JP3131710B2 - シェルモールド用レジンコーテッドサンド - Google Patents
シェルモールド用レジンコーテッドサンドInfo
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Description
って鋳型を製造する際に用いるレジンコーテッドサンド
に関し、特に得られた鋳型の崩壊性を向上させることが
できるレジンコーテッドサンドに関するものである。
型は、鋳鉄等を注湯して鋳物を得た後、鋳物と鋳型を分
離するため、一般的に崩壊せしめられるものである。従
来、鋳鉄を使用して鋳物を得る場合、注湯温度が高いた
め、この高温の溶湯に鋳型が曝されて、硬化しているフ
ェノール樹脂よりなる粘結剤が劣化し、鋳型は容易に崩
壊することができた。しかし、注湯温度の低いアルミニ
ウムを使用してアルミ鋳物を得る場合、鋳型が高温に曝
されず、硬化しているフェノール樹脂よりなる粘結剤が
劣化しにくいということがあった。従って、鋳物と鋳型
とを分離するために、鋳型を高温で長時間加熱処理して
フェノール樹脂を劣化させ、その後鋳型を崩壊させるこ
とが行なわれている。
高温で長時間加熱処理するということは、費用と労力の
点で、無駄である。このため、シェルモールド法に用い
られるレジンコーテッドサンドの粘結剤組成物中に、テ
トラブロモビスフェノールAやジブロモペンチルグリコ
ール等の含ハロゲン有機化合物を含有させることが提案
されている(特公昭60-39450号公報)。このレジンコー
テッドサンドを使用して得られた鋳型は、崩壊性に優れ
たものであるが、以下の如き欠点があった。即ち、含ハ
ロゲン有機化合物が含有されているレジンコーテッドサ
ンドを使用して得られた鋳型は、注湯時にハロゲンガス
が発生し、悪臭を放ち作業環境が劣悪になり、また主型
として金型を使用した場合には、金型にハロゲンガスが
接触してサビ状の腐蝕を生じるということがあった。
ンコーテッドサンドに関して、以下のような提案もされ
ている。即ち、フェノール系樹脂にリン酸エステルを添
加混合したものを粘結剤組成物として使用し、これを耐
火性粒状骨材の表面に被覆したレジンコーテッドサンド
が提案されている(特開昭59-78747号公報)。このレジ
ンコーテッドサンドを使用して、シェルモールド法によ
って製造された鋳型は、崩壊性を向上させることがで
き、高温で長時間の加熱処理を不要にならしめることの
できるものである。
において、本発明者等は、従来公知の含ハロゲン有機化
合物やリン酸エステルとは異なる、他の化合物を崩壊促
進剤として使用しようとして種々研究を行なった。その
結果、ある特定のモノカルボン酸エステル又はジカルボ
ン酸エステルとフェノール樹脂とを含有した粘結剤組成
物を、耐火性粒状骨材の表面に被覆したレジンコーテッ
ドサンドを使用し、シェルモールド法によって鋳型を製
造すれば、その鋳型は良好な崩壊性を示すことを見出
し、本発明に到達したのである。
粒状骨材と、該耐火性粒状骨材の表面に被覆された粘結
剤組成物とよりなり、該粘結剤組成物は、フェノール樹
脂と一般式R1COOR2[式中、R1は、炭素数が1〜20
のアルキル基,炭素数が2〜20のアルケニル基,炭素数
が6〜20のアリール基,若しくは炭素数が7〜20のアルア
ルキル基を示し、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示
す。]又は一般式R3(COOR2)2[式中、R2は炭素
数が1〜4のアルキル基を示し、R3は、炭素数が1〜20の
アルキレン基,炭素数が2〜20のアルケニレン基,炭素
数が6〜20のフェニレン基,若しくは炭素数が7〜20のア
ルアルキレン基を示す。]で表わされる崩壊促進剤とを
含有することを特徴とするシェルモールド用レジンコー
テッドサンドに関するものである。
しては、従来公知の各種のものが用いられ、例えば、珪
砂,ジルコン砂,クロマイト砂,オリビン砂,合成ムラ
イト砂等が用いられる。
物が被覆されている。粘結剤組成物は、フェノール樹脂
と一般式R1COOR2[式中、R1は、炭素数が1〜20の
アルキル基,炭素数が2〜20のアルケニル基,炭素数が6
〜20のアリール基,若しくは炭素数が7〜20のアルアル
キル基を示し、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示
す。]又は一般式R3(COOR2)2[式中、R2は炭素
数が1〜4のアルキル基を示し、R3は、炭素数が1〜20の
アルキレン基,炭素数が2〜20のアルケニレン基,炭素
数が6〜20のフェニレン基,若しくは炭素数が7〜20のア
ルアルキレン基を示す。]で表わされる崩壊促進剤とを
含有するものである。フェノール樹脂としては、シェル
モールド法に適用される従来公知のものが用いられ、ノ
ボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹
脂,若しくはこの両者が混合されたフェノール樹脂を用
いることができる。崩壊促進剤は、前記した一般式で表
わされるモノカルボン酸エステル又はジカルボン酸エス
テルよりなる化合物であって、具体的には酢酸ブチル,
酢酸エチル,ステアリン酸ブチル,安息香酸ブチル,セ
バシン酸ジブチル,マレイン酸ジブチル,ヤシ脂肪酸メ
チルエステル,ジメチルフタレート,コハク酸ジメチ
ル,アジピン酸ジメチル,アゼライン酸ジメチル,ドデ
カン二酸ジメチル等が良好に使用しうる。本発明におい
て使用するモノカルボン酸エステル又はジカルボン酸エ
ステルは、一定鎖長の炭化水素を持つものであるが、炭
化水素の鎖長が長くなりすぎると、粘結剤との相溶性が
悪くなり、鋳型の崩壊性が低下するので、好ましくな
い。
は、フェノール樹脂100重量部に対して、崩壊促進剤を1
〜15重量部程度配合するのが好ましい。崩壊促進剤の量
が1重量部未満であると、シェルモールド法によって得
られた鋳型の崩壊性を向上させにくくなる傾向が生じ
る。一方、崩壊促進剤の量が15重量部を超えても、得ら
れた鋳型の崩壊性の向上が飽和状態となる傾向が生じ
る。
進剤とを含有するものであるが、他の成分として滑剤及
び/又はシランカップリング剤を含有させてもよい。滑
剤としては、ステアリン酸カルシウム,エチレンビスス
テアリン酸アミド,オキシステアリン酸アミド,ステア
リン酸アミド,メチロールステアリン酸アミド,カルバ
ナワックス,モンタンワックス,パラフィンワックス,
ポリエチレンワックス等を使用することができる。滑剤
を粘結剤組成物に含有させる場合には、フェノール樹脂
100重量部に対して、滑剤を0.2〜5重量部程度含有させ
るのが好ましい。滑剤の量が0.2重量部未満であると、
レジンコーテッドサンドの流動性が悪くなり、シェルモ
ールド法によって得られた鋳型の強度が低下する傾向が
生じる。逆に、滑剤の量が5重量部を超えると、レジン
コーテッドサンドの流動性の向上が飽和状態になる傾向
が生じる。
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,β−(3,4
-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N,N−ビス
[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン,N,
N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチ
レンジアミン,N,N−ビス[3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル]メタクリルアミド,N−グリシジル−
N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]
アミン,γ−アミノプロピルテトラエトキシジシロオキ
サン,N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)
プロピル]アミン,N,N−ビス[3−(メチルジメト
キシシリル)プロピル]エチレンジアミン,N,N−ビ
ス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]メタク
リルアミド,N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メ
チルジメトキシシリル)プロピル]アミン等を使用する
ことができる。シランカップリング剤を粘結剤組成物に
含有させる場合には、フェノール樹脂100重量部に対し
て、シランカップリング剤を0.01〜10重量部程度含有さ
せるのが好ましい。シランカップリング剤の量が0.01重
量部未満であると、得られる鋳型の強度が低下する傾向
が生じる。逆に、シランカップリング剤の量が10重量部
を超えると、得られる鋳型の崩壊性が低下する傾向が生
じる。
鋳型の強度を向上させ、また粘結剤の硬化速度を速める
ために、粘結剤組成物中にヘキサメチレンテトラミンを
含有させておいてもよい。ヘキサメチレンテトラミンを
含有させる場合の含有量は、フェノール樹脂100重量部
に対して、8重量部以下であるのが好ましい。ヘキサメ
チレンテトラミンの量が8重量部を超えると、得られる
鋳型の崩壊性が低下する傾向が生じる。
とを必須成分とし、他の任意の物質を含有する粘結剤組
成物は、耐火性粒状骨材の表面に被覆され、シェルモー
ルド法に適用されるレジンコーテッドサンドが得られ
る。レジンコーテッドサンド中における粘結剤組成物の
量は、耐火性粒状骨材100重量部に対して、0.2〜12重量
部程度であるのが好ましい。粘結剤組成物の量が0.2重
量部未満であると、得られる鋳型の強度が低下する傾向
が生じる。逆に、粘結剤組成物の量が12重量部を超える
と、鋳造時にガスの発生量が多くなって、得られる鋳物
にガス欠陥が発生する恐れがある。
よりなる組成物の製造) 攪拌機,還流冷却器,温度計付き四ツ口フラスコに、フ
ェノール941.1重量部,37%ホルマリン648.6重量部,シ
ュウ酸9.4重量部を秤量して投入し、攪拌しながら徐々
に昇温する。還流温度に達してから120分間反応させ、
混合した後、真空下で脱水反応を行なった。その後、表
1の比率になるようにホウ酸トリエステルを添加し、排
出・急冷して、ノボラック型フェノール樹脂と崩壊促進
剤とよりなる組成物を得た。
造) 攪拌機,還流冷却器,温度計付き四ツ口フラスコに、フ
ェノール941.1重量部,37%ホルマリン1460重量部,28
%アンモニア水140重量部,20%水酸化ナトリウム水溶
液40重量部を秤量して投入し、攪拌しながら徐々に昇温
する。還流温度に達してから45分間反応させた後、真空
下で脱水反応を行ない、排出・急冷して、レゾール型フ
ェノール樹脂を得た。
レゾール型フェノール樹脂との混合系からなるフェノー
ル樹脂の製造) 攪拌機,温度計付きセパラブルフラスコに、製造例1で
得られたノボラック型フェノール樹脂及び製造例2で得
られたレゾール型フェノール樹脂を、表1の割合となる
ように秤量して投入し、150℃に加熱して、ノボラック
型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との混合
系からなるフェノール樹脂を得た。なお、この際、ノボ
ラック型フェノール樹脂の製造において、カルボン酸エ
ステル及びジカルボン酸エステルは添加しなかった。
それを大洋鋳機製スーパーミキサーに投入する。この
後、製造例1で得られたノボラック型フェノール樹脂と
崩壊促進剤とよりなる組成物200gをスーパーミキサー
に投入し、45秒間混練する。次いで、20%ヘキサメチレ
ンテトラミン200gを投入し、更に45秒後にステアリン
酸カルシウム5gを投入して、レジンコーテッドサンド
を得た。なお、比較例1においては、崩壊促進剤を使用
せず、ノボラック型フェノール樹脂200gのみを用いて
レジンコーテッドサンドを得た。また、比較例2におい
ては、崩壊促進剤としてトリカルボン酸エステルを使用
して、レジンコーテッドサンドを得た。そして、このレ
ジンコーテッドサンドをシェルモールド用垂直割造型機
に空気圧1.5kg/cm2にて吹き込み、硬化温度280℃で60
秒間焼成し、50mmφ×50mmhの円柱状中子を得た。
を、次の測定方法で測定した。即ち、得られた中子を24
時間放置した後、この中子をアルミホイルで包み、電気
炉内に入れて、700℃で20分間放置した。その後、約3時
間かけて室温まで冷却した後、アルミホイルを剥し取
り、中子を5mesh篩い上で5分間振とうして、残っている
中子の重量を測定した。そして、崩壊率(%)=[(振
とう前の中子重量−振とう後の中子重量)/振とう前の
中子重量]×100なる式で、崩壊率を算出した。その結
果を表1に示した。
ボン酸エステル又はジカルボン酸エステルよりなる崩壊
促進剤を含有する粘結剤組成物で被覆されたレジンコー
テッドサンドを用いて得られた、実施例1〜7に係る鋳
型は、崩壊促進剤を含有していない粘結剤で被覆された
レジンコーテッドサンドを用いて得られた、比較例1に
係る鋳型に比べて、崩壊性に優れていることが分かる。
また、トリカルボン酸エステルを含有する粘結剤組成物
で被覆されたレジンコーテッドサンドを用いて得られ
た、比較例2に係る鋳型に比べても、崩壊性に優れてい
ることが分かる。
促進剤とよりなる組成物に代えて、製造例3で得られた
ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹
脂との混合系からなるフェノール樹脂に、表1に記載さ
れた崩壊促進剤を表1に記載した割合で配合した組成物
を使用する以外は、実施例1と同様にして、円柱状中子
を得、その崩壊率を測定した。その結果を表1に示し
た。
ボン酸エステルよりなる崩壊促進剤を含有する粘結剤組
成物で被覆されたレジンコーテッドサンドを用いて得ら
れた、実施例8及び9に係る鋳型は、崩壊促進剤を含有
していない粘結剤で被覆されたレジンコーテッドサンド
を用いて得られた、比較例3及び4に係る鋳型に比べ
て、崩壊性に優れていることが分かる。
を、フェノール樹脂と一般式R1COOR2[式中、R1
は、炭素数が1〜20のアルキル基,炭素数が2〜20のアル
ケニル基,炭素数が6〜20のアリール基,若しくは炭素
数が7〜20のアルアルキル基を示し、R2は炭素数が1〜4
のアルキル基を示す。]又は一般式R3(COOR2)2
[式中、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、R
3は、炭素数が1〜20のアルキレン基,炭素数が2〜20の
アルケニレン基,炭素数が6〜20のフェニレン基,若し
くは炭素数が7〜20のアルアルキレン基を示す。]で表
わされる崩壊促進剤とを含有する粘結剤組成物で被覆し
てなるレジンコーテッドサンドを使用し、シェルモール
ド法を適用して得られた鋳型は、崩壊促進剤の作用で硬
化した粘結剤の劣化を促進させることができるため、崩
壊性に優れるという効果を奏する。即ち、本発明に係る
レジンコーテッドサンドを使用すれば、高温で且つ長時
間の加熱処理を施さなくとも、例えば短時間の加熱処理
を施すだけで、シェルモールド法によって得られた鋳型
を良好に崩壊させることができ、従来必要であった高エ
ネルギーと労力を節約できるという効果を奏する。従っ
て、粘結剤が劣化しにくいアルミ鋳物を得る際には、シ
ェルモールド法によって得られた鋳型の崩壊に要する費
用及び労力を著しく低減することができ、アルミ鋳物の
生産コストを低廉にしうるという効果を奏するものであ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 耐火性粒状骨材と、該耐火性粒状骨材の
表面に被覆された粘結剤組成物とよりなり、該粘結剤組
成物は、フェノール樹脂と一般式R1COOR2[式中、
R1は、炭素数が1〜20のアルキル基,炭素数が2〜20の
アルケニル基,炭素数が6〜20のアリール基,若しくは
炭素数が7〜20のアルアルキル基を示し、R2は炭素数が
1〜4のアルキル基を示す。]又は一般式R3(COO
R2)2[式中、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示
し、R3は、炭素数が1〜20のアルキレン基,炭素数が2
〜20のアルケニレン基,炭素数が6〜20のフェニレン
基,若しくは炭素数が7〜20のアルアルキレン基を示
す。]で表わされる崩壊促進剤とを含有することを特徴
とするシェルモールド用レジンコーテッドサンド。 - 【請求項2】 フェノール樹脂がノボラック型フェノー
ル樹脂である請求項1記載のシェルモールド用レジンコ
ーテッドサンド。 - 【請求項3】 フェノール樹脂がレゾール型フェノール
樹脂である請求項1記載のシェルモールド用レジンコー
テッドサンド。 - 【請求項4】 フェノール樹脂がノボラック型フェノー
ル樹脂とレゾール型フェノール樹脂との混合物である請
求項1記載のレジンコーテッドサンド。 - 【請求項5】 粘結剤組成物に、滑剤が含有されている
請求項1及至4のいずれか一項に記載のシェルモールド
用レジンコーテッドサンド。 - 【請求項6】 粘結剤組成物に、シランカップリング剤
が含有されている請求項1及至5のいずれか一項に記載
のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
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JP04354268A JP3131710B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | シェルモールド用レジンコーテッドサンド |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04354268A Expired - Fee Related JP3131710B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | シェルモールド用レジンコーテッドサンド |
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1992
- 1992-12-14 JP JP04354268A patent/JP3131710B2/ja not_active Expired - Fee Related
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