JP3128113B2 - 連続噴射型インクジェット記録装置における位相制御方法 - Google Patents

連続噴射型インクジェット記録装置における位相制御方法

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JP3128113B2 JP9304595A JP9304595A JP3128113B2 JP 3128113 B2 JP3128113 B2 JP 3128113B2 JP 9304595 A JP9304595 A JP 9304595A JP 9304595 A JP9304595 A JP 9304595A JP 3128113 B2 JP3128113 B2 JP 3128113B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続噴射型インクジェッ
ト記録装置における位相制御方法に関し、特にインク柱
がインク粒子に分裂する粒子化位相(励振信号に対する
インクジェットがインク粒子に分裂するタイミング)と
帯電制御信号の立上りまたは立下りとの位相関係をプリ
ント中において最適状態に制御する連続噴射型インクジ
ェット記録装置における位相制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の連続噴射型インクジェット記録装
置は、例えば特開平4−144753号公報に開示され
ているように、ジェット電流検出手段および位相シフト
手段を備えていて、位相を変化させながら測定されたジ
ェット電流に基づいてインクジェットの粒子化位相に関
係する励振信号と帯電制御信号との間の最適な位相を設
定することができるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の連続噴射型インクジェット記録装置では、各プリント
の開始前に位相を変化させながらジェット電流を測定
し、測定結果に基づいて励振信号と帯電制御信号との間
の最適位相を決定し、その最適位相に位相を設定して1
枚分のプリントを行っていたので、プリント中の位相は
固定であり、プリント中にインクジェットの粒子化位相
が変化した場合には励振信号と帯電制御信号との間の位
相が最適でなくなり、中途帯電インク粒子が発生して画
質が低下するという問題点があった。
【0004】プリント中におけるインクポンプによるイ
ンクジェットの吐出圧力(流量,流速)は一定になるよ
うに精密に制御されているが、プリント中に温度変動や
制御しきれない流速変動などがあると、インクジェット
の粒子化位相が励振信号の一周期の範囲内で前後にドリ
フトする。このドリフトする方向は、ノズルや環境条件
に応じて変化し、一定していない。
【0005】本発明の目的は、上述の点に鑑み、プリン
トの前後でジェット電流を位相を変化させながら測定
し、前回プリント時に粒子化位相のずれがあれば、この
粒子化位相のずれに合わせて今回プリント中に励振信号
と帯電制御信号との間の位相を調整するようにした連続
噴射型インクジェット記録装置における位相制御方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の連続噴射型イン
クジェット記録装置における位相制御方法は、加圧され
たインクをノズルからインクジェットとして吐出すると
ともに該ノズルに装着された振動子に励振信号を印加し
て該振動子の励振に同期してインクジェットをインク粒
子に分裂させるジェット形成手段と、このジェット形成
手段により分裂されたインク粒子を帯電制御信号により
選択的に帯電させる帯電手段と、ジェット飛翔軸と直交
する偏向電場によって前記帯電手段により帯電された帯
電インク粒子をジェット飛翔軸と直角方向に偏向させる
偏向手段と、この偏向手段による偏向電場がオフされた
状態で帯電インク粒子をキャッチする導電性粒子キャッ
チャと、この導電性粒子キャッチャにキャッチされた帯
電インク粒子の電荷を所定時間毎にジェット電流として
検出する電流検出器と、この電流検出器により検出され
たジェット電流に基づいて前記励振信号と前記帯電制御
信号との間の最適な位相を設定する最適位相設定手段と
を備える連続噴射型インクジェット記録装置において、
プリント開始前に位相を変化させながらジェット電流を
測定し、測定結果に基づいてプリント開始前の最適位相
θopt (S)を求めるプリント開始前最適位相取得工程
と、プリント開始前の最適位相θopt (S)を記憶する
プリント開始前最適位相記憶工程と、位相をプリント開
始前の最適位相θopt (S)に設定してプリント動作を
開始し、プリント中に前回プリント時の最適位相のずれ
Δθopt に基づいて位相を調整するプリント工程と、プ
リント終了後に位相を変化させながらジェット電流を測
定し、測定結果に基づいてプリント終了後の最適位相θ
opt (E)を求めるプリント終了後最適位相取得工程
と、プリント時の最適位相のずれΔθopt =θopt
(S)−θopt (E)を計算する最適位相ずれ計算工程
と、プリント時の最適位相のずれΔθopt およびプリン
ト時間Tを記憶する最適位相ずれ・プリント時間記憶工
程とを含むことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の連続噴射型インクジェット記録装置に
おける位相制御方法では、プリント開始前最適位相取得
工程でプリント開始前に位相を変化させながらジェット
電流を測定し、測定結果に基づいてプリント開始前の最
適位相θopt (S)を求め、プリント開始前最適位相記
憶工程でプリント開始前の最適位相θopt (S)を記憶
し、プリント工程で位相をプリント開始前の最適位相θ
opt (S)に設定してプリント動作を開始し、プリント
中に前回プリント時の最適位相のずれΔθopt に基づい
て位相を調整し、プリント終了後最適位相取得工程でプ
リント終了後に位相を変化させながらジェット電流を測
定し、測定結果に基づいてプリント終了後の最適位相θ
opt (E)を求め、最適位相ずれ計算工程でプリント時
の最適位相のずれΔθopt =θopt (S)−θ
opt (E)を計算し、最適位相ずれ・プリント時間記憶
工程でプリント時の最適位相のずれΔθopt およびプリ
ント時間Tを記憶する。
【0008】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。
【0009】図3は、本発明の位相制御方法が適用され
る連続噴射型インクジェット記録装置の一例を示す構成
図である。この連続噴射型インクジェット記録装置は、
極細径円径オリフィスを有するノズル1と、ノズル1内
のインクの電位を接地レベルとするインク電極2と、ノ
ズル1に装着されたピエゾ振動子でなる振動子3と、ノ
ズル1と同心の円形開口またはスリット状の開口を有し
画像データに対応してインクジェットの帯電を制御する
帯電制御信号が印加される制御電極4と、制御電極4の
後方(図において右方)に接地されて配置された接地電
極5と、接地電極5に装着されたナイフエッジ6と、偏
向電源E1と、偏向電源E1が接続され接地電極5との
間にジェット飛翔軸と直交する強電場を作り帯電インク
粒子を接地電極5側に偏向するための偏向電極7と、偏
向電極7を偏向電源E1に接続するか接地するかを切り
換えるスイッチSW1と、基準クロックCLKを発生す
る基準発振器CGと、基準クロックCLKをN(正整
数)分の1に分周して励振信号PCLKを作成する分周
器FDと、基準クロックCLKに応じてN段階に遅延し
た位相θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1 の励振信号PCL
Kを出力する遅延パルス発生器DGと、遅延された位相
θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1 の励振信号PCLKのい
ずれかを選択するマルチプレクサ(2)MP2と、マル
チプレクサ(2)MP2により選択された位相の励振信
号PCLKで振動子3を駆動する振動子ドライバVD
と、画素記録指令信号DCLKに同期した画像データを
濃度階調に対応するパルス幅に変換するパルス幅変調器
PMと、励振信号PCLKの立上りまたは立下りのエッ
ジに同期してパルス幅が励振信号PCLKの周期に比べ
て十分に短いプローブパルスを発生するプローブパルス
発生器PGと、パルス幅変調器PMの出力の立上りまた
は立下りのエッジを励振信号PCLKの立上りまたは立
下りのエッジに同期させる同期化回路SCと、プローブ
パルス発生器PGからのプローブパルスと同期化回路S
Cからの出力とのいずれかを選択するマルチプレクサ
(1)MP1と、マルチプレクサ(1)MP1の出力を
電圧増幅して帯電制御信号として制御電極4に印加する
高圧スイッチHVSと、記録媒体が巻き付けられた回転
ドラムDRと、回転ドラムDRの軸に結合されたシャフ
トエンコーダENからの信号を処理して回転ドラムDR
上の非画像部の位置をMPU10に知らせるパルス処理
回路PSと、マルチプレクサ(2)MP2に位相制御を
指令するMPU10と、位相制御のための情報を記憶す
るメモリ11とから、その主要部が構成されている。な
お、MPU10は、連続噴射型インクジェット記録装置
の系全体も制御する。
【0010】また、図4を参照すると、連続噴射型イン
クジェット記録装置は、接地電極5および偏向電極7の
後方の記録に関係しない領域(以下、ホームポジション
という)に配置された検出電極を兼ねる導電性粒子キャ
ッチャ8と、導電性粒子キャッチャ8に一端が接続され
たシールド線9と、導電性粒子キャッチャ8に放電され
た帯電インク粒子の帯電電荷、すなわちジェット電流を
測定する電流検出器(電流/電圧変換器)と、電流検出
器CDの出力をA/D(アナログ/デジタル)変換する
A/D変換器ADCとを備えている。
【0011】図1を参照すると、本発明の連続噴射型イ
ンクジェット記録装置における位相制御方法は、インク
ポンプ立上げ工程S1と、ジェット電流測定工程S2
と、プリント開始前最適位相計算工程S3と、プリント
開始前最適位相記憶工程S4と、プリント工程S5と、
ジェット電流測定工程S6と、プリント終了後最適位相
計算工程S7と、最適位相ずれ計算工程S8と、最適位
相ずれ・プリント時間記憶工程S9と、インクポンプ吸
引・停止工程S10とからなる。
【0012】図2を参照すると、プリント工程S5は、
さらに、タイマ起動ステップS51と、調整カウンタ1
設定ステップS52と、プリント開始前最適位相設定ス
テップS53と、記録ステップS54と、非画像部検出
信号有無判定ステップS55と、プリント終了判定ステ
ップS56と、最適位相ずれ有無判定ステップS57
と、最適位相ずれ比較ステップS58と、位相調整ステ
ップS59と、調整カウンタインクリメントステップS
60と、タイマ停止ステップS61とからなる。
【0013】次に、このような本発明の位相制御方法に
ついて、図3および図4に示した連続噴射型インクジェ
ット記録装置の動作とともに説明する。
【0014】工程S1: まず、プリント開始が指示さ
れると、MPU10は、キャリッジモータ(図示せず)
によりノズル1を搭載するキャリッジ(図示せず)をホ
ームポジションに設定させる。また、MPU10は、イ
ンクポンプ(図示せず)によりインクを加圧し、インク
圧力(流量,流速)を記録に必要な値まで高めて安定化
させる。これにより、ノズル1から噴射されるインクジ
ェットは定常状態になる。一方、基準発振器CGは、基
準クロックCLKを出力し、基準クロックCLKは分周
器FDで周波数が1/N(Nは正整数)に分周され、励
振信号PCLKとして遅延パルス発生器DG,プローブ
パルス発生器PGおよび同期化回路SCに入力される。
すなわち、励振信号PCLKの励振周波数PCLK(以
下、信号とその信号の周波数とに同一符号を付して説明
する)は、CLK/Nである(例えば、CLK=16M
Hz,N=16,PCLK=1MHz)。遅延パルス発
生器DGは、励振信号PCLKがデータ、基準クロック
CLKがシフトクロックとして入力され、励振信号PC
LKの1周期が2π/Nずつ順次遅延されたN段階の位
相θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1 の励振信号PCLKの
1つが、MPU10によってマルチプレクサ(2)MP
2を介して選択され、振動子ドライバVDに出力され
る。振動子ドライバVDは、マルチプレクサ(2)MP
2からの励振信号PCLKに応じて振動子3を励振す
る。これにより、ノズル1から噴射されるインクジェッ
トは、振動子3による励振に同期して粒子化する。
【0015】工程S2: MPU10は、まずスイッチ
SW1を接地側に切り換えて偏向電極7を接地レベルと
することにより、接地電極5および偏向電極7間の偏向
電場をオフし、帯電インク粒子もナイフエッジ6を通過
する状態とする。次に、MPU10は、マルチプレクサ
(1)MP1にプローブパルス発生器PGの出力を選択
させる。これにより、プローブパルス発生器PGから出
力されたプローブパルスは、マルチプレクサ(1)MP
1を介して高圧スイッチHVSに入力され、高圧スイッ
チHVSで電圧増幅されて帯電制御信号として制御電極
4に印加される。したがって、振動子3の励振に同期し
て粒子化されるインク粒子は、プローブパルスに応じて
帯電される。帯電されたインク粒子は、偏向電場がオフ
されているので、偏向されずにナイフエッジ6を通過
し、ホームポジションにある導電性粒子キャッチャ8に
捕獲される。導電性粒子キャッチャ8に捕獲された帯電
インク粒子の電荷は、電流検出器CDでジェット電流と
して検出され、A/D変換器ADCによってA/D変換
されて、MPU10のデータバスに入力される。MPU
10は、データバス上のジェット電流値を採取してメモ
リ11に記憶する。MPU10は、マルチプレクサ
(2)MP2に位相θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1の励
振信号PCLKを順次選択する指令を与えて、ジェット
電流値の採取をすべての位相θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θ
N-1 の励振信号PCLKについて繰り返すことにより、
プローブパルスによって帯電されたインク粒子によるジ
ェット電流を各位相θ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1 毎に
測定する。図5はジェット電流の測定に用いる各種信号
のタイミングチャートを、図6はジェット電流の測定結
果をそれぞれ示す。
【0016】工程S3: MPU10は、工程S2にお
けるジェット電流の測定結果から帯電制御信号に対する
励振信号PCLKの最適な位相をプリント開始前の最適
位相θopt (S)として求める。詳しくは、MPU10
は、位相変動に対して帯電制御信号の立上りまたは立下
りのエッジを境にして完全に帯電インク粒子と非帯電イ
ンク粒子とに分かれ中途帯電インク粒子が発生しないプ
リント開始前の最適位相θopt (S)を決定する。例え
ば、図6に示すジェット電流の測定結果から、MPU1
0は、プリント開始前の最適位相θopt (S)としてθ
13を決定する。なお、プリント開始前の最適位相θopt
(S)が、2π/Nの整数倍の値をとることはいうまで
もない。
【0017】工程S4: MPU10は、工程S3で決
定されたプリント開始前の最適位相θopt (S)をメモ
リ11に記憶する。
【0018】工程S5: MPU10は、まず、スイッ
チSW1を偏向電源E1側に切り換えて、偏向電極7に
偏向電圧を印加する。このため、偏向電場がオンされ、
接地電極5および偏向電極7間を通過する帯電インク粒
子は接地電極5側に偏向され、ナイフエッジ6でカット
される状態となる。また、MPU10は、マルチプレク
サ(1)MP1の入力を同期化回路SC側に接続する状
態に切り換える。
【0019】次に、MPU10は、内蔵するタイマ(図
示せず)を起動し(ステップS51)、調整カウンタk
を1に設定し(ステップS52)、励振信号PCLKの
位相θをプリント開始前の最適位相θopt (S)に設定
するようにマルチプレクサ(2)MP2に指令する(ス
テップS53)。
【0020】一方、回転ドラムDRに直結されたシャフ
トエンコーダSEの出力から作られた画素記録指令信号
DCLKに同期した画像データがラインバッファ(図示
せず;回転ドラムDRの1回転分の画像データを蓄えた
ラインメモリ)からパルス幅変調器PMに送られ、各画
像データが濃度階調に対応するパルス幅に変換されて同
期化回路SCに送られ、同期化回路SCは、パルス幅変
調器PMの出力の立上りまたは立下りのエッジを励振信
号PCLKの立上りまたは立下りのエッジに同期(一
致)させ、同期化回路SCの出力は、マルチプレクサ
(1)MP1を介して高圧スイッチHVSに入力され、
高圧スイッチHVSはインクジェットの帯電に必要な電
位まで電圧増幅させて帯電制御信号として制御電極4に
印加する。この帯電制御信号によって、インクジェット
は誘導帯電され、帯電インク粒子は、偏向電場の作用で
接地電極5側に偏向されてナイフエッジ6でカットさ
れ、非帯電インク粒子のみが直進してナイフエッジ6を
通過し、回転ドラムDRに巻き付けられた記録媒体上に
画素を記録する(ステップS54)。
【0021】そして、MPU10は、1ライン分の画素
の記録が行われて、シャフトエンコーダENからの非画
像部検出信号を信号処理回路PSを介して受信すると
(ステップS55で有)、すなわち回転ドラムDRの非
画像部がノズル1に対向する位置にくると、1枚分のプ
リント終了でなければ(ステップS56でノー)、メモ
リ11に前回プリント時の最適位相のずれΔθopt が記
憶されているかどうを検出し(ステップS57)、記憶
されていなければステップS54に制御を戻して次のラ
インの画素の記録を行う。このように、前回プリント時
の最適位相のずれΔθopt がメモリ11に記憶されてな
いときには、励振信号PCLKの位相θをプリント開始
前の最適位相θopt (S)に設定したままで最後までプ
リントが行われる。一方、前回プリント時の最適位相の
ずれΔθopt がメモリ11に記憶されているときには
(ステップS57で有)、MPU10は、|Δθopt
・t/T(tはタイマにより計時されるプリント経過時
間、Tは前回プリント時のプリント時間)がk・2π/
Nより大きいかどうかを判定し(ステップS58)、大
きくなければステップS54に制御を戻して次のライン
の画素の記録を行う。ステップS58で、|Δθopt
・t/Tがk・2π/Nより大きくなれば、MPU10
は、励振信号PCLKの位相θに(2π/N)・(Δθ
opt /|Δθopt|)を加算し、加算後の位相θを選択
するようにマルチプレクサ(2)MP2に指令する(ス
テップS59)。今回プリント開始時の最適位相θopt
(S)を補正する方向(増加させるか、減少させるか)
は、前回プリント時の最適位相のずれΔθopt が正か負
かによって決まる。すなわち、前回プリント時に最適位
相θopt のドリフトした方向によって決まる。続いて、
MPU10は、調整カウンタkを1つインクリメントし
(ステップS60)、ステップS54に制御を戻して次
のラインの画素の記録を行う。そして、ステップS56
で1枚分のプリントが終了すれば、MPU10は、タイ
マを停止して、プリント工程S5を終了する。この停止
したタイマの計時時間がプリント時間Tとなる。
【0022】工程S6: プリント工程S5が終了する
と、MPU10は、キャリッジモータによりノズル1を
搭載するキャリッジをホームポジションに戻し、工程S
2と同様に、位相θをθ0 ,θ1 ,θ2 ,…,θN-1
変えながらジェット電流を測定する。
【0023】工程S7: MPU10は、工程S3と同
様に、工程S6でのジェット電流の測定結果に基づいて
励振信号PCLKのプリント終了後の最適位相θ
opt (E)を求める。なお、プリント終了後の最適位相
θopt (E)が、2π/Nの整数倍の値をとることはい
うまでもない。
【0024】工程S8: MPU10は、工程S4でメ
モリ11に記憶したプリント開始前の最適位相θ
opt (S)と工程S7で求めたプリント終了後の最適位
相θopt (E)とからプリント時の最適位相のずれΔθ
opt =θopt (S)−θopt (E)を計算する。なお、
プリント開始時の最適位相θopt (S)およびプリント
終了後の最適位相θopt (E)が2π/Nの整数倍であ
るので、最適位相のずれΔθopt も2π/Nの整数倍と
なる。
【0025】工程S9: MPU10は、プリント時の
最適位相のずれΔθopt をタイマによって計時された今
回プリント時のプリント時間Tとともにメモリ11に記
憶する。
【0026】工程S10: インクポンプは、次回プリ
ントのためのインクを吸引して停止し、一連のプリント
処理を終了する。
【0027】図7は、本発明の位相制御方法が適用され
る他の連続噴射型インクジェット記録装置の要部を示す
構成図である。この連続噴射型インクジェット記録装置
は、図3に示した連続噴射型インクジェット記録装置が
励振信号PCLKと帯電制御信号との間の位相を指定す
るにあたって励振信号PCLKを遅延させて位相を指定
するようにしたのに対して、帯電制御信号の方を遅延さ
せるようにしたものである。すなわち、この連続噴射型
インクジェット記録装置では、振動子ドライバVDに励
振信号PCLKが直接入力されている一方、プローブパ
ルス発生器PGおよび同期化回路SCはマルチプレクサ
(2)MP2の出力に接続されている。したがって、図
3に示した連続噴射型インクジェット記録装置における
部品とすべての部品が対応するので、対応する部品には
同一符号を付してそれらの詳しい説明を省略する。
【0028】このような連続噴射型インクジェット記録
装置においても、その動作は、図1および図2のフロー
チャートを用いて図3に示した連続噴射型インクジェッ
ト記録装置と同様に説明される。図1中のプリント開始
前の最適位相θopt (S)およびプリント終了後の最適
位相θopt (E)を帯電制御信号のプリント開始前の最
適位相およびプリント終了後の最適位相と、プリント時
の最適位相のずれΔθopt を帯電制御信号のプリント時
の最適位相のずれと置き換えれば、他の説明はまったく
同じである。
【0029】図8は、本発明の位相制御方法が適用され
る別の連続噴射型インクジェット記録装置の要部を示す
構成図である。この連続噴射型インクジェット記録装置
は、複数本のノズル1を搭載するカラープリント可能な
連続噴射型インクジェット記録装置であり、図3に示し
た連続噴射型インクジェット記録装置における基準発振
器CG,分周器FD,接地電極5,ナイフエッジ6,偏
向電極7,偏向電源E1,スイッチSW1,遅延パルス
発生器DG,プローブパルス発生器PG,導電性粒子キ
ャッチャ8,シールド線9,電流検出器CD,A/D変
換器ADC,MPU10およびメモリ11以外は、C
(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),BK
(ブラック)の4色独立に構成するようにしたものであ
る。したがって、図3に示した連続噴射型インクジェッ
ト記録装置における部品と対応する部品には同一符号を
付して、それらの詳しい説明を省略する。なお、基準発
振器CGおよび分周器FDまでも4色独立にすると、色
毎に単位時間当たりの発生インク粒子数が異なってくる
ことになり、記録媒体上で4色の付着インク量を制御し
て色表現するカラープリント可能な連続噴射型インクジ
ェット記録装置の場合には不都合が生じる。
【0030】このような連続噴射型インクジェット記録
装置では、図3に示した連続噴射型インクジェット記録
装置で説明した動作が、4本のノズル1について独立に
実行され、各ノズル1の励振信号PCLKの位相が独立
に最適に調整される。
【0031】なお、図7に示した連続噴射型インクジェ
ット記録装置のように、励振信号PCLKに対して帯電
制御信号の位相を遅延させる構成を、複数本のノズル1
を用いた図8に示す連続噴射型インクジェット記録装置
にも同様に適用できることは自明である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位相制御
方法によれば、プリント開始前に位相を変化させながら
ジェット電流を測定し、測定結果に基づいてプリント開
始前の最適位相θopt (S)を求め、プリント開始前の
最適位相θopt (S)を記憶し、位相をプリント開始前
の最適位相θopt (S)に設定してプリント動作を開始
し、プリント中に前回プリント時の最適位相のずれΔθ
opt に基づいて位相を調整し、プリント終了後に位相を
変化させながらジェット電流を測定し、測定結果に基づ
いてプリント終了後の最適位相θopt (E)を求め、プ
リント時の最適位相のずれΔθopt =θopt (S)−θ
opt (E)を計算し、プリント時の最適位相のずれΔθ
opt およびプリント時間Tを記憶するようにしたことに
より、プリント中にインクジェットの粒子化位相のずれ
を補正するように励振信号または帯電制御信号の位相が
自動的に調整され、インク粒子の帯電制御が精密に行わ
れるために中途帯電インク粒子が発生せず、画質が大幅
に向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続噴射型インクジェット記録装置に
おける位相制御方法を示すフローチャートである。
【図2】図1中のプリント工程のさらに詳しい処理を示
すフローチャートである。
【図3】本発明の位相制御方法が適用される連続噴射型
インクジェット記録装置の要部を示す構成図である。
【図4】本発明の位相制御方法が適用される連続噴射型
インクジェット記録装置の他部を示す構成図である。
【図5】図3中の分周器,プローブパルス発振器および
遅延パルス発生器の各出力を示すタイミングチャートで
ある。
【図6】図3および図4に示した連続噴射型インクジェ
ット記録装置において測定されたジェット電流の値をプ
ロットした結果を示す図である。
【図7】本発明の位相制御方法が適用される他の連続噴
射型インクジェット記録装置の要部を示す構成図であ
る。
【図8】本発明の位相制御方法が適用される別の連続噴
射型インクジェット記録装置の要部を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 ノズル 2 インク電極 3 振動子 4 制御電極 5 接地電極 6 ナイフエッジ 7 偏向電極 8 導電性粒子キャッチャ 9 シールド線 10 MPU 11 メモリ ADC A/D変換器 CD 電流検出器 CG 基準発振器 CLK 基準クロック DCLK 画素記録指令信号 DG 遅延パルス発生器 DR 回転ドラム E1 偏向電源 FD 分周器 HVS 高圧スイッチ MP1 マルチプレクサ(1) MP2 マルチプレクサ(2) PCLK 励振信号 PG プローブパルス発生器 PM パルス幅変調器 SC 同期化回路 SW1 スイッチ VD 振動子ドライバ S1 インクポンプ立上げ工程 S2 ジェット電流測定工程 S3 プリント開始前最適位相計算工程 S4 プリント開始前最適位相記憶工程 S5 プリント工程 S6 ジェット電流測定工程 S7 プリント終了後最適位相計算工程 S8 最適位相ずれ計算工程 S9 最適位相ずれ・プリント時間記憶工程 S10 インクポンプ吸引・停止工程 S51 タイマ起動ステップ S52 調整カウンタ1設定ステップ S53 プリント開始前最適位相設定ステップ S54 記録ステップ S55 非画像部検出信号有無判定ステップ S56 プリント終了判定ステップ S57 最適位相ずれ有無判定ステップ S58 最適位相ずれ比較ステップ S59 位相調整ステップ S60 調整カウンタインクリメントステップ S61 タイマ停止ステップ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧されたインクをノズルからインクジェ
    ットとして吐出するとともに該ノズルに装着された振動
    子に励振信号を印加して該振動子の励振に同期してイン
    クジェットをインク粒子に分裂させるジェット形成手段
    と、このジェット形成手段により分裂されたインク粒子
    を帯電制御信号により選択的に帯電させる帯電手段と、
    ジェット飛翔軸と直交する偏向電場によって前記帯電手
    段により帯電された帯電インク粒子をジェット飛翔軸と
    直角方向に偏向させる偏向手段と、この偏向手段による
    偏向電場がオフされた状態で帯電インク粒子をキャッチ
    する導電性粒子キャッチャと、この導電性粒子キャッチ
    ャにキャッチされた帯電インク粒子の電荷を所定時間毎
    にジェット電流として検出する電流検出器と、この電流
    検出器により検出されたジェット電流に基づいて前記
    振信号と前記帯電制御信号との間の最適な位相を設定す
    最適位相設定手段とを備える連続噴射型インクジェッ
    ト記録装置において、 プリント開始前に位相を変化させながらジェット電流を
    測定し、測定結果に基づいてプリント開始前の最適位相
    θopt (S)を求めるプリント開始前最適位相取得工程
    と、 プリント開始前の最適位相θopt (S)を記憶するプリ
    ント開始前最適位相記憶工程と、 位相をプリント開始前の最適位相θopt (S)に設定し
    てプリント動作を開始し、プリント中に前回プリント時
    の最適位相のずれΔθopt に基づいて位相を調整するプ
    リント工程と、 プリント終了後に位相を変化させながらジェット電流を
    測定し、測定結果に基づいてプリント終了後の最適位相
    θopt (E)を求めるプリント終了後最適位相取得工程
    と、 プリント時の最適位相のずれΔθopt =θopt (S)−
    θopt (E)を計算する最適位相ずれ計算工程と、 プリント時の最適位相のずれΔθopt およびプリント時
    間Tを記憶する最適位相ずれ・プリント時間記憶工程と
    を含むことを特徴とする連続噴射型インクジェット記録
    装置における位相制御方法。
  2. 【請求項2】 前記プリント工程で、|Δθopt |・t
    /T(tはプリント経過時間)が2π/N(Nは位相調
    整の段数)の整数倍を越えるたびに、位相を前回プリン
    ト時の最適位相のずれΔθopt の正負に応じて2π/N
    ずつ調整する請求項1記載の連続噴射型インクジェット
    記録装置における位相制御方法。
  3. 【請求項3】 前記プリント工程で、プリント中におけ
    る位相の変化を回転ドラムの円周上の非画像部がノズル
    に対応した位置にきたときに同期して行う請求項1記載
    の連続噴射型インクジェット記録装置における位相制御
    方法。
  4. 【請求項4】 前記位相の調整を、前記帯電制御信号の
    位相を固定し、前記励振信号の位相をシフトさせること
    によって行う請求項1記載の連続噴射型インクジェット
    記録装置における位相制御方法。
  5. 【請求項5】 前記位相の調整を、前記励振信号の位相
    を固定し、前記帯電制御信号の位相をシフトさせること
    によって行う請求項1記載の連続噴射型インクジェット
    記録装置における位相制御方法。
  6. 【請求項6】 前記連続噴射型インクジェット記録装置
    が、複数のノズルを有するカラープリント可能な連続噴
    射型インクジェット記録装置でなる請求項1記載の連続
    噴射型インクジェット記録装置における位相制御方法。
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