JP3131639B2 - 加熱硬化鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

加熱硬化鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱硬化鋳型を製造す
る際に用いる粘結剤組成物に関し、特に強酸と弱塩基の
塩を硬化剤として加熱硬化しうるフラン系樹脂よりなる
粘結剤を含有する粘結剤組成物に関するものである。ま
た、この粘結剤組成物を使用して、鋳型を製造する方法
(いわゆるフランウォームボックス法)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】加熱硬化鋳型は、鋳鉄等を注湯して鋳物
を得た後、鋳物と鋳型を分離するため、一般的に崩壊せ
しめられるものである。従来、鋳鉄を使用して鋳物を得
る場合、注湯温度が高いため、この高温の溶湯に加熱硬
化鋳型が曝されて、硬化している粘結剤が劣化し、加熱
硬化鋳型は容易に崩壊することができた。しかし、注湯
温度の低いアルミニウムを使用してアルミ鋳物を得る場
合、加熱硬化鋳型が高温に曝されず、硬化している粘結
剤が劣化しにくいということがあった。従って、鋳物と
鋳型とを分離するために、鋳型を高温で長時間加熱処理
して粘結剤を劣化させ、その後鋳型を崩壊させることが
行なわれている。
【0003】しかしながら、鋳型を崩壊させるために、
高温で長時間加熱処理するということは、費用と労力の
点で、無駄である。このため、フェノール系樹脂を粘結
剤として使用する、シェルモールド法によって製造され
た鋳型に関して、以下のような提案がされている。即
ち、フェノール系樹脂100重量部に対してリン酸エステ
ルを10〜50重量部溶融させたものを粘結剤として使用す
ることによって、得られた加熱硬化鋳型の崩壊性を向上
させ、高温で長時間の加熱処理を不要にならしめること
が提案されている(特公昭61-2454号公報)。
【0004】この方法は、加熱硬化鋳型の崩壊性という
点では、満足のゆくものであるが、粘結剤の調整が煩雑
であるという欠点があった。即ち、フェノール系樹脂を
溶融させて、そこへ溶融又は軟化させたリン酸エステル
を添加して、粘結剤を調整しなければならなかった。ま
た、アルミ鋳物を得る場合には、フェノール系樹脂にこ
のような調整を施し、アルミ鋳物以外の鋳物を得る場合
には、フェノール系樹脂にこのような調整を施さないと
いうことになって、二種のタイプのフェノール系樹脂を
準備しておく必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点を回避
するためには、フェノール系樹脂に、リン酸エステルを
添加しただけで、加熱硬化鋳型の崩壊性を向上させれば
よいと考えられる。即ち、リン酸エステルを添加するだ
けであると、フェノール系樹脂の溶融工程が不必要にな
り、またアルミ鋳物を製造するときだけ所定量のリン酸
エステルを添加すればよく、二種のタイプのフェノール
系樹脂を準備する必要がなくなるのである。しかしなが
ら、特公昭61-2454号公報によると、リン酸エステルを
溶融させずに、単にフェノール樹脂に添加しただけで
は、加熱硬化鋳型に所望の崩壊性を付与することができ
ないと記載されている。
【0006】このため、本発明者等は、リン酸エステル
を所定量添加しただけで、加熱硬化鋳型の崩壊性を向上
させうる技術に関して、種々研究を行なった。その結
果、加熱硬化鋳型を製造する際に用いる粘結剤として、
フラン系樹脂を使用した場合には、ある特定のリン酸エ
ステルを単に添加混練しただけで、加熱硬化鋳型の崩壊
性が向上することを見出し、本発明に到達したのであ
る。なお、ある特定のフラン系樹脂を使用した自硬性鋳
型の崩壊性を向上させるために、リン酸エステルをフラ
ン系樹脂に添加混練することは公知であるが(特開昭58
-50151号公報)、本発明の如く、加熱硬化鋳型の崩壊性
を向上させるために、ある特定のリン酸エステルを、加
熱硬化鋳型を得る際のフラン系樹脂に添加することは、
新規である。即ち、特開昭58-50151号公報に記載された
フラン系樹脂は、フルフリルアルコールを尿素及びホル
ムアルデヒドで変性して自硬性としたものであり、この
ような自硬性のフラン系樹脂が硬化した場合には、リン
酸エステルの添加混練によって崩壊性が向上することは
公知であるが、本発明の如く、自硬性ではないフラン系
樹脂が硬化した場合に、リン酸エステルの添加混練によ
って崩壊性が向上することは、公知でもなく且つ技術的
に必然性のあるものでもない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の如く、
従来技術に基づいて必然的には得られない知見を得た結
果なされたものであり、強酸と弱塩基の塩からなる硬化
剤によって、加熱硬化しうるフラン系樹脂よりなる粘結
剤と、下記一般式(1)で表わされる崩壊促進剤とを含有
することを特徴とする加熱硬化鋳型用粘結剤組成物に関
するものである。また、この粘結剤組成物を使用して、
加熱硬化鋳型を得る方法に関するものである。
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20
のアリール基を表わす。)
【0008】強酸と弱塩基の塩からなる硬化剤によって
加熱硬化しうるフラン系樹脂としては、フルフリルアル
コール,ホルムアルデヒドで変性したフルフリルアルコ
ール(ホルムアルデヒド変性フラン系樹脂),尿素で変
性したフルフリルアルコール(尿素変性フラン系樹
脂),フェノールで変性したフルフリルアルコール(フ
ェノール変性フラン系樹脂),メラミンで変性したフル
フリルアルコール(メラミン変性フラン系樹脂)等を、
少なくとも一部含有する樹脂を使用することができる。
そして、このフラン系樹脂が、加熱硬化して粘結剤とし
て機能するのである。
【0009】本発明に係る粘結剤組成物中に、この粘結
剤と共に含有されている崩壊促進剤は、得られた加熱硬
化鋳型の崩壊性を促進させるものであり、上記した一般
式(1)で表わされるものである。具体的には、リン酸ト
リメチル,リン酸トリエチル,リン酸トリブチル,リン
酸トリオクチル,リン酸トリフェニル,リン酸トリキシ
リル,リン酸トリラウリル,リン酸トリセチル,リン酸
トリステアリル等が使用でき、特にリン酸トリメチル,
リン酸トリエチル,リン酸トリブチル,リン酸トリオク
チル,リン酸トリフェニルを使用するのが好ましい。
【0010】この粘結剤組成物は、強酸と弱塩基の塩か
らなる硬化剤によって加熱硬化する。この硬化剤を得る
のに用いる強酸としては、従来公知の強酸を使用するこ
とができるが、特にベンゼンスルホン酸,フェノールス
ルホン酸,トルエンスルホン酸,キシレンスルホン酸,
低級アルキルスルホン酸を、単独で又は混合して使用す
るのが好ましい。一方、弱塩基としても、従来公知の弱
塩基を使用することができるが、特にアルミニウム,
銅,亜鉛及び鉄からなる群より選ばれた少なくとも一種
の金属原子を持つ弱塩基を、単独で又は混合して使用す
るのが好ましい。そして、上記した強酸と弱塩基とを反
応させて得られた、酸性を示す塩が硬化剤となるのであ
る。
【0011】本発明に係る加熱硬化鋳型用粘結剤組成物
中において、崩壊促進剤の配合割合は、粘結剤100重量
部に対して、2〜15重量部であるのが好ましい。崩壊促
進剤の量が2重量部未満になると、得られた鋳型の崩壊
性を向上させにくくなる傾向が生じる。一方、崩壊促進
剤の量が15重量部を超えても、得られた鋳型の崩壊性の
向上が飽和状態となる傾向が生じる。また、この加熱硬
化鋳型用粘結剤組成物を加熱硬化させる際に使用する硬
化剤の量は、粘結剤100重量部に対して、5〜70重量部で
あるのが好ましい。硬化剤の量が5重量部未満である
と、強度の十分な鋳型を得ることができない傾向が生じ
る。一方、硬化剤の量が70重量部を超えても、鋳型強度
の向上が飽和状態となる傾向が生じる。
【0012】珪砂等の耐火性粒状骨材に、硬化剤及び本
発明に係る粘結剤組成物を添加混練して、加熱処理を施
し、粘結剤を硬化させれば、加熱硬化鋳型を得ることが
できる。また、耐火性粒状骨材に、粘結剤,硬化剤及び
崩壊促進剤を別個に添加混練して、加熱処理を施し、粘
結剤を硬化させて、加熱硬化鋳型を得てもよい。この
際、耐火性粒状骨材100重量部に添加する粘結剤の量
は、0.5〜3.0重量部程度が好ましい。粘結剤の量が0.5
重量部未満であると、鋳型の強度が十分でなくなる傾向
が生じる。また、粘結剤の量が3.0重量部を超えても、
鋳型強度の向上が飽和状態となる傾向が生じる。
【0013】
【実施例】
実施例1〜8、比較例1及び2 まず、表1に示す粘結剤と崩壊促進剤とを含有する組成
物を準備した。そして、オーストラリア産ACIサンド
1000重量部に対して、この組成物18重量部と、硬化剤溶
液5.4重量部とを添加混練して砂混合物を得た。なお、
硬化剤溶液は、トルエンスルホン酸−銅塩40重量%,メ
タノール40重量%及び水20重量%よりなるものである。
以上のようにして得られた砂混合物を、フランウォーム
ボックス用垂直割造型機に空気圧4.0kg/cm2にて吹き込
み、硬化温度200℃で30秒間焼成した。そして、50mmφ
×50mmhの円柱状中子を得た。
【0014】
【表1】
【0015】以上のようにして得られた中子の崩壊率
を、次の測定方法で測定した。即ち、得られた中子を24
時間放置した後、この中子をアルミホイルで包み、電気
炉内に入れて、700℃で20分間放置した。その後、約3時
間かけて室温まで冷却した後、アルミホイルを剥し取
り、中子を5mesh篩い上で5分間振とうして、残っている
中子の重量を測定した。そして、崩壊率(%)=[(振
とう前の中子重量−振とう後の中子重量)/振とう前の
中子重量]×100なる式で、崩壊率を算出した。その結
果を表1に示した。
【0016】表1の結果より明らかなとおり、リン酸ト
リエチル等の崩壊促進剤を含有する粘結剤組成物を用い
て得られた、実施例1〜8に係る鋳型は、リン酸トリエ
チル等の崩壊促進剤を含有していない粘結剤を用いて得
られた、比較例1及び2に係る鋳型に比べて、崩壊性に
優れていることが分かる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、強酸と弱塩基の塩
からなる硬化剤によって、加熱硬化しうるフラン系樹脂
よりなる粘結剤と、一般式(1)で表わされる崩壊促進剤
とを含有する、本発明に係る加熱硬化鋳型用粘結剤組成
物を使用して得られた鋳型は、崩壊促進剤の作用で加熱
硬化した粘結剤の劣化を促進させることができるため、
崩壊性に優れるという効果を奏する。即ち、本発明に係
る粘結剤組成物を使用すれば、高温で且つ長時間の加熱
処理を施さなくとも、例えば短時間の加熱処理を施すだ
けで、鋳型を良好に崩壊させることができ、従来必要で
あった高エネルギーと労力を節約できるという効果を奏
する。従って、粘結剤が劣化しにくいアルミ鋳物を得る
際には、鋳型の崩壊に要する費用及び労力を著しく低減
することができ、アルミ鋳物の生産コストを低廉にしう
るという効果を奏するものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸と弱塩基の塩からなる硬化剤によっ
    て、加熱硬化しうるフラン系樹脂からなる粘結剤と、下
    記一般式(1)で表わされる崩壊促進剤とを含有すること
    を特徴とする加熱硬化鋳型用粘結剤組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20
    のアリール基を表わす。)
  2. 【請求項2】 強酸と弱塩基の塩が、ベンゼンスルホン
    酸,フェノールスルホン酸,トルエンスルホン酸,キシ
    レンスルホン酸及び低級アルキルスルホン酸からなる群
    より選ばれた少なくとも一種の強酸と、アルミニウム,
    銅,亜鉛及び鉄からなる群より選ばれた少なくとも一種
    の金属原子を持つ弱塩基との塩である請求項1記載の加
    熱硬化鋳型用粘結剤組成物。
  3. 【請求項3】 耐火性粒状骨材と、強酸と弱塩基の塩か
    らなる硬化剤と、該硬化剤を触媒として加熱硬化しうる
    フラン系樹脂よりなる粘結剤と、請求項1記載の一般式
    (1)で表わされる崩壊促進剤とを混練した後、該粘結剤
    を加熱硬化させることを特徴とする鋳型の製造方法。
  4. 【請求項4】 強酸と弱塩基の塩が、ベンゼンスルホン
    酸,フェノールスルホン酸,トルエンスルホン酸,キシ
    レンスルホン酸及び低級アルキルスルホン酸からなる群
    より選ばれた少なくとも一種の強酸と、アルミニウム,
    銅,亜鉛及び鉄からなる群より選ばれた少なくとも一種
    の金属原子を持つ弱塩基との塩である請求項3記載の鋳
    型の製造方法。
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