JP3132704B2 - 光ファイバアレイ - Google Patents

光ファイバアレイ

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JP3132704B2
JP3132704B2 JP06002339A JP233994A JP3132704B2 JP 3132704 B2 JP3132704 B2 JP 3132704B2 JP 06002339 A JP06002339 A JP 06002339A JP 233994 A JP233994 A JP 233994A JP 3132704 B2 JP3132704 B2 JP 3132704B2
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則夫 村田
史郎 西
茂 細野
文明 塙
善典 日比野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバアレイに関
する。詳しくは、光ファイバアレイの結合部の耐久性、
特に耐湿性を向上させた光ファイバアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】研磨した端面を有する光ファイバアレイ
端面と光カップラ、スプリッタ等の光導波回路とを接着
剤により結合させた部品は、高温高湿雰囲気(例えば、
70℃、90%RH)において短時間(数百時間)の内
に、結合部に気泡又は剥離が発生し、光透過損失が増大
するという問題を起こす。ここで、光ファイバアレイ同
士や光導波路との接着結合部の耐久性を向上させるに
は、耐久性に優れた結合用接着剤を使用すれば良い。
【0003】しかし、市販されている耐久性接着剤、例
えば、耐湿性の優れた弾性エポキシ接着剤などは、光透
明性がなく、光結合用としては不適当であり、透明で耐
久性の良いエポキシ樹脂は見当たらない。また、透明で
耐久性の良いシリコーン接着剤は高温硬化する必要があ
り、光ファイバ被覆部が熱劣化する等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来で
は、透明で耐久性のある適当な接着剤が見当たらないた
め、光ファイバアレイの接合部は耐久性が低く、光透過
損失が大きかった。尚、光ファイバアレイ端面などの結
合面をシランカップリング剤処理して結合し、耐湿性を
向上する方法も考えられるが、カップリング剤の反応性
制御が難しく、処理のばらつき等により結合部の耐湿性
がばらつくため、製造管理が難しいという問題がある。
【0005】本発明は、上記従来技術に鑑みてなされた
ものであり、基板と押え蓋板で光ファイバを挟み、接着
剤で固定される光ファイバアレイにおいて、前記押え蓋
板が接着剤で固定される側の、前記光ファイバの光軸と
前記アレイ端面のなす角度を90度未満にして、熱、水
分などによる押え蓋板の変形、剥がれなどにより発生す
る応力を低減し、光ファイバアレイ端面の結合部が剥離
し難く、耐久性に優れた光ファイバアレイを提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の請求項1に係る構成は端面を有する光ファイバ
が、基板と押え蓋板で挟まれ、接着剤で固着されてな
り、かつ、前記端面に光導波路部品の一端面が接着剤で
固着されてなる光ファイバアレイにおいて、前記押え蓋
板が固着される側の、前記光ファイバの光軸と前記光導
波路部品の一端面のなす角度及び前記押え蓋板の端面の
角度が0度より大きく、90度未満であることを特徴と
する。また、上記目的を達成する本発明の請求項2に係
る構成は、請求項1記載の光ファイバアレイにおいて、
前記押え蓋板が固着される側の、前記光ファイバの光軸
と前記光導波路部品の一端面のなす角度及び前記押え蓋
板の端面の角度が75度〜86度であることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】押え蓋板が固着される側の、光ファイバの光軸
と光導波路部品の一端面のなす角度を0度より大きく、
90度未満とすると、熱、水分などにより押え蓋板が基
板から離れる方向に作用する応力に抵抗することがで
き、接合部が剥離しにくくなり、耐湿性が向上する。
【0008】
【実施例】以下、本発明について、図面に示す実施例を
参照して詳細に説明する。
【0009】〔実施例1,2〕図1に本発明の第1、第
2の実施例を示す。これら実施例は光ファイバアレイ端
面にフィルタ板を接着したものである。即ち、V溝ガイ
ドを有する基板12と押え蓋板13との間に光ファイバ
11を挟み、接着剤で固着し、光ファイバアレイ端面に
接着剤4にてフィルタ板5を固着した。実施例1では基
板2及び押え蓋板3の材質としてパイレックスガラスを
用い、実施例2では基板2及び押え蓋板3の材質として
石英ガラスを用いた(表1参照)。
【0010】ここで、押え蓋板3が固着される側の、光
ファイバ1の光軸とフィルタ板5とのなす角度θは、0
度より大きく、90度未満となっている。本実施例にお
ける最適な角度θとしては、82度である。
【0011】上記構成を有する光ファイバアレイを作製
するには、先ず、光ファイバ1をV溝ガイドを有する基
板1に配列し、押え蓋板3をかぶせ、紫外線硬化型エポ
キシ接着剤で固定し、次に、押え蓋板3が固着される側
の、光ファイバ1の光軸に対する角度θが82度となる
ように、ファイバアレイ端面を切削研磨し、引き続き、
ファイバアレイ端面に、BK−7ガラス製フィルタ板5
を紫外線硬化型エポキシ接着剤4で張り合わせる。
【0012】このような構造を有する光ファイバアレイ
を高温高湿雰囲気下に置くと、図1に示すように、水分
や熱により、押え蓋板3が基板2から剥がれる方向に応
力Fが加わる。しかし、本実施例では、押え蓋板3が固
着される側の、光ファイバ1の光軸とフィルタ板5との
なす角度θが90度未満であるため、その応力Fに抵抗
する力が大きく、アレイ端面からフィルタ板5が剥がれ
難いという利点がある。
【0013】〔比較例1,2,3,4〕比較例1,2,
3,4として図2,図3に示す光ファイバアレイを作製
した。比較例1,3に係る光ファイバアレイは、図2に
示すように上記角度θを90°としたものであり、比較
例2,4に係る光ファイバアレイは、図3に示すように
上記角度θを98°としたものである。また、比較例
1,2では、基板2及び押え蓋板3の材質としてパイレ
ックスガラスを用い、比較例3,4では基板2及び押え
蓋板3の材質として石英ガラスを用いた(表1参照)。
その他の構造は、実施例1と同様である。
【0014】この比較例1,2,3,4に係る光ファイ
バアレイを高温高湿雰囲気下に置くと、水分や熱によ
り、押え蓋板3が基板2から剥がれる方向に応力Fが加
わるが、その応力Fに抵抗する力がない。このため、押
え蓋板3とフィルタ板5とが簡単に剥がれ、更に、基板
2とフィルタ板5とが剥がれてしまった。
【0015】上述した実施例1,2、比較例1,2,
3,4に係る光ファイバアレイに対する、高温高湿雰囲
気下(120℃、100%RH)での耐湿性試験結果
を、表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、各5個の試料数のう
ち、比較例1,2,3,4はその殆どがファイバアレイ
端面とファイバ部が剥離したが、実施例1,2ではその
ような剥離は観察されなっかた。但し、ファイバアレイ
組み立て接着剤としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂を
用い、フィルタ張り付け接着剤としては、紫外線硬化型
アクリル接着剤を用い、プレッシャクッカ条件として
は、120℃、100%RHとした。
【0018】〔実施例3,4〕本発明の第三、第四の実
施例を図4に示す。本実施例は、光ファイバアレイと光
導波路とを接着結合したものである。
【0019】即ち、光導波路16を有する光導波路部品
17の両側に光ファイバアレイを接着剤14を介して固
着し、各光ファイバアレイとしては、実施例1,2と同
様に、光ファイバ11を基板12と押え蓋板13で挟
み、接着剤で固着したものである。ここで、基板12及
び押え蓋板13の材質としてパイレックスガラスを用い
た。実施例3では光導波路部品17として石英製導波路
(カップラ)を用い、実施例4では光導波路部品17と
して石英製導波路(スプリッタ)を用いた(表2参
照)。
【0020】ここで、押え蓋板13が固着される側の、
光ファイバ11の光軸と光導波路部品17とのなす角度
θが90度未満であるため、実施例1,2と同様に、そ
の応力Fに抵抗する力が大きく、ファイバアレイ端面と
光導波路部品17とが剥がれ難いという利点がある。
【0021】本実施例における角度θの好適角度は75
度〜86度であり、最も好適な角度は82度である。こ
の範囲よりも角度θがおおきくなると、更に、端面での
光反射が多くなり、出力の不安定等、光源に悪影響を及
ぼし、また、この角度よりも角度θが小さくなると、接
続損失が大きく接続点での光の減衰が大きくなり望まし
くなくなる。
【0022】〔実施例5〕本発明の第五の実施例を図5
に示す。本実施例は、光ファイバアレイ同士を接着結合
したものである。
【0023】即ち、光ファイバアレイを相互に接着剤2
4を介して固着し、各光ファイバアレイとしては、実施
例1,2と同様に、光ファイバ21を基板22と押え蓋
板23で挟み、接着剤で固着したものである。ここで、
基板22及び押え蓋板23の材質としてパイレックスガ
ラスを用いた。ここで、押え蓋板23が固着される側
の、光ファイバ21の光軸と他方のファイバアレイの端
面とのなす角度θが90度未満であるため、実施例1,
2と同様に、その応力Fに抵抗する力が大きく、ファイ
バアレイ端面が相互に剥がれ難いという利点がある。
【0024】上述した実施例3,4,5に係る光ファイ
バアレイに対する、高温高湿雰囲気下(120℃、10
0%RH)での耐湿性試験結果を、表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示すように、各5個の試料数のう
ち、ファイバアレイ端面のファイバ部での剥離は観察さ
れなっかた。
【0027】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明の光ファイバアレイは、押え蓋板が固
着される側の、光ファイバの光軸と光導波路部品の一端
面のなす角度及び前記押え蓋板の端面の角度を0度より
大きく、90度未満としたため、熱、水分などにより押
え蓋板が基板から離れる方向に作用する応力に抵抗する
ことができ、接合部が剥離しにくくなり、耐湿性が向上
するとう利点がある。また、光源に悪影響を与えず、光
の減衰も少ない。また、前記押え蓋板が固着される側
の、前記光ファイバの光軸と前記光導波路部品の一端面
のなす角度及び前記押え蓋板の端面の角度を75度〜8
6度とすることにより、出力の不安定、接続損失の増大
を回避出来る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2の実施例に係る光ファイバ
アレイの説明図である。
【図2】比較例1,3に係る光ファイバアレイの説明図
である。
【図3】比較例2,4に係る光ファイバアレイの説明図
である。
【図4】本発明の第3、第4の実施例に係る光ファイバ
アレイの説明図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る光ファイバアレイの
説明図である。
【符号の説明】
1,11,21 光ファイバ 2,12,22 基板 3,13,23 押え蓋板 4,14,24 接着剤 5 フィルタ板 16 光導波路 17 光導波路部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塙 文明 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 日比野 善典 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/24 - 6/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面を有する光ファイバが、基板と押え
    蓋板で挟まれ、接着剤で固着されてなり、かつ、前記端
    面に光導波路部品の一端面が接着剤で固着されてなる光
    ファイバアレイにおいて、前記押え蓋板が固着される側
    の、前記光ファイバの光軸と前記光導波路部品の一端面
    のなす角度及び前記押え蓋板の端面の角度が0度より大
    きく、90度未満であることを特徴とする光ファイバア
    レイ。
  2. 【請求項2】 前記押え蓋板が固着される側の、前記光
    ファイバの光軸と前記光導波路部品の一端面のなす角度
    及び前記押え蓋板の端面の角度が75度〜86度である
    ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバアレイ。
JP06002339A 1994-01-14 1994-01-14 光ファイバアレイ Expired - Lifetime JP3132704B2 (ja)

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JP4934565B2 (ja) * 2007-10-11 2012-05-16 古河電気工業株式会社 光モジュール
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