JP3129118B2 - 加速度センサ - Google Patents

加速度センサ

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JP3129118B2
JP3129118B2 JP06247186A JP24718694A JP3129118B2 JP 3129118 B2 JP3129118 B2 JP 3129118B2 JP 06247186 A JP06247186 A JP 06247186A JP 24718694 A JP24718694 A JP 24718694A JP 3129118 B2 JP3129118 B2 JP 3129118B2
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子 貴 之 金
村 武 中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は加速度センサに関し、
特に、長さ方向に振動し2つのノード部分を有する振動
子を含む片持ち梁構造の加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の加速度センサの一例を示
す斜視図であり、図11はその側面図である。この加速
度センサ1は、長さ方向に振動する振動子2を含む。振
動子2は、たとえば短冊状の振動体3を含む。振動体3
の長手方向における中央から一端側の部分の両主面に
は、2つの圧電素子4aおよび4bが対向するように形
成される。同様に、振動体3の長手方向における中央か
ら他端側の部分の両主面にも、2つの圧電素子4cおよ
び4dが対向するように形成される。これらの圧電素子
4a〜4dは、それぞれ、圧電体層を含み、圧電体層の
両主面には、電極がそれぞれ形成される。そして、圧電
体層の一方の主面上の電極が振動体の主面に接着され
る。また、圧電素子4aおよび4bの圧電体層は、それ
ぞれ、外側から振動体3側に厚み方向に分極されてい
る。逆に、圧電素子4cおよび4dの圧電体層は、それ
ぞれ、振動体3側から外側に厚み方向に分極されてい
る。
【0003】振動子2の長手方向における一端側には、
2つの支持部材5が形成される。この場合、2つの支持
部材5は、振動体3の長手方向における一端側のノード
部分および端部から幅方向に延びて振動体3と一体的に
形成される。これらの支持部材5は、振動子2の一端側
のノード部分の近傍を強固に支持するためのものであ
る。
【0004】また、この振動子2の長手方向における他
端側には、たとえば突片状の2つの取付部材6が形成さ
れる。この場合、取付部材6は、振動体3の長手方向に
おける他端側のノード部分から幅方向に延びて振動体3
と一体的に形成される。そして、これらの取付部材6の
両主面には、溶接あるいははんだ付けによって、重り7
がそれぞれ取り付けられる。これらの重り7は、加速度
による振動体3の撓みを大きくするためのものである。
【0005】この加速度センサ1では、支持部材5を固
定することによって振動子2の一端側のノード部分の近
傍を強固に支持するとともに、4つの圧電素子4a〜4
bに同位相の駆動信号を印加すれば、振動体2が長さ方
向に振動する。この場合、圧電素子4aおよび4bと、
圧電素子4cおよび4dとは、互いに逆方向に分極され
ているので、互いに逆方向に変位する。そのため、振動
体3の長手方向における中央から一端側の部分が伸びる
ときには、振動体3の長手方向における中央から他端側
の部分が縮む。逆に、振動体3の長手方向における中央
から一端側の部分が縮むときには、振動体3の長手方向
における中央から他端側の部分が伸びる。また、この場
合、振動体3の長手方向における中央から一端側の部分
の伸縮量と、振動体3の長手方向における中央から他端
側の部分の伸縮量とが相殺されるので、振動体3の長手
方向における両端間の距離がほとんど変化しない。さら
に、この場合、振動体3は、圧電素子4aおよび4b間
の中央部分と圧電素子4cおよび4d間の中央部分とを
ノード部分として振動する。また、振動体3は、その長
手方向における両端部分を腹として振動する。
【0006】そして、振動子2の振動体3にその主面に
直交する方向に加速度を加えると、その加速度に応じて
振動体3が圧電素子4a〜4dとともに撓み、その撓み
に応じた電圧が圧電素子4a〜4dに発生する。そのた
め、圧電素子4a〜4dに発生する電圧のいずれかを測
定することによって、加速度を検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この加速度
センサ1では、振動子2が片持ち梁構造のため、振動子
2が屈曲振動の共振周波数を有し、その共振周波数で共
振する。そのため、圧電素子4a〜4dはその共振に応
じた起電力も発生し、その起電力は加速度の検出感度に
悪影響を及ぼしてしまう。
【0008】従来、そのような共振を防ぐためには、振
動子をシリコーンオイルなどで封止する方法があるが、
その方法には大変手間がかかってしまう。
【0009】それゆえに、この発明の主たる目的は、簡
単な構造で振動子の共振が抑制される、加速度センサを
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、長さ方向に
振動し2つのノード部分を有する振動子を含む片持ち梁
構造の加速度センサであって、振動子を一方のノード部
分の近傍で強固に支持するための支持部材と、振動子を
他方のノード部分の近傍で弾性的に支持するための弾性
部材とを含む、加速度センサである。
【0011】なお、この発明にかかる加速度センサで
は、振動子の他方のノード部分の近傍に重りが取り付け
られてもよい。また、この発明にかかる加速度センサに
用いられる弾性部材としては、たとえばゴムなどの弾性
材からなるものや、たとえばコイルばねや板ばねなどの
ばねが用いられる。
【0012】
【作用】振動子は、一方のノード部分の近傍で支持部材
で強固に支持され、他方のノード部分の近傍で弾性部材
で弾性的に支持される。そのため、振動子の共振は、弾
性部材で抑制される。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば、簡単な構造で振動子
の共振が抑制される、加速度センサが得られる。そのた
め、この発明にかかる加速度センサでは、加速度の検出
感度が改善される。
【0014】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す斜視図であ
り、図2はその正面図であり、図3はその側面図であ
る。この加速度センサ10は、長さ方向に振動する振動
子12を含む。
【0016】振動子12は、たとえば短冊状の振動体1
4を含む。振動体14は、たとえば、ニッケル,鉄,ク
ロム,チタン、あるいはそれらの合金たとえばエリン
バ,鉄−ニッケル合金などの恒弾性金属材料で形成され
る。なお、振動体14は、たとえば、石英,ガラス,水
晶,セラミックなどのように一般的に機械的な振動を生
じる金属以外の材料で形成されてもよい。
【0017】振動体14の長手方向における中央から一
端側の部分の両主面には、2つの圧電素子16aおよび
16bが対向するように形成される。一方の圧電素子1
6aは、たとえばセラミックからなる圧電体層18aを
含み、圧電体層18aの両主面には、電極20aおよび
22aがそれぞれ形成される。そして、電極20aが、
振動体14の一方の主面にたとえば接着剤で接着され
る。同様に、他方の圧電素子16bは、たとえばセラミ
ックからなる圧電体層18bを含み、圧電体層18bの
両主面には、電極20bおよび22bがそれぞれ形成さ
れる。そして、電極20bが、振動体14の他方の主面
にたとえば接着剤で接着される。また、これらの圧電素
子16aおよび16bの圧電体層18aおよび18b
は、電極22aおよび22bから電極20aおよび20
bに向かって、すなわち外側から振動体14側に向かっ
て厚み方向に分極されている。
【0018】さらに、振動体14の長手方向における中
央から他端側の部分の両主面には、2つの圧電素子16
cおよび16dが対向するように形成される。一方の圧
電素子16cは、たとえばセラミックからなる圧電体層
18cを含み、圧電体層18cの両主面には、電極20
cおよび22cがそれぞれ形成される。そして、電極2
0cが、振動体14の一方の主面にたとえば接着剤で接
着される。同様に、他方の圧電素子16dは、たとえば
セラミックからなる圧電体層18dを含み、圧電体層1
8dの両主面には、電極20dおよび22dがそれぞれ
形成される。そして、電極20dが、振動体14の他方
の主面にたとえば接着剤で接着される。また、これらの
圧電素子16cおよび16dの圧電体層18cおよび1
8dは、電極20cおよび20dから電極22cおよび
22dに向けて、すなわち振動体14側から外側に向か
って厚み方向に分極されている。
【0019】この振動子12は、圧電素子16a〜16
dに同位相の駆動信号を印加すれば、長さ方向に振動す
る。この場合、圧電素子16aおよび16bと、圧電素
子16cおよび16dとは、互いに逆方向に分極されて
いるので、互いに逆方向に変位する。そのため、図3の
実線の矢印で示すように、振動体14の長手方向におけ
る中央から一端側の部分が伸びるときには、振動体14
の長手方向における中央から他端側の部分が縮む。逆
に、図3に1点鎖線の矢印で示すように、振動体14の
長手方向における中央から一端側の部分が縮むときに
は、振動体14の長手方向における中央から他端側の部
分が伸びる。また、この場合、振動体14の長手方向に
おける中央から一端側の部分の伸縮量と、振動体14の
長手方向における中央から他端側の部分の伸縮量とが相
殺されるので、振動体14の長手方向における両端間の
距離がほとんど変化しない。さらに、この場合、振動体
14は、圧電素子16aおよび16b間の中央部分と圧
電素子16cおよび16d間の中央部分とをノード部分
として振動する。また、振動体14は、その長手方向に
おける両端部分を腹として振動する。
【0020】この振動子12の長手方向における一端側
には、2つの支持部材24が形成される。この場合、2
つの支持部材24は、振動体14の長手方向における一
端側のノード部分および端部から幅方向に延びて振動体
14と一体的に形成される。これらの支持部材24は、
振動子12の一端側のノード部分の近傍を強固に支持す
るためのものである。
【0021】また、この振動子12の長手方向における
他端側には、たとえば突片状の2つの取付部材26が形
成される。この場合、取付部材26は、振動体14の長
手方向における他端側のノード部分から幅方向に延びて
振動体14と一体的に形成される。そして、これらの取
付部材26の両主面には、溶接あるいははんだ付けによ
って、重り28がそれぞれ取り付けられる。これらの重
り28は、加速度による振動体14の撓みを大きくする
ためのものである。
【0022】さらに、2つの取付部材26には、それぞ
れ、下方の延びる支持片30がそれらの取付部材26と
一体的に形成される。そして、それらの支持片30の下
端には、それぞれ、弾性部材としてのたとえばブロック
状のゴムからなるダンパ32が取り付けられる。これら
のダンパ32は、振動子12の長手方向における他端側
のノード部分の近傍で振動子12を弾性的に支持するた
めのものである。
【0023】この加速度センサ10では、2つの支持部
材24を固定することによって振動子12の一端側のノ
ード部分の近傍を支持するとともに、4つの圧電素子1
6a〜16dに同位相の駆動信号を印加すれば、振動子
12は、図3の実線の矢印および1点鎖線の矢印で示す
ように、長さ方向に振動する。
【0024】そして、振動子12の振動体14にその主
面に直交する方向に加速度を加えると、その加速度に応
じて振動体14が圧電素子16a〜16dとともに撓
み、その撓みに応じた電圧が圧電素子16a〜16dに
発生する。そのため、圧電素子16a〜16dに発生す
る電圧のいずれかを測定することによって、加速度を検
出することができる。
【0025】また、この加速度センサ10では、振動子
12が、一方のノード部分の近傍で支持部材24で強固
に支持され、他方のノード部分の近傍で弾性部材として
のダンパ32で弾性的に支持される。そのため、振動子
12の共振が、ダンパ32で抑制される。したがって、
この加速度センサ10では、加速度を検出する感度が改
善される。
【0026】さらに、この加速度センサ10では、振動
子12のノード部分の近傍の取付部材26に重り28が
取り付けられているので、加速度による振動体14の撓
みが大きくて加速度の検出感度が大きいとともに、振動
子12の振動が、重り28にほとんど伝わらず重り28
で妨げられにくい。
【0027】図4はこの発明の他の実施例を示す斜視図
であり、図5はその正面図である。図4および図5に示
す実施例では、図1ないし図3に示す実施例と比べて、
支持片30およびダンパ32に代えて、2つの取付部材
26の下部には、それぞれ、弾性部材としてのコイルば
ね34が取り付けられる。これらのコイルばね34は、
振動子12の長手方向における他端側のノード部分の近
傍で振動子12を弾性的に支持するためのものである。
【0028】図4および図5に示す実施例でも、図1な
いし図3に示す実施例と同様に、振動子12が、一方の
ノード部分の近傍で支持部材24で強固に支持され、他
方のノード部分の近傍で弾性部材としてのコイルばね3
4で弾性的に支持される。そのため、振動子12の共振
が、コイルばね34で抑制され、加速度の検出感度が改
善される。なお、コイルばね34に代えて板ばねが用い
られても、同様の効果を奏する。
【0029】図6はこの発明のさらに他の実施例を示す
斜視図であり、図7はその正面図である。図6および図
7に示す実施例では、特に、2つの取付部材26および
重り28には、それぞれ、弾性部材としてのたとえば略
D字状のゴムからなるダンパ36が取り付けられる。こ
れらのダンパ36は、振動子12の長手方向における他
端側のノード部分の近傍で振動子12を弾性的に支持す
るためのものである。
【0030】図8はこの発明の別の実施例を示す斜視図
であり、図9はその側面図である。図8および図9に示
す実施例では、特に、2つの取付部材26および重り2
8には、それぞれ、弾性部材としてのたとえば大きいブ
ロック状のゴムからなるダンパ38が取り付けられる。
これらのダンパ38も、振動子12の長手方向における
他端側のノード部分の近傍で振動子12を弾性的に支持
するためのものである。
【0031】図6ないし図9に示す各実施例でも、振動
子12が、一方のノード部分の近傍で支持部材24で強
固に支持され、他方のノード部分の近傍で弾性部材とし
てのダンパ36あるいは38で弾性的に支持されるた
め、振動子12の共振が、ダンパ36あるいは38で抑
制され、加速度の検出感度が改善される。
【0032】なお、上述の各実施例では弾性部材として
ゴムからなるダンパやばねが用いられているが、この発
明にかかる加速度センサに用いられる弾性部材として
は、ゴム以外の弾性材が用いられてもよく、また、その
形状も任意に変更されてもよい。
【0033】また、上述の各実施例では、圧電素子16
aおよび16bに発生する電圧の差や圧電素子16cお
よび16dに発生する電圧の差を検出することによって
も、加速度を検出することができる。
【0034】さらに、上述の各実施例において、1以上
の圧電素子の圧電体層の分極方向を逆にするとともに、
分極方向を逆にした圧電素子に印加する駆動信号の位相
を逆にしてもよい。
【0035】なお、上述の各実施例において、振動子を
長さ方向に振動しているのは、振動子を長さ方向に振動
していると、振動子に加速度を加えた場合に振動子が大
きく撓み、加速度を検出する感度がよくなるからであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の正面図である。
【図3】図1に示す実施例の側面図である。
【図4】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】図4に示す実施例を正面図である。
【図6】この発明のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図7】図6に示す実施例の正面図である。
【図8】この発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図9】図8に示す実施例の側面図である。
【図10】従来の加速度センサの一例を示す斜視図であ
る。
【図11】図10に示す加速度センサの側面図である。
【符号の説明】
10 加速度センサ 12 振動子 14 振動体 14a 孔 16a〜16d 圧電素子 18a〜18d 圧電体層 20a〜20d,22a〜22d 電極 24 支持部材 26 取付部材 28 重り 30 支持片 32 ダンパ 34 コイルばね 36 ダンパ 38 ダンパ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に振動し2つのノード部分を有
    する振動子を含む片持ち梁構造の加速度センサであっ
    て、 前記振動子を一方のノード部分の近傍で強固に支持する
    ための支持部材、および前記振動子を他方のノード部分
    の近傍で弾性的に支持するための弾性部材を含む、加速
    度センサ。
  2. 【請求項2】 前記振動子の他方のノード部分の近傍に
    取り付けられる重りを含む、請求項1に記載の加速度セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、弾性材からなる、請求
    項1または請求項2に記載の加速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、ばねを含む、請求項1
    または請求項2に記載の加速度センサ。
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