JP3133226B2 - プラント構造材料の腐食推定方法、および腐食診断システム - Google Patents

プラント構造材料の腐食推定方法、および腐食診断システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸を含む溶液の処理を
行うプラントの、該酸を含む溶液に接触する構造材料の
腐食の進行を推定、予測、診断する方法および装置と、
腐食抑制方法に係り、特に使用済み核燃料再処理施設
(以下、再処理施設と略称する)に適する腐食推定方
法、および該方法を用いた腐食診断システムに関する。
【0002】
【従来の技術】使用済み核燃料からウランとプルトニウ
ムとを回収する再処理方法のひとつとして、使用済み核
燃料を希硝酸に溶解して硝酸酸性溶液とし、この溶液か
ら、ウランおよびプルトニウムをリン酸トリブチル−ケ
ロシン溶液で抽出するピューレックス法が知られてい
る。
【0003】このピューレックス法を用いて再処理を行
う場合、構造材料が硝酸水溶液に接触することになるの
で、構造材料の腐食が問題となる。そこで、従来より、
ピューレックス法を用いる再処理施設では、種々の高耐
食化技術が採用されている。高耐食化技術としては、例
えば、構造材料にジルコニウム、極低炭素ステンレス鋼
等の耐食性材料を使用することが知られており、また、
減圧沸騰方式の採用などにより環境的にも腐食緩和対策
が施されてきている。
【0004】腐食による構造材料の損傷を正しく把握す
ることは、施設の運転管理上、施重要であることから、
通常、何らかの腐食診断が行われる。従来の大型施設に
おける腐食診断は運転中と停止時に実施されるものに大
別される。
【0005】運転中には、対象材料で作成した試験片を
媒体中に浸漬しておき、経時的に引き抜いて腐食損傷お
よび腐食減量を調べる方法がよく採られる。また、停止
時には、超音波、磁気などを応用して材料の厚みを測定
する方法、スコープ等で機器内面を検査して腐食状態を
知る方法、機器を分解して検査する方法等が採られてい
る。この方法は、たとえば、腐食防食協会編、「防食技
術便覧」、p.841(日刊工業新聞社(1986年発行))に記載
されている。
【0006】さらに、再処理施設においても、超音波を
応用して材料の腐食による減肉や損傷状態を測定する方
法がある。なお、再処理施設においては、放射性核種が
存在し、機器の放射線量が高いため、遠隔操作によるテ
レビモニタで機器内面の状態を調べる方法が示されてい
る。この方法は、たとえば、Br. Corros. J., Vol.25,
No.2, pp.103-104 (1990)に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試験片
を浸漬する方法では、浸漬した後に浸漬期間内の腐食状
態を知ることはできるが、施設の運転状態や媒体である
硝酸溶液の組成等の変化により腐食がどのように変化し
ているかをその場で知ることはできないし、またその後
の腐食進展状況を予見することもできない。さらに、測
定場所が限られるため、施設全体の状況を把握すること
は極めて困難である。
【0008】一方、停止時に実施される各方法は、測定
あるいは検査された時点でその材料がどのような腐食状
況に置かれているかを知るに留まる。したがって、いず
れの方法においても施設全体の腐食状況をその場で診断
し、結果をその後の運転方法に反映させることはできな
い。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、酸を含む溶液の処理を行うプラント、特に、使用済
み核燃料再処理施設において、酸を含む溶液に接触する
構造材料について、その置かれる環境条件の変化をも考
慮したうえで、腐食速度、腐食量、および余寿命等の腐
食関連情報を推定する腐食推定方法と、構造材料の腐食
診断システムとを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、酸を含む溶液の処理を行うプラント
の、該酸を含む溶液に接触する構造材料の腐食の進行を
推定する方法であって、腐食の速度を、大気圧沸騰状態
における上記酸の水溶液に接触する構造材料の腐食速度
と、上記酸を含む溶液中に存在するあらかじめ定められ
た化学種の腐食加速率と、あらかじめ定められた溶接加
工影響補正値と、温度補正値と、運転モードに応じてあ
らかじめ定められた運転モード補正値とを、掛け合わせ
て求めることを特徴とするプラント構造材料の腐食速度
推定方法が提供される。
【0011】なお、この腐食速度推定方法は、診断対象
のプラントが使用済み核燃料再処理設備であり、酸を含
む溶液が使用済み核燃料を溶解した硝酸水溶液である場
合に特に適している。
【0012】また、本発明では、酸を含む溶液の処理を
行うプラントの、該酸を含む溶液に接触する構造材料の
腐食の進行を推定するプラント構造材料の腐食診断シス
テムであって、入力装置と、出力装置と、演算処理装置
とを備えるシステムが提供される。
【0013】ここで、上記入力装置は、酸を含む溶液中
に存在するあらかじめ定められた化学種の濃度の入力を
受け付ける手段と、運転状況のデータを受け付ける手段
と、酸を含む溶液の温度データの入力を受け付ける手段
と、構造材料に関する情報の入力を受け付ける手段とを
有する。
【0014】また、上記演算処理装置は、酸を含む溶液
中の酸の濃度から、大気圧沸騰状態における該酸の水溶
液に接触する構造材料の腐食速度を求める手段を備え、
さらに、上記酸を含む溶液に接触する構造材料の腐食速
度を推定する手段と、この推定した腐食速度、および、
該腐食速度により求められる腐食の進行についての情報
の少なくともいずれかを、上記出力装置に出力する手段
とを有する。
【0015】なお、上記腐食速度を推定する手段は、該
手段により求められた大気圧沸騰状態における酸の水溶
液に接触する構造材料の腐食速度と、酸を含む溶液中に
存在するあらかじめ定められた化学種の濃度により定め
られる補正値と、上記運転状況データにより定められる
補正値と、上記温度データにより定められる補正値との
積により、上記構造材料の腐食速度を推定する。ここ
で、あらかじめ定められた化学種とは、硝酸、鉄、ルテ
ニウム、および硝酸イオンであることが望ましい。
【0016】上記演算処理装置は、あらかじめ定められ
た時間ごとに、上記腐食の進行の推定を行い、あらかじ
め定められた基準を超えた腐食の進行を検出すると、上
記出力装置に警報を出力する手段を備えていてもよい。
【0017】なお、本発明により提供される腐食診断シ
ステムは、使用済み核燃料再処理設備の診断であって、
酸として硝酸を用いる場合に特に適している。この場
合、入力装置は、放射線量の入力を受け付ける手段をさ
らに有し、演算処理装置は、大気圧沸騰状態における上
記酸の水溶液に接触する構造材料の腐食速度と、上記酸
を含む溶液中に存在するあらかじめ定められた化学種の
濃度により求められる補正値と、上記運転状況データに
より求められる補正値と、上記温度データにより求めら
れる補正値と、上記放射線量により求められる補正値と
の積を、上記構造材料の腐食速度として推定する手段
を、さらに有することが望ましい。
【0018】
【作用】酸を含む溶液に接触する構造材料の腐食速度
は、大気圧沸騰状態における、その酸の水溶液中の腐食
速度を基準にし、それに補正を加えることにより、推定
することができる。例えば、腐食速度は、上記酸を含む
溶液に含まれる酸をAとするとき、下記式(a)により
推定される。
【0019】 腐食速度=(大気圧沸騰状態におけるA水溶液中の腐食速度) ×(溶存化学種の腐食加速率) ×(熱処理・加工・溶接・表面処理の影響の補正) ×(温度の補正) ×(運転モードの補正) …(a) すなわち、式(a)は、腐食速度算出の基準を大気圧沸
騰状態における酸Aの水溶液中の腐食速度として用いた
腐食速度の評価式である。なお、大気圧沸騰状態におけ
る酸Aの水溶液中の腐食速度は、酸Aの濃度の関数値と
して求められる。ここで、上記酸Aを硝酸とすれば、式
(a)は、つぎの式(a’)のようになる。なお、以下
では、酸を含む溶液を処理するプラントの例として、硝
酸の水溶液を処理する工程を有する使用済み核燃料再処
理施設における硝酸溶液に接触する構造材料の腐食診断
を例にとって説明する。
【0020】 腐食速度=(大気圧沸騰状態における硝酸水溶液中の腐食速度) ×(溶存化学種の腐食加速率) ×(熱処理・加工・溶接・表面処理の影響の補正) ×(温度の補正) ×(運転モードの補正) …(a’) 再処理施設で用いられる硝酸溶液において、腐食に影響
する溶存化学種とは、Fe(鉄)イオン、Ru(ルテニウ
ム)化合物およびNO3 -(硝酸)イオン等である。これ
らの濃度と腐食加速率(K)との間は特定の式で予め提示
されている。この式は、例えば、K=1+Σai・Xiで表され
る。ここに、aiは溶存化学種(i)の定数、Xiは溶存化学
種(i)の濃度である。なお、放射性核種を含むため、放
射線の影響も予め定量化して、溶存種と同じ取扱いでこ
の加速率に盛り込む。ところで、この加速率は工程、部
位ごとに異なる。したがって、工程、部位ごとに加速率
を予め定められた式を用いる。
【0021】熱処理、加工、溶接、表面処理の影響は、
あらかじめ入力された材料情報1(記憶手段93に保持
されている)を基に、分割部位ごとに予め求められてい
る。通常、機器製作の過程で、溶接、冷間加工、熱間加
工、再溶体化処理等の施工が種々の組合せで施される。
こうした施工は腐食に影響を及ぼすので、部位ごとに影
響度を求めておく必要があるからである。
【0022】ここでは、腐食速度算出の基準を大気圧沸
騰状態における硝酸水溶液中の腐食速度とした。そこ
で、実環境での評価には温度補正が必要となる。
【0023】非伝熱状態では、腐食速度を、材料がさら
される媒体の温度に換算する。換算は、例えば硝酸水溶
液中の腐食速度の温度依存性がアレニウス則に従うこと
から、予め求めた活性化エネルギより算出する。具体的
には、次式で換算する。
【0024】 CRST = CRBP・exp(-Q/R/TST)/exp(-Q/R/TBP) ここで、CRST:媒体の温度での腐食速度、CRBP:大気圧沸
騰温度での腐食速度、TST:媒体の温度(K)、TBP:大気圧
沸騰温度(K)、Q:活性化エネルギ、R:気体定数である。
【0025】また、伝熱状態では、その状態に基づく温
度の補正を予め求めておく必要がある。伝熱管表面のよ
うな伝熱部では、表面の温度は媒体の温度より高いの
で、機器表面の温度での腐食速度に変換する必要があ
る。また、伝熱面での腐食速度は伝熱表面温度相当の腐
食速度よりも小さくなるとの知見(たとえば、RECOD'91,
Vol.2, pp.558-563 (1991)に記載されている)に基づい
て、その補正も必要である。
【0026】運転モードとは、高レベル廃液濃縮缶内の
ように液組成が経時的に変化する場合の補正である。こ
の場合、最も濃縮された状態での溶存化学種の濃度を代
入して腐食予測すると、腐食の過大評価となる。したが
って、予め求められた平均的な値により補正する。
【0027】具体的には、例えば、材料としてステンレ
ス鋼を対象とした場合の腐食速度は、 (腐食速度)=(大気圧沸騰温度における硝酸中腐食速度) ×(共存イオン加速率) ×(溶接加工影響補正) ×(温度補正) ×(運転モード補正) …(a”) により求められる。ここで、大気圧沸騰温度における硝
酸中腐食速度は、下記式(a−1)により求められる。
【0028】 また、共存イオン加速率は、例えば、酸回収蒸発缶では
下記式(a−2)により求められ、高レベル廃液濃縮缶
では下記式(a−3)により求められる。
【0029】 なお、硝酸および硝酸イオンの濃度の単位をmol/l
とし、RuおよびFeの濃度の単位をg/lとし、放射
線量の単位をrad/時とするとき、各係数の値とし
て、例えば、表1に示す値を用いることができる。
【0030】
【表1】
【0031】さらに、溶接加工影響補正、粒界腐食補
正、および運転モード補正の補正値は、例えば、表2に
示す値を用いることができる。
【0032】
【表2】
【0033】腐食量Aは、診断対象の構造材料の現在の
腐食量であり、 により求められる。
【0034】また、設計寿命年時の腐食量Bは、 により求められる。ここで、「腐食量A」は(b)によ
り求めた値である。
【0035】さらに、余寿命は、 により求められる。
【0036】なお、上述した評価式の例では、「腐食速
度」の単位はmm/年、「腐食量」、および「腐食代」
の単位はmm、期間および寿命の単位は「年」である。
【0037】本発明では、このように定められた評価式
を用いて腐食速度等の腐食状況を示す情報を推定するの
で、本発明の腐食推定方法を用いれば、迅速かつ的確
に、構造材料の腐食の状況を知ることができる。
【0038】また、本発明の腐食診断システムを用いれ
ば、容易に腐食状況を認識できるため、腐食が危険な状
態にまで進行する前に、腐食に対処することができるた
め、プラントの安全操業を確保することができる。
【0039】なお、ここでは材料としてステンレス鋼を
用いる場合について説明したが、溶解槽などの腐食速度
を求める場合には、硝酸、鉄、ルテニウムおよび硝酸イ
オンに加えて、さらにプルトニウムの濃度をも用いる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を用いて説明
する。
【0041】<実施例1> A.診断対象 本実施例では、核燃料再処理施設における構造材料の診
断を行う。本実施例の核燃料再処理施設は、図6に示す
ように、溶解槽61と、ヨウ素追い出し槽62と、清澄
機63と、中間貯槽64と、抽出塔65と、分離施設6
6と、回収槽68と、高レベル廃液濃縮缶69と、酸回
収蒸発缶70と、低レベル廃液蒸発缶71を備える。
【0042】使用済み核燃料の再処理は、つぎのように
して行われる。まず、使用済み核燃料を、溶解槽61に
おいて硝酸に溶解する。これにより、使用済み核燃料の
硝酸溶液が得られる。次に、ヨウ素追い出し槽62にお
いてこの溶液からヨウ素を取り除いた後、清澄槽63に
おいてこの溶液を清澄する。清澄した溶液は中間貯槽6
4を経て、抽出塔65に供給される。ここで、ウランと
プルトニウムは有機溶媒により抽出され、分離施設66
に移送される。その後、ウラン/プルトニウム精製工程
を経て、プルトニウムおよびウランが回収される。一
方、硝酸溶液は供給槽67から、高レベル廃液濃縮缶6
9に導入されて濃縮され、高レベル廃液は貯槽に移送さ
れる。一方、硝酸蒸気は酸回収蒸発缶70に送られ、こ
こで蒸留処理し、回収した硝酸は再利用される。残った
溶液は、低レベル廃液蒸発缶71により再度濃縮され
る。まあ、清澄機63で補集された不溶解残渣は、回収
槽68に排出され、高レベル廃液貯槽に移される。
【0043】これらの各設備のうち、溶解槽61、ヨウ
素追い出し槽62、清澄機63、中間貯槽64、抽出塔
65、供給槽67、高レベル廃液濃縮缶71、酸回収蒸
発缶70、および低レベル廃液蒸発缶71は、その設備
が処理する溶液の溶媒(以下、媒体と呼ぶ)に硝酸が含
まれているため、該媒体に触れる構造材料が硝酸により
腐食することになる。そこで、本実施例では、これらの
硝酸に直接接触する設備について、腐食診断を行う。
【0044】B.腐食診断システムの構成 本実施例の腐食診断システムの機能ブロック構成を、図
1に示す。本実施例の腐食診断システムは、材料情報入
力装置2と、運転情報入力装置4と、媒体情報入力装置
6と、演算処理装置9と、外部記憶装置10と、画像表
示装置11と、印字出力装置12とを備える。
【0045】材料情報入力装置2は、材料情報1の入力
を受け付け、演算処理装置9へ通知する入力装置であ
り、運転情報入力装置4は、運転情報3の入力を受け付
け、演算処理装置9へ通知する入力装置であり、媒体情
報入力装置6は、媒体情報5の入力を受け付け、演算処
理装置9へ通知する入力装置である。
【0046】本実施例では、材料情報1は、診断対象の
構造材料の材種と、該構造材料の組成と、熱処理条件
と、加工方法と、溶接の有無およびその方法と、表面処
理の履歴と、補修の有無およびその方法とからなる。運
転情報3は、診断対象の機器ごとの、稼働、停止、およ
び保管の時間と、現在いずれの状態にあるかを示す情報
とからなる。また、媒体情報5は、各機器に接する媒体
の温度と、媒体に溶存する化学種(硝酸、Fe、Ru、
NO3 -等)の各濃度と、放射線量とを示す情報である。
【0047】本実施例では、材料情報入力装置2および
運転情報入力装置4は、あらかじめ定められたメニュー
情報を表示し、該メニュー情報に含まれる情報のいずれ
かの選択を受け付けることにより、情報の入力を受け付
ける手段を備える。また、媒体情報入力装置6は、施設
に備えられた各化学種の濃度センサ(図示せず)、放射
線センサ(図示せず)、および温度センサ(図示せず)
からの情報を受け付ける手段を備える。なお、本実施例
では、媒体情報はセンサ(オンライン計測器)を介して
直接採取されるが、設備内の溶液をサンプリングし、該
サンプルの濃度を測定して、媒体情報入力装置6に入力
するようにしてもよい。この場合、濃度の測定には、液
体クロマトグラフィ、原子吸光光度法、イオンクロマト
グラフィ、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析等の分
析方法を用いることができる。
【0048】これらの入力装置2、4、6を介して入力
情報1、3、5を受け付けた演算処理装置9は、それら
の情報を外部記憶装置10に格納するとともに、演算処
理して診断対象の構造材料の腐食速度、腐食量、および
余寿命を算出し、結果を表示装置11および/または印
字出力装置12に出力する。
【0049】本実施例では、表示装置11は、画像を表
示する画像表示装置を備える。本実施例では、画像表示
装置の表示画面は、タッチセンサを備え、表示画面への
接触を感知することができる。表示装置11は、表示画
面への接触を感知すると、接触された領域にあらかじめ
定義された情報が入力されたものとして、該情報の入力
を受け付け、該情報を演算処理装置9に通知する。な
お、本実施例では表示装置11を入力装置としても用い
ているが、表示装置11等の出力装置とは別に、キーボ
ード、マウスなどの入力装置を備えていてもよい。本実
施例の印字出力装置12は、演算処理装置9からの指示
に応じて、演算処理結果を出力情報13として印書出力
する装置である。
【0050】C.演算処理装置9の処理内容 演算処理装置9は、図7に示すように、中央演算処理装
置(CPU)111と主記憶装置112とを備える情報
処理装置である。機能ブロックで表現すれば、演算処理
装置9は、図1に示すように、定常的にプラントの監視
を行い、異常を検出すると表示装置11に出力するプラ
ント監視手段91と、表示装置11を介して受け付けら
れる問い合わせに応答する問い合わせ応答手段92と、
記憶手段93とを備える。プラント監視手段91および
問い合わせ応答手段92は、主記憶装置112にあらか
じめ保持されたインストラクションをCPU111が実
行することにより実現される。また、記憶手段93は、
主記憶装置112上に確保された記憶領域である。
【0051】(1)記憶手段93の保持する情報 記憶手段93は、図12に示すように、診断対象のプラ
ントの稼働期間の格納領域123と、該プラントの設計
寿命の格納領域124と、プラントを構成する診断対象
機器の一覧表である機器構成テーブル120と、機器ご
との機器状況テーブル121および診断結果テーブル1
22と、履歴保存領域(図示せず)と、計算式記憶領域
(図示せず)と、材料情報1および運転情報3の記憶領
域とを備える。なお、図12には、例として高レベル廃
液濃縮缶に対応する機器状況テーブル121および診断
結果テーブル122を図示した。
【0052】機器構成テーブル120は、機器の名称を
保持する機器名称格納領域1201と、該機器の状況を
示す機器状況テーブル121のアドレスを保持する機器
状況テーブルアドレス格納領域1202と、該機器の診
断結果を保持する診断結果テーブル122のアドレスを
保持する診断結果テーブルアドレス格納領域1203と
を備える。
【0053】機器状況テーブル121は、対応する機器
の、該機器を構成する分割部位ごとに、該分割部位の情
報を保持するテーブルである。ここで、分割部位とは、
各機器をあらかじめ定められたように分割した領域であ
り、診断の最小単位である。
【0054】機器状況テーブル121は、図12に示す
ように、分割部位ごとに、その分割部位の名称の格納領
域1211と、該部位における媒体の、硝酸濃度格納領
域1212、鉄濃度格納領域1213、ルテニウム濃度
格納領域1214、硝酸イオン濃度格納領域1215、
放射線量格納領域1216、表面温度格納領域121
7、大気圧沸騰温度格納領域1218、および液温格納
領域1219とを備える配列構造を有している。
【0055】例えば、本実施例では、高レベル廃液濃縮
缶には、蒸気非伝熱部、蒸気伝熱部、伝熱管、液相非伝
熱部、および底部ジャケットの5つの分割部位が定義さ
れている。そこで、図12に例示したように、高レベル
廃液濃縮缶の機器状況テーブル121は、これら5つの
分割部位ごとに行を備え、各行のそれぞれに、その分割
部位の名称の格納領域1211と、該部位の、硝酸濃度
格納領域1212、鉄濃度格納領域1213、ルテニウ
ム濃度格納領域1214、硝酸イオン濃度格納領域12
15、放射線量格納領域1216、表面温度格納領域1
217、大気圧沸騰温度格納領域1218、液温格納領
域1219とを備える9行9列の配列構造を有してい
る。
【0056】診断結果テーブル122は、対応する機器
の、該機器を構成する分割部位ごとに、該分割部位の情
報を用い演算して得られた診断情報を保持するテーブル
である。診断結果テーブル122は、図12に示すよう
に、分割部位ごとに、その分割部位の名称の格納領域1
221と、該部位の、腐食速度の格納領域1222、腐
食量の格納領域1223、設計寿命年時における腐食量
(外挿値)の格納領域1224、腐食代の厚さの格納領
域1225、および余寿命の格納領域1226とを備え
る配列構造を有している。腐食代の厚さの格納領域12
25には、あらかじめ設計により定められた腐食代の厚
さが保持されている。
【0057】設計寿命格納領域124には、診断対象機
器のすべての分割部位について、あらかじめ診断対象の
プラントの設計寿命が保持されている。なお、入力手段
を介して、設計寿命値が入力されれば、演算処理装置9
は入力された新たな値を設計寿命格納領域124に格納
することにより、設計寿命値を変更する。
【0058】また、プラント稼働期間格納領域123に
は、現在までの稼働時間の総計が、機器ごとに保持され
る。演算処理装置9は、プラントを構成する機器ごと
に、運転情報3として、該機器が稼働中か否かを示す情
報を入力装置4を介して入手する。そこで、演算処理装
置9は、この運転情報3を基に、稼働中の時間のみを機
器ごとに計時して、一定時間ごと(本実施例では1時間
ごと)にプラント稼働期間格納領域123の内容を更新
する。
【0059】履歴保存領域は、診断対象のプラントの稼
働期間の格納領域123と、プラントを構成する診断対
象機器の一覧表である機器構成テーブル120と、機器
ごとの機器状況テーブル121および診断結果テーブル
122との内容の履歴を保持するための記憶領域であ
る。本実施例では、演算処理装置9は、プラント稼働開
始から一年ごとに、該時点におけるこれらの領域120
〜123を、履歴保存領域に複写する。なお、履歴保存
領域は、複写された領域(領域120〜123と同じデ
ータ構成を有する)と、この複写された領域のアドレス
の一覧表(該アドレスと複写した時点の稼働時間との対
応表)とからなる。
【0060】また、計算式記憶領域は、腐食状況を推定
するための計算式(評価式)を記憶するための領域であ
り、初期値として、各分割部位ごとにあらかじめ定めら
れた、腐食量、腐食速度、腐食量の外挿値、および余寿
命を求めるための評価式が保持されている。
【0061】(2)プラント監視手段91の処理 プラント監視手段91の処理の流れを図9に示す。
【0062】a.媒体情報の受け付け プラント監視手段91は、一定時間ごと(本実施例では
1時間ごと)に(ステップ907)、入力装置2、4、
6に、材料情報1、運転情報3、および媒体情報5を問
い合わせる(ステップ901)。問い合わせを受けた入
力装置2、4、6は、それぞれ、材料情報1、運転情報
3、媒体情報5をプラント監視手段91に通知する。例
えば、問い合わせを受けた媒体情報入力装置6は、各分
割部位に備えられた化学種(硝酸、Fe、Ru、N
3 -)の濃度センサ、放射線センサ、および温度(液温
および表面絶対温度)センサ(図示せず)の検出した、
診断対象のプラントを構成するすべての機器のすべての
分割部位における媒体情報5を、プラント監視手段91
に通知する。なお、材料情報1については、省略時解釈
値が記憶手段93に保持されており、特にこの値からの
変更がある場合のみ、材料情報入力装置2は変更する値
の通知を行う。
【0063】この通知を受けたプラント監視手段91
は、材料情報1の変更値の通知があった場合は、それに
基づいて、記憶手段93に保持された材料情報1のデー
タを変更する。また、プラント監視手段91は、運転情
報3を記憶手段93に保存する。さらに、プラント監視
手段91は、通知された媒体情報5を、その種別に応じ
て、各々の機器の機器状況テーブル121の各領域12
12〜1216、1219に格納する。さらに、硝酸濃
度から大気圧沸騰温度を求め、沸騰温度格納領域121
8に格納する(ステップ902)。ここで、大気圧沸騰
温度は、硝酸濃度に応じて定められる値である。
【0064】b.腐食状況の計算 つぎに、プラント監視手段91は、個々の分割部位につ
いて、機器状況テーブル121に保持された情報を基
に、腐食状況に関する情報(腐食量、腐食速度、設計寿
命時の腐食量の外挿値、余寿命)を、計算式記憶領域に
保持された評価式の計算により求め(ステップ90
3)、得られた結果を、機器に応じた診断結果テーブル
122の、分割部位に応じた行の格納領域1222〜1
226に格納する(ステップ904)。
【0065】ここで、これら腐食状況に関する情報の評
価式について説明する。腐食状況に関するこれらの情報
は、該分割部位を構成する材料ごとにあらかじめ設定さ
れている評価式に基づいて求められる。ここでは、その
例を示す。
【0066】まず、腐食速度の求め方について説明す
る。腐食速度は、例えば、下記式(a”)により推定さ
れる。
【0067】 により求められる。ここで、大気圧沸騰温度における硝
酸中腐食速度は、下記式(a−1)により求められる。
【0068】 また、共存イオン加速率は、例えば、酸回収蒸発缶では
下記式(a−2)により求められ、高レベル廃液濃縮缶
では下記式(a−3)により求められる。
【0069】 (共存イオン加速率) =1+Kb1×(Ru濃度)+Kb2×(Fe濃度) …(a−2) (共存イオン加速率)=1+Kc1×(Fe濃度) +Kc2×(硝酸イオン濃度) +Kc3×(放射線量) …(a−3) なお、硝酸および硝酸イオンの濃度の単位をmol/l
とし、RuおよびFeの濃度の単位をg/lとし、放射
線量の単位をrad/時とするとき、各係数の値とし
て、例えば、表1に示す値を用いることができる。
【0070】
【表1】
【0071】さらに、溶接加工影響補正、粒界腐食補
正、および運転モード補正の補正値は、例えば、表2に
示す値を用いることができる。
【0072】
【表2】
【0073】腐食量は、診断対象の構造材料の現在の腐
食量であり、 (腐食量)=(直前の腐食量) +(腐食速度)×(直前の腐食量を求めてからの施設の稼働期間) …(b) により求められる。なお、「直前の腐食量」とは、この
腐食量の演算の実行時に腐食量格納領域1223に保持
されていた値である。なお、本実施例では、直前の腐食
量を求めてからの施設の稼働期間は、この演算が1時間
おきに行われることから、通常1時間であるが、プラン
ト稼働中のみに経時を行う時計により、常時計測されて
いる。
【0074】また、設計寿命時の腐食量は、 により求められる。ここで、「現在の腐食量」は(b)
により求めた値である。また、「設計寿命までの余命」
は、設計寿命格納領域124の保持する値から、プラン
ト稼働期間格納領域123の保持する値を引くことによ
り求められる。
【0075】さらに、余寿命は、 により求められる。ここで、「設計腐食代」は、腐食代
格納領域1225に保持されている値であり、「現在の
腐食量」は(b)により求めた値であり、「腐食速度」
は(a)により求めた値である。
【0076】なお、上述した評価式の例では、「腐食速
度」の単位はmm/年、「腐食量」、「設計寿命時の腐
食量」および「腐食代」の単位はmm、期間および寿命
の単位は「年」である。
【0077】c.警告処理 つぎに、プラント監視手段91は、このようにして求め
た腐食状況をもとに、危険を検出すると、警報を発す
る。
【0078】すなわち、プラント監視手段91は、記憶
手段93の保持するすべての診断結果テーブル122の
すべての行について、設計寿命時の腐食量が腐食代を上
回っていないかどうか判断する(ステップ905)。上
回っていなければ、腐食速度は設計の範囲内であるか
ら、プラント監視手段91は、警告を行うことなくステ
ップ907に処理を進めて、1時間待ち、処理をステッ
プ901に戻す。設計寿命時の腐食量が腐食代を上回っ
ていれば、腐食速度が速すぎるということなので、表示
装置11に警報メッセージを表示して、処理を上述のス
テップ907に進める。
【0079】この警告メッセージは、表示装置11の表
示画面に、ウインド形式で表示される。すなわち、ステ
ップ905において腐食速度が速すぎると判断したプラ
ント監視手段91は、表示装置11の表示画面に、すで
に表示されている画像の上に重ねて、矩形領域を表示
し、該矩形領域内に、腐食速度の速すぎると判断したす
べての機器および分割部位の名称と、その腐食速度、腐
食量、設計寿命時の腐食量、腐食代、および余寿命を表
示する。これにより、早期に危険を察知し、それを使用
者に知らせることができる。
【0080】なお、このステップ906において表示さ
れる警告メッセージは、表示装置11を介して表示解除
の指示が受け付けられるまで表示される。表示解除の指
示を受け付けると、演算処理装置9は、表示画面上から
この警告メッセージのウインドを消去する。
【0081】(3)問い合わせ応答手段92の処理 a.処理の流れ 問い合わせ応答手段92の処理の流れを、図10に示
す。問い合わせ応答手段92は、まず、表示装置11の
表示画面20に、図2に示すような施設全体の処理プロ
セスを示す図を表示して(ステップ101)、表示装置
11を介して診断対象機器(設備)の入力を受け付ける
(ステップ102)。なお、診断対象機器の入力は、該
機器の表示されている領域への接触を検出することによ
り受け付けられる。以下、この処理プロセスの図を表示
した画面を、プロセス表示画面と呼ぶ。
【0082】診断対象機器の入力を受け付けると、問い
合わせ応答手段92は、表示装置11の表示画面20
に、入力された診断対象機器の詳細を示す図を表示し
(ステップ103)、つぎに実行する処理の選択を受け
付けて(ステップ104)、指示されたないように応じ
た表示を行う(ステップ105)。この診断対象機器の
詳細を示す図の表示された画面を、機器詳細表示画面と
呼ぶ。
【0083】なお、この機器詳細表示画面は、表示する
情報の種別の選択領域203と、表示形式の選択領域2
04と、評価式の表示を指示する選択領域205と、表
示する分割部位の選択領域207と、プロセス表示画面
の表示指示の選択領域206と、腐食計算指示の選択領
域208の6種類の選択領域を備える。
【0084】図3に示すように、表示する情報の種別の
選択領域203には、「腐食速度」の表示の指示領域2
03aおよび「腐食量」の表示の指示領域203bとが
ある。また、表示形式の選択領域204には、マップ表
示指示領域204a、グラフ表示指示領域204b、第
1の数値表示指示領域204c、および第2の数値表示
指示領域204dとがある。分割部位の選択領域207
は、表示画面20上の機器の図が表示されている領域
(図3では領域201として図示)の、分割部位名の表
示される矩形領域である。
【0085】これらの各選択領域は、それぞれ該領域に
表示される内容に対応付けて定義されている。表示装置
11は、これら選択領域への接触を検出すると、該領域
に定義された内容が選択されたものと判断し、該内容を
演算処理装置9の問い合わせ応答手段92に通知する。
【0086】つぎに実行する処理の選択を受け付けた問
い合わせ応答手段92は、受け付けた選択がプロセス表
示画面の表示指示であれば、処理をステップ101へ戻
す(ステップ105)。また、問い合わせ応答手段92
は、これ以外の選択を受け付けると、表示装置11に選
択に応じた処理を行って(ステップ106)、処理をス
テップ103へ戻す。
【0087】b.ステップ106の処理 ステップ104において受け付けられた選択のうち、ス
テップ106において処理されるのは、表示する情報の
種別(選択領域203)と、表示形式(選択領域20
4)と、評価式の表示の指示(選択領域205)と、表
示する分割部位(選択領域207)と、腐食計算指示
(選択領域208)の5種類である。ステップ106に
おいて、問い合わせ応答手段92は、これらの選択を受
け付けると、受け付けた選択の組み合わせに応じた処理
を行う。このステップ106の情報表示処理の流れを、
図8に示す。
【0088】b−1.評価式の表示および修正 ステップ106において、問い合わせ応答手段92は、
まず、ステップ104において受け付けた選択が、評価
式の表示指示であれば(ステップ801)、分割部位の
選択を受け付けて(ステップ802)、処理をステップ
803に進める。
【0089】ステップ803において、問い合わせ応答
手段92は、指示された評価式を表示画面20に表示す
る。このときの表示画像例を図11に示す。なお、図1
1に示したのは、ステップ102において高レベル廃液
濃縮缶97が選択され、ステップ104またはステップ
802において、分割部位として酸回収施設98が選択
された場合に表示される評価式表示画面である。
【0090】図11に示すように、評価式表示画面は、
腐食速度の推定のための評価式を表示する領域211
と、評価式内で用いられている各変数の算出方法を表示
する領域212と、評価式内で用いられている各補正項
定数の表を表示する領域213と、評価式内で用いられ
ている各係数の一覧表表示する領域214とを備える。
【0091】つぎに、問い合わせ応答手段92は、表示
した評価式の変更の有無、変更箇所、および変更内容の
入力を表示装置11および入力装置2を介して受け付け
る(ステップ804)。具体的には、表示装置11の表
示画面20への接触位置を感知することにより、変更箇
所を認識し、入力装置2の備えるキーボードを介して、
変更内容を受け付ける。また、評価式表示画面には、機
器詳細表示画面の表示を指示する選択領域215が備え
られており、この選択領域に対する接触が検知される
と、ステップ804においては、この表示画面をもとに
戻す指示も受け付けられる。
【0092】ステップ804において受け付けられた指
示が、機器詳細表示画面の表示であれば、問い合わせ応
答手段92は、そのままステップ106の処理を終了し
て、ステップ103に処理を戻し(ステップ805)、
それ以外の指示、すなわち、評価式の変更の指示であれ
ば、指示されたように記憶手段93の評価式記憶領域に
保持された評価式を変更したうえ、該変更後の評価式を
用いて、選択された分割部位についての腐食速度、腐食
量、設計寿命年時の腐食量、および余寿命の演算を再実
行し、結果を診断結果テーブル122の各領域1222
〜1224、1226に格納して(ステップ806)、
処理をステップ803に戻す。
【0093】b−2.分割部位の特定 ステップ104において受け付けた選択が、評価式の表
示指示および分割部位のいずれの選択でもなければ(ス
テップ807)、問い合わせ応答手段92は、処理をス
テップ811に進める。また、ステップ104において
受け付けた選択が、分割部位の表示指示であれば(ステ
ップ807)、問い合わせ応答手段92は、再度、表示
する内容の選択を受け付けて(ステップ808)、評価
式の表示指示が選択されれば、処理を上述のステップ8
03に進め、評価式表示指示の選択でなければ、処理を
ステップ811に進める(ステップ809)。
【0094】なお、診断対象の分割部位として、あらか
じめ定められた部位(特殊部位)が指定されると、演算
処理装置9は、該特殊部位についてあらかじめ記憶装置
10に保持されたテキスト情報を表示画面20内にウイ
ンド(表示画面にすでに表示されている画像の上に重ね
て表示される矩形領域)として表示するようにしてもよ
い。
【0095】b−3.腐食量の計算 また、問い合わせ応答手段92は、ステップ104また
はステップ808において受け付けた選択が、腐食計算
の指示であれば(ステップ811)、腐食速度、腐食
量、設計寿命年時の腐食量、および余寿命の演算を再実
行し、結果を診断結果テーブル122の各領域1222
〜1224、1226に格納して(ステップ812)、
ステップ106の処理を終了し、処理をステップ103
に戻す。
【0096】なお、ここで腐食計算は、ステップ104
において分割部位が指定されていれば、指定された分割
部位に係るもののみについて行われ、分割部位が指定さ
れていなければ、ステップ102において選択された機
器を構成するすべての分割部位について行われる。ま
た、ステップ812における腐食計算の処理は、プラン
ト監視手段91の処理におけるステップ903の評価式
の計算処理と同様の処理である。
【0097】b−4.数値表示 また、問い合わせ応答手段92は、ステップ104また
はステップ808において受け付けた選択が、数値表示
の指示であれば(ステップ813)、選択された機器に
関する情報を表示画面20に表示する(ステップ81
4)。このときの表示形式は、表示形式1(選択領域2
04c)、表示形式2(選択領域204d)に応じて、
あらかじめ定められている。また、ステップ104にお
いて分割部位が選択されている場合は、問い合わせ応答
手段92は、その選択された部位の数値のみを表示す
る。ステップ814において表示される画像の例を図1
3および図14に示す。
【0098】なお、図13に示したのは、ステップ10
2において高レベル廃液濃縮缶97が選択され、ステッ
プ104において数値表示の指示が選択された場合(す
なわち、分割部位が選択されていない場合)に表示され
る数値表示画面の一例である。図13に示すように、分
割部位が選択されていないときの数値表示画面は、本実
施例では、選択された機器を構成する各分割部位ごと
に、診断結果テーブル122に保持された腐食速度等の
データを、表形式で表示する画面である。
【0099】また、図14に示したのは、ステップ10
2において高レベル廃液濃縮缶97が選択され、ステッ
プ104において分割部位が選択され、ステップ808
において数値表示の指示が選択され場合に表示される数
値表示画面の一例である。図14に示すように、分割部
位が選択されたときの数値表示画面は、本実施例では、
選択された分割部位についての、診断結果テーブル12
2に保持された腐食速度等のデータや、該データを求め
るための補正値等を、表形式で表示する画面である。
【0100】これらの数値表示画面は、いずれも、機器
詳細表示画面の表示を指示する選択領域215を備えて
いる。問い合わせ応答手段92は、数値表示画面を、こ
の選択領域215に対する接触が検知されるまで表示
し、この領域への接触を検出すると、ステップ106の
処理を終了して、処理をステップ103に戻す。
【0101】b−5.表示するデータ種別の特定 問い合わせ応答手段92は、ステップ104において受
け付けた指示が、表示するデータの種別であれば(ステ
ップ815)、表示形式(選択領域204)の選択を受
け付けて(ステップ816)、処理をステップ818に
進め、データの種別の指示でなければ(ステップ81
5)、データの種別(選択領域203)の選択を受け付
けて(ステップ817)、処理をステップ818に進め
る。
【0102】b−6.マップ表示 ステップ818において、問い合わせ応答手段92は、
ステップ104、ステップ808、またはステップ81
6において受け付けた選択が、マップ表示の指示かどう
か検査し、マップ表示の指示であれば、選択された機器
(分割部位が選択されていれば、該分割部位)に関する
情報を、表示画面20の領域201に表示された機器の
図の色分け等により図示する(ステップ819)。ステ
ップ819において表示される画像の例を図4および図
5に示す。
【0103】図4に示したのは、ステップ102におい
て高レベル廃液濃縮缶97が選択され、ステップ104
または816においてマップ表示が選択され、ステップ
104またはステップ817においてデータ種別が選択
された場合(すなわち、分割部位が選択されていない場
合)であって、データ種別として腐食速度が選択された
場合に表示される表示画面の一例である。図4に示すよ
うに、分割部位が選択されていないときの、腐食速度の
マップ表示画面は、本実施例では、選択された機器の図
201における各分割部位の領域が、それぞれ、診断結
果テーブル122の腐食速度格納領域1222に保持さ
れた値の大きさに応じた色で表示され、該色と、腐食速
度との関係を示す凡例41が表示される。
【0104】なお、データ種別として腐食量が選択され
た場合には、問い合わせ応答手段92は、表示画面20
に問い合わせ領域161(図5に図示)を設け、該領域
161へのいつの時点の腐食量を表示するか(稼働開始
からの年数)の指示の入力(入力装置2による)を受け
付けて、指示された時点での腐食量を計算して、その量
を用いてマップ表示を行う。
【0105】図5に示したのは、ステップ102におい
て高レベル廃液濃縮缶97が選択され、ステップ104
または816においてマップ表示が選択され、ステップ
104またはステップ817においてデータ種別が選択
された場合(すなわち、分割部位が選択されていない場
合)であって、データ種別として腐食量が選択され、問
い合わせ領域161に「7」が入力された場合に表示さ
れる表示画面の一例である。
【0106】図5に示したマップ表示画面は、選択され
た機器の図201における各分割部位の領域が、それぞ
れ、稼働開始から7年経過後の推定される(または履歴
テーブルに記憶された)腐食量の、腐食代に対する割合
に応じて、あらかじめ定められた色で表示され、該色
と、腐食速度との関係を示す凡例162が表示される。
【0107】これらのマップ表示画面は、いずれも、機
器詳細表示画面の表示を指示する選択領域215を備え
ている。問い合わせ応答手段92は、マップ表示画面
を、この選択領域215に対する接触が検知されるまで
表示し、この領域への接触を検出すると、ステップ10
6の処理を終了して、処理をステップ103に戻す。
【0108】b−7.グラフ表示 ステップ104、ステップ808、またはステップ81
6において受け付けた選択が、グラフ表示の指示であれ
ば(ステップ820)、問い合わせ応答手段92は、選
択された機器に関する情報(分割部位が選択されていれ
ば、該分割部位)を、表示画面20にグラフで表示する
(ステップ821)。ステップ821において表示され
る画像の例を図15に示す。
【0109】なお、データ種別として腐食量が選択され
た場合には、問い合わせ応答手段92は、表示画面20
に問い合わせ領域161(図5に図示)を設け、該領域
161へのいつの時点の腐食量を表示するか(稼働開始
からの年数)の指示の入力(入力装置2による)を受け
付けて、指示された時点での腐食量を計算して、その量
を用いてマップ表示を行う。
【0110】図15に示したのは、ステップ102にお
いて高レベル廃液濃縮缶97が選択され、ステップ10
4または816においてグラフ表示が選択され、ステッ
プ104またはステップ817においてデータ種別が選
択された場合(すなわち、分割部位が選択されていない
場合)であって、データ種別として腐食量が選択され、
問い合わせ領域161に「7」が入力された場合に表示
される表示画面の一例である。
【0111】図15に示したグラフ表示画面は、選択さ
れた機器の各分割部位における、腐食量の計時変化のグ
ラフ151と、稼働開始から7年経過後の推定される
(または履歴テーブルに記憶された)腐食量のグラフ1
52とを備え、さらに、選択部位の識別のための凡例1
53を備える。
【0112】グラフ表示画面は、機器詳細表示画面の表
示を指示する選択領域215を備えている。問い合わせ
応答手段92は、数値表示画面を、この選択領域215
に対する接触が検知されるまで表示し、この領域への接
触を検出すると、ステップ106の処理を終了して、処
理をステップ103に戻す。
【0113】D.診断例 高レベル廃液濃縮缶を対象に、本実施例の診断システム
を用いて材料診断を行った例をつぎに示す。なお、缶内
の液は8mol/lの硝酸で、Feイオンが5g/l、
NO3 -イオンが5mol/l、放射線は1Mrad/時
である。材料は、304Lステンレス鋼で、熱処理・加
工・溶接・表面処理の影響度は1.0、温度は液温が3
40Kの場合である。なお、運転モードの補正値は1.
0である。
【0114】システムを起動すると、表示画面20に、
まず、初期画面として図2に示すプロセス表示画面が表
示される。ここで、高レベル廃液濃縮缶の選択領域20
9に接触すると、図3に示す機器詳細表示画面が表示さ
れる。
【0115】つぎに、この機器詳細表示画面の、腐食速
度選択領域203aとマップ表示選択領域204aに接
触すると、図4に示す腐食速度のマップ表示が、表示画
面20に表示される。ここで示した例では伝熱管上部が
最も濃い色で図示されているので、ユーザは、この伝熱
管が最も速く腐食されていることを、容易に認識するこ
とができる。
【0116】このマップ表示画面の、選択領域215に
接触すると、画面は機器詳細表示画面に戻るので、ここ
で、腐食量選択領域203bとマップ表示選択領域20
4aに接触すると、表示画面に問い合わせ領域161が
表示されるので、ここに「7」と入力すれば、図5に示
す腐食量のマップ表示が、表示画面20に表示される。
図5のマップ表示は、プラント運転開始後、7年経過時
の腐食量が設計した材料の腐食代の何%まで進んでいる
かを色別に図示した表示である。これにより、ユーザ
は、腐食代の侵食の程度を容易に認識することができ
る。
【0117】このマップ表示画面も、選択領域215に
接触すれば、画面を機器詳細表示画面に戻すことができ
る。画面を機器詳細表示画面に戻した後、腐食量選択領
域203bとグラフ表示選択領域204aに接触する
と、表示画面に問い合わせ領域161が表示されるの
で、ここに「7」と入力すれば、図15に示す腐食量の
グラフ表示が、表示画面20に表示される。これによ
り、ユーザは、腐食量が、経年時にどのような推移をし
たか、および、分割部位毎に腐食量がどのように異なる
かを、容易に認識することができる。
【0118】また、機器詳細表示画面において、数値表
示選択領域203cに接触すると、図13に示す数値表
示画面が、表示画面20に表示される。この数値表示画
面には、分割部位ごとに、腐食状況と材料の全寿命とが
表示されるので、マップ表示において腐食速度が速いこ
とがわかった伝熱管も、この運転状態を維持すれば、設
計寿命を十分まっとうできることがわかる。
【0119】また、機器詳細表示画面において、伝熱管
の分割部位選択領域207に接触した後、数値表示選択
領域203cに接触すると、図14に示すように、伝熱
管の腐食状況、全寿命、および計算に用いられた数値を
含む数値表示画面が表示され、全体の状況が把握でき
る。
【0120】E.診断結果の利用例 本実施例の診断システムを用いれば、運転監理者は出力
された材料診断結果に基づいて、施設の運転方法を決定
することができる。例えば、腐食速度が運転基準値(機
器の設計寿命を達成するに必要な腐食速度の最大許容
値)を上回る場合、運転方法の変更等により腐食速度を
抑える手段を講じる。この場合、どのような手段が最も
適切かを本診断システムを用いて決定することもでき
る。すなわち、腐食に影響する因子のなかでどの因子を
制御すれば最適であるかを判定させる。例えば、特定の
溶存化学種の濃度をどの程度下げれば腐食を抑えうるか
などを検討する。その結果、特定化学種の濃度を下げる
と運転基準値を下回る場合には、その化学種濃度を下げ
る処置を別途講じる。また、腐食量が今後、設計腐食代
を越えることが想定された場合にも、同様な処置を行う
ことにより、腐食を抑制することができる。
【0121】F.その他 本実施例の診断システムでは、プロセス全体から機器を
指定し、個々の機器の腐食状態を診断するが、プロセス
全体を一括して診断するようにしてもよい。この場合、
診断結果の表示は機器ごとに、上述の場合と同様に表示
するようにしてもよい。
【0122】また、本実施例では、情報の出力は表示装
置11の表示画面に行う場合を例にとって説明したが、
本実施例の診断システムは、入力装置を介して印書出力
が指示されれば、これらの情報を出力装置12から印書
出力する。
【0123】<実施例2>本実施例2の機能ブロック
は、実施例1と同様であり、本実施例2の診断システム
は、実施例1と診断システムとほぼ同様の構成を有する
が、演算処理装置9がプラント監視手段91および問い
合わせ応答手段92の行う処理の内容が異なっている。
ここでは、実施例1との相違点のみを説明する。
【0124】本実施例2のプラント監視手段91は、実
施例1のようにプラントの腐食状況を監視して、危険を
検出すると警報を発することは行わず、単に、周期的に
情報を受け取り、記憶手段93に格納する手段である。
本実施例2のプラント監視手段91の処理の流れを図1
6に示す。
【0125】本実施例2のプラント監視手段91は、一
定時間ごと(本実施例では1時間ごと)に(ステップ1
83)、入力装置2、4、6に、材料情報1、運転情報
3、および媒体情報5を問い合わせる(ステップ18
1)。なお、ステップ181は、実施例1のステップ9
01と同様の処理である。
【0126】この通知を受けたプラント監視手段91
は、材料情報1の変更値の通知があった場合は、それに
基づいて、記憶手段93に保持された材料情報1のデー
タを変更する。また、プラント監視手段91は、運転情
報3を記憶手段93に保存する。さらに、プラント監視
手段91は、通知された媒体情報5を、その種別に応じ
て、各々の機器の機器状況テーブル121の各領域12
12〜1217、1219に格納する。さらに、硝酸濃
度から大気圧沸騰温度を求め、沸騰温度格納領域121
8に格納する(ステップ182)。なお、ステップ18
2は、実施例1のステップ902と同様の処理である。
【0127】最後に、プラント監視手段91は、1時間
経過するのを待って、処理をステップ181に戻す(ス
テップ183)。なお、ステップ183は、実施例1の
ステップ907と同様の処理である。
【0128】本実施例2の当合わせ応答手段92も、実
施例1と同様に、ステップ101〜106の処理を行
う。ただし、ステップ106の処理において、実施例1
においてプラント監視手段91が行っていた腐食速度等
の推定処理を、自ら行う。本実施例2におけるステップ
106の処理の流れを、図17に示す。
【0129】ステップ106において、本実施例2の問
い合わせ応答手段92は、まず、実施例1のステップ8
01〜806と同様の処理を行う(ステップ1901〜
1906)。
【0130】ステップ1901において、ステップ10
4受け付けた選択が評価式の表示指示ではなかった場
合、問い合わせ応答手段92は、該選択が分割部位の選
択かどうか判断する(ステップ1907)。ここで、該
選択が、評価式の表示指示および分割部位のいずれの選
択でもなければ、問い合わせ応答手段92は、処理をス
テップ1912に進める。また、ステップ104におい
て受け付けた選択が、分割部位の表示指示であれば、問
い合わせ応答手段92は、再度、表示する内容の選択を
受け付けて(ステップ1909)、評価式の表示指示が
選択されれば、処理を上述のステップ1903に進め、
評価式表示指示の選択でなければ、処理をステップ19
10に進める(ステップ1909)。
【0131】ステップ1910において、問い合わせ応
答手段92は、選択された分割部位についての腐食速
度、腐食量、設計寿命年時の腐食量、および余寿命の演
算を再実行し(ステップ1910)、結果を診断結果テ
ーブル122の各領域1222〜1224、1226に
格納して(ステップ1911)、処理をステップ191
4に進める。
【0132】また、ステップ1912では、問い合わせ
応答手段92は、ステップ102で選択された機器を構
成するすべての分割部位について、腐食速度、腐食量、
設計寿命年時の腐食量、および余寿命の演算を再実行し
(ステップ1912)、結果を診断結果テーブル122
の各領域1222〜1224、1226に格納して(ス
テップ1913)、処理をステップ1914に進める。
なお、ステップ1910および1912における計算の
処理は、実施例1におけるステップ903で行われる評
価式の計算と同様の処理である。
【0133】ステップ1914以降では、問い合わせ応
答手段92は、実施例1と同様に、指示された形式で指
示されたデータを表示画面20に表示する処理を行う。
なお、ステップ1914〜1922は、実施例1のステ
ップ813〜821と同様の処理である。
【0134】本実施例2では、各入力手段2、4、6か
らの情報の入力を受け付け、該情報を記憶領域に記憶す
る手段としてプラント監視手段91を備えているが、こ
のような入力受け付けのための手段を設けずに、問い合
わせ応答手段92が、腐食速度等の計算を行う際に、必
要な情報を各入力手段2、3、6に問い合わせ、通知さ
れた情報を記憶手段93の記憶領域に格納するようにし
てもよい。
【0135】
【発明の効果】本発明の腐食診断方法および腐食診断シ
ステムによれば、酸等に腐食されるプラントの腐食状況
を認識、予測することができるので、利用者は腐食状況
に応じた対処を行うことができる。従って、本発明の腐
食診断方法および腐食診断システムを用いれば、プラン
トの安全操業を確保できる。本発明は、特に安全性の要
求される使用済み核燃料再処理施設への適用に適してい
る。また、本発明の腐食抑制方法によれば、使用済み核
燃料再処理施設における硝酸水溶液に接触する構造材料
の腐食を、効果的に抑制できるので、再処理施設の安全
操業を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の腐食診断システムの機能ブロック
図である。
【図2】 プロセス表示画面の例を示す説明図である。
【図3】 機器詳細表示画面の例を示す説明図である。
【図4】 マップ表示画面の例を示す説明図である。
【図5】 マップ表示画面の例を示す説明図である。
【図6】 診断対象の使用済み核燃料再処理施設の構成
図である。
【図7】 演算処理装置のハードウエア構成図である。
【図8】 実施例1における問い合わせ応答手段の処理
のステップ106の詳細な流れを示す流れ図である。
【図9】 実施例1のプラント監視手段の処理の流れを
示す流れ図である。
【図10】 実施例1の問い合わせ応答手段の処理の流
れを示す流れ図である。
【図11】 評価式表示画面の例を示す説明図である。
【図12】 記憶手段93の備える記憶領域を示す説明
図である。
【図13】 数値表示画面の例を示す説明図である。
【図14】 分割部位指定の数値表示画面の例を示す説
明図である。
【図15】 グラフ表示画面の例を示す説明図である。
【図16】 実施例2のプロセス監視手段の処理の流れ
を示す流れ図である。
【図17】 実施例2における問い合わせ応答手段の処
理のステップ106の詳細な流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
1…材料情報、2…入力装置、3…運転情報、4…入力
装置、5…媒体情報、6…入力装置、9…演算処理装
置、10…記憶装置、11…表示装置、12…出力装
置、13…出力情報、20…表示画面91…プラント監
視手段、61…溶解槽、62…ヨウ素追い出し槽、63
…清澄機、64…中間貯槽、65…抽出塔、66…分離
施設、67…供給槽、68…回収槽、69…高レベル廃
液濃縮缶、70…酸回収濃縮缶、71…低レベル廃液濃
縮缶、92…問い合わせ応答手段、93…記憶手段、1
11…中央演算処理装置、112…主記憶装置、120
…機器構成テーブル、121…機器状況テーブル、12
2…診断結果テーブル、123…プラント稼働期間格納
領域、124…設計寿命格納領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横須賀 常信 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 祐川 正之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平2−306135(JP,A) J Nucl Mater.Vol. 228,No.2(1996)p.162−167 J Nucl Sci Techno l.,Vol.35,No.7(1998) p.502−507 J Nucl Sci Techno l.,Vol.35,No.5(1998) p.353−356 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 17/003 G01N 33/20 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸を含む溶液の処理を行うプラントの、該
    酸を含む溶液に接触する構造材料の腐食の進行を推定す
    るプラント構造材料の腐食診断システムであって、 入力装置と、出力装置と、演算処理装置とを備え、 上記入力装置は、 上記酸を含む溶液中に存在するあらかじめ定められた化
    学種の濃度の入力を受け付ける手段と、 上記プラントを構成する機器ごとの、稼働、停止、保管
    の時間および/またはその状態に関する情報を含む、運
    転状況のデータを受け付ける手段と、 上記酸を含む溶液の温度データの入力を受け付ける手段
    と、 放射線量の入力を受け付ける手段とを有し、 上記演算処理装置は、 上記酸を含む溶液中の酸の濃度から、大気圧沸騰状態に
    おける該酸の水溶液に接触する構造材料の腐食速度を求
    める手段と、 上記大気圧沸騰状態における上記酸の水溶液に接触する
    構造材料の腐食速度と、上記酸を含む溶液中に存在する
    あらかじめ定められた化学種の濃度により定められる補
    正値と、上記運転状況データにより定められる補正値
    と、上記温度データにより定められる補正値との積を、
    上記構造材料の腐食速度として推定する手段と、 上記推定した腐食速度と、該腐食速度により求められる
    腐食の進行についての情報との少なくともいずれかを、
    上記出力装置に出力する手段と、 上記大気圧沸騰状態における上記酸の水溶液に接触する
    構造材料の腐食速度と、上記酸を含む溶液中に存在する
    あらかじめ定められた化学種の濃度により求められる補
    正値と、上記運転状況データにより求められる補正値
    と、上記温度データにより求められる補正値と、上記放
    射線量により求められる補正値との積を、上記構造材料
    の腐食速度として推定する手段とを有することを特徴と
    するプラント構造材料の腐食診断システム。
  2. 【請求項2】上記酸を含む溶液中のあらかじめ定められ
    た化学種の濃度および/または温度を測定し、測定結果
    を信号として出力するオンライン計測器をさらに備え、 上記化学種の濃度の入力を受け付ける手段および/また
    は上記温度の入力を受け付ける手段は、 上記オンライン計測器の出力した信号の入力を受け付け
    ることを特徴とする、請求項1記載のプラント構造材料
    の腐食診断システム。
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