JP3129021B2 - ポリシランオリゴマーの製造方法 - Google Patents

ポリシランオリゴマーの製造方法

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JP3129021B2 JP05081227A JP8122793A JP3129021B2 JP 3129021 B2 JP3129021 B2 JP 3129021B2 JP 05081227 A JP05081227 A JP 05081227A JP 8122793 A JP8122793 A JP 8122793A JP 3129021 B2 JP3129021 B2 JP 3129021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電材料の合成中間体
等として有用なポリシランオリゴマーを工業的に有利に
合成することができるポリシランオリゴマーの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
珪素原子数が3〜5のオリゴシランは下記反応式で示さ
れるように原料クロルシランをアルカリ金属触媒の存在
下に反応させるという反応ルートで製造されていた(W
est,R.,Organometallic Syn
theses,1988,4,506〜597)。
【0003】
【化3】
【0004】しかしながら、上記反応では原料のクロル
シラン中のクロル量と当モルのアルカリ金属を使用する
必要があるため、厳密に水分を遮断しなければならず操
作が非常に煩雑であるという欠点があった。しかも特に
末端にSiH基を有するオリゴシランを合成する際に
は、出発原料として使用するジメチルクロルシランのS
i−H基が上記反応の途中で分解し易く、このため目的
とするオリゴシランの収量が低下するという欠点を有し
ていた。
【0005】また、Kumadaらは、テトラメチルジ
シランがPtCl2(PEt32の存在下で再配列反応
が起こることを報告している(J.Organomet
al.Chem.,23(1970)C7−C8)。し
かし、この方法は反応条件も封管中18時間加熱すると
いう苛酷な条件を採用しており、工業的に問題がある。
【0006】従って、ポリシランオリゴマーの工業的に
有利な製造方法の開発が望まれていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ポリシランオリゴマーを簡単な操作で、かつ収率良く合
成することができるポリシランオリゴマーの製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記構造式
(1)で示されるジシランを第VIII族遷移金属錯体
触媒の存在下に反応させることにより、水分遮断といっ
た煩雑な操作を行うことなく比較的簡単な操作で、しか
も温和な反応条件の下、収率良く下記構造式(2)で示
される末端にSiH基を有するポリシランオリゴマーを
製造できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
【化4】 (但し、式中R1〜R4はそれぞれ互に同一又は異種の一
価炭化水素基であるが、R1〜R4の少なくとも一つはア
リール基である。以下、同様。)
【0010】
【化5】 (但し、n,mは1以上の整数で、n+mは3,4,5
又は6である。)
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のポリシランオリゴマーの製造方法において
出発原料として使用するジシランは、下記一般式(1)
で示されるものである。
【0012】
【化6】
【0013】ここで、式中R1〜R4はそれぞれ互に同一
又は異種の一価炭化水素基であり、特に炭素数1〜12
の1価のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基などであることが好ましく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、
ナフチル基等が挙げられる。この場合、R1〜R4の少な
くとも一つはアリール基である必要がある。なお、この
ように式(1)中のR1〜R4の少なくとも一つがフェニ
ル基、トリル基等のアリール基であるものは、オリゴシ
ラン間での沸点差が大きくなり、トリシラン、テトラシ
ラン、ペンタシランの分離が容易で目的のジシランを高
収率で得ることが可能である。
【0014】上記ジシランとしては、特に式(1)にお
いてR1=R3、R2=R4である下記式(1a)で示され
るものが好適に用いられる。
【0015】
【化7】 (但し、式中R1,R2は一価炭化水素基であるが、
1,R2の少なくとも一方はアリール基である。)
【0016】このような式(1)のジシランとして具体
的には、1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシラ
ン、1,3−ジエチル−1,3−ジフェニルジシラン、
1,1,3,3−テトラフェニルジシラン等が例示され
る。
【0017】上記ジシランを合成する際は、例えば相当
するクロルシランにアルカリ金属、例えばナトリウム、
リチウム等を反応させて脱塩させることにより容易に得
ることができる(下記反応式参照)。
【0018】
【化8】
【0019】この場合、クロルシランとアルカリ金属と
の反応条件は適宜調整することができるが、両化合物を
モル比で1対1.1程度の割合で使用し、Naの場合は
トルエン溶剤を使用し100〜120℃で0.5〜5時
間、Liの場合はジエチルエーテル、THFのような極
性溶媒を使用し−76〜25℃で0.5〜16時間反応
させることが好適である。
【0020】次に、本発明の製造方法において触媒とし
て使用する第VIII族遷移金属錯体としては、例えば
ニッケル、パラジウム、白金等の第VIII族遷移金属
とハロゲン、オレフィン、ホスフィン、アミン、アセト
ニトリル等との錯体が使用され、具体的には下記式
(3)で示される錯体が好適に用いられる。
【0021】 MCl2(R3 2 …(3) (但し、式中Mはニッケル、パラジウム又は白金であ
り、Rは例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、フェニル基、トリル基等の炭素数1〜7の互に同
一又は異種の1価炭化水素基である。)
【0022】上記式(3)の錯体としては、具体的にP
tCl2〔P(C2532、NiCl2〔P(C25
32、PdCl2(PPh32、NiCl2(PPh32
等が例示される(なお、Phはフェニル基を示す)。
【0023】更に第VIII族遷移金属錯体の添加量
は、原料ジシランの0.01〜10mol%、特に0.
1〜1mol%とすることが好ましい。添加量が0.0
1mol%未満では反応率が悪くなり、長時間の反応時
間が必要になる場合があり、10mol%を超えると高
価な第VIII族遷移金属錯体を多量に使用することに
なるため経済的に不利になる場合がある。
【0024】本発明において、上記式(1)のジシラン
と第VIII族遷移金属錯体とを反応させる際、その反
応条件は特に限定されないが、窒素ガス等の不活性雰囲
気下、30〜120℃、特に1,3−ジメチル−1,3
−ジフェニルジシランの場合はこの還流温度で0.5〜
8時間、特に0.5〜2時間加熱攪拌を行うことが好適
である。
【0025】反応終了後は、副生成物を系外に除き、反
応混合物を減圧蒸留するなどして精製することにより、
目的とする下記一般式(2)で示される末端にSiH基
を有するポリシランオリゴマーを得ることができる。
【0026】
【化9】 (但し、n,mは1以上の整数で、n+mは3,4,5
又は6、好ましくは3,4又は5の整数である。)
【0027】この場合、上記式(1a)の出発原料を用
いれば、下記式(2a)のポリシランオリゴマーが得ら
れる。
【0028】
【化10】 (但し、kは3,4,5又は6、好ましくは3,4又は
5の整数である。)
【0029】上記式(2)のポリシランオリゴマーとし
て具体的には、トリフェニルトリメチルトリシラン、テ
トラフェニルテトラメチルテトラシラン等が例示され
る。
【0030】本発明方法では、ポリシランオリゴマーと
して上記式(2)で示されるトリシラン、テトラシラ
ン、ペンタシラン及びヘプタシランから選ばれる1種類
又は2種類以上が混合した重合体が得られる。
【0031】本発明方法により得られる上記式(2)の
末端にSiH基をもつポリシランオリゴマーは、例えば
塩素や四塩化炭素等の有機ハロゲン化物と反応させるこ
とにより、末端にクロル基を有するオリゴシランに変え
ることができ、更にこれにグリニャール試薬や有機リチ
ウム化合物等のカルバニオンと反応させると有機基の導
入も可能である。また、式(2)のポリシランオリゴマ
ーにビニル基やアセチレニル基を持つ化合物をヒドロシ
リル化反応させることにより、Si−C結合を形成する
こともできる(下記反応式参照)。このように、本発明
により得られるポリシランオリゴマーは、カルバニオン
やアセチレン化合物を選択して反応させることにより、
現在導電材料として注目を浴びているC−C多重結合と
Si−Si結合を交互にもつポリマーを合成し得るもの
で、従って、導電材料の合成中間体などとして好適に利
用することができる。
【0032】
【化11】
【0033】
【発明の効果】本発明のポリシランオリゴマーの製造方
法によれば、上記式(2)の末端にSiH基を有するポ
リシランオリゴマーを簡単な操作で、しかも温和な反応
条件の下、収率良く製造することができる。また、得ら
れるポリシランオリゴマーは、近年導電材料として注目
を浴びているC−C多重結合とSi−Si結合を交互に
もつポリマーを合成するための中間体などとして有効に
利用することができる。従って、本発明方法は工業的に
非常に有利なものである。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0035】〔実施例1〕1,3−ジメチル−1,3−
ジフェニルジシラン2.32g(0.01mol)にア
ルゴン存在下でPtCl2〔P(C25329.4m
g(0.019mmol,0.2mol%)を加え、窒
素ガス気流下、90℃で1時間加熱攪拌を行った。副生
したメチルフェニルシランを系外に除いた後、反応混合
物を減圧蒸留により精製単離したところ、ポリシランオ
リゴマーとして下記の化合物が下記収率で得られた。 化合物1:トリフェニルトリメチルトリシラン0.40
g(1.1mmol,収率11%) 化合物2:テトラフェニルテトラメチルテトラシラン
0.62g(1.3mmol,収率13%)
【0036】〔実施例2〕PtCl2〔P(C253
2の代わりにNiCl2〔P(C25325.5mg
(0.015mmol,0.15mol%)を用いる以
外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、上記化
合物1のトリフェニルトリメチルトリシランが0.7g
(収率20%)、化合物2のテトラフェニルテトラメチ
ルテトラシランが0.5g(収率10%)得られた。
【0037】〔比較例〕1,1,3,3−テトラメチル
ジシラン1.18g(0.01mol)を用いて実施例
1と同様の反応を行ったところ、ガス状のジメチルシラ
ンが主生成物として得られた。
【0038】これは、Kumadaらの反応条件(封管
中での反応)とは異なり、窒素ガス気流下で行ったため
と思われた。
【0039】上記反応後、反応混合物を蒸留したとこ
ろ、ヘキサメチルトリシラン、オクタメチルテトラシラ
ン、デカメチルペンタシランの混合物が全部で0.3g
(1.3mmol,収率13%)得られたに過ぎないも
のであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−128381(JP,A) 特開 平5−214107(JP,A) 特開 平2−166124(JP,A) 特開 平1−198631(JP,A) 特開 平1−96222(JP,A) 特開 昭63−12637(JP,A) ”Applied Organome tallic Chemistry”, 2,1988年,p.91−92 ”Organometallic s”,6,1987年,p.1590−1591 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/08 C08G 77/60 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1)で示されるジシランを
    第VIII族遷移金属錯体触媒の存在下に反応させるこ
    とを特徴とする下記構造式(2)で示される末端にSi
    H基を有するポリシランオリゴマーの製造方法。 【化1】 (但し、式中R1〜R4はそれぞれ互に同一又は異種の一
    価炭化水素基であるが、R1〜R4の少なくとも一つはア
    リール基である。) 【化2】 (但し、式中R1〜R4は上記と同様の意味を示し、n,
    mは1以上の整数で、n+mは3,4,5又は6であ
    る。)
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"Applied Organometallic Chemistry",2,1988年,p.91−92
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