JP3133197B2 - 透明光学樹脂成形品の製造法 - Google Patents

透明光学樹脂成形品の製造法

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JP3133197B2 JP05211477A JP21147793A JP3133197B2 JP 3133197 B2 JP3133197 B2 JP 3133197B2 JP 05211477 A JP05211477 A JP 05211477A JP 21147793 A JP21147793 A JP 21147793A JP 3133197 B2 JP3133197 B2 JP 3133197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明光学樹脂成形品の
製造法に関する。さらに詳しくは、たとえばコンタクト
レンズ、眼内レンズやその材料などの眼用レンズ、眼用
レンズ材料などの透明光学樹脂成形品の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンタクトレンズや眼内レンズの
製造法としては、重合体の粉末またはシートをダイス型
のあいだで圧縮成形する方法や、重合体の粉末またはシ
ートをダイス型のあいだで圧縮してレンズ前駆体であ
る、いわゆるボタンまたはブランクを作製したのち、こ
れに切削、研磨などの機械的加工を施す方法などが知ら
れている。
【0003】特開昭60−49906号公報には、熱可
塑性樹脂からえられた粉末を1〜100kg/cm2
圧力下で圧縮成形し、レンズまたはレンズブロックをう
る方法が開示されている。しかしながら、かかる方法に
おいては、重合体として熱可塑性樹脂しか用いることが
できず、えられるレンズは架橋構造を有さないものであ
るので、耐溶剤性や機械的強度に劣るなどの問題があ
る。また、かかるレンズに親水性重合体が用いられてい
るばあいには、架橋構造を有さないため、成形後に水和
処理を行なうと親水性重合体が溶解して溶出するという
問題もある。
【0004】特開昭61−41118号公報には、圧縮
成形によって半加工品を重合体のガラス転移温度よりも
高い温度で再成形する方法が開示されている。しかしな
がら、かかる方法においても、用いられる重合体がセル
ロースエステル、メタクリル樹脂、ポリカーボネートな
どの熱可塑性樹脂に限定されており、前記と同様の問題
がある。
【0005】特公昭47−9625号公報には、わずか
に架橋された三次元親水性重合体をそのガラス転移温度
よりも高い温度で型内で圧縮し、成形して含水性ソフト
コンタクトレンズをうる方法が開示されている。かかる
方法によってえられるレンズは、確かに架橋構造を有す
るので、たとえば親水性重合体が用いられているばあい
であっても、水和処理によって溶解して溶出するといっ
た問題がない。しかしながら、重合体が成形前にすでに
架橋されているので、加熱したり、圧力を負荷しても重
合体中の架橋の組み替えや再構築などが生じる確率がき
わめて低い。したがって、圧縮成形を行なって所望の形
状の成形物をえたとしても、成形前の架橋構造による内
部応力が発生するため、次第に成形前の形状に戻るとい
う問題があり、かかる方法によってえられるコンタクト
レンズや眼内レンズには、いちじるしい経時的な形状変
化が発生し、使用に耐えられないなどの問題がある。さ
らに、既存の技術では、2種以上の重合体を混合して圧
縮成形すると、これら重合体同士の相溶性の点から、え
られる成形品が不透明なものとなりやすく、光学樹脂成
形品、とくにコンタクトレンズや眼内レンズに要求され
る透明性にすぐれた成形品をうることが不可能である。
【0006】特開平4−178477号公報において
は、アクリル酸エステル重合体に多価アミンを反応させ
てえられたアクリル樹脂硬化膜が開示されている。該公
報に記載の硬化膜は、アクリル酸エステル重合体を主に
多価一級アミンとの共存下で適当な溶媒にて溶液とし、
たとえばガラス板、銅板、シリコーンウエハーなどの基
板上に塗布して塗膜を形成させたのち、加熱、焼結して
架橋硬化膜としたものである。また、えられる硬化膜を
カラーフィルター基材として用いることが該公報に記載
されている。しかしながら、かかる硬化膜をうる際に
は、溶液がそのままの状態で用いられることから作業者
への安全性の点で問題がある。また、コンタクトレンズ
や眼内レンズまたはこれらレンズの前駆体ブロック形状
物を溶液からえようとするばあいには、溶媒を蒸発させ
ることが必要であり、これらレンズ形状のものを正確に
うることが不可能である。さらに、前記前駆体ブロック
形状物については、通常厚さが6〜10mm程度必要で
あり、溶液から形成させるには、何度も溶液を塗布、乾
燥させ、積層させなければならず、その作業がきわめて
煩雑であり、また光学的に均一なものをうることが不可
能であるといった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、耐溶剤性
にすぐれ、機械的強度が大きいと同時に、光学的な歪み
がなく、均一で透明性にもすぐれ、成形後に経時的な形
状変化が生じず、さらに親水性光学樹脂成形品をうる際
に水和処理を行なったばあいであっても、溶解すること
がない光学樹脂成形品を容易にうることができる方法を
見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、不
飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルおよび不飽
和カルボン酸無水物から選ばれた少なくとも1種のモノ
マーを含有した重合成分を重合してなる未架橋の重合体
を、ポリアミンの存在下で加熱圧縮成形することを特徴
とする透明光学樹脂成形品の製造法に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の透明光学樹脂成形品の製
造法は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル
および不飽和カルボン酸無水物から選ばれた少なくとも
1種のモノマーを含有した重合成分を重合してなる未架
橋の重合体を、ポリアミンの存在下で加熱圧縮成形する
ことを特徴とするものである。
【0010】本発明の製造法によれば、加熱圧縮成形時
に未架橋の重合体がポリアミンによって架橋されるの
で、耐溶剤性にすぐれ、光学的な歪みがなく、均一で透
明性にもすぐれ、成形後に重合体中で発生する内部応力
がきわめて小さいことから経時的な形状変化がほとんど
生じない、たとえばコンタクトレンズ、眼内レンズなど
の眼用レンズなどの光学樹脂成形品が容易にえられる。
さらに、本発明の製造法によれば、不飽和カルボン酸、
不飽和カルボン酸エステルおよび不飽和カルボン酸無水
物から選ばれた少なくとも1種のモノマーを含有した重
合成分を重合してなる未架橋の重合体の2種以上を混合
してポリアミンの存在下で加熱圧縮成形を行なったばあ
いであっても、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エ
ステルおよび不飽和カルボン酸無水物から選ばれた少な
くとも1種のモノマーに基づく、カルボキシル基、カル
ボン酸エステル基および式:
【0011】
【化1】
【0012】で表わされる酸無水物基から選ばれた少な
くとも1種の官能基とポリアミンのアミノ基との反応に
よって形成される架橋構造により、相分離が防止され、
従来の方法では不可能であった透明性にすぐれた光学樹
脂成形品をうることができる。
【0013】また圧縮成形法以外にも、コンタクトレン
ズや眼内レンズなどの光学樹脂成形品をうる方法とし
て、重合成分を試験管などの容器内にて塊状重合し、え
られた重合体に切削、研磨加工を施して所望の形状とす
る方法が既知であるが、かかる方法では、均一な重合体
をうるためには重合成分が液体でなければならず、たと
えば固体の単量体を用いるばあいには、他の単量体に均
一に溶解させる必要があり、溶解混合しない固体の単量
体を一重合成分として用いるばあいには、前記容器内に
て行なう塊状重合法を適用することができなかった。し
かしながら、本発明の製造法においては、あらかじめ適
当な方法にて重合された重合体を粉末状やシート状など
のいわゆる半成形品として用いることができるので、た
とえば固体の単量体を用いる際には、該単量体が溶解す
る適当な溶媒中で溶液重合を行なって重合体とすればよ
い。
【0014】本発明の製造法に用いられる重合体は、前
記したように、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エ
ステルおよび不飽和カルボン酸無水物から選ばれた少な
くとも1種のモノマーを含有した重合成分を重合してえ
られる未架橋のものであり、かかる重合体は、これらモ
ノマーに基づく、カルボキシル基、カルボン酸エステル
基および酸無水物基から選ばれた少なくとも1種の官能
基を有するものである。
【0015】なお、本発明においては、加熱圧縮成形時
に、後述する加熱温度範囲内で容易にポリアミンとのイ
ミド化反応やアミド化反応が進行するという点から、前
記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルおよび
不飽和カルボン酸無水物の代表例としてあげられる、た
とえば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−
ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3
−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、トリス[(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピル](メタ)アクリレート、2,2,
2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリル酸およびそのエステル;マレイン酸、
マレイン酸エステル、無水マレイン酸、フマル酸、フマ
ル酸エステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタ
コン酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸およびそ
のエステルや無水物などのなかから選ばれた少なくとも
1種のモノマーを含有した重合成分を重合してえられた
線状重合体を用いることが好ましい。なお、前記線状重
合体とは、分岐鎖を有する重合体を含む概念である。
【0016】前記未架橋の重合体中のカルボキシル基、
カルボン酸エステル基および酸無水物基から選ばれた少
なくとも1種の官能基の個数は、後述するポリアミンの
アミノ基と反応し、重合体分子間でのアミド化またはイ
ミド化による架橋構造が形成されるのに必要な量に基づ
いて決定すればよく、とくに限定がない。
【0017】また、本発明において、目的とする光学樹
脂成形品が、たとえばコンタクトレンズまたは眼内レン
ズやその材料であるばあいには、たとえば酸素透過性や
親水性などの所望の物性を向上せしめるために、前記不
飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステルおよび不飽
和カルボン酸無水物のほかに、重合成分として、これら
と共重合可能な他の単量体を用いることができる。
【0018】前記他の単量体としては、たとえばスチレ
ン、(α−アルキル)スチレン、(α−アルキル)−p
−メチルスチレン、(α−アルキル)−p−トリス(ト
リメチルシロキシ)シリルスチレンなどのベンゼン核上
で置換された(α−アルキル)スチレンなどのスチレン
類;酢酸ビニル、酢酸シクロペンチル、ピバリン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;クロロプレン、イソプレ
ン、ブタジエンなどのジエン類;N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;
N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルラクタム類;エ
チルビニルエーテルなどのビニルエーテル類などがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0019】なお、本発明においては、前記不飽和カル
ボン酸、不飽和カルボン酸エステルおよび不飽和カルボ
ン酸無水物から選ばれた少なくとも1種のモノマーの使
用量は、重合成分の20重量%以上、なかんづく35重
量%以上であることがすぐれた耐溶剤性、形状安定性な
どの物性を発現するのに効果的な架橋構造を形成しやす
いという点から好ましい。
【0020】また、前記不飽和カルボン酸、不飽和カル
ボン酸エステルおよび不飽和カルボン酸無水物から選ば
れた少なくとも1種のモノマーを含有した重合成分を重
合してなる未架橋の重合体は、単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0021】本発明に用いられるポリアミンとしては、
重合体中のカルボキシル基、カルボン酸エステル基およ
び酸無水物基から選ばれた少なくとも1種の官能基と反
応して容易に架橋構造を形成するという点から1分子内
に一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれた少なく
とも2個のアミノ基を有するものが好ましい。
【0022】前記ポリアミンの代表例としては、たとえ
ばエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノオクタン、ジア
ミノデカンなどの脂肪族一級ジアミン;1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、
1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベ
ンゼンなどのシリコーン系一級ジアミン;1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン、イソホロンジアミンなどの脂環式一級ジア
ミン;ジアミノベンゼン、4,4−ジアミノジフェニル
メタンなどの芳香族一級ジアミン;ピペラジン、3−
(エチルアミノ)ピロリジン、1,3−ジ−4−ピペリ
ジルプロパン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル
シクロトリシラザン、ヘプタメチル−3−[3−(4−
ピペリジルメチルアミノプロピル)]トリシロキサンな
どの二級ジアミン;p−アミノジフェニルアミン、ジエ
チレントリアミンなどの1分子内に一級アミノ基および
二級アミノ基を同時に有するポリアミンや、2,6−ジ
アミノカプロン酸−β−アミノエチルエステルなどのア
ミノ酸から誘導されるポリアミンなどがあげられるが、
これらのなかでは、室温で固体であり、たとえば粉末状
の未架橋の重合体を用いるばあいに均一に混合しやすい
という点からヘキサメチレンジアミンおよび1,3−ジ
−4−ピペリジルプロパンが好ましい。
【0023】前記未架橋の重合体を前記ポリアミンの存
在下で加熱することによって、たとえば以下の式(I)
で表わされるイミド化または式(II)で表わされるア
ミド化が起こり、重合体分子間で架橋構造が形成する。
【0024】一般に、一級アミノ基を有するポリアミン
を用いたばあいには、たとえば未架橋の重合体としてポ
リメチルメタクリレートおよびポリアミンとしてヘキサ
メチレンジアミンを用いた系においては、式(I):
【0025】
【化2】
【0026】で表わされる側鎖イミド化反応によって架
橋構造が形成し、二級アミノ基を有するポリアミンを用
いたばあいには、たとえば未架橋の重合体としてポリメ
チルメタクリレートおよびポリアミンとして1,3−ジ
−4−ピペリジルプロパンを用いた系においては、式
(II):
【0027】
【化3】
【0028】で表わされるアミド化反応によって架橋構
造が形成する。また1分子内に一級アミノ基と二級アミ
ノ基とを同時に有するポリアミンを用いたばあいには、
分子内の一級アミノ基と二級アミノ基との割合に応じて
イミド化またはアミド化が起こる。
【0029】なお、たとえばアミノ基がすべて一級アミ
ノ基であるポリアミンを用いたばあいであっても、後述
する成形時の温度条件などにより、一度反応に関与した
アミノ基がすべてイミド基に変換されるとは限らず、ア
ミド基とイミド基とがその反応条件下での統計的な割合
でそれぞれ生成する。
【0030】本発明の製造法によれば、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸エステルおよび不飽和カルボン酸
無水物から選ばれた少なくとも1種のモノマーを含有し
た重合成分を重合してなる未架橋の重合体がポリアミン
の存在下で加熱圧縮成形されると同時に架橋されるが、
該重合体の架橋は、アミド化およびイミド化のいずれに
もとづくものであってもよい。
【0031】本発明の製造法において、前記未架橋の重
合体は、ポリアミンの存在下で加熱圧縮成形されるが、
これらを加熱圧縮成形する前にあらかじめ混合しておく
ことが、重合体がポリアミンの作用によって均一に架橋
されうる点から好ましい。
【0032】前記未架橋の重合体とポリアミンとの混合
方法としては、えられる光学樹脂成形品に脈理や光学的
な歪みなどが発生しにくいという点から、これらを粉末
状にしたのち、または粉末状にすると同時に均一に混合
する方法が好ましい。前記混合方法にはとくに限定がな
いが、たとえば以下の(イ)〜(ハ)の方法などがあげ
られる。
【0033】(イ)重合体およびポリアミンを、たとえ
ば混合粉砕機などを用いて機械的に充分に混合する方
法。
【0034】なお、かかる方法においては、用いる重合
体の形状にはとくに限定がなく、ペレット状、シート
状、ブロック状、粉末状などのいずれの形状のものであ
ってもよい。
【0035】(ロ)重合体およびポリアミンを、一括し
てまたはそれぞれ溶媒(A)中に溶解させ、該重合体お
よびポリアミンの濃度が所定の濃度となるように調整さ
れた溶液を調製したのち、重合体およびポリアミンを溶
解させず、かつ前記溶媒(A)と混合しうる溶媒(B)
中へ、重合体およびポリアミンの溶液を注ぎ、生成した
沈殿物を回収する方法。
【0036】なお、前記溶媒(A)および溶媒(B)の
種類は、用いる重合体およびポリアミンの種類によって
異なり、一概には決定することができないが、たとえば
重合体としてポリメチルメタクリレートおよびポリアミ
ンとしてヘキサメチレンジアミンを用いたばあいには、
溶媒(A)がテトラヒドロフランおよび溶媒(B)がn
−ヘキサンの組合わせが好ましい。
【0037】(ハ)前記(ロ)の方法とは逆に、前記
(ロ)と同様にしてえられた重合体およびポリアミンの
溶液中へ、溶媒(B)を注いで沈殿物をうる方法。
【0038】なお、前記(ロ)および(ハ)の方法にお
いて、重合体およびポリアミンの溶液の濃度が高く、繊
維状の沈殿物がえられたばあいには、該沈殿物を乾燥し
たのち、たとえば粉砕機などを用いて粉末状の混合物と
すればよい。
【0039】本発明においては、前記したように、重合
体およびポリアミンは粉末状の混合物とすることが好ま
しいが、重合体とポリアミンとが均一に混合されたシー
ト状やブロック状の混練物を用いることもできる。
【0040】前記混練物をうる方法としては、たとえば
重合体を混練機などを用いて充分に混練したのち、ポリ
アミンを添加して混合し、ロールを用いてシート状にし
たり、押出してブロック状にしたりする方法などがあげ
られる。
【0041】前記未架橋の重合体とポリアミンとの使用
割合は、用いる重合体中のカルボキシル基、カルボン酸
エステル基および酸無水物基から選ばれた少なくとも1
種の官能基の割合やポリアミンの分子量およびアミノ基
の個数によって異なるため、一概には決定することがで
きないが、該官能基がアミノ基によってイミド化やアミ
ド化されて架橋構造を好適に形成しうるように未架橋の
重合体およびポリアミンの配合量を決定することが好ま
しい。
【0042】たとえば重合体中の側鎖のすべてがカルボ
キシル基、カルボン酸エステル基および酸無水物基から
選ばれた少なくとも1種の官能基である重合体を用いる
ばあいには、該官能基1当量に対してアミノ基が0.0
05〜0.1当量程度であることが好ましい。かかるア
ミノ基が0.005当量よりも少ないばあいには、えら
れる成形品の耐溶剤性が向上しにくくなったり、また2
種以上の重合体を用いて加熱圧縮成形を行なうと、架橋
構造が充分に形成されず、えられる成形品の透明性が劣
るようになる傾向があり、また0.1当量よりも多いば
あいには、えられる成形品が着色(黄変)するなどの問
題が生じるようになる傾向がある。一方、たとえば重合
体の側鎖中における前記官能基の割合が10モル%程度
と低いばあいには、該官能基1当量に対してアミノ基が
0.05〜1当量程度であることが好ましい。かかるア
ミノ基が0.05当量よりも少ないばあいには、えられ
る成形品の耐溶剤性が向上しにくくなったり、また2種
以上の重合体を用いて加熱圧縮成形を行なうと、架橋構
造が充分に形成されず、えられる成形品の透明性が劣る
ようになる傾向があり、また1当量よりも多いばあいに
は、えられる成形品が着色(黄変)するなどの問題が生
じるようになる傾向がある。
【0043】未架橋の重合体とポリアミンとの組み合わ
せの一例として、ポリメチルメタクリレートなどの数平
均分子量が約100000の単独重合体およびヘキサメ
チレンジアミンなどの分子量が1000以下のポリアミ
ンを用いるばあいには、ポリメチルメタクリレート10
0部(重量部、以下同様)に対してヘキサメチレンジア
ミンが0.1〜20部、なかんづく0.5〜10部であ
ることがえられる成形品の耐溶剤性の向上や、2種以上
の重合体を用いたばあいに充分に架橋構造が形成され、
えられる成形品の透明性が向上する点およびえられる成
形品が着色(黄変)しにくいという点から好ましい。
【0044】なお、本発明においては、前記未架橋の重
合体のカルボキシル基、カルボン酸エステル基および酸
無水物基から選ばれた少なくとも1種の官能基とポリア
ミンのアミノ基とのイミド化反応やアミド化反応を促進
させる目的で、たとえば前記未架橋の重合体とポリアミ
ンとの混合物をうる際に触媒を混合してもよい。
【0045】前記触媒にはとくに限定がなく、通常の触
媒を用いることができるが、たとえば一般式(III ): (R)4 NOH (III ) (式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしく
は環状のアルキル基またはアリール基を示す)で表わさ
れるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドや、水酸
化ナトリウムなどの塩基性触媒があげられる。またかか
る触媒の使用量は、用いる重合体およびポリアミンの種
類などに応じて適宜調整することが好ましい。
【0046】また本発明においては、前記触媒のほかに
も、たとえば染料、顔料などの着色剤、紫外線吸収剤な
どの添加剤を用いることができ、かかる添加剤を含有し
た透明光学樹脂成形品をうるには、重合成分に該添加剤
を配合して未架橋の重合体をえたのち、ポリアミンと混
合する方法や、未架橋の重合体とポリアミンとを混合す
る際に該添加剤を添加する方法などを採用することがで
きる。
【0047】前記未架橋の重合体をポリアミンの存在下
で、好ましくはあらかじめこれらを混合物としたもの
を、加熱圧縮成形することによって、たとえばコンタク
トレンズや眼内レンズなどの眼用レンズおよびその材料
などの透明光学樹脂成形品をうることができる。
【0048】加熱圧縮成形には、所望の形状の成形品を
うるための成形型を有する圧縮成形機が用いられるが、
かかる圧縮成形機は、所定の圧力および温度を成形型に
付与することができるものであればとくに限定はない。
【0049】前記成形型としては、目的とする透明光学
樹脂成形品の形状を正確に転写して設計されたものであ
ればよい。たとえばコンタクトレンズをえようとするば
あいには、コンタクトレンズに必要とされる規格の雄型
および雌型が用いられる。また、たとえば眼内レンズを
えようとするばあいには、光学部の径が約3〜5mmの
レンズとその縁から外へ向かって設けられたループとか
ら構成される成形型が用いられ、かかる複雑な形状の成
形型としては、通常の放電加工などの方法によって製造
されたものを用いることができる。なお、たとえばコン
タクトレンズ材料や眼内レンズ材料などの眼用レンズ材
料は、切削、研磨などの機械的加工を施して所望のコン
タクトレンズや眼内レンズとするばあいもあるので、か
かる成形の際には、たとえばブロック状の成形品をうる
ことができるような成形型を用いればよい。
【0050】なお、前記成形型の材質としては、たとえ
ばステンレス鋼、ガラス、石英、セラミックスや、クロ
ム合金、スズ、鉛、銀、アンチモン、ビスマスなどをベ
ースとした精密刻印用合金などがあげられ、目的に応じ
て適宜選択すればよい。
【0051】加熱圧縮成形は、目的とする透明光学樹脂
成形品の容積に応じ、配合量を調整した前記未架橋の重
合体およびポリアミン、好ましくはこれらの粉末状の混
合物の必要量を圧縮成形機の成形型内に充填し、所望の
圧力および温度で行なわれる。
【0052】前記加熱圧縮成形時の温度は、約150〜
500℃であることが好ましく、所望の透明光学樹脂成
形品をうるためには、用いる重合体のガラス転移温度よ
りも高いことが好ましい。かかる加熱圧縮成形時の温度
が前記下限値よりも低いばあいには、重合体のカルボキ
シル基、カルボン酸エステル基および酸無水物基から選
ばれた少なくとも1種の官能基とポリアミンのアミノ基
とのあいだでのアミド化やイミド化が不充分となって架
橋構造の形成割合が低下し、たとえば耐溶剤性や透明性
などの成形品の所望の物性の向上が望めなくなる傾向が
あり、また前記上限値よりも高いばあいには、重合体や
ポリアミンが分解を起こしやすく、所望の物性を満足し
うる成形品がえられにくくなる傾向がある。
【0053】前記加熱圧縮成形時の圧力は、所望の物性
を満足しうる透明光学樹脂成形品をうることができるよ
うに適宜調整すればよく、とくに限定がないが、通常1
0〜1000kg/cm2 程度であることが好ましい。
【0054】また加熱圧縮成形に要する時間は、設定し
た温度および圧力によって適宜調整すればよく、とくに
限定がないが、たとえば5〜120分間程度であること
が好ましい。
【0055】なお、前記加熱圧縮成形時の温度および圧
力は、成形開始時から終了時まで一定であってもよく、
ばあいによっては時間とともに適宜変更してもよい。
【0056】つぎに、本発明の透明光学樹脂成形品の製
造法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0057】実施例1 未架橋のポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと
いう)96.5部およびヘキサメチレンジアミン(以
下、HMDAという)3.5部をテトラヒドロフラン
(以下、THFという)に溶解させた溶液をn−ヘキサ
ンに注いで白色沈殿物をえた。
【0058】えられた白色沈殿物を乾燥させたのち、粉
砕機を用いて粉砕し、PMMAとHMDAとが混合され
た粉末をえた。
【0059】かかる粉末2.4gを内径25mmのステ
ンレス鋼製の成形型内に充填し、温度180℃、圧力3
00kg/cm2 の条件で約60分間加熱圧縮成形を行
ない、厚さ約4mmのブロック状の成形品をえた。
【0060】えられた成形品は、コンタクトレンズや眼
内レンズなどに必要なすぐれた透明性および硬さを有す
るものであり、該成形品を偏光板を用いて観察したとこ
ろ、光学的な歪みがまったくなく均一であり、コンタク
トレズや眼内レンズなどの眼用レンズに好適に使用しう
るものであった。
【0061】比較例1 メチルメタクリレート(以下、MMAという)とエチレ
ングリコールジメタクリレートとを重合してえられた、
あらかじめ架橋されたPMMAを、粉砕機を用いて粉砕
し、架橋PMMAの粉末をえた。
【0062】かかる粉末を用い、実施例1と同様にして
厚さ約4mmの透明で硬いブロック状の成形品をえた。
【0063】えられた成形品を偏光板を用いて観察した
ところ、光学的な歪みが多数認められて均一ではなく、
コンタクトレンズや眼内レンズなどの眼用レンズに用い
ることができないものであった。
【0064】実施例2 実施例1でえられたPMMAとHMDAとが混合された
粉末0.4gを用い、実施例1と同様にして加熱圧縮成
形を行ない、透明で硬いブロック状の成形品をえた。か
かるブロック状の成形品を数枚作製し、該成形品に機械
的加工を施して厚さ0.2mmまたは0.5mmのプレ
ートを作製した。
【0065】えられたプレートの耐溶剤性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0066】(耐溶剤性)厚さ0.2mm、直径12m
mの円形プレートを室温下でTHF中に浸漬して6時間
放置したのち、プレートの外観を目視にて観察し、以下
の評価基準に基づいて評価した。
【0067】(評価基準) A:ほとんど膨潤していない。 B:若干膨潤している。 C:膨潤がいちじるしい。 D:溶解している部分がある。 E:完全に溶解している。
【0068】また、えられたプレートの耐衝撃強度を、
温度25℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、荷重
6.75gの鋼球を厚さ0.5mmのプレート上に落下
させ、フィルムが破断したときの鋼球を落下させた高さ
(mm)を測定して調べたところ、63mmであり、か
かるプレートは耐衝撃性にすぐれたものであった。
【0069】比較例2 実施例2において、PMMAとHMDAとが混合された
粉末0.4gのかわりに、HMDAが混合されていない
未架橋のPMMAの粉末0.4gを用いたほかは、実施
例2と同様にして透明なプレートを作製した。
【0070】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0071】また、えられたプレートの耐衝撃強度を実
施例2と同様にして調べたところ、53mmであり、か
かるポリアミンを用いずにえられたプレートと前記実施
例2においてポリアミンを用いてえられたプレートとを
比べると、実施例2のプレートは耐衝撃性が向上してい
ることがわかる。
【0072】実施例3 トリス[(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタ
クリレート(以下、SiMAという)20部、2,2,
2−トリフルオロエチルメタクリレート(以下、3FM
Aという)40部、MMA40部およびアゾビスジメチ
ルバレロニトリル0.1部を用いて重合を行ない、未架
橋の共重合体(以下、PSi3FMMAという)をえ
た。
【0073】このPSi3FMMA96.5部およびH
MDA3.5部をTHFに溶解させた溶液をn−ヘキサ
ンに注いで白色沈殿物をえた。
【0074】えられた白色沈殿物から実施例1と同様に
して粉末をえたのち、かかる粉末0.4gを用い、実施
例2と同様にして加熱圧縮成形を行なって透明なプレー
トを作製した。
【0075】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0076】比較例3 実施例3において、PSi3FMMAとHMDAとが混
合された粉末0.4gのかわりに、HMDAが混合され
ていない未架橋のPSi3FMMAの粉末0.4gを用
いたほかは、実施例3と同様にして透明なプレートを作
製した。
【0077】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0078】実施例4 実施例1でえられた未架橋のPMMAとHMDAとが混
合された粉末(HMDAの混合量:約3.5重量%)5
0部と、3FMA40重量%およびMMA60重量%を
重合してえられた未架橋の共重合体(以下、P3FMM
Aという)とHMDAとが混合された粉末(HMDAの
混合量:約3.5重量%)50部とを充分に混合し、え
られた混合物約0.4gを内径25mmのステンレス鋼
製の成形型内に充填し、温度280℃、圧力300kg
/cm2 の条件で約60分間加熱圧縮成形を行ない、コ
ンタクトレンズや眼内レンズなどに必要なすぐれた透明
性を有するブロック状の成形品をえた。
【0079】えられた成形品に機械的加工を施して表面
を研磨し、厚さ約0.4mmのプレートを作製した。
【0080】えられたプレートについて、自記分光光度
計(UV−3100、(株)島津製作所製)を用いて光
線透過率を調べた。えられた光線透過率のグラフを図1
に示す。
【0081】図1のグラフから明らかなように、2種以
上の重合体を混合して用いたばあいであっても、可視光
線の光線透過率が高く、透明性にすぐれた成形品がえら
れることがわかる。
【0082】比較例4 実施例4において、HMDAが混合されていない未架橋
のPMMAの粉末50部とHMDAが混合されていない
未架橋のP3FMMAの粉末50部とを充分に混合し、
えられた混合物約0.4gを用いたほかは、実施例4と
同様にして加熱圧縮成形を行なってブロック状の成形品
をえた。かかる成形品は不透明であり、コンタクトレン
ズや眼内レンズなどに用いることができないものであっ
た。
【0083】えられた成形品から実施例4と同様にして
プレートを作製し、その光線透過率を調べた。えられた
光線透過率のグラフを図2に示す。
【0084】実施例5 未架橋のポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
(以下、PHEMAという)97部およびHMDA3部
をジメチルホルムアミドに溶解させた溶液をジクロロメ
タンに注いで白色沈殿物をえた。
【0085】えられた白色沈殿物を乾燥したのち、粉砕
機を用いて粉砕し、PHEMAとHMDAとが混合され
た粉末をえた。
【0086】えられた粉末0.05gをコンタクトレン
ズ形状の真鍮製の成形型内に充填し、実施例1と同様に
して加熱圧縮成形を行なって成形品をえた。えられた成
形品は、正確な所望のコンタクトレンズ形状を有するも
のであった。
【0087】前記成形品を、蒸留水中に室温にて3日間
浸漬して水和処理を施したところ、水和されたハイドロ
ゲルソフトコンタクトレンズをうることができた。また
かかるソフトコンタクトレンズには、室温下で1週間放
置したのちであっても、溶出や重合体の溶解がまったく
認められず、さらに水飽和処理を施した直後のものと比
較してまったく形状変化がなく、該ソフトコンタクトレ
ンズが安定性にすぐれたものであることがわかった。
【0088】比較例5 実施例5において、HMDAが混合されていない未架橋
のPHEMAの粉末0.05gを用いたほかは、実施例
5と同様にして成形品を作製した。えられた成形品は、
正確な所望のコンタクトレンズ形状を有するものであっ
たが、かかる成形品に実施例5と同様にして水和処理を
施したところ、変形がいちじるしく、また部分的に重合
体の溶解が認められ、ソフトコンタクトレンズとして使
用することができるものではなかった。
【0089】実施例6 スチレン51.5部および無水マレイン酸48.5部を
THF中で溶液重合して未架橋の共重合体(以下、PS
tMAという)をえた。このPStMA3.5gを含有
するTHF溶液を大量のn−ヘキサンに注いで白色沈殿
物を生成させた。そこへHMDA0.23gを含有する
THF溶液を注いでPStMAとHMDAとの混合物を
えた。
【0090】えられた混合物を乾燥したのち、粉砕機を
用いて粉砕し、PStMAとHMDAとが混合された粉
末をえた。
【0091】かかる粉末0.26gを用い、実施例2と
同様にして加熱圧縮成形を行なって透明なプレートを作
製した。
【0092】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0093】比較例6 実施例6において、PStMAとHMDAとが混合され
た粉末0.26gのかわりに、HMDAが混合されてい
ない未架橋のPStMAの粉末0.24gを用いたほか
は、実施例6と同様にして透明なプレートをえた。
【0094】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0095】実施例7 ジエチルフマレート62.3部およびスチレン37.7
部を重合してなる未架橋の共重合体(以下、PDEFS
tという)95部およびHMDA5部をTHFに溶解さ
せた溶液をn−ヘキサンに注いで白色沈殿物をえた。
【0096】えられた白色沈殿物を乾燥したのち、粉砕
機を用いて粉砕し、PDEFStとHMDAとが混合さ
れた粉末をえた。
【0097】かかる粉末0.21gを用い、実施例2と
同様にして加熱圧縮成形を行なって透明なプレートを作
製した。
【0098】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0099】比較例7 実施例7において、PDEFStとHMDAとが混合さ
れた粉末0.21gのかわりに、HMDAが混合されて
いない未架橋のPDEFStの粉末0.22gを用いた
ほかは、実施例7と同様にして透明なプレートをえた。
【0100】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0101】実施例8 実施例1で用いたものと同じ未架橋のPMMA86.3
部および1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン(以下、
DPPという)13.7部をTHFに溶解させた溶液を
n−ヘキサンに注いで白色沈殿物をえた。
【0102】えられた白色沈殿物を乾燥したのち、粉砕
機を用いて粉砕し、PMMAとDPPとが混合された粉
末をえた。
【0103】かかる粉末2.4gを用い、実施例1と同
様にして加熱圧縮成形を行なって厚さ約4mmのブロッ
ク状の成形品をえた。
【0104】えられた成形品は、コンタクトレンズや眼
内レンズなどに必要なすぐれた透明性および硬さを有す
るものであり、該成形品を偏光板を用いて観察したとこ
ろ、光学的な歪みがまったくなく均一であり、コンタク
トレンズや眼内レンズなどの光学製品に好適に使用しう
るものであった。
【0105】また、このブロック状の成形品を用い、実
施例2と同様にしてプレートを作製した。
【0106】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0107】実施例9 N,N−ジメチルアクリルアミド60部およびMMA4
0部を試験管内で重合して未架橋の共重合体(以下、P
DMAAMMAという)をえた。
【0108】このPDMAAMMA96部およびHMD
A4部をTHFに溶解させた溶液をn−ヘキサンに注い
で白色沈殿物をえた。
【0109】えられた白色沈殿物から実施例1と同様に
して粉末をえたのち、かかる粉末0.25gを用い、実
施例2と同様にして加熱圧縮成形を行なって透明なプレ
ートを作製した。
【0110】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0111】比較例8 実施例9において、PDMAAMMAとHMDAとが混
合された粉末0.25gのかわりに、HMDAが混合さ
れていない未架橋のPDMAAMMAの粉末0.29g
を用いたほかは、実施例9と同様にして透明なプレート
を作製した。
【0112】えられたプレートの耐溶剤性を実施例2と
同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
【0114】表1に示された結果から、実施例2、3、
6、7、8および9でえられた成形品は、比較例2、
3、6、7および8のポリアミンを用いずにえられた成
形品と比べて、耐溶剤性にすぐれたものであることがわ
かる。
【0115】
【発明の効果】本発明の製造法においては、加熱圧縮成
形時に未架橋の重合体がポリアミンによって架橋される
ので、該製造法によってえられる、たとえば眼用レン
ズ、眼用レンズ材料などの透明光学樹脂成形品は、耐溶
剤性にすぐれ、機械的強度が大きいと同時に、光学的な
歪みがなく均一であり、相分離がおさえられて透明性に
もすぐれ、成形後に重合体中で発生する内部応力がきわ
めて小さいことから経時的な形状変化や物理化学的変化
がほとんど生じず、さらに親水性光学樹脂成形品をうる
際に水和処理を行なったばあいであっても溶解すること
がないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4でえられたフィルムの光線透過率のグ
ラフである。
【図2】比較例4でえられたフィルムの光線透過率のグ
ラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G02C 7/04 G02C 7/04 (56)参考文献 特開 平5−105717(JP,A) 特開 平5−9211(JP,A) 特開 昭60−49906(JP,A) 特公 昭47−9625(JP,B1) 特表 昭61−501455(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/32 C08J 3/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エ
    ステルおよび不飽和カルボン酸無水物から選ばれた少な
    くとも1種のモノマーを含有した重合成分を重合してな
    る未架橋の重合体を、ポリアミンの存在下で加熱圧縮成
    形することを特徴とする透明光学樹脂成形品の製造法。
  2. 【請求項2】 ポリアミンが1分子内に一級アミノ基お
    よび二級アミノ基から選ばれた少なくとも2個のアミノ
    基を有するものである請求項1記載の透明光学樹脂成形
    品の製造法。
  3. 【請求項3】 透明光学樹脂成形品が眼用レンズ材料で
    ある請求項1または2記載の透明光学樹脂成形品の製造
    法。
  4. 【請求項4】 透明光学樹脂成形品が眼用レンズである
    請求項1または2記載の透明光学樹脂成形品の製造法。
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