JP3128876B2 - パターン作成方法、及びパターン作成システム - Google Patents

パターン作成方法、及びパターン作成システム

Info

Publication number
JP3128876B2
JP3128876B2 JP21089291A JP21089291A JP3128876B2 JP 3128876 B2 JP3128876 B2 JP 3128876B2 JP 21089291 A JP21089291 A JP 21089291A JP 21089291 A JP21089291 A JP 21089291A JP 3128876 B2 JP3128876 B2 JP 3128876B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
edge
data
creation
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21089291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0566550A (ja
Inventor
直正 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16596819&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3128876(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP21089291A priority Critical patent/JP3128876B2/ja
Priority to EP02079739A priority patent/EP1293833A1/en
Priority to DE69233134T priority patent/DE69233134T2/de
Priority to EP92307659A priority patent/EP0529971B1/en
Publication of JPH0566550A publication Critical patent/JPH0566550A/ja
Priority to US08/455,141 priority patent/US5546225A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3128876B2 publication Critical patent/JP3128876B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路等の回
路パターン等の露光転写、特に投影式露光転写に用いら
れるレチクル(フォトマスク)及びその製造方法に関
し、特にそのパターン作成方法、作成システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレチクルでは、露光転写後に得ら
れるフォトレジスト像パターン、すなわち回路パターン
の形状が、そのままレチクル上でのパターンとなってい
た。従って、得たい回路パターンの線幅が同一の複数の
パターンがあれば、各パターンの周囲にどのようなパタ
ーンが存在しようとも、各パターンの線幅は同一とされ
ていた。
【0003】また、従来は投影露光装置の照明光学系の
σ値が0.5〜0.7と比較的大きく、従ってレチクル
パターン面での照明光の可干渉性が低かった。このた
め、特定のパターンの周囲にどのようなパターンがあっ
ても、パターン間で相互に影響をおよぼし合うことは少
なかった。ただし、従来においても、例えば微小四角形
透過パターン(コンタクトホールパターン)の4隅をよ
り角張らせるために、四角形の頂点近傍に補助パターン
を追加する手法は報告されているが、これは、必要なパ
ターン間の相互作用を考慮した補正ではない。
【0004】また最近、特公昭62−50811号公報
に開示されているような位相部材付きのマスクを使った
露光方法、いわゆる位相シフト法の効果を高める為に、
本来のパターンの近傍に補助パターンを設ける方法等が
報告されているが、これもやはり必要パターン間の相互
作用を考慮して補正するものではない。また、上記方法
の補正方法は、人手と経験等にたよるものであり、アル
ゴリズムの確立された自動補正方法とは言えないもので
あった。さらに、照明光学系のフーリエ変換面での照明
光分布を輪帯状等に変更した投影型露光装置によって、
パターンの解像度と焦点深度を改善できることが報告さ
れている。
【0005】図1は照明光学系によるレチクルへの照明
を特殊な方法に変更した装置の例を示し、レチクルRと
感光基板(ウェハ)Wとの間には投影光学系PLが配置
され、レチクルR上のパターンはウェハW上に結像され
る。このとき、レチクルRは照明光学系内のコンデンサ
ーレンズCLを介して露光用の照明光の照射を受ける
が、照明光学系内のフーリエ変換面には照明光ILを輪
帯状に制御する空間フィルターSF1 、もしくはフーリ
エ変換面内の離散的な2〜4ヶ所に微小円形開口を有す
る空間フィルターSF2 が配置される。これらの空間フ
ィルターSF1 、又はSF2 によって、レチクルRに
は、投影レンズPLの光軸と平行な光線成分が除去さ
れ、特定の角度の光線成分のみをもった照明光が達す
る。空間フィルターSF1 、SF2 は照明光学系のフー
リエ変換面に配置されるが、空間フィルターSFは投影
光学系PLの瞳面epとも共役となる。
【0006】このように、照明光学系によってレチクル
Rに対する照明光束の配向特性を特殊なものにすると、
パターンの解像度と焦点深度とを10〜40%程度改善
することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1の
ように照明光学系に変更を施した露光装置を使用する場
合、レチクルに対する照明光束の入射方向が、従来とは
異なる方向で制限される。このため、従来とは異なる可
干渉性がレチクル上の照明光束に生じ、近接パターン同
士の相互作用が無視できない状態となってしまう。この
ため、レチクル上で同一寸法のパターンが数個存在する
場合、そのウェハへの露光転写像(フォトレジスト像)
は、それぞれのパターンの周辺のパターンによって、線
幅が太く、あるいは細くなるという問題が生じてしま
う。
【0008】実験等によって得られた結論から述べる
と、図1のような特殊な照明光学系を使う場合において
は、周期的パターンのレジスト線幅に比べ、孤立的パタ
ーン及び、周期的パターンの周期方向の終端部のレジス
ト線幅が細くなる傾向にある。これはもちろん、比較す
べきパターンがレチクル上同一サイズであり、同一露光
量で露光転写されることを前提としている。さらに、孤
立的なパターンがライン状であるとすると、そのライン
の長手方向についても寸法が若干短くなることがわかっ
た。
【0009】従って、上述の如き露光技術を使用する場
合に、レジスト像として(すなわち、パターンエッチン
グ後の回路パターンサイズとして)、周期的パターンと
孤立的パターンの両者を共に所望の線幅及び長さとする
為には、レチクルパターン上の各パターンの形状に予め
修正を加えておく必要がある。しかしながら従来におい
ては、そのような修正を自動的に行なう為のアルゴリズ
ム(補正方法)及び修正装置は確立されていなかった。
【0010】本発明は、このような補正を自動的に行な
う為のアルゴリズム及び修正処理装置を備えたマスクパ
ターンの作成システムの提供を目的とし、かつ補正の施
されたレチクルの量産を可能とすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決する為の手段】上記目的の為に本発明で
は、所定のエネルギー線に対して遮へい性となるパター
ン要素の複数、もしくは前記エネルギー線に対して透過
性となるパターン要素の複数を、各パターン要素の形状
と配置とが規定された設計データに基づいて、マスクと
なる原版上に生成するためのパターン作成システムにお
いて、前記設計データに基づいて前記原版上の少なくと
も一部分の領域内に生成されるべき設計上のパターン要
素の画像を微小な画素の集合から成る2値化画像に展開
する2値化展開手段(2)と;前記展開された2値化画
像の情報に基づいて、前記パターン要素の外形エッジの
うち着目するエッジ部分(Apx)が周囲に隣接した他の
パターン要素から一定画素数以上離れているか否かを検
定し、前記一定画素数以上離れているときに第1の検定
信号(KA)を出力する第1検定手段(200、20
7)と;前記展開された2値化画像の情報に基づいて、
前記着目するエッジ部分(Apx)が、所定の幅以下のパ
ターン終端部近傍の幅方向を規定するエッジ部か否かを
検定し、該パターン終端部近傍のエッジ部であるときに
第2の検定信号(KB)を出力する第2検定手段(20
2、205、206、208、209、210、21
1)と;前記第1の検定信号(KA)が出力されたとき
は、前記着目エッジ部分が他のエッジ部に対して前記画
素単位で第1の微小量だけ相対的に外側に拡張されるよ
うに前記2値化画像を修正し、前記第2の検定信号(K
B)が出力されたときは、前記着目エッジ部分が他のエ
ッジ部に対して前記画素単位で第2の微小量だけ相対的
に外側に拡張されるように前記2値化画像を修正し、前
記第1と第2の検定信号がともに出力されたときは、前
記着目エッジ部分が他のエッジ部に対して前記第1と第
2の微小量の合成によって決まる量だけ相対的に外側に
拡張されるように前記2値化画像を修正する修正手段
(220〜223)とを設ける。
【0012】
【作用】図2は従来のパターン形状の一例を示し、図2
(A)はレチクル上の設計値に基づいたパターン形状を
示す。このパターン形状は、5本のラインアンドスペー
スであり、ここでは5本のライン部(閉領域)PC1
PC2 、PC3 、PC4 、PC5 が露光光に対する透明
部であり、その周囲(下地)は遮光部であるものとす
る。もちろん、透明部と遮光部の関係はその逆であって
も同じである。
【0013】図2(A)において、5本のライン部のう
ち中央の1本のライン部PC3 は他のライン部に比べて
2倍程度長い。このため、ライン部PC3 の一部は、他
のライン部との周期的な相関を持たない孤立的な部分に
なっている。また、周期方向の両端に位置する2本のラ
イン部PC1 、PC5 についても、周期方向の片側のみ
にライン部PC2、PC4 が隣接するだけなので、部分
的に孤立的とも言える。尚、図2(A)のライン幅は投
影露光装置の解像限界に近い値とする。
【0014】このようなレチクルパターンを、図1に示
した特殊照明光学系をもつ投影露光装置によって感光基
板上に投影露光し、露光された基板を現像すると、図2
(B)のようなレジスト像が得られる。図2(B)にお
いて中央のライン部PC3 に対応したレジスト像は、先
端の孤立的な部分でライン幅が設計値よりも細くなり、
同時に両端の2本のライン部PC1 、PC5 の夫々に対
応したレジスト像も、全体に細くなっている。さらに、
5本のライン部の夫々は、ラインの長手方向についても
若干短くなっている。
【0015】そこで、図2(A)に示した設計上のレチ
クルパターンを、図3(A)に示すように、ライン部の
一部のパターン線幅及びライン長さを修正して、最終的
に得られるレジスト像を、図3(B)のように設計上の
形状、寸法と一致させるのである。図3(A)におい
て、中央のライン部PC3 はライン部PC3 ’のよう
に、周囲パターンとの相関から周期性の強い中央部以外
はライン終端にいくに従って線幅を所定量だけ太らせる
とともに、ライン長手方向にも拡張する。但し、ライン
長手方向の拡張は必ずしも必要ではない。さらに、両端
の2本のライン部PC1 、PC5 は夫々ライン部P
1 ’、PC5 ’のように、全体の線幅を太らせるとと
もに、終端部でさらに所定量太らせる。但し、ライン部
PC1 ’、PC5 ’については、隣接するライン部PC
2 、PC4 が存在しない側のエッジのみを太らせるよう
にする。そして、ライン部PC2 、PC4 については、
ラインの両終端部で一定量だけ線幅を太らせる。これら
ライン部PC1 ’、PC5 ’、PC2 ’、PC4 ’は、
いずれも長手方向の寸法も一定量だけ拡張される。
【0016】このようなパターン修正を自動的に行うた
めに、図4に示すように、鳥が翼を広げて滑空している
ような形状の検定子を用意する。この検定子は、例えば
図2(A)に示した設計上のパターンの2値化されたビ
ットイメージ上を画素(ビット)単位で走査して、着目
するパターンエッジを修正すべきか否かを判断するため
に使われる一種のテンプレートでもある。
【0017】図4において、画素点Apxは着目すべきレ
チクルパターン上の点であり、直線状の領域Cpx、長方
形、又は楕円形の領域Bpx、2枚の羽根状の領域D
p 、EAp 、及び4つの円形状の領域DBp 、D
p 、EBp 、ECp は、点Apxのパターンエッジ部を
修正するか否かを決定するための検定子である。図4の
検定子テンプレートは着目点Apxに対して直線状の検定
子Cpxを先頭にして、ビットイメージに対し同図中右方
向に走査される。図4に示すようにXY座標系を定める
と、直線状検定子Cpxは着目点Apxと同一のY座標上に
設定され、着目点Apxとは+X方向に距離Lだけ隔てら
れ、かつX方向の長さも距離Lに定められる。この距離
Lは図1に示した投影露光装置で得られる解像限界の線
幅値に対応して定められ、例えばウェハW上での解像限
界を0.4μmとし、投影レンズPLの縮小倍率を1/
5とすると、距離Lはレチクルパターン上で約2μmの
寸法に対応する。
【0018】楕円状の検定子Bpxは、その中心が着目点
pxから−X方向に距離3L/2だけ隔てられ、かつX
方向の幅がほぼLに定められる。さらに、検定子Bpx
Y方向の幅はほぼ2Lに定められ、着目点Apxを通るX
軸と平行な中心線CCに関して対称な大きさとなってい
る。2枚のほぼ同じ大きさの羽根状の検定子DAp 、E
p は中心線CCに対して対称に配置され、X方向の幅
がL/2、Y方向の幅が3L/2程度に定められる。2
枚の羽根状検定子DAp 、EApは中心線CC上で一部
重複しており、その位置は着目点Apxから+X方向にL
/2の距離に設定される。
【0019】さらに4つの円形状の検定子DBp 、DC
p 、EBp 、ECp の各中心は、中心線CCから±Y方
向にいずれも距離Lの位置に設定され、さらに検定子D
p とEBp の各中心は着目点Apxから+X方向に距離
3L/2だけ隔てられ、検定子DCp とECp の各中心
は着目点Apxから−X方向に距離L/2だけ隔てられ
る。また、4つの検定子DBp 、DCp 、EBp 、EC
p の大きさは半径がL/2〜L/4程度の円形に内包さ
れるものとする。
【0020】これらの検定子Bpx、Cpx、DAp 、DB
p 、DCp 、EAp 、EBp 、EC p は、着目点Apx
Y方向に伸びたパターンエッジが位置したときに、各検
定子に内包されるビットイメージの論理値「0」、
「1」の状態を判断するように働く。従って、各検定子
は、それらの領域内の全ての画素(ビット)をチェック
するのではなく、その領域内の離散的な点を選んでチェ
ックするだけで良い。また、距離Lは投影光学系PLの
解像限界程度の値(レチクル側での値)とするが、図1
のような特殊な照明法によって解像力を上げた場合は、
その向上した解像力によって得られる限界の線幅値(レ
チクル側での値)とほぼ等しくなるように定められる。
また、円形状の検定子DBp 、DCp 、EBp 、ECp
は、ここでは面積(半径L/2〜L/4)を有するもの
としたが、それぞれの中心位置の1画素の点のみで判断
するようにしても良い。
【0021】この図4の検定子のテンプレートは、パタ
ーンの2次元ビットイメージに対して相対的に+X方
向、すなわち線状検定子Cpx側を先頭にしてスキャンさ
れる。ただし実際は、テンプレート側をビットイメージ
上で走査することは難しいので、テンプレートに対して
ビットイメージの方を1画素ずつX方向に1ライン分走
査したら、Y方向に1画素だけステップさせて再びX方
向に走査することを繰り返していく。
【0022】次に、図4の検定子テンプレートを用いた
パターン修正の判断アルゴリズムの原理を図5、図6を
参照して説明する。まず、図5(A)、(B)は、線幅
が解像限界程度のL、長さが6L程度の孤立したライン
パターンPA(斜線部)を修正する例を示し、ラインパ
ターンPAはここではレチクル上で遮光部となり、ビッ
トイメージ上では論理値「1」をとるものとする。そし
て、その周辺部は全て透明部(下地)であり、論理値
「0」をとるものとする。
【0023】図5(A)は、このようなパターンPAの
Y方向に伸びるパターンエッジに着目点Apxが+X方向
に矢印のようにスキャンしながら当たった状態を示す。
このとき、楕円状検定子Bpx中に設定された検定ビット
は全て論理値「0」(下地)であるので、着目点Apx
位置するパターンエッジ部は孤立的であると判断する。
このとき着目点Apxのスキャン方向の逆方向(−X方
向)にパターンエッジを一定量だけ拡張する。この拡張
する量ΔLは、図1の特殊照明法による露光の際は、寸
法L(解像限界値)の10〜15%程度とする。
【0024】次に、検定子DAp 、DBp 、DCp 、検
定子EAp 、EBp 、ECp 、及び直線状検定子Cpx
用いて、着目点のエッジ部がパターンPAの長辺側終端
部近傍(以下、長手終端部と呼ぶ)か否かを判断する。
図5(A)の場合、2枚の羽根状検定子DAp 、EAp
内の検定ビットは全て論理「1」(パターン)であるの
で、着目点Apxのエッジ部は長手終端部近傍とは判断し
ない。従って、着目点Apxのエッジ部に対する線幅の補
正量(太らせ量)はΔLとなる。
【0025】次に、図5(B)のように、着目点Apx
パターンPAの長手終端部近傍のY方向に伸びたエッジ
部に位置したものとする。この場合も、楕円状検定子B
px内の検定ビットは全て「0」(下地)であるので、着
目点Apxのエッジ部は孤立的であると判断し、そのエッ
ジ部の線幅がΔLだけ太るように修正する。さらにここ
では、羽根状検定子DAp 内に論理「0」(下地)と論
理「1」(パターン)とが混在している。このときは、
着目点Apxのエッジ部が長手終端部近傍である可能性が
あるので、同時に検定子DBp 、DCp 内のビットデー
タを検査する。ここでは検定子DBp 、DCp 共に全て
論理「0」(下地)であるので、着目点Apxのエッジ部
が長手終端部である可能性がまだある。そこで、さらに
直線状検定子Cpx内のビットデータを検査する。ここで
は検定子Cpx内の少なくとも一部(又は全部)に論理
「0」(下地)のビットを含むので、最終判断として着
目点Apxでのエッジ部は長手終端部近傍と判断し、着目
点Apxのエッジ部の線幅をさらにΔL(合計2・ΔL)
だけ太らせる。
【0026】図5(C)、(D)はラインパターンPA
の2本を間隔Lで平行に並べた場合である。2本のライ
ンパターンPAの長さはともに6Lである。図5(C)
のように2本のラインパターンPAのうち右側のパター
ンの左エッジに着目点Apxが位置すると、検定子Bpx
全て論理「1」であるので、着目点Apxのエッジ部は孤
立的ではないと判断される。同時に、羽根状検定子DA
p 、EAp 内も全て論理「1」であるので、着目点Apx
のエッジ部は長手終端部でもないと判断される。従っ
て、図5(C)中の着目点Apxの位置では、パターンの
線幅は変更されない。
【0027】さらに、図5(D)のように着目点Apx
位置すると、検定子Bpx内には論理「0」と「1」とが
混在するので、着目点Apxのエッジ部は孤立的ではない
と判断する。このとき、羽根状検定子DAp は論理
「0」を含み、かつ検定子DBp 、DCp は全て論理
「0」、かつ直線状検定子Cpxは論理「0」を含むの
で、着目点Apxのエッジ部は長手終端部と判断され、線
幅をΔLだけ太らせる補正を行う。
【0028】図6(A)、(B)は幅L、間隔Lのライ
ンパターンが90°のコーナーを形成する2つのパター
ンPM、PNの例である。図6(A)の場合、検定子B
px内は全て論理「0」であるので、着目点Apxのエッジ
部は孤立的であると判断され、そのエッジ部をΔLだけ
拡張する。このとき、羽根状検定子DAp 内には「0」
が含まれるので、検定子DBp 、DCp についても検査
するが、検定子DBp が「1」を含むので、結局着目点
pxのエッジ部はパターンPNの長手終端部とは判断さ
れない。従って、合計の補正量(線幅の太らせ量)は、
ΔL(孤立的と判断された分)となる。
【0029】また、図6(B)の場合、検定子Bpx内に
は「1」が含まれるので、着目点A pxのエッジ部は孤立
的ではないと判断される。この図6(B)のときも、図
6(A)と同様に、羽根状検定子DAp は「0」を含
み、かつ検定子DBP 、DCP には「1」が含まれない
(全て「0」)が、直線状検定子CPX内は全て「1」で
あるので、着目点APXのエッジ部はパターンPMの長手
終端部とは判断されない。従って、図6(B)の場合、
着目点APXのエッジ部は孤立でも長手終端部でもないの
で、線幅の補正は行わない。
【0030】さて、図6(C)、(D)は以上と異な
り、検定子テンプレートを今までの状態から時計回りに
90°回転させたものであり、かつスキャン方向も−Y
方向となっている。図6(C)の場合、孤立した1本の
ラインパターンPAの長手端部のエッジに着目点APX
位置するが、このとき検定子BPX内は全て「0」
(「1」を含まない)ので、着目点APXのエッジ部はと
りあえず孤立と判断され、ΔLだけ補正される。同時
に、検定子DAP 、EAP 内には共に「0」が含まれる
が、検定子DAP に対してスキャン方向の前後に位置す
る検定子DBP 、DCP を検査すると、これらの検定子
DBP 、DCPはいずれも「1」を含まず、さらに検定
子EA P に対してスキャン方向の前後に位置する検定子
EBP 、ECP を検査すると、これらの検定子EBP
ECP はいずれも「1」を含まない。さらに検定子CPX
を検査すると、検定子CPXは「0」を含まない(全て
「1」)なので、結局、着目点APXのエッジはラインパ
ターンPAの長手方向を規定するエッジと判断される。
ただしこの場合、ライン幅を規定するエッジの長手終端
部ではないので、そのことによる線幅の補正は行わな
い。
【0031】従って、着目点APXのエッジ部における線
幅(ここでは長さ)はそのエッジ部が孤立した部分であ
ることから、+Y方向(スキャン方向の−Y方向の逆方
向)に+ΔL(孤立的と判断された分)だけ拡張され
る。次に、図6(D)のように、幅L、長さ6Lの2本
のラインパターンPA、PBが、Tの字状に間隔Lだけ
離れて位置している場合を考える。このとき、図6
(C)のように検定子テンプレートを−Y方向にスキャ
ンし、着目点がパターンPAの長手端部のエッジにきた
ものとする。このとき、検定子BPXは「1」を含むの
で、着目点のエッジは孤立でないと判断される。また、
検定子CPX、DAP 、DBP 、DCP 、EAP 、E
P 、ECP の各状態は図6(C)と同じであり、従っ
てパターンPA、PBの全体からみて、着目点APXのエ
ッジは長手終端でもないと判断する。従って、図6
(D)の着目点ではパターンは補正されない。
【0032】以上のアルゴリズムを整理すると以下のよ
うになる。 (A)孤立判断 楕円状検定子BPX内に「1」を含まないとき。 (B)長手終端判断 第1判断 検定子DAP が「0」を含み、かつ検定子DBP 、DC
P が「1」を含まず、かつ検定子CPXが「0」を含むと
き。
【0033】第2判断 検定子EAP が「0」を含み、かつ検定子EBP 、EC
P が「1」を含まず、かつ検定子CPXが「0」を含むと
き。 以上の長手終端判断はかの少なくとも一方が成立す
れば、着目点のエッジ部は長手終端近傍と判断される。
ただし、の両方が同時に成立しても修正量(拡張
量)を倍にする必要はない。
【0034】以上のような修正を、図4に示した検定子
テンプレートを+X、−X、+Y、−Yの4方向にスキ
ャンして実行した結果を図7に示す。この際各方向のス
キャン時には、検定子テンプレートは回転した位置関係
となり、直線検定子CPXがスキャンの前方を向くように
設定される。図7(A)は図5(A)、(B)及び図6
(C)に示す孤立ラインパターンPAの修正後の形状を
示す。図7(A)においてパターンPAの長手方向の中
央部分は線幅がLからL+2ΔLに拡張され、長手終端
部から長さ3L/2の部分は線幅がLからL+4ΔLに
拡張される。さらに長手方向の終端エッジも、長手方向
にΔLだけ修正される。この結果、修正後のパターンは
全長が6L+2ΔLに拡張される。
【0035】図7(B)は図5(C)、(D)に示した
2本の平行なラインパターンPAの修正後の形状を示
す。図7(B)に示すように、2本のラインパターンの
間隔(スペース部)の値Lは修正後も保存され、2本の
ラインパターンはともに孤立性の高いエッジ側が特に強
く拡張される。ここでも2本のラインパターンの全長は
6L+2ΔLに伸びる。この2本のラインパターンは、
その1本についてみると、X方向に関して非対称に拡張
されるが、2本のラインパターンを一体のパターンとし
てみると、X方向の対称性は保たれている。従って、2
本のラインパターンのうち例えば左側のラインパターン
は左側のエッジが全体にΔLだけ拡張され、長手終端部
近傍ではさらにΔLだけ(計2ΔL)拡張される。従っ
て、図7(B)の場合、長手終端部での線幅はL+3Δ
Lに修正される。
【0036】図7(C)は、図6(A)、(B)に示し
た2つのL字状のパターンPN、PMの修正後の形状を
示す。まず2つのパターンPN、PMの間のスペース部
(設計間隔L)を規定するエッジのうち、長手終端部近
傍以外は修正されない。そしてパターンPN、PMの長
手終端近傍では、互いに対向する内側のエッジ部がΔL
だけ拡張される。またパターンPN、PMの長手終端を
規定する各エッジ部も、その長手方向にΔLだけ拡張さ
れる。さらにパターンPNの左側と上側の各エッジは全
長に渡ってΔLだけ拡張され、その各エッジの長手終端
部側の3L/2の部分はさらにΔLだけ太らせられる。
同様にパターンPMの右側と下側のエッジに関しては、
その長手終端部近傍で2ΔLで一様に、又はΔLと2Δ
Lの段階状に修正される。段階状にパターンエッジが拡
張される場合、図4の検定子テンプレートの条件ではΔ
Lの拡張はエッジ方向にL/2に渡って行われ、2ΔL
の拡張はエッジ方向にLに渡って行われる。
【0037】図7(D)は図6(D)のパターンPA、
PBの修正後の形状を示す。ここでもパターンPAは幅
方向(X方向)に関して図7(A)のように修正される
が、長手方向に関してはパターンPBに隣接した側のエ
ッジ部は何も修正しない。パターンPBについては、長
手方向について2ΔLだけ修正され、パターンPBのパ
ターンPAと反対側のエッジ(同図中で上側のエッジ)
については全長に渡ってΔLだけ修正され、さらに長手
終端近傍ではΔLだけ修正される。またパターンPBの
下側のエッジでは隣接してパターンPAが存在するの
で、そのエッジの全長の中央部分は何も修正されない。
【0038】以上のように、本発明によるアルゴリズム
に従うと、図1のような特殊な照明方を採用した投影露
光装置を用いたとしても、ウェハW上に転写される解像
限界程度の線幅の微細パターンは先細りもなく、設計値
通りになる。そこで、上述の原理に従った具体的な装置
の一例を以下の実施例で説明する。
【0039】
【実施例】図8は本発明の実施例によるマスク(レチク
ル)製造システムを模式的に表したブロック図である。
一般に縮小投影露光装置(ステッパー等)で使われるマ
スクはレチクルと呼ばれ、レチクルにはその縮小率の逆
数倍だけ拡大されたパターンが形成される。レチクルの
製造にあたっては、磁気テープに記録された形成すべき
パターンのCAD情報(設計データ)がテープリーダ
(MTR)1で読み出され、その情報はビットイメージ
展開用のハードウエアロジック(展開手段)2によって
2値化されたイメージ(画像)に変換される。そのビッ
トイメージ情報はフレームメモリ3に蓄積されるが、レ
チクル上の全面のイメージが一度に変換されるのではな
く、ある一部分の局所領域(例えば5mm角)毎に変換
される。この局所領域は電子ビーム(EB)露光装置4
のビーム走査によって一度に露光できる基板M上の大き
さに対応している。そして、1つの局所領域の露光が終
わったら、隣りの局所領域が露光エリア内に入るよう
に、感応性の基板Mを保持するステージ7をステージ制
御系6によって精密に一定量だけ送るのである。同時に
フレームメモリ3には、隣りの局所領域内のパターンに
対応したビットイメージが変換されて蓄積されている。
ビーム制御系5はフレームメモリ3からのビットイメー
ジのデータに応じて、電子ビームのスポットを基板M上
の定められた点(画素)に照射するか否かを、ビーム走
査中に高速に切り替えていく。電子ビームによる基板M
へのパターン描画には、ラスタースキャン、ベクタース
キャン、可変矩形ビーム等、いくつかの方式が実用化さ
れているが、いずれの場合も、パターンのCAD情報は
フレームメモリ3上にビットイメージとして展開されて
いる。そこで本実施例では、フレームメモリ3に展開さ
れた設計上のビットイメージに対して所望の修正を行う
ための修正装置(ハードウエアとソフトウエア)10を
付加した。
【0040】フレームメモリ3内には、1画面分の画素
として例えば5万×5万個分用意されている。従って、
EB露光装置4の1回の露光エリアを5mm角とする
と、フレームメモリ3内の1画素(ビット)は基板M上
で0.2μm角に相当し、さらにこの基板Mがレチクル
として1/5縮小ステッパーに搭載されると、その1画
素はウエハ上で0.04μm角に相当する。今、ウエハ
上で要求されている最小線幅が0.4μmとすると、こ
れはレチクル上では2μmになり、ビットイメージ上で
は10画素分に相当する。
【0041】通常、レチクル上のパターン要素の多く
は、ビットイメージ内の画素の配列方向(XY方向)と
平行なエッジで構成され、45°(135°)等の傾い
たエッジは少ない。また、以下の説明では、パターン要
素はレチクル上でクロム等の遮光層として形成されるも
のとし、遮光層となる画素内には論理値「1」が記憶さ
れ、それ以外の透明部となる画素内には論理値「0」が
記憶されるものとする。従って、基板Mの表面にクロム
層が蒸着され、さらにその上に電子ビーム用のポジタイ
プのレジストが塗布されている場合、ビーム制御系5は
フレームメモリ3からの画素の値が「1」のときはビー
ムスポットのその位置での照射をオフにし、「0」のと
きはスポット照射をオンにする。
【0042】さて、図9は本発明のパターン作成システ
ムに対応し、図8中の修正装置10の概略的な構成を示
すブロック図である。フレームメモリ3上に展開された
1画面分のビットイメージのデータは、「0」、「1」
のシリアルデータに変換されて端子TPに印加される。
フレームメモリ3から読み出されたビットシリアルなデ
ータは端子TPとスイッチSW1を介して切り出し窓用
のシフトレジスタ群SR1の初段のシフトレジスタWR
1に入力する。このシフトレジスタWR1からの出力デ
ータは、次のシフトレジスタ群SR2の初段のシフトレ
ジスタDR1に入力する。そして、シフトレジスタDR
1の出力データは再びシフトレジスタ群SR2の2段目
のシフトレジスタWR2に入力する。こうして、フレー
ムメモリ3からのビットシリアルなデータは、各シフト
レジスタWR1、DR1、WR2、DR2、・・・WR
m、DRmの順に次々に1ビットずつシフトされてい
く。
【0043】ここで、シフトレジスタ群SR1の各シフ
トレジスタWR1〜WRmのビット数bwは、40ビッ
ト〜60ビット程度に定められ、シフトレジスタ群SR
2の各シフトレジスタDR1〜DRmのビット数はいず
れもn−bwに定められる。すなわち、シフトレジスタ
WR1とDR1とのビット数の合計が1画面内の1ライ
ン分のビット数n(例えば50,000)に等しくなる
ように設定される。また、各シフトレジスタ群SR1、
SR2を構成するシフトレジスタWRm、DRmの段数
mは、シフトレジスタWR1〜WRmのビット数bwと
等しく定められ、ビット数bwが40のときはm=40
である。これは、シフトレジスタ群SR1による切り出
し窓(bw×bwビット)をビットイメージ上で正方形
にするためであるが、必ずしも正方形である必要はな
い。
【0044】さて、切り出し窓内の着目点Apxに相当す
る中心ビットのシリアルデータDCoは、所定ビット数
分だけ遅延させるシフトレジスタ100によって遅延さ
れたシリアルデータDCo’となってオア回路104に
入力する。一方、切り出し窓内の複数の検定用ビットか
らのシリアルデータの群DCsとデータDCoは、図4
のようなテンプレートを有する検定ロジック回路102
に入力し、ここで着目する中心ビットに位置するパター
ンエッジに修正を加えるかどうかが判断され、修正が必
要なときはビット単位で修正データ(論理値「1」か
「0」のいずれか一方)DPをオア回路104に出力す
る。オア回路104は、設計上のオリジナルのビットイ
メージデータ(DCo’)と修正部分のみのデータ(D
P)との論理和を取り、その修正結果のシリアルデータ
を、少なくとも2画面分のフレームメモリ110Aと書
き込み、読み出し制御部110Bとで構成される一時記
憶部110に出力する。
【0045】先にも述べたように検定子テンプレートと
ビットイメージとは、+X,−X,+Y,−Yの計4方
向について相対スキャンを行う必要がある。そこで本実
施例では、例えば+X方向のスキャンによる修正につい
ては、フレームメモリ3からスイッチSW1を介してビ
ットイメージデータを読み込む際に行い、その修正結果
を一時記憶部110のフレームメモリ110Aの1画面
目に一時的に格納する。そして、次に−X方向のスキャ
ンによって修正を行うときは、スイッチSW1を図示の
状態から切り換えて、その一時記憶部110からのビッ
トイメージデータの読み出し方が−X方向となるように
制御し、再び切り出し窓を通して修正されたデータをメ
モリ110Aの2画面目に記憶する。+Y方向、−Y方
向のスキャン時も同様である。
【0046】4つのスキャンモードは同時にはできない
ので、結局、一時記憶部110からの1画面分のビット
シリアルデータの読み出しは2画面分のメモリを順次切
り替えて合計3回行われる。このように1画面当たり4
回のスキャンが必要なのは、本実施例における検定ロジ
ック回路102の特性によるものである。従って、検定
ロジックのアルゴリズムを工夫すれば、1回のスキャン
のみで2次元に修正された修正データを得ることは可能
である。
【0047】こうして、1回のスキャン方向について一
時記憶部110に格納された修正ビットイメージデータ
は、スイッチSW2とスイッチSW1と介してビットシ
リアルなデータとなって再びシフトレジスタ群SR1に
送られ、別のスキャン方向について同様の修正が行われ
る。こうして4方向のスキャンが終了すると、一時記憶
部110内の最終的な修正ビットイメージデータ(シリ
アル)はスイッチSW2を介してフレームメモリ3へ戻
される。以上によりフレームメモリ3内の設計データに
基づいたビットイメージは、所定のパターン修正が行わ
れた後のビットイメージに変換される。
【0048】尚、実際のレチクル製造時には、以上のよ
うな修正作業(MTR1→展開手段2→フレームメモリ
3→修正装置10→フレームメモリ3)を各画面毎に繰
り返して行い、各画面毎に得られた修正ビットイメージ
データを、フレームメモリ3内から別のMTRへ順次転
送しておき、EB露光装置4による基板Mへの描画時
に、その別のMTRから画面毎に修正ビットイメージデ
ータをフレームメモリ3へ読み出すようにする。
【0049】以上、図9のブロック図は概略的なもので
あり、実際はシフトレジスタ群SR1、SR2のシフト
動作、検定ロジック回路102の検定タイミング、ある
いはフレームメモリ3、一時記憶部110の各アドレス
指定タイミング等を統括的にコントロールするためのプ
ロセッサーやクロックジェネレータが用意されている。
【0050】図10は、図9のシフトレジスタ群SR1
による切り出し窓を表し、図10中の1つの枡目がシフ
トレジスタ上の1ビットに相当し、ここでは左上隅のビ
ットがシフトレジスタWR1の1ビット目に対応する。
この切り出し窓はX方向に41ビット、Y方向に41ビ
ットで構成されるため、図9のシフトレジスタWR1、
WR2─WRmはいずれも41ビットであり、その段数
mも41である。■印で示した着目点(ビット)A
PXは、切り出し窓の画素配列を左上隅の画素を原点
(1、1)としたXY座標系で規定したとき、座標(2
1、21)に設定される。また、図10は、図4で示し
た検定子用テンプレートを着目ビットAPXを中心に18
0°回転させたものである。従って直線状検定子CPX
着目点APXの左側に位置する。これは、切り出し窓内に
現れるビットイメージが、図10中で常に左から右へ
(+X方向へ)1ビットずつシフトしていくからであ
る。
【0051】さて本実施例では、解像限界の寸法値Lが
ビットイメージ上で10画素に対応するものとし、エッ
ジの修正量(太らせ量)ΔLは線幅Lの10〜15%程
度ということから、1画素分ということにする。そこ
で、切り出し窓内で着目ビットAPXから−X方向に10
ビットの間隔をあけたビット(10、21)から窓内の
左側のビット(1、21)までの10ビットの直線状領
域を検定子CPXとする。この検定子CPX内にはX方向に
10ビットが並ぶが、そのうち4つのビット(1、2
1)、(4、21)、(7、21)、(10、21)を
検定ビットとする。
【0052】楕円状検定子BPXは、着目ビットAPXから
+X方向に10ビットの間隔をあけた検定ビット(3
2、21)と、このビット(32、21)から+X方向
の9番目に位置する検定ビット(41、21)とによっ
て、スキャン方向の幅(ほぼL)が規定される。さらに
楕円状検定子BPXのY方向の寸法(ほぼ2L)は4つの
検定ビット(34、11)、(39、11)、(34、
31)、(39、31)によって規定される。その他、
検定子BPXの輪郭を規定するために4つの検定ビット
(32、16)、(41、16)、(32、26)、
(41、26)が規定される。
【0053】羽根状検定子DAP は、図4の寸法に従っ
てX方向にL/2の幅でY方向に3L/2の長さをしめ
るように、9つの検定ビット(15、21)、(14、
19)、(16,19)、(13,16)、(17,1
6)、(13,11)、(17、11)(14、6)、
(17、6)で輪郭が規定される。羽根状検定子EA P
を規定する検定ビットは、Y座標値=21の中心ライン
に関して検定子DAP と対称に配置され、ビット(1
5、21)、(14、23)、(16、23)、(1
3、26)、(17、26)、(13、31)、(1
7、31)、(14、36)、(17、36)の9つで
構成される。これらの検定ビットのうちビット(15、
21)が2つの羽根状検定子DAP 、EAP の重複部で
ある。
【0054】さらに4つの円形状検定子DBP 、D
P 、EBP 、ECP については、本実施例ではいずれ
も1ビットで構成するものとし、その座標値はそれぞれ
(6、31)、(26、31)(6、11)、(26、
11)とする。尚、本実施例では着目ビットAPX(2
1、21)にパターンのY方向に伸びたエッジが位置し
たか否かを検知するために、着目ビットAPXの右隣りに
検定ビット(21、22)を設定する。従って、着目ビ
ットAPXが論理「1」(パターン側)で、隣のビット
(21、22)が論理「0」(下地側)であるとき、着
目ビットにパターンエッジが位置したと判断できる。
【0055】以上の各検定ビットからのシリアルビット
データの群は、図9のようにデータDCS として検定ロ
ジック回路102へ出力される。検定ロジック回路10
2内には各検定子の働きに対応したロジック演算器が設
けられている。図11(A)は楕円状検定子BPXを構成
する10ビットの各データの論理和を算出するノア(N
OR)回路200を示し、図11(B)は直線状検定子
PXを構成する4ビットの各データの論理積を算出する
ナンド(NAND)回路202を示す。ノア回路200
は、入力する10ビットのデータの全てが「0」(透明
部)になっていれば、出力LGBを「1」にして、着目
ビットAPXに位置するパターンエッジ部が図10中の右
側からみて孤立的であると判定する。同様にナンド回路
202は入力する4ビットのうちいずれか1ビットでも
「0」になっていれば、出力LGCを「1」にして、着
目ビットAPXに位置するパターンエッジ部が図10中の
左側からみて孤立的であると判定する。
【0056】図11(C)は着目ビットでのエッジの有
無を検知する回路を示し、着目ビット(21、21)か
らのデータDC0 はアンド回路203とエクスクルーシ
ブオア(EXオア)回路204との一方の入力に印加さ
れる。着目ビットの隣のビット(22、21)からのデ
ータはEXオア回路204の他方の入力に印加され、E
Xオア回路204の出力はアンド回路203の他方の入
力に印加される。この図11(C)の回路において、着
目ビットAPXが「1」で隣りのビット(22、21)が
「0」のとき、EXオア回路204は論理「1」を出力
するから、アンド回路203の出力EDは「1」にな
る。それ以外の入力条件のとき出力EDは「0」のまま
である。
【0057】図12は2つの羽根状検定子DAP 、EA
P の働きをロジックとして表したものである。羽根状検
定子DAP 、EAP はいずれもその領域内に何らかのパ
ターンエッジが存在するか否かを検知すればよいので、
それぞれ9ビット入力のナンド(NAND)回路20
5、206で構成し、ナンド回路205は検定子DAP
内が全てパターン(論理「1」)のときのみ出力LGD
aを「0」にし、何らかの透明部(論理「0」)が混在
するときは出力LGDaを「1」にする。ナンド回路2
06も同様に、検定子EAP 内が全てパターンのときの
み出力LGEaを「0」にし、それ以外のときは「1」
にする。
【0058】図13は、図10にした各検定子からの情
報を総合的に判定するロジック回路を示す。まずエッジ
判定用のアンド回路203からの出力信号EDは、2つ
のアンド回路207、208の夫々の一方の入力に印加
される。アンド回路207の他方の入力には、ノア回路
200からの出力信号LGBが印加される。従ってアン
ド回路207は,着目ビットがエッジ位置と一致して信
号EDが「1」になった時点で、楕円状検定子BPX内に
何もパターンがないとして信号LGBが「1」になって
いるとき、出力KAを「1」にして、そのエッジが孤立
的であることを表す。
【0059】一方、アンド回路208の他方の入力に
は、オア回路211を介して、2つのアンド回路20
9、210の出力信号が印加される。4入力のアンド回
路209は、インバータ(NOT)を介して切り出し窓
内の検定子DBP(6、31)のデータと、検定子DC
P (26、31)のデータとを入力するとともに、ナン
ド回路205の出力信号LGDaとナンド回路202の
出力信号LGCとを入力し、それら4つの信号の論理積
をオア回路211の一方の入力に印加する。同様に、4
入力のアンド回路210は、インバータ(NOT)を介
して切り出し窓内の検定子EBP (6、11)のデータ
と検定子ECP (26、11)のデータとを入力すると
ともに、ナンド回路206の出力信号LGEaとナンド
回路202の出力信号LGCとを入力し、それら4つの
信号の論理積をオア回路211の他方の入力に印加す
る。この2つのアンド回路209、210は先に原理説
明した長手終端部判断(B)の、の各条件式を演算
するものである。
【0060】従って、信号EDが「1」のときにオア回
路211が「1」を出力していれば、着目ビットAPX
位置するエッジ部が長手終端部近傍であるとして、アン
ド回路208の出力KBは「1」になる。図14は、孤
立的なエッジの判定結果を表す信号KAと長手終端部近
傍のエッジの判定結果を表す信号KBとに基づいて、切
り出し窓を介して得られるビットイメージ上の着目ビッ
トのエッジに対して修正ビットデータを印加する回路の
一例を示す。この回路も図9中の検定ロジック回路10
2内に設けられる。
【0061】まず図14において、信号KAと信号KB
は、2入力のオア回路220を介してダイミング制御回
路221へ印加される。オア回路220の出力は、さら
にプリセット可能な4ビットのシフトレジスタ222の
LSB(最下位ビット)にプリセットデータとして印加
されるとともに、スイッチSWaを介してシフトレジス
タ222の2ビット目にもプリセットデータとして入力
可能となっている。
【0062】先にも述べたように、パターンエッジの太
らせ量ΔLがビットイメー上で1ビット(1画素)であ
るものとすると、シフトレジスタ222のプリセット用
の3つのスイッチSWa、SWb、SWcはいずれも図
14に示した位置に設定される。このため、長手終端部
の判定結果である信号KBは、通常、アンド回路223
によって信号KAとの論理積がとられた後、スイッチS
Waを介してシフトレジスタ222の2ビット目にプリ
セットデータとして印加される。3つのスイッチSW
a、SWb、SWcは太らせ量を意識的に変えたいとき
に、それぞれ図14の位置から切り替えられる。詳しく
は後で述べることにする。
【0063】さて、図9に示したように、着目ビットA
PXからのシリアルビットデータDC 0 は各シフトレジス
タのシフト動作用のクロックパルスCKに応答して、1
ビットずつ4ビットのシフトレジスタ100へ導かれ
る。シフトレジスタ100を4ビットにしたのは、修正
データ付加用のシフトレジスタ222を4ビットにした
からである。そのシフトレジスタ222もクロックパル
スCKに応答してプリセットされたデータを1ビットず
つMSB(最上位ビット)側へシフトしていき、MSB
からデータが修正データDPとしてオア回路104へ出
力される。
【0064】クロックパルスCKは装置内の全てのシフ
トレジスタのシフト動作を行うために、常時シフトレジ
スタ222にも印加されるので、プリセットされたデー
タはクロックパルスCKの4パルス分で全てはき出され
てしまう。プリセットされたデータがはき出された後、
次のプリセット動作が生じるまでシフトレジスタ222
内には論理「0」が全ビットに現れるように設定され
る。
【0065】そのプリセット動作は制御回路221から
のストローブパルスSTBに応答して行われる。制御回
路221はオア回路220の出力が「0」から「1」に
反転した後で、かつ次のクロックパルスCKが発生する
直前に、ストローブパルスSTBを出力する。シフトレ
ジスタ222はストローブパルスSTBを受けたときだ
け、プリセット動作を行う。
【0066】今、2つの信号KA、KBのうちいずれか
一方が「0」から「1」に反転した状態を考える。その
場合、制御回路221は次のクロックパルスCKが発生
する前に、ストローブパルスSTBを出力する。これに
応答して、図14の3つのスイッチの状態ではシフトレ
ジスタ222にLSB側から「1000」のデータ列が
プリセットされる。一方、この状態のとき着目ビットA
PXにはパターンエッジの最外のビット(論理「1」)が
位置し、シフトレジスタ100の4ビット内は全て
「0」のはずである。
【0067】そして、次のクロックパルスCKが発生す
ると、シフトレジスタ100のLSBには着目ビットA
PXのデータ(論理「1」)がシフトされるので、シフト
レジスタ100内のデータはLSB側からみて「100
0」となる。このとき同時にシフトレジスタ222もL
SB側からMSB側へ1ビットだけシフトされているか
ら、シフトレジスタ222内のデータはLSB側からみ
て、「0100」となる。
【0068】こうして順次クロックパルスCKが発生す
ると、シフトレジスタ100がパターンエッジ外周の1
ビット目(論理「1」)をMSBから出力する1シフト
前の段階で、シフトレジスタ222は信号KAに対応し
た1ビット分のデータ「1」をMSB側から出力するこ
とになり、オア回路104からはパターンエッジが1画
素分だけ太ったシリアルビットデータが出力される。
【0069】また、信号KA、KBがともに「0」から
「1」になったときは、同様にストローブパルスSTB
が発生するとともに、アンド回路223は「1」を出力
するのでシフトレジスタ222にはLSB側からみて、
「1100」のデータ列がプリセットされる。このため
着目ビットAPXからのシリアルビットデータDC0 ’に
は、オア回路104を介してパターンエッジに対し2画
素分だけ太るような修正データが付加される。
【0070】ところで、3つのスイッチSWa、SW
b、SWcを図示の状態から切り替えると、太らせ量を
意識的に変えられる。例えば、スイッチSWaだけを図
示の状態から切り替えると、シフトレジスタ222にプ
リセットされるデータは信号KA又は信号KBに対応し
て、LSB側から常に「1100」となる。従ってこの
場合、アンド回路223の出力が全く使われないので、
パターンの長手終端部で線幅を太らせるといった操作が
禁止される。
【0071】また、スイッチSWbのみを図示の状態か
ら切り替えると、信号KAとKBのいずれか一方に応答
して1画素分(ΔL)だけパターンが太るとともに、信
号KAとKBの同時性に応答してシフトレジスタ222
の2ビット目、3ビット目に「1」がセットされ、2画
素分(2×ΔL)だけ太ることになり、長手終端部の孤
立的なパターンエッジ部を、スキャン方向と逆方向に合
計3画素分だけ太らせることができる。
【0072】さらに、3つのスイッチSWa、SWb、
SWcを全て切り替えると、孤立的、あるいは長手終端
近傍のいずれかの判断結果によって、パターンエッジ部
は2画素分拡張され、さらにそのパターンエッジ部が孤
立的で、かつ長手終端近傍という判断結果によって2画
素分拡張され、最大4画素分まで太らせることができ
る。
【0073】このように信号KA,KB及びスイッチ群
によって、シフトレジスタ222へプリセットすべきデ
ータ列の内容を変えることにより、修正後のパターン線
幅や長さをある程度自由に調整することができる。とこ
ろで本実施例では、切り出し窓内に現れるビットイメー
ジは窓内の左から右(+X方向)へ流れており、これに
対して検定子テンプレートは窓内で着目ビットの左側に
直線状検定子CPXが位置するように設定した。これは、
切り出し窓内に現れる論理「1」の集合体であるパター
ンエッジのうち、Y方向に伸びた右側のエッジを修正す
るからである。
【0074】しかしながら、検定子テンプレートを着目
ビットを中心として切り出し窓内で図10の状態から1
80°回転させた状態に設定した場合は、図9、図14
に示したディレー用のシフトレジスタ100を省略する
ことができる。この場合、着目ビットに隣接するエッジ
検知用のビットは、切り出し窓内で着目ビットの左側の
ビット(20、21)に設定されるので、修正されるパ
ターンエッジは、図15に斜線で示すように切り出し窓
内でY方向に伸びた左側のエッジになる。
【0075】このとき図15に示したビットイメージパ
ターンは、やはりシフトレジスタの働きで+X方向に矢
印のようにシフトしていく。従って、図15のように着
目ビット(21、21)がパターンの左側エッジに位置
し、そのエッジが修正すべきものであると判断されたと
きは、図15の状態から次にシフト動作が行われた時点
で着目ビットからのシリアルビットデータDC0 に論理
「1」を修正データとして加算していけば良い。このた
めには原理的に、図14の回路において、着目ビットか
らのデータDC0 を直接、オア回路104の一方の入力
に印加し、シフトレジスタ222のシフト動作はMSB
側からLSB側へ行うようにし、さらにLSBの出力を
オア回路104の他方の入力に印加するようにすればよ
い。次に、図9〜図14に示した装置構成の具体的な動
作の一例を説明するが、ここでは先にも述べたように、
修正する単位太らせ量ΔLは1画素分とするので、図1
4中の3つのスイッチSWa、SWb、SWcは図示の
状態に設定される。また検定子テンプレートは図10に
示したものとする。さらに、以下においては説明を簡単
にするため、図16に斜線で示すようなコの字状のパタ
ーンPQ(論理「1」の集合)を使う。
【0076】まず始めに、設計上のパターンデータが図
9のフレームメモリ3上にビット展開された後、フレー
ムメモリ3から設計上のビットシリアルデータが切り出
し窓内に順次シフトされてくるときに切り出し窓内に現
れるパターンPQのビットイメージが図16のようにコ
の字状であるものとする。パターンPQは線幅が解像限
界程度であり、ビットイメージ上では10画素分とす
る。また、パターンPQは3つのライン部PQ1 、PQ
2 、PQ3で構成され、互いに平行なライン部PQ1
PQ3 の間隔(スペース部)も10画素とする。
【0077】ここで、X方向に伸びたライン部PQ
1 は、終端となる10画素分のエッジEg1 と、X方向
に29画素分のエッジEg2 と、X方向に19画素分の
エッジEg8 とで区画され、Y方向に伸びたライン部P
2 はY方向に30画素分のエッジEg3 とY方向に1
0画素分のエッジEg6 とで区画され、さらにX方向に
伸びたライン部PQ3 は終端となる10画素分のエッジ
Eg5 と、X方向に21画素分のエッジEg4 と、X方
向に11画素分のエッジEg7 とで区画される。
【0078】このようなパターンPQは、切り出し窓内
を+X方向に1ビットずつnビット(例えば50,00
0ビット)だけシフトしたら、全体に1ビットだけ−Y
方向にシフトして再び+X方向にシフトしていく。その
ため、図10に示した検定子テンプレートを使うと、ま
ず始めにエッジEg3 が修正されることになる。図17
はビットイメージのスキャン中に最初にエッジEg3
着目ビットAPXに位置した状態を示す。このとき、図1
1(C)のエッジ検知回路の出力EDは「1」になるた
め、図13中の2つのアンド回路207、208の夫々
は開いた状態に設定される。さらに、図10は検定ビッ
ト配置から、楕円状検定子BPX内は全て透明部
(「0」)であるため、図11(A)のノア回路200
の出力LGBは「1」となり、アンド回路207の出力
KAも「1」になる。
【0079】一方、切り出し窓内で上側の羽根状検定子
EAP は全てパターンにかかっているため、図12のナ
ンド回路206の出力LGEaは「0」であり、図13
中のアンド回路210は他の入力条件に関わらず「0」
を出力する。また、切り出し窓内の下側の羽根状検定子
DAP については、検定子EAP と重複しているビット
(15、21)のみがパターン(「1」)にかかり、他
の8つの検定ビットは全て透明部(「0」)にある。こ
のため、図12のナンド回路205の出力LGDaは
「1」となり、同時に2つの円形検定子DBP 、DCP
も「0」である。このため、図13のアンド回路209
の4入力のうち3つの入力は「1」になる。
【0080】ところが、直線状検定子CPXは全てパター
ン(「1」)上に位置するので、図11(B)のナンド
回路202の出力LGCは「0」となり、結局、図13
のアンド回路209の出力は「0」である。以上によ
り、図13のオア回路211の出力は「0」となり、ア
ンド回路208の出力KBも「0」のままである。従っ
て、図14の回路によって出力KAが「1」、出力KB
が「0」のもとで、図17の着目ビットに位置するエッ
ジ部は1画素分だけ太ることになる。こうして順次ビッ
トイメージのスキャンが行われ、修正されたビットイメ
ージデータは、図9中の一時記憶部110内の1ページ
目のフレームメモリ部110Aへ格納される。
【0081】図18は図17の状態からさらにスキャン
が進み、エッジEg3 が着目ビットに位置した状態を示
す。この場合も楕円状検定子BPXは全て透明部であるの
で、出力KAは「1」になる。また、上側の羽根状検定
子EAP は全てパターン上にあるので出力LGEaは
「0」であり、アンド回路210の出力も「0」であ
る。
【0082】一方、下側の羽根状検定子DAP には一部
パターンがかかっているので出力LGEaは「1」であ
り、直線状検定子CPXは全て透明部上にあるので出力L
GCも「1」である。ところが、円形検定子DPP はパ
ターン上に位置するので、アンド回路209の出力は
「0」である。この結果、出力KBは「0」のままであ
る。従って、図18の状態においてもエッジEg3 は1
画素分だけ拡張されることになる。
【0083】尚、図18において、エッジEg3 に隣接
したビットのうち×印をつけたビットは、修正後のビッ
トイメージ上で拡張されることを表す。以上のようにし
て、ビットイメージの+X方向スキャンモードにより、
パターンPQのエッジEg3 は全て1画素分だけ拡張さ
れる。次に、図9のスイッチSW2 を図示の状態にし、
スイッチSW1 を図示の状態から切り替える。一時記憶
部110内の制御部110Bは、1ページ目のフレーム
メモリ110Aからのシリアルビットデータの読み出し
順序を変更して、切り出し窓内に現れるビットイメージ
を図16の状態から180°回転させる。従って、次の
−X方向スキャンモードにおいては、パターンPQのエ
ッジEg1 、Eg5 、Eg6 が修正される。
【0084】図19は−X方向スキャンモードによって
最初にエッジEg1が着目ビットに位置した状態を示
す。この場合も、楕円状検定子BPX内は全て透明部であ
るので出力KAは「1」になる。また直線状検定子CPX
は全てパターン部であるので、出力LGCは「0」とな
り、図13の2つのアンド回路209、210はともに
「0」を出力する。従って図19の場合、出力KAは
「1」、出力KBは「0」となり、エッジEg1 は1画
素分だけ拡張される。
【0085】さらに−X方向スキャンモードによってパ
ターンPQが切り出し窓をシフトしていくと、エッジE
6 が図20のように着目ビットに位置する。尚、図2
0中でエッジEg3 に隣接した×印のビットは修正によ
って拡張された部分を表す。この修正されたビットは切
り出し窓内のビットイメージとして現れている。またエ
ッジEg1 に隣接した×印のビットは、この段階では切
り出し窓内に現れていない。
【0086】さて、図20の場合、楕円状検定子BPX
にはパターン部と透明部とが混在するため、出力KAは
「0」になる。同時に直線状検定子CPX内は全て透明部
であるため、出力LGCは「1」になる。さらに上側の
羽根状検定子EAP 内は全てパターン部であるから、出
力LGEaは「0」になる。一方、下側の羽根状検定子
DAP 内にはパターン部と透明部とが混在し、出力LG
Daは「1」になる。ところが検定子DCP はパターン
上にあるため、結局2つのアンド回路209、210は
いずれも「0」を出力し、出力KBも「0」になる。従
って、図20の状態ではエッジEg6 の修正は行われな
い。
【0087】以上のようにして、さらにエッジEg5
ついても1画素分の拡張が行われ、修正されたビットイ
メージのシリアルデータは一時記憶部110内の2ペー
ジ目のフレームメモリ110Aへ順次書き込まれる。そ
の後、2ページ目のメモリ110Aからは制御部110
Bによって見かけ上ビットイメージの−Y方向スキャン
が行われるように、シリアルビットデータの読み出しが
行われ、順次切り出し窓に通される。これによって切り
出し窓内に現れるパターンPQは、図16の状態から時
計回りに90°回転したものになり、修正され得るエッ
ジはエッジEg 2 とEg7 になる。
【0088】図21は−Y方向スキャンモード中にエッ
ジEg2 が着目ビットの1つ手前に位置した状態を示
す。この場合、実際にはエッジEg3 の修正部分のビッ
ト(×印)が着目ビットの1つ手前に位置する。この状
態は先の図17と全く同じなので、結局、エッジEg2
は修正によって伸びた部分を含めて全体に1画素分だけ
拡張される。ところが、図22に示すようにエッジEg
2 が着目ビットに位置すると、上側の羽根状検定子EA
P の先端(上端)の2つの検定ビットがエッジEg1
対する修正部(×印のビット)からはみ出すことにな
り、出力LGEaは「1」になる。このとき同時に、2
つの円形検定子EBP 、ECPは「0」になり、直線状
検定子CPX内には「0」と「1」が混在することになる
から、図13のアンド回路210は「1」を出力し、そ
の結果出力KBも「1」になる。従って、図22の状態
からエッジEg2 には先端に渡って2画素分の拡張が行
われる。
【0089】尚、図22においてエッジEg1 、E
3 、Eg5 に隣接した×印ビットは修正部分であり、
この段階で切り出し窓内に現れている。しかしながらエ
ッジEg 2 に隣接した×印のビットはこの段階では現れ
てこない。また、エッジEg7 については、スキャンの
過程で図23に示すように着目ビットに位置する。この
図23の場合、楕円状検定子BPXは全てパターン部にか
かっているため、出力KAは「0」のままである。この
とき、直線状検定子CPXは全て透明部上に位置するから
出力LGCは「1」になり、上側の羽根状検定子EAP
内にはパターン部と透明部とが混在するので出力LGE
aも「1」になる。さらに2つの検定子EBP 、ECP
はともに「0」であるから、図13のアンド回路210
は「1」を出力し、この結果出力KBが「1」になる。
従って、出力KAが「0」、出力KBが「1」の条件の
もとで、図14の回路によってエッジEg7 はエッジE
5 の修正ビット分を含めて全長に渡って1画素分だけ
拡張される。
【0090】以上のようにして修正されたシリアルビッ
トデータは一時記憶部110の1ページ目のメモリ11
0Aへ記憶される。このとき1ページ目にはすでに+X
方向スキャンモード時に生成された修正ビットイメージ
が格納されているが、最早不要であるので消去してしま
って構わない。次に、その1ページ目のビットイメージ
データを切り出し窓を+Y方向スキャンモードで通し、
修正してデータを2ページ目のメモリ110Aへ記憶す
る。このとき切り出し窓内を通るビットイメージは図1
6の状態から反時計方向に90°回転しているように、
メモリ110Aからのシリアルビットデータの読み出し
が制御される。このため修正され得るエッジはEg4
Eg8 になる。
【0091】図24は、+Y方向スキャンモード中にエ
ッジEg8 が着目ビットに位置した場合であり、このと
き楕円状検定子BPX内にはパターン部と透明部とが混在
するので出力KAは「0」である。さらに、下側の羽根
状検定子DAP 内と直線状検定子CPX内には「0」と
「1」が混在し、2つの円形検定子DBP 、DCP はい
ずれも「0」である。このため出力LGCは「1」、出
力LGDaは「1」となり、図13のアンド回路209
は「1」を出力し、出力KBも「1」になる。従って、
エッジEg8 に対して図24の状態では1画素分だけ拡
張される。
【0092】さらにスキャンが進み、着目ビットが図2
5のようにエッジEg8 上に位置したものとする。この
とき楕円状検定子BPX内には「0」と「1」が混在する
ので出力KAは「0」である。また上側の羽根状検定子
EAP と下側の羽根状検定子DAP とはいずれもパター
ン内に含まれてしまうため、出力KBも「0」となる。
従って、図25の位置からパターンPQが下方へスキャ
ンされていく間は、何ら修正が行われない。尚、図25
においてエッジEg8 に隣接する修正ビットのうち×印
のものは、この段階では切り出し窓内に現れていない。
他のエッジについての修正ビットはこの段階で現れてい
る。
【0093】図26はエッジEg4 が着目ビットに位置
した場合を示す。この場合、楕円状検定子BPX内には何
もパターンがないので、出力KAは「1」となる。さら
に下側の羽根状検定子DAP には「0」と「1」が混在
するので出力LGDaも「1」となる。同時に直線状検
定子CPX内にも「0」と「1」が混在するので、出力L
GCも「1」になる。そして2つの検定子DBP 、DC
P の位置には何もパターンがないので、図13のアンド
回路209は「1」を出力し、出力KBは「1」にな
る。従って、図26の状態ではエッジEg4 は2画素分
だけ拡張される。尚、図26においてエッジEg8 とE
4 に隣接した×印の修正ビットは、この段階では切り
出し窓内に現れていない。
【0094】さらにパターンPQが下方へスキャンされ
て、図27のようにエッジEg8 が着目ビットに位置し
たとする。このとき、直線状検出子CPX内は全てパター
ンになるため、出力LGCは「0」となり、その結果出
力KBは「0」になる。ただし出力KAは「1」である
ため、ここからは1画素分だけの拡張が行われる。以上
で全ての方向についての修正が終了し、2ページ目のメ
モリ110Aには、その修正ビットイメージが生成され
る。後は先に述べたようにスイッチSW2 を切り替え
て、EB露光用のフレームメモリ3へ修正ビットイメー
ジデータを転送すればよい。こうして生成された修正ビ
ットイメージを図28に示す。図28において、■で示
したビットが修正によって付加された部分である。
【0095】以上、本発明の実施例を説明したが、それ
以外にいくつかの変形例が考えられる。まず第1にビッ
トイメージのスキャンは+X、−X、+Y、−Y方向の
4回から1回にすることができる。そのためには図10
に示した検定子テンプレートを着目ビットを中心に90
°ずつ回転させたものを同一切り出し窓内に設定し、着
目ビットに何らかのエッジが位置したら、そのエッジの
方向性を検知し、その方向性に合った検定子テンプレー
トを使ってエッジの修正を行うようにすればよい。
【0096】第2に、図10のテンプレートではパター
ンの長手終端を規定するエッジについても、ライン長手
方向をのばすために、1画素分だけ拡張するようにし
た。しかしながら、パターンの長手方向の寸法は変えず
に、線幅のみを修正したい場合もある。その際は楕円状
検定子BPXが何らかのパターン内に包含されていないこ
と、すなわち出力LGBが「1」であり、直線状検定子
PXが何らかのパターン内に全て包含されていること、
すなわち出力LGCが「0」であり、かつ2つの羽根状
検定子DAP 、EAP の両方に何らかのパターンのエッ
ジがかかっているとき、すなわち出力LGDa、LGE
aがともに「1」のとき、出力KA等を強制的に「0」
にするようなロジック回路を設ければよい。具体的に
は、出力LGB、出力LGCを反転したもの、及び出力
LGDa、LGEaの4つを入力するアンド回路を設け
る。そしてこのアンド回路の出力が「1」のとき、スト
ローブパルスSTBが発生しないように、オア回路22
0の出力の制御回路221への伝達を阻止するゲートを
設ければよい。
【0097】第3に、実施例ではパターンを遮光部とし
て考えたが、逆に透明部として扱うこともできる。その
場合、透明部によるラインパターン等の長手終端近傍の
線幅を太らせることになる。このときは、フレームメモ
リ3から切り出し窓へ設計上のビットイメージデータが
流れてくる部分、すなわち図9中の端子TPの位置にイ
ンバータ(NOT)を設け、同時にスイッチSW2 とフ
レームメモリ3との間にもインバータを設ければ良い。
【0098】第4に、実施例では図14に示すように、
修正データ付加用のシフトレジスタ222のLSBに
は、常にオア回路220の出力が印加され、着目エッジ
が孤立的であること(出力KA=「1」)、又は長手終
端近傍であること(出力KB=「1」)のいずれか一方
で、1画素分の修正を行ったが、単に長手方向終端近傍
という条件のみを使って所定画素数分の修正を行っても
良い。この場合は、孤立的であるという判定結果を使わ
なくてもよいので、図14中アンド回路223を省略
し、オア回路220の出力とシフトレジスタ222のL
SBとの接続をはずし、さらに出力KBを直接LSBと
スイッチ群SWa、SWb、SWcとへ接続すれば良
い。但し、互いに隣接するパターン間で対向した平行な
エッジ部分では、それが長手終端近傍のときに修正量を
少なくするか、あるいは修正しなくてもよいこともあ
る。そこで、出力KBが「1」となったときに出力KA
が「0」であれば、修正量を1画素分(又は、0画素)
とし、出力KAが「1」であれば、修正量を2画素(又
は、1画素)とするようにアルゴリズムを変更すれば良
い。この場合、出力KBが「0」のときは出力KAの状
態にかかわらず修正は行われないようにする。このよう
なアルゴリズムの変更は、図14中のオア回路220、
アンド回路223、スイッチ群SWa、SWb、SWc
等の各接続、及びシフトレジスタ222の各ビットへの
プリセットデータの与え方を変更するだけで容易に実現
できる。
【0099】第5に、本実施例では対象となるパターン
要素は切り出し窓内でX方向(ビットシフト方向)とY
方向(ラインシフト方向)との夫々に伸びたエッジのみ
を有するとしたが、X方向、Y方向の夫々に対して交差
する方向、例えば45°方向に伸びたエッジに対して図
10の検定子を±X方向、±Y方向の夫々に相対走査さ
せて修正を行っても良い。あるいは図10中の検定子の
方向性を45°だけ回転させるように各検定ビットを配
置しても良い。尚、図1に示した空間フィルターSF2
を使って照明光学系中のフーリエ変換面内の4ヶ所に光
源からの照明光束を集中させる際、その4ヶ所の中心点
を結んでできる矩形の各辺がX、Y方向と特定の関係
(例えば平行)になっていると、斜め45°のエッジを
持つライン状パターン(あるいはシェブロンパターン
等)は先端での先細りがほとんどない状態で転写され得
る。このため、斜め45°(あるいは30°〜60°程
度)のエッジを持つパターンに対しては修正動作を禁止
するようにしても良い。この場合は、着目ビットApx
通るエッジのうちY方向(又はX方向)に伸びたエッジ
を検出するためのいくつかの検定ビットを新たに切り出
し窓内に設定し、これらの検定ビットによって検出され
たエッジ(Y、又はX方向に所定画素数以上に渡って伸
びる)に対してのみ上述の修正を行うようにする。その
一例としては、例えば図10において、着目ビット(2
1、21)から上に2〜3画素の位置(21、19)又
は(21、18)と、着目ビットから下に2〜3画素の
位置(21、23)又は(21、24)とに検定ビット
を設定し、着目ビット(21、21)によってエッジが
検出されるとき(論理「1」のとき)、さらにその上と
下との検定ビットが共に論理「1」になっているか否か
を判定すれば良い。ロジック回路としては、その上下の
2つの検定ビットの夫々からのデータと図11(c)に
示した信号EDとを共に入力する3入力のアンド回路を
設け、このアンド回路の出力を図13中の信号EDとし
て印加すれば良い。
【0100】また、以上の実施例ではパターンの孤立的
な部分で幅を太らせるとしたが、逆に孤立的な部分以外
の幅を設計値から所定量だけ細らせるような修正にして
も同様の結果が得られる。この場合の検定も、図10の
各検定子がそのまま利用でき、着目画素があるパターン
のエッジ部に位置したとき、そのエッジ部が孤立的でな
いこと、及び/又は長手終端近傍でないことを判定し、
着目画素のエッジ位置から所定個の画素分だけエッジを
内側に細らせるように、すなわち設計上で論理値「1」
の部分を強制的に「0」に置き換えるようなアルゴリズ
ムにすれば良い。
【0101】また、以上の修正は1枚のレチクル中の全
パターンデータに対して行なわずに、特定の部分のパタ
ーンのデータに対してのみ行なってもよい。また、本装
置で一度に持つパターンデータは、補正を行なう部分の
全データである必要はなく、部分的なデータブロックの
みを持ち、上記部分を処理(修正後)に、修正後データ
を補助装置にストアし、次のブロックのデータをリード
して処理(修正)を行なうようにしてもよい。この場
合、本装置が一度に読み出すデータは修正を行うエリア
分よりも、判断テンプレート(検定子、又はそのための
切り出し窓)分だけ大きいことが望ましい。
【0102】また、同一形状のパターン群を含むレチク
ルパターンの場合、例えばメモリ用のレチクルパターン
の場合、1つのパターン群を上述の方法で修正し、他の
同一形状のものはこの修正結果をそのまま利用(コピ
ー)すればよく、処理時間の大幅な短縮が図れる。以上
の実施例では、図11〜図14に示したハードウエアに
よりパターン修正を行ったが、同様の機能を達成するソ
フトウエアにより修正を行うようにしても構わない。
【0103】
【発明の効果】以上、本発明によれば、マスクの遮光パ
ターン部、透過パターン部の形状補正を自動的に行なう
ことができる。従って、特殊な照明方法を用いた投影露
光で問題となる孤立パターンや、周期パターン部での線
幅の部分的な細りを解決し、設計値通りの大きさのレジ
ストパターン、及び回路パターン等を得ることができ
る。
【0104】また、本発明により得られるレチクルパタ
ーンを持つレチクルは、基本的には従来と同様に透過部
と遮光部とからのみ成るレチクル(すなわち位相シフト
レチクルではない)であり、従来の確立された描画、エ
ッチング、検査、欠陥修正、及び洗浄技術等をそのまま
利用することができる。さらに、上述の特殊な照明方法
を用いた露光装置を使用すれば、製造、検査、欠陥修正
等が共に困難な位相シフトレチクルを使用するのと同様
の解像度及び焦点深度の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特殊な照明方法を採用した投影露光装置の原理
的な構成を示す図。
【図2】図1の装置で従来のレチクルパターンを露光し
たときの不都合を説明する図。
【図3】図2の不都合を解消するためのパターン修正例
を説明する図。
【図4】パターン修正のための検定子(判断テンプレー
ト)の形状を説明する図。
【図5】図4の検定子を用いた各種パターンの修正の原
理的な説明に供する図。
【図6】図4の検定子を用いた各種パターンの修正の原
理的な説明に供する図。
【図7】図5、図6中の各種パターンの修正後の形状を
示す図。
【図8】本実施例におけるパターン作成システムを含む
レチクル製造装置の全体構成を示す図。
【図9】パターン修正装置の概略的な構成を示す図。
【図10】切り出し窓内に設定される検定子のビット配
置を示す図。
【図11】各検定ビットに対応した判断ロジック回路を
示す図。
【図12】各検定ビットに対応した判断ロジック回路を
示す図。
【図13】孤立的エッジの判定と長手終端部近傍エッジ
の判定とを実行する回路を示す図。
【図14】判定結果に応じて設計上のビットイメージデ
ータに修正ビットデータを付加する回路を示す図。
【図15】図10の検定子配置を180°回転させた場
合のビット配置を示す図。
【図16】修正すべき設計上のビットイメージパターン
の一例を示す図。
【図17】図16のパターンのエッジEg3 に対する修
正の様子を示す図。
【図18】図16のパターンのエッジEg3 に対する修
正の様子を示す図。
【図19】図16のパターンのエッジEg1 に対する修
正の様子を示す図。
【図20】図16のパターンのエッジEg6 に対する修
正の様子を示す図。
【図21】図16のパターンのエッジEg2 に対する修
正の様子を示す図。
【図22】図16のパターンのエッジEg2 に対する修
正の様子を示す図。
【図23】図16のパターンのエッジEg7 に対する修
正の様子を示す図。
【図24】図16のパターンのエッジEg8 に対する修
正の様子を示す図。
【図25】図16のパターンのエッジEg8 に対する修
正の様子を示す図。
【図26】図16のパターンのエッジEg4 に対する修
正の様子を示す図。
【図27】図16のパターンのエッジEg4 に対する修
正の様子を示す図。
【図28】図16のパターンの修正後のパターン形状を
示す図。
【符号の説明】
1 MTR 2 ビット展開装置 3 フレームメモリ 4 EB露光機 10 修正装置 102 検定ロジック回路 110 一時記憶部 200 ノア回路 202、205、206 ナンド回路 222 シフトレジスタ SR1 切り出し窓用のシフトレジスタ群 Apx 着目画素 Bpx 楕円状検定子 Cpx 直線状検定子 DAp 、EAp 羽根状検定子

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光基板上に転写すべきパターンの少なく
    とも一部に含まれる複数のパターン要素を、マスクとな
    る原版上に形成するために、前記複数のパターン要素の
    設計データに基づいて前記各パターン要素の作成データ
    を決定するパターン作成方法において、 前記複数のパターン要素のうち対象となるパターン要素
    のエッジが他のパターン要素から一定間隔以上離れてい
    るか否かを検定し、該一定間隔以上となるエッジが前記
    対象となるパターン要素の少なくとも一部に存在すると
    きは、該少なくとも一部のエッジが前記設計データに比
    べて外側に拡張されるように、前記対象となるパターン
    要素の作成データを決定することを特徴とするパターン
    作成方法。
  2. 【請求項2】前記作成データは、前記対象となるパター
    ン要素に該当する前記設計データの一部を修正したもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のパターン作成
    方法。
  3. 【請求項3】前記作成データは、前記少なくとも一部の
    エッジを拡張するための修正量、又は前記対象となる要
    素パターンの前記拡張後の線幅に関連する情報を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載のパターン作成方法。
  4. 【請求項4】前記設計データに基づいて、前記対象とな
    るパターン要素の少なくとも一部を含む設計上のパター
    ン要素の画像を微小な画素の集合から成る2値化画像に
    展開し、該展開された2値化画像の情報に基づいて、前
    記一定間隔以上となるエッジが前記対象となるパターン
    要素に存在するか否かを判定することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のパターン作成方法。
  5. 【請求項5】前記対象となるパターン要素の少なくとも
    一部のエッジが他のパターン要素から一定画素数以上離
    れているとき、前記少なくとも一部のエッジが前記設計
    データに対して前記画素単位で外側に拡張されるよう
    に、前記2値化画像を修正することを特徴とする請求項
    4に記載のパターン作成方法。
  6. 【請求項6】前記対象となるパターン要素は、線幅を規
    定する一対のエッジが共に前記一定間隔以上となる孤立
    部を少なくとも一部に含み、前記一対のエッジがそれぞ
    れ拡張されるように前記作成データが決定されることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のパター
    ン作成方法。
  7. 【請求項7】前記一対のエッジの各拡張量は前記孤立部
    の線幅の10〜15%程度であることを特徴とする請求
    項6に記載のパターン作成方法。
  8. 【請求項8】前記対象となるパターン要素は、前記一対
    のエッジの延設方向が長手方向となる線状パターンであ
    ることを特徴とする請求項7に記載のパターン作成方
    法。
  9. 【請求項9】前記複数のパターン要素は少なくとも一部
    が前記一定間隔よりも狭い間隔で配列される密集部とな
    り、該密集部の両端のパターン要素でそれぞれ外側のエ
    ッジが拡張されるように、前記作成データが決定される
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    パターン作成方法。
  10. 【請求項10】前記外側のエッジの拡張量はそのパター
    ン要素の線幅の10〜15%程度であることを特徴とす
    る請求項9に記載のパターン作成方法。
  11. 【請求項11】前記密集部内のパターン要素はその線幅
    を規定する一対のエッジの延設方向を長手方向とする線
    状パターンであることを特徴とする請求項9又は10
    記載のパターン作成方法。
  12. 【請求項12】前記パターンを前記感光基板上に転写す
    る露光装置の解像限界の線幅値に対応して前記一定間隔
    が定められることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    か一項に記載のパターン作成方法。
  13. 【請求項13】前記対象となるパターン要素の線幅を規
    定するエッジが終端近傍であるか否かを更に検定し、前
    記対象となるパターン要素の着目するエッジが前記終端
    近傍であるときは、該着目するエッジが他のエッジに対
    して外側に拡張されるように、前記作成データを決定す
    ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記
    載のパターン作成方法。
  14. 【請求項14】前記着目するエッジが更に他のパターン
    要素から一定間隔以上離れているとき、前記終端近傍で
    あるエッジを拡張するための修正量と、前記一定間隔以
    上離れるエッジを拡張するための修正量との合成で決ま
    る量だけ前記着目するエッジが拡張されるように、前記
    作成データを決定することを特徴とする請求項13に記
    載のパターン作成方法。
  15. 【請求項15】感光基板上に転写すべきパターンの少な
    くとも一部に含まれる複数のパターン要素を、マスクと
    なる原版上に形成するために、前記複数のパターン要素
    の設計データに基づいて前記各パターン要素の作成デー
    タを決定するパターン作成方法において、前記複数のパ
    ターン要素のうち対象となるパターン要素の線幅を規定
    するエッジが終端近傍であるか否かを検定し、前記対象
    となるパターン要素の着目するエッジが前記終端近傍で
    あるときは、該着目するエッジが他のエッジに対して外
    側に拡張されるように、前記対象となるパターン要素の
    作成データを決定することを特徴とするパターン作成方
    法。
  16. 【請求項16】前記対象となるパターン要素は、所定方
    向に長手方向を有する直線部を少なくとも一部に含み、
    前記直線部の短手方向の線幅が中心部よりも終端近傍で
    相対的に太くなるように、前記作成データが決定される
    ことを特徴とする請求項13又は15に記載のパターン
    作成方法。
  17. 【請求項17】前記複数のパターン要素は孤立部と密集
    部との少なくとも一方を含み、前記直線部は、前記孤立
    部又は前記密集部の少なくとも一部を構成する線状パタ
    ーンであることを特徴とする請求項16に記載のパター
    ン作成方法。
  18. 【請求項18】前記対象となるパターン要素は、所定方
    向に長手方向を有する直線部を少なくとも一部に含み、
    前記直線部の長さを規定するエッジが前記設計データに
    比べて前記長手方向に拡張されるように、前記作成デー
    タを決定することを特徴とする請求項1〜17のいずれ
    か一項に記載のパターン作成方法。
  19. 【請求項19】前記マスクは、前記感光基板に照射され
    る露光用照明光が透過する透過型であることを特徴とす
    る請求項1〜1のいずれか一項に記載のパターン作成
    方法。
  20. 【請求項20】前記決定された作成データに基づいて、
    前記原版上に前記対象となるパターン要素を形成する露
    光工程を含むことを特徴とする請求項1〜1のいずれ
    か一項に記載のパターン作成方法。
  21. 【請求項21】感光基板上に転写すべきパターンの少な
    くとも一部に含まれる複数のパターン要素を、マスクと
    なる原版上に形成するために、前記複数のパターン要素
    の設計データに基づいて前記各パターン要素の作成デー
    タを決定するパターン作成システムにおいて、 前記複数のパターン要素のうち対象となるパターン要素
    のエッジが他のパターン要素から一定間隔以上離れてい
    るか否かを検定する第1検定手段と、 前記一定間隔以上となるエッジが前記対象となるパター
    ン要素の少なくとも一部に存在するとき、前記少なくと
    も一部のエッジが前記設計データに比べて外側に拡張さ
    れるように、前記対象となるパターン要素の作成データ
    を決定するパターンデータ作成手段とを備えたことを特
    徴とするパターン作成システム。
  22. 【請求項22】前記パターンデータ作成手段は、前記対
    象となるパターン要素に該当する前記設計データの一部
    を修正する修正手段を有することを特徴とする請求項2
    1に記載のパターン作成システム。
  23. 【請求項23】前記作成データは、前記少なくとも一部
    のエッジを拡張するための修正量、又は前記対象となる
    要素パターンの前記拡張後の線幅に関連する情報を含む
    ことを特徴とする請求項21又は22に記載のパターン
    作成システム。
  24. 【請求項24】前記設計データに基づいて、前記対象と
    なるパターン要素の少なくとも一部を含む設計上のパタ
    ーン要素の画像を微小な画素の集合から成る2値化画像
    に展開する2値化展開手段を更に備え、前記第1検定手
    段は、前記展開された2値化画像の情報に基づいて、前
    記一定間隔以上となるエッジが前記対象となるパターン
    要素に存在するか否かを検定することを特徴とする請求
    項21〜23のいずれか一項に記載のパターン作成シス
    テム。
  25. 【請求項25】前記パターンデータ作成手段は、前記対
    象となるパターン要素の少なくとも一部のエッジが他の
    パターン要素から一定画素数以上離れているとき、前記
    少なくとも一部のエッジが前記設計データに対して前記
    画素単位で外側に拡張されるように、前記2値化画像を
    修正することを特徴とする請求項24に記載のパターン
    作成システム。
  26. 【請求項26】前記パターンデータ作成手段は、前記少
    なくとも一部のエッジの拡張量が前記対象となるパター
    ン要素の線幅の10〜15%程度となるように、前記作
    成データを決定することを特徴とする請求項21〜25
    のいずれか一項に記載のパターン作成システム。
  27. 【請求項27】前記パターンを前記感光基板上に転写す
    る露光装置の解像限界の線幅値に対応して前記一定間隔
    が定められることを特徴とする請求項21〜26のいず
    れか一項に記載のパターン作成システム。
  28. 【請求項28】前記対象となるパターン要素の線幅を規
    定するエッジが終端近傍であるか否かを検定する第2検
    定手段を更に備え、前記パターンデータ作成手段は、前
    記対象となるパターン要素の着目するエッジが終端近傍
    であるとき、該着目するエッジが他のエッジに対して外
    側に拡張されるように、前記作成データを決定すること
    を特徴とする請求項21〜2のいずれか一項に記載の
    パターン作成システム。
  29. 【請求項29】前記着目するエッジが更に他のパターン
    要素から一定間隔以上離れているとき、前記パターンデ
    ータ作成手段は、前記終端近傍であるエッジを拡張する
    ための修正量と、前記一定間隔以上離れるエッジを拡張
    するための修正量との合成で決まる量だけ前記着目する
    エッジが拡張されるように、前記作成データを決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のパターン作成シス
    テム。
  30. 【請求項30】感光基板上に転写すべきパターンの少な
    くとも一部に含まれる複数のパターン要素を、マスクと
    なる原版上に形成するために、前記複数のパターン要素
    の設計データに基づいて前記各パターン要素の作成デー
    タを決定するパターン作成システムにおいて、前記複数
    のパターン要素のうち対象となるパターン要素の線幅を
    規定するエッジが終端近傍であるか否かを検定する検定
    手段と、前記対象となるパターン要素の着目するエッジ
    が終端近傍であるとき、該着目するエッジが他のエッジ
    に対して外側に拡張されるように、前記対象となるパタ
    ーン要素の作成データを決定するパターンデータ作成手
    段とを備えたことを特徴とするパターン作成システム。
  31. 【請求項31】前記設計データに基づいて、前記対象と
    なるパターン要素の少なくとも一部を含む設計上のパタ
    ーン要素の画像を微小な画素の集合から成る2値化画像
    に展開する2値化展開手段を更に備え、前記検定手段
    は、前記展開された2値化画像の情報に基づいて、前記
    着目するエッジが終端近傍であるか否かを検定すること
    を特徴とする請求項30に記載のパターン作成システ
    ム。
  32. 【請求項32】前記パターンデータ作成手段は、前記着
    目するエッジが終端近傍であるとき、前記着目するエッ
    ジが他のエッジに対して前記画素単位で外側に拡張され
    るように、前記2値化画像を修正することを特徴とする
    請求項3に記載のパターン作成システム。
  33. 【請求項33】前記対象となるパターン要素は、所定方
    向に長手方向を有する直線部を少なくとも一部に含み、
    前記パターンデータ作成手段は、前記直線部の短手方向
    の線幅が中心部よりも終端近傍で相対的に太くなるよう
    に、前記作成データを決定することを特徴とする請求項
    又は30に記載のパターン作成システム。
  34. 【請求項34】前記対象となるパターン要素が所定方向
    に長手方向を有する直線部を少なくとも一部に含むと
    き、前記パターンデータ作成手段は、前記直線部の長さ
    を規定するエッジが前記設計データに比べて前記長手方
    向に拡張されるように、前記作成データを決定すること
    を特徴とする請求項21〜33のいずれか一項に記載の
    パターン作成システム。
  35. 【請求項35】前記決定された作成データに基づいて、
    前記原版上に前記対象となるパターン要素を形成する露
    光装置を更に備えることを特徴とする請求項21〜3
    のいずれか一項に記載のパターン作成システム。
JP21089291A 1991-08-22 1991-08-22 パターン作成方法、及びパターン作成システム Expired - Lifetime JP3128876B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21089291A JP3128876B2 (ja) 1991-08-22 1991-08-22 パターン作成方法、及びパターン作成システム
EP02079739A EP1293833A1 (en) 1991-08-22 1992-08-21 High resolution printing technique by using a mask pattern adapted to the technique
DE69233134T DE69233134T2 (de) 1991-08-22 1992-08-21 Reproduktionsverfahren mit hoher Auflösung unter Verwendung eines dem Verfahren angepassten Maskenmusters
EP92307659A EP0529971B1 (en) 1991-08-22 1992-08-21 High resolution printing technique by using a mask pattern adapted to the technique
US08/455,141 US5546225A (en) 1991-08-22 1995-05-31 High resolution printing technique by using improved mask pattern and improved illumination system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21089291A JP3128876B2 (ja) 1991-08-22 1991-08-22 パターン作成方法、及びパターン作成システム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP141499A Division JP3312689B2 (ja) 1999-01-06 1999-01-06 マスク、マスク製造方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0566550A JPH0566550A (ja) 1993-03-19
JP3128876B2 true JP3128876B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=16596819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21089291A Expired - Lifetime JP3128876B2 (ja) 1991-08-22 1991-08-22 パターン作成方法、及びパターン作成システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128876B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69434080T2 (de) 1993-06-11 2005-10-20 Nikon Corp. Abtastbelichtungsvorrichtung
CN114578650A (zh) * 2020-11-30 2022-06-03 无锡华润上华科技有限公司 光学邻近效应校正方法、掩膜版及可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0566550A (ja) 1993-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1293833A1 (en) High resolution printing technique by using a mask pattern adapted to the technique
US6516459B1 (en) Integrated circuit design correction using fragment correspondence
US7028284B2 (en) Convergence technique for model-based optical and process correction
US5801954A (en) Process for designing and checking a mask layout
US7055127B2 (en) Mask data preparation
US6303251B1 (en) Mask pattern correction process, photomask and semiconductor integrated circuit device
US7407252B2 (en) Area based optical proximity correction in raster scan printing
JP2006523865A (ja) 実効的近接効果補正方法論
US7328425B2 (en) Method and device for correcting SLM stamp image imperfections
US7529421B2 (en) Optical proximity correction in raster scan printing based on corner matching templates
WO2003021654A2 (en) System and method for identifying dummy features on a mask layer
US20010048478A1 (en) Pattern distortion detecting method and apparatus and recording medium for pattern distortion detection
JP3501688B2 (ja) 露光方法、露光装置、およびデバイス製造方法
JP3128876B2 (ja) パターン作成方法、及びパターン作成システム
KR20060096074A (ko) Slm 스탬프 영상 결점을 교정하기 위한 방법 및 장치
JPH11329957A (ja) 露光装置用のデ―タ作成方法
JP3312689B2 (ja) マスク、マスク製造方法及び装置
JP3378302B2 (ja) フォトマスク設計方法及び設計装置
JP3146542B2 (ja) マスク製造方法、及びマスク製造システム
JP3187107B2 (ja) パターン検査装置
US6360134B1 (en) Method for creating and improved image on a photomask by negatively and positively overscanning the boundaries of an image pattern at inside corner locations
JP4700664B2 (ja) アンカーリングフィーチャを利用したパターンピッチ分割分解を行うための方法
JP2000349011A (ja) 露光方法、露光装置、およびデバイス製造方法
US6560767B2 (en) Process for making photomask pattern data and photomask
JPH06163364A (ja) 露光装置及びパターン形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 11