JP3133962B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
るナイロン樹脂 (商標) と、該ナイロン樹脂の溶剤と、
木炭粉末とを含有している塗料組成物に係り、この塗料
組成物は建築用として、例えば内壁、床下、天井裏、押
入の塗装に使用される。
建築であれ木造建築であっても、風通しや換気の良好で
はない部位は多湿状態になり易く、結露を生じたり、こ
れに起因して早期に損傷が生じ易い。この対策として
は、乾燥剤や断熱材を配置したり、空調機器を設置する
ことが行われている。
ながら、乾燥剤は、その機能が単なる吸湿であり、早期
に飽和状態になり、従って頻繁な交換が要求される点に
課題がある。尚、湿気が高いと黴や害虫に対する配慮も
別途に要求される。
し、湿度が低くなると排湿し、基本的には湿分を平均で
約 55% 程度に保つ、いわゆる調湿作用を有することが
知られている。
従来からカビ、ダニ、シロアリの発生を防ぐと言った防
黴・防虫作用及びアンモニア、ホルムアルテヒド等の不
快臭を吸着するといった脱臭作用を有することが知られ
ており、更に近年では家電製品から発生する電磁波の除
去作用及び空気中のプラスイオンを捕捉してマイナスイ
オン濃度を高めると云う空気の浄化作用等の数多くの優
れた特性を有していることが判明し、木炭をヒトの健康
や生活環境の改善のために幅広く利用することが検討さ
れている。
せれば、木炭の優れた特性を有する建築用塗料が得られ
ると考え、木炭を配合した塗料の開発を試みた。
て加熱・乾留して得られる黒色多孔質の物質であって、
材料や製造方法の相違により白炭及び黒炭に大別され
る。白炭の代表はウバメガシ(姥女樫)を原木とする備
長炭で、900 - 1400℃ の高温で焼き、窯から掻き出し
た炭に適量の水に灰と土を混合した「スバイ」をかけて
急冷することにより製造したものである。一方、黒炭は
ナラやクヌギ等の雑木を600 - 800℃ の温度で焼き、自
然冷却した後に窯から取り出したものである。
るため、微粉化することが比較的容易であり、10 - 30
μm の微粉末を得ることができる。この木炭粉末を含有
する塗料を調製するために各種の合成樹脂を各種の溶剤
に溶解し、この合成樹脂溶液に木炭粉末を添加し、撹拌
し、塗料としての実用性を調べる試験を行ったが、本来
木炭は溶剤等に対する溶解性を有していないために、い
ずれも良好な結果を得ることはできなかった。即ち、撹
拌工程において均一に拡散しなかったり、実際に塗装を
施すと形成された被膜に色ムラが生じる等の課題を生
じ、実際に使用し得るに足る木炭粉末含有塗料を調製す
ることができなかったのである。
木炭がその特性を発揮し得る塗料組成物、例えば建築用
塗料組成物を提供することを目的とする。
いる上述の有利な特性を生かした塗料組成物を提供する
ため更に鋭意検討を重ねた結果、前記の課題を解決し、
本発明を完成するに至った。
ン 66 と、ナイロン 12 と、ナイロン 610 とからなる
高融点型ナイロン樹脂、ナイロン 6 と、ナイロン 66
と、ナイロン 12 とからなる低融点型ナイロン樹脂又は
ナイロン 6 と、ナイロン 66と、ナイロン 12 とからな
る高融点型ナイロン樹脂と、これらのナイロン樹脂の溶
剤と、木炭粉末とを含有している塗料組成物は木炭粉末
が均一に分散しており、塗装により形成された被膜に色
ムラの生じないことが見い出されたのである。更に、木
炭粉末を適当な比率で含有しているナイロン樹脂塗料組
成物は、ナイロン樹脂の特性と木炭の特性とを併せ有し
ていることが判明したのである。
た理由は、本発明による塗料組成物を塗装した場合に形
成される被膜の通気性、通水性、防水性、配合されてい
る木炭粉末の特性発揮に結び付く吸水率の相違を考慮に
入れたためである。
末の占める割合は重量において 10 % - 30% であること
ができる。上記ナイロン樹脂塗料に配合する木炭におい
て、白炭と木炭の配合比は任意に設定することができ
る。即ち、白炭は空気の浄化作用及び電磁波除去作用に
おいて特に優れており、一方黒炭は調湿作用、抗菌作
用、防虫作用に特に優れているので、これらを考慮に入
れて白炭と黒炭の配合比を設定するのである。
プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、ベンジル
アルコール、ラウリルアルコール、ダイアセトン、シク
ロヘキサノール又はトリエタノールアミン或いはこれら
の混合物であることができる。
1 価アルコール (殊にメタノール、エタノール及びプロ
パノール) 及びこれらの混合物が適当で あり、塗膜の
乾燥速度を調節する助溶剤として 1 分子中に 1 - 2 個
のエーテル結合を有する 1価アルコールであって、適度
な揮発性を有するもの、例えば メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、プロピルセロソルブ (ノルマル、イ
ソ、第 2 又は 3 級)、ブチルセロソルブ、メチルカル
ビトール、エチルカルビトー ル又はジエチレングリコ
ールモノメチルエーテルを使用することができ、又これ
らと上記の脂肪族 1 価アルコールとの混合物を併用す
ることが好ましい。
の他に塩素系及びフェノール系溶剤を使用することもで
きるが、前者は環境衛生上の見地から主溶剤として使用
し難く、後者は乾燥速度が極めて遅いこと及び塗膜及び
乾燥被膜中に残留した場合に紫外線によりキノン構造を
形成して黄変させるために好ましくない。又、芳香族系
溶剤としてベンゼン、トルエン、キシレン等、ケトン系
溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等、エーテル系溶剤としてジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル等、脂肪族炭化水素系溶剤
としてノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオク
タン、メチルペンタン、シクロヘキサン等があるがナイ
ロン樹脂成分の一部又は全部に対する溶解性が低く、従
って本発明による塗料組成物調製用の溶剤として適当で
はない。
に詳細に且つ具体的に説明する。試験例1 (塗料の検討)低融点型及び高融点型ナイロン樹脂 (ナ イロン 6、66、
12 を含有) の溶剤溶液或いは種々の市販の汎用塗料に
30μm に粉砕した木炭粉末 (白炭 : 黒炭 = 5: 5、ナイ
ロン樹脂溶液又は市販塗料に対して 20 重量% 混合し、
供試塗料とした。これらの各塗料における木炭粉末の分
散や色ムラの状態を調べた後、スレート板及び木板材
に、80mm×100mm の面積に刷毛にて 2 回塗布し、仕上
がり状態を検討した。結果は下記の表1に示されている
通りであり、ナイロン樹脂溶液の場合には木炭粉末を配
合しても色ムラ等の問題はなく、仕上がりも良好であっ
たのに対し、アクリル樹脂を主成分とする塗料の場合に
はに木炭粉末の分散状態が悪く、仕上がり状態も塗料と
して使用に耐え得るものではなかった。
性及び被膜の耐摩耗性)後記の各ナイロン樹脂 ( 20 重量%) に溶剤 [メタノー
ル:n-プロパノール:エチルセルソルブ:i-プロパノー
ル = 30 : 30 : 10 : 10 (重量%)] を添加混合してナイ
ロン樹脂溶液を調製し、30μm に粉砕した木炭粉末 (白
炭 : 木炭 = 5 :5) をナイロン樹脂溶液に対して 10%
或いは 30 重量% 添加し撹拌したものを供試塗料とし
た。乾燥した一枚の木材 (桧) 板に上記の各供試塗料を
塗布し、これを乾燥させた後に 20mm×20mm、厚み 3mm
の含水紙に 200g の荷重をかけ、毎秒2往復の速度で擦
過試験を実施した。 a. ナイロン 6 と、66 と、12 と、610 とからなる高融
点型ナイロン樹脂 b. ナイロン 6 と、66 と、12 とからなる低融点型ナイ
ロン樹脂 c. ナイロン 6 と、66 と、12 とからなる高融点型ナイ
ロン樹脂 この試験による結果の判断基準は下記の通り定めた。 木炭付着性に関して (5 往復後における含水紙への木炭
粉末の付着量) ×:かなり付着 △:やや付着 ○:少量 耐摩耗性に関して ×:5 往復以下で被膜剥離 △:10 往復以下で被膜剥離 ○:10 往復の擦過試験において被膜剥離せず
したもの) 或いは該ナイロン樹脂溶液に木 炭粉末 (30μ
m、黒炭のみ) をナイロン樹脂溶液に対して 20重量% 配
合したもの、或いは汎用樹脂塗料である市販のウレタン
樹脂塗料に木炭粉末を 20 重量% 配合したものを供試塗
料として、以下の要領で 通気性・防水性試験を実施し
た。
容器 (1) の内部に ALC 板 (2)(50mm厚) を容器の下 30
mm の位置になるよう設置し、隙間 (3) をシリコーンシ
ーラントでシーリングした。容器正面の下部に 6φ の
孔 (4) をあけ、設置した ALC板表面 (5) に供試塗料 3
0g 相当を均一に塗布した。塗膜が乾燥した後、容器の
上部空間の約半分まで水を入れ、そのまま 48 時間放置
し、容器の下部へ漏水するか否かを観察した。次いで、
容器下部の孔 (4) に塩化ビニールパイプを挿入し、エ
アーポンプで空気を送入することにより、ALC 板 (2)
を通過して ALC 板表面(5) から空気が泡となって放出
するか否かを観察した。
定めた。 防水性試験に関して ×:容器の底まで漏水する △:ALC 板に水が浸透し、底面にニジミが見られる ○:多少ニジミがあっても ALC 板の表面に留まる 通気性試験に関して ×:ALC 板表面に空気泡が出てこない △:空気泡が少し出てくる ○:空気泡が連続的に出てくる
樹脂溶液自体により形成された被膜は防水性及び通気性
の両者において優れていること及び木炭粉末を配合した
本発明による塗料組成物により形成された被膜は防水性
が若干低いが、通気性において優れていることが明らか
になった。一方、ウレタン樹脂塗料に木炭粉末を配合し
た塗料により形成された被膜は防水性において優れてい
るが、通気性がないことが判明した。
ロン樹脂溶液に 、木炭粉末 (粒径 30μm、白炭 : 黒炭
= 5 : 5) を 20 重量% 配合したものを供試塗料とし、
以下の要領でホルマリンの吸着試験を実施した。
用意し、ホルマリンを含有する市販の合成ゴム系接着剤
40g と、供試塗料 25g を別個の小容器に入れたものを
上記のプラスチックス容器の中に設置した後、容器を密
封し、気体検知管 (ガステック社製 GV- 100S、測定範
囲:0.1 - 5ppm) を用いて容器内のホルマリン濃度を経
時的に測定した。なお、対照としてホルマリン含有合成
ゴム系接着剤 40g のみを入れた容器について、同様に
ホルマリン濃度を測定した。
炭粉末を含有しているナイロン樹脂塗料には試験開始直
後から顕著なホルマリン吸着効果が認められ、24 時間
経過後においてもホルマリン濃度を 0.1ppm 以下に抑え
ることが判明した。
としての一連のナイロン樹脂、即ちナイロン6 と、66
と、12 と、場合により更にナイロン 610 と、これらの
ナイロン樹脂の溶剤と、木炭粉末とを含有している。こ
の塗料組成物を塗装する場合に形成される被膜は適度な
通気性、透水性及び防水性を有しており、従って該被膜
に含有されている木炭の特性、即ち調湿性、抗菌作用、
脱臭作用、空気の浄化作用等を阻害しない。尚、本発明
による塗料組成物は木炭粉末を含有しているので黒色を
呈しているが床下、天井裏、押入等に関しては色彩は問
題とならず、建築用塗料として用いることができる。
す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ナイロン 6 と、ナイロン 66 と、ナイ
ロン 12 と、ナイロン 610 とからなる高融点型ナイロ
ン樹脂、ナイロン 6 と、ナイロン 66 と、ナイロン 12
とからなる低融点型ナイロン樹脂又はナイロン 6 と、
ナイロン 66と、ナイロン 12 とからなる高融点型ナイ
ロン樹脂と、これらのナイロン樹脂の溶剤と、木炭粉末
とを含有していることを特徴とする、塗料組成物。 - 【請求項2】 木炭粉末が他の成分の合計量に対して 1
0 - 30 重量% を占めていることを特徴とする、請求項
1に記載の塗料組成物。 - 【請求項3】 溶剤がエタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、ダ
イアセトン、シクロヘキサノール及びトリエタノールア
ミンから選択された少なくとも 1 種類のものであるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の塗料組成物。 - 【請求項4】 木炭粉末が黒炭粉末又は黒炭粉末と白炭
粉末との混合粉末であることを特徴とする、請求項1又
は2に記載の塗料組成物。
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2000
- 2000-01-31 US US09/494,437 patent/US6277949B1/en not_active Expired - Lifetime
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