JP3130299B2 - 容量素子およびその製造方法 - Google Patents
容量素子およびその製造方法Info
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Description
内蔵される強誘電体膜または高誘電率を有する誘電体膜
を容量絶縁膜とする容量素子およびその製造方法に関す
る。
半導体装置の高密度化に伴い使用される半導体素子の微
細化が進んできており、電子機器から発生される電磁波
雑音である不要輻射が大きな問題になっている。この不
要輻射低減対策として強誘電体または高誘電率を有する
誘電体膜(以下、これらを高誘電体膜という)を容量絶
縁膜とする大容量の容量素子を半導体集積回路に内蔵す
る技術が注目を浴びている。
みおよび高速読み出し可能な不揮発性RAMの実用化を
目指し、自発分極特性を有する強誘電体膜を容量絶縁膜
とする容量素子を半導体集積回路の上に形成するための
技術開発が盛んに行われている。
誘電体薄膜を用いた容量素子の製造方法を説明する。支
持基板1上に選択的にPt膜よりなる第1の電極2がス
パッタにより形成される(a)。つぎに第1の電極2上
にSrBi2Ta2O9よりなる容量絶縁膜3が塗布法ま
たはCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはス
パッタ法により膜厚100〜250nmの範囲内の厚さ
に形成された後、酸素雰囲気中で650〜800℃の範
囲内の温度で焼結される(b)。引き続き膜厚100〜
300nmの範囲内の厚さのPt膜よりなる第2の電極
4が、容量絶縁膜3の表面にスパッタ法により形成され
て、図2(c)に示す容量素子が形成される。
の製造方法では、容量絶縁膜3が高誘電体として十分な
高誘電率を得るためには、または強誘電体として十分な
自発分極量を確保するためには、最低でも約100nm
の大きさの結晶粒を形成することが必要であり、平均の
厚さが約200nm程度の容量絶縁膜3では強誘電体薄
膜の結晶粒の大きさが容量絶縁膜としての必要な厚さに
比較して大きくなる。そのため、強誘電体薄膜の表面の
凹凸が大きくなり、このような強誘電体薄膜を用いて容
量素子を製作した場合、絶縁耐圧および誘電率または自
発分極量等の電気特性の大きなばらつきを生じたり、容
量絶縁膜3上に形成された配線に断線が発生したりする
という工程での加工上の問題および容量素子を内蔵する
半導体装置の信頼性上の問題等があった。
あり、容量絶縁膜の表面を平坦化することにより優れた
電気特性と高い信頼性を備えた容量素子およびその製造
方法を提供することを目的とする。
に本発明は、支持基板の一表面上に金属膜あるいは導電
性酸化物膜よりなる第1の電極を形成する工程と、第1
の電極上に主成分が強誘電体または高誘電率を有する誘
電体からなる第1の絶縁膜を焼結して形成する工程と、
その第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を熱処理して形成す
る工程と、その第2の絶縁膜上に金属膜あるいは導電性
酸化物膜よりなる第2の電極を形成する工程とを備える
ものである。
の平均粒径が第1の絶縁膜を構成する材料の平均粒径よ
りも小さいか、または第2の絶縁膜を構成する材料が結
晶以外に非晶質領域を含んでいるものであり、第2の絶
縁膜の主成分が第1の絶縁膜の主成分と同じ強誘電体ま
たは高誘電率を有する誘電体からなり、さらに第2の絶
縁膜を熱処理して形成する工程における処理温度を第1
の絶縁膜を焼結して形成する工程における焼結温度より
も低くしたものである。
して少なくともBiを含む強誘電体を用いたものであ
る。
は高誘電率を有する誘電体からなる第1の絶縁膜を焼結
し、その表面の凹凸の大きい第1の絶縁膜の表面を結晶
粒の平均粒径が第1の絶縁膜の平均粒径よりも小さい
か、または結晶以外に非晶質領域を含んでいる第2の絶
縁膜によって被覆することで、表面が平坦な容量絶縁膜
を得ることができる。
て、図面を参照しながら説明する。
容量素子の製造方法を説明する工程断面図である。な
お、図1において、図2と対応する部分には同じ符号を
付して説明する。
2を50〜400nmの範囲内の厚さに形成する(図1
(a))。つぎに、第1の電極2上にSrBi2Ta2O
9よりなる第1の絶縁膜5を回転塗布法またはCVD(C
hemical Vapor Deposition)法、またはスパッタ法を用
いて50〜250nmの範囲内の厚さに形成し、酸素雰
囲気中において800℃で焼結する(図1(b))。つ
ぎに焼結によって結晶化させ、結晶粒子によって凹凸が
生じた第1の絶縁膜5の表面に第2の絶縁膜としてTa
2O5薄膜6を形成する(図1(c))。つぎにそのTa
2O5薄膜6の表面に膜厚50〜300nmの範囲内の厚
さでPt膜よりなる第2の電極4を形成することによ
り、図1(d)に示す容量素子ができる。
Bi2Ta2O9よりなる第1の絶縁膜5の表面に生じた
凹凸部の凹部にはTa2O5薄膜6が埋め込まれることに
よって平坦化され、第1の絶縁膜5と第2の絶縁膜であ
るTa2O5薄膜6とから構成される容量素子の容量絶縁
膜表面は平坦な面を形成することになる。
てTa2O5薄膜を用いたが、Bi2O3薄膜など他の絶縁
膜を用いても同様の効果を得ることは可能である。
説明する。本実施の形態における容量素子の製造工程は
第1の実施の形態と同じであり、第1の実施の形態との
相違点は第2の絶縁膜として用いる絶縁材料が異なるこ
とである。
1上に第1の電極膜2、第1の絶縁膜5を形成し、その
表面に回転塗布法により第2の絶縁膜として(BaxS
r1-x)TiO3薄膜7を形成させたのち、その表面に第
2の電極4を形成することにより、第2の実施の形態の
容量素子が形成される。
Bi2Ta2O9薄膜よりなる第1の絶縁膜5の表面に生
じた凹凸部の凹部にはSrBi2Ta2O9薄膜の結晶よ
りも結晶粒の小さな(BaxSr1-x)TiO3薄膜7が
埋め込まれることにより平坦化され、第1の絶縁膜5と
第2の絶縁膜である(BaxSr1-x)TiO3薄膜7と
から構成される容量素子の容量絶縁膜表面は平坦な面を
形成することになる。
て(BaxSr1-x)TiO3薄膜7を用いたが、SrB
i2Ta2O9薄膜よりなる第1の絶縁膜5の結晶粒より
粒径が小さな他の絶縁体を用いても同様の効果を得るこ
とができる。
説明する。本実施の形態における容量素子の製造工程は
第1の実施の形態と同じであり、第1の実施の形態との
相違点は第2の絶縁膜として用いる絶縁材料は第1の実
施の形態と同じ材料であるが、その熱処理方法が異なる
ことである。
持基板1上に第1の電極膜2、第1の絶縁膜5を形成
し、その表面に第2の絶縁膜としてSrBi2Ta2O9
薄膜8を回転塗布法あるいはCVD法、またはスパッタ
法を用いて膜厚20〜50nm形成し、600℃で熱処
理して形成させたのち、その表面に第2の電極4を形成
することにより、第3の実施の形態の容量素子が形成さ
れる。
Bi2Ta2O9薄膜よりなる第1の絶縁膜5の表面に生
じた凹凸部の凹部には熱処理温度が低いことにより粒径
が第1の絶縁膜5より小さいSrBi2Ta2O9薄膜8
によって埋められているため、第1の絶縁膜5と第2の
絶縁膜であるSrBi2Ta2O9薄膜8とから構成され
る容量素子の容量絶縁膜表面は平坦な面を形成すること
になる。
5のSrBi2Ta2O9薄膜における焼結温度と第2の
絶縁膜であるSrBi2Ta2O9薄膜8の熱処理温度と
では異なっており、結晶化の程度は異なるが単一物質で
容量絶縁膜を構成できるため、第2の絶縁膜形成用の設
備を設ける必要がなくなり、コスト的に有利となる。ま
た成分的に同一物質であるため第1の絶縁膜と第2の絶
縁膜間の膜剥離(通常、熱ストレス等により発生するこ
とがある)を心配する必要がない等の利点がある。
では、第1の絶縁膜5として強誘電体のSrBi2Ta2
O9薄膜を用いたが、他の誘電体薄膜を用いることも可
能である。特に第1の絶縁膜5としてBi4Ti3O12や
SrBi2Ta2O9、あるいはSrBi2Nb2O9などの
ようなBiを含む強誘電体薄膜を用いる場合は、これら
の粒子径が他種の誘電体薄膜に比べて大きいため、本発
明による製造方法は容量素子の耐電圧向上に対して非常
に効果的である。また容量素子用の第1の電極および第
2の電極の電極用金属としてPt膜を用いたが、他の金
属またはRuO2のような導電性酸化物を用いても同様
の効果を得ることができる。
あるいは導電性酸化物膜よりなる第1の電極を形成する
工程と、その第1の電極上に主成分が強誘電体または高
誘電率を有する誘電体からなる第1の絶縁膜を焼結して
形成する工程と、その第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を
焼結して形成する工程と、その第2の絶縁膜上に金属膜
あるいは導電性酸化物膜よりなる第2の電極を形成する
工程とを備えているために、結晶粒の凹凸による大きな
段差を有する誘電体薄膜の表面にもう一つの絶縁膜を積
層することにより、凹凸を生じる原因となる結晶を作ら
ない非晶質領域、または第1の絶縁膜を構成する誘電体
薄膜の結晶粒よりも小さな結晶粒からなる第2の絶縁膜
で覆うことで表面が平坦な容量絶縁膜を得ることがで
き、耐電圧の向上、さらには加工工程の簡略化を実現で
きるものである。
法を示す工程断面図
Claims (12)
- 【請求項1】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
た第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、強誘電
体または高誘電体で構成された第1の絶縁膜と、前記第
1の絶縁膜上に形成され、前記第1の絶縁膜と同一の材
料で構成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に
形成された第2の電極とを有し、前記第2の絶縁膜を構
成する絶縁体の結晶粒の平均粒径が、前記第1の絶縁膜
を構成する絶縁体の結晶粒の平均粒径よりも小さいこと
を特徴とする容量素子。 - 【請求項2】 前記第1の絶縁膜が、粒径が100nm
を超える結晶粒を有することを特徴とする請求項1記載
の容量素子。 - 【請求項3】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
た第1の電極と、前記第1の電極上に形成され、強誘電
体または高誘電体で構成された第1の絶縁膜と、前記第
1の絶縁膜上に形成され、前記第1の絶縁膜と同一の材
料で構成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に
形成された第2の電極とを有し、前記第1の絶縁膜が、
粒径が100nmを超える結晶粒を含み、前記第2の絶
縁膜を構成する絶縁体の結晶粒の平均粒径が、前記第1
の絶縁膜を構成する絶縁体の結晶粒の平均粒径よりも小
さいことを特徴とする容量素子。 - 【請求項4】 前記第1の絶縁膜の膜厚が50nmない
し250nmであることを特徴とする請求項1ないし請
求項3に記載の容量素子。 - 【請求項5】 前記第2の絶縁膜の膜厚が20nmない
し50nmであることを特徴とする請求項1ないし請求
項4に記載の容量素子。 - 【請求項6】 前記第2の絶縁膜が、非晶質領域を含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の容量
素子。 - 【請求項7】 支持基板上に第1の電極を形成する工程
と、前記第1の電極上に強誘電体または高誘電体を主成
分とする第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶
縁膜を焼結する工程と、前記第1の絶縁膜上に強誘電体
または高誘電体を主成分とし、平均粒径が前記第1の絶
縁膜を構成する絶縁体の結晶粒の平均粒径よりも小さい
第2の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜を焼
結する温度よりも低い温度で前記第2の絶縁膜を熱処理
する工程と、前記第2の絶縁膜上に第2の電極を形成す
る工程とを有することを特徴とする容量素子の製造方
法。 - 【請求項8】 前記第1の絶縁膜の主成分と前記第2の
絶縁膜の主成分とが同じであることを特徴とする請求項
7記載の容量素子の製造方法。 - 【請求項9】 前記第1の絶縁膜の膜厚が50nmない
し250nmであることを特徴とする請求項7または請
求項8に記載の容量素子の製造方法。 - 【請求項10】 前記第2の絶縁膜の膜厚が20nmな
いし50nmであることを特徴とする請求項7ないし請
求項9に記載の容量素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記第2の絶縁膜が、非晶質領域を含
むことを特徴とする請求項7ないし請求項10に記載の
容量素子の製造方法。 - 【請求項12】 第1の絶縁膜を構成する材料がビスマ
ス(Bi)を含む強誘電体を有することを特徴とする請
求項7ないし請求項11に記載の容量素子の製造方法。
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JPH11330391A JPH11330391A (ja) | 1999-11-30 |
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JP2008197296A (ja) | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Sony Corp | エレクトロウェッティングデバイス及びその製造方法 |
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1999
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