JP3378302B2 - フォトマスク設計方法及び設計装置 - Google Patents

フォトマスク設計方法及び設計装置

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JP3378302B2
JP3378302B2 JP15931893A JP15931893A JP3378302B2 JP 3378302 B2 JP3378302 B2 JP 3378302B2 JP 15931893 A JP15931893 A JP 15931893A JP 15931893 A JP15931893 A JP 15931893A JP 3378302 B2 JP3378302 B2 JP 3378302B2
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和子 大井
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清美 小山
耕治 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造用フォトマ
スク設計に関し、特に微細パタンを転写するのに好適な
半導体製造用フォトマスク設計方法、及び半導体集積回
路の製造等に用いられる露光用マスクの中でも特に位相
シフトマスクにおける位相シフターの配置方法および位
相シフターの自動配置に関する。
【0002】
【従来の技術】第一の従来技術として、レベンソン型位
相シフトマスク自動設計装置に関連して、シンポジウム
オンブイエルエスアイテクノロジー、JSAPCAT.No.AP
911210(1991年)第95から第96ページ(Symposium
on VLSI Technology, pp.,95-96,Oiso,Japan,May 1991)
における野村登等によるオートマティック パターンジ
ェネレーション システム フォア フェーズシフティ
ング マスク(Automatic Pattern Generation System
for Phase Shifting Mask )と題する論文におて、ダイ
ナミック ランダム アクセス メモリー(DRAM)
をレベンソン型位相シフトマスク自動設計装置を用いて
設計しており、図形を通過する光の位相を自動的に決定
する際に、一番最初に任意の図形を選んでその位相を0
°とし、それ以降、任意の図形の位相は、その図形の周
囲にある位相決定済みの図形のうち、今位相を決定しよ
うとしている図形と一番長い辺が向いあって図形と逆の
位相とし、一番長い辺が向かう図形が複数存在し、それ
らの位相が互いに異なっていた場合は警告を出して処理
を中止するというシフター自動配置方法が論じられてい
る。
【0003】第2の従来技術として、アイイーデイーエ
ム テクニカル ダイジェスト(1991年)、第70
5から第708ページ(IEDM Tech. Digest, pp70
5-708,1991)をにおけるアンドリュー アール ノイロ
イサー(Andrew. R. Neureuther )らによる“インベス
ティゲーティング フェーズシフティング マスクレイ
アウイト イシュウズ ユージング ア キャド ツー
ルキット”(Investigating Phase-shifting Mask Layo
ut Issues Using a CAD Toolkit )と題する論文におい
て、与えられた設計パターンに対して設計者が縮小率を
決定し、縮小されたパターンに対してシフターの自動配
置を行ない、シフター配置に矛盾を生ずる箇所があれば
その箇所を表示するという装置について論じられた。
【0004】第3の従来技術として、大井和子らによる
特許出願番号(特願平4−244978)では、透明領
域間の距離がしきい値未満である場合、該透明領域の片
方にシフターを設置し、シフター配置に矛盾が生じた箇
所については設計者にその箇所を提示するという方法、
及びシフター自動配置、シフター配置検証、一部シフタ
ー配置済みのレイアウトに対するシフター配置・検証の
機能を持つ装置について述べられている。
【0005】ところで、半導体集積回路は、高集積化、
微細化の一途をたどっている。その半導体集積回路の製
造に際し、リソグラフィ技術は微細加工技術の要として
特に重要である。このリソグラフィ技術において、位相
シフト法なるマスク製作技術が最近考案され、従来の投
影露光装置をそのまま用いながら、より微細なパターン
を解像できる一手法として研究が進められている。
【0006】特公昭62−50811号公報(以降文献
1とする)には、フォトマスク上の隣接する開口部の少
なくとも一方に位相部材を設け、二つの開口部を透過す
る照明光に位相差を与える方法が述べられている。この
方法により解像力が向上する原理を図26に示す。開口
部53および180°の位相シフトを与える位相シフト
部材55を有する開口部54を透過した少なくとも部分
的にコヒーレントな光は、ウェハー上で180°の位相
差で干渉を起こす(図26c)。一方、開口部53と開
口部54を透過した光の、ウェハー上の開口パターンの
中間位置での振幅の絶対値は等しい。従って、合成光の
振幅は、ウェハー上の開口部の中間位置で0となる(図
26b)。この理由により、パターン中間部で解像が高
まる。
【0007】文献1中には、さらに実施例として、図2
7に示すように、マスクが2次元的なパターンを持ち、
互いに隣接する3つの開口部を有する場合に、第1の開
口部61には位相シフト部材を設けず、第2の開口部6
2に90°、第3の開口部63に180°の位相シフト
をそれぞれ与えることにより、パターン全体の解像を向
上させる方法が述べられている。この場合、位相シフト
量として、0°、90°、180°の3種類が用いられ
ていることになる。
【0008】文献1以外に、マスクパターンとして互い
に隣接する3つの開口部を有する場合に取り扱った例と
して、特開平4−221954がある(以下、文献2と
呼ぶ)。この文献においては、図28に示すように、互
いに隣接する3つの開口部のうち、開口部71にはシフ
ター部材を設けず、第2の開口部72には120°、第
3の開口部73には240°のシフター部材を設け、任
意の2つの開口部の位相差が120°となるようにする
方法が論じられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した第1の従来技
術では、ある図形の周囲とはどのような領域を指すかが
定義されていないために、シフター配置可能なレイアウ
トに対しても、シフター配置不可能の結果を得る場合が
ある。例えば図25(a)のレイアウトデータが与えら
れ、距離r1は透過する光の位相が逆位相で解像可能、同
位相で解像不可能、r2は同位相でも逆位相でも解像可能
であるときに、シフター配置を行なう場合を考える。第
一の従来技術によれば図形の位相を決定する順序につい
ても特に指定がないので、図形X、Y、Zの順に位相を
決定したとする。Xの位相を決め、Yの位相をXと逆位
相にすればよいが、ZはXとYに対して対向する辺の長
さが等しく、しかもXとYは逆位相なのでZに適切な位
相を与えることができない。しかし実際には、図25
(b)のように位相を決めることが可能である。
【0010】また、第1、第2、第3の従来技術に共通
して、シフター配置が行なえない箇所は提示されるが、
レイアウトのどの部分を修正したらシフター配置が可能
になるかは示されないため、修正箇所の探索が必要にな
り効率が悪い。
【0011】また、上述した図26に示す位相シフト法
(以下、レベンソン型位相シフト法と称する)は、その
原理からライン・アンド・スペースのような単純な繰り
返しのパターンには極めて有効である。しかしながら、
一般的な2次元パターンを有するマスクにおいて、3つ
以上の開口部パターンが隣接する箇所が存在する場合、
レベンソン型位相シフト法では隣あう開口部を透過する
光の位相が同位相となる箇所が生じ、その部分では位相
シフト法を用いない従来の露光法と解像性能は同程度と
なる。以下、このようなレベンソン型位相シフト法では
シフターをどのように配置しても、同位相となる部分が
生じてしまう開口部領域を、矛盾箇所と呼ぶことにす
る。マスク全体の縮小率を大きくするためには、こうし
た矛盾箇所を出来るだけ少なくしなければならないこと
になる。すなわち、レベンソン型位相シフト法をDRA
M等の電子デバイスに適用する場合には、セルアレイ部
などの単純な繰り返しパターンが多い部分には有効であ
るが、セルアレイ部から周辺回路へ導出する部分(セン
スアンプなど)においては複雑なパターン配置をしたも
のが多く、レベソンソン型位相シフト法を適用しようと
すると、隣あうパターンが同位相となる部分が極力少な
くなるようにパターンを書き換えなければならなくなる
という困難な作業を伴うことになる。この設計上の制約
が、レベンソン型位相シフト法を電子デバイスに適用す
る際の大きなネックとなっていた。
【0012】一方、文献1の第2の例(図27)および
文献2(図28)では、3位相を利用して、互いに隣接
する3つの開口パターンの解像を向上する方法が示され
ている。互いに隣接する3つの開口部を転写パターンの
一部として含むウェハーの部分領域または全領域で、転
写パターンの解像を向上させ得ることが論じられてい
る。しかしながら、後述するように、解像力の観点から
は、位相差が180°であるレベンソン型位相シフトマ
スクが最も解像力が高いが、この点に着目しながら3位
相以上の位相シフターを配置し、露光マスク全域として
の縮小率をより高くする具体的な方法はいずれの文献に
おいても論じられてはいない。特に、文献1の第2の例
に関しては、3つの開口部が互いに隣接するパターンで
の場合、開口部に与える位相は、0°、180°、90
°(または270°)であり、本発明で用いる位相と同
じであるが、位相シフターを各開口部パターンに配置す
る具体的な規則は文献1では論じられていない。また、
互いに隣接する3つの開口部が連続して存在する図28
のような場合に対しても適用できる、明確な位相シフタ
ーの配置方法は、文献1では議論されていない。
【0013】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、第1の発明の目的とするところは、信頼性の高いマ
スクを設計でき、位相シフトマスク設計作業を効率化す
ることができるフォトマスク設計方法を提供する事にあ
る。
【0014】また、第2の発明の目的とするところは、
設計的な自由度が高く、容易に実デバイスに適用するこ
とができ、しかもウェハーの全域において解像性能が高
い位相シフトマスクを作成することができるフォトマス
ク設計方法及び設計装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第一の発明は、部分的にコヒーレントな入射光を用
いるフォトリソグラフィで使用され、複数の透明領域及
び不透明領域が形成されているフォトマスクの透明領域
上に、透明領域を通過する前記入射光に位相差を与える
位相シフターを設けたフォトマスクを設計する際に、マ
スクレイアウトデータ中の透明領域に相当する図形間の
最短距離があるしきい値未満であるかによって隣接関係
を求め、前記図形間の最短距離が前記しきい値未満であ
る場合に、その隣接関係を前記図形を表すノード及び前
記隣接関係にあるノード同士を結ぶ線分とによるグラフ
で表現し、前記線分の両端のノードに対応する図形が互
いに同位相とされるループ切断箇所を、前記図形間の最
短距離の長いものほど大きく重み付けをする手段、隣接
する前記図形と対向する辺の短いものほど大きく重み付
けをする手段、より多くの閉ループに含まれる前記線分
ほど大きく重み付けをする手段、隣接する前記図形同士
の図形内領域の面積が小さいほど大きく重み付けをする
手段、及び設計者の設計上の判断に基づく重み付けをす
る手段の内の一以上の手段により、当該線分毎に重みを
付け、奇数の前記ノードが線分により結ばれて生じる奇
数ループの当該奇数ループ構成線分のうち、当該線分を
含む全ての奇数ループに当該線分の他に既に決定済の前
記ループ切断箇所が存在しない場合に、前記重みの大き
い順に決定し、前記ループ切断箇所以外の線分の両端の
ノードに対応する図形間に位相差を与えることを特徴と
するフォトマスク設計方法である。
【0016】また、グラフ中の辺の重み付けの条件とし
て、図形間の最短距離の大きいものほど大きい重みを付
ける、図形同士しきい値未満で対向する辺の長さが短い
ものほど大きい重みを付ける、図形同士の距離がしきい
値未満にある図形内領域の面積が小さいほど大きい重み
を付けるがある。又、グラフ中の辺の重みは、当該辺が
前記閉ループに含まれる回数に従って決定することもで
きる。即ち、より多くの閉ループに含まれるグラフ中の
辺ほど大きい重みを付けることができる。更に、設計者
が設計上の判断に基づき重みを与えることが可能になっ
ている。そして、これらのうちいずれか一つ以上の条件
を独立に、又は混用することができる
【0017】更に、第1の発明は、閉ループの構成する
辺の中で、重みの大きい辺から優先的に、各々の閉ルー
プの一辺以上の辺の両端のノードに相当する図形パター
ンを修正する手段で構成する。
【0018】また、第2の発明は、マスクパターンの複
数の開口部分に、その開口部分を透過するリソグラフィ
光の位相をシフトする位相シフターが配置されたフォト
マスクを設計するフォトマスク設計装置であって、前記
位相シフターを、前記複数の開口部分間の距離がしきい
値以下で隣り合う開口部分の位相差が同位相とならない
ように、かつ、前記複数の開口部分間の距離がしきい値
以下で隣り合う開口部分の位相差が180°で対向する
部分の長さが最も長くなるように配置することを特徴と
するものである
【0019】即ち、フォトマスク設計装置により、マス
クパターンの一部または全域に、例えば、互いに隣接す
る3つの開口部のように、レベンソン型位相シフトマス
クではシフターを矛盾無く配置することが出来ない箇所
があり、3種類以上の位相量(0°に近い値を含む)を
用いてこの矛盾を回避する際、閾値以下の距離で隣接す
る開口部のうち、180°の位相差で対向する開口部の
長さがレイアウト全域において最も長くなるように、各
開口部に配置する位相シフト部材の位相量を決める。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【作用】上記手段により、第一の発明によるフォトマス
ク設計方法では、マスクレイアウトデータ中の図形間の
最短距離があるしきい値未満であるかによって図形の隣
接関係を求め、前記図形間の最短距離が前記しきい値未
満である場合に、その隣接関係を前記図形を表すノード
及び前記隣接関係にあるノード同士を結ぶ線分とによる
グラフで表現し、前記線分の両端のノードに対応する図
形が互いに同位相とされるループ切断箇所を、前記図形
間の最短距離の長いものほど大きく重み付けをする手
段、隣接する前記図形と対向する辺の短いものほど大き
く重み付けをする手段、より多くの閉ループに含まれる
前記線分ほど大きく重み付けをする手段、隣接する前記
図形同士の図形内領域の面積が小さいほど大きく重み付
けをする手段、及び設計者の設計上の判断に基づく重み
付けをする手段の内の一以上の手段により、当該線分毎
に重みを付け、奇数の前記ノードが前記線分により結ば
れて生じる奇数ループの当該奇数ループ構成線分のう
ち、当該線分を含む全ての奇数ループに当該線分の他に
既に決定済の前記ループ切断箇所が存在しない場合に、
前記重みの大きい順に決定し、前記ループ切断箇所以外
の線分の両端のノードに対応する図形間に位相差を与え
る。このような第一の発明によれば、前記奇数ループに
含まれる線分のうち重みの大きいものから順次、その
の両端のノードに相当する図形を互いに同位相でも良
い箇所として決定していくことができる。よって、プロ
セス条件や、図形の幾何学的配置を重みの値に反映させ
てシフター配置を行うことが可能になり、より信頼性の
高いマスクを設計することが可能になる。
【0024】また第1の発明では、前記グラフ中の辺の
重み付けの条件として、図形間の最短距離の大きいもの
ほど大きい重みを付ける、図形同士しきい値未満で対向
する辺の長さが短いものほど大きい重みを付ける、図
同士の距離がしきい値未満にある図形内領域の面積が小
さいほど大きい重みを付けるがある。これらによれば、
前記隣接関係にある図形同士が同位相であっても解像す
る可能性を高めることができる。又、グラフ中の辺の重
みは、当該辺が前記閉ループに含まれる回数に従って決
定することもできる。即ち、より多くの閉ループに含ま
れるグラフ中の辺ほど大きい重みを付けることができ
る。これによれば、隣接しているが同位相となる箇所を
より少なくすることができる。更に、設計者が設計上の
判断に基づき重みを与えることが可能になっている。そ
して、これらのうちいずれか一つ以上の条件を用いるこ
とができる
【0025】さらに第1の発明では、閉ループとなる箇
所に対しては、重みの大きい辺から順に、各々の閉ルー
プ一辺以上の辺の両端のノードに相当する図形パターン
に修正を行なう。
【0026】第2の発明を説明するにあたり、まず図2
の連続するパターンに0°、90°、180°、27
0°または0°、120°、240°のシフターを配置
した場合のそれぞれの解像力を図2に示す。この図か
ら分かるように、位相差が90°の開口部間および12
0°の開口部間では、位相シフト法を用いない通常露光
に比べ解像性は高いが、位相差が180°の場合に比べ
解像性が減少することが分かる。
【0027】第2の発明に従えば3つ以上の開口部パタ
ーンが互いに隣接し、従来技術で示した文献1の第1の
例の位相シフトマスクでは隣あう開口部を通過する光の
位相が同位相となる部分が生じ、位相シフト法の効果が
著しく減少するような複雑なパターンにおいても、同位
相となる部分なくシフターを配置することができ、複雑
なパターンを持つ実デバイスのマスクパターンに容易に
適用することができる。また、後述するように、長く隣
接する開口部間は短く隣接する開口部間に比べ解像力が
要求されるが、隣接する開口部のうち、比較的長い開口
部間では180°±n360°(n=0、1、2・・
・)に近い値、比較的に短い開口部間では360°/m
±n×360°(m=3、4、5・・・;n=0、1、
2・・・)に近い値をもつ位相シフター部材を配置する
ことで、図2からも分かるように、文献2の方法より
深いデフォーカスを得ることができ、従って、解像がず
っと良くなる。
【0028】また、第2の発明におけるフォトマスク設
計装置では、しきい値以下の距離で隣接する開口部間に
おいて、開口部分の位相差が180°で対向する部分の
長さが最も長くなるように位相シフターを配置してゆ
く。例えば、図20の場合、開口部151、152、1
53はレベンソン型位相シフトマスクでは、矛盾箇所を
生じる部分である。この場合には、開口部151と15
3が閾値以下で対向している部分は、開口部151と1
52および152と153の閾値以下で対向している部
分より長い(図20(a)参照)。従って図20(b)
のような位相シフターが自動配置される。この例からも
分かるように、閾値以下の距離で隣接する箇所のうち、
180°の位相差で向き合う長さの和がより大きくなる
ように位相を決めるので、レイアウト全域に渡ってデフ
ォーカスの深い露光が実現され、良好な解像を得ること
ができる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0030】第1の発明 (実施例1) 図1に、第1の発明の実施例1による位相決定の手順を
示す。対象となるレイアウトデータに対して、そのレイ
アウトデータ中の図形の隣接関係を求める。この時、図
形間の最短距離がしきい値未満であれば、これらの図形
は隣接していると定義することにする。例えば、入力さ
れたレイアウトデータが図2の場合、このレイアウトデ
ータの隣接関係をグラフに表すと図3(a)のようにな
る。グラフ中の点(以下ノードと称する)は、レイアウ
トデータ中の図形を表し、図形と図形が隣接関係にある
場合、ノードとノードの間を線分で結んでいる。
【0031】ここで例えば重みの付け方としては、次の
4種類の条件があるが、必要に応じていずれか一つ以上
を用いればよい。また、これらの条件の他に任意の重み
を与える必要もある。
【0032】第1の条件は奇数ループに含まれる回数が
多い線分ほど大きい重みを付けることである。奇数ルー
プに含まれる回数がより多い箇所を同位相とすることに
より、隣接しているが同位相となる箇所をより少なくす
ることになる。第2の条件は図形同士の最短距離が大き
い線分ほど大きい重みを付けることである。図形間の最
短距離がより大きい箇所ほど同位相でも解像する可能性
が高くなるからである。第3の条件はしきい値未満で隣
あっている辺の長さが短い図形同士に相当する線分ほど
大きい重みを付けることである。しきい値未満で向かい
あっている辺の長さが短い図形同士ほど解像する可能性
が高くなるからである。第4の条件は、しきい値未満に
ある図形内領域の面積が小さい図形同士に相当する線分
ほど大きい重みを付けることである。しきい値未満にあ
る図形内領域の面積が小さいほどそれらの図形を解像す
る可能性が高くなるからである。そのほかに任意の重み
を与えることが可能になっているが、これにより例え
ば、設計者が特定の箇所に対して、+∞、−∞の重み
付けることにより、それぞれ同位相とする箇所および逆
位相にしたい箇所を特定することが可能になる。
【0033】重みのレベルや絶対値は、プロセス等の条
件、実験、経験値等により決定される。実施例1では、
図4に示す表に従って重みを付けた。図4に示すよう
に、上記4種類の条件全てを用いる必要はなく、必要に
応じていずれか一つ以上を用いればよい。尚、図4にお
いては、実施例1で用いなかった条件について、重みを
0と表示してある。図3(a)には図4に従って重み付
けした値が各線分のわきに下線を付けた数字で示してあ
る。
【0034】ここで奇数のループについて定義する。奇
数ループとは、奇数のノードから構成される閉ループで
ある。例えば図3(a)では4−5−7、4−6−7、
4−5−3−8−7、1−2−4−5−3、1−2−4
−6−7−5−3、1−2−4−5−7−8−3、1−
2−4−6−7−8−3が奇数のループとなる。
【0035】奇数ループに含まれる線分のうち重みの大
きいものから順次、その線分の両端のノードに対応する
図形が互いに同位相でも良い箇所(以下ループ切断箇所
と称する)として決定していく。このとき、注目する線
分を含む奇数ループ全てに、既にループ切断箇所が存在
する場合、その線分はループ切断箇所とはしない。ま
た、ループ切断箇所を一箇所以上含む奇数のループは重
み付けの条件1の対象となる奇数ループから除外する。
従ってループ切断箇所の決定に伴い重みの値が変化する
ことになる。例えば図3(a)では、奇数ループに含ま
れる線分のうち重みの最も重い4−5をループ切断箇所
とする。4−5を含む奇数ループを条件1の対象から除
外し、重みを付け直したグラフを図3(b)に示す。続
いて図3(b)中の4−6または6−7をループ切断箇
所とすればよい。重みが等しい箇所が複数存在する場
合、無作為に一つを選択する。図3(b)の例では、2
箇所のループ切断箇所を決定した結果、全ての奇数のル
ープは一箇所のループ切断箇所を含むことになる。
【0036】ループ切断箇所では、その線分の両端のノ
ードに対応する図形が互いに同位相とし、それ以外の箇
所では線分の両端のノードに対応する図形は互いに逆位
相となるように位相を決定する。例えば図3(b)では
4−5および4−6を同位相とし、それ以外の隣接する
図形は逆位相とする。実施例1の方法に従って図形の位
相を決定した結果を図5に示す。ループ切断箇所につい
ては設計者にその箇所を報告する。
【0037】さらに、実施例1によれば、決定したルー
プ切断箇所に対応する図形に対し、その位置をずらす、
パターンをリサイズするなど、目的とするパターンを解
像できるように適切な修正を行なうこともできる。
【0038】なお、この実施例1では、一つ以上の条件
による重みの合計を用いたが、この方法の応用として以
下に述べるような方法で、重みを用いることも可能であ
る。
【0039】作成したグラフに対して重みを与える場
合、図4に示す条件のうち一番優先度の高い条件を用い
て重み付けをし、奇数ループに含まれる線分のうち重み
の大きいものからループ切断箇所とする。この時、重み
の同じ線分が複数存在した場合、次に優先度の高い条件
による重みが思い線分をループ切断箇所とする。すなわ
ち、より優先度の高い重みが等しい線分が存在した場
合、次に優先度の高い条件で重みを比較する。このよう
な方法により、幾つかの条件の中で設計に決定的な影響
を与える条件がある場合、他の条件に左右されずにルー
プ切断箇所を決めることができる。
【0040】(実施例2) 次に、第1の発明の実施例2を説明する。例えば入力レ
イアウトデータが図6である場合、図形間の最短距離を
測定し、最短距離が別途定めたしきい値未満である場
合、それらの図形は隣接しているとして記憶する。ここ
では、説明のためにグラフを用いる。各々の図形をグラ
フ中のノードで示し、隣接している場合ノードとノード
を線でつなぐのは、図3と同様である。隣接関係を記憶
したのち、もし、レイアウト中に一つ以上位相が決まっ
た図形があれば、その図形と隣接関係において最も近い
図形から順次、隣接している図形が互いに逆位相となる
よう位相を決定していく。図7を用いて考えれば、ノー
ド1に予め180°の位相が与えられていた場合、ノー
ド1に注目し、隣接しているノード2と5に0°の位相
を与える。続いて、ノード2に注目し、ノード2と隣接
しているノード3に180°の位相を与える。次にノー
ド5に注目し、ノード5と隣接しているノード4に18
0°の位相を与える。続いて、ノード3に注目したと
き、ノード3と隣接しているノード4には既に、180
°の位相が与えられており、ノード3と4は隣接してい
ながら同位相となっている。隣接している図形同士は逆
位相とするはずであるから、このような箇所は矛盾箇所
である。実施例によれば、予め、位相を持った図形と隣
接関係において最も近い図形から位相を決定していき、
隣接していながら同位相となってしまった箇所があれ
ば、そこを矛盾箇所として設計者に表示する。
【0041】第2の発明 次に、第2の発明に関わる実施例を図面に基づいて説明
する。
【0042】(実施例1)図8は、第2の発明に従って
メモリセルアレイ中の素子領域のパターンに位相シフタ
ーの配置を行った第一の実施例である。図9が、同じ開
口部パターンにレベンソン型位相シフト法に従ってシフ
ターを配置した例、図10が0°、120°、240°
の3位相を用いたシフター配置例である。
【0043】図9において、41はシフター部材を配置
しない開口部、42は180°の位相シフト量をもつシ
フター部材を配置した開口部を表している。この例では
0°、180°の位相のみで開口部にシフターを配置お
り、長い辺で向き合う開口部間、すなわち41と42の
開口部では位相差が180°となっているためパターン
は良く解像されるが、短い辺で向き合う開口部間、すな
わち、開口部41と41または開口部42と42の間で
は位相シフト法の効果はなく解像は困難になる。
【0044】図10において、開口部31はシフター部
材を配置しない位相シフト量が0°の開口部32、33
は、位相シフト量がそれぞれ120°、240°の位相
シフター部材を配置した開口部である。この例では、全
ての隣合う開口部の位相差が120°となり同位相で隣
接する開口部はない。しかし、解像度が特に必要になる
長い辺で向き合う開口部間の解像度は図9の例に比べて
低いという欠点がある。
【0045】図8において、開口部11は位相シフト部
材を配置しない位相シフト量0°の開口部、また、開口
部12、13、14は、それぞれ90°、180°、2
70°の位相シフト量をもつ位相シフト部材を配置した
開口部を示している。この実施例では、隣合うパターン
間の向き合う部分が長い開口部間の位相を位相差180
°となるようにし、向き合う部分が短い開口部間の位相
差が90°となるようにシフターが配置されており、同
位相で隣合う開口部はない。しかも、解像度が特に要求
される長い辺て向き合う開口部間では解像度向上効果の
最も高い位相差180度となっており、極めて良いパタ
ーンの解像を得ることができる。
【0046】ここで、島状パターンにおいて、向き合う
部分が長い図形間の位相を位相差180°となるように
し、向き合う部分が短い図形間の位相を位相差90°と
なるようにシフターを配置する理由を説明する。まず、
第1には、図11(a)に示すように露光用マスク上の
開口部を通り抜ける光の2次元強度分布を考えると、一
般に長方形の角で強度が弱くなる。従って、短い辺で隣
接する開口部と長い辺で隣接する開口部を比較すると、
長い辺で向き合う開口部間の方が強い光強度で隣接する
部分が長い図11(b),(c))。この強い光強度
で隣接する部分では、光の干渉が強く、解像度が特に悪
くなる(図11(b))。従って、この部分に解像度向
上効果の最も高い、180°の位相差を設ける必要があ
る。
【0047】第2には、全体的な面積縮小率での有利さ
からである。図24に示したように、位相差90°と1
80°の場合、解像力には差が生じる。いま、位相差が
180°の場合の解像できる最小パターン間距離をd
1、90°の場合のそれをd2、同位相の場合のそれを
d3とすると、図24より、d1<d2<d3の関係が
成り立つ。今、向き合う2つの長方形を考え、2つの図
形に各位相差を与えた時に、2図形を近づけられる最短
距離の比較を図12に示す。まず図12(a)は、短い
部分で向き合う2図形の場合である。2図形に位相差9
0°を与えた場合、同位相の場合よりも(d3−d2)
だけ図形を近づけることが出来る。さらに、位相差が1
80°の場合には位相差90°の場合に比べて(d2−
d1)だけ図形を近づけられることが分かる。従って、
位相差90°の場合に比べ180°の場合では、(d2
−d1)×1だけレイアウトの面積が縮小されたことに
なる。一方、長い部分で向き合う2図形の場合を図12
(b)に示す。この場合には、位相差90°の場合に比
べ180°の場合には、(d2−d1)×Lだけレイア
ウトの面積が縮小できることになる。
【0048】従って、短辺で向き合う場合の90°から
180°にした場合の縮小面積(d2−d1)×1と、
長辺の場合のそれ(d2−d1)×Lを比較すると、L
>1あるので、向き合う部分が長い図形間を位相差18
0°となるようにすることで、レイアウトの面積を大き
く縮小できることが分かる。また、この時、短い辺で向
き合う図形間が同位相となる場合には、これらの位相差
が90°となるように位相を決めることで、さらに(d
3−d2)×1の面積の縮小がなされることになる。
【0049】例えば、素子分離層のパターンを例にとっ
て面積の縮小率を試算してみる。露光条件としては縮小
光学系を考え、波長λ=248nm、縮小レンズの開口
数NA=0.45、コヒーレンスファクタσ=0.3を
仮定した。開口部パターンの大きさを0.4μn×2.
4μmとし、それぞれの位相の組み合わせの場合にパタ
ーンを解像できる最小距離をシュミレーションによって
求めたところ、d1=0.16μm、d2=0.22μ
m、d3=0.32μm、また、位相差が120°の場
合の最小距離はd4は、d4=0.2μmとなった。た
だしのレジスト上のコントラストが70%が焦点深度
1.0μmが得られる距離を最小距離とした。この結果
をもとに設計した素子分類層を図13,14に示す。図
13(a)が第2の発明による配置例、図13(b)が
0°、120°、240°の3位相を用いた配置例、図
14(a)がレベンソン型位相シフト法による配置例、
図14(b)が位相シフト法を用いない通常の露光法に
対応する配置例で、それぞれの場合において開口部の最
短距離は上記シミュレーションより得られた解像できる
最短距離となっている。周期的な繰り返しの単位である
図の斜線部で囲った部分について、それぞれの場合につ
いて比較すると、図14(b)では23.50μm2
図14(a)では18.28μm2 、図13(b)では
18.72μm2 、図13(a)では17.61μm2
であり、位相シフト法を用いない図12(b)と比較し
た場合の面積の縮小率は、図13(a),(b)、図1
4(a)の場合でそれぞれ、74.94%、79.66
%、77.79%であり、第2の発明による配置例の縮
小率が他の位相シフト法に比べて約5%大きいことが分
かる。
【0050】(実施例2)図15は、第2の発明による
第2の実施例を示す。図15(a)〜(c)おいて、3
01〜315は開口部を表す。図15(a)が、レベン
ソン型位相シフト法によるシフターの配置例、図15
(b)が0°、120°、240°の3位相を用いた配
置例、図15(c)が本発明による位相シフターの配置
例である。
【0051】図15(a)において、301、302、
304は、位相シフト部材を配置しない位相シフト量0
°の開口部を表す。一方、303、304は位相シフト
量180°の位相シフト部材を配置した開口部を表して
いる。この例では、同位相となる開口部301と302
および301と304の間で解像が困難になる。
【0052】図15(b)において、306は位相シフ
ト部材を配置しない位相シフト量0°の開口部を表す。
一方、307と309、308と310は、それぞれ、
位相シフト量が120°、240°の位相シフト部材を
配置した開口部を示している。この例では。全ての隣合
う開口部の位相差が120°となり同位相で隣接する開
口部はない。しかし、307と308、308と30
9、および309と310の間の解像度は図15(a)
に比べて低いという欠点がある。
【0053】図15(c)において、312と314
は、位相シフト部材を配置しない位相シフト量が0°の
開口部を表す。一方、311は位相シフト量90°の位
相シフト部材を配置した開口部、また、313と315
は、位相シフト量が180°の位相シフト部材を配置し
た開口部を示している。この実施例では、隣合うパター
ン間の向き合う部分が長い開口部、すなわち、開口部3
12、313、314、315の任意の2つの開口部間
で位相差180°となるようにし、向き合う部分が短
い、開口部311と312、313、314、315の
間の位相差が90°となるようにシフターが配置されて
いる。この配置例では、解像度が特に要求される長い辺
で向き合う開口部間では、解像度向上効果の最も高い位
相差180度となっており、極めて良いパターンの解像
を得ることができる。
【0054】(実施例3)図16は、第2の発明に関わ
るシフター自動配置装置の構成を表すブロック図であ
る。図16において、121はキーボードまたはマウス
であり、この入力部からシフター自動配置の実行を制御
部125に指示する。制御部125はメモリ123、シ
フター自動配置手段124、および処理の全体を制御す
るマイクロプロセッサからなる。入力部121の指示を
受けた制御部125は、まず、パターンデータを格納す
る記憶装置122から、シフター配置の対象となるパタ
ーンデータをメモリ123に読み込む。次に、シフター
自動配置手段124を起動する。シフター自動配置手段
124は、必要なデータをメモリ123から読み込み、
シフター配置の処理を行う。シフター配置の結果はメモ
リ123に一端格納される。この結果は、制御部125
のコントロールを通してCRT等の表示装置126に引
き渡され表示される。また、この結果は、パターンデー
タ格納部122に書き込まれる。
【0055】次に、シフター自動配置の処理内容を図1
7のフローチャートに従い説明する。処理対象となるデ
ータがパターンデータ格納部122からメモリ123に
入力される。入力されたパターンデータは自動配置部に
よって、まず、グループに分類される。グループとは、
閾値S以下で隣接するパターンの集合である(図18参
照)。図形の隣接関係を考えるには、グラフを用いると
良い。図18を参照しながらグラフの説明をする。い
ま、パターンに対応してノードと呼ばれる点を書く。次
に、あるパターンとパターンが閾値S以下の距離で隣接
している場合には、このパターンに対応するノードとノ
ードを線で結ぶ。このようにして、できたものをグラフ
と呼ぶ。グループとは、互いに線で結ばれたかたまりの
グラフのことである。
【0056】次に、位相の決定を各グループ単位に行
う。パターンに配置する位相のシフターの位相量として
は、m1 (=0°)、m2 (=180°)の他に、
3 、...、mn (=360°)/m;n=3、4、
5、...の整数倍(ただし≠180°±n×360
°、n=0、1、2、3、...))の全部でn種類を
利用するものとする。ただし、上記の閾値Sおよびn−
2種類の位相量、m3 、m4 ,....、mn は、設計
者によって与えられるものである。シフター自動配置部
は各グループ単位ごとに位相の決定を行うが、位相決定
アルゴリズムは後述する。続いて、シフター配置の情
報、グループに関する情報をメモリ123または、パタ
ーンデータ部122に書き込む。処理結果は実行レポー
トの形で表示される。実行レポートには、シフター自動
配置対象領域内に存在する全グループ数および各グルー
プでシフター配置が正常に終了したかどうかの結果が表
示さる。
【0057】次に、シフター自動配置の方法を図19の
フローチャートに従い説明する。まず、1グループ分の
パターンデータをメモリ123から入力する。次に、グ
ループ内の図形に対し、レベンソン型(0°と180°
の2位相)ではシフターを配置できない部分を抽出す
る。2位相で配置不可能な箇所とは、グラフ上の奇数箇
所のノードからなるループに対応する。もし、グラフ上
に奇数ループの結合した部分がなければ、通常のレベン
ソン型で矛盾無くシフターを配置できる。このときに
は、閾値以下でとなりあう開口の一方のパターンに位相
180°の位相シフト部材を順次張り付けてゆくことが
できる。
【0058】2位相配置不可能ユニットの位相の決定
は、以下のようにする。2位相配置不可能箇所が1個の
奇ループである場合には(図20a参照)、奇ループに
属するパターンにおいて、それぞれパターン間で閾値以
下の距離で隣接している部分(斜線部)の相対する長さ
を求める。次に、各図形に対し、隣あう2つの図形と閾
値以下で隣接している長さの和を求め、この和が最も小
さい図形の位相をm3 〜mn の中から任意の1つのもの
を選択し決める。この図形を除く奇ループの残りのノー
ドに対応する図形には、隣合う図形の位相が180°異
なるように、0°か180°の位相を与える。例えば、
3 =90°の場合には、図20(b)の様になる。2
位相配置不可能ユニットが1個の奇ループの他にループ
を含む場合には次のようになる。まず、ユニットの各ノ
ードが異なる位相を持つように、与えられた位相、
1 、m2 、m3 ...mn の中から一つの位相を選ん
で各ノードに与える。もしn種類の位相を用いても、隣
あうノードを異なる位相にできる解がないときには、エ
ラーとして実行レポートに表示する。解が複数ある場合
には、180°±n×360°以外の位相差で隣接して
いるパターンのうち閾値以下で隣接している部分の長さ
のユニット全体での総和を求めてこの総和の短い位相シ
フターの配置方法を、このユニットの各図形の位相とし
て採用する。この方法により各ユニットでは、180°
で対向するパターン間の長さが最大となるように位相が
決まる。
【0059】次に各ユニット間で、位相のつじつま合わ
せをする。図21の例をとり説明する。まず、各ユニッ
トで位相を決定する(図21a)。次に、任意のユニッ
トをとり、このユニットに連結している線状のグラフの
部分の位相を決める。この線状の部分の一端のノード
(a2)の位相は、初めにとったユニット(A)の同一
のノード(a1)の位相によって決まっている。この、
ノードの位相と位相差が180°となるように隣のノー
ドの位相を決める。このようして線状の部分のグラフに
おいて、互いに隣接するノードの位相差が180°とな
るように各ノードの位相を決め、各々のノードが持つ位
相を対応するパターンに与える。次に、この線状の部分
に接続するユニット(B)の位相のつじつま合わせをす
る。線状の部分の端のノード(b2)と、ユニット
(B)上の同一ノード(b1)とが同一の位相となるよ
うに、ユニット(B)のノードの位相をシフトする。シ
フト量φsは、φs=b2の位相 − b1の位相。こ
のシフト量φsをユニットBに属するノードの位相に加
えたものを、各ノードに対応するパターンの位相シフタ
ーの位相量とする。このとき、φsを加えてもユニット
Bに属する各図形間の相対位相量は、変わらないことに
注意する。図21(c)の例では、ユニットBの図形の
位相に180°加えたものを新たな位相としている。位
相のつじつまあわせの結果を図22に示す。この位相シ
フターの配置の結果は実行レポートに表示する。また、
位相φsをシフトした結果、ユニットBのあるノードの
位相が、初めに与えられた位相m1 、m2 、m3 ...
n のいずれでもない場合には、このノードが属するグ
ループ番号、ユニット番号およびパターン番号を実行レ
ポートに表示する。
【0060】以上の処理により与えられた開口部パタ
ーンに関し、閾値S以下で隣接パターンが異なる位相を
持つように位相シフターを配置することができる。この
時、180°の位相差で向き合うパターン間の長さが最
大となるように位相シフターを配置するため与えられた
レイアウトパターンの全域において解像度が極めて高い
露光用マスクが得られる。
【0061】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、プロ
セス条件や、図形の幾何学的配置を重みの値に反映させ
てシフター配置を行なうことが可能になり、より信頼性
の高いマスクを設計することが可能になる。また、レイ
アウト修正の必要性がある箇所が特定されるので位相シ
フトマスク設計作業を効率化することが可能である。
【0062】また、第2の発明によればフォトマスクに
互いに隣接する3つ以上の開口部である場合でも、位相
シフト法を容易に適用することができ、従って、上記の
開口部パターンを含むウェハーの部分領域または全領域
で解像度を向上させることができる。また、隣接するパ
ターンのうち対向する線分が長い開口部間の位相差を1
80°、短い開口部間の位相差を360°/m(m=
3、4、5...、)とすることで、解像度が極めて高
い露光が可能になる。
【0063】さらに、第2の発明のフォトマスク設計装
置を用いれば3つ以上の開口部が互いに隣接する部分
があるレイアウトパターンであっても、閾値以下の距離
で隣接する開口部の位相を異なるようにし、かつ、閾値
以下の距離で隣接する開口部間で180°の位相差で隣
する部分の長さを最大となるような位相シフターの配
置を容易に実現することができる。従って、解像度が極
めて高く、しかも、設計における自由度の大きい位相シ
フトマスクの設計が容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例1の方法を示すフローチャ
ートである。
【図2】第1の発明の実施例1における入力レイアウト
データの一例である。
【図3】図2のレイアウトの隣接関係を示すグラフであ
る。
【図4】重み付けの条件をまとめたものである。
【図5】図3の重み付けに従って各々の図形に位相を決
定した結果である。
【図6】第1の発明の実施例2における入力レイアウト
データの一例である。
【図7】図6のレイアウトの隣接関係を示すグラフであ
る。
【図8】第2の発明における第1の実施例を示す露光マ
スク用パターンの平面図である。
【図9】レベンソン型位相シフトマスクパターンの平面
図である。
【図10】3つの位相を用いた露光マスク用パターンの
平面図である。
【図11】長方形パターンが連続して存在するマスクパ
ターンにおいて、開口部パターンが短い辺で向かいあう
部分と、長い辺が向かい合う部分の光強度の強度分布を
示す図である。
【図12】第2の発明の位相決定方法と縮小率の関係を
説明するための図である。
【図13】第2の発明の位相決定方法と縮小率の関係を
説明するための図である。
【図14】従来技術の位相決定方法と縮小率の関係を説
明するための図である。
【図15】第2の発明の第2の実施例を示す露光マスク
用パターンの平面図である。
【図16】第2の発明における設計装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図17】図14で示した設計装置の処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図18】第2の発明におけるグラフとグループを説明
するための図である。
【図19】図14で示した設計装置において、1つのグ
ループに属する図形の位相を決めるためのアルゴリズム
を説明するための図である。
【図20】図14で示した設計装置において、グループ
内に2位相で配置することができないユニットがない場
合の位相決定方法を説明するための図である。
【図21】第2の発明において、2位相配置不可能ユニ
ット間のつじつま合わせの説明をするための図である。
【図22】第2の発明において、2位相配置不可能ユニ
ット間のつじつまあわせの結果得られた位相シフターの
説明をするための図である。
【図23】第2の発明を説明するための連続するパター
ンに位相シフターを配置した図である。
【図24】図21で示した位相シフターの解像力を示す
シュミレーショングラフである。
【図25】第1の発明に対する第1の従来技術を説明す
る図である。
【図26】レベンソン型位相シフトマスクの原理を示す
図である。
【図27】従来の文献1中の図21のフォトマスクを転
載した図である。
【図28】従来の文献2中の図24のフォトマスクを転
載した図である。
【符号の説明】 X〜Z マスク中透過部に相当する図形 1〜9 マスク上透過部に相当する図形 11〜14,101〜104,151〜156,301
〜315 開口部 121 入力部 122 パターンデータ格納部 123 メモリ 124 シフター自動配置手段 125 制御部 126 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 清美 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 橋本 耕治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−167801(JP,A) 特開 平4−221954(JP,A) 特開 平4−147142(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分的にコヒーレントな入射光を用いるフ
    ォトリソグラフィで使用され、複数の透明領域及び不透
    明領域が形成されているフォトマスクの透明領域上に、
    透明領域を通過する前記入射光に位相差を与える位相シ
    フターを設けたフォトマスクを設計する際に、 マスクレイアウトデータ中の透明領域に相当する図形間
    の最短距離があるしきい値未満であるかによって隣接関
    係を求め、前記図形間の最短距離が前記しきい値未満で
    ある場合に、その隣接関係を前記図形を表すノード及び
    前記隣接関係にあるノード同士を結ぶ線分とによるグラ
    フで表現し、 前記線分の両端のノードに対応する図形が互いに同位相
    とされるループ切断箇所を、前記図形間の最短距離の長
    いものほど大きく重み付けをする手段、隣接する前記図
    形と対向する辺の短いものほど大きく重み付けをする手
    段、より多くの閉ループに含まれる前記線分ほど大きく
    重み付けをする手段、隣接する前記図形同士の図形内領
    域の面積が小さいほど大きく重み付けをする手段、及び
    設計者の設計上の判断に基づく重み付けをする手段の内
    の一以上の手段により、該線分毎に重みを付け、 奇数の前記ノードが前記線分により結ばれて生じる奇数
    ループの該奇数ループ構成線分のうち、該線分を含む全
    ての奇数ループに該線分の他に既に決定済の前記ループ
    切断箇所が存在しない場合に、前記重みの大きい順に決
    定し、 前記ループ切断箇所以外の線分の両端のノードに対応す
    る図形間に位相差を与える ことを特徴とするフォトマス
    ク設計方法。
  2. 【請求項2】前記重みは、前記線分が前記奇数ループに
    含まれる回数に従って決定されることを特徴とする請求
    項1に記載のフォトマスク設計方法。
  3. 【請求項3】前記重みは、前記しきい値未満で隣り合っ
    ている辺の長さが短い図形を表す前記ノードを結ぶ線分
    ほど大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載
    フォトマスク設計方法。
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