JP3129084B2 - 耐火ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

耐火ケーブル及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビルや地下街等の高い安
全性が要求される場所に用いられる耐火ケーブル及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビルや地下街では火災時におけ
る安全対策として、スプリンクラ、水噴霧装置等の消火
設備や自動火災報知機、非常警告装置、誘導灯等の非難
誘導表示機器等の設置が義務付けされており、これら電
気設備には、難燃性及び耐火性に優れた耐火ケーブルが
使用されている。
【0003】このような従来の耐火ケーブルとしては、
例えば図1に示すように、導体1上に、ガラスマイカを
巻き付けて耐火層2を形成すると共に、その周囲にポリ
エチレン等のポリオレフィンからなる絶縁体3を形成
し、さらにその周囲に難燃性のシース4を被覆した構造
をしており、火災時の高熱から導体を保護して上記設備
を一定時間作動させると共に、ケーブルの燃焼による延
焼等を未然に防止するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、この
ような耐火ケーブルとしてはJIS−C−3005の6
0°傾斜試験に合格する程度の難燃性を備えたものが主
流を占めてきたが、最近ではビルの高層化、地下街の拡
大深層化に伴い、IEEE383の垂直トレイ燃焼試験
に合格する程度のさらに優れた難燃性を備えた耐火ケー
ブルが要求されるようになってきた。そして、このよう
な高難燃化を実現するためには、図示するようなシース
4の難燃性を向上させる必要がある。
【0005】しかしながら、このようにシース4を高難
燃化すると、逆にJIS−A1304に準じた耐火試
験、特に電線管用試験においてポリエチレンや架橋ポリ
エチレン等のポリオレフィンからなる絶縁体3が溶融落
下あるいは燃焼しずらくなってしまい、蒸し焼き状態を
経て炭化し、その結果、電気特性を大巾に悪化させて耐
電圧試験や絶縁抵抗の規格値を満足させることが困難に
なってくる。すなわち、シース4を高難燃化すること
で、実際の火災時における断線や延焼を防止することは
達成できるが、上述した理由により、電気特性が著しく
悪化し、ケーブルとしての一定時間本来の機能を維持す
ることが出来なくなってしまうといった新たな問題が生
じてくる。
【0006】そこで、本発明は上記の問題点を有効に解
決するために案出されたものであり、その主な目的は耐
火特性を大巾に向上させた新規な耐火ケーブル及びその
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般に、導体直上に形成
される耐火層を形成するガラスマイカは、耐火性に優れ
たガラス繊維にマイカをシリコーン接着剤で貼り合わせ
たものが用いられている。しかしながら、このガラスマ
イカには、ガラス繊維とマイカとの界面及び積層された
マイカとの間に多数の微小な空隙が生じており、この空
隙に絶縁体が火災時の高熱によって溶融、低分子量化し
て浸透した後炭化し、電気特性を著しく低下させること
になる。そこで、このような課題を解決するために鋭意
検討した結果、本発明の耐火ケーブルは、ガラスマイカ
に、シリコーンレジンとマイカ粉からなる無機化シリコ
ーンレジンを含浸させた耐火層を備えたものである。
【0008】このシリコーンレジンとは、 RX SiO4-X R:メチル基に代表される有機
基 x:1又は2 の平均式で表記され、D単位(R2 SiO2 )とT単位
(RSiO3 )を組み合わせた構成からなるものであ
り、さらに、この無機化シリコーンレジン中のT単位は
70wt%以上であることが必要である。そして、これ
らはトルエンやキシレンなどの溶媒に溶解されたワニス
状態とすることが好ましい。
【0009】一方、このシリコーンレジン添加するマイ
カ粉としては、例えばKAl2 (AlSi3 10)(O
H)2 、NaAl2 (AlSi3 10)(OH)2 、K
Mg3(AlSi3 10)(OH)2 、K(MgK(M
g,Fe)3 (AlSi3 10))、KLiAl(Si
4 10)F2 、KMg2.5 (Si4 10)F2 、KMg
2 Li(Si4 10)F2 等の化学式で示されるものが
挙げられる。
【0010】そして、このマイカ粉の添加量は特に規定
しないが硬化及び作業性の点からシリコーンレジン10
0重量部に対し30〜200重量部の範囲とするのが好
ましい。尚、シリコーンレジン単独あるいは、このシリ
コーンレジンにマイカ粉以外のフィラを添加した場合で
は、高温で脆くなり、また絶縁抵抗及び耐電圧の耐火特
性に対する効果が低く、特に、絶縁体線心数の少ないも
のや導体サイズの小さいものでは十分な耐火特性向上が
得られなくなる。
【0011】また、このような無機化シリコーンレジン
を含んだ耐火層の形成方法としては、無機化シリコーン
レジンをガラスマイカに塗布した後、これを導体上に巻
き付けるか、もしくは導体直上にガラスマイカを巻き付
けた後、ディピングなどの方法によりガラスマイカ上に
塗布する方法がある。
【0012】そして、図1に示すように、この耐火層2
の上にポリエチレン、架橋ポリエチレンなどの絶縁体3
を押出し被覆した後、さらに直接あるいは図2に示すよ
うに介在5、押えテープ6を介して難燃性のシース4を
被覆することで本発明の耐火ケーブルが得られる。
【0013】尚、絶縁体やシースを構成する樹脂組成物
としてはポリエチレンエチレン酢酸ビニルコポリマ、エ
チレンメチルアクリレートコポリマ、エチレンアクリレ
ートコポリマ、エチレンブテンコポリマ、エチレンプロ
ピレンコポリマ等のポリオレフィンが挙げられ、特に絶
縁体についてはポリエチレン、エチレンブテンコポリ
マ、エチレンプロピレンコポリマ等のポリオレフィンが
耐火特性の点から好ましい。さらに、これら樹脂組成物
には必要に応じて架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、滑剤
等を適宜添加してもよく、また、この樹脂組成物は電子
線やパーオキサイドで架橋してもよい。
【0014】
【作用】本発明は上述したように、ガラスマイカに無機
化シリコーンレジンを塗布することにより、その空隙に
無機化シリコーンレジンが浸透することとなるため、火
災時において溶融した絶縁体分解物が耐火層内に浸透し
て炭化することがなくなり、これに起因する電気特性の
低下が防止されてケーブルの耐火性が向上する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。
【0016】(実施例)先ず、図1に示すように、3.
4φの銅導体1上に、0.13mmのガラスマイカ(マ
イカ層の厚さ0.10mm)を1/5ラップで2枚巻き
した後、これを室温で表1に示すような組成からなるシ
リコーンレジン(シリコーンレジンA,シリコーンレジ
ンB)とマイカ粉からなる無機化シリコーンレジン溶液
に10秒間浸漬し、その後200℃,10分の条件で乾
燥して耐火層2を形成した。次に、このような耐火層2
上に50μm厚のポリエチレンテープを1/5ラップで
1枚巻き、その上に密度0.92の低密度ポリエチレン
を押出し被覆して絶縁体3を被覆した後、さらに、その
上に表2に示すような成分からなるシース4を1.5m
m厚で形成して表3に示すような3種類の試料ケーブル
(実施例1,2,3)を作製した。そして、これら試料
ケーブルについて垂直トレイ燃焼試験及び耐火性試験を
行い、それぞれの難燃性及び耐火性を評価した。尚、こ
の垂直トレイ燃焼試験としては、IEEE規格383に
準拠した垂直トレイ燃焼試験法を用い、長さ2.4mの
ケーブルを10本垂直に並べ、下端に70.000BT
U/hrの炎を20分間当てた。その後、炎を取り去
り、1.8m未満で自己消炎すれば合格、1.8m以上
延焼した場合には不合格とした。一方、耐火試験として
は、耐火・耐熱電線認定業務委員会で規定している管内
試験をJIS−A1304に定める火災温度曲線に従
い、各種試料ケーブルを30分間加熱し、30分後絶縁
抵抗測定および1500V/1分の耐電圧試験を行い、
後者については絶縁破壊しないものを合格、絶縁破壊し
たものは不合格とした。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】(比較例)表4に示すように、レジン処理
を施さないガラスマイカ、あるいは表1に示す組成のレ
ジン溶液(シリコンエチレンA単独、酢酸ビニルレジ
ン)を用いた他は実施例と同様な構成の試料ケーブル
(比較例1,2,3)を作製し、実施例と同様な方法で
それぞれの難燃性及び耐火性を評価した。
【0021】
【表4】
【0022】この結果、表5からも明らかなように、本
発明に係る実施例1〜3はいずれも優れた垂直トレイ試
験に合格する程度の優れた難燃性及び耐火特性を発揮し
た。これに対し、ガラスマイカにレジン処理を全く施さ
ない比較例1及び無機化シリコーンレジン以外のレジン
で処理した比較例2は、いずれも30分後の絶縁抵抗が
著しく低くいずれの耐電圧試験にも不合格となってしま
った。また、マイカ粉を添加しないレジンで処理した比
較例3では管内耐電圧試験ではある程度の絶縁抵抗を示
したが、露出耐電圧試験では不合格となってしまった。
【0023】
【表5】
【0024】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、特に優れ
た耐火特性を発揮するため、火災時における信頼性が向
上し、安全対策に大きく貢献することができる等といっ
た優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火ケーブルの一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明に係る耐火ケーブルの一実施例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 導体 2 耐火層 3 絶縁体 4 シース 5 介在 6 押えテープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫村 均 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (72)発明者 小林 一彦 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社日高工場内 (56)参考文献 特開 平5−239359(JP,A) 実開 昭58−71914(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/295 H01B 3/04 H01B 13/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に耐火層を形成すると共に、その
    周囲に絶縁体及びシースを被覆してなる耐火ケーブルに
    おいて、上記耐火層が、ガラスマイカに、シリコーンレ
    ジンとマイカ粉からなる無機化シリコーンレジンを含浸
    させてなることを特徴とする耐火ケーブル。
  2. 【請求項2】 上記無機化シリコーンレジンのT単位が
    70wt%以上であることを特徴とする請求項1記載の
    耐火ケーブル。
  3. 【請求項3】 導体上にガラスマイカを巻き付けた後、
    このガラスマイカにシリコーンレジンとマイカ粉からな
    る無機化シリコーンレジンを塗布し、乾燥させその後、
    その上に絶縁体及びシースを被覆することを特徴とする
    耐火ケーブルの製造方法。
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CN115160838B (zh) * 2022-09-02 2022-11-25 昀迪新能源科技(苏州)有限公司 一种防火涂料、制备方法及其在动力电池中的应用

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