JP2003342530A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JP2003342530A
JP2003342530A JP2002156618A JP2002156618A JP2003342530A JP 2003342530 A JP2003342530 A JP 2003342530A JP 2002156618 A JP2002156618 A JP 2002156618A JP 2002156618 A JP2002156618 A JP 2002156618A JP 2003342530 A JP2003342530 A JP 2003342530A
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activated carbon
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aqueous
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JP2002156618A
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Hiroshi Tanaka
博 田中
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ISHITAKE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時にそのつど組成物の配合管理を行なう
ことなく炭化物のもつ調湿機能を長期にわたり有効に行
なわせ、含有有機溶剤を少なくして住居、建築物等の構
造材に効果的に適用し得る水性塗料組成物を提供する。 【解決手段】 主材樹脂と水を含むビヒクルに、炭化物
を賦活処理後粉砕させた粉末活性炭を含有させた水性塗
料組成物から構成される。粉末活性炭の比表面積が少な
くとも700m2 /g以上であるとよく、また、粉末
活性炭の粒子径が150μm以下、好ましくは45μm
以下であるとよい。賦活粉末活性炭の平均細孔は12〜
40(Å)であり、よって、0.1μm〜10μmの分
子長さを有する高分子合成樹脂は、塗料組成物中の粉末
活性炭の細孔に侵入できず、粉末活性炭の調湿機能、防
虫、防黴さらに、VOC吸着機能等を長期にわたり十分
に発揮させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料組成物に
関し、特に、住環境におけるシックハウス症候群の原因
物質の除去、害虫忌避および快適空間の維持に配慮した
水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱的なランニングコスト削減のた
めに住宅の高気密化、高断熱化が図られて室内空調効率
が大幅に改善されている。反面、室内外の換気が不十分
となり、室内は多湿となって結露やアレルギーの原因と
なるカビ、ダニの繁殖を生じさせることとなっている。
さらに、室内の高気密、高断熱により建築物の床材、壁
材、天井、その他の構造材に塗布された塗料に含まれる
トルエン、キシレン、クロロホルム、パラジクロロベン
ゼン等の揮発性有機化合物VOC(Volatile Organic C
ompound)の室内濃度が高くなり、いわゆるシックハウス
症候群を引き起こす化学物質過敏症を生起させ、これが
近時の住環境における深刻な問題となって構造物の構築
の段階から取り組むべき課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解消する
ために、従来、例えば特開2000−319587号に
おて、塗料組成物が提案されている。この塗料組成物で
は、ポリアミド樹脂塗料に配合量1〜50%の木炭粉末
を調合させた場合に、木炭粉末自体に数ミクロンから数
百ミクロンの微細な無数の穴が木炭1gにつき表面積約
300平方メートル以上にわたって存在しているから、
その穴の中にポリアミド樹脂が吸着侵入し、木炭と空気
との接触が遮断されてしまい、木炭自体の持つマイナス
イオン効果等のさまざまな機能が阻害される。また、製
造後1〜2か月で木炭粉末が樹脂中にうまく分散混合さ
れずに沈殿して硬化するために、塗料として使用に耐え
ない。さらに、抗菌剤が混入されていないために防黴・
防虫効果が薄いなどの点に鑑み、所定のポリアミド樹脂
溶液に木炭粉末を予め少量配合しておき、塗料としての
使用直前にその溶液の25〜50%の木炭粉末を配合さ
せる塗料組成物を提案したものである。しかしながら、
この従来の塗料組成物は、塗料の使用直前に木炭粉末を
混合しなければならず、ポリアミド樹脂溶液と木炭粉末
とを別管理として保管、運搬が必要であり、しかも実際
の作業現場等で混合作業を行なう必要があるから、作業
が煩雑であり、また、その配合量の設定が困難で、さら
に、一旦開缶したら全部を使い切らなければ実際にはそ
の配合量の設定が煩わしく、よって塗料の使用効率も悪
いという問題があった。そのため、依然として木炭粉末
の微細な無数の穴内へのポリアミド樹脂の吸着侵入によ
る問題は解決されておらず、木炭粉末の有する効能を有
効に発揮させた塗料の開発が待望されている。さらに、
塗料への均一な分散性を確保し、低価格でありながら、
炭化物による塗料皮膜の通気、通水、防水機能を含む調
湿機能をさらに高めた塗料の出現が待たれている。特
に、住居の空間を仕切る構造材等に塗布される塗料の防
虫、防黴機能の向上は喫緊の課題である。
【0004】本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意
研究した結果、吸着作用が極めて高く、吸湿及び放湿、
すなわち調湿作用に優れた水性塗料組成物を見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は上記従来
の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用
時にそのつど組成物の配合管理を行なうことなく炭化物
のもつ調湿機能を長期にわたり有効に行なわせ、含有有
機溶剤を少なくして住居、建築物等の構造材に効果的に
適用し得る水性塗料組成物を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、低価格でビヒクルへの炭成分
の分散性が良好であり、しかも、防虫、防黴効果に優れ
た水性塗料組成物を提供することである。さらに、本発
明の他の目的は、炭成分のVOCならびに水蒸気吸着機
能に加えてさらにこれを促進させて優れた調湿機能を行
う水性塗料組成物を提供することである。また、本発明
の他の目的は、炭成分を用いながら塗色を黒色に制限さ
れることなく、種々の色に着色可能な汎用性の高い水性
塗料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、主材樹脂と水を含むビヒクルに、炭化物
を賦活処理後粉砕させた粉末活性炭を含有させたことを
特徴とする水性塗料組成物から構成される。その際、粉
末活性炭の比表面積が少なくとも700m2 /g以上
であるとよい。好適には、粉末活性炭の粒子径が150
μm以下、好ましくは45μm以下であるとよい。ま
た、好ましくは、水性塗料組成物が珪藻土を含むとよ
い。さらに、ビヒクルが、アクリル共重合体エマルショ
ンを含むようにするとよい。また、珪藻土の粒子径が4
5μm以下であり、アクリル共重合体エマルションに対
して重量比10〜50重量%であるとよい。水性塗料組
成物は、粉末活性炭の黒色を隠蔽する二酸化チタンを含
むようにしてもよい。さらに、二酸化チタンの粒子形が
1μm以下であり、粉末活性炭に対して重量比20〜2
00重量%であると好ましい。アクリル共重合体エマル
ションがアクリルスチレンエマルションであり、塗料全
体に対して20〜60重量%、好ましくは30〜50重
量%であるとよい。さらに、粉末活性炭、珪藻土、二酸
化チタンのいずれかあるいはそれらのうちの複数が濃度
0.2〜2%のアルギン酸ナトリウム水溶液を溶媒とし
て分散して組成物に配合されるのが好適である。水性塗
料組成物が、木タールのアルカリ抽出液を酸で中和して
得られる精製木タールを含むとさらによい。また、精製
木タールが塗料全体の0.5〜5重量%であるとより好
ましい。本発明の水性塗料組成物は、建築物の床材、壁
材、天井材等の塗料用として好適に適用し得る。また、
特に、精製木タールを含有させた水性塗料組成物につい
ては、床下の木材、基礎コンクリート部分、天井裏、壁
内側等について適用することによりシロアリや腐朽菌等
による木材の傷みを予防し得る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に係る水性塗料組成物は、いずれも
主材樹脂と水を含むビヒクルに、賦活処理した粉末活性
炭を含有させて構成されている。
【0007】本発明の塗料は、水系塗料であり、溶剤
系、混合系等の塗料に比較して現場施工等を行なっても
有機溶剤含量が少ないため比較的に周囲の環境を汚染せ
ず、火災発生の恐れがなく、人体への安全性に優れる。
本発明の水性塗料組成物では、主材樹脂が水に樹脂粒子
径0.1〜数μmで乳化、あるいは樹脂粒子径0.01
〜0.1μmでコロイダルディスパージョンして分散し
ていてもよく、あるいは樹脂粒子径0.01μm未満で
水溶化したタイプ、あるいはそれらの複合したものでも
よい。また、樹脂の分散状態や組成物のスラリー等の性
状は特に限定されない。
【0008】本発明の水性塗料組成物に使用される主材
樹脂は、水性(水溶性)塗料に通常使用される水性樹脂
を用いることができる。例えば、水性ポリエステル樹
脂、水性酢酸ビニル樹脂、水性アクリル樹脂、水性アク
リル−スチレン共重合樹脂、水性塩素化ポリオレフィン
樹脂、水性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、水性酢酸
ビニル−アクリル共重合樹脂、水性エチレン−塩化ビニ
ル共重合樹脂、水性酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル
エステル共重合樹脂、水性スチレン−ブタジエン共重合
樹脂、水性アルキド樹脂、水性メラミン樹脂、水性尿素
樹脂、水性フェノール樹脂、水性エポキシ樹脂、水性ポ
リブタジエン樹脂、水性ウレタン樹脂、水性フッ素樹
脂、水性アクリルシリコン樹脂等の水性樹脂、その他と
してもよい。これらの水性樹脂は、1種または複数種組
み合わせてもよい。
【0009】特に、本発明においては、アクリル共重合
体を乳化させたアクリル共重合体エマルションが好適に
用いられる。そのうちで、アクリルスチレンエマルショ
ンが耐候性、耐久性とともに通気性に優れる点で好まし
い。
【0010】このアクリルスチレンエマルションは、塗
料全体に対して20〜60重量%、特に30〜50重量
%が好ましく、20重量%以下になると塗膜の強度が落
ち、塗膜のヒビ割れや耐水性低下を招く。また、粉末活
性炭、珪藻土、顔料や溶剤等の配合を考慮すると、合成
樹脂エマルションの最大量は60重量%以下で設定され
る。
【0011】水は、主材樹脂の分散媒、あるいは溶媒と
して機能し、本発明の水性塗料組成物中におけるその含
量は、樹脂の水性化方法等によっても異なり特に限定さ
れないが、水溶液タイプでは、通常10〜70重量%、
ディスパージョンタイプでは、5重量%〜15重量%、
エマルションタイプでは、35重量%で含まれている場
合が多い。
【0012】粉末活性炭は、鋸屑、ヤシ殻炭などの植
物、石炭、石炭コークス、石油ピッチなどの鉱物、家畜
の骨等の動物、アクリル樹脂、フェノール樹脂などのプ
ラスチック廃棄物などの合成樹脂等を原料とし、これら
の炭化物を水蒸気、炭酸ガス(燃焼ガス)、酸素(空
気)などの酸化性ガスと高温(750〜1050℃)で
接触させて一部の炭素をガス化して除いて賦活(活性)
化したものを粉砕機で粉砕させたものである。このよう
な製造工程を経た粉末活性炭は、例えば嵩密度(g/m
l)が0.10〜0.35、真密度(g/ml)が1.
8〜2.2、比表面積(m2 /g)が700〜185
0、平均細孔径(Å)が、12〜40である。粉末活性
炭の粒子径は、150μm以下のものが好ましい。ま
た、塗膜表面をより滑らかに仕上げるためには45μm
以下の微粉末であるのがより好ましい。粉末活性炭の使
用量はアクリルスチレンエマルションに対して、10〜
50重量%がよい。粉末活性炭の量が10重量%以下で
あると、塗装後のガス吸着が極端に低下し、また、50
重量%を超えると、 炭特有の黒色により着色が困難とな
り、また、塗装時においても塗料の伸びが悪くなる。粉
末活性炭は水その他の溶媒中で分散させた状態、あるい
は他の機能用添加剤とともにペースト化した状態でビヒ
クルに添加してもよいし、直接にアクリルスチレンエマ
ルションに混合させてもよい。
【0013】木炭粉末や竹炭粉末の比表面積は、一般に
200〜400(m2 /g)であり、その平均細孔は
数十〜数百μmである。これに対し、本発明の粉末活性
炭は、木炭やヤシ殻炭、石炭等の炭を賦活化工程を経て
さらに多孔質化しているため、その比表面積は上記のよ
うに700〜1850(m2 /g)であり、かつ平均
細孔は12〜40(Å)となっている。これに対し、例
えば分子量1万〜百万程度の高分子合成樹脂の分子の長
さは少なくとも0.1μm〜10μmであり、よって、
本発明の塗料組成物中の粉末活性炭の細孔にはバインダ
としての例えばアクリル共重合体樹脂成分その他の樹脂
成分が侵入できず、粉末活性炭の通気、通水等の調湿機
能、これに伴う防虫、防黴機能、並びにマイナスイオン
効果機能等の諸性能を長期にわたり十分に発揮させるこ
とができる。特に、これらの通気、通水機能を通じた室
内の揮発性有機化合物の吸着機能に優れ、人体への悪影
響を効果的に抑制する。よって、種々の水性塗料用樹脂
と水とを含むビヒクルに混合させた状態として塗料の使
用現場等でそのまま建築構造材等に塗布して使用し得
る。
【0014】さらに、一つの実施形態において、この水
性塗料組成物には珪藻土を配合させてもよい。珪藻土は
天然より得られ、多孔質構造を有していることから吸
湿、放湿作用が大きく、VOCの吸着機能を有する。こ
の際、特に、粒子径が45μm以下のものがよく、それ
らに対応する細孔径が数十〜数百Åのものを選択すると
よい。例えば細孔半径2〜4nm分布が多い稚内層珪藻
頁岩を選択すると好ましい。珪藻土は微粉末として入手
できるが、化学処理をした濾過助剤として市販されてい
る珪藻土であってもよい。この珪藻土は、アクリルスチ
レンエマルションに対して、10〜50重量%であるの
が好ましく、50重量%以上配合すると、塗料強度が弱
くなる。上記の珪藻土を配合することにより、粉末活性
炭が有するVOCや水蒸気の吸着機能に加えてさらに珪
藻土の通水、 吸湿、 ならびにVOCの吸着機能が相乗
し、高い調湿機能を保持する。
【0015】また、この水性塗料組成物に二酸化チタン
を白色顔料として配合させてもよい。粉末活性炭の含有
により塗料全体が黒色になって、塗着材料が床下、天井
裏、壁裏面側等のみに限定される場合が多く、このた
め、二酸化チタン粉末を混合することにより、白色顔料
として機能させ、他の着色顔料を混合させることにより
塗着材の建築物等での適用箇所に制限をうけることな
く、汎用的な塗料を提供する。二酸化チタンの粒子径は
1μm以下のものが望ましい。二酸化チタンには結晶形
の違いによりルチル型とアナターゼ型があるが、光触媒
作用の少ないルチル型を使用するのが好ましい。その使
用量は、粉末活性炭に対して20〜200重量%がよ
い。詳しくは、配合量は塗料の着色度合いにより変動
し、濃色の場合は20〜100重量%、浅色の場合は1
00〜200重量%の配合量が好適である。二酸化チタ
ンをビヒクル内に分散させるには、通常用いられる分散
剤を使用してもよいが、特に、分子量が2000〜10
000のポリアクリル酸ナトリウム系物質が有効であ
り、二酸化チタンに対して、0〜20%の範囲内で使用
することができる。
【0016】さらに、水性塗料組成物は、木タールのア
ルカリ抽出液を酸で中和して得られる精製木タールを含
むようにしてもよい。木タールは、木材を乾留して得ら
れる液体生成物から木酢液を除去した後の黒褐色の残留
粘稠体である。木タールには防腐剤や医薬品原料として
使用されるフェノール類化合物やカルボン酸類化合物が
相当の割合で含有されている。一方、この木タールに
は、ベンゾピレンなどのような発ガン性が疑われる非水
溶性の縮環系芳香族化合物が含まれており、このままの
塗料としての使用では人体への悪影響が懸念される。こ
のため、実施形態において水性塗料組成物はフェノール
類化合物やカルボン酸類化合物等の物質を主体にアルカ
リ抽出し、抽出物を酸で中和した精製木タールを得、こ
れを水性塗料組成物に含ませるようにする。具体的に
は、例えば木タールを例えば10%水酸化ナトリウム水
溶液などのアルカリ液で抽出し、このとき、非水溶性高
分子化合物や非水溶性の縮環系芳香族化合物などは濾過
して除去し、防虫、防腐に有効なフェノール類化合物や
カルボン酸類化合物を主体として含有するアルカリ抽出
液を得る。次に、この抽出液を酸、例えば塩酸、硫酸等
でpH4〜7に中和すると、液が有機層(上層)と水層
に分離する。そして、タール状の上層を分液して精製木
タールとして用いる。この精製木タールは例えば珪藻土
に分散して使用するとよい。精製木タールの組成量は、
塗料100重量部に対して、精製木タール0.5〜5重
量%が好適である。0.5重量%以下であると、シロア
リに対する防蟻効果が低下し、5重量%以上用いると、
塗布後に木タール臭が感じられるようになる。精製木タ
ールにより、塗布基材の防腐並びに防虫効果を促進させ
る。
【0017】なお、前述のように、粉末活性炭を用いる
ことによる塗料の黒色化を抑制するために例えば白色顔
料等を配合させてもよい。
【0018】粉末活性炭や珪藻土、二酸化チタンをビヒ
クルに分散させる際には、これらの固形物をあらかじめ
水または通常利用される増粘剤等の水溶液を添加して混
合してペースト状に調整し、これをアクリル共重合体エ
マルションに混合するとよい。特に、0.2〜2%アル
ギン酸ナトリウム水溶液を用いた場合、活性炭(真密度
=1.8〜2.2g/mL)や珪藻土(真比重=2.1
〜2.3g/mL)、二酸化チタン(例えばルチル型:
比重=3.8〜4.1g/mL)などの比重の大きな固
形物の沈殿固化を長期間にわたり抑制することができ、
かつ、塗料成分の分散性にも優れる。アルギン酸は乾燥
した海藻のアルカリ抽出液を酸で処理して高粘度の沈殿
物として得られるマンヌロン酸の1β→4脱水重合体で
ある。また、塗料に着色顔料を含ませる場合、フタロシ
アニン系やアゾ系などの有機化合物系着色顔料のペース
トは常法により調整することができる。例えば、着色原
料をあらかじめ低級アルコール、例えば環境負荷が少な
いエチルアルコールで湿潤させた後、塗料に使用する溶
剤、例えば1%アルギン酸ナトリウム水溶液もしくは合
成樹脂エマルションに混合分散させて簡単にペースト状
に調整して用いてもよい。そして、得られた着色顔料の
ペーストは、先の固形物のペーストと一緒にして混合
し、均一な固体分散ペーストとしてビヒクルに配合させ
得る。精製木タールあるいは木タールを含有した水性塗
料を作成する場合は、乾燥した珪藻土に粘性のある精製
木タールあるいは木タールを一定量加えてかき混ぜる
と、精製木タール等が分散した珪藻土を得ることができ
る。
【0019】本実施形態の水性塗料組成物は、上述のよ
うに多孔質の活性炭や珪藻土を含有し、これらをアクリ
ルスチレン樹脂に混合して塗料を形成させる。この水性
塗料組成物は、通気性、通水性に優れ、室内調湿機能を
行なうとともに効果的にVOC吸着を行なう。また、消
臭機能に優れるとともに、珪藻土を用いて耐水性、対摩
耗性をも有する。同時に、成分は塗料内に均一に分散し
て実際の塗装に際して色むらやたるみがなく、仕上がり
も良好である。また、適宜、着色顔料を混合でき、所望
の着色塗料を得ることができる。さらに、水性塗料であ
るから塗装に使用した刷毛やローラー等は水で簡単に洗
浄することができる。かくして得られた水性塗料組成物
は、室内の壁、天井、押し入れ等の塗装に適用され、1
00〜300g/m2 の範囲内の塗布量で塗装し、内
装材や家具等から揮発するVOCを吸着し、室内の調湿
により結露等を防止する。さらに、精製木タールあるい
は木タールを含有した水性塗料組成物は、床下の基礎部
分や木材部分、天井裏、壁内側に100〜500g/m
2 の範囲内の塗布量で塗装し、防虫、抗菌作用、調湿
作用によりそれらの木材の腐朽を防止し得る。
【0020】実施例 以下に、実施例を示し、本発明の
特徴をより具体的に説明する。
【実施例1】 二酸化チタン(ルチル型、粒子径:約
0.1〜0.3μm)10gをポリアクリル酸ナトリウ
ム系分散剤(分子量、約10,000)2gおよび1%
アルギン酸ナトリウム水溶液14gで分散した後、50
%含水粉末活性炭(粒子径150μm以下)20g及び
20%精製木タール分散珪藻土(珪藻土粒子径:約2〜
20μm)8gを加えて0.5時間攪拌してペーストを
調整した。これにアクリルスチレンエマルション30g
を加えて、1時間攪拌、混合して灰色の水性塗料組成物
を得た。
【実施例2】 二酸化チタン(ルチル型、粒子径:約
0.1〜0.3μm)10gをポリアクリル酸ナトリウ
ム系分散剤(分子量:約10,000)2gおよび1%
アルギン酸ナトリウム水溶液4gで分散した。これに6
6%含水粉末活性炭(粒子径45μm以下)40g及び
25%木タール分散珪藻土(珪藻土粒子径:約2〜20
μm)10gを加えて混合した。これにアクリルスチレ
ンエマルション40gを加え、攪拌、混合して灰色の水
性塗料組成物を得た。
【実施例3】 フタロシアニンブルー3gをエチルアル
コール4gで湿らせた後、1%アルギン酸ナトリウム2
gを加えて分散させ、これを、二酸化チタン(ルチル
型、粒子径:約0.1〜0.3μm)10gおよび珪藻
土(珪藻土粒子径:約2〜20μm)10gをポリアク
リル酸ナトリウム系分散剤(分子量:約10,000)
2gおよび1%アルギン酸ナトリウム14gで分散した
ものに加えて混合し、顔料ペーストを調整した。このペ
ーストにアクリルスチレンエマルション40gを加えて
0.5時間攪拌し、続いて50%含水粉末活性炭20g
を添加し、1時間攪拌、混合して青色の水性塗料組成物
を得た。
【実施例4】 木タール40gに10%水酸化ナトリウ
ム水溶液40gを加え、室温で2時間攪拌した。つぎ
に、ろ紙(ADVANTEC No.2)を2枚重ねに
してアルカリ抽出液を自然濾過後、吸引濾過して、粘性
のある残渣を取り除いた。このアルカリ抽出液を12N
硫酸でpH=4に中和すると液が二層に分離した。上層
の褐色液を分離し、精製木タール16gを得た。これに
珪藻土64gを加え攪拌混合して、20%精製木タール
分散珪藻土80gを得た。
【0021】
【参考例1】 二酸化チタン(ルチル型、粒子径:約
0.1〜0.3μm)10gをポリアクリル酸ナトリウ
ム系分散剤(分子量:約10,000)2gおよび1%
アルギン酸ナトリウム水溶液14gで分散した後、50
%含水粉末木炭(粒子径150μm以下)20g及び2
0%木タール分散珪藻土(珪藻土粒子径:約2〜20μ
m)8gを加え、攪拌、混合してペーストを調整した。
これにアクリルスチレンエマルション30gを加えて1
時間、攪拌、混合して比較用の水性塗料を作成した。
【参考例2】 市販のアクリル水性塗料90gに50%
含水粉末活性炭(粒子径150μm以下)20gおよび
珪藻土(粒子径:約2〜20μm)10gを加えて攪拌
混合して、比較用水性塗料とした。
【参考例3】 市販のウレタン水性塗料90gに50%
粉末活性炭(粒子径150μm以下)20g、珪藻土
(粒子径:約2〜20μm)10gおよび精製水10g
を加えて攪拌混合して、比較用水性塗料を作成した。
【参考例4】 二酸化チタン(ルチル型、粒子径:約
0.1〜0.3μm)10gをポリアクリル酸ナトリウ
ム系分散剤(分子量:約10,000)2gおよび1%
アルギン酸ナトリウム水溶液14gで分散した後、50
%含水粉末活性炭(粒子径150μm以下)20g及び
20%木タール分散珪藻土(珪藻土粒子径:約2〜20
μm)8gを加え、攪拌、混合してペーストを調整し
た。これにアクリルスチレンエマルション30gを加
え、攪拌、混合して灰色の比較用の水性塗料を作成した
【0022】
【試験例1】(塗料組成物の耐水性)実施例1、2、
3、参考例1、2、3ではそれぞれ粉末活性炭が配合さ
れ、参考例1では粉末木炭を配合しているが、それらの
各組成物及び塗料、並びに炭成分を含まないアクリル樹
脂市販水性塗料(そのまま)と同じく炭成分を含まない
ウレタン樹脂市販水性塗料(そのまま)を、それぞれガ
ラス板150×70×2mmに塗布した。塗布量は、実
施例1、2、3および参考例1、2、3が約180g/
m2 、市販水性塗料(アクリル樹脂)および市販水性
(ウレタン樹脂)が約90g/m2 になるように刷毛
で塗布し,室内で3日間自然乾燥して試験に供した。こ
れらの試験片を精製水(脱イオン水)に18時間浸し
た。試験片を取り出した直後と2時間放置後に観察し,
異常がないか調べた。その結果、実施例1、2、3およ
び参考例2には色や塗膜面および塗膜裏面に全く異常は
なかった。参考例1では、取り出した直後に数個の小さ
な膨れが観察された。また、参考例3では大きな膨れが
出ており、全体の半分程度がはがれ状態であった。市販
水性塗料(アクリル樹脂)および市販水性(ウレタン樹
脂)でも全面に膨れが散在した。
【0023】
【試験例2】(塗料組成物の耐摩耗性)実施例及び参考
例の各組成物並びに塗料を乾燥スギ木片50×100m
mに約180g/m2 、さらに、試験例1と同じ炭成
分を含まないアクリル樹脂市販水性塗料(そのまま)を
約90g/m2 の塗布量で刷毛で塗布し、室内で3日
間自然乾燥した。そして、硬めの歯ブラシのブラシ面の
荷重が100g/cm2になるようにブラシの支持棒上
に鉄の錘を載せたもので、ブラシを水に濡らした状態
で、塗布面を毎秒1往復し、20回くり返して塗料の付
着性と耐摩耗性を調べた。その結果、実施例1,2,3
及び参考例1,2,3ならびに市販水性塗料(アクリル
樹脂)ともに、付着性と耐摩耗性は良好であった。
【0024】
【試験例3】(水蒸気透過性)和紙(厚手障子紙)に実
施例1,3および参考例1,2,3の組成物並びに塗料
を約180g/m2 の塗布量となるように刷毛で塗布
し、室内で5時間自然乾燥後、50℃で2時間乾燥した
ものを使用した。各塗布物を内径25mm、高さ60m
mのアクリル筒の一端に張りつけ、アクリル筒と塗布物
をシリコン接着剤でコーキングして,接合部分から空気
が漏れないようにした。次に、不織布に入れた同一ロッ
トの粒状シリカゲル(約10.8g)をアクリル筒内部
に挿入後,蓋をして密閉した。それぞれの組成物あるい
は塗料について作製した試験装置を、湿度79%のデシ
ケータ中に移し、経時的に塗布物約5cm2 を透過す
る水蒸気の各質量を計測して,水蒸気の透過による重量
変化を求めた。その結果を図1で表に示し、図2でグラ
フ化した。3時間後の水蒸気透過量は、実施例1=4
0.6mg(1平方メートル当たりの重量換算で83g
/m2 )、実施例3=38.6mg(79g/m2
)、参考例1=17.0mg(35g/m2 )、参考
例2=7.4mg(15g/m2 )、参考例3=8.
7mg(18g/m2 )であった。
【0025】
【試験例4】(調湿性)実施例1,3および参考例2,
3の組成物並びに塗料、さらに炭成分を含まない市販水
性塗料(アクリル樹脂)を50×100×0.5mmの
スチレンプレートの片面に、塗布量約180g/m2
になるように刷毛で塗布した。但し,市販水性塗料(ア
クリル樹脂)は、塗布量約90g/m2 で塗布した。
これらの塗布物を各2枚づつ作製し,湿度30〜40%
の状態で3日間乾燥した。各プレートを支持具に立て
て、湿度79%のデシケータ中に移し、吸湿による各プ
レートの重量変化を経時的に24時間にわたり計測し
た。引き続き,これらのプレートを、シリカゲル20g
を入れた容量約2Lのプラスチック容器に移し,放湿に
よる各プレートの重量変化を経時的に24時間にわたり
計測した。その計測結果を図3の表で表し、さらに図4
でグラフ化して示した。この結果は、実施例1は最初の
24時間で24.6mg(約5g/m2 )の水分を吸
着し、つぎの24時間後には21.3mg(24.6m
g−3.3mg)(約4.3g/m2 )の水が塗布面
から放出された。実施例3では24時間で18.9mg
(約3.8g/m2 )の水分を吸着し、さらに24時
間後には16.5mg(約3.3g/m2 )の水が放
出された。一方、参考例2,3ならびに市販水性塗料
(アクリル樹脂)の吸湿および放湿の量は、参考例2が
24時間吸湿量=13mg(2.6g/m2 )、24
時間放湿量=12.8mg(2.5g/m2 )、参考
例3が24時間吸湿量=13.8mg(2.8g/m2
)、24時間放湿量=13.4mg(2.7g/m2
),市販水性塗料(アクリル樹脂)が24時間吸湿量
=9mg(1.8g/m2 )、24時間放湿量=9m
g(1.8g/m2 )であった。
【0026】
【試験例5】(アンモニア吸着性)実施例1,3および
参考例2,3の組成物並びに塗料、並びに炭成分を含ま
ない市販水性塗料(アクリル樹脂)を50×100×
0.5mmのスチレンプレートの片面に、塗布量約18
0g/m2 になるように刷毛で塗布した。但し,市販
水性塗料(アクリル樹脂)は、塗布量約90g/m2
で塗布した。つぎに、湿度30〜40%の状態で3日間
乾燥した。アンモニア吸着試験は1.3Lのガラス容器
の金属蓋に,内部に100mm貫通したガス吸引口,試
料注入口、逆止弁付き大気導入口を取り付け,各口金
(内径3mm)にシリコンゴム管を着け、それらの先端
をピンチコックで止めた形状をもつ装置を用いて実施し
た。まず、内径30mm、深さ15mmの容器に脱水の
ために無水硫酸ナトリウム1.0gを入れ、これをガラ
ス容器内の底に置いた。また、塗布物のプレートはガラ
ス容器内の中間部の高さになるように,金属製支持具に
収めた。つぎに、1.25%アンモニア水3μLを試料
注入口よりガラス容器内に注入し、注入口をピンチコッ
クで密閉した。アンモニアガス濃度はガス検知管(ガス
テック、100mL吸引1回)を用い経時的に測定し
た。ブランク試験による1.25%アンモニア水3μL
注入時の3時間内平均最大ガス濃度は22ppmを示し
たのでこれをアンモニアガス初期濃度として使用した。
また、ガス検知管の数値は,測定時の大気流入によるア
ンモニアガスの希釈率を考慮して補正した。その結果を
図5の表で示し、さらに図6でグラフ化して示した。3
時間後の残留アンモニアガス濃度は、実施例1=検出さ
れず、6時間後では、実施例3=0.5ppm、参考例
1=4.0ppm、参考例2=5.5ppm、参考例3
=2.5ppm、市販水性塗料(アクリル樹脂)=10
ppmであった。
【0027】
【試験例6】(ホルムアルデヒド吸着性)実施例1,3
および参考例1の組成物並びに塗料、ならびに炭成分を
含まない市販水性塗料(アクリル樹脂)を50×100
×0.5mmのスチレンプレートの片面に、塗布量約1
80g/m2 になるように刷毛で塗布した。但し,市
販水性塗料(アクリル樹脂)は塗布量約90g/m2
で塗布した。つぎに、湿度30〜40%の状態で3日間
乾燥した。ホルムアルデヒド吸着試験は1.3Lのガラ
ス容器の金属蓋に,内部に100mm貫通したガス吸引
口,試料試料注入口、逆止弁付き大気導入口を取り付
け,各口金(内径3mm)にシリコンゴム管を着け、そ
れらの先端をピンチコックで止めた形状をもつ装置を用
いて実施した。まず、内径30mm、深さ15mmの容
器に脱水のために無水硫酸ナトリウム1.0gを入れ、
これをガラス容器内の底に置いた。また、塗布物のプレ
ートはガラス容器内の中間部の高さになるように,金属
製支持具に収めた。つぎに、0.62%ホルムアルデヒ
ド溶液3μLを試料注入口よりガラス容器内に注入し、
注入口をピンチコックで密閉した。ホルムアルデヒドガ
ス濃度はガス検知管(ガステック、100mL吸引1
回)を用い経時的に測定した。ブランク試験による0.
62%ホルムアルデヒド溶液3μL注入時の3時間内平
均最大ガス濃度は3.5ppmを示したのでこれをホル
ムアルデヒドガス初期濃度として使用した。また、ガス
検知管の数値は,測定時の大気流入によるアンモニアガ
スの希釈率を考慮して補正した。その結果を図7の表
で、さらに図8のグラフで示す。3時間後の残留ホルム
アルデヒドガス濃度は、実施例1では8時間検出され
ず、実施例3では22時間でほぼ0ppm、参考例1
は、22時間後0.5ppm、市販水性塗料(アクリル
樹脂)では、22時間後1.5ppmであった。
【0028】
【試験例7】(防蟻性)精製木タール含有の実施例1の
組成物(耐候操作なし)を10×10×20のクロマツ
に塗布(2度塗り)、シロアリの兵アリ15頭、職アリ
150頭を用い、26〜30℃(平均28℃)で15日
間飼育した(15日目で実施例1のシロアリが全数死
亡)。その結果を図9の表に示す。無処理クロマツの死
虫率は、兵アリ=27%、職アリ=32%であり、実施
例1の平均死虫率は、兵アリ=100%、職アリ=10
0%であった。一方、食害による質量減少は無処理クロ
マツで8.1%、実施例1では食害は全く認められず、
食害による質量減少はほぼ0%であった。また、実施例
1ではシロアリが全く近寄らない強い忌避効果が認めら
れた。
【試験例8】(防蟻性)通常の木タール(非精製木ター
ル)使用の参考例4の組成物(耐候操作なし)を10×
10×20のクロマツに塗布(2度塗り)、シロアリの
兵アリ15頭、職アリ150頭を用い、26〜30℃
(平均28℃)で3週間飼育した。その結果を図10の
表に示す。無処理クロマツの死虫率は、兵アリ=27
%、職アリ=38%であり、参考例4の平均死虫率は、
兵アリ=100%、職アリ=95%であった。一方、食
害による質量減少は無処理クロマツで10.7%、参考
例4では1ヶ所食害があり、質量減少0.3%であっ
た。また、忌避効果が認められた。
【0029】これら一連の試験結果を表―1にまとめ
た。この表では○印:良好、△印:劣る、×印:不良の
ランク付けをした。また、−印は試験を行っていない。
【表1】
【0030】上記試験結果より、本発明の水性塗料組成
物は水蒸気透過性にすぐれ、かつ、強い耐水性を有して
いることが明らかになった。建造物の塗装において、例
えば多孔質である木材は水分の出入りが多く、また、コ
ンクリート基礎やコンクリート建築物は長期におよぶ乾
燥過程で大量の水分を放出することから、 本発明の水性
塗料組成物の水蒸気透過特性が十分に発揮され、 好適に
使用できることを示した。これは、水性塗料組成物の膜
形成に起因するものである。すなわち、本発明に使用す
るアクリルスチレンエマルションは樹脂粒子が水に分散
した状態にあり、塗装後の乾燥時に溶剤が蒸発すること
により粒子間で融合し造膜する。このとき共存する固形
成分の粉末活性炭や珪藻土も含水しており、樹脂粒子は
これらの固体粒子表面にも付着している。 溶剤である水
分が蒸発するとき樹脂粒子間で融合が起き、 固体粒子―
樹脂―固体粒子の連結が逐次発生し、固体粒子間に空隙
のある膜形成が行われる。そして、この塗膜には活性炭
や珪藻土の粒子表面における微細な細孔に樹脂などが侵
入することなく、空隙があり、これによって、水蒸気透
過性を良好にし、調湿性に富み、さらに高いガス吸着性
を保持するものである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性塗料
組成物は,現場使用時などでの組成物の配合管理を別途
に行うことなく、VOCを含むガス吸着性が高く、調湿
性、防虫性に優れ、しかも炭成分使用によっても黒色に
限定されず、汎用性を有する水性塗料を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水性塗料組成物の試験例3による結果を表に
示す図である。
【図2】 図1の結果をグラフ化した図である。
【図3】 水性塗料組成物の試験例4による結果を表に
示す図である。
【図4】 図1の結果をグラフ化した図である。
【図5】 水性塗料組成物の試験例5による結果を表に
示す図である。
【図6】 図5の結果をグラフ化した図である。
【図7】 水性塗料組成物の試験例6による結果を表に
示す図である。
【図8】 図7の結果をグラフ化した図である。
【図9】 試験例7による結果を表に示す図である。
【図10】 試験例8による結果を表に示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 125/08 125/08 133/00 133/00 Fターム(参考) 4H011 AC03 BA01 BB22 BC19 DD05 DH02 DH05 4J037 AA01 CA09 DD05 DD06 DD07 FF03 4J038 CA021 CA041 CB051 CC021 CD011 CD091 CF021 CG001 DA041 DA141 DA161 DB001 DD001 DD121 DG001 DL031 HA026 HA216 HA526 KA08 MA10 NA27

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主材樹脂と水を含むビヒクルに、炭化物
    を賦活処理後粉砕させた粉末活性炭を含有させたことを
    特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 粉末活性炭の比表面積が少なくとも70
    0m2 /g以上である請求項1記載の水性塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 粉末活性炭の粒子径が150μm以下、
    好ましくは45μm以下である請求項1または2記載の
    水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 水性塗料組成物が珪藻土を含む請求項1
    ないし3のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 ビヒクルが、アクリル共重合体エマルシ
    ョンを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の水性塗
    料組成物。
  6. 【請求項6】 珪藻土の粒子径が45μm以下であり、
    アクリル共重合体エマルションに対して重量比10〜5
    0重量%である請求項4または5記載の水性塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】 水性塗料組成物が粉末活性炭の黒色を隠
    蔽する二酸化チタンを含む請求項1ないし6のいずれか
    に記載の水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 二酸化チタンの粒子形が1μm以下であ
    り、粉末活性炭に対して重量比20〜200重量%であ
    る請求項7記載の水性塗料組成物。
  9. 【請求項9】 アクリル共重合体エマルションがアクリ
    ルスチレンエマルションであり、塗料全体に対して20
    〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である請求
    項5ないし8のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  10. 【請求項10】 粉末活性炭、珪藻土、二酸化チタンの
    いずれかあるいはそれらのうちの複数が濃度0.2〜2
    %のアルギン酸ナトリウム水溶液を溶媒として分散して
    組成物に配合される請求項7ないし9のいずれかに記載
    の水性塗料組成物。
  11. 【請求項11】 水性塗料組成物が、木タールのアルカ
    リ抽出液を酸で中和して得られる精製木タールを含む請
    求項1ないし10のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  12. 【請求項12】 精製木タールが塗料全体の0.5〜5
    重量%である請求項11記載の水性塗料組成物。
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