JP2000156473A - 半導体装置およびその製造方法、キャパシタの製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法、キャパシタの製造方法

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JP2000156473A
JP2000156473A JP11241478A JP24147899A JP2000156473A JP 2000156473 A JP2000156473 A JP 2000156473A JP 11241478 A JP11241478 A JP 11241478A JP 24147899 A JP24147899 A JP 24147899A JP 2000156473 A JP2000156473 A JP 2000156473A
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film
heat treatment
upper electrode
capacitor
lower electrode
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JP11241478A
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Sha Shu
莎 朱
Hideyuki Noshiro
英之 能代
Kazuaki Takai
一章 高井
Hideaki Yamauchi
英彰 山内
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体あるいは高誘電体キャパシタを有す
る半導体装置の製造方法において、強誘電体膜あるいは
高誘電体膜の特性を向上させ、リーク電流を低減する。 【解決手段】 強誘電体膜上に形成される上側電極を、
酸化雰囲気中で形成する。また、強誘電体膜あるいは高
誘電体膜の結晶化工程を、最初に不活性雰囲気中におけ
る熱処理により、次に酸化雰囲気中における熱処理によ
り行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に半導体装置に
関し、特に強誘電体薄膜を使った半導体記憶装置の製造
方法に関する。いわゆるDRAMあるいはSRAM等の
半導体記憶装置はコンピュータを始めとする情報処理装
置において高速主記憶装置として広く使われているが、
これらは揮発性の記憶装置であり、電源をオフにすると
記憶された情報は失われてしまう。これに対し、従来よ
りプログラムやデータを格納する大容量補助記憶装置と
して不揮発性の磁気ディスク装置が使われている。
【0002】しかし、磁気ディスク装置は大型で機械的
に脆弱であり、消費電力も大きく、さらに情報を読み書
きする際のアクセス速度が遅い欠点を有している。これ
に対し、最近では不揮発性補助記憶装置として、フロー
ティングゲート電極に情報を電荷の形で蓄積するEEP
ROMあるいはフラッシュメモリが使われていることが
多くなっている。特にフラッシュメモリはDRAMと同
様なセル構成を有するため大きな集積密度に形成しやす
く、磁気ディスク装置に匹敵する大容量記憶装置として
期待されている。
【0003】一方、EEPROMやフラッシュメモリで
は、情報の書き込みがトンネル絶縁膜を介してのフロー
ティングゲート電極へのホットエレクトロンの注入によ
ってなされるため、必然的に書き込みに時間がかかり、
また情報の書き込みおよび消去を繰り返すとトンネル絶
縁膜が劣化してしまう問題が生じていた。トンネル絶縁
膜が劣化してしまうと書き込みあるいは消去動作が不安
定になってしまう。
【0004】これに対し、情報を強誘電体膜の自発分極
の形で記憶する強誘電体メモリ装置(以下FeRAMと
記す)が提案されている。かかるFeRAMでは個々の
メモリセルトランジスタがDRAMの場合と同様に単一
のMOSFETよりなり、メモリセルキャパシタ中の誘
電体膜をPZT(Pb(Zr,Ti)O3 )あるいはP
LZT(Pb(Zr,Ti,La)O3 )等の強誘電体
に置き換えた構成を有しており、高い集積密度での集積
が可能である。また、FeRAMは電界の印加により強
誘電体キャパシタの自発分極を制御するため、書き込み
をホットエレクトロンの注入によって行なうEEPRO
Mやフラッシュメモリに比べて書き込み速度が1000
倍あるいはそれ以上速くなり、また消費電力が約1/1
0に低減される有利な特徴を有している。さらにトンネ
ル酸化膜を使う必要がないため寿命も長く、フラッシュ
メモリの10万倍の書き換え回数を確保できると考えら
れる。
【0005】現在実現されているFeRAMは1μm前
後の比較的緩い設計ルールで設計されているものが多い
が、集積回路上においてサブミクロンまで微細化された
最近の高速CMOS論理回路との混載が可能なように、
FeRAMの微細化をさらに進めることが研究されてい
る。
【0006】
【従来の技術】図1は従来のFeRAM10の構成を示
す。図1を参照するに、FeRAM10はp型Si基板
11上に形成され、前記Si基板11表面にはフィール
ド酸化膜12により活性領域が画成される。前記活性領
域中には図示を省略したゲート酸化膜を介してメモリセ
ルトランジスタのゲート電極13がFeRAMのワード
線に対応して形成され、さらに前記基板11中には前記
ゲート電極13の両側にn+ 型の拡散領域11A11
Bが、それぞれメモリセルトランジスタのソース領域お
よびドレイン領域として形成される。また、前記基板1
1中には前記拡散領域11Aと11Bとの間にチャネル
領域が形成される。
【0007】前記ゲート電極13は前記Si基板11の
表面を前記活性領域において覆うCVD酸化膜14によ
り覆われ、さらに前記CVD酸化膜14は平坦化層間絶
縁膜15により覆われる。前記層間絶縁膜15中には前
記拡散領域11Bを露出するコンタクトホール15Aが
形成され、前記コンタクトホール15Aはポリシリコン
あるいはWSiよりなるプラグ16により充填される。
【0008】さらに、前記層間絶縁膜15上には前記プ
ラグ16の露出部を覆うようにTi/TiN構造の密着
膜17が形成され、前記密着膜17上にPt等よりなる
下側電極18が形成される。さらに前記下側電極18上
にはPZT(Pb(Zr,Ti)O3 )あるいはPLZ
T((Pb,La)(Zr,Ti)O3 )よりなる強誘
電体膜19が形成され、前記強誘電体膜19上にはPt
等よりなる上側電極20が形成される。
【0009】前記下側電極18,強誘電体膜19および
上側電極20よりなる強誘電体キャパシタの側壁面はC
VD酸化膜21により覆われ、さらに前記強誘電体キャ
パシタの全体は層間絶縁膜22により覆われる。前記層
間絶縁膜22中には前記拡散領域22Aを露出するコン
タクトホール22Aが形成され、前記層間絶縁膜22上
には前記コンタクトホール22Aにおいて前記拡散領域
22AとコンタクトするAlあるいはAl合金よりなる
ビット線パターン23が形成される。
【0010】図2は図1のFeRAM10において前記
強誘電体膜19として使われるPLZTの自発分極特性
を示す。図2を参照するに、図1のFeRAM10にお
いて前記下側電極18と上側電極20との間に所定の書
き込み電圧を印加することにより、前記強誘電体膜19
を構成するPLZT膜中の自発分極が反転し、所望の二
値情報が前記強誘電体膜19中に書き込まれる。また、
図1のFeRAM10において書き込まれた二値情報を
読み出すには前記ワード線、すなわちゲート電極13を
活性化し、前記チャネル領域を通って前記ビット線電極
23に現れる電圧を検出する。図2のヒステリシスルー
プにおいて電界強度がゼロにおける幅2Pr、すなわち
残留分極の値が大きいほどFeRAM10による情報の
保持が確実になされる。また書き込みに要する電界の値
も減少する傾向にあり、その結果FeRAM10の低電
力駆動が可能になる。換言すると、図1のFeRAM1
0では強誘電体膜19の残留分極2Prの値を最大化す
ることが望ましい。
【0011】また、図1に示す強誘電体膜19を使った
半導体メモリ装置はそのままDRAMとしても使用可能
である。この場合、強誘電体膜19の誘電率が非常に大
きいため、キャパシタを特殊な形状としなくても十分な
キャパシタ容量が確保でき、その結果半導体メモリ装置
を微細化することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
強誘電体キャパシタを形成するに当たっては、前記強誘
電体膜19の結晶化工程と上部電極20の形成工程が非
常に重要である。強誘電体膜19の結晶化工程を行なわ
ないと、強誘電体キャパシタに所望の特性は得られな
い。
【0013】従来より、かかる強誘電体キャパシタの形
成では、最初にTi/TiN構造の密着層17およびP
tよりなる下側電極18が、前記層間絶縁膜15上に還
元雰囲気中、あるいは不活性雰囲気中でのスパッタリン
グにより順次形成され、次いで前記下側電極18上にP
ZTよりなる強誘電体膜19が、スパッタリングにより
形成される。前記下側電極18を還元雰囲気あるいは不
活性雰囲気中で形成することにより、下側電極18の酸
化、および酸化に伴う抵抗値の増加の問題が回避され
る。
【0014】次に、前記強誘電体膜19は酸化雰囲気
中、典型的には700〜800°Cの温度で熱処理さ
れ、形成されたPZT膜が結晶化される。その際、前記
強誘電体膜19を酸化雰囲気中で熱処理することによ
り、強誘電体膜19中において酸素が膜19から下側電
極18に拡散することに伴って形成される酸素欠損が補
償され、強誘電体膜19は、図2に示すヒステリシス幅
2Prが大きい優れたヒステリシス特性を示す。
【0015】前記強誘電体膜19の形成の後、膜19上
には前記上側電極20が、Pt膜の堆積により形成され
る。その際、前記上側電極20の堆積は前記電極20を
構成するPtが酸化しないようにAr等の不活性雰囲気
中で行われていた。しかし、このように上側電極20を
前記強誘電体膜19上に不活性雰囲気中において形成し
た場合には、前記強誘電体膜19から酸素が上側電極2
0により引き抜かれるのを完全に抑止することができ
ず、その結果、得られる強誘電体キャパシタの特性が劣
化するのが避けられない。
【0016】より具体的には、前記上側電極20の形成
に伴い、前記強誘電体膜19を構成するPZTから酸素
が電極20に引き抜かれ、膜19中に酸素欠損が形成さ
れる。また、かかる酸素欠損に電極20からPtが拡散
し、その結果生じるPtと酸素の相互拡散の結果として
強誘電体膜19において疲労特性や保持特性等に様々な
劣化が生じてしまう。
【0017】そこで、本発明は上記の課題を解決した新
規で有用な強誘電体キャパシタを有する半導体装置およ
びその製造方法を提供することを概括的課題とする。本
発明のより具体的な課題は、電極の形成に伴う特性の劣
化を回避できる強誘電体キャパシタおよびその製造方
法、さらにかかる強誘電体キャパシタを有する半導体装
置およびその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を、
請求項1に記載したように、強誘電体キャパシタを有す
る半導体装置の製造方法において、下側電極を形成する
工程と、前記下側電極上にペロブスカイト型構造を有す
る強誘電体膜を堆積する工程と、前記強誘電体膜を酸化
雰囲気中において熱処理し、結晶化する工程と、前記結
晶化工程の後、前記強誘電体膜上に上側電極を形成する
工程とよりなり、前記上側電極を形成する工程におい
て、前記上側電極は酸化雰囲気中で形成されることを特
徴とする半導体装置の製造方法により、または請求項2
に記載したように、前記上側電極を形成する工程は、P
t,Ir,Ru,IrO2 あるいはRuO 2 を前記強誘
電体膜上にスパッタリングにより形成する工程を含むこ
とを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法に
より、または請求項3に記載したように、前記ペロブス
カイト型構造の強誘電体膜は、Pb(Zr,Ti)O3
または(Pb,La)(Zr,Ti)O3 よりなること
を特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造
方法により、または請求項4に記載したように、キャパ
シタを有する半導体装置の製造方法において、下側電極
を形成する工程と、前記下側電極上にペロブスカイト型
構造を有する誘電体膜を堆積する工程と、前記誘電体膜
を不活性雰囲気中において熱処理し、結晶化する工程
と、前記誘電体膜を、前記不活性雰囲気中の熱処理工程
の後、酸化雰囲気中において熱処理する工程と、前記酸
化雰囲気中における熱処理工程の後、前記誘電体膜上に
上側電極を形成する工程とよりなることを特徴とする半
導体装置の製造方法により、または請求項5に記載した
ように、前記不活性雰囲気中での熱処理工程は、400
〜900°Cの範囲の温度において実行されることを特
徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法により、
または請求項6に記載したように、前記ペロブスカイト
型構造の誘電体膜は、Pb(Zr,Ti)O3 ,(P
b,La)(Zr,Ti)3 ,(Ba,Sr)Ti
3 ,(Sr,Ba)TiO3 ,SrTiO3 よりなる
群から選ばれることを特徴とする請求項4または5記載
の半導体装置の製造方法により、または請求項7に記載
したように、前記上側電極を形成する工程は、酸化雰囲
気中で実行されることを特徴とする請求項4〜6のう
ち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法により、
または請求項8に記載したように、基板と、前記基板上
に形成されたメモリセルトランジスタと、前記基板上に
形成され、前記メモリセルトランジスタ中の拡散領域と
電気的にコンタクトするメモリセルキャパシタとよりな
る半導体記憶装置において、前記メモリセルキャパシタ
は前記拡散領域と電気的にコンタクトする下側電極と、
前記下側電極上に形成されたペロブスカイト型構造を有
する誘電体キャパシタ膜と、前記誘電体キャパシタ膜上
に形成された、Ptよりなる上側電極とよりなり、前記
上側電極は、前記上側電極を実質的に不活性雰囲気中で
形成した場合に前記上側電極が示すスパッタエッチング
速度よりも、実質的に低いスパッタエッチング速度を示
すことを特徴とする半導体記憶装置により、または請求
項9に記載したように、前記上側電極のスパッタエッチ
ング速度は、前記上側電極を実質的に不活性雰囲気中で
形成した場合に前記上側電極が示すスパッタエッチング
速度より約1割低いスパッタエッチング速度を示すこと
を特徴とする請求項8記載の半導体記憶装置により、ま
たは請求項10に記載したように、キャパシタを有する
半導体装置の製造方法において、下側電極を形成する工
程と、前記下側電極上に高誘電体膜を堆積する工程と、
前記高誘電体膜を不活性雰囲気中において熱処理し、結
晶化する工程と、前記高誘電体膜を、前記不活性雰囲気
中の熱処理工程の後、酸化雰囲気中において熱処理する
工程と、前記酸化雰囲気中における熱処理工程の後、前
記高誘電体膜上に上側電極を形成する工程とよりなり、
前記酸化雰囲気中における熱処理は、前記下側電極が実
質的に酸化しないような温度で実行されることを特徴と
する半導体装置の製造方法により、または請求項11に
記載したように、さらに、前記結晶化工程に先立って、
前記高誘電体膜を、酸化雰囲気中において、前記下側電
極が酸化しないような温度で熱処理する工程を含むこと
を特徴とする請求項10記載の半導体装置の製造方法に
より、または請求項12に記載したように、前記高誘電
体膜は、(Ba,Sr)TiO3 ,Ta2 5 ,SrT
iO3 ,(Pb(Zr,Ti)O3 ,(Pb,La)
(Zr,Ti)O3 よりなる群より選択されることを特
徴とする請求項10または11記載の半導体装置の製造
方法により、または請求項13に記載したように、前記
下側電極は、Pr,Ru,Ir,IrO2 ,RuO2
SrRuO3 ,WNよりなる群より選択されることを特
徴とする請求項10〜12のうち、いずれか一項記載の
半導体装置の製造方法により、または請求項14に記載
したように、下側電極を形成する工程と、前記下側電極
上にペロブスカイト型構造を有する誘電体膜を堆積する
工程と、前記誘電体膜を不活性雰囲気中に保持し、熱処
理温度まで昇温する工程と、前記誘電体膜を前記熱処理
温度に保持し、前記不活性雰囲気を酸化雰囲気に切替え
る工程と、前記誘電体膜を、前記酸化雰囲気中において
熱処理する工程と、前記酸化雰囲気中における熱処理工
程の後、前記誘電体膜上に上側電極を形成する工程とよ
りなることを特徴とするキャパシタの製造方法により、
解決する。
【0019】[作用]本発明によれば、半導体メモリ装
置において強誘電体キャパシタを形成する際に、上部電
極を酸化雰囲気中で形成することにより、形成される強
誘電体キャパシタの疲労特性、保持特性、すりこみ特性
および耐はがれ性を著しく向上させることができる。
【0020】また本発明によれば、PZTやPLZT等
のペロブスカイト型の強誘電体膜を最初に不活性雰囲気
中で熱処理し、次いで酸化雰囲気中で熱処理することに
より、膜中の結晶方位を<111>方向に整列させるこ
とができ、残留分極2Prの値を最大化できる。また、
前記ペロブスカイト型の強誘電体膜あるいはBST,S
BT,STO等の高誘電体膜の結晶化を、最初に不活性
雰囲気中で行なうことにより、下側電極が緻密化し、下
側電極と誘電体膜との境界面におけるPtとOの相互拡
散が抑制される。これに伴い、誘電体膜中の欠陥をキャ
リアとするキャパシタ中のリーク電流が実質的に低減さ
れる。また前記酸化雰囲気中での熱処理を行なうことに
より、強誘電体膜中の酸素欠損が補償される。
【0021】また本発明によれば、前記酸化雰囲気中で
の熱処理を、不活性雰囲気中での熱処理とは別に、高誘
電体キャパシタの下側電極が酸化しないような温度で実
行することにより、下側電極の酸化、およびこれに伴う
欠陥の発生が回避される。また、酸化雰囲気中での熱処
理を不活性雰囲気中での熱処理と切り離して行なうこと
により、前記不活性雰囲気中での熱処理を高い温度で行
なうことが可能になり、高誘電体膜の誘電率が最大化さ
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1実施例]図3(A),
(B)は本発明の第1実施例による強誘電体キャパシタ
30の製造工程を示す。図3(A)を参照するに、Si
基板31上にはSiO2 膜32が熱酸化により約200
nmの厚さに形成されており、前記SiO2 膜32上に
はTi膜とPt膜とを順次積層したPt/Ti構造の下
側電極層33が、表1に示す条件で、スパッタリングに
より形成される。
【0023】
【表1】 次に、前記下側電極層33上にPLZT膜34がスパッ
タリングにより、表2に示す条件で堆積される。
【0024】
【表2】 さらに、形成されたPLZT膜34を、図4に示すよう
に最初にAr等の不活性雰囲気中で、次いでO2 雰囲気
中において、それぞれ650°Cおよび750°Cの温
度で急速熱処理し、結晶化を行なう。その際、後程説明
するように、前記PLZT膜34を最初に不活性雰囲気
中において結晶化することにより、下側電極33を構成
するPt膜が緻密化し、電極33とPLZT膜34との
間の境界面近傍におけるPtとOの相互拡散が抑制され
る。また結晶化の結果、前記PLZT膜34中におい
て、PLZTの結晶は望ましい<111>方向に配向す
る。さらに前記PLZT膜34の結晶化を酸素雰囲気中
において行なうことにより、PLZT結晶格子中の酸素
欠陥が補充される。
【0025】次に、前記結晶化したPLZT膜34上に
Ptよりなる上側電極層35を、表3に示す酸素を含む
条件下でのスパッタリングにより堆積する。
【0026】
【表3】 前記上側電極35のスパッタリングを表3に示すように
酸素を含む条件下で行なうことにより、前記PLZT膜
34と上側電極35との境界面におけるPLZT膜34
から上側電極35へのOの引き抜きが抑制され、また上
側電極35が緻密化する。これにより、PLZT膜34
の残留分極2Prは最大化する。
【0027】次に、図3(B)の工程において、前記上
側電極層35、PLZT膜34および下側電極層33を
表4に示す条件でスパッタエッチングし、下側電極パタ
ーン33A,キャパシタ絶縁膜パターン34Aおよび上
側電極パターン35Aをそれぞれ下側電極層33、PL
ZT膜34および上側電極層35に対応して形成する。
【0028】
【表4】 表5は、このようにして得られた強誘電体キャパシタ3
0の残留分極2Prとリーク電流を、従来の方法で形成
した強誘電体キャパシタと比較して示す。
【0029】
【表5】 ただし、表5中、従来の強誘電体キャパシタは前記強誘
電体キャパシタ30と同様な構成を有するが、強誘電体
膜34が酸化雰囲気中における急速熱処理(750°
C,60秒間)により結晶化され、また上側電極層35
がAr雰囲気中におけるスパッタにより形成されている
点で異なる。
【0030】表5を参照するに、強誘電体膜34Aの残
留分極は結晶化直後の段階で従来の値の2倍以上に増加
しており、また前記上側電極35を酸化雰囲気中で形成
することにより、その値がさらに増加することがわか
る。また、表5よりわかるように、リーク電流の値も従
来の強誘電体キャパシタの1/1000程度まで減少し
ていることがわかる。
【0031】図5は、このようにして得られた強誘電体
キャパシタ30の疲労特性を、従来のものと比較して示
す。ただし、従来の強誘電体キャパシタでは、表5の従
来の強誘電体キャパシタと同様に、強誘電体膜34が酸
化雰囲気中において結晶化され、また上側電極層35が
Ar雰囲気中でのスパッタにより形成されている。図5
を参照するに、従来の方法によるキャパシタでは、残留
分極2Prの値は電圧印加サイクルの開始と同時に略直
線的に低下を始めるのに対し、前記強誘電体膜34を図
4に示す2段階熱処理工程により結晶化させた場合に
は、残留分極2Prの劣化は、少なくとも1万回程度の
電圧印加サイクル数では生じないことがわかる。さら
に、本実施例に示すように、前記上側電極を酸化雰囲気
中において形成することにより、電圧印加サイクル数が
100万回を超えても強誘電体キャパシタは十分に大き
い残留分極を示すことがわかる。
【0032】図6は、本実施例の強誘電体キャパシタ3
0の保持特性を、従来のものと比較して示す。ただし、
従来の強誘電体キャパシタでは、表5の従来の強誘電体
キャパシタと同様に、強誘電体膜34が酸化雰囲気中に
おいて結晶化され、また上側電極層35がAr雰囲気中
でのスパッタにより形成されている。図6を参照する
に、従来の方法によるキャパシタでは、残留分極2Pr
の値は150°Cでの熱処理の開始と同時に略直線的に
低下を始めるのに対し、強誘電体膜34を図4の2段階
熱処理工程により結晶化させた場合には、10時間の保
持でも残留分極2Prの値は約40で、減少率はごくわ
ずかである。また、本実施例におけるように前記上側電
極層35を酸化雰囲気中で形成した場合には、残留分極
2Prの値はさらに大きく、しかも熱処理時間によって
はほとんど減少しないことがわかる。
【0033】図7は、本実施例の強誘電体キャパシタ3
0のすりこみ特性を、従来のものと比較して示す。ただ
し、従来の強誘電体キャパシタでは、表5の従来の強誘
電体キャパシタと同様に、強誘電体膜34が酸化雰囲気
中において結晶化され、また上側電極層35がAr雰囲
気中でのスパッタにより形成されている。図7を参照す
るに、従来の方法によるキャパシタでは、残留分極2P
rの値は非常に小さく、また150°Cでの熱処理の開
始と同時に略直線的に低下を始める。また、強誘電体膜
34を図4の2段階熱処理工程により結晶化させた場合
にも、残留分極2Prの値は約40から時間と共に略直
線的に減少するのに対し、本実施例におけるように前記
上側電極層35を酸化雰囲気中で形成した場合には、残
留分極2Prの値は約50程度で、熱処理時間によって
はほとんど減少しないことがわかる。
【0034】図8(A),(B)は、図4の2段階結晶
化熱処理工程を行なったPLZT膜34のX線回折パタ
ーンを、従来の酸化雰囲気中で結晶化熱処理工程を行な
ったPLZT膜のX線回折パターンと比較して示す。た
だし、図8(A)は従来の結晶化熱処理を行なったPL
ZT膜のX線回折パターンを、また図8(B)は上記2
段階結晶化熱処理工程を行なったPLZT膜のX線回折
パターンを示す。
【0035】図8(A)を参照するに、従来の結晶化熱
処理を行なったPLZT膜では顕著な(100)面によ
る回折ピークが観測されるのに対し、図4の2段階結晶
化熱処理を行なったPLZT膜では(100)面による
反射がほとんどゼロになっていることがわかる。これに
伴い、図8(A)の回折パターンでは非常に弱かった
(111)面の反射が図8(B)の回折パターンでは高
くなっており、強誘電体キャパシタ30においてはPL
ZT膜34中において、PLZT結晶が<111>方向
に選択的に配向していることが示される。
【0036】図9は、前記従来の酸化雰囲気中で結晶化
熱処理工程を行なったPLZT膜を有する強誘電体キャ
パシタのAuger分析の結果を、また図10は図3
(B)の強誘電体キャパシタ30のAuger分析の結
果を示す。図9を参照するに、PLZT膜34に直接に
従来の酸化雰囲気中での結晶化熱処理工程を行なった場
合には、下側電極層33中に実質的な量のOが拡散によ
り侵入し、また前記PLZT膜34に実質的な量のPt
が拡散により侵入していることがわかる。これに対し、
図10を参照するに、前記PLZT膜34の結晶化熱処
理を行なう際に、図4の2段階熱処理を行なった場合に
は、前記PLZT膜34と下側電極層33との界面にお
けるPtとOの相互拡散が効果的に抑制されていること
がわかる。これは、前記2段階結晶化熱処理工程の最初
の熱処理工程を不活性雰囲気中において行なうことによ
り、下側電極層33が緻密化することによるものと考え
られる。
【0037】ところで、図9,10のAuger分析結
果によると、前記強誘電体キャパシタ30の上側電極層
35をスパッタエッチングしてその下のPLZT膜34
を露出するのに要する時間が、図10に示すように前記
上側電極層35を酸化雰囲気中において形成した場合の
方が、Ar雰囲気中で形成した場合よりも長くなる傾向
が認められた。これは、前記上側電極層35を酸化雰囲
気中において形成した場合、Ar雰囲気中で形成するよ
りも緻密化することを示唆している。
【0038】そこで、前記上側電極層35の酸化雰囲気
中での形成による緻密化の現象を確認する実験を行なっ
た。図11(A)は、前記上側電極層35を表3に示す
酸化雰囲気中におけるスパッタリングにより130nm
の厚さに形成した場合の強誘電体キャパシタ30の断面
構造を、また図11(B)は図11(A)の構造に対し
て行なったAuger分析の結果を示す。
【0039】図11(B)より、Auger分析により
厚さが130nmの上側電極層35をスパッタエッチン
グするのに17.5分間の時間が必要であることがわか
る。この場合、前記上側電極層35のスパッタエッチン
グ速度は7.43nm/minとなる。これに対し、図
12(A)は、前記上側電極層35をAr雰囲気中にお
けるスパッタリングにより100nmの厚さに形成した
場合の強誘電体キャパシタの断面構造を、また図12
(B)は図12(A)の構造に対して行なったAuge
r分析の結果を示す。
【0040】図12(B)より、Auger分析により
厚さが100nmの上側電極層35をスパッタエッチン
グするのに12.5分間の時間が必要であることがわか
る。この場合、前記上側電極層35のスパッタエッチン
グ速度は8.0nm/minとなり、前記電極層35を
酸化雰囲気中で形成した場合よりも約1割程度大きくな
っている。換言すると、前記上側電極層35を酸化雰囲
気中において形成することにより電極層35は緻密化
し、エッチング速度が約1割程度減少する。このこと
は、先に図9,10で説明した上側電極層35の酸化雰
囲気中での形成に伴う緻密化の現象を確認するものであ
る。
【0041】なお、本実施例による強誘電体キャパシタ
の製造方法は、強誘電体膜34としてPZTあるいはP
LZTを使ったものに限定されるものではなく、BST
(BaSrTiO3 ),SBT(SrTiO3 )あるい
はSTO(SrTiO3 )を使うことも可能である。た
だし、BST,SBTあるいはSTOを使った場合には
キュリー温度が低いため、キャパシタは高誘電体キャパ
シタとなる。
【0042】また、前記上側電極35を形成する際の酸
化雰囲気はO2 雰囲気に限定されるものではなく、
3 ,NOあるいはNO2 雰囲気であってもよい。さら
に、図4に示す前記強誘電体膜34を結晶化する2段階
熱処理工程は、不活性雰囲気中での熱処理工程も酸化雰
囲気中での熱処理工程も、400〜900°Cの範囲の
温度で実行することができる。
【0043】さらに、前記下側電極層33および上側電
極層35において、PtのかわりにIr,Ru,IrO
2 あるいはRuO2 を使うことも可能である。 [第2実施例]次に、本発明の第2実施例による強誘電
体キャパシタの製造工程を説明する。本実施例において
も図3(A)に示す積層構造体が、基板31を覆うSi
2膜32上に下側電極層33,PLZT膜34および
上側電極層35を先と同様に積層することにより形成さ
れ、さらに図3(B)の工程で前記上側電極層35,P
LZT膜34および下側電極層33を表4に説明した条
件でパターニングすることによりキャパシタが形成され
るが、本実施例では前記PLZT膜34を堆積するスパ
ッタ工程を、表6に示す条件で行ない、さらに結晶化熱
処理工程を図4に示す2段階工程ではなく750°C,
酸素雰囲気中において60秒間実行することにより行な
う。
【0044】
【表6】 表7は、かかるPLZT膜34の結晶化を酸化雰囲気中
で行なった場合の強誘電体キャパシタの残留分極2P
r,リーク電流、飽和電圧V(90),および上側電極
パターン35Aのはがれ状態を、従来の上側電極層35
を不活性雰囲気中で形成したキャパシタと比較して示
す。ただし、飽和電圧V(90)は、強誘電体膜34の
分極を飽和分極の90%にするのに必要な印加電圧を表
す。
【0045】
【表7】 表7を参照するに、本実施例による強誘電体キャパシタ
も従来の強誘電体キャパシタも残留分極2Prおよび飽
和電圧の値はたいして変わらないが、リーク電流の値は
特に+5.0Vの電圧を印加した場合に100分の1程
度まで減少することがわかる。また表4の条件でのエッ
チングの後、従来のキャパシタでは上側電極パターン3
5Aがはがれてしまうのに対し、本実施例による強誘電
体キャパシタではかかる上側電極パターン35Aのはが
れは観察されなかった。
【0046】[第3実施例]図13(A)〜15(H)
は本発明の第3実施例によるFeRAMの製造工程を示
す図である。図13(A)を参照するに、p−型Si基
板51上にはフィールド酸化膜52によりメモリセル領
域が形成される。さらに、前記Si基板51上にはゲー
ト絶縁膜53が前記メモリセル領域を覆うように形成さ
れ、ゲート電極54が前記ゲート絶縁膜53上に、通常
のMOSトランジスタと同様に形成される。ゲート電極
54はメモリセル領域を横断するワード線の一部を構成
する。さらに、基板51中には、前記ゲート電極54の
両側にn型の拡散領域55,56が、ゲート電極54を
自己整合マスクに使って形成される。
【0047】MOSトランジスタがこのようにして形成
された後、前記基板51上にはゲート電極54を覆うよ
うにSiO2 膜57が形成され、前記SiO2 膜57中
には周知のフォトリソグラフィー法により、前記拡散領
域55を露出するコンタクトホールが形成される。さら
に、前記コンタクトホールの形成の後、前記SiO2
57上にはWSi膜が前記コンタクトホールを含むよう
に堆積され、その結果前記WSi膜は前記コンタクトホ
ールにおいて前記拡散領域55とコンタクトする。この
WSi膜をパターニングすることにより、図13(A)
に示すビット線電極58が形成される。
【0048】次に、図13(B)の工程において、典型
的にはSiO2 よりなる層間絶縁膜59が図13(A)
の構造上に堆積され、例えばCMP(化学機械研磨)法
を使った平坦化の後、前記層間絶縁膜59中に拡散領域
56を露出する深いコンタクトホール60が、高解像度
フォトリソグラフィーにより形成される。次に、図13
(C)の工程において、図13(B)の構造上に、Pに
よりn+型にドープされたポリシリコン膜61が、CV
D法により、前記ポリシリコンSi膜61が前記コンタ
クトホール60を充填するように堆積され、さらに図1
4(D)の工程において前記ポリシリコン膜61をドラ
イエッチングにより層間絶縁膜59の表面が露出するま
でエッチバックすることにより、前記コンタクトホール
をポリシリコンプラグ62が充填した構造が得られる。
【0049】図14(D)の工程では、さらに前記層間
絶縁膜59上にTi膜(図示せず)が前記ポリシリコン
プラグ62を覆うように形成され、さらにその上にP
t,IrあるいはIrO2 を含む導体膜63が、スパッ
タリングにより、例えば表1に示す条件で形成される。
次に図14(E)の工程で、前記導体膜63上にPZT
あるいはPLZTよりなる強誘電体膜64が、表2に示
す条件のスパッタにより形成される。堆積された強誘電
体膜64は図4の2段階熱処理工程により、あるいは酸
化雰囲気中、典型的には約750°Cで急速加熱処理す
ることにより結晶化され、強誘電体膜64中に形成され
やすい酸素欠陥が解消される。
【0050】次に、図14(F)の工程において、前記
PZT膜64およびその下の導体膜63は表4に示す条
件でプラズマエッチングを行なうことにより所望のパタ
ーンにパターニングされ、その結果、強誘電体キャパシ
タを構成する下側電極65およびキャパシタ絶縁膜66
が形成される。次に、図15(G)の工程で、図14
(F)の構造上に前記キャパシタ絶縁膜66を覆うよう
にSiO2 膜67がCVD法により堆積され、さらに前
記SiO 2 膜67中に前記キャパシタ絶縁膜66を露出
するコンタクトホール68が形成される。さらに、図1
5(H)の工程において、前記SiO2 膜67上に露出
したキャパシタ絶縁膜66を覆うようにPtパターン6
9が、表3に示す酸化条件下でスパッタリングを行なう
ことにより強誘電体キャパシタの上側電極として形成さ
れ、さらに図15(I)の工程において、前記SiO2
膜67上に前記上側電極69を覆うように層間絶縁膜7
0が形成される。また、前記層間絶縁膜70上には配線
パターン71が形成される。
【0051】本実施例によるFeRAMでは、前記上側
電極69を酸化雰囲気中で形成することにより電極69
が緻密化し、キャパシタ絶縁膜66との間におけるOと
Ptの相互拡散が抑止され、大きな残留分極2Prが強
誘電体キャパシタに得られる。また、前記キャパシタ絶
縁膜66の結晶化を図4に示す2段階熱処理工程に従っ
て行なうことにより、下側電極パターン65が緻密化
し、キャパシタ絶縁膜66と下側電極パターン65との
間のOとPtの相互拡散が効果的に抑止される。また、
前記2段階熱処理工程の結果、前記強誘電体キャパシタ
絶縁膜66中において結晶粒が実質的に<111>方向
に配向し、その結果前記キャパシタ絶縁膜66は、Fe
RAMとして望ましい大きな自発分極を示す。
【0052】また、本実施例においてキャパシタ絶縁膜
69としてBST,SBT,あるいはSTOを使った場
合には、半導体装置はDRAMとなる。 [第4実施例]図16は、本発明の第4実施例による高
誘電体キャパシタ80の構成を、また図17は前記高誘
電体キャパシタ80の製造工程を示す。
【0053】図16を参照するに、前記高誘電体キャパ
シタ80はSi基板81上にTi密着膜82とTiN拡
散障壁膜83とを介して形成されており、下側Ru電極
84と、その上のBST膜85と、前記BST膜85上
に形成された上側Pt電極86とよりなる。図16のS
i基板81としては、例えば5%HF水溶液により表面
の自然酸化膜を除去した(100)面を有するSiウェ
ハを使い、前記Si基板81上には前記Ti膜82およ
びTiN膜83が、350°Cの基板温度におけるDC
マグネトロンスパッタリングにより、それぞれ30nm
および50nmの厚さに順次形成されている。
【0054】さらに前記TiN膜83上には、図17の
工程1において前記Ru電極84がDCマグネトロンス
パッタリングにより、前記Ti膜82あるいはTiN膜
83を形成するのと同様な条件下で約500nmの厚さ
に形成され、さらに工程2において前記Ru電極84上
に、前記BST膜85が、テトライソプロポキシチタン
(Ti[i−OC3 7 4 ),ビステトラメチルヘプ
タンジオナトストロンチウム−テトラエンアダクト(S
r[THD]2 −tetraene),およびビステト
ラメチルヘプタンジオナトバリウム−テトラエンアダク
ト(Ba[THD]2 −tetraene)を原料と
し、Arをキャリアガス、O2 を酸化ガスとしたCVD
法により、5Torrの全圧下、基板温度を450°
C,酸素分圧を2.5Torrに設定して、約60nm
の厚さに形成される。上記の条件において、前記BST
膜85は約1nm/minの堆積速度で成長する。
【0055】前記BST膜85が形成された後、工程3
において、前記BST膜85は、その下のRu電極84
と共に、5TorrのAr雰囲気中、550°Cで10
分間結晶化熱処理される。さらに前記結晶化熱処理工程
3の後、図17の工程4において前記BST膜85は、
大気中、400°Cの温度で10分間熱処理され、前記
膜85中に形成された酸素欠損が補償される。さらに、
前記工程4の後、工程5においてマスクを使ったDCマ
グネトロンスパッタリングにより前記BST膜85上に
Pt膜が100nmの厚さに堆積され、前記上側Pt電
極86が形成される。工程5では、さらにこのようにし
て得られた上側Pt電極86をマスクに前記BST膜8
5を5%HF水溶液中でウェットエッチングし、下側R
u電極電極84を露出させる。さらに、このようにして
得られた高誘電体キャパシタ80について、工程6にお
いて後程説明する電気特性の測定が行なわれる。
【0056】次に、前記工程6における電気特性の測定
の後、工程7において前記高誘電体キャパシタ80は大
気中において400°Cで10分間熱処理され、さらに
工程8において電気特性の測定が再びなされた。図18
は、図17の工程6における電気特性、特にリーク電流
の測定結果を示す。
【0057】図18を参照するに、BST膜85として
工程2で形成されたCVD−BST膜をそのまま使った
場合(試料A)、あるいは結晶化工程3,酸化工程4の
いずれか一方だけを行なったBST膜を使った場合(試
料B,C)には前記高誘電体キャパシタ80には実質的
なリーク電流が生じるのに対し、前記結晶化工程3およ
び酸化工程4の双方を行なったBST膜を使った場合
(試料D)には、高誘電体キャパシタのリーク電流が著
しく減少することがわかる。
【0058】図19は、前記試料A〜Dに対してさらに
工程7の酸化熱処理工程を行なった試料A’〜D’につ
いて行なった、工程8の電気特性測定結果を示す。図1
9を参照するに、前記上側電極86を形成した後で酸化
熱処理工程を行なうことにより、リーク電流はいずれの
試料A’〜D’においても顕著に減少するが、特に試料
Dについて工程8の酸化熱処理工程を行なった場合にリ
ーク電流低減の効果が顕著に表れる。
【0059】さらに、図20は図16の高誘電体キャパ
シタ80を形成条件を多少変更して形成した場合のリー
ク電流特性(図17の試料Aに対応)を、図21は図2
0のキャパシタにおいてBST膜85に図17の工程3
の結晶化熱処理をN2 雰囲気中での700°Cの急速熱
処理工程(RTN)により行なった場合のリーク電流特
性(図17の試料Bに対応)を、また図22は図20の
キャパシタにおいて、前記BST膜85に図17の工程
3の結晶化熱処理を、N2 雰囲気中での様々な温度の急
速熱処理により行い、さらに酸化雰囲気中での熱処理を
行なった場合のリーク電流特性(図17の試料Dに対
応)を示す。
【0060】図20〜22、特に図22よりわかるよう
に、前記BST膜85を500〜700°CのRTNに
より行なった場合、キャパシタ80は正電圧が印加され
た場合でも負電圧が印加された場合でも、印加電圧の絶
対値が約1V以内であれば、リーク電流は1×10-8
1×10-9A/cm-2程度に抑制されるのがわかる。一
方、図23は図16の高誘電体キャパシタ80のキャパ
シタ絶縁膜85の比誘電率と、前記図17の結晶化熱処
理工程3の温度との関係を示す。
【0061】図23より、キャパシタ絶縁膜85の比誘
電率εは、前記結晶化熱処理温度が約550〜650°
Cの範囲にある場合に最大になることがわかる。図16
の高誘電体キャパシタを、図15(I)のFeRAMに
おいて強誘電体キャパシタの代わりに使うことにより、
DRAMを形成することができる。かかる高誘電体キャ
パシタを使ったDRAMは微細化しても十分なキャパシ
タ容量が確保されるため、250Mbitあるいは1G
bitの超大容量DRAMの製造に有効である。 [第5実施例]次に、本発明の第5実施例による高誘電
体キャパシタの製造方法について説明する。
【0062】本実施例による高誘電体キャパシタは、図
16の高誘電体キャパシタにおいて前記Ti膜82およ
びTiN膜83の代わりにTa膜を使い、前記Ru下側
電極84の代わりにPt電極を使ったった以外には実質
的に同一の構成を有し、図17と類似した図24の工程
により形成される。そこで以下の説明では、先に説明し
た部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明
を省略する。
【0063】その際、本実施例では前記下側Pt電極の
酸化を最小化するために、図17の工程4、すなわち酸
化性雰囲気中での熱処理工程に対応する工程を、前記下
側電極84が酸化しないような条件で行なう。より具体
的には、図24の工程11において前記Si基板81上
に、それぞれ符号82および84で示す前記Ta膜およ
び下側Pt電極を、基板温度500°CでのDCスパッ
タリングにより、いずれも30nmの厚さに形成する。
さらに、前記図24の工程12ににおいて、前記下側P
t電極84上に前記BST膜85を、基板温度を400
°Cに設定してのRFスパッタリングにより、約50n
mの厚さに形成する。
【0064】本実施例では、さらに図24の工程13に
おいて、このようにして得られた構造を常圧の不活性雰
囲気、例えばN2 雰囲気中において、昇温速度を100
°C/minに設定して約700°Cまで急速加熱し、
60秒間保持することにより、前記BST膜85を結晶
化する(RTN処理)。結晶化の後、本実施例では、さ
らに図24の工程14において、先の工程13の急速加
熱処理工程を終わった試料を石英炉心管を有する拡散炉
中に導入し、常圧でO2 100%の酸素雰囲気中、40
0°Cで30分間保持することにより、前記急速加熱処
理工程において前記BST膜85中に生じた酸素欠損を
補償する。その際、前記基板温度は工程14における酸
化雰囲気中での熱処理によっても前記下側電極84が実
質的に酸化されないような温度に設定される。
【0065】さらに本実施例では前記酸素欠損の補償処
理工程14の後、図24の工程15において前記BST
膜85上に半径が0.1mmの開口部を形成されたメタ
ルマスクが形成され、さらに続く工程16において前記
メタルマスクを介してPt電極86が、前記BST膜8
5上に形成される。図25は、このようにして形成され
た高誘電体キャパシタのリーク電流特性を示す。ただし
図25中、工程11〜16の全ての工程を経て形成され
た、すなわち工程13の不活性雰囲気中での結晶化熱処
理および工程14の酸素欠損補償熱処理を行なったキャ
パシタ(2step)の特性を◆で、また工程14を飛
ばして形成された、すなわち工程13の不活性雰囲気中
での結晶化熱処理のみを行なったキャパシタ(RTN)
の特性を□で、さらに工程13および14を飛ばして形
成された、すなわち前記BST膜85に対して何らの熱
処理も行なわなかったキャパシタ(as−depo)の
特性を×で示す。
【0066】図25を参照するに、×で示す熱処理を行
なわなかったキャパシタに比べて、□で示す結晶化熱処
理のみを行なったキャパシタではリーク電流特性が劣化
するが、◆で示す酸素欠損補償熱処理を行なったキャパ
シタでは、リーク電流特性の回復が生じているのがわか
る。図25のリーク電流特性のみを見ると、×で示した
熱処理を省略したキャパシタも優れたリーク電流特性を
示すが、図26に示すBST膜85の比誘電率を見る
と、前記熱処理を省略したキャパシタ(as−dep
o)の比誘電率は50以下で非常に低く、これはBST
膜85が十分に結晶化していないことを明らかに示して
いる。
【0067】図26を参照するに、前記熱処理を省略し
たキャパシタに比べてBST膜85の結晶化熱処理を行
なったキャパシタ(RTN)、および前記結晶化熱処理
に加えて酸素欠損補償熱処理を行なったキャパシタ(2
step)では、BST膜85の比誘電率が大きく増大
し、ほぼ200に達することがわかる。さらに図27
は、前記結晶化熱処理および酸素欠損補償熱処理を行な
ったキャパシタ(2step)において、前記結晶化熱
処理温度を変化させて前記BST膜85の比誘電率を測
定した結果を示す。
【0068】図27を参照するに、結晶化熱処理温度が
500°Cだと得られるBST膜85の比誘電率は50
程度に過ぎないが、結晶化熱処理温度を550°Cに設
定すると比誘電率の値は200近くまで急増する。さら
に結晶化熱処理温度が650°Cを越え700°Cに達
すると、前記比誘電率の値は減少を始める。さらに図2
8は、図27の試料のうち結晶化熱処理温度を600°
Cに設定した場合と700°Cに設定した場合につい
て、リーク電流特性を比較して示す。
【0069】図28を参照するに、結晶化熱処理温度を
600°Cに設定した場合の方が、結晶化熱処理温度を
700°Cに設定した場合よりも正電圧印加時における
リーク電流特性が向上しているのがわかる。以上の結果
を総合すると、Pt電極84上にBST膜85を有する
高誘電体キャパシタにおいて、結晶化熱処理をN2 雰囲
気中、550°C以上700°C未満、好ましくは65
0°C以下の範囲の温度で行ない、さらに酸素欠損補償
熱処理を400°C程度の温度で行なうことにより、比
誘電率特性の向上とリーク電流特性の向上とを、同時に
達成できることがわかる。 [第6実施例]次に、本発明の第6実施例による高誘電
体キャパシタの製造方法について説明する。
【0070】本実施例による高誘電体キャパシタは、図
16の高誘電体キャパシタと実質的に同一の構成を有
し、図17の工程と類似した図29の工程により形成さ
れる。そこで以下の説明では、先に説明した部分に対応
する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施例では前記下側Ru電極84の酸化を最小化する
ために、図17の工程4、すなわち酸化性雰囲気中での
熱処理工程に対応する工程を、前記下側電極84が酸化
しないような条件で行なう。
【0071】より具体的には、図29の工程21におい
て前記Si基板81上に、前記Ti膜82,TiN膜8
3および下側Ru電極を、基板温度300°CでのDC
スパッタリングにより、それぞれ20nm,50nmお
よび500nmの厚さに形成する。さらに、前記図29
の工程22ににおいて、前記下側Ru電極84上に前記
BST膜85を、基板温度を400°Cに設定してのR
Fスパッタリングにより、約30nmの厚さに形成す
る。
【0072】本実施例では、さらに図29の工程23に
おいて、このようにして得られた構造を常圧の不活性雰
囲気、例えばN2 雰囲気中において、昇温速度を100
°C/minに設定して約600°Cまで急速加熱し、
60秒間保持することにより、前記BST膜85を結晶
化する(RTN処理)。結晶化の後、本実施例では、さ
らに図29の工程24ににおいて、先の工程23の急速
加熱処理工程を終わった試料を石英炉心管を有する拡散
炉中に導入し、常圧でO2 100%の酸素雰囲気中、4
00°Cで30分間保持することにより、前記急速加熱
処理工程において前記BST膜85中に生じた酸素欠損
を補償する。その際、前記基板温度は工程24における
酸化雰囲気中での熱処理によっても前記下側電極84が
実質的に酸化されないような温度に設定される。
【0073】さらに本実施例では前記酸素欠損の補償処
理工程24の後、図29の工程25において前記BST
膜85上に半径が0.1mmの開口部を形成されたメタ
ルマスクが形成され、さらに続く工程26において前記
メタルマスクを介してPt電極86が、前記BST膜8
5上に形成される。図30は、このようにして形成され
た高誘電体キャパシタのリーク電流特性を示す。
【0074】図30を参照するに、本実施例による高誘
電体キャパシタは、Ptを下側電極84として使った先
の実施例の高誘電体キャパシタと同様な、優れたリーク
電流特性を有するのがわかる。すなわち、本実施例にお
いて下側電極84の材質をPtからRuに変更しても、
リーク電流の増加は観察されない。本実施例における高
誘電体キャパシタにおいて、前記BST膜85は先の実
施例の場合よりもさらに大きい約250の比誘電率を示
した。
【0075】これに対し、従来のように工程23の結晶
化熱処理と工程24の酸素欠損補償熱処理とを一括し
て、酸化雰囲気中における450°Cを越える温度での
高温熱処理を行なった場合には、前記Ru下側電極8
4、あるいはその下のTiN膜83、さらにTi膜84
がBST膜85から拡散した酸素により酸化され、面荒
れが生じたり、あるいはバリア層としての機能が損なわ
れ、前記TiN膜83を横切る元素の相互拡散が生じた
り、さらには下側電極84と上側電極86との間に短絡
が生じたりする問題が発生する。さらに、前記バリア層
83が酸化されてしまうと、前記下側電極84とその下
のメモリセルトランジスタとの導通が不良になるおそれ
がある。
【0076】これに対し、本実施例、および先に説明し
た実施例では、前記結晶化熱処理工程と酸素欠損補償熱
処理工程とを分離し、特に酸素欠損補償熱処理工程を、
前記下側電極あるいはその下のTiNバリア層、さらに
はその下のTi密着層の酸化が生じないような低温にお
いて実行することにより、上記従来の問題点を解決す
る。本実施例では、結晶化熱処理工程は不活性雰囲気中
で行なわれるため、下側電極が酸化されることはない。
これはまた、本発明では結晶化熱処理工程と酸素欠損補
償熱処理工程とが分離されたため、前記BST膜85を
前記下側電極の酸化のおそれなく結晶化させることが可
能になり、BST膜85の比誘電率を最大化することが
可能になることを意味する。
【0077】図31〜33は、本実施例による高誘電体
キャパシタにおいて、前記BST膜85の厚さを30n
mに設定し、前記工程23における結晶化熱処理の時間
を様々に変化させた場合のリーク電流特性を示す。ただ
し、図31においては工程24の酸素欠損補償熱処理時
間を、全ての試料に対して10分間、図32においては
工程24の酸素欠損補償熱処理時間を、全ての試料に対
して20分間、さらに図33においては工程24の酸素
欠損補償熱処理時間を、全ての試料に対して30分間と
している。
【0078】図31〜33を参照するに、結晶化熱処理
時間を5秒間とし、酸素補償熱処理時間を10分間とし
た試料(図31中×で示す)では、リーク電流がやや増
加するが、それ以外の試料ではリーク電流特性はほぼ一
定であり、良好な特性が得られているのがわかる。特
に、結晶化熱処理時間を30秒とし、酸素欠損補償熱処
理時間を30分とした試料が、最も優れたリーク電流特
性を示す。
【0079】なお、図示はしていないが、結晶化熱処理
を90秒間以上とし、酸素欠損補償熱処理を60分とし
た試料では、前記結晶化熱処理時間を30秒、酸素欠損
補償熱処理時間を30分とした試料よりもリーク電流が
増大するの観察された。図34は、本実施例による高誘
電体キャパシタにおいて、結晶化熱処理時間を様々に変
化させた場合における、前記BST膜85の比誘電率の
値を示す。
【0080】図34を参照するに、前記結晶化熱処理時
間が5秒間の試料では、おそらく結晶化が不十分なため
比誘電率としてやや小さな値が得られるが、熱処理時間
を10秒間以上にすると比誘電率はほぼ一定になり、ま
た酸素欠損補償熱処理時間を変化させても殆ど変化しな
いことが確認された。 [第7実施例]次に、本発明の第7実施例による高誘電
体キャパシタの製造方法について説明する。
【0081】本実施例による高誘電体キャパシタは、図
16の高誘電体キャパシタと実質的に同一の構成を有
し、図17の工程と類似した図35の工程により形成さ
れる。そこで以下の説明では、先に説明した部分に対応
する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図35を参照するに、工程31において前記Si基板8
1上に、前記Ti膜82,TiN膜83および下側Ru
電極を、基板温度300°CでのDCスパッタリングに
より、それぞれ20nm,50nmおよび500nmの
厚さに形成する。さらに、前記図35の工程32ににお
いて、前記下側Ru電極84上に前記BST膜85を、
基板温度を400°Cに設定してのRFスパッタリング
により、約30nmの厚さに形成する。
【0082】本実施例では、さらに図35の工程33に
おいて、このようにして得られた構造を石英炉心管を有
する拡散炉中に導入し、常圧でO2 100%の酸素雰囲
気中、400°Cで30分間保持することにより、前記
BST膜85中に前記堆積工程32において生じた酸素
欠損を補償する。その際、前記基板温度は工程33にお
ける酸化雰囲気中での熱処理によっても前記下側電極8
4が実質的に酸化されないような温度に設定される。
【0083】さらに図35の工程34において、工程3
3の酸素欠損補償熱処理を済ませた試料を常圧の不活性
雰囲気、例えばN2 雰囲気中において、昇温速度を10
0°C/minに設定して約600°Cまで急速加熱
し、60秒間保持することにより、前記BST膜85を
結晶化する(RTN処理)。結晶化の後、本実施例で
は、さらに図35の工程35において、先の工程34の
急速加熱処理工程を終わった試料を再び前記石英炉心管
を有する拡散炉中に導入し、常圧でO2 100%の酸素
雰囲気中、400°Cで30分間保持することにより、
前記急速加熱処理工程において前記BST膜85中に生
じた酸素欠損を補償する。その際、前記基板温度は工程
35における酸化雰囲気中での熱処理によっても前記下
側電極84が実質的に酸化されないような温度に設定さ
れる。
【0084】さらに本実施例では前記酸素欠損の補償処
理工程35の後、図35の工程36において前記BST
膜85上に半径が0.1mmの開口部を形成されたメタ
ルマスクが形成され、さらに続く工程37において前記
メタルマスクを介してPt電極86が、前記BST膜8
5上に形成される。図36は、図35の工程31〜37
により形成された本実施例による高誘電体キャパシタの
リーク電流特性を、図35の工程のうち、工程33を飛
ばして形成した高誘電体キャパシタのリーク電流特性と
比較して示す。ただし図36中、本実施例による高誘電
体キャパシタ(図中、「3step」と示す)のリーク
電流を●で、また前記工程33を飛ばした高誘電体キャ
パシタ(図中、「2step」と示す)のリーク電流を
×で示す。図36中、前記工程33を飛ばした高誘電体
キャパシタは、図29の工程で形成された先の実施例の
高誘電体キャパシタに相当する。
【0085】図36を参照するに、このように結晶化熱
処理工程の前に酸素欠損補償熱処理を行なった試料のリ
ーク電流特性は、かかる結晶化熱処理工程前の酸素欠損
補償熱処理工程を省略した試料と殆ど同じであることが
わかる。一方、図37は、図35の工程31〜37によ
り形成された本実施例による高誘電体キャパシタにおけ
るBST膜85の比誘電率を、図35の工程のうち、工
程33を飛ばして形成した高誘電体キャパシタ中のBS
T膜85の比誘電率と比較して示す。ただし図36中、
本実施例による高誘電体キャパシタ(図中、「3ste
p」と示す)のBST膜85の比誘電率を●で、また前
記工程33を飛ばした高誘電体キャパシタ(図中、「2
step」と示す)のBST膜85の比誘電率を×で示
す。図36中、前記工程33を飛ばした高誘電体キャパ
シタは、図29の工程で形成された先の実施例の高誘電
体キャパシタに相当する。
【0086】図37を参照するに、本実施例による高誘
電体キャパシタでは、BST膜85の比誘電率が、先の
実施例の場合に比べて5〜10%程度向上した。このよ
うに、結晶化熱処理工程に先立って酸素欠損補償熱処理
を行なうことにより、リーク電流特性はほとんど変化し
ないものの、BST膜85の比誘電率を向上させること
が可能である。 [第8実施例]次に、本発明の第8実施例による高誘電
体キャパシタの製造方法について説明する。
【0087】本実施例による高誘電体キャパシタは、図
16の高誘電体キャパシタと実質的に同一の構成を有
し、図17の工程と類似した図38の工程により形成さ
れる。そこで以下の説明では、先に説明した部分に対応
する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図38を参照するに、工程41において前記Si基板8
1上に、前記Ti膜82,TiN膜83および下側Ru
電極を、基板温度300°CでのDCスパッタリングに
より、それぞれ20nm,50nmおよび500nmの
厚さに形成する。さらに、前記図38の工程42ににお
いて、前記下側Ru電極84上に前記BST膜85を、
基板温度を400°Cに設定してのRFスパッタリング
により、約30nmの厚さに形成する。
【0088】本実施例では、さらに図38の工程43に
おいて、前記工程42で堆積されたBST膜85を、
0.5Torrの減圧N2 雰囲気中、400°Cの温度
で30分間熱処理し、結晶化させる。結晶化の後、本実
施例では、さらに図38の工程44において、先の工程
43の急速加熱処理工程を終わった試料を石英炉心管を
有する拡散炉中に導入し、常圧でO2 100%の酸素雰
囲気中、400°Cで30分間保持することにより、前
記急速加熱処理工程において前記BST膜85中に生じ
た酸素欠損を補償する。その際、前記基板温度は工程4
4における酸化雰囲気中での熱処理によっても前記下側
電極84が実質的に酸化されないような温度に設定され
る。
【0089】さらに本実施例では前記酸素欠損の補償処
理工程44の後、図38の工程45において前記BST
膜85上に半径が0.1mmの開口部を形成されたメタ
ルマスクが形成され、さらに続く工程46において前記
メタルマスクを介してPt電極86が、前記BST膜8
5上に形成される。図39は、図38の工程41〜46
により形成された本実施例による高誘電体キャパシタの
リーク電流特性を、図38の工程において酸素欠損補償
熱処理工程44を省略して形成した高誘電体キャパシタ
のリーク電流特性と比較して示す図である。ただし図3
9中、図38の工程41〜46により形成された本実施
例による高誘電体キャパシタのリーク電流特性を●で、
また前記図38の工程において酸素欠損補償熱処理工程
44を省略して形成した高誘電体キャパシタのリーク電
流特性を×で示す。
【0090】図39を参照するに、BST膜85をこの
ように減圧下で結晶化させた場合でも、前記工程44に
おいて酸素欠損熱処理を下側電極が酸化しないような温
度範囲で行なうことにより、高誘電体キャパシタのリー
ク電流特性を向上させることができることがわかる。な
お、このようにして形成された本実施例による高誘電体
キャパシタでは、工程41〜46により形成した場合で
も、また工程44を省略した場合でも、前記BST膜8
5は約200の比誘電率を有することが確認された。
【0091】以上の各実施例において、前記下側電極8
4は先に説明したPtあるいはRuに限定されるもので
はなく、Ir,IrO2 ,RuO2 ,SrRuO3 ,W
N等を使うことも可能である。同様に、上側電極86も
Ptに限定されるものではなく、Ru,Ir,Ir
2 ,RuO2 ,SrRuO3 ,WN,TiN等を使う
こともできる。さらに、前記高誘電体膜85も前記BS
Tに限定されるものではなく、Ta2 5 ,STO,あ
るいはPZT,PLZT,SBTを使うこともできる。 [第9実施例]次に、本発明の第9実施例による強誘電
体キャパシタの製造方法について、図40を参照しなが
ら説明する。ただし、本実施例による強誘電体キャパシ
タは、先に図3(A),(B)で説明した強誘電体キャ
パシタと実質的に同じ構成を有する。従って、先に説明
した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0092】図40を参照するに、工程51において、
本実施例においても図3(A)に示すように、SiO2
膜32により覆われたSi基板31上にPt/Ti構造
の下側電極33が、表1に示す条件で形成され、さらに
工程52において、前記下側電極33上にPLZT膜3
4が表2に示す条件で形成される。本実施例では、さら
に工程53において、前記PLZT膜34が図41に示
す温度制御プログラムに従って熱処理される。
【0093】より具体的に説明すると、工程53の第1
段階Aにおいて、前記PLZT34膜はAr雰囲気中に
おいて750°Cまで急速加熱され、次に第2段階Bに
おいて酸化雰囲気中、750°Cで60秒間保持され
る。さらに、前記第2段階Bに続く第3段階Cにおい
て、基板温度が室温まで降下される。例えば、前記第1
段階Aでは、基板温度を100°C/min、あるいは
それ以上の速度で昇温する。
【0094】図41の温度制御プログラムでは、第1段
階Aでは熱処理が不活性雰囲気中でなされるため前記下
側電極33が酸化されることはなく、しかも750°C
前後の高温に曝されるため前記下側電極33中に再結晶
による緻密化が生じ、その結果、前記第2段階で熱処理
雰囲気が酸化雰囲気に切り替わっても、前記下側電極3
3が酸化することはほとんどない。
【0095】図42(A),(B)は、図41の熱処理
を酸化雰囲気中、および図41に示すように不活性雰囲
気と酸化雰囲気を切替えてで行なった場合の、前記下側
電極33中におけるOの分布を、Augerスペクトル
分析により求めた結果を示す。このうち、図42(A)
は、図41の熱処理を酸化雰囲気中のみにおいて行なっ
た場合を、図42(B)は図41の熱処理を図示したよ
うに昇温中は不活性雰囲気中で、保持中は酸化雰囲気中
で行なった場合を示す。
【0096】図42(A),(B)を参照するに、熱処
理を酸化雰囲気で行なった図42(A)の場合には、前
記下側電極33中に実質的な量のOとTiが含まれる
が、図42(B)に示す本実施例の場合には、下側電極
33中に含まれるOとTiの量が実質的に減少すること
がわかる。これは、図41に示す熱処理において、前記
第1段階Aの熱処理を不活性雰囲気中で行なうことによ
り、下側電極33が実質的に緻密化していることを示し
ている。
【0097】ふたたび図40に戻って、前記工程53の
後、工程54において前記PLZT膜34上には上側P
t電極35が酸化雰囲気中、先の表3に示す条件でスパ
ッタリングを行なうことで形成され、さらに工程55に
おいて前記上側Pt電極35およびPLZT膜34を先
の表4に示す条件でプラズマエッチングされ、図3
(B)に示すのと実質的に同じ構造の強誘電体キャパシ
タが得られる。
【0098】図43(A)および43(B)は、先の図
40の工程53において、第1段階Aの熱処理と第2段
階Bの熱処理をいずれも酸化雰囲気中において行なった
場合と、図41に示すように第1段階Aの熱処理を不活
性雰囲気中で行ない、第2段階Bの熱処理を酸化雰囲気
中において行なった場合の、得られたPLZT膜34の
X線回折パターンを示す。
【0099】図43(A),43(B)を参照するに、
前記第1段階Aおよび第2段階Bの熱処理をいずれも酸
化雰囲気中で行なった場合には、PLZTの(111)
ピークの高さは(100)ピークの高さに比べて低く、
大部分の結晶が<100>方向に配向していることがわ
かる。これに対し、本実施例のように工程53の熱処理
において、前記第1段階Aの熱処理を不活性雰囲気中で
行ない、前記第2段階Bの熱処理を酸化雰囲気中で行な
った場合には、図43(B)に示すようにPLZTの
(111)ピークが(100)ピークよりもはるかに高
くなり、前記PLZT膜34中においてPLZT結晶が
主として<111>方向に配向していることがわかる。
PLZT膜34が<111>方向に配向することによ
り、本実施例による強誘電体キャパシタは残留分極の値
が最大化される。
【0100】なお、本実施例においても、前記強誘電体
膜34はPLZTに限定されるものではなく、PZTあ
るいはその他のペロブスカイト型構造を有する強誘電体
あるいは高誘電体結晶であってもよい。さらに、前記下
側電極はTi膜上にスパッタされたPt膜に限定される
ものではなく、Ru,Ir等の耐熱金属、さらにはRu
2 ,IrO2 等の導電性酸化物であってもよい。
【0101】以上、本発明を好ましい実施例について説
明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において
様々な変形・変更が可能である。
【0102】
【発明の効果】請求項1〜3,8〜9記載の本発明の特
徴によれば、強誘電体キャパシタを有する半導体装置の
製造において、前記強誘電体キャパシタの上側電極を酸
化雰囲気中で形成することにより、上側電極が緻密化
し、強誘電体キャパシタの特性を大きく向上させること
ができる。
【0103】請求項4〜7記載の本発明の特徴によれ
ば、さらにペロブスカイト型強誘電体あるいは高誘電体
キャパシタ中の誘電体膜を結晶化する工程を、最初に不
活性雰囲気下で熱処理し、次いで酸化雰囲気中において
熱処理することにより、誘電体膜と下側電極との界面に
おける元素の相互拡散を抑止でき、キャパシタのリーク
電流を著しく低減させることができる。また強誘電体膜
では膜中の結晶方位が所望の方向に揃うため、残留分極
の大きさが最大化される。
【0104】また請求項10〜13記載の本発明によれ
ば、前記酸化雰囲気中での熱処理を、不活性雰囲気中で
の熱処理とは別に、高誘電体キャパシタの下側電極が酸
化しないような温度で実行することにより、下側電極の
酸化、およびこれに伴う欠陥の発生が回避される。ま
た、酸化雰囲気中での熱処理を不活性雰囲気中での熱処
理と切り離して行なうことにより、前記不活性雰囲気中
での熱処理を高い温度で行なうことが可能になり、高誘
電体膜の誘電率が最大化される。
【0105】さらに、請求項14記載の本発明の特徴に
よれば、強誘電体膜を熱処理する際に、不活性雰囲気中
で熱処理温度まで急速に昇温させることで下側電極が緻
密化し、その結果その後で酸化雰囲気中で結晶化処理を
行なっても、下側電極の酸化が最小限に抑制される。ま
た、このように熱処理された強誘電体膜は<111>方
向に結晶が配向し、その結果残留分極の値が最大にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の強誘電体キャパシタを備えた半導体装置
の構成を示す図である。
【図2】強誘電体の分極特性を示す図である。
【図3】(A),(B)は本発明の第1実施例および第
2実施例による強誘電体キャパシタの製造工程を示す図
である。
【図4】本発明第1実施例による強誘電体キャパシタの
キャパシタ絶縁膜を結晶化する熱処理工程を示す図であ
る。
【図5】本発明第1実施例による強誘電体キャパシタの
電気特性を示す図(その1)である。
【図6】本発明第1実施例による強誘電体キャパシタの
電気特性を示す図(その2)である。
【図7】本発明第1実施例による強誘電体キャパシタの
電気特性を示す図(その3)である。
【図8】(A),(B)は、本発明第1実施例による強
誘電体キャパシタのキャパシタ絶縁膜のX線回折パター
ンを、従来の方法で作製した強誘電体キャパシタのキャ
パシタ絶縁膜のX線回折パターンと比較して示す図であ
る。
【図9】従来の方法で作製した強誘電体キャパシタ内に
おける、Auger分析で求めた元素分布を示す図であ
る。
【図10】本発明第1実施例による強誘電体キャパシタ
内における、Auger分析で求めた元素分布を示す図
である。
【図11】(A),(B)は、本発明第1実施例による
強誘電体キャパシタの断面構造とAuger分析で求め
た元素分布を示す図である。
【図12】(A),(B)は、従来の方法で作製した強
誘電体キャパシタの断面構造とAuger分析で求めた
元素分布を示す図である。
【図13】(A)〜(C)は本発明の第3実施例による
強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示
す図(その1)である。
【図14】(D)〜(F)は本発明の第3実施例による
強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示
す図(その2)である。
【図15】(G)〜(I)は本発明の第3実施例による
強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造工程を示
す図(その3)である。
【図16】本発明の第4実施例による高誘電体キャパシ
タの構成を示す図である。
【図17】図16の高誘電体キャパシタの製造工程を示
す図である。
【図18】図16の高誘電体キャパシタの特性を示す図
(その1)である。
【図19】図16の高誘電体キャパシタの特性を示す図
(その2)である。
【図20】図16の高誘電体キャパシタの特性を示す図
(その3)である。
【図21】図16の高誘電体キャパシタの特性を示す図
(その4)である。
【図22】図16の高誘電体キャパシタの特性を示す図
(その5)である。
【図23】図16の高誘電体キャパシタの比誘電率と結
晶化熱処理温度との関係を示す図である。
【図24】本発明の第5実施例による高誘電体キャパシ
タの製造工程を示す図である。
【図25】図24の工程で製造された高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す図である。
【図26】図24の工程で製造された高誘電体キャパシ
タの比誘電率と結晶化熱処理との関係を示す図である。
【図27】図24の工程で製造された高誘電体キャパシ
タの比誘電率と結晶化熱処理温度との関係を示す図であ
る。
【図28】図24の工程で製造された高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す別の図である。
【図29】本発明の第6実施例による高誘電体キャパシ
タの製造工程を示す図である。
【図30】図29の工程で製造される高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す図である。
【図31】図29の工程で製造される高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す別の図である。
【図32】図29の工程で製造される高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示すさらに別の図である。
【図33】図29の工程で製造される高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示すさらに別の図である。
【図34】図29の工程で製造される高誘電体キャパシ
タの比誘電率を示す図である。
【図35】本発明の第7実施例による高誘電体キャパシ
タの製造工程を示す図である。
【図36】図35の工程で製造された高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す図である。
【図37】図35の工程で製造された高誘電体キャパシ
タの比誘電率と結晶化熱処理温度との関係を示す図であ
る。
【図38】本発明の第8実施例による高誘電体キャパシ
タの製造工程を示す図である。
【図39】図38の工程で製造された高誘電体キャパシ
タのリーク電流特性を示す図である。
【図40】本発明の第9実施例による強誘電体キャパシ
タの製造工程を示す図である。
【図41】図40中の熱処理工程における温度制御プロ
グラムを示す図である。
【図42】(A),(B)は、図40の工程で製造され
た強誘電体キャパシタにおける下側電極中の元素分布
を、従来の方法で製造された強誘電体キャパシタのもの
と比較して示す図である。
【図43】(A),(B)は、図40の工程で製造され
た強誘電体キャパシタにおける強誘電体膜のX線回折パ
ターンを、従来の方法で製造された強誘電体キャパシタ
のものと比較して示す図である。
【符号の説明】
11,31,51 基板 30 強誘電体キャパシタ 32 SiO2 膜 33 下側電極層 33A 下側電極パターン 34 強誘電体膜 35 上側電極層 35A 上側電極パターン 52 フィールド酸化膜 53 ゲート絶縁膜 54 ゲート電極 55,56 拡散領域 57 CVD絶縁膜 58 ビット線電極 59,70 層間絶縁膜 60 コンタクトホール 61 ポリシリコン膜 62 ポリシリコンプラグ 63 Pt/Ti膜 64 PLZT膜 65 下側電極 66 強誘電体膜 67 絶縁膜 68 コンタクトホール 69 上側電極 71 配線パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 高井 一章 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 山内 英彰 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体キャパシタを有する半導体装置
    の製造方法において、 下側電極を形成する工程と、 前記下側電極上にペロブスカイト型構造を有する強誘電
    体膜を堆積する工程と、 前記強誘電体膜を酸化雰囲気中において熱処理し、結晶
    化する工程と、 前記結晶化工程の後、前記強誘電体膜上に上側電極を形
    成する工程とよりなり、 前記上側電極を形成する工程において、前記上側電極は
    酸化雰囲気中で形成されることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記上側電極を形成する工程は、Pt,
    Ir,Ru,IrO 2 あるいはRuO2 を前記強誘電体
    膜上にスパッタリングにより形成する工程を含むことを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ペロブスカイト型構造の強誘電体膜
    は、Pb(Zr,Ti)O3 または(Pb,La)Z
    r,Ti)O3 よりなることを特徴とする請求項1また
    は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 キャパシタを有する半導体装置の製造方
    法において、 下側電極を形成する工程と、 前記下側電極上にペロブスカイト型構造を有する誘電体
    膜を堆積する工程と、 前記誘電体膜を不活性雰囲気中において熱処理し、結晶
    化する工程と、 前記誘電体膜を、前記不活性雰囲気中の熱処理工程の
    後、酸化雰囲気中において熱処理する工程と、 前記酸化雰囲気中における熱処理工程の後、前記誘電体
    膜上に上側電極を形成する工程とよりなることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記不活性雰囲気中での熱処理工程は、
    400〜900°Cの範囲の温度において実行されるこ
    とを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ペロブスカイト型構造の誘電体膜
    は、Pb(Zr,Ti)O3 ,(Pb,La)(Zr,
    Ti)3 ,(Ba,Sr)TiO3 ,(Sr,Ba)T
    iO3 ,SrTiO3 よりなる群から選ばれることを特
    徴とする請求項4または5記載の半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記上側電極を形成する工程は、酸化雰
    囲気中で実行されることを特徴とする請求項4〜6のう
    ち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板と、前記基板上に形成されたメモリ
    セルトランジスタと、前記基板上に形成され、前記メモ
    リセルトランジスタ中の拡散領域と電気的にコンタクト
    するメモリセルキャパシタとよりなる半導体記憶装置に
    おいて、 前記メモリセルキャパシタは前記拡散領域と電気的にコ
    ンタクトする下側電極と、前記下側電極上に形成された
    ペロブスカイト型構造を有する誘電体キャパシタ膜と、
    前記誘電体キャパシタ膜上に形成された、Ptよりなる
    上側電極とよりなり、 前記上側電極は、前記上側電極を実質的に不活性雰囲気
    中で形成した場合に前記上側電極が示すスパッタエッチ
    ング速度よりも、実質的に低いスパッタエッチング速度
    を示すことを特徴とする半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 前記上側電極のスパッタエッチング速度
    は、前記上側電極を実質的に不活性雰囲気中で形成した
    場合に前記上側電極が示すスパッタエッチング速度より
    約1割低いスパッタエッチング速度を示すことを特徴と
    する請求項8記載の半導体記憶装置。
  10. 【請求項10】 キャパシタを有する半導体装置の製造
    方法において、 下側電極を形成する工程と、 前記下側電極上に高誘電体膜を堆積する工程と、 前記高誘電体膜を不活性雰囲気中において熱処理し、結
    晶化する工程と、 前記高誘電体膜を、前記不活性雰囲気中の熱処理工程の
    後、酸化雰囲気中において熱処理する工程と、 前記酸化雰囲気中における熱処理工程の後、前記高誘電
    体膜上に上側電極を形成する工程とよりなり、 前記酸化雰囲気中における熱処理は、前記下側電極が実
    質的に酸化しないような温度で実行されることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記結晶化工程に先立って、
    前記高誘電体膜を、酸化雰囲気中において、前記下側電
    極が酸化しないような温度で熱処理する工程を含むこと
    を特徴とする請求項10記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記高誘電体膜は、(Ba,Sr)T
    iO3 ,Ta2 5,SrTiO3 ,Pb(Zr,T
    i)O3 ,(Pb,La)(Zr,Ta)O3よりなる
    群より選択されることを特徴とする請求項10または1
    1記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記下側電極は、Pt,Ru,Ir,
    IrO2 ,RuO2,SrRuO3 ,WNよりなる群よ
    り選択されることを特徴とする請求項10〜12のう
    ち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 下側電極を形成する工程と、 前記下側電極上にペロブスカイト型構造を有する誘電体
    膜を堆積する工程と、 前記誘電体膜を不活性雰囲気中に保持し、熱処理温度ま
    で昇温する工程と、 前記誘電体膜を前記熱処理温度に保持し、前記不活性雰
    囲気を酸化雰囲気に切替える工程と、 前記誘電体膜を、前記酸化雰囲気中において熱処理する
    工程と、 前記酸化雰囲気中における熱処理工程の後、前記誘電体
    膜上に上側電極を形成する工程とよりなることを特徴と
    するキャパシタの製造方法。
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