に位置している。支持孔151bは、回転軸X方向でリングギア42と重なる位置に設けられている。
前記したようにリングギア42の外周の係合歯421は、第4ボックス14の支持壁部146の歯部146aと噛合している。リングギア42は、回転軸X周りの回転が規制されている。
(1)動力伝達装置1は、
モータ2と回転軸X方向(軸方向)にオーバラップする差動機構5と、
差動機構5を収容するデフケース50(ケース)と、
デフケース50に支持された段付きピニオンギア43(ピニオンギア)と、
段付きピニオンギア43と噛合するリングギア42と、を本体ボックス10(ボックス)内に有する。
本体ボックス10の第4ボックス14は、リングギア42の外周においてリングギア42と係合する歯部146aを備える支持壁部146(係合部)を有している。
支持壁部146からモータ2に向かって回転軸X方向に突出する肉盛部156に、パークロック機構3のマニュアルシャフト37が挿入支持されている。
リングギア42を支持する支持壁部146(係合部)の隣接位置に、本体ボックス10の一部を用いて肉盛部156を形成するので、本体ボックス10と別部材の専用の支持部を設ける必要が無い。よって、マニュアルシャフト37の支持のために部品点数が増加することを好適に防止できる。
(2)肉盛部156は、非環状で局所的に設けられている。
よって、本体ボックス10内の限られた空間を有効に活用できる。
(3)本体ボックス10の第4ボックス14は、デフケース50の回転中心を通る水平線HLよりも上方に支持台部151(棚部)を有する。
肉盛部156は、支持台部151の角部に配置されている。
10 本体ボックス(ボックス)
146 支持壁部(係合部)
151 支持台部(棚部)
156 肉盛部
2 モータ
3 パークロック機構
37 マニュアルシャフト
42 リングギア
43 段付きピニオンギア(ピニオンギア)
5 差動機構
50 デフケース(ケース)
HL 水平線
X 回転軸
Claims (3)
- モータと軸方向にオーバラップする差動機構と、
前記差動機構を収容するケースと、
前記ケースに支持されたピニオンギアと、
前記ピニオンギアと噛合するリングギアと、をボックス内に有し、
前記ボックスは、前記リングギアの外周において前記リングギアと係合する係合部を有し、
前記係合部から前記モータに向かって前記軸方向に突出する肉盛部に、パークロック機構のマニュアルシャフトが挿入支持されている、動力伝達装置。 - 請求項1において、
前記肉盛部は、非環状で局所的に設けられている、動力伝達装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記ボックスは、前記ケースの回転中心を通る水平線よりも上方に棚部を有し、
前記肉盛部は、前記棚部の角部に配置されている、動力伝達装置。
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