JP3129048U - 装身具用止め具および装身具 - Google Patents
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Abstract
【課題】目論見通りの弾性力を持った弾性部材を設置できるとともに部品点数を減少させ、かつ組立作業性を向上させること。
【解決手段】止め具本体2と、止め具本体2の上部に設けられた第1の開口2bより挿入され、止め具本体内2の底部に設けられている弾性部材収納部6aに収納される弾性部材6と、止め具本体2の一方の端面に設けられている第2の開口2cより挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部8に固定される被挿入部材5と、被挿入部材5に挿入される係止部材3と、係止部材3に設けられている係止溝3cに係止するU字形係止部4aと弾性部材6に圧力を伝達する挿入部4cと外部からの圧力を直接受ける押釦金具4bとが一体的に形成されている押釦部4とを有し、弾性部材6は挿入部4cに挿入される入り口側が大きな外径で反対側は小さな外径となる形状をしている。
【選択図】図1
【解決手段】止め具本体2と、止め具本体2の上部に設けられた第1の開口2bより挿入され、止め具本体内2の底部に設けられている弾性部材収納部6aに収納される弾性部材6と、止め具本体2の一方の端面に設けられている第2の開口2cより挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部8に固定される被挿入部材5と、被挿入部材5に挿入される係止部材3と、係止部材3に設けられている係止溝3cに係止するU字形係止部4aと弾性部材6に圧力を伝達する挿入部4cと外部からの圧力を直接受ける押釦金具4bとが一体的に形成されている押釦部4とを有し、弾性部材6は挿入部4cに挿入される入り口側が大きな外径で反対側は小さな外径となる形状をしている。
【選択図】図1
Description
本考案は、ネックレス、ブレスレット等の装身具用の止め具およびそれを用いた装身具に関する。
従来のネックレス、ブレスレット等の紐状をした装身具用の止め具としては、リング状の形状をしたものや、ピン止め式や、止め具の端部を風車式の止め具で止めるような単純なものから、外筒に内筒を挿入し、外筒に止めたピンで外筒内に押し込んだ内筒を、ピンの端部が内筒に接触して収納するいわゆる鉄砲式のもの等多種多様なものが提案されている。
いわゆる鉄砲式の止め具は、止め具としては確実性が高いこともあり、また装飾性も比較的好ましいことから、高級品に使用されることが多い。鉄砲式の止め具としては、特許文献1に見られるように、止め金具本体は2体に分割し、係脱押釦をコイルバネが収容できるように中空状に形成し、コイルバネを受入部材の上方すなわち係脱押釦側で支持するものがある。
また、係止具の先端がバネ収容部材に収容されるような構成とする場合、特許文献2に示されるように、バネ収容部材に収容されているコイルバネの中空部分に、係止具の先端が収納されているものがある。
特開平9−182609号公報
実開平7−30730号公報
特許文献1に開示されている技術では、止め金具本体はケース本体とケース蓋の2体構造となっており、係脱押釦は、ケース本体の切り欠き部分で当接し、また係脱押釦と一体化されたU字形板は、その内側面が受入部材の側面で当接する構成となっている。
このため、このような構成を採用すると、コイルバネが内部に入れられた状態でケース本体とケース蓋が一体化されるため、その一体化の際の蝋付け時の熱で劣化しやすくなり、所定の弾性力を得られなくなる。また、部品点数が多くなりがちで、耐久性の面でも問題を生じがちとなっている。
特許文献2に開示されている技術では、U字形板のバネ収容部材に収容される部分は、ストレート状となっている。また、バネ収容部材内に配置されるコイルバネはすべて同一径を有している。さらに、バネ収容部材もコイルバネに合わせて同一内径のストレート状で、すべて同一の厚さとなっている。そして、コイルバネはバネ収容部材に予め挿入しておいて組立をする構成となっている。
このような構成にすると、小さな部品ではコイルバネがU字形板の先端から外れたり、バネ収容部材にうまく収納することができなかったりして、組み立て作業に格別の注意と集中が必要となり、作業効率が悪化する。また、わずかな製造誤差によってコイルバネの外径が相対的に大きくなり、バネ収容部材中に入らなくなることが生じがちとなる。また、この種の止め具を使用する際、使用者が係脱押釦を押圧するときには、押しすぎなどが生じ、バネ収容部材を破損させたり、コイルバネが外れたり、変形したりしてしまう等の問題が生じがちである。
本考案は、上述の課題を解決するためになされたものであり、目論見通りの弾性力を持った弾性部材を設置できるとともに部品点数を減少でき、かつ組立作業性を向上させることができる装身具用止め具およびそれを用いた装身具を提供することを目的とする。
本考案の装身具用止め具は、中空を有するように一体で形成されている止め具本体と、止め具本体の上部に設けられた第1の開口より挿入され、止め具本体内の底部に設けられている弾性部材収納部に収納される弾性部材と、止め具本体の一方の端面に設けられている第2の開口より挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部に固定される被挿入部材と、被挿入部材に挿入される係止部材と、係止部材に設けられている係止溝に係止するU字形係止部と弾性部材に圧力を伝達する挿入部と外部からの圧力を直接受ける押釦金具とが一体的に形成されている押釦部とを有し、弾性部材は挿入部に挿入される入り口側が大きな外径で反対側は小さな外径となるような形状をしていることを特徴としている。
このような構成にすると、弾性部材は弾性部材収納部に入りやすくなり、組立作業性が向上する。さらに、この構成の場合、コイルバネの材料径が同じであると、ばね指数が小さくなり、ばね定数が強くなる結果、強く押し込まれたときの耐荷重性を大きくできるので耐久性を向上させることができるとともに、押釦部の操作を安定して行うことができ、使い勝手が向上する。
また、弾性部材は、入り口側から反対側に行くに従い徐々に径が小さくなる円錐形状とされ、弾性部材が収納される弾性部材収納部は、止め具本体側が大きな肉厚の幅広部を有しかつ内径は弾性部材挿入側より小さくなっていることが好ましい。このような構成にすると、弾性部材を作成しやすくなるとともに、弾性部材収納部の強度が向上して破損する恐れが軽減され、耐久性が向上する。
さらに、本考案の装身具用止め具によれば、中空を有するように一体で形成されている止め具本体と、止め具本体の上部に設けられた第1の開口より挿入され、止め具本体内の底部に設けられている弾性部材収納部に収納される弾性部材と、止め具本体の一方の端面に設けられている第2の開口より挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部に固定される被挿入部材と、被挿入部材に挿入される係止部材と、係止部材に設けられている係止溝に係止するU字形係止部と弾性部材に圧力を伝達する挿入部と外部からの圧力を直接受ける押釦金具とが一体的に形成されている押釦部とを有し、挿入部はU字形係止部側に弾性部材の一部が入り込む弾性部材係止部を有している。
このような構成にすると、弾性部材を挿入部に確実に係止させることができるので、組立作業が容易になり、作業性が向上する。また、弾性部材が挿入部から外れにくくなり、安定した操作が可能となる。
さらにまた、本考案の装身具は、上述した装身具用止め具を留め具として用いている。これにより、装身具を安心して長時間使用できる。
本考案の装身具用止め具および装身具によれば、目論見通りの弾性力を持った弾性部材を設置できるとともに部品点数を減少でき、かつ組立作業性をすぐれたものとすることができる。
以下、本考案の各実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に開示する本考案の実施の形態は、装身具用止め具に関するものであり、その装身具用止め具を使用した装身具については、図1以外図示していないが、ネックレス等の装身具に各実施の形態で説明する装身具用止め具を採用することができる。
図1は、本考案の第1の実施の形態に係る装身具用止め具1の斜視図である。装身具用止め具1は、止め具本体2と、係止部材3と、挿入された係止部材3を係止したり解除したりするための外部からの加圧操作を行う押釦部4と、係止部材3が挿入される被挿入部材5(後述図示)とから主に構成される。ここで、図の外観となる部分には、係止部材3が被挿入部材5に挿入されるにあたって、挿入度合いを規制する係止片部3aと、この装身具用止め具1が装飾部材11例えばネックレスやブレスレットなどの本体に連結する取付部材2a1と、係止部材3が挿入される側とは反対側の外側面に一体的に配設され、装飾部材11と連結する取付部材2a2と、止め具本体2の側面に形成された装飾模様1aとが現れている。なお、この装飾模様1aとしては、絵模様や、凹凸を有する梨地模様や、筋目模様や、光沢のある研磨面ならびにそれらの組み合わせなどが含まれる。
この止め具本体2は、ロストワックス法で中空な形状に一体的に形成されている。このロストワックス法による成形工程は、図13で示すような工程にしたがって行われる。
まず、原型となるモデルを金属や石膏あるいは蝋等で製作する(ステップS11)。なお繰り返し使用可能なモデルを得るには、ステップS12を飛ばしてステップS13からステップS19までを予め行い、繰り返し使用可能な耐久性のある金属モデルとして以後のステップS12に供する。
次いで、ステップS11のモデルを用いて、金型またはゴム型を製作する(ステップS12)。金型とするか、ゴム型とするかは、対象とする製品の形状や大きさ等を考慮して任意に選択すればよい。この金型あるいはゴム型には、溶融した蝋材に耐えるとともに、変形しやすいが復元性があり、併せて弾性を有している有機の材料例えばプラスチックスやゴムで作った中子が別に設けられている。すなわち、この中子は、止め具本体2が所定の形状の中空となるような形状をしていて、蝋が固まったのち、中子を蝋型より取り出すときに、成形された蝋型を痛めることがないものである。この金型またはゴム型を用いてワックスを注入し、冷却後取り出してモデルと同形をしているワックス型を得るためのワックス型成形を行う(ステップS13)。なお、金属注入の効率を考慮して、蝋型すなわちワックス型を複数とすることが好ましいので、ツリー状に複数のワックス型を取り付けて以後の工程に供給すると良い。
ツリー状に形成されたワックス型のツリーの柱の部分は、湯口となるように突出させるようにして容器中に固定する。その後、例えば、エチルシリケートと石膏とを主に含む混合物を鋳型剤として注入し、鋳型剤コートを行う(ステップS14)。鋳型剤コートは、熟成、乾燥後、加熱して焼成もかねてワックス除去を行ない鋳型とする(ステップS15)。
ステップS15で、蝋材が除去されて空洞が形成されている鋳型剤を遠心機にとりつけ、上記の空洞に溶解金属を注湯する(ステップS16)。なお、遠心鋳造の他に、必要に応じて真空鋳造を行っても良い。溶湯金属が冷却固化した後、鋳型となっている外側の鋳型剤と中子に相当する鋳型剤を除去して成形物(止め具本体2の原形に相当)を得る(ステップS17)。その後、ゲートを切断して、一個ずつに分離しゲートの切断面を修正する(ステップS18)。さらに、成形物の表面を研磨して仕上げ、止め具本体2とする。なお、止め具本体2を、ラグビーボール状の形状としたのは、デザイン的な観点及び製造上の扱い易さからであって、他の形状、例えば角形であっても差し支えない。
次いで図2および図3を用いて、本考案の第1の実施の形態に係る装身具用止め具1の構造を説明する。
止め具本体2には、止め具本体2の下方底部に設けられ弾性部材6が収納されるスペースを有している円筒状の弾性部材収納部6aと、押釦部4が挿入されるよう止め具本体2の上面に設けられている第1の開口すなわち押釦金具挿入穴2bと、被挿入部材5が挿入される一方の側面に設けられている第2の開口すなわち側面開口2cと、被挿入部材5の端部が挿入・固定される側面開口2cと反対側内面に設けられた角形凹部となる固定部8と、装飾部材11(図示せず)と連結するように側面開口2cの反対側の外側面に設けられている取付部材2a2とが形成されている。この止め具2には、2つの開口のみ、すなわち押釦金具挿入穴2bと側面開口2cのみが形成されている。
押釦部4は、図2および図3(A)に示すように係止部材3の係止溝3cと係止嵌合する係止部材着脱部4dを有するU字形係止部4aと、U字形係止部4aと連結して外部からの圧力を直接受ける押釦金具4bと、弾性部材6に接して弾性部材6を押圧変形させたり弾性部材6からの反発力を受けとめたり伝達したりするT字状の突起形状をしている挿入部4cとで構成されている。この押釦部4は、上述の各構成部が金属部材で一体成形されたものとなっている。なお、押釦金具4bは、圧力が加えられてないときは、押釦金具4bの表面が止め具本体2の表面すなわち押釦金具挿入穴2bより突出するように構成されている。また、U字形係止部4aの図3(A)で下方部分は、挿入部4cの一部となっている。なお、挿入部4cの弾性部材6が挿入される部分を円柱状としても良い。
なお、図3(B)は、押釦部4の他の例を示す図で、図3(A)とは、挿入部4cの形状が異なっている。すなわち、この図3(B)に示す押釦部4は、同じ径からなるコイルスプリングである弾性部材6(図3(C)参照)または円錐形状のコイルスプリングである弾性部材60(図3(D)、(E)参照)が挿入される挿入部4cのT字形突起形状の根本側の部位に弾性部材係止部となる弾性部材係止凹部4c1が設けられている。この弾性部材係止凹部4c1には、挿入されている弾性部材6や錐形をしている弾性部材60の端部が入り込むことで引っ掛かることとなる。このように、弾性部材6,60は、弾性部材係止凹部4c1に係止されやすくなり、挿入部4cからより外れ難くなる。また、T字形の突起形状の先端は、垂直部分を極力なくし弾性部材6、60が挿入されやすく、かつ後述の弾性部材収納部6a、6a1に挿入されやすいように面取り部4c2が設けられている。
図3(C)、(D)、(E)は、弾性部材収納部6a、6a1と弾性部材6および錐形の弾性部材60を説明するための図である。図3(C)は、円筒状の弾性部材収納部6aが、同じ厚さで止め具本体2に直立するように設けられていて、その弾性部材収納部6aに収納されている弾性部材6も、円柱状となっている。このような円柱形状の弾性部材6は、市販されている弾性部材から、容易に選択・利用ができる利点がある。このような弾性部材6に、図3(A)や図3(B)に示す挿入部4cが、図3(D)は、円錐形状をしている弾性部材60が、円筒状の弾性部材収納部6aに収納されている様子を模式的に示した図である。この錐形の弾性部材60は、止め具本体2から離れた側の外径・内径とも、止め具本体2側の外径・内径より大きくなっている。
この弾性部材60は、挿入側が小径となっているので、弾性部材収納部6aに入れやすくなるとともに、弾性部材60や弾性部材収納部6aの製造誤差が多少生じた場合であっても、確実に弾性部材60を組み込むことができる。この弾性部材60に図3(A)に示す挿入部4cを入れるようにしても良いが、好ましくは図3(B)に示すような挿入部4cを入れる。図3(B)の挿入部4cの場合、大きい径側の端部が挿入部4cに設けられている弾性部材係止凹部4c1に係止される。この場合は、押釦部40に弾性部材60を係止してから用いるのに適している。
図3(E)は、図3(D)をさらに変形させた他の例を示す図で、止め具本体2に同じ厚さで直立するように設けられている円筒状の弾性部材収納部6aの代わりに、止め具本体2側の厚みが大きい幅広部6aa1となっていて、上方に行くに従い厚みが減少している円筒状の弾性部材収納部6a1を示している。なお、弾性部材収納部6a1の内側は、錐形の弾性部材60が密着・収納されるように、底部側すなわち止め具本体2側が狭くなっている。このような構成とすると、弾性部材収納部6a1は、てこの原理で、止め具本体2側から折れたりして破損することが少なくなり、弾性部材収納部6a1の強度が高いものとなる。また、錐形の弾性部材60が密着して収納されることが可能となるので、押釦部4のがたつきを減少させることができ、さらに先端側が細くなっているので組立時の挿入ズレが少なくなり、組立作業が容易になる。なお、図示してないが、図3(A)に示す押釦部4に弾性部材係止凹部4c1を設けるようにしても良い。また、弾性部材収納部6aとしては、内側面が同一内径で外側面が底部ほど大きくなるように幅広部を設けるようにしても良いし、止め具本体2側が内外とも広がった末広形状としても良い。
被挿入部材5は、図2および図3(F)に示すように、筒形状例えば開口側が円筒容器状で、奥側が四角形の形状をしており、開口側は挿入部材開口5aとなっている。被挿入部材5には、円筒容器状の奥側の内径より径大となるようなテーパー部7と、挿入部4cが出入可能となるように一部が削り取られている切り欠き部5cが設けられている。この切り欠き部5bを境にして開口側が円筒状の円筒部5cとなり、奥側が四角形状の角筒部5dとなる。
また、係止部材3には、図2および図3(G)に示すように、被挿入部材5に挿入される棒形状の係止部材本体3aと、係止部材本体3aの挿入度合いを規制する係止片部3bと、係止片部3bの外側に設けられた取付部材2a1と、U字形係止部4aの係止部材着脱部4dと係合する係止溝3cとが形成されている。
図2(A)に示すように、被挿入部材5の筒形状の底部すなわち挿入部材開口5aとの反対側の非開口となっている四角形状の底部5eは、止め具本体2に設けられた四角形状の固定部8にすっぽりと嵌め込まれる。しかし、止め具本体2をロストワックス法で作成することから、成型寸法がばらついて四角形状の固定部8に機械的に嵌合して脱落しないような寸法が得られない場合も起こりうる。このため固定部8に嵌め込まれる底部5eの軸方向外側の面である端面5fに接着剤例えば熱硬化型のエポキシ接着剤を塗布して固定するのが好ましい。この接着剤の塗布は、端面5fに加え、または端面5fに代えて底部5eの側面外周に施しても良い。
挿入部材開口5a側に設けられたテーパー部7は、奥側に行くほど内径が小さくなる円錐状の内部空間を形成するものであり、開口側に行くに従い肉薄となっているため容易に変形させることができる。したがって、例えばテーパー状の治具を挿入することによって、容易にこの肉薄の部分が広げられる。この実施の形態では、被挿入部材5は、止め具本体2に圧着されてカシメられ、機械的に固定される。したがって、被挿入部材5は、固定部8と挿入部材開口5aの2箇所で嵌合、固定されることになり、装身具用止め具1として、内部的ながたつきがない安定性の良いものとしている。なお、角筒部5dを設けず完全な筒状としても良い。
また、この被挿入部材5には、挿入部材開口5aより棒形状の係止部材3が挿入されている。係止部材3の係止溝3cと、押釦部4のU字形係止部4aの係止部材着脱部4dと、挿入部4cと、弾性部材収納部6a内の弾性部材6は一直線上の位置に配置されている。この結果、押釦部4の設置が容易となり、押釦部4の上下の動きがスムーズに可能となる。さらに、係止片部3bに設けられた取付片部2a1を、係止部材3の軸方向中心を中心として、ぐるぐると回転することが可能となるように構成すると、装身具用止め具1が回転することとなり、紐状やチェーン状の装飾部材11のよじれ等を防止し、使い勝手をより向上させることができる。
図2では、押釦部4と弾性部材6と弾性部材収納部6aの組み合わせを示しているが、弾性部材60、弾性部材収納部6a1等の1つまたは複数を混在させたり、代わりに使用したりしても良い。しかし、以下の説明では、特別な場合を除き、それらを代表するものとして、押釦部4、弾性部材6、弾性部材収納部6aを使用して説明する。
弾性部材収納部6aに収納された弾性部材6は、円形に巻かれたコイルスプリングとされている。なお、円形としたのは入手のし易いからであって、他の形状であっても弾性部材収納部6aに収納可能であれば差し支えない。弾性部材6の中央の空隙に挿入部4cの突出部が挿入されていて、さらに挿入部4cの一部を構成するU字形係止部4aの底部が弾性部材6の図2(A)の上端側に当接するようになっている。この結果、押釦金具4bが押されると、その圧力は、挿入部4cから弾性部材6に伝達される。なお、U字形係止部4aに代わりに、図示しないが底辺部に挿入部4cが設けられている角形の枠を予め作成しておいて、その枠の上辺部を押釦金具4bに固定したり、あるいは押釦部4として一体成形したりして用いるようにしても良い。
被挿入部材5に挿入される係止部材3には、上述したようにU字形係止部4aに係止される係止溝3cが設けられている。この係止溝3cによって、係止部材本体3aの径より小さい係止くびれ部3dが設けられている。係止部材3は、被挿入部材5の切り欠き部5bを通過してくるU字形係止部4aの内側底辺の係止部材着脱部4dと係合して係止される。押釦金具4bからの圧力が加えられていないときは、図2(A)に示すように、U字形係止部4aが弾性部材6で上方に押し上げられていて、U字形係止部4aの底辺の係止部材着脱部4dは係止溝3cと係合する。このため係止部材3が、被挿入部材5より簡単には抜け出ないこととなる。また、押釦金具4bに押圧する力が加えられると、弾性部材6の弾性力に抗してU字形係止部4aは下方に移動して、係止部材着脱部4dは、係止部材3の係止溝3cから外れることとなる。よって、取付部材2a1に引き出すように力を加えて引っ張ることにより、係止部材3を被挿入部材5から取り出すことができる。
挿入部4cは、弾性部材6の中空部分に挿入され、弾性部材6が押釦部4から脱落しないように予め嵌め込まれるような寸法になっている。すなわち、挿入部4cの突出部の外形寸法は、弾性部材6の内径寸法よりほんのわずか大きくされており、挿入部4cを弾性部材6に挿入する際、弾性部材6はわずかに拡径する。また、挿入部4cに予め嵌め込まれる弾性部材6は、挿入部4cとともに止め具本体2の底部に設けられている弾性部材収納部6aに挿入されるようになっている。この結果、弾性部材収納部6aが挿入部4cの垂直性をも維持することになって、押釦部4の挿入、嵌め込みの位置を安定させる。なお、上述の錐形の弾性部材60を用いると、弾性部材60の端部を弾性部材係止凹部4c1に係止させることになるので、弾性部材60が脱落することが極めて少なくなり、作業性を向上させることができる。
係止部材3は、係止部本体3aの径より小さい径となって形成されている係止溝3cを有するの他、先端には外面が曲線状でかつ円錐状の円錐先端3eが形成されている。この円錐先端部3eは、被挿入部材5の角筒部5dに入り込み部分である。被挿入部材5には、図3(F)に示すように、筒状の被挿入部材5の一部を切り欠いてある切り欠き部5bが設けられている。係止部材3が挿入部材開口5aより挿入されると、係止部材3の係止溝3cが切り欠き部5bで露出されるような位置関係になっている。この結果、切り欠き部5bを通して押釦部4の係止部材着脱部4dが係止部材3の係止溝3cと係合する。
この装身具用止め具1は、ロストワックス法で形成された開口が2つのみ設けられ、内部空間を有する止め具本体2を有しているので、弾性部材6を止め具本体2を形成してから組み込むことができる。そのため、弾性部材6に余分の熱が加わることがなく、品質劣化が生じない。また、弾性部材6の組み込みは、押釦部4の組み込みを行うことで自動的に達成されるので、組み込み作業が簡単となり効率化される。
また、この装身具用止め具1では、被挿入部材5の奥側が四角形状の角形部5dとなっているので、四角形状が固定部8にはまり込むと、被挿入部材5は、周方向に回転不能となり、位置決めが確実になる。また、切り欠き部5bを弾性部材6側に向けた状態で被挿入部材5を確実に停止させることができる。
また、装身具用止め具1は、止め具本体2、係止部材3、押釦部4、被挿入部材5、弾性部材6という極めて少ない部材数で形成されるため、組立時間の短縮が図れ、低コスト化が達成される。特に、弾性部材6の組み込みが押釦部4と同時に行われるので、一層組立の効率化が図れる。
次に、本考案の第2の実施の形態に係る装身具用止め具1Aを、図4を参照しながら説明する。なお、図4から図9までを参照しての説明では、便宜的に弾性部材6を用い、筒状のストレートな同一内外径またはこれと類似の形状をしている弾性部材収納部6aを用いて説明することとするが、上述したように本考案はこれに限定押されるものではない。この装身具用止め具1Aが上述の装身具用止め具1と異なるのは、T字形弾性部材押さえリング9を介して弾性部材6が押圧されるように構成されている点である。他の部分は同一であるので、主として相違点のみを説明するとともに、同一部材には同一符号を付して説明することとする。挿入部4cには、U字形係止部押さえツバ部4eが設けられている。
また、止め具本体2の底部に円筒形状の弾性部材収納部6aが配設され、その弾性部材収納部6a内には、スプリング状の弾性部材6が収納されている。このスプリング状の弾性部材6の中空の部分には、断面形状がT字形をしているT字形の弾性部材押さえリング9の垂直部分で筒形状となっている挿入案内部9aが挿入可能となっている。また、T字形の弾性部材押さえリング9の水平部分すなわちツバに相当する部分は、弾性部材収納部6a内にはまり込む径を有している。T字形の弾性部材押さえリング9の中央部分に設けられている挿入穴9a1に、押釦部4の挿入部4cが挿入されたとき、弾性部材6を押さえつけながら弾性部材収納部6a内にはまり込む。
U字形係止部4aの内面底部の係止部材着脱部4dには、係止部材3の係止溝3cが係合する。U字形係止部押さえツバ部4eは、押釦金具4bに圧力が加えられたとき、T字形の弾性部材押さえリング9のツバに相当する部分に当接するようになっている。すなわち、U字形係止部押さえツバ部4eは、T字形の弾性部材押さえリング9を介して弾性部材6に圧力が伝達可能となるように、挿入穴9a1より径大に構成されている。また、押釦金具4bは、椀状をしておりその内側底部にU字形係止部4aの脚状の端部が一体的に固定されている。
なお、押釦金具4bを図1の上側から見たとき楕円状となり、かつ全体形状を椀状としたのは、装身具用止め具1,1Aを軽量化するためと、U字形係止部4aを両腕内に被挿入部材5が入り込める位置に位置決めするためと、押釦金具挿入穴2bに椀状の立ち上がり部分が納まる際に、押釦金具4bががたつくことがないようにするためである。さらに、椀状としたことにより、装身具用止め具1、1Aの貴金属の使用量を節約することができる。したがって、椀状とする代わりに、適度の厚みを有する板状の部材を押釦金具4bとして用いることも可能である。またなお図示しないが、U字形係止部押さえツバ部4eを省略して、挿入部4cの一部を構成するU字形係止部4aの底部で弾性部材押さえリング9を押圧するようにしても良い。挿入部4cは、小径の円柱形状で図示してあるが図3(A)に示すような形状としたり、U字形係止部4aの短い方の横幅より大きな径の円柱形状としたりしても良い。
次に図5を参照しながら、本考案の第3の実施の形態に係る装身具用止め具1Bを説明する。装身具用止め具1Bが、装身具用止め具1及び1Aと異なる点は、T字形の弾性部材押さえリング9の代わりに、平板形状で、中央部に挿入穴が設けられている弾性部材押さえリング9bが用いられている点と、被挿入部材51の全体全てが円柱形状で、かつ底部5e側が空洞となっていない点である。
すなわち、第1の相違点である弾性部材押さえリング9bは、上述のT字形の弾性部材押さえリング9と同様に弾性部材収納部6aにはまり込むような径を有していて、押釦部4の挿入部4cが挿入されたとき、弾性部材6を押さえつけることが可能となっている。このような構成とすると、T字形弾性部材押さえリング9より簡単に製造することができたり、市販のリング状のものを採用できたりする。なお、本実施の形態では、U字形係止部押さえツバ部4eを設けてあるが、上述の装身具止め具1A同様に省略することができる。
第2の相違点の被挿入部材51は、角筒部5dを有しないもので、円筒部5cが底部5eまで続いているものである。そして、係止部材3の円錐状の先端とはまり合う円錐凹部51aが設けられている。なお、この実施の形態では、係止部材3の円錐先端部3eと係止溝3cとの間に、円柱部が長く設けられているが、第1の実施の形態のようにこの円柱部をほとんど設けないようにしても良い。また、挿入部4cは、図3(A)、(B)に示すような角形の形状としたり、後述する図7(A)、(B)や図8(A)、(B)のような形状としたり、またU字形係止部押さえツバ部4eの下方に弾性部材係止凹部4c1を設けるようにしても良い。
図6は、本考案の第4の実施の形態に係る装身具用止め具1Cの、押釦部4と弾性部材6と弾性部材収納部6aとの関係を示す部分斜視図である。
この装身具用止め具1Cが上述の装身具用止め具1A及び1Bと異なるのは、上述の各弾性部材押さえリング9、9bを用いていない点である。すなわち、図6(A)の斜視図で示すように、押釦部4の挿入部4cに設けられているU字形係止部押さえツバ部4eが、弾性部材収納部6aにはまり込むような径を有していて、弾性部材収納部6aにはまり込んだとき、弾性部材6に直接圧力を伝達するようになっている。このようにすることにより、部品点数を少なくすることが可能となる。なお、図6(B)は、上述したように押釦部4が、弾性部材収納部6aにはまり込んで、弾性部材6を押圧している様子を示す部分斜視図である。
なお、装身具用止め具1A、1B、1CのU字形係止部押さえツバ部4eは、帽子の庇状としてあるが、突起状の形状として部分的に配置するようにしても良い。また、この第4の実施の形態では、便宜的に弾性部材6が予め弾性部材収納部6aに収納されているように図示してあるが、挿入部4cの径と弾性部材6の中空の穴径とは、挿入部4cにはまり込んで簡単に脱落しないようにしておき、予め挿入部4cに係合させて用いるようにしても良い。さらにまた、弾性部材6をU字形係止部押さえツバ部4eに引っ掛けるようにして用いても良い。この場合、U字形係止部押さえツバ部4eが弾性部材収納部6aに度当たりして挿入度合いを規制するようにしても良いし、また弾性部材収納部6aの内径に内に入り込んで、挿入部4cの一部を構成するU字形係止部4aの底面で度当たりするようにしても良い。
図7は、本考案の第5の実施の形態に係る装身具用止め具1Dの、挿入部4cと弾性部材収納部6aとの関係を説明する部分斜視図である。
装身具用止め具1Dが、装身具用止め具1、1A、1B及び1Cと異なる点は、挿入部4cが円柱状で、弾性部材6の中空部分に挿入され、U字形係止部4aの底部が弾性部材6に当接しかつ押さえるようになっている点である。
図7(A)は、上述の挿入部4cと弾性部材収納部6aとの関係を説明する図である。すなわち、弾性部材6は、弾性部材収納部6aの長さ(深さ)より十分な長さを有するように構成されていて、弾性部材収納部6aの上面より突出するような長さになっていて、上述のようにU字形係止部4aの底部と圧接する。なお、便宜的に弾性部材6が予め弾性部材収納部6aに収納されているように図示してあるが、挿入部4cの径と弾性部材6の中空の穴径とは、挿入部4cにはまり込んで簡単に脱落しないように構成するのが好ましい。このようにすることにより、挿入部4cに嵌め込まれて係止された状態で、弾性部材収納部6aに挿入することができる。
図7(B)は、挿入部4cの底部に弾性部材係止凹部4c1を設けたものである。このように構成することにより、弾性部材6の上端部は、この弾性部材係止凹部4c1に入り込み係止されて脱落する危険性が極めて少なくなる。また、図7(C)は、弾性部材6が挿入部4cのU字形係止部4aの底辺部分で押圧されている様子を説明する図である。このような構成にすると、押釦部4の構成が単純になるので、製造が簡単になるとともに部品点数も少なくて済む。
図8は、本考案の第6の実施の形態に係る装身具用止め具1Eの押釦部4と弾性部材6と弾性部材収納部6aとの関係を示す部分斜視図である。
この装身具用止め具1Eが上述の各装身具用止め具と異なる点は、押釦部4の挿入部4cが円錐形状をしていることである。図8(A)に示すように、この円錐形状をしている挿入部4のU字形係止部4aの側は、弾性部材収納部6aの内径より太くなっていて、弾性部材収納部6aとの突き当たりと弾性部材6を係止する役割も果たしており、挿入度合いを規制するようになっている。弾性部材6の中空の部分より細くなっている挿入部4cの先端側が弾性部材6の中空の部分に挿入されると、その円錐形状の挿入部4cの側面が弾性部材6と接触して、弾性部材6を加圧変形させる。したがって、押釦部4すなわちU字形係止部4aを上下に移動させると、係止部材3(図示せず)を係止したり、解除したりすることができる。
また、図8(B)に示すように、挿入部4のU字形係止部4a側に弾性部材係止凹部4c1を設けて、この弾性部材係止凹部4c1に弾性部材6の端部を係止させるようにして弾性部材6が挿入部4cから外れにくくするようにしても良い。この場合、上述のように挿入部4cの側面で挿入度合いを規制することができる。
図9は、本考案の上述の各実施の形態に係る弾性部材収納部6aの他の例である弾性部材収納部6A、6Bを示す部分斜視図である。なお、図9においても上述したように、便宜的に弾性部材6は、同一の径を有する円筒形状で図示したものを用いて説明する。なお、弾性部材は、図3(D)、(E)に示すような錐形の弾性部材60を用いることが可能であり、さらに後述する弧状収納部材6bおよび柱状収納部材6cの止め具本体2側に幅広部6aa1を設けて、錐形の弾性部材60が挿入されやすいようにしたり、弧状収納部材6bや柱状収納部材6cの強度を向上させたりすることも可能である。
図9(A)は、弾性部材収納部6Aの部分斜視図で、円筒形状の筒の周方向の一部が切除された状態の弧状収納部材6bが、弾性部材6を囲むように間隔を持って円形状に複数配設されている。図9(A)では、弧状収納部材6bが3つ配置されているが、2つとしたり、4つとしたりしても良い。その配設によって生じた中央部分の空間に弾性部材6が投入される。押釦部4としては、上述の各実施の形態のものを任意に採用することができる。また、図9(B)は、弾性部材収納部6Bの部分斜視図で、弾性部材収納部6Aの弧状収納部材6bの代わりに、棒状収納部材6cが、円形を形成するような位置に複数配置され、その中央部分の空間に弾性部材6が投入される。押釦部4の適用については、上述の弾性部材収納部6Aと同様に、各実施の形態のものを適宜選択採用することができる。
図10は、本考案の上述の各装身具用止め具に用いる他の係止部材3A、3Bを示す断面図で、取付部材2aが回転可能となるようにするものである。
図10(A)は、係止部材3Aの断面図で、被挿入部材5への挿入度合いを規制する係止片部3bを説明するための図である。係止片部3bの端部には、回転球収納凹部3b2が設けられている。この回転球収納凹部3b2には、取付部材2aに固着された球形状の回転球部3b1が収納、嵌合される。この回転球部3b1が、回転球収納凹部3b2内で回転することにより、紐状の装身具例えばネックレスやチェーンなどがよじれて絡み合うのを防止する働きを果たすこととなる。この回転球収納凹部3b2に回転球部3b1を組み込むには、係止片部3bを回転させておいて、回転球部3b1を押し当てて熱押し込みすることで達成できる。必要に応じ、回転球収納凹部3b2の入り口を変形させて狭くすれば、収納具合の信頼度はさらに向上する。
図10(B)は、係止部材3Bが係止部材挿入部材5へ挿入される挿入度合いを規制する係止片部3bを説明するための断面図である。取付部材2a1には蓋状の回転カバー部3b3が固着されている。その回転カバー部3b3の内面の縁側の位置に回転凸部3b4が設けられていて、係止片部3bに設けられた回転溝部3b5と回転可能に嵌合されている。このように構成することにより、係止部材3Bと同様に、紐状の装身具例えばネックレスやチェーンなどのよじれて絡み合うのを防止する働きを果たすこととなる。なお、係止片部3bと回転カバー部3b3とを組み合わせるには、上述の係止部材3Aと同様に熱押し込みで嵌め込んだり、外側から押圧して絞るようにしたりして変形させて嵌合させるようにすると良い。
図11は、本考案の装身具用止め具1、1A、1B、1C、1D、1Eの組立工程を例示的に説明する工程図である。なお、図11は、代表例として装身具用止め具1を用いて説明している。
被挿入部材5と係止部材3とは、それぞれ機械加工で別個に製造されており、止め具本体2と押釦部4とは、それぞれロストワックス法で別個に作成されている。別に加工された錐形の弾性部材6をU字形係止部4aの下方(底部側)の挿入部4cに嵌め込む(ステップS21)。なお、押釦部4に弾性部材係止凹部4c1を有するものを使用したときは、弾性部材6,60(図示せず、以下同じ)の端部を弾性部材係止凹部4c1に係止させる。次いで、弾性部材6,60付きの押釦部4を第1の開口である押釦金具挿入穴2bより挿入し、弾性部材6,60を弾性部材収納部6a、6a1(図示せず)に挿入されるように押し込む。このときまたはその後、被挿入部材5を挿入しやすくするために、弾性部材6,60の上端を止め具本体2の側面開口2cと固定部8の下方の面、すなわち図示してあるA−A’面より下方に位置するように押釦部4を押しつける(ステップS22)。なお、押釦部4は、押釦金具4bと挿入部4cを有するU字形係止部4aとが一体成形されたものではなく、別個にそれぞれ作成されたものを溶接して用いても良い。
その後、押釦金具4bを押圧して押釦部4を下方に押し下げたままで、第2の開口である側面開口2cより、U字形係止部4aのU字形の内部を通過させて、被挿入部材5を挿入する。止め具本体2の固定部8に挿入される被挿入部材5の挿入部材開口5aの反対側の端部、すなわち底部5e側の被挿入部材端面5fには接着剤が塗布されてあり、接着剤が塗布された被挿入部材5は、底部5eが固定部8にはまり込むようになっていて、固定部8で接着、固定される。接着剤が乾燥したら、テーパー部7を側面開口2cの径一杯になるように拡大させ、機械的にカシメ、止め具本体2の側面開口2cに固定させる。これにより、被挿入部材5は固定部8と側面開口2cとで固定される(ステップS23)。
このステップS23によって、止め具本体2側と、係止部材3の2部材となり、その後は、取り付け部材2a2に装身具11の本体の一端を取り付け、係止部材3の取り付け部材2a1に装身具の本体の他端を取り付けることで装身具が完成する。
なお、装身具用止め具1として扱う際には、係止部材3を止め具本体2側で一体化させた方が好ましい。この一体化は、係止部材3を挿入部材開口5aより挿入することで行う。この挿入の際は、押釦金具4bの圧力を解除して、係止部材3の係止溝3cと係止部材着脱部4dとを係合させることで、一体化された装身具用止め具1を完成させる(ステップS24)。
各実施の形態で説明した材料や加工方法の選択は、装飾性と加工の容易性を考慮して決定することが好ましい。したがって、止め具本体2や押釦部4すなわちU字形係止部4aや押釦金具4bのような複雑な形状をしている部材は、ロストワックス法を用いて加工するのが適している。このロストワックスに用いる金属には、純銀または耐食性銀合金、純金または金合金、純プラチナまたはプラチナ合金であり、必要に応じパラジュウム、チタン、ゲルマニウムなどを添加した各種の合金を用いることができる。
また、係止部材3および被挿入部材5は、加工性の面から自動旋盤で加工するのが好ましい。係止部材3や被挿入部材5は、加工性すなわち切削加工による精度の得やすさと、係止部材3が被挿入部材5に数多く挿入、取り出しを繰り返されることになるので、変形しにくい強度や、挿入、取り出しに耐えるような耐摩耗性、さらに止め具本体2の外観すなわち色調とのバランスを考慮して、ニッケル・亜鉛合金である洋白を用いると良い。また、洋白では、必要とあれば仕上げのめっき加工も容易に施すことができるので、止め具本体2や押釦部4の色調を容易に統一させることが可能となる。
上述した各実施の形態は、本考案の好適な実施例であるが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施できる。例えば、上述の各実施の形態では、弾性部材6や錐形の弾性部材60を押釦部4に係止させてから、弾性部材6または錐形の弾性部材60付きの押釦部4を第1の開口から挿入しているが、まず弾性部材6または錐形の弾性部材60を第1の開口から差し入れて、弾性部材収納部6aまたは弾性部材収納部6a1に入れ、その後、押釦部4を第1の開口から挿入するようにしても良い。
また、止め具本体2は、ラグビーボール状の球体であるが、完全な球体としたり、立方体や直方体としたり、あるいは多面体等の他の形状としたりしても良い。いずれにしても、止め具本体2は、複数部材からなるものではなく、1部材から構成されるものであれば、どのような形状としても良い。このように、止め具本体2が1部材から構成されると、上述した弾性部材6または錐形の弾性部材60の品質劣化防止や、部品点数減少などの効果に加え、外観がきれいとなり、しかも装飾模様1aを着け易いものとなる。
また、各実施の形態では、止め具本体2の開口を2つのみとしたが、取り付け部材2a2側にも開口を設け、3つの開口としたり、その他の箇所にも設け、4つ以上の開口を有するものとしたりしても良い。さらに、被挿入部材5は、挿入部材開口5aと、切り欠き部5bの2つの開口を持ったものしたが、底部5eにも開口を設け3つとしたり、さらに、角筒部5dの側面に小さい開口を多数設けるようにしたりしても良い。このように構成すると、被挿入部材5の軽量化が達成される。
また、各実施の形態で、弾性部材6および錐形の弾性部材60として円形状の金属製のコイルバネを示したが、金属製の皿バネとしたり、ゴム部材やプラスチック部材からなる弾性部材としたりしても良いし、弾性部材収納部6aの内径形状を円形以外の楕円形状や多角形状とし、この形状に合致するような弾性部材を用いるようにしても良い。また、弾性部材としてコイルバネを採用した場合、錐状ではなく上部側を大径のコイルバネとして下部側を小径のコイルバネとし、その両端をつなぐ部分を錐状のコイルバネとした形状としたり、上部側を同一径のコイルバネとし、下部側を円錐状のコイルバネとなる形状としても良い。さらに、押釦金具4bを楕円形でなく円形状としたり、角形としたりしても良い。さらにまた、U字形係止部4aの代わりに、U字形の一方の腕部をなくした釣り針様の係止部としても良い。また、挿入部4cの軸方向に対して直角方向の断面形状は、楕円形状としたり角形としたりすることも可能である。
押釦部としては、図12に示す押釦部4Aとしても良い。この押釦部4Aは、図12(A)の正面側から見た図および(B)の側面側から見た図で示すように、弾性部材6(図示せず、以下同じ),60を係止するところの、すなわち弾性部材6,60の端部が入り込む部分を凹部形状とするのではなく、段部形状としたものである。U字形係止部4aの底となる係止部材着脱部4dの下面中央に円柱形で先端が円錐状の挿入部4cを設けている。この挿入部4cの外径が係止部材着脱部4dの幅より大きくされているため、両者の間に段部4fが発生している。また、挿入部4cの先端は、円錐状とされている。
弾性部材6,60は、その上端の通常時の開口径が、挿入部4cの最大外径よりわずかに小さくされており、挿入部4cを弾性部材6,60に強引に入れると、その開口は広がり、その上端の一部は、段部4fを過ぎると、図12(A)、(B)に示すように、縮径し段部4fに係止される。図12(C)は、図12(A)に対応する図で、図12(A)、(B)の変形例を示す。この変形例は、側面から見た図は図12(B)と同様になる。すなわち、この変形例の挿入部4cは、図12(C)で示すように正面側をストレート状で先端が円錐状となり、側面側は、図12(B)に示すような輪郭の側面形状であって、側面側の段部4fをなくし、正面側にのみに段部4fを設けるような形状となっている。なお、挿入部4cの長さも必要に応じ長くしたり短くしたりしても良いし、先端の形状も尖らせたり平面状としたりすることもできる。
1、1A、1B、1C、1D、1E 装身具用止め具
2 止め具本体
2b 押釦挿入穴(第1の開口)
2c 側面開口(第2の開口)
3 係止部材
3c 係止溝
4、4A 押釦部
4a U字形係止部
4b 押釦金具
4c 挿入部
4c1 弾性部材係止凹部(弾性部材係止部)
4e U字形係止部押さえツバ部
5 被挿入部材
6、60 弾性部材
6a、6a1 弾性部材収納部
6aa1 幅広部
8 固定部
2 止め具本体
2b 押釦挿入穴(第1の開口)
2c 側面開口(第2の開口)
3 係止部材
3c 係止溝
4、4A 押釦部
4a U字形係止部
4b 押釦金具
4c 挿入部
4c1 弾性部材係止凹部(弾性部材係止部)
4e U字形係止部押さえツバ部
5 被挿入部材
6、60 弾性部材
6a、6a1 弾性部材収納部
6aa1 幅広部
8 固定部
Claims (4)
- 中空を有するように一体で形成されている止め具本体と、上記止め具本体の上部に設けられた第1の開口より挿入され、上記止め具本体内の底部に設けられている弾性部材収納部に収納される弾性部材と、上記止め具本体の一方の端面に設けられている第2の開口より挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部に固定される被挿入部材と、上記被挿入部材に挿入される係止部材と、上記係止部材に設けられている係止溝に係止するU字形係止部と上記弾性部材に圧力を伝達する挿入部と外部からの圧力を直接受ける押釦金具とが一体的に形成されている押釦部とを有し、上記弾性部材は上記挿入部に挿入される入り口側が大きな外径で反対側は小さな外径となるような形状をしていることを特徴とする装身具用止め具。
- 前記弾性部材は、前記入り口側から反対側に行くに従い徐々に径が小さくなる円錐形状とされ、前記弾性部材が収納される前記弾性部材収納部は、前記止め具本体側が大きな肉厚の幅広部を有しかつ内径は弾性部材挿入側より小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の装身具用止め具。
- 中空を有するように一体で形成されている止め具本体と、上記止め具本体の上部に設けられた第1の開口より挿入され、上記止め具本体内の底部に設けられている弾性部材収納部に収納される弾性部材と、上記止め具本体の一方の端面に設けられている第2の開口より挿入されかつ他方の端面内部に設けられた固定部に固定される被挿入部材と、上記被挿入部材に挿入される係止部材と、上記係止部材に設けられている係止溝に係止するU字形係止部と上記弾性部材に圧力を伝達する挿入部と外部からの圧力を直接受ける押釦金具とが一体的に形成されている押釦部とを有し、前記挿入部はU字形係止部側に前記弾性部材の一部が入り込む弾性部材係止部を有していることを特徴とする装身具用止め具。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の装身具用止め具を留め具として用いていることを特徴とする装身具。
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