JP3132046U - バイブレータ付き手動式均し鏝 - Google Patents

バイブレータ付き手動式均し鏝 Download PDF

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Abstract

【課題】バイブレータ付き手動式均し鏝について、均される硬化材料に対する乗り上げを解消して、精度良く、硬化材料を均すことを可能とする。
【解決手段】接続部3が、前捌き用片2を、均し方向について、均し用片1の前方へ、均し用片1と間隔を開けて配置し、前捌き用片2は、硬化材料の均し面に対して起立する前面と後面とを備え、刃先を下方に向けた前捌き用刃20を備え、均し用片2は、硬化材料の均し面に対して起立する前面と後面とを備え、刃先を下方に向けた均し用刃10を備え、均し用刃10の前面は、下方に向かうにつれて後面側へ近接するように傾斜して、均し用刃10の前面と後面との間の幅が下方に向かうにつれて漸次狭くし、均し用片1及び前捌き用片2は、夫々、平面視において均し方向と交差する、左右方向に伸びる部材である。
【選択図】図1

Description

本願の考案は、バイブレータ付き手動式均し鏝の改良に関する。
実開昭59−48955号公報 実開平5−7732号公報
特許文献1に代表するように、硬化前のセメント表面を均す手動式の鏝に、バイブレータ(振動装置)を設けて、作業者の鏝を押圧する労を軽減し、作業の迅速化や効率化、仕上げの均一化を図るものが、種々提案されている。
以下、このような鏝が求められる状況を例示して、具体的に説明する。
例えば、都市近郊において整備されつつある、新交通システムとして代表的な案内軌条式鉄道(AGT/Automated Guideway Transit)では、列車は車輪としてタイヤを用いて走行を行うものであり、運行コース上には、タイヤを案内するコンクリート製の軌道が設けられる。神戸新交通ポートライナーの延伸工事を例に採ると、走行路全線に渡って、このようなコンクリート製の軌道の上面にメチルメタアクリレート(MMA樹脂)を舗装材として左官舗装し、所定の走行路高さを確保する、薄層舗装工事が施工されている。
当該コンクリート製の軌道上へのMMA樹脂の薄層の形成は、走行面上において、列車の走行の方向に沿って平行に並べた2列の型枠間に、硬化前のMMA樹脂を充填し、型枠より上方に盛り上がった硬化前のMMA樹脂を平らに均して硬化させ、走行面上に突出する軌道を造成することにより行われる。
このようなMMA樹脂の上面を、機動性に優れた手持ち式の鏝であって、バイブレータを備えたものを用いることによって、効率よく、軌道上面にMMA樹脂の薄層を形成することが期待された。
また、本願の考案者において、上記のAGTの軌道という距離のある構造物の形成に際し、能率良く上記樹脂の薄層を施工するために、モーターなどの動力を利用することにより型枠間を均し方向(型枠の配列された方向)へ向けて鏝を走行させる均し装置の開発を検討した。
このような装置を利用すれば、人手に頼る作業工程を低減させ、能率が向上すると考えたからである。
しかし、工期を短縮するという観点から検討すると、このような自走式の装置を利用するよりも、人海戦術、即ち、複数の作業者を軌道に沿って配置し、各作業者に手動式の鏝を持たせて、MMA樹脂を均すほうが格段に早く施工が完了する(自走式の鏝では、1台の装置が、硬化材料の上を移動して均している間、他の作業者は、手を出すことができない)。
更に、上記の自走式の装置は、大掛かりにならざるを得ず、重たい装置を設置するという別の労を要し、硬化材料(MMA樹脂)のロスも多い。
一方、上記の手動式の鏝として、従来の鏝の取扱いの自由度を考慮し、バイブレータを用いずに、2列に配列された両列型枠の上に跨る、長尺の金属製の薄板(鏝片)の上面に把手を設けることにより鏝を形成し、作業者に把手を持たせて、この鏝を上記両型枠の上に掛け渡し、均し方向に沿って移動させる作業を行わせた。
しかし、作業者による仕上がりのばらつきが大きく、特に、熟練者と経験の浅い作業者とでは、仕上がりに大きな差が生じた。
特に、仕上げの精度を低下される現象として、図6(B)へ示すように、型枠C,Cよりも上方に盛り上がる硬化材料J(この場合MMA樹脂)に対し、均し方向Nに沿って、把手k2を持ち上記の鏝kを摺動させると、鏝片k1が盛り上がった硬化材料Jの上に乗り上げて、硬化材料Jの表面(上面)を、精度よく水平に仕上げられないと事態が散見された。
即ち、硬化前のMMA樹脂表面の細かな凹凸は、上記の鏝で解消できるのであるが、全体に緩やかに大きく盛り上がっている場合など硬化材料を捌ききれず、均し片が、そのような盛り上がりの上に乗り上げてしまい、盛り上がりを均して平らにすることができないのである。
他方、特許文献2へ示すような、主として構造物の角部分を造成するのに適したバイブレータ付きの手動式鏝が提案されている。この特許文献2へ示す鏝は、バイブレータにより作業者の労の軽減を図ると共に、均し片(1)の前に、鋸刃状のかき取り片(3)を設けて、均し片に先駆けて、余分な硬化材料を露払いすることにより、硬化材料を処理が可能な適正な量として、均し部材によって、均すものである。
上記の軌道面への樹脂の薄層の形成において、このように均し片で均す前に、余分なMMA樹脂をかき取り片によって掻きとって処理し易い量のMMA樹脂を均せばよく、均し片のみで仕上げる場合よりも、作業者の習熟度の差が大きく影響しないと考えることができるかも知れない。
具体的には、この特許文献2に示された鏝では、構造物の角部分を造成することに適するように、均し片及びかき取り片は、正面視L字型に形成・配置されているので、上記の軌道の造成のために平行に配列された型枠の上に渡して使用するために、例えば、上記の軌道の造成において、この特許文献2のL字方の均し用刃を横均し片(1b)のみとし、縦均し片(1a)を設けないものとし、このような変更に伴って、縦均し片の前方のかき取り片も排除した鏝を、上記の平行に配列した型枠の上に載せて、硬化材料を均すものとすれば、軌道の造成においても、上記の通り、習熟度の差を縮めて、作業者に熟練者を必要とする状況を減らせると考えることができるかも知れない。
しかし、この特許文献2に示す鏝においても、実際には、図6(B)に示す乗り上げの問題が顕著に生じる。
特に、特許文献2に示す鏝では、その図2(b)及び図3を見れば分かる通り、均し片1(縦均し片1b)は、硬化材料と当接する下部が平ら面として形成され、かき取り片が設けられる均し片1(縦均し片1b)前方には、平らな均し片1と連続して、緩やな勾配を有するガイド片6が設けられており、更に、ガイド片6の前面にかき取り片3が直接設けられているので、かき取り片3で捌ききれずに、かき取り片3を掻い潜った硬化材料の逃げ場がなく、ガイド片6にて硬化材料がスムーズに均し片1の下方に案内され、前後に伸びる平らな均し片1が、当該硬化材料の盛り上がりへ簡単に乗り上げてしまう。
従って、かき取り片3で捌けた場合はともかく、十分に捌ききれない場合は、上記図6(B)の場合に比して、均し片の上に乗り上げるという事態がより顕著に生じる。
また、鋸刃状(熊手状)に形成されているとは言え、かき取り片3を設けることにより、盛り上がった硬化材料を均す際の抵抗が大きく、バイブレータの振動を利用するとは言え、均し方向への摺動を円滑に行うのは困難である。
特に、上記の左右の両側の型枠の上に渡して使用する際、両型枠の上端以外に、盛り上がった硬化材料と当接したとき、型枠上端から離れ、設置点が安定せず、鏝を安定して水平に摺動させるのが困難となった。
例えば、均し片下面と左右の型枠上端の2点と、かき取り片の左右と両型枠の上端の2点の、合計4点で接触した状態で、型枠上を型枠の伸びる均し方向に沿って、移動させるものとしても、かき取り片が盛り上がった硬化材料により、かき取り片の左側が(左側の)型枠の上端から離れ、進行するうちに逆に、かき取り片の右側が(右側の)型枠の上端から離れてかき取り片の左端が元通り(左側の)型枠の上端に当接するという暴れや踊りと呼ばれる動作を繰り返し、型枠上端を正確に摺動させるとができず、不安定な状態を招いた。
このような状態では、計画した通りの正確な仕上げを行うことは不可能である。
尚、上記で用いた部材番号は、この技術背景の欄のみで用いるものとし、考案の開示の欄で示す本願考案に係る鏝の部材番号と無関係である。
本願考案は、上記の乗り上げの問題を解決して、精度良く、硬化材料を均すことが可能なバイブレータ付き手持ち式鏝を提供して上記の課題の解決を図るものである。
本願第1の考案は、構造物を形成する流動性のある硬化材料を、硬化前に均すものであって、硬化材料を均す均し用片1と、均し用片1に先行し硬化材料を掻く前捌き用片2と、バイブレータ4とを備えたバイブレータ付き手動式鏝について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、鏝は、均し用片1と前捌き用片2とを接続する接続部3を備える。接続部3は、前捌き用片2を、均し方向について、均し用片1の前方へ、均し用片1と間隔を開けて配置する。均し用片1は、硬化材料を均す均し用刃10を備え、均し用刃10は、硬化材料を均す刃先を、下方に向ける。前捌き用片2は、硬化材料を捌く前捌き用刃20を備え、前捌き用刃20は、硬化材料を捌く刃先を、下方に向ける。均し用片1及び前捌き用片2は、夫々、平面視において均し方向と交差する、左右の方向に伸びる部材である。
尚、硬化材料には、樹脂のほか、コンクリートや、モルタルを含む。
本願第2の考案では、上記本願第1の考案にあって、上記のバイブレータ4は、平面視において、均し用片1及び前捌き用片2の上記伸びる方向を、夫々の長手方向として、前捌き用片2の長手の一端と当該一端と近接する均し用片1の長手の一端との中間点p1、及び、前裁き用片2の長手の他の一端と均し用片1の長手の他の一端との中間点p2の、2点を結ぶ線分p1−p2(仮想線)と、均し用片1とに挟まれた領域、若しくは、均し用片1の真上に配置されたものであり、当該バイブレータ4に把手5が設けられたバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第3の考案では、上記本願第2の考案にあって、前捌き用片2の刃先の稜線は、均し用片1の刃先の稜線に対して、上下方向について斜めに配置されたことを特徴とするバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第4の考案では、上記本願第3の考案にあって、次の構成を採るバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
前捌き用刃20は、主部7と、正面視において主部7の右側又は左側に連接された連接部8とを備える。
そして、均し用刃10の刃先を下方に向けて当該刃先の稜線を水平にした状態において、次の通りである。
即ち、前捌き用刃20の刃先も下方を臨み、主部7の下端には主部7の刃先の稜線よりも上方に後退する複数の切欠部21…21が略等間隔に配列されている。連接部8の下端は、各位置の高さを同じとする水平な辺であり、主部7の刃先の稜線は、全体として、連接部8が設けられた端部から、当該端部と反対側の端部に向けて漸次上方に後退する、傾斜したものである。上記のバイブレータ4は、平面視において、主部7の真後ろに配置されている。
本願第5の考案では、上記本願第2の考案にあって、接続部3は、平面視において、均し用片の左右の一端側を、均し用片1の左右の他端側に対して、前捌き用片2へ近接するよう配置するものであるバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第6の考案では、上記本願第2の考案にあって、均し用刃10は、均し方向について、前方を臨む前面1aと、前面1aの後方に位置し後方を臨む後面1bと、接続部3側を基端側として、前面1aと後面1bとの先端間を繋ぎ下方を臨む先端面1cとを備え、接続部3側を基端側として、前面1aは、先端側が基端側より均し方向に対して後方に位置する傾斜面であり、後面1bは、先端側が基端側より均し方向に対して前方に位置する傾斜面であるバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第7の考案では、上記本願第2の考案にあって、均し用刃10は、均し方向について、前方を臨む前面1aと、前面1aの後方に位置し後方を臨む後面1bとを備え、接続部3側を基端側として、前面1aは、先端側が基端側より均し方向に対して後方に位置する傾斜面であり、後面1bは、先端側が基端側より均し方向に対して前方に位置する傾斜面であるバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第8の考案では、上記本願第2の考案にあって、均し用刃は、均し方向について、前方を臨む前面と、前面の後方に位置し後方を臨む後面と、接続部側を基端側として、前面と後面との先端間を繋ぎ下方を臨む先端面とを備え、
均し用刃の前面は、その先端側が、その基端側より、均し方向に対して後方に位置する傾斜面であり、
均し用刃の後面は、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面であることを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
本願第9の考案では、上記本願第2の考案にあって、次の構成を採るバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
即ち、均し用刃10は、均し方向について、前方を臨む前面1aと、前面1aの後方に位置し後方を臨む後面1bと、接続部3側を基端側として前面と後面の先端間を繋ぎ下方を臨む先端面1cとを備える。均し用刃10の前面1aは、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面である。均し用刃10の後面1bも、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面である。均し用刃10の前面1aと後面1bとは、先端から基端までの高さが略同一である。均し用刃10の先端面1cの前後の幅は、3〜10cmである。
本願第10の考案では、上記本願第9の考案にあって、均し用刃10の前面1a及び後面1bの夫々は、平らな面であり、前面1aと先端面1cとの交差部、及び後面1bと先端面1cとの交差部の夫々が、或いは、先端面1c全体が、側面視円弧状の曲面であるバイブレータ付き手動式均し鏝を提供する。
本願第1〜10の考案は、手動式鏝において、バイブレータにより、施工のスピードを上げることができ、作業者の労を軽減し、仕上がりの均一化を図ることができる。特に、硬化材料として樹脂が配合されたものを従来のバイブレータのない手持ち式の鏝で仕上げる場合、時間をかけても作業者の能力差が著しく、美観良く仕上げるのは困難であったが、そのような問題を回避し、仕上がりの美観を向上した。
型枠間の硬化材料の上面を型枠上端に沿って均す場合、硬化材料に鏝摺動のスビードを上げることで粗面となるが、その反面、隆起や水平のずれなどが生じず、仕上がりの精度を高めることができる。
更に、鏝を手持ち式(手動式)とすることによって、前述のAGTの軌道の上面に樹脂の薄層を形成する場合、当該鏝を持った複数の人員を軌道に沿って配置し施工を行う、人海戦術を採ることが可能である。
特に、この鏝は、接続部を介して、均し用片の前方に前捌き用片を備えるものであるため、当該前捌き用片によって余剰の硬化材料が予備的に取り除かれると共に、当該前捌き用片が、均し用片を支持し、硬化材料に対する均し用片の向きを安定させ、均し用刃の刃先を下方に向けて常に安定したものとし、個人の技量に頼ることなく、確実に上記の切り込みの効果を得ることができる。
そして、この考案は、硬化材料を均す均し鏝片と、均し鏝片に先行し硬化材料を掻く前捌き用片と、バイブレータとを備えたバイブレータ付き手動式鏝について、接続部を介し、均し用片に対し、その前方に前捌き用片を間隔を開けて配設すると共に、少なくとも均し用片は、硬化材料の均し面に対して起立する前面と後面とを備え、刃先を下方に向けた均し用刃を備えることにより、前捌き用片が捌いた硬化材料を、前捌き用片と均し用片との間から(均し方向を前方とする、平面視において)左方又は右方へ、排出することができ、これより、硬化材料の上に均し用片が乗り上げるといった事態を抑制した。
また、本願第2の考案により、バイブレータの振動を均し用片に効果的に伝えることができる。
本願第3の考案では、前捌き用片の刃先を、その稜線が、上下方向について、均し用片の刃先の稜線に対してに対し斜めにすることにより、均し用片の刃先の全体を硬化材料に当てたとき、前捌き用片の刃先は、硬化材料に対して斜めにすることができる。これにより、前捌き用片のならし方向に対する左右の一端は、前捌き用の他端に対して浮き上がった状態となり、効果的に捌ききれなかった硬化材料を後方へ通過させることができる。即ち、捌ききれない硬化材料の上に前捌き用片が乗り上げて、接続部により当該前捌き用片と一体となっている均し用片をも硬化材料の上に乗り上げさせるという事態を抑えた。具体的には、均し用片の刃先を、その稜線が水平になるように効果材料に配置した際、前捌き用片は、水平とはならず、上記の通り一端が他端に対して浮き上がった状態となり、均し作業(鏝の摺動)中、刃先の当該浮き上がった部分の下を捌ききれなかった硬化材料を通過させることができ、摺動の際の抵抗を低減し、また、上記の通り、効果材料の上への乗り上げの抑制を果たした。
また、本願第4の考案は、均し方向へ鏝を摺動中、当該切欠部からも、前捌き用片前方の硬化材料を前捌き用片の後方へ逃がすことができる。即ち、前捌き用片が捌ききれない硬化材料を、より効果的に後方へ通過させることができ、硬化材料への乗り上げをより一層抑えた。
特に、本願第4の考案では、少なくとも2列に配列された型枠間へ盛られた、硬化材料の上面を均すのに適する鏝を提供するものであって、前捌き用片と均し用片とは、上記2枚の型枠の上に渡し置かれて使用されることができ、このように、鏝を型枠の上に置いた際、均し用片は、刃先を下方に向け、当該刃先にて左右両型枠の上端と当接し、前捌き用片の上記の連接部の下端が、型枠の左右何れか一方と当接する。
即ち、本願第4の考案に係る鏝では、均し用片の下端にて左右両型枠と当接し、前捌き用片の連接部の下端部にて、左右の型枠の一方と当接するものであり、平面視において鏝全体として、当該鏝を型枠にて確実に三点支持させることができ、型枠上端を安定的に摺動させることができる。
従って、この本願第4の考案は、AGTの軌道に代表される上方へ凸状に突出する構造物の上面の高さを硬化材料にて均一に均すのに適した鏝を提供したものである。
本願第5の考案では、均し用片と前捌き用片とを平面視略ハの字状に配設するものであり、これにて、前捌き用片を均し方向に対して略直交するように配位させた際に、平面視において、均し用片は、均し方向に対して斜めとなり、均し用片において、効果的に、硬化材料から摺動時(均し作業時)に受ける抵抗を低減させることができる。
逆に、均し用片を、均し方向に対して直行するように配位させた際、平面視において、前捌き用片は、均し方向に対して斜めとなり、前捌き用片にあって、効果的に、硬化材料から摺動時受ける抵抗を低減させることができる。
このように、前捌き用片と均し用片とが、摺動(均し作業)時、均し方向に対して、同時に直交することない。即ち、前捌き用片と均し用片とにおいて、摺動の抵抗が最大となる、均し方向に対し直交となる配置を、同時に採ることが回避して、円滑な均し作業を行うことができる。
本願第6の考案は、上記本願第5の考案において、平面視、均し用片と均し用片とがなす、より好ましい具体的な角度をする。
本願第8及び第9の考案は、均し用刃の前面について、均し方向に対し、基端側より先端側が後方に位置するように傾斜させることにより、均し用刃前方に盛り上がった硬化材料を上方より押さえ込みつつ前方へ摺動させることを可能とし、より確実に硬化材料を均すことができる。また、特に、本願第8の考案は、均し用刃の後面について、均し方向に対し、基端側より先端側が前方に位置するように傾斜させることにより、硬化材料に対する切れ込みをより良好なものとして、上記の乗り上げの問題を効果的に回避した。
本願第10の考案は、均し用刃の前面と後面とを夫々側面視において鉛直に立ち上がったものとすると共に、このような場合において、先端面の前後の幅について、より好ましい具体的なものを提示した。
本願第11の考案は、上記本願第10の考案にあって、均し用刃の側面視において、その前面と後面と先端面とが呈する矩形の角を落として丸める(アールをつける)ことにより、鏝を型枠に載せた場合、型枠を傷めない。
以下、図面に基づき本願考案の実施の形態について説明する。
図1〜図6(A)を用いて、本願考案の一実施の形態を説明する。図1(A)は本願考案の一実施の形態に係る鏝のバイブレータ4を取り外した状態の平面図であり、図1(B)は当該鏝のバイブレータ4を取り付けた状態を示す平面図である。図2(A)は均し用片1の背面図であり、図2(B)は均し用片1の側面図である。図3(A)は上記鏝の前捌き用片2の背面図であり、図3(B)は当該前捌き用片2の底面図であり、図3(C)は図3(A)の一部切欠要部拡大背面図である。図4は、上記鏝の使用状態を示す平面図である。図5(A)は上記鏝の使用状態を示す略斜視図であり、図5(B)は図4のx方向から眺めた当該鏝の略側面図である。図6(A)は、上記鏝の均し用片の使用状態を示す側面図である。
説明の便宜上、各図において、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方を、Bは後方を、Lは(当該前後方向F,Bと交差する左右方向のうち)右側を、Rは(当該前後方向F,Bと交差する左右方向のうち)左側を、夫々示している。また、Nは鏝を移動させて行く均し方向を示し、L1は当該均し方向Nと交差する左右方向のうち左方を、R1は当該均し方向Nと交差する左右方向のうち右方を示している。
このバイブレータ付き手動式鏝は、構造物を形成する流動性のある硬化材料を、硬化前に均すものである。図1〜図5へ示す通り、この鏝は、均し用片1と、前捌き用片2と、接続部3と、バイブレータ4と、把手5とを備える。
以下、各部の構成について、詳しく説明する。
型枠(後述する)の上に載せた使用の状態に基いて説明すると、均し用片1は、硬化材料Jを均すものであり、硬化材料Jの均し面(上面)に対して起立する前面1aと後面1bとを備え(図2(B))、刃先を下方に向けた均し用刃10を有する。均し用刃10は、楔形の断面形状を有する長尺状の部材である。当該楔(V字)の頂点が、均し用片1の長手方向に連続して、水平な稜線を構成する。
即ち、均し用片1は、均し用刃10を主要部とし、均し用刃10の前面1aは、その先端側即ち刃先側(下方)が基端側(上方)よりも後方Bに位置するよう傾斜する傾斜面であり、均し用刃10の後面1bは、その先端側即ち刃先側(下方)が基端側(上方)よりも前方Fに位置するよう傾斜する傾斜面である。
このように前後に傾斜面を備えることにより、均し用刃10は、上方から下方に向かうにつれて、前後の幅が漸次狭くなる、下方へ先細りとなった楔形(側面視略V字)の断面形状を呈する。
均し用刃10の刃先の各部は、正面視において、均し用片1の伸びる方向(長手方向)について、上下の位置が同じである。即ち、均し用片1は、通常、均し用刃10の刃先が水平となるように(水平に)配置して使用される。
具体的には、均し用片1は、金属製の断面がL字形のチャンネル材であり、接続部3により、L字の角を下方に向けて水平に配置される(側面視逆三角形状になるよう、チャンネル材をV字に配置する)。
図2(B)へ示す、均し用片1がなす上記のV字(L字)の角度(前面1aと後面1bの挟角γ)は、20〜120度が好ましく、60〜90度がより好ましい。特にこの挟角γは、90度が好ましいが、このような数値は変更できる。
均し用片1の上下の幅(高さt)は、2〜5cm、特に3cmが好ましい。但しこのような数値についても変更できる。
均し用片1の長さ(全長)については、後述する型枠C,C間に掛け渡すことができるものとする。
鏝の使用状態を想定し、以下も、均し用片1(均し用刃10)の刃先を下に向け、尚且つ、当該均し用刃10の刃先の稜線を水平に配置したものとして、説明する。
前捌き用片2は、均し鏝片1に先行し硬化材料を掻くものであり、上記の状態において、前捌き用片2は、硬化材料の表面(均し面)に対して起立する前面2aと後面2bとを備える、長尺状の板状体である。前捌き用片2は、主要部として、前捌き用刃20を備え、その刃先を下方に向けているのである。
前捌き用刃20は、図3(B)へ示す通り、左右に伸びる主部7と、主部7の左側に連接された連接部8と、主部7の右側に連接された副連接部9とを備える。
主部7において、前捌き用刃20の刃先は、当該刃先には、図3(A)(B)へ示す通り、前捌き用片2の伸びる方向に沿って、配列された複数の切欠部21…21を備える。図3(C)へ示す通り、切欠部21は、前捌き用刃20の刃先の稜線yよりも上方に後退する後退部である。切欠部21…21の夫々は、隣接する切欠部21と間隔を開けて、刃先に配設されたものである。各切欠部21…21間の当該間隔は、略等しい。
前捌き用片2の連接部8の下端辺22は、その各位置の高さを同じとする水平な辺である。この連接部8の下端辺22は、後述する型枠と、当接する当接部である。
この実施の形態において、前捌き用片2の上記副連接部9の下端辺23も、その各位置の高さを同じとする水平な辺である。
図3(A)及び図5(B)へ示す通り、切欠部21…21が設けられた主部7の刃先の稜線は、全体として、上記連接部8の下端辺22から、副連接部9の下端辺23に向けて、漸次上方に後退する傾斜線である。
このように形成することにより、連接部8の下端辺22に対して副連接部9の下端辺23のほうが、上方に位置する。連接部8の下端辺22と副連接部9の下端辺23の高さの差dは、3〜15mmとするのが好ましく、3〜10mmとするのがより好ましく、特に5mmとするのが好ましい。
上記連接部8の上下の幅aは、2〜5cm、特に3cmが好ましい(図3(A))。従って、前捌き用片2の副連接部9における上下の幅bは、連接部8における上下の幅aから上記の差cを差し引いた値をとる。但し、このような数値は、変更できる。また、前捌き用片2の厚みは、2〜8mm特に4〜5mmとするのが好ましい。但し、この厚みは、上記上下の幅よりも小さいものであり、当該範囲において他の数値に変更できる。主部7と連接部8と副連接部9の厚みは等しい。
前捌き用片2の長さ(全長)については、後述する型枠C,C間に掛け渡すことができるものとする。また、刃先20の長手方向の幅は、両型枠C,Cの間の間隔に対応するものとする。
上記において、連接部8と副連接部9とは、左右逆に設けて実施することもできる。
具体的には、前捌き用片2は、長尺状の金属製の薄板状体である。前捌き用片2の上端に上記の接続部3が固定されている。
この実施の形態において、前捌き用片2は、上記連接部8の左端から左方に延設され且つ連接部8より斜め前方へ伸びる延設部24aと、上記副連接部9の右端から右方へ延設され且つ副連接部9より斜め前方へ伸びる延設部24bとを備える。
図1(A)(B)へ示す通り、平面視において、左右の延設部24a,24bの夫々は、平面視において、基端側から先端側へ向かうにつれて鏝の前方F側へ漸次張り出す傾斜面である。均し作業中、前捌き用鏝片2の左右からはみ出した硬化材料は、通常、型枠から下方へ落下するが、万一左右へ飛散した場合であっても、上記の延設部24a,24bに遮られ、このような飛散は抑えられる。但し不要であれば両延設部24a,24bを設けずに実施することができる。
上記の接続部3は、前捌き用片2を、均し方向について、均し用片1の前方へ、均し用片1と間隔を開けて配置する。また、接続部3は、均し用片1の上端と、前捌き用片2の上端とに渡して固定されている。
図1(A)(B)へ示すように、前後に伸びる(前後F,Bを長手方向とする)よう接続部3を配置した状態において、上記の通り、夫々長手方向を左右方向(L,R)とするよう、均し用片1及び前捌き用片2の夫々が接続部3へ交差した状態に固定する。これにて、鏝の使用時に、図4へ示す通り、均し用片1及び前捌き用片2の夫々を、平面視において均し方向と交差する方向(L1,R1)、即ち、左右方向に伸びるよう配置することができる。
より詳しくは、接続部3は、平面視において、均し用片1の左右の一端側を、均し用片1の左右の他端側に対して、前捌き用片2へ近接するように配置する(図1)。前述の連接部8は、前捌き用片2において、均し用片1と近接する側の端部に設けられる(図5(B))。
均し用片1に対する前捌き用片2の、平面視における配置については、前捌き用刃20の後方であって均し用刃10の前方に位置する空間を挟む、前捌き用刃20と均し用刃10との間の挟角θを、50度以下とする、特に15〜35度とするのが好ましい(図1(A))。とりわけ、当該挟角θを、25度〜35度とするのが好ましく、28度前後が最適である。また、挟角θを15〜35度とした場合、前捌き用片2と均し用片1との間の最短間隔tは、10〜100mmとするのが好ましく、50mm前後とするのが最も好ましい。均し用片1と前捌き用片2とが近接することによって、使用時の鏝の安定性が損なわれ、転圧による硬化材料表面の均一性(仕上げ精度)が低下するからである。また、挟角θを50度より大きくしたり、また、挟角θを15〜35度とした場合に、前捌き用片2と均し用片1との間の最短間隔を100mmより大きくすると、前述の軌道の造成などにおいては大きく又重くなりすぎ、取り扱い難くなる。また、均し用片1と前捌き用片2とが離れすぎ、この場合も硬化材料表面の均一性が低下する。
上記の接続部3は、この実施の形態において、均し用片1と前捌き用片2とに渡された、2枚の接続片30,30にて構成されている。接続片30,30は、金属片であり、均し用片1に対してボルト(Uボルト)・ナットにて固定され、前捌き用片2に対して、溶接にて固定されている。
接続部3と均し用片1との固定について、具体的に説明する。図2(A)(B)へ示すように、断面視V字を呈する均し用片1の前後夫々の片に、前後に貫通する貫通孔11…11を形成し、また、接続片30,30の夫々にも、上下に貫通する貫通孔32,32を、均し用片1の上記貫通孔11に対応する位置に設けておく。接続片30,30の貫通孔32については、均し用片1の1つの貫通孔11に対して、その前後に2つ設けておく。そして、図1(A)(B)へ示す通り、貫通孔11,32,32にU字ボルト33を通して、接続片30,30の上面にU字ボルト33の両端を突出させ、当該突出したU字ボルト33の端部にナット34を装着してナット締めすればよい。尚、図2(A)において、接続片30,30に、上記の貫通孔32…32の位置を示すために、ナット34…34を省略して描いてあるが、実際には、貫通孔32…32とした位置に、上記のU字ボルト33…33の両端とナット34…34が現れる。
接続片30,30と前捌き用片2とは、溶接するものとしたが、接続片30,30に対して、前捌き用片2もボルト・ナットといった固定具を用いて固定することができる。また、均し用片1に対して接続部3を溶接にて固定することもできる(図示しない)。
均し用片1、前捌き用片2及び接続部3の夫々は、鋼で形成するのが好ましい。
接続部3は、2枚の接続片30,30にて構成するものとしたが、1枚の接続片にて構成するものとしても、或いは、3枚以上の接続片にて構成するものとしてもよい。
バイブレータ4は、接続部3に設けられ、接続部3において前捌き用片2よりも均し用片1寄りに位置する。
具体的には、バイブレータ4は、図1(B)へ示す通り、平面視において、均し用片1及び前捌き用片2の上記伸びる方向を、夫々の長手方向として、前捌き用片2の長手の一端と当該一端と近接する均し用片1の長手の一端との中間点p1、及び、前裁き用片2の長手の他の一端と均し用片1の長手の他の一端との中間点p2の、2点を結ぶ線分p1−p2(仮想線)と、均し用片1とに挟まれた領域、若しくは、均し用片1の真上に配置される。この実施の形態では、バイブレータ4は、均し用片1の真上に配置されている。
また、図1(B)へ示す通り、バイブレータ4は、前後方向F,Bについて、前捌き用片2の主部7の真後ろに位置する。ここでいう真後ろには、前後方向について、主部7の直後方のみとし、連接部8及び副連接部9の直後方は含まない。即ち、バイブレータ4は、図1(B)に示す2本の三点鎖線に挟まれた位置に、配置される。
バイブレータ4には、市販のものを採用することができ、ボルト・ナットやネジなどの周知固定手段よって、接続部3へ取り付けができる。図1(A)へ示す通り、接続片30,30に、ボルトを取り付ける貫通孔を設けて、バイブレータ4を取り付けた後、接続片30,30に均し用片1を取り付ければよい。
バイブレータ4には、作業者がこの鏝を持つための上記把手5が設けられている。
このように鏝にバイブレータ4を設けることにより、バイブレータのない従来の鏝を用いた場合、必要とされた、舗装材及びモルタルの打設、転圧、左官仕上げといった分業について、転圧と左官仕上げを同時に済ませることができ、また、左官工(作業者)の技量に影響されることなく施工を行うことができる。
例えば、上記のバイブレータ4としては、市販の(電圧100V程度の)電動式のオービタルサンダーを用いることができる(オービタルサンダー自体は、本来、サンドペーパーなどの研磨材をパット部に取り付けて振動により研磨を行う研磨工具として用いられるものであるが、バイブレータ4として転用が可能である)。その場合、振動部の回転数を10000r.p.m(回/毎分)前後、より具体的には、8000〜12000r.p.mの範囲内に設定して使用するのが好ましい。バイブレータ4には、振動数について可変式のものを採用することにより、表面粗さなどをコントロールでき便利である。また、オービタルサンダーを用いた場合、発電機には小型のものを採用して、背中に背負う形態を採ることができる。
次に、この鏝の使用方法の一例について説明する。
図4及び図5(A)へ示す通り、この鏝は、この少なくとも2列に配列された型枠C,C間へ盛られた、硬化材料Jの上面を均すものであり、前捌き用片2と均し用片1とは、上記2枚の型枠C,Cの上に渡し置かれた状態にして、使用される。鏝を型枠の上に置いた際、均し用片1(均し用刃10)は、左右両型枠の上端と当接し、前捌き用片2(前捌き用刃20)の連接部8の下端辺22は、図3(B)及び図5(B)へ示す通り、左右の型枠C,Cの何れか一方(この実施の形態において、連接部8は主部7の左側に設けられているので、平面視左側の型枠C)の上端と当接する。前捌き用片2の副連接部8の下端辺23は、型枠C,Cの他方(右側の型枠C)の上方に位置するが、当該型枠Cとは当接しない。前捌き用片2の主部7は、両型枠C,C間に位置する。
製造時において、このような型枠C,Cに対し、このような位置関係をとるように、前捌き用変2の主部7、連接部8及び副連接部9の寸法設定しておくのである。
上記の通り、均し用片1が左右両型枠C,Cと当接し、前捌き用片2が連接部8にて型枠Cの一方と当接し且つ型枠Cの他方と当接しないものとすることにより、両型枠C,Cに対して3点で支持された状態にて、把手5を掴んで、鏝を均し方向へ移動(摺動)させることができる。
上記のバイブレータ4は、特に、平面視において、接続部3上、均し用片1のほぼ真上に位置し、尚且つ、左右両型枠C,Cの間に位置するよう配設しておくのが望ましい。上記3点支持中の2点の間であると共に、均し作業の主要部となる均し用片1と枠体C,Cとの当接位置間に配置されることとなり、硬化材料を均す上で、振動を効果的に均し用片1へ伝えることができるからである。また、バイブレータ4の把手5は、鏝の把手を兼ねるものであり、この把手4についても図4へ示す通り、平面視において、両型枠C,Cの間に位置するように設けるのが望ましい。バイブレータ4の振動と共に作業者にて鏝を押さえる力を、均し用片1の各位置へ均等に与えるためである。特に、バイブレータ4本体と把手5とをこのように配置することにより、鏝各部に対する力の配分が、上述の鏝の3点支持に適したものとなる。
硬化材料の均し作業に際し、通常は、図4へ示すように、平面視において、前捌き用片2を均し方向N(平面視において、両型枠C,Cの延びる方向)に対し直角或いは直角に近い角度に配置して、均し方向Nに沿って鏝を摺動させる。そして、平面視において、型枠C,Cに対して時計回りに直角から100度(傾き角度φ=90〜100度)に前捌き用片2を配置するのが好ましい。特に、型枠C,Cから時計回りに95度の向き(傾き角度φ=95度)に、前捌き用片2を配置するのが好ましい。
但し、このような配置に限定するものではなく、平面視において、例えば均し用片1を均し方向Nに対し直角或いは直角に近い角度に配置して、均し方向Nに沿って鏝を摺動させることもできる。手持ち式(手動式)であるので、作業者の使い勝手に併せて、このような向きの変更は比較的自由に行える。
また、均し方向Nに対する鏝の摺動速度は、毎分0.5〜5mとするのが、好ましく、特に、毎分1〜5mとするのがより好ましい。
尚、上記の実施の形態では、前捌き用片2は、左右の型枠C,Cのうち、左方L1側の型枠Cの上に連接部8が位置するものとした(図4)が、逆に、右方R1側の方枠Cの上に連接部8が位置するように鏝を形成して実施することができる。この場合、平面視において、型枠Cに対して反時計回りに直角から100度(傾き角度φ=90〜100度)に前捌き用片2を配置するのが好ましい。特に、型枠Cから反時計回りに95度の向き(傾き角度φ=95度)に、前捌き用片2を配置するのが好ましい。
図4及び図5(A)(B)へ示す通り、均し方向Nについて、前捌き用片2を、均し用片1に先行するように配置し、鏝の均し方向Nへの移動により、均し用片1が硬化材料Jを均すのに先立って、前方の硬化材料Jを捌き、均し用片1が均すに適した状態に硬化材料Jの起伏を潰しておく(予備的に均す)。移動中、前捌き用片2の前方の硬化材料Jは、前捌き用片2の刃先にて捌かれ、捌かれた硬化材料Jの一部は、連接部8側から副連接部9側に向けて漸次上方に後退する主部7の下方を潜り抜け、また、当該主部7の刃先より上方に位置する硬化材料Jは、上記の切欠部21…21から、(鏝の移動により相対的に)前捌き用片2の後方に通り抜ける。このように、硬化材料Jの一部を逃がすことにより、前捌き用片2が、捌き切れない硬化材料Jの上に乗り上げて傾き、前捌き用片2と一体である均し用片1をも傾かせてしまうという事態を回避できる。また、上記の通り効果材料Jの一部を逃がすことで、前捌き用片2が硬化材料Jから受ける抵抗を低減させることができる。
そして、均し用片1の刃先は、上記にて捌かれた硬化材料Jの表面(上面)に突き立てられた状態(図6(B))となり、硬化材料Jの起伏に乗り上げず、型枠より上方に盛り上がる硬化材料Jを削り取って、当該硬化材料Jの表面を均して行く。
図5(A)へ示す通り、型枠C,Cは、押圧棒の先に設けられた押圧用板g1にて、夫々造成される構造物(軌道M)の側面に押し付けられている。また、図6(A)へ示す通り、型枠C,Cは、繋ぎ目の位置において、前後の型枠C,C間で上端の位置がずれない(段差ができない)ように、ジャッキg2にて下支えされている。
図5(A)へ示すように、この施工例では、硬化材料Jが盛られる軌道Mの左右の角について面取をするために、左右の型枠C,Cの内側へ、三角柱状の当て材p,pが配置されている。
上記の延設部24a,24bの形状について、図示した平面視直線形状ではなく、曲線的に傾斜するものとしても実施できる。
また、上記の実施の形態において示した、均し用片1と、前捌き用片2とがなす角度(挟角θ)は、上記以外に変更することができる。例えば、均し用片1と前捌き用片2と間に、安定した3点支持ができる適切な間隔を開けるものであれば、この角度(挟角θ)を0度とし、均し用片1と前捌き用片2とを平行に配置してもよい。
上記の実施の形態において、バイブレータ4は接続部3に設けるものとしたが、この他、バイブレータ4を、直接均し用片1に設けるものとして実施できる(図示しない)。
また、この鏝が対象とする硬化材料には、樹脂のほか、コンクリートや、モルタルを含む。
図7へ、均し用片1について、他の実施の形態を示す。
均し用片1は、図2(B)へ示すものでは、均し用刃10の前面1aと後面1bの夫々が、鉛直方向に対して傾斜面として形成され、側面視V字を呈するものであったが、この他、図7(A)へ示すように、前面1aのみ傾斜し、後面1bは鉛直に立ち上がるものとし、均し用刃10の先端(下端)を平らで水平な面(先端面1c)として、側面視台形状に形成することもできる。この場合、前面1aと後面1bとがなす挟角γは、60〜90度が好ましい。また、この図7(A)へ示す実施の形態において、均し用片1(均し用刃10)の先端面1c(下端面)の前後幅wは、3〜10cmとするのが望ましい。図7(A)に示す均し用片1の高さ(上下)hは、この前後幅wの1〜4倍とするのが好ましく、特に2〜3倍とするのが好ましい。但し、これらの数値に限定するものではない。
図2に示す均し用片1についても、図7(A)に示すものと同様、前面1aと後面1bの先端間に平らで水平な先端面1cを設けて実施してもよい。
また、図7(B)へ示す通り、後面1bのみならず、前面1aも鉛直方向に立ち上がるように均し用片1を形成することもできる。
この実施の形態においても、均し用片1(均し用刃10)の先端面1c(下端面)の前後幅wは、3〜10cmとするのが望ましく、特に、この前後幅wを5cmとするのが望ましい。この図7(B)に示す均し用片1の高さ(上下)hは、この前後幅wの1〜4倍とするのが好ましく、特に1〜2倍とするのが好ましい。但し、このような数値に限定するのではなく、他の値に変更できる。
とりわけ、図7(B)へ示す通り、均し用片1(均し用刃10)の先端(下端)面と前面1aとがなす角、及び当該先端面と後面1bとがなす角とを落として、アール(側面視円弧状)とするのが好ましい。このようなアールをつけなくても、使用回数が多くなれば、型枠との接触により、角は、丸みを帯びるものであるが、当初より、アールをつけておけば、形枠を傷めないからである。このアール(円弧)の曲率半径rは、1〜2cmが好ましい。 尚、図7(A)や図2(B)へ示す均し用片1(均し用刃10)の角を落とし、上記のアールを設けてもよい。
また、図7(A)及び図7(B)へ示す実施の形態では、上記の均し用片1(均し用刃10)の先端面1c(下端面)全体を平らな面としたが、この他、図7(C)へ示すように、上記の均し用片1の先端面1c全体を、アール即ち側面視円弧状の曲面として形成することもできる。この図7(C)へ示す場合も、均し用片1(の先端面1c)の前後幅w(即ち、前面1aと後面1bの間の幅)は、3〜10cmとするのが望ましく、特に、この前後幅wを5cmとするのが望ましい。また、この図7(C)に示す均し用片1の、高さhと前後幅wと前後幅の比率について、図7(B)へ示す実施の形態と同様である。
但し、硬化材料の厚みが小さい(盛りが薄い)場合、均し用片1としては、図7(A)や図7(B)のタイプの均し用片1よりも、図2(B)へ示す均し用片1のほうが、均し用片1(均し用刃10)の先端面(下端面)にて本来施工部位に定着すべき硬化材料が定着せずに引きずられるという現象が生じにくく、このような場合の使用に適する。
(A)は本願考案の一実施の形態に係る鏝のバイブレータ4を取り外した状態の平面図であり、(B)は当該鏝のバイブレータ4を取り付けた状態を示す平面図である。 上記鏝の前捌き用片2の背面図である。 (A)は上記鏝の前捌き用片2の背面図であり、(B)は当該前捌き用片2の底面図であり、(C)は(A)の一部切欠要部背面図である。 上記鏝の使用状態を示す平面図である。 (A)は上記鏝の使用状態を示す略斜視図であり、(B)は当該鏝を図4のx方向から眺めた略側面図である。 (A)は上記鏝の均し用片の使用状態を示す側面図であり、(B)は比較例として示す手持ち式の鏝の使用状態を示す側面図である。 (A)は均し用片の他の実施の形態を示す鏝の要部略側面図であり、(B)は均し用片の更に他の実施の形態を示す要略側面図であり、(C)は均し用片のまた更に他の実施の形態を示す要略側面図である。
符号の説明
1 均し用片
2 前捌き用片
3 接続部
4 バイブレータ
5 把手
10 均し用刃
20 前捌き用刃
21 切欠部

Claims (10)

  1. 構造物を形成する流動性のある硬化材料を、硬化前に均すものであって、硬化材料を均す均し用片と、均し用片に先行し硬化材料を掻く前捌き用片と、バイブレータとを備えたバイブレータ付き手動式鏝において、
    均し用片と前捌き用片とを接続する接続部を備え、
    接続部は、前捌き用片を、均し方向について、均し用片の前方へ、均し用片と間隔を開けて配置するものであり、
    均し用片は、硬化材料を均す均し用刃を備え、均し用刃は、硬化材料を均す刃先を、下方に向け、
    前捌き用片は、硬化材料を捌く前捌き用刃を備え、前捌き用刃は、硬化材料を捌く刃先を、下方に向け、
    均し用片及び前捌き用片は、夫々、平面視において均し方向と交差する、左右の方向に伸びる部材であることを特徴とするバイブレータ付き手動式均し鏝。
  2. 上記のバイブレータは、平面視において、
    均し用片及び前捌き用片の上記伸びる方向を、夫々の長手方向として、前捌き用片の長手の一端と当該一端と近接する均し用片の長手の一端との中間点、及び、前裁き用片の長手の他の一端と均し用片の長手の他の一端との中間点の、2点を結ぶ線分と、均し用片とに挟まれた領域、若しくは、均し用片の真上に配置されたものであり、
    当該バイブレータに把手が設けられたことを特徴とする請求項1記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  3. 前捌き用片の刃先の稜線は、均し用片の刃先の稜線に対して、上下方向について斜めに配置されたことを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  4. 前捌き用刃は、主部と、正面視において主部の右側又は左側に連接された連接部とを備え、
    均し用刃の刃先を下方に向けて当該刃先の稜線を水平にした状態において、
    前捌き用刃の刃先も下方を臨み、主部の下端には主部の刃先の稜線よりも上方に後退する複数の切欠部が略等間隔に配列され、連接部の下端は、各位置の高さを同じとする水平な辺であり、主部の刃先の稜線は、全体として、連接部が設けられた端部から、当該端部と反対側の端部に向けて漸次上方に後退する、傾斜したものであり、
    上記のバイブレータは、平面視において、主部の真後ろに配置されたものであることを特徴とする請求項3記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  5. 接続部は、平面視において、均し用片の左右の一端側を、均し用片の左右の他端側に対して、前捌き用片へ近接するように配置するものであることを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  6. 平面視において、前捌き用刃の後方であって均し用刃の前方に位置する空間を挟む、前捌き用刃と均し用刃との間の挟角は、15〜35度であることを特徴とする請求項5記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  7. 均し用刃は、均し方向について、前方を臨む前面と、前面の後方に位置し後方を臨む後面とを備え、
    接続部側を基端側として、前面は、先端側が基端側より均し方向に対して後方に位置する傾斜面であり、後面は、先端側が基端側より均し方向に対して前方に位置する傾斜面であることを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  8. 均し用刃は、均し方向について、前方を臨む前面と、前面の後方に位置し後方を臨む後面と、接続部側を基端側として、前面と後面との先端間を繋ぎ下方を臨む先端面とを備え、
    均し用刃の前面は、その先端側が、その基端側より、均し方向に対して後方に位置する傾斜面であり、
    均し用刃の後面は、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面であることを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  9. 均し用刃は、均し方向について、前方を臨む前面と、前面の後方に位置し後方を臨む後面と、接続部側を基端側として前面と後面の先端間を繋ぎ下方を臨む先端面とを備え、
    均し用刃の前面は、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面であり、
    均し用刃の後面も、均し方向に対し、その先端側と基端側とが同じ位置にある、鉛直に立ち上がった面であり、
    均し用刃の前面と後面とは、先端から基端までの高さが略同一であり、
    均し用刃の先端面の前後の幅は、3〜10cmであることを特徴とする請求項2記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
  10. 均し用刃の前面及び後面の夫々は、平らな面であり、前面と先端面との交差部、及び後面と先端面との交差部の夫々が、或いは、先端面全体が、側面視円弧状の曲面であることを特徴とする請求項9記載のバイブレータ付き手動式均し鏝。
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