JP3134516B2 - プリント配線板の検査治具 - Google Patents

プリント配線板の検査治具

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JP3134516B2
JP3134516B2 JP04196029A JP19602992A JP3134516B2 JP 3134516 B2 JP3134516 B2 JP 3134516B2 JP 04196029 A JP04196029 A JP 04196029A JP 19602992 A JP19602992 A JP 19602992A JP 3134516 B2 JP3134516 B2 JP 3134516B2
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  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,プリント配線板の検査
治具,特に高密度配線回路の検査に対して優れた効果を
発揮するプローブ回りの構成,及び検査器との電気的接
続と取外しとを容易にする端子ボード周りの構造に関す
る。
【0002】
【従来技術】プリント配線板における配線回路を,電気
導通の有無により検査する方法,及びその装置として
は,種々のものが提案されている(例えば,特公平2−
44035号公報,特開昭56−110060号公
報)。そして,従来用いられている,プリント配線板の
検査治具としては,図15及び図16に示すごとく,プ
リント配線板7の配線回路75に対して,プローブ9の
触針92を当接させることにより,電気導通の有無を検
査するものである。
【0003】該検査治具は,プローブの先端のガタツキ
を防止するためのガイド板8と,プローブ9を保持する
ためのピンボード88と,両者を貫通させて装着したプ
ローブ9とよりなる。プローブ9は,図16にも示すご
とく,パイプ状のソケット91と触針92とを有する。
ソケット91は,ピンボード88の貫通孔881内に挿
通固定されている。一方,触針92はガイド板8のガイ
ド孔81内に,進退可能に挿通されている。そして,触
針92は,その上部にプランジャー920を有する。該
プランジャー920は,チューブ25の内腔内に,スプ
リングバネ(図示略)を介して,進退可能に装着されて
いる。
【0004】上記プローブ9の上端は,電気導通を検出
するための検査器にリードワイヤーを経由して電気的に
接続されている。この場合,プローブ上端とリードワイ
ヤーとの接続は,半田付によることが多い。なお,ガイ
ド板8は,ソケット91の下端を配置するための凹部8
2を有する。また,上記プローブ9は,被検査体として
のプリント配線板7の配線回路75に対応した位置に設
けてある。また,ガイド板8とピンボード88とは一体
的に固定してある。
【0005】そして,配線回路の電気導通の検査に当た
っては,プリント配線板7の上下より,上記ガイド板8
及びピンボード88を下降及び上昇させ,プローブ9の
触針92を配線回路75の触針用パッド(以下省略)に
当接させる。このとき,当該配線回路75が断線又はシ
ョートを生じていない場合には,正常な電気導通が得ら
れる。これにより,各配線回路75の良否が判定でき
る。
【0006】また,上記において触針92の先端921
を配線回路75に当接させた際には,触針92はガイド
板8のガイド孔81に沿ってソケット91側へ後退し,
そのプランジャー920がソケット91内に侵入する。
これは,触針92の先端921を保護するためである。
なお,図15において,符号87,886はノックピン
891の挿入穴,871,885は,位置決めピン89
2の挿入穴である。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながち,上記従来の検
査治具には,次の問題がある。即ち,近年は,プリント
配線板における配線回路の高密度化が進み,配線回路の
端部であるパッドのピッチがますます狭くなっている。
例えば,このピッチは,従来は0.65mm程度であっ
たが,高密度配線回路においては0.3mmと狭くなっ
ている。
【0008】そこで,これに対応するため,プローブ9
の配列ピッチを狭くする必要があるため,プローブ自体
の大きさ(直径)も小さくする必要がある。そして,現
在使用されているプローブ9においても,そのソケット
91の外径は約1ミリであり,また触針92の直径は
0.5mmと細径である。
【0009】また,従来の検査治具においては,検査に
当たって,触針92の先端921を直接に配線回路75
に当接させている。また,その当接の際には,上記のご
とく,触針92がガイド板8のガイド穴81内をスライ
ドして後退する。そして,検査後は,触針92は,ソケ
ット91内に設けたスプリングバネによって,再び元の
位置へ突出させられる。そのため,触針92は,検査の
度毎にガイド孔81内を摺動することになる。
【0010】それ故,触針92が摩耗し易い。また,こ
の摩耗を防止するためガイド孔81の径を大きくする
と,触針92との間のクリアランスが大きくなり,触針
92の先端921がガタつき,検査不良を生ずることが
ある。また,触針92は,ピンボード88に固定された
ソケット91内に挿入されている。そのため,ソケット
91と触針92とガイド孔81の軸芯は同一にしなけれ
ばならない。それ故,上記ガイド孔81は,細径の触針
92を円滑にスライドさせるために,上記軸芯が一致す
るように寸法精度良く,穴明けを行う必要がある。
【0011】また,触針92は,ソケット91内とガイ
ド孔81内を,同軸線状にスライドすると共に,その先
端921が配線回路75と直接に当接するため,上記軸
芯ズレと当接による損傷を受け易い。上記のごとく,従
来の検査治具においては,配線回路の高密度化に伴っ
て,特にプローブの触針92の細径化と損傷,ガイド孔
81の穴明精度等に問題がある。
【0012】また,プローブの上端は,リードワイヤー
を経由して検査器に電気的に接続され,検査回路が電気
的に閉路される。そして,従来は,数10〜数100本
という多大の数のプローブの上端とリードワイヤーとは
半田付により接続されている。
【0013】一方,プリント配線板が変わる毎にプロー
ブの配列パターンが変わるから,プローブ回りのいわゆ
る検出部はプリント配線板毎に交換する必要がある。そ
のため,この交換時には,プローブとリードワイヤーと
の間の多大の数の上記半田付けを外さなければならず,
その取付け作業は大きな工数を必要とする。また,新し
い検査回路に応じて再び多数のリードワイヤーとプロー
ブとの半田付けをしなければならない。また,プローブ
は上記のごとく,細径部品であるため,高価な精密部品
である。そのため,被検査体の配線回路が変わる毎に新
たなものを使用することはコスト高となる。そのため,
プローブが再利用可能なことも切望されている。
【0014】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,プロ
ーブの触針の細径化と損傷防止に対応でき,リードワイ
ヤーとの電気的接続も容易で,かつプローブの再利用が
できるプリント配線板の検査治具を提供しようとするも
のである。
【0015】
【課題の解決手段】本発明は,プリント配線板における
配線回路を電気導通の有無により検査する検査治具であ
って,該検査治具は,ガイド板と,ピンボードと,上記
配線回路と当接させるためのコンタクトピンと,該コン
タクトピンに当接させるための触針を内蔵したプローブ
とよりなり,かつ上記コンタクトピンは上記ガイド板に
進退可能に装着され,また上記触針はプローブに弾性的
に進退可能に内蔵されており,また,上記ピンボードに
は,端子ボードと変換ボードとを対面配設し,該端子ボ
ードには,リードワイヤーを有する端子ピンが一定間隔
で配置され,一方,変換ボードは端子ボード側に一定間
隔で第1ランドを有し,他方のピンボード側にはプロー
ブのプローブ端子と接触する第2ランドを有し,第1ラ
ンドと第2ランドとの間は変換ボード内に形成した内層
パターンにより接続されていることを特徴とするプリン
ト配線板の検査治具にある。
【0016】本発明において最も注目すべき第1の点
は,上記従来例の前記プローブをいわば2組に分割し,
コンタクトピンとプローブとに構成したこと,そしてコ
ンタクトピンを配線回路に当接させ,一方プローブの触
針はコンタクトピンに当接させるよう構成したことであ
る。
【0017】即ち,プリント配線板と対面するガイド板
には進退可能にコンタクトピンを装着し,上記ガイド板
に面するピンボードにはプローブを固定する。そして,
該プローブには,弾性的に進退可能に触針を内蔵する。
このように,触針を内蔵させる手段としては,触針をチ
ューブ内に弾性的に保持し,これらをソケット内に装着
する手段がある(図4,5参照)。また,プローブ内
に,直接触針を挿入して弾性的に保持させる手段もあ
る。上記弾性的に保持する手段としては,スプリングバ
ネがある。
【0018】また,コンタクトピンはガイド板のガイド
孔に進退可能に装着する。コンタクトピンは,配線回路
に当接させる先端を有すると共に,その反対側に触針を
当接させる当接部を有する。該当接部は,コンタクトピ
ンの本体よりも大きな径を有する頭部を有することが好
ましい。また,該当接部には,触針の当接を確実にする
ために,曲面凹部を設けることが好ましい(図6参
照)。また,本発明の検査治具においては,ガイド板及
びピンボードに本発明に関する上記構成のコンタクトピ
ン及びプローブを設けると共に,プリント配線板の配線
回路が高密度でない部分を検査するために,上記従来例
と同様の比較的大径のプローブピンを併設することもで
きる。
【0019】また,本発明においては他に注目すべきこ
とは,検査器とプローブとの間を電気的に接続する手段
として,ピンボードの上に,端子ボードと変換ボードと
を設けたことである。該端子ボードは,変換ボードと検
査器との間に配設されるもので,リードワイヤーを有す
る端子ピンが一定間隔でそのピン穴内に配置される。そ
して,上記リードワイヤーの一端は検査器に接続する。
また,端子ピンは,端子ボード面よりその端部を頭出す
るように,端子ボードのピン穴に収納されている。端子
ピンの上記端部は変換ボードの第1ランドと接触する。
【0020】一方,変換ボードは,プローブと端子ボー
ドとの間に配設されるもので,端子ボード側に端子ピン
と1対1の対向関係にある一定間隔の第1ランドを有す
る。また,変換ボードのピンボード側にはプローブのプ
ローブ端子と接触するよう,プローブ端子と1対1の対
向関係にある第2ランドを有する。また,上記第1ラン
ドと第2ランドとの間には内層パターンを形成し,第1
ランドと第2ランドの間を電気的に接続する。
【0021】従って,変換ボードの第2ランド面をプロ
ーブ端子面に圧接すれば,全てのプローブ端子と第2ラ
ンドとが一括して接触し電気的に導通する。また,変換
ボードの第1ランド面に対して端子ボードを圧接すれ
ば,全ての第1ランドと端子ピンの端部とが一括して接
触し電気的に導通する。
【0022】
【作用及び効果】本発明の検査治具においては,ガイド
板にコンタクトピンを,ピンボードにプローブを設け,
コンタクトピンをプリント配線板の配線回路に当接さ
せ,プローブの触針はコンタクトピンに当接させるよう
構成している。即ち,本発明においては,ガイド孔内を
スライドして配線回路に当接する部分(コンタクトピ
ン)と,電気導通の検出端であるプローブとを2つに分
けた構成としている。 そのため,コンタクトピンの進
退と,プローブの触針の進退とは独立した状態にある。
【0023】それ故,ピンボードに固定したプローブ
と,その内部に挿入した触針と,該コンタクトピンが進
退するガイド板のガイド孔との3つの軸芯を,高精度で
一致させる必要がない。したがって,ガイド孔の軸芯の
孔明けは,プリント配線板の配線回路に一致させて穿設
すれば良く,従来のごとく高精度が要求されず,穿設容
易である。また,ガイド孔はコンタクトピンのみの円滑
スライドを可能とすれば良いので,細径のものを設ける
ことができ,コンタクトピンのガタつきも小さくするこ
とができる。また,コンタクトピンが摩耗した際には,
容易に,しかも安価に交換することができる。
【0024】また,プローブは,直接に配線回路に当接
させないので,従来のごとく損傷を受けることがない。
また,コンタクトピンは,配線回路に直接当接しガイド
孔内をスライドするが,従来のプローブの触針のごと
く,ガイド孔とプローブのソケット内の両方を直線状に
進退することがないので,軸芯ズレ等により損傷を受け
ることがない。
【0025】また,上記のごとく,コンタクトピンとプ
ローブとに分割構成し,検査時における両者の進退に無
理を生じないようにしたので,両者を細径化することも
できる。そのため,高密度配線回路の検査も容易であ
る。また,プローブは,0.1〜0.3mmという細い
内径のソケット内に,弾性的に,進退可能に装着した構
成である。そのため,高価な精密部品であるが,上記の
ごとく損傷がないため,検査治具もコスト安となる。
【0026】また,本発明の検査治具は,検査器とプロ
ーブ回りのいわゆる検出部との電気的接続が容易であ
る。即ち,前記のようにピンボードに配設したプローブ
端子面に変換ボードを圧接すればプローブ端子と第2ラ
ンドとが一括して接続される。また,変換ボードの第1
ランド面に端子ボードを圧接すれば第1ランドと端子ピ
ンとが一括して接続される。また第1ランドと第2ラン
ドとは内層パターンによって接続されている。
【0027】かくして,プローブ端子は第2ランド,内
層パターン,第1ランド,端子ピンを経てリードワイヤ
ーにより検査器に接続される。即ち,ピンボードに変換
ボードを圧接し,更に端子ボードを変換ボードに圧接す
れば,全プローブ端子が一括して検査器に接続される。
それ故,個別端子毎に導通を取る必要がなく,接続作業
が極めて容易である。
【0028】また,本発明ではプローブにはむきだしの
プローブ端子を設けておけばよく,リードワイヤー等の
接続は不要である。そのため,プローブをピンボードか
ら取り外すことが容易である。また,前記のように,コ
ンタクトピンの取り外しも容易である。従って,精密加
工部品で高価なプローブ及びコンタクトピンは,ピンボ
ード,ガイド板より取り外して再利用ができる。したが
って,本発明によれば,プローブの触針の細径化と損傷
防止に対応でき,また検査器との電気的接続と取外しが
容易で,かつプローブ及びコンタクトピンの再利用がで
きる,プリント配線板の検査治具を提供することができ
る。
【0029】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる,プリント配線板の検査治具に
つき,図1〜図10を用いて説明する。なお,全体の構
成を,コンタクトピン3をプリント配線板7と当接させ
て,プローブ1の他端に信号を伝える検出部と,プロー
ブ端子12から変換ボード5,端子ボード4,リードワ
イヤーを経由して検査器に至る中継部とに分けてそれぞ
れを分説する。
【0030】本例の検査治具の検出部は,図1〜図3に
示すごとく,ガイド板8とピンボード88と,配線回路
71と当接させるためのコンタクトピン3と,該コンタ
クトピン3に当接させるための触針2を内蔵したプロー
ブ1とよりなる。また,上記コンタクトピン3は,上記
ガイド板8に進退可能に装着され,また上記触針2はプ
ローブ1のソケット11内に弾性的に進退可能に内蔵さ
れている。
【0031】上記配線回路71は,プリント配線板7に
おいて高密度配置されたものである。上記ガイド板8と
ピンボード88とは,従来と同様にノックピン891に
より,脱着可能に,一体的に結合されている。ガイド板
8は,図1〜図3,図7,図8に示すごとく,コンタク
トピン3を,進退可能に装着するための多数のガイド孔
85と,開口溝86を有する。また,ピンボード88
は,図2,図3に示すごとく,プローブ1のソケット1
1を挿通固定するための貫通孔882を有する。
【0032】上記コンタクトピン3は,図2,図3,図
6に示すごとく,配線回路71に当接させるための先端
31と,触針2を当接させるための当接部としての,頭
部32を有する。また,該頭部32は,曲面凹部321
を有する(図6)。また,プローブ1は,図2〜図5に
示すごとく,ソケット11とその中へ進退可能に挿通し
た触針2とからなる。ソケット11は,図4に示すごと
く,中空パイプであり,触針2の挿入側にフランジ11
0を有する。また,上部には第2ランド521に接続す
るプローブ端子12を有する。
【0033】一方,触針2は,図4,図5に示すごと
く,チューブ25内に進退可能に装着されている。即
ち,触針2は,図5に示すごとく,上部に触針2とほぼ
同径のガイド柱22を有し,両者の間には細径の連結部
21を有する。そして,チューブ25の中に,まずスプ
リングバネ23を入れ,次いで上記触針2を挿入した
後,上記触針の連結部21の外側部分において,チュー
ブ25のかしめを行い,かしめ部251を形成する。
【0034】これにより,触針2は,チューブ25内に
おいて,上記スプリングバネ23により弾性的に,進退
可能に装着される。なお,符号252は,チューブ25
の上端部に設けた,スプリングバネ23の上端を当接さ
せるためのかしめ部である。そして,このように構成し
た触針2は,上記図4に示すごとく,ソケット11の中
空部111内へ挿入する。このとき,触針2を保持した
チューブ25の上端は,ソケット11のかしめ部113
に当接する。更に,上記のごとく構成したプローブ1
は,図1〜図3に示すごとく,ピンボード88の貫通孔
882内へ,挿入し,着脱可能に固定する。その他は,
前記従来例と同様である。
【0035】次に,検出部の作用効果につき説明する。
即ち,プリント配線板7における配線回路71の良否を
電気導通により検査するに当たっては,図1〜図3に示
すごとく,各配線回路71に対してガイド板8及びピン
ボード88を,上下方向より接近させ,ガイド板8をプ
リント配線板7に対面させる。
【0036】このとき,両者の当接前においては,コン
タクトピン3は,図2に示すごとく,ガイド板8よりも
突出した状態にある。また,コンタクトピン3の頭部3
2には,プローブ1の触針2の先端21が当接してい
る。そして,ガイド板8がプリント配線板7に当接し,
コンタクトピン3の先端31が配線回路71に当接する
ときには,コンタクトピン3はガイド孔85内をスライ
ド上昇する。そして,図3に示すごとく,コンタクトピ
ンの先端31はガイド板8の下面とほぼ同じ位置に来
る。
【0037】そこで,コンタクトピン3の頭部32は,
触針2をプローブ1の方向に押圧する。そのため,触針
2は,上記スプリングバネ23(図5)の付勢力に抗し
て,チューブ25内に侵入する。このように,コンタク
トピン3の先端31が,配線回路71と当接した後,後
述するリードワイヤー15,端子ピン41,変換ボード
5を介して,プローブ1,触針2,コンタクトピン3に
電流を通じ,配線回路71の良否を従来と同様に判断す
る(図1)。
【0038】また,検査終了後は,ガイド板8等をプリ
ント配線板7より遠ざける。そのため,コンタクトピン
3は,触針2のスプリングバネ23の付勢力により,図
2に示すごとく突出する。上記のごとく,本例の検査治
具においては,コンタクトピン3をガイド板8に進退可
能に装着し,またプローブ1はピンボード88に固定す
ると共に該プローブ1内に進退可能に触針2を装着して
いる。
【0039】そのため,コンタクトピン3の進退と,触
針の進退とは独立した状態にある。それ故,従来のごと
く,ピンボード88に固定したプローブ1と,その内部
に挿入した触針2と,該触針が進退するガイド板のガイ
ド孔85との3つの軸芯を高精度で一致させる必要がな
い。即ち,本例においては,コンタクトピン3の軸芯と
触針2の軸芯とに位置ずれが生じていても,両者が当接
しておれば支障がない(図2,3)。
【0040】また,そのため,ガイド孔85はプリント
配線板の配線回路に一致させて穿設すれば良い。したが
って,ガイド孔85及びピンボード88の孔の軸芯に関
する穴明け精度は高精度が要求されず,穿設容易であ
る。また,ガイド孔85は,コンタクトピン3のみの円
滑スライドを可能とすれば良いので,細径のものを設け
ることができ,ガタつきもない。
【0041】また,プローブ1は,その触針2を直接に
配線回路71に当接させないので,従来のごとく,損傷
を受けることがない。また,コンタクトピン3は配線回
路71に直接当接し,ガイド孔85内をスライドする
が,従来のプローブの触針のごとく,ガイド孔85内と
プローブのソケット内の両方を直線状に進退することが
ない。そのため,両者間の軸芯ずれ等による損傷を受け
ることもない。
【0042】更に,コンタクトピン3とプローブ1とに
分割構成し,検査時における両者の進退に無理を生じな
いようにしたので,両者をそれぞれ細径化することがで
きる。本例においては,上記コンタクトピン3の直径は
0.27mm,プローブ1のソケットの外径は0.45
mm,内径は0.27mm,触針2の外径は0.15m
mである。また,本例のコンタクトピン3においては,
その頭部32に曲面凹部321を設けたので,該頭部3
2に触針2の先端20を確実に当接させておくことがで
きる。
【0043】次に,本実施例の中継部を図1,図9を用
いて説明する。本例の中継部においては,プローブ1の
プローブ端子12と検査器18との間に,端子ボード4
と変換ボード5とを配設している。端子ボード4には,
リードワイヤー15を有する端子ピン45が等間隔で設
けたピン穴41内に配置されており,リードワイヤー1
5は検査器18の端子盤181に接続する。
【0044】図9に示すように,端子ボード4のピン穴
41は下部孔413と上部細孔412とよりなる。下部
孔413は端子ピン45の断面より若干大きい断面を有
し,その長さは端子ピン45の長さより若干短い。一
方,上部細孔412はリードワイヤー15を挿通するこ
とのできる大きさで,かつ端子ピン45を挿通すること
ができない大きさに穿設してある。
【0045】従って,端子ピン45はピン穴41に収納
したとき,その端部が端子ボードの下面より一部頭出
し,リードワイヤー15はピン穴の上部細孔413を挿
通させ引き出すことができる。一方,変換ボード5の端
子ボード側の面(第1ランド面51)には第1ランド5
11が形成される。第1ランド511は端子ピン41と
1対1の対向関係を有し,従ってピン穴41と同様に等
間隔に設けられている。
【0046】変換ボード5のピンボード側の面(第2ラ
ンド面52)には第2ランド521が形成される。第2
ランド521はプローブ1のプローブ端子12と1対1
の対向関係を有する。プローブ端子12は検査対象であ
るプリント配線板7の配線回路71に対応して設けられ
るから,一般に配置間隔は不規則である。従って,それ
に対向する第2ランド521の配置も不規則である。
【0047】内層パターン面53に設けられた内層パタ
ーン531は規則的に配置された第1ランド511と不
規則に配置される第2ランド521とを接続するように
形成されている。図9においてスルーホール512は第
1ランド511と内層パターン531とを接続するスル
ーホールであり,スルーホール522は,第2ランド5
21と内層パターン531とを接続するスルーホールで
ある。図9(b)は変換ボード5を第1ランド面上部よ
り見た図である。なお,本例の端子ピン45は円柱形状
であり,一端にリードワイヤー15を半田付等によって
接続してある。
【0048】次に,本例の中継部の作用効果について説
明する。変換ボード5をピンボード88に圧接すれば,
対向関係にある全てのプローブ端子12と第2ランド5
21とが一括して接続される。また,変換ボード5に端
子ボード4を圧接すれば,対向関係にある全ての第1ラ
ンド511と端子ピン45とが一括して接続される。
【0049】第1ランド511と第2ランド521とは
内層パターン531により接続されているから,プロー
ブ端子12と端子ピン45との間が接続される。更に,
端子ピン45はリードワイヤー15を経て,検査器18
に接続されているから,プローブ端子12は検査器18
に接続される。
【0050】即ち,ピンボード88に変換ボード5を,
更に変換ボード5に端子ボード4を圧接すれば,全プロ
ーブ1が一括して検査器18と接続される。このよう
に,本例によれば,従来技術のように,プローブ個別に
リードワイヤーを半田付等によって検査器に接続する必
要がないから,検査器18との接続は極めて短時間に容
易に行うことができる。また,同様に検査器18との切
り離しも極めて容易である。
【0051】また,ピンボード88上から端子ボード4
及び変換ボード5を除去すればプローブ1及びコンタク
トピン3を容易に取り外すことができ,これらを再利用
に供することができる。
【0052】このように,本実施例によれば,高密度配
線回路に対しても,プローブ触針の細径化と損傷防止に
対応でき,かつガイド孔の穿設が容易であり,かつ検査
器との電気的接続と取外しが容易な,更にプローブ及び
コンタクトピンの再利用が可能なプリント配線板の検査
治具が提供できる。なお,本例では内層パターン531
のパターン面53を1面で形成する例を説明したが,内
層パターン531のパターン面53は1面である必要は
ない。
【0053】図10は,内層パターン531,541,
551を,3面のパターン面53,54,55に形成し
た例を示したものである。同図より知られるごとく,或
る第1ランド511と第2ランド522とを結ぶスルー
ホール512,522の位置が,他のそれらと交錯する
場合には,一方の内層パターン531(541,55
1)を他方のスルーホールから迂回させる(図10の右
方)。このように,検査対象のプリント配線板7が高密
度化した場合には,第2ランド521と第1ランド51
1の位置とが交錯して内層パターンのパターン面が1面
で形成できない場合がある。この場合には,図10に示
すごとく多層化して対応する。なお,図10では,スル
ーホール512,522を簡略化してパターンと同様の
二重線で表示してある。
【0054】実施例2 本例は実施例1において,端子ピン45の形状を変更し
たものである。本例の端子ピン46は図11に示すよう
にリードワイヤー15の先端に半田メッキによって球状
塊を形成したものである。その他は実施例1と同様であ
る。
【0055】実施例3 本例は実施例1において,端子ピン45の形状をを変更
したもう1つの実施例である。 即ち,本例の端子ピン
47は図12,図13に示すように,十字形の断面形状
を有する棒状体である。このような棒状体を形成する方
法としては,例えばエナメル線その他の線材を,金型を
用いて4方向からプレスする方法がある。また,実施例
2のようにリードワイヤー15の先端に半田ナッキ塊を
形成し,その後それを4方向からプレスすることによっ
て形成することもできる。その他は実施例1と同様であ
る。
【0056】実施例4 本例は実施例1において,端子ピン45の形状を変更し
た他の実施例である。本例の端子ピン48は,図14
(b)に示すように,リードワイヤー15の先端に導体
塊を形成したものである。該導体塊は,図14(a)に
示すように,線材の先端を所定回数だけ折り曲げて屈曲
部481を設け,これをかしめることにより形成するこ
とができる。その他は,実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,検査治具の全体説明図。
【図2】実施例1における,検査前の状態の,コンタク
トピン及びプリント配線板周りの断面図。
【図3】実施例1における,検査時点のコンタクトピン
及びプリント配線板周りの断面図。
【図4】実施例1のプローブにおける,ソケット及び触
針の展開正面図。
【図5】実施例1における,プローブの先端部分の断面
図。
【図6】実施例1における,コンタクトピンの正面図。
【図7】実施例1における,ガイド板の平面図。
【図8】図7のA−A線矢視断面図。
【図9】実施例1における中継部の説明部。
【図10】実施例1における他の変換ボードの縦断面
図。
【図11】実施例2における端子ボードと変換ボードと
の接続部断面図。
【図12】実施例3における端子ボードと変換ボードと
の接続部断面図。
【図13】実施例3における端子ピンの拡大斜視図。
【図14】実施例4における端子ピンの作製過程を示す
拡大斜視図。
【図15】従来例における検査治具の全体説明図。
【図16】従来例における検査治具のプローブ周りの説
明図。
【符号の説明】
1...プローブ, 12...プローブ端子, 15...リードワイヤー, 18...検査器, 2...触針, 25...チューブ, 3...コンタクトピン, 31...先端, 4...端子ボード, 41...ピン穴, 45,46,47,48...端子ピン, 5...変換ボード, 511...第1ランド, 521...第2ランド, 531...内層パターン, 512,522...スルーホール, 7...プリント配線板, 71...高密度ピッチの配線回路, 8...ガイド板, 85...ガイド孔, 88...ピンボード,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−300978(JP,A) 特開 昭57−200865(JP,A) 特開 平2−2943(JP,A) 特開 平2−130483(JP,A) 実開 昭60−92176(JP,U) 実開 昭61−119777(JP,U) 実開 昭58−134776(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 1/06 - 1/073 G01R 31/00 G01R 31/02 G01R 31/28 H05K 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線板における配線回路を電気
    導通の有無により検査する検査治具であって,該検査治
    具は,ガイド板と,ピンボードと,上記配線回路と当接
    させるためのコンタクトピンと,該コンタクトピンに当
    接させるための触針を内蔵したプローブとよりなり,か
    つ上記コンタクトピンは上記ガイド板に進退可能に装着
    され,また上記触針はプローブに弾性的に進退可能に内
    蔵されており,また,上記ピンボードには,端子ボード
    と変換ボードとを対面配設し,該端子ボードには,リー
    ドワイヤーを有する端子ピンが一定間隔で配置され,一
    方,変換ボードは端子ボード側に一定間隔で第1ランド
    を有し,ピンボード側にはプローブのプローブ端子と接
    触する第2ランドを有し,第1ランドと第2ランドとの
    間は変換ボード内に形成した内層パターンにより接続さ
    れていることを特徴とするプリント配線板の検査治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101662951B1 (ko) * 2015-06-14 2016-10-14 김일 푸쉬 플레이트가 있는 프로브 카드

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