JP3134086U - 自転車用キャリパーブレーキ - Google Patents

Abstract

【課題】片効き制動を防止し得る自転車用キャリパーブレーキを提供する。
【解決手段】ブレーキ１は、自転車フォークに取り付けるセンターボルト２の、前記自転車フォーク取り付け部側とは反対側にその中央部分を固定した所定の長さを有する肩部材３と、この肩部材３の両端に枢支し、部分的に互いが重なるよう配置した第１、第２アーム６，７と、前記第１、第２アーム６，７を制動解除する方向に付勢する前記センターボルト２に取り付けたバネ体８と、前記第２アーム７の、前記第１アーム６と重なる部分に設けたガイド長孔９と、前記第２アーム７に設け、前記ガイド長孔９に移動可能に係合させた移動突起１０とからなる。
【選択図】図１

Description

本考案は、それぞれブレーキシューを対向するよう設けた一対のアームを有し、ブレーキレバーを引くことによってこれら両アームを回動させ、各ブレーキシューを自転車の車輪のリムに相対的に押し付けて制動を掛けるようなした自転車用キャリパーブレーキに関するものである。

従来の一般的なキャリパーブレーキには、自転車のフォークに取り付けるセンターボルトを有する固定部と、前記センターボルトのフォーク固定側とは反対側部分に枢支し、下端部近傍に車輪リムを挟んで対向するように取り付けたブレーキシューを有する一対のアームとを備えたもの（特許文献１参照）がある。前記一方のアームの前記ブレーキシューとは反対側端は、ブレーキレバーに連結したアウタワイヤ端を固定するとともに、インナワイヤを挿通する支持部を設け、また、前記他方のアームの前記ブレーキシューとは反対側端は、前記インナワイヤ端を固定する固定部を設けてある。そして、ブレーキレバーを操作すると、アウタワイヤに押された前記一方のアームとインナワイヤに引かれた前記他方のアームとが回動してそれらのブレーキシューが車輪のリムに押し付けられ制動が掛かるというものである。
登録実用新案第３０００４４４号公報

上記特許文献１のキャリパーブレーキは、隣接した両アームを一本のセンターボルトを枢軸としてそれぞれを反対方向に回転させるので、前記枢軸部分において両者間に摩擦が生じるなどして、片効き制動が起こり易いという問題があった。

本考案は、上記問題を解消することを課題とし、該課題を解決した自転車用キャリパーブレーキを提供することを目的とする。

本考案は上記目的を達成するために、請求項１に係る本考案は、ハンドルに設けたブレーキレバーに、ブレーキワイヤを介して、その各下端部近傍に車輪リムを挟んで対向するようにブレーキシューを取り付けた一対のアームを連結し、該ブレーキレバーを操作することによって前記一対のアームを相対的に回動させ、前記ブレーキシューを車輪のリムに押し当てて制動する自転車用キャリパーブレーキであって、自転車のフォークに取り付けるセンターボルトの、自転車フレーム取り付け部側とは反対側にその中央部分を固定した所定の長さを有する肩部材と、この肩部材の両端に枢支し、前記センターボルトに対応する位置において互いが重なるようになした一対のアームと、前記アームを制動解除する方向に付勢する前記センターボルトに取り付けたバネ体と、一方のアームの、他方のアームと重なる部分に設けたガイド長孔と、前記他方のアームに設け、前記ガイド長孔に移動可能に係合させた移動突起とから構成したものである。

請求項１に係る本考案は、一対のアームを肩部材に各別に枢支したので、片効き制動を起こさないうえ、該アームの一方に設けたガイド長孔に他方のアームの移動突起を移動可能に係合させたので、前記両アームの制動時の回動が、相対的にぶれることなく安定して行われるという効果を奏する。

次に、本考案の好適な実施形態を添付図面の図１〜図３に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１は正面図、図２は背面図、図３は平面図である。

図１〜図３に示すように、ブレーキ１は、自転車のフォーク（図示せず）に取り付けるセンターボルト２の、取り付け部側とは反対側にその中央部分を固定した所定の長さを有する肩部材３と、この肩部材３の両端に設けた枢軸４，５に枢支し、前記センターボルト２に対応する位置において互いが重なるようなした一対のアームたる第１、第２アーム６，７と、前記両アーム６，７を制動解除する方向に付勢する前記センターボルト２の前記肩部材３近傍に取り付けたバネ体８と、前記第１アーム６の、前記第２アーム７と重なる部分に設けたガイド長孔９と、前記第２アーム７に設け、前ガイド長孔９に移動可能に係合させた移動突起１０とからなる。

図１〜図３に示すように、第１アーム６は、所定の厚みを有する板状に形成し、そのほぼ中央の彎曲した部分を肩部材４の一端（図１における右端）に前記枢軸４により枢支してある。この第１アーム６の、前記枢支部位より下側の端部近傍は、９０度捻じってブレーキシュー１１の取り付け部１２となし、また、前記枢支部位より上側は、横方向に延びる横延長部１３を形成し、この横延長部１３は、後述する第２アーム７と重なる部分であって、前記ガイド長孔９をほぼ横方向に延びるように設けてある。さらに、前記横延長部１３と前記枢支部との中間位置には、斜め上方に延びる上斜め延長部１４を形成し、この上斜め延長部１４の先端には、自転車のハンドルに設けたブレーキレバー（図示せず）に連結されたブレーキワイヤ１５のアウタワイヤ１５ａ端を固定するとともに、インナワイヤ１５ｂを挿通するアウタワイヤ固定部１６を設ける。

図１〜図３に示すように、第２アーム７は、前記第１アーム６と同じ厚みを有する板状で、前記第１アーム６とは反対方向に彎曲した部分を肩部材４の他端（図１における左端）に前記枢軸５により枢支してある。この第２アーム７の、前記枢支部位より下側の端部近傍は、９０度捻じってブレーキシュー１７の取り付け部１８となし、また、この取り付け部１８側とは反対側に斜め下方に延びる下斜め延長部１９の端部は、前記第１アーム６のアウタワイヤ固定部１６と所定間隔を置くように形成し、前記アウタワイヤ固定部１６を挿通させたインナワイヤ１５ｂの端部を固定するためのインナワイヤ固定部２０を設けてある。また、前記下斜め延長部１９における前記第１アーム６の横斜め延長部１３と重なり合う部分には、該第１アーム６のガイド長孔９に係合する前記移動突起１０を設けてある。

図２に示すように、バネ体８は、前記センターボルト２にその中央部分を取り付け、その両端を第１、第２アーム６，７の裏面に設けた係止突起２１，２２下側に係止されていて、第１、第２アーム６，７を制動解除する（ブレーキシュー１１，１７部分が開く）方向に付勢するためのものである。

以上のように構成したブレーキ１を自転車のフォークに取り付けるとともに、ブレーキワイヤ１５を第１、第２アーム６，７に固定し、ハンドルのブレーキレバーを操作すると、第１アーム６はアウタワイヤ１５ａに押し下げられ、また、第２アーム７はインナワイヤ１５ｂに引き上げられ、これら第１、第２アーム６，７のブレーキシュー１１，１７は互いに近づくように、それぞれ枢軸４，５を中心に回動し、車輪のリム（図示せず）に押し付けられ、自転車を制動する。この制動動作の際、第１、第２アーム６，７は、ガイド長孔９と移動突起１０によりガイドされ、ぶれることなくスムーズに互いに等距離回動するので、互いの回動を阻害する摩擦や引っ掛かりが生じず、各ブレーキシュー１１，１７は等距離変位して片効き制動が起こらない。また、ブレーキレバーの操作を止めると、第１、第２アームは、バネ体８の付勢力で前記とは反対方向に回動し、制動が解除される。

なお、本考案は、上記実施形態に何ら限定されるものでなはく、例えば、第１アームに設けたガイド長孔９を第２アーム７に設け、第２アーム７設けた移動突起１０を第１アーム６に設けてもよい。

正面図。 背面図。 平面図。

符号の説明

１ ブレーキ
２ センターボルト
３ 肩部材
４ 枢軸
５ 枢軸
６ 第１アーム
７ 第２アーム
８ バネ体
９ ガイド長孔
１０ 移動突起
１１ ブレーキシュー
１２ 取り付け部
１３ 横延長部
１４ 上斜め延長部
１５ ブレーキワイヤ
１５ａ アウタワイヤ
１５ｂ インナワイヤ
１６ アウタワイヤ固定部
１７ ブレーキシュー
１８ 取り付け部
１９ 下斜め延長部
２０ インナワイヤ固定部
２１ 係止突起
２２ 係止突起

Claims (1)

1. ハンドルに設けたブレーキレバーに、ブレーキワイヤを介して、その各下端部近傍に車輪リムを挟んで対向するようにブレーキシューを取り付けた一対のアームを連結し、該ブレーキレバーを操作することによって前記一対のアームを相対的に回動させ、前記ブレーキシューを車輪のリムに押し当てて制動する自転車用キャリパーブレーキであって、自転車のフォークに取り付けるセンターボルトの、自転車フレーム取り付け部側とは反対側にその中央部分を固定した所定の長さを有する肩部材と、この肩部材の両端に枢支し、前記センターボルトに対応する位置において互いが重なるようになした一対のアームと、前記アームを制動解除する方向に付勢する前記センターボルトに取り付けたバネ体と、一方のアームの、他方のアームと重なる部分に設けたガイド長孔と、前記他方のアームに設け、前記ガイド長孔に移動可能に係合させた移動突起とから構成したことを特徴とする自転車用キャリパーブレーキ。

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