JP3349366B2 - 耐熱金属材料の余寿命評価方法 - Google Patents

耐熱金属材料の余寿命評価方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温で長時間運転
される機械部品の供用中の非破壊的な検査方法であり、
該部品を構成する耐熱金属材料の余寿命を評価する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高温で長時間運転される機械
部品の供用中に検査する方法としては、長時間使用によ
って生成した欠陥を磁気、超音波、放射線等を用いて非
破壊的に検査する方法がある。また、亀裂等の欠陥が生
成する前の損傷を評価する方法としては、長時間使用し
た部品の一部をサンプルとして切り取り、実機の使用条
件よりも厳しい条件で機械的な試験を行う方法や、部品
の表面や前記サンプルの表面の金属組織を観察して亀裂
が生成する前に生ずる微少な空洞等を観察する方法が用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非破壊検査によって欠
陥を検査する方法は、原理的に亀裂を検査する方法であ
るため、亀裂が生成して破壊するまでにあまり時間がな
いと考えられる部品、例えば、薄肉の伝熱管や、一様な
応力が負荷されるような大径薄肉管などにおいては、亀
裂が生ずる以前の損傷を検出できなければ、設備の安全
運転に支障をきたす場合がある。
【0004】また、サンプルを用いる破壊検査方法は、
部品からサンプルを切り取る必要があり、多くの場合
は、サンプル採取後に該部品を補修復旧する作業が必要
になり、復旧部品の信頼性、復旧に要する費用及び工期
の問題から、特に大きな部品においてはサンプルの採取
が極めて困難であった。
【0005】さらに、部品の表面や前記サンプルの表面
の金属組織を観察して、亀裂が生成する前に生ずる微少
な空洞などを観察する方法では、微少な空洞が生ずる以
前については判定をすることができない。
【0006】そこで、本発明は、前記の問題点を解消
し、長時間使用された高温機器から部品の一部を切り取
る必要もなく、したがって、部品の補修復旧作業を必要
とせずに、亀裂や微少な空洞が生成する以前において
も、該部品の寿命消費率を評価することができる方法を
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の構成を採
用することにより、上記の課題の解決に成功した。 (1) 高温機器として使用されている耐熱金属材料部品の
余寿命を評価する方法において、前記部品の表面に付着
した表面付着物及び生成物を除去した後、前記部品表面
を切削してサンプルを採取し、該サンプルを洗浄した
後、その重量を測定し、次いで、前記材料の母相のみを
溶解するが、前記材料中の析出物を溶解しない一定量の
溶解液に上記サンプルを浸漬して母相を溶解し、前記析
出物を固液分離した後、前記溶解液の化学成分を定量分
析して母相合金元素濃度を求め、予め作成した母相合金
元素濃度と寿命消費率との関係線図を用いて、測定した
母相合金元素濃度から寿命消費率を評価することを特徴
とする耐熱金属材料の余寿命の評価方法。
【0008】(2) 前記寿命消費率と対比する母相合金元
素濃度として、固溶強化元素濃度を定量分析することを
特徴とする前記(1) 記載の耐熱金属材料の余寿命の評価
方法。
【0009】(3) 母相合金元素濃度と負荷時間率及び暴
露温度との関係式を予め作成し、評価時までの負荷時
間、暴露温度及び母相合金元素濃度の測定値から寿命消
費率を求めることを特徴とする請求項1記載の耐熱金属
材料の余寿命の評価方法。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明者等は、高温機器に使用さ
れる耐熱金属材料に添加されている、主に高温強度を高
めるための固溶強化元素を着目して研究した結果、本発
明を完成させた。即ち、固溶強化元素は、耐熱金属材料
の母相内に分散されて強化に寄与するが、高温で長時間
使用されると、固溶強化元素を含む析出物が生成して成
長するため、母相内の固溶強化元素濃度が低下して、耐
熱金属材料のクリープ強度を低下させ、金属結晶内に歪
みが次第に蓄積されて結晶粒界に大きな応力集中が生
じ、微少な空洞や亀裂を生成していくことを、本発明者
等は初めて見いだした。即ち、耐熱金属材料の母相内の
固溶元素濃度の低下は、亀裂が発生する前に生ずる高温
損傷であることがわかった。なお、寿命消費率と対比す
る母相合金元素として、固溶強化元素以外に、Cr等の
母相合金元素を選択することが可能である。
【0011】そこで、本発明では、高温機器に使用され
ている耐熱金属材料部品の表面からサンプルを切削によ
り微量採取し、該サンプルの母相内の固溶強化元素濃度
を測定するだけで、予め作成した母相合金元素濃度と強
度低下を示す寿命消費率との関係線図を用いて、該部品
の寿命消費率を評価することができる。また、母相合金
元素濃度、負荷時間及び暴露温度との関係を示す式を予
め作成しておき、母相合金元素濃度、運転時間及び暴露
温度から寿命消費率を評価することができる。
【0012】本発明で用いる寿命消費率と対比する母相
合金への固溶強化元素としては、Mo、W、Ta等を挙
げることができ、固溶強化元素以外に使用できる母相合
金元素としてはCr等を挙げることができる。また、本
発明で測定対象となる耐熱金属材料を例示すると、2.25
Cr−1 Mo鋼、9 Cr−1 Mo−0.2 V−0.05Nb
鋼、9 Cr−0.5 Mo−1.6 W−0.2 V−0.05Nb鋼等
を挙げることができる。さらに、本発明で使用する溶解
液としては、硝酸−メタノール溶液、硫酸−メタノール
溶液等を挙げることがてきる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 〔実施例〕フェライト系耐熱鋼である9%Cr−1%M
o−0.05%Nb−0.2%V鋼を供試材とし、これ
を600℃で120MPaの負荷を与えてクリープ試験
を行い、破壊時間(11300時間)まで、1000時
間毎に試験を中止した試験片11本(試験開始からの負
荷時間1000時間、2000時間、3000時間、4
000時間、5000時間、6000時間、7000時
間、8000時間、9000時間、10000時間及び
11000時間の試験片)を作成して、各試験片を定量
分析して固溶モリブデン濃度を測定し、クリープ破断寿
命消費率との基準線図を作成した。
【0014】まず、グラインダやドリル等の切削治具を
用いて、該試験片表面から切削粉をサンプルとして1g
採取した。このサンプルを超音波洗浄器で脱脂し、乾燥
してから重量を計測した。次に、5%塩酸−メタノール
溶液1リットルを恒温槽に収容し、40℃に保持した溶
液中に前記サンプルを浸漬し、攪拌しながら24時間か
けて溶解させた。この溶解に際し、溶液の揮発を防止す
るために恒温槽の上部にコンデンサーを設けた。前記サ
ンプルを溶解した後の溶液量を計測した。
【0015】前記溶液を100ml秤量し、合金元素の
うち固溶強化に最も関係する元素であるモリブデン量を
イオン・プラズマ発光分析法で計測し、そのモリブデン
値、溶液量及びサンプル重量から、母相中のモリブデン
濃度を求め、母相モリブデン濃度とクリープ破断寿命消
費率(試験片の破断時間11300時間に対する各試験
片の試験中止までの負荷時間の比率)を対比して図1か
らなる基準線図を作成した。図1から明らかなように、
母相中のモリブデン濃度が低下するにしたがって、クリ
ープ破断寿命消費率が低下し、両者の間にはよい相関が
あることが分かる。
【0016】そこで、高温機器部品を高温(538℃)
で40000時間使用した9%Cr−1%Mo−0.0
5%Nb−0.2%V鋼について以下の実験を行った。
まず、該部品表面に付着した酸化被膜等の付着物、及
び、表面に生成した脱炭層をグラインダで研削して除去
し、次いで、研削砥石を用いて、該部品表面を切削して
サンプルを1g採取した。このサンプルをアセトン溶液
に浸漬して超音波洗浄器で表面に付着した油脂等を取り
除き、乾燥してからその重量を計測した。
【0017】次に、5%塩酸−メタノール溶液1リット
ルを恒温槽に収容し、40℃に保持した溶液に前記サン
プルを浸漬し、攪拌しながら24時間かけて溶解した
後、溶液量を計測した。なお、溶液の揮発を防止するた
めに恒温槽の上部にコンデンサーを設けた。前記溶液を
100ml秤量し、合金元素のうち固溶強化に最も関係
する元素であるモリブデン量を計測し、この値と溶液量
及びサンプル重量から母相中のモリブデン濃度を求めた
ところ0.55wt%であった。図1を用いて、測定値
0.55wt%に対応するクリープ破断寿命消費率を求
めたところ26%と評価された。
【0018】上記検査を終了した後、上記の高温機器部
品を取り替え、取り外した部品からクリープ破断試験片
を採取して、600℃120MPaでクリープ破断試験
を実施したところ、8450時間で破断した。運転開始
前の未使用の部品の同一試験条件での破断時間を測定し
たところ、11300時間であった。これらの破断時間
から、上記の部品のクリープ破断寿命消費率を求めると
25.2%となった。この結果から明らかなように、本
発明による非破壊的に評価した寿命評価結果は、上記の
クリープ破断試験結果と精度よく一致していることが分
かる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、従来、使用されている部品を
切断することによってしか精度よく求めることができな
かった高温機器部品の寿命前半のクリープ破断寿命消費
率を、非破壊的に容易に求めることができるようにな
り、高温機器部品の長期的な保守管理計画を策定するこ
とが可能になり、高温機器の安全な運転に貢献すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した、9%Cr−1%Mo−0.
05%Nb−0.2%V鋼の固溶モリブデン濃度による
クリープ破断寿命消費率基準線図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温機器として使用されている耐熱金属
    材料部品の余寿命を評価する方法において、前記部品の
    表面に付着した表面付着物及び生成物を除去した後、前
    記部品表面を切削してサンプルを採取し、該サンプルを
    洗浄した後、その重量を測定し、次いで、前記材料の母
    相のみを溶解するが、前記材料中の析出物を溶解しない
    一定量の溶解液に上記サンプルを浸漬して母相を溶解
    し、前記析出物を固液分離した後、前記溶解液の化学成
    分を定量分析して母相合金元素濃度を求め、予め作成し
    た母相合金元素濃度と寿命消費率との関係線図を用い
    て、測定した母相合金元素濃度から寿命消費率を評価す
    ることを特徴とする耐熱金属材料の余寿命の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記寿命消費率と対比する母相合金元素
    濃度として、固溶強化元素濃度を定量分析することを特
    徴とする請求項1記載の耐熱金属材料の余寿命の評価方
    法。
  3. 【請求項3】 母相合金元素濃度と負荷時間率及び暴露
    温度との関係式を予め作成し、評価時までの負荷時間、
    暴露温度及び母相合金元素濃度の測定値から寿命消費率
    を求めることを特徴とする請求項1記載の耐熱金属材料
    の余寿命の評価方法。
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