JP3128112B2 - 水分保持剤組成物およびこれを含有してなる基剤 - Google Patents

水分保持剤組成物およびこれを含有してなる基剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の成分からなる水
分保持剤組成物およびこれを含有してなる基剤に係り、
詳しくは、3価以上の水溶性多価アルコール、レシチン
および3−メチル−1,3−ブチレングリコール、所望
により少量の水からなる水分保持剤組成物とこれを利用
した基剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、化粧品、農薬、飼料、医薬品等の
各種製品には水分が深く関係しており、これらの保湿は
前記製品の品質にとって重要な機能の1つであることが
よく知られている。公知の保湿剤としては、グリセリ
ン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールなどの
多価アルコールがあり、この他にピロリドンカルボン酸
塩や乳酸塩などがある。近年では微生物生産によるヒア
ルロン酸ナトリウムも使用されるようになってきた。
【0003】また、保湿剤は前記製品そのものの水分保
留剤として働いて、系の安定性の保持にも寄与する重要
な役割も担っている。グリセリンやソルビトールなどの
3価以上の多価アルコールは、優れた保湿性、水分保留
性を有し、安全性、安定性、価格などの点からもっとも
汎用性の高い保湿剤として使用されている。
【0004】保湿剤として具備すべき必要条件として、
環境条件(温度、湿度、風など)に影響を受けない、特
に周囲の湿度に関わらず、水分を長い間、保持できるこ
とが望ましい。しかしながら、一般に、どのような保湿
剤でも蒸気圧の関係から吸湿量および放出量は周囲の湿
度に影響を受ける。例えば、グリセリンの場合、温度2
5℃での平衡水分量は相対湿度が75%のとき60%、
相対湿度が33%のとき15%、ソルビトールの場合で
は同様に、相対湿度が75%のとき50%、相対湿度が
33%のとき5%となり、周囲の相対湿度の程度によ
り、含水率に差異が生じる。
【0005】このように周囲の湿度が低い場合は、保留
している水分を放出し、保水量が低くなってしまうとい
う問題点がある。したがって保湿剤としては、低湿度環
境下における水分の蒸散が緩慢であることが必要であ
る。本発明者らは、このような状況に鑑み、多価アルコ
ール類の保湿性能を向上せしめるべく、鋭意検討を行っ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を改善し、水分保持特性に優れ、かつ、安定性に
優れた水分保持剤組成物とそれをもとにしてなる基剤を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨の第1は、
3価以上の水溶性多価アルコール、レシチンおよび3−
メチル−1,3−ブチレングリコール、さらに所望によ
り水からなる水分保持剤組成物であり、要旨の第2は該
組成物を利用してなる粘稠ないしゲル状、水中油型乳化
状または可溶化状の基剤である。
【0008】本発明の水分保持剤組成物を得るために用
いられるレシチンは、通常の市販品や試薬として入手で
きる大豆レシチン、卵黄レシチンを始めとして、これら
を溶剤分別、抽出、分画などの処理を施し加工して得ら
れる精製レシチン、水素添加レシチン、分画レシチンな
どが使用される。レシチンを3価以上の水溶性多価アル
コール中に速やかに溶解させ、共存させるためには、中
性油分を除去した精製レシチン(混合リン脂質)が好ま
しい。また酸化安定性の点を考慮すると、水素添加レシ
チンが好ましい。リゾレシチンに関しては、リゾ化率す
なわち脱アシル化率の低い(例えばリゾ化率が70%以
下)ものが好ましく、リゾ化率の高いものは通常のレシ
チンと併用して用いることができる。なお、高純度の合
成ジアシルホスファチジルコリンなどのホスファチジル
コリンのみの単一品は本発明の組成物中で沈澱が析出
し、該組成物の安定性が良くないため適さない。
【0009】本発明で用いられる3価以上の水溶性多価
アルコールは特に限定されず、代表的なものとしてグリ
セリン、ソルビトール、ジグリセリン、トリグリセリ
ン、ポリグリセリン、エリトリトール、ペンタエリトリ
トール、グルコース、ガラクトース、フルクトース、シ
ュクロース、マルトース、キシロース、キシロビオー
ス、オリゴ糖の還元物などがあり、これらは単独である
いは混合して使用できる。これらのうちグリセリンおよ
び/またはソルビトールが好ましい。
【0010】3−メチル−1,3−ブチレングリコール
は市販品(例えば(株)クラレ製)を利用するのが簡便
である。この3−メチル−1,3−ブチレングリコール
を配合することにより、これと3価以上の水溶性多価ア
ルコールとレシチンとの組成物(本発明の水分保持剤組
成物)の水分保持特性が著しく向上する。
【0011】本発明の水分保持剤組成物において、レシ
チンの濃度は0.1〜50重量%、望ましくは0.5〜
40重量%がよい。レシチンの濃度が0.1重量%未満
の場合、水分保持剤組成物の水分保持特性が不十分にな
る傾向にあり、逆に50重量%超過の場合、該組成物の
系中にレシチンが均一に溶存せず、不溶分が析出する傾
向がみられる。
【0012】また3価以上の水溶性多価アルコールと3
−メチル−1,3−ブチレングリコールとの重量比は
1:10〜20:1、望ましくは1:4〜10:1がよ
い。この比率が1:10より大きい場合、水溶性多価ア
ルコール中でレシチンが安定的に溶存できなくなり、室
温(例えば20℃)ないしは低温(例えば5℃)で沈澱
を生じる傾向が大きくなる。また、20:1より小さい
場合は、本発明の組成物は高粘性とならず、水分保持特
性は満足できる程度にまで達しない。
【0013】本発明の水分保持剤組成物は、前記した3
価以上の水溶性多価アルコール、レシチンおよび3−メ
チル−1,3−ブチレングリコールを所望により加熱、
攪拌して混合、均一に溶解せしめることにより調製でき
る。かくして得られる組成物は、そのままを水分保持剤
組成物として使用できる。あるいは以下に述べるよう
に、適宜、少量の水(組成物全体の約10重量%程度)
を加えて前記配合成分を均一に溶解せしめ、これを水分
保持剤組成物とすることもできる。
【0014】本発明の水分保持剤組成物における水分量
は、実質的に非水系のままでよく、あるいは適宜に少量
の必要量(下記)を配合せしめればよい。通常、市販の
レシチンでは0.1〜3重量%程度、また、3価以上の
水溶性多価アルコールでは0.1重量%以上(市販品に
は、水分0.1〜20重量%のグリセリン、水分30重
量%のソルビトールなどの含水品もある)、3−メチル
−1,3−ブチレングリコールでは0.1〜2重量%程
度の水が含まれているため、これをそのまま用いて、改
めて新たに水を添加しなくともよい場合がある。また3
価以上の水溶性多価アルコールが固体状の糖あるいは糖
アルコール(ショ糖、グルコース、フルクトース、ソル
ビトールなど)の場合、該組成物全体の約10〜約50
重量%の適量の水を加えて均一に溶解させる必要があ
る。
【0015】なお本発明の水分保持剤組成物は、前記三
成分、さらに必要に応じて少量の水を溶解せしめてなる
ものであるが、該組成物が偏光性を有するものが望まし
い。偏光性をもつ組成物とすることにより、この組成物
が顕著な水分保持特性を示すようになる。また本発明の
水分保持剤組成物に水を配合せしめていくと、共存する
各成分の相互作用により、レシチンが特異的な会合構造
をとり、高粘性の液晶を形成させるため、該組成物から
水分の蒸散が抑制されると考えられる。
【0016】次に、本発明は、前述の水分保持剤組成物
と油性物質および/または水とを用いてなる粘稠ないし
ゲル状、水中油型乳化状または可溶化状の基剤に関す
る。すなわち前記水分保持剤組成物に攪拌下で油性物質
を配合せしめることにより、粘稠状ないしはゲル状の組
成物を得ることができ、該組成物は水分保持性が要求さ
れる粘稠ないしゲル状製品の基剤として使用できる。水
分保持剤組成物に対する油性物質の配合量は10倍(重
量)以下が望ましく、これを超えると水分保持剤組成物
の分離を招く。
【0017】ここに油性物質は特に限定されず、炭化水
素類、エステル類、油脂類、ワックス類、高級脂肪酸、
高級アルコール、シリコーン系物質、ステロール類、樹
脂類などがこれに含まれる。これらの例としては、流動
パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル、イソオクチル酸セチル(2−エチルヘキサン酸セ
チル)、トリイソオクチル酸グリセリル(トリ−2−エ
チルヘキサン酸グリセリル)、トリカプリル酸グリセリ
ル、ジイソオクチル酸ネオペンチルグリコールエステル
(ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールエ
ステル)、リンゴ酸ジイソステアリル、イソノナン酸イ
ソノニル(3,5,5−トリメチルヘキサン酸3,5,
5−トリメチルヘキシルアルコールエステル)、12−
ヒドロキシステアリン酸コレステリル、エメリー社製イ
ソステアリン酸を用いるモノないしヘキサイソステアリ
ン酸ジペンタエリスリトールエステル、o,mまたはp
−メトキシケイ皮酸イソオクチル、ユーカリ油、大豆
油、綿実油、ゴマ油、米胚芽油、米ヌカ油、サフラワー
油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油、マ
カデミアンナッツ油、アボガド油、ヒマシ油、月見草
油、タートル油、ミンク油、オレンジラフィー油、ラノ
リン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン
酸、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セタ
ノール、ラノリンアルコール、パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、ミツ
ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、セ
ラックロウ、大豆硬化油、菜種硬化油、トリステアリン
酸グリセリル、ロジン、コレステロール、フィトステロ
ール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、動植物起源の精油成分などがある。これらは
単独であるいは混合して用いることができる。
【0018】また、前記水分保持剤組成物に攪拌下で油
性物質および水を、あるいは前記の粘稠ないしはゲル状
組成物に攪拌下で水を配合せしめることにより、水中油
型乳化状の組成物となり、該組成物は水分保持特性のあ
る水中油型乳化状製品の基剤等として使用できる。この
とき水の配合量は、水分保持剤組成物に対して10重量
%〜100倍(重量)が望ましく、好ましくは10重量
%〜20倍(重量)である。なお、この水には公知の界
面活性剤や保湿剤などの水溶性ないし水分散性成分を配
合しておいてもよい。
【0019】さらに前記水分保持剤組成物に攪拌下で水
を添加していくと、しだいに粘度が低下していき、可溶
化状の水性組成物(水分含量:50重量%以上)を調製
することができ、該組成物は水分保持性を期待できる可
溶化状の水性製品の基剤として使用できる。なお、この
水に公知の界面活性剤や保湿剤などの水溶性ないし水分
散性成分を配合してもよい。
【0020】かくして本発明の水分保持剤組成物、また
これを含有する粘稠ないしゲル状基剤、水中油型乳化状
基剤および可溶化状基剤は、いずれも水分保持特性と各
々の形状を活用して種々の分野のさまざまな製品に応用
することが可能となる。この水分保持剤組成物および各
基剤は、天然系乳化剤であるレシチンを用いており、安
全性の点で有用性は大きい。また、その利用の目的に応
じて、最終製品には通常用いられる公知の成分を配合で
きる。
【0021】
【実施例】
実施例1〜8 グリセリンおよび/またはソルビトール、精製水素添加
大豆レシチン(日清製油(株)製、ベイシスLS−60
H)、および3−メチル−1,3−ブチレングリコール
((株)クラレ製)を用い、該レシチン濃度が5重量
%、かつグリセリンおよび/またはソルビトールと3−
メチル−1,3−ブチレングリコールとが所定の重量比
率となるように、各成分を混合し、80℃に加温して溶
解後、室温に冷却して本発明の水分保持剤組成物を調製
した。次に、該組成物の各20gを80℃に再加温し、
同温度の精製水10gを混合して十分に攪拌し、室温に
冷却後、シャーレに入れ、温度25℃、相対湿度30%
の室内に放置し、その水分の減少量を経時的に測定し
た。その結果を表1に示す。本発明に係る組成物はいず
れも、後述する比較例に対して水分の減少速度がゆるや
かであり、水分の維持性能に優れており、水分保持剤組
成物として有用であることが認められた。
【0022】
【表1】 注)3−M−1,3−BG:3−メチル−1,3−ブチレングリコールを示す (以下、同じ)。
【0023】実施例9〜14 実施例1と同じ原料を用い、グリセリン:3−メチル−
1,3−ブチレングリコール=1:1(重量比)とし、
かつ所定のレシチン濃度となるように、同例記載の方法
で水分保持剤組成物を調製した。その後、実施例1と同
様の方法および条件下で、該組成物20gと精製水10
gとの混合物からの水分の減少量を測定した(表−2参
照)。いずれの組成物も、後述の比較例に比べて水分の
減少速度がゆるやかで、水分保持剤組成物として適する
ものであることが認められた。
【0024】
【表2】
【0025】比較例1〜8 レシチン無添加の例で、実施例1と同様の実験を行った
(表−3参照)。いずれの組成物でも水分の減少速度が
大きく、該組成物では周囲の湿度によりその保水量が影
響を受けやすいことが明らかになった。
【0026】
【表3】
【0027】比較例9〜11 組成物中のレシチン濃度を5重量%とし、3−メチル−
1,3−ブチレングリコールを用いることなく、あるい
はその代替グリコール類を用いて、実施例1と同様の実
験を行った(表−4参照)。これらの例の組成物でも水
分の減少速度が大きく、該組成物では周囲の湿度により
その保水量が影響を受けやすいことが明らかになった。
【0028】
【表4】
【0029】実施例15〜16、比較例12〜13 実施例1と同じ原料を用い、グリセリン:3−メチル−
1,3−ブチレングリコール=1:1(重量比)とし、
かつ組成物中のレシチン濃度が5重量%(実施例15,
16)または0(比較例12,13)となるように、同
例記載の方法で組成物を調製した。該組成物20gと所
定量の精製水(5gまたは20g)とを混合し、実施例
1と同様の方法および条件下で、各混合物からの水分の
減少量を測定した(表−5参照)。レシチンが無添加の
比較例に比べて、本実施例では水分の減少速度がゆるや
かで、水分保持剤組成物として適することが認められ
た。
【0030】
【表5】
【0031】実施例17〜22、比較例14〜18 所定の組成で水分保持剤組成物を調製し、これに水を加
えた混合物を作成し、室温(20℃)でおよび低温(5
℃)における各混合物の安定性を調べるため、それぞれ
の24時間経過後の状態を観察した。また偏光顕微鏡を
用いてそれらの60℃、20℃および5℃における偏光
性の有無を調べた。その結果を表−6に示す。表−6か
ら本発明に係る組成物は室温および低温において安定性
に優れることが認められた。また本発明に係る組成物で
はいずれも偏光性を有することが認められた。
【0032】
【表6】 注1)ソルビトールを70重量%含有する水溶液であ
る。 2)安定性の評価は、析出物なし:○、析出物あり:×
【0033】なお前記の実施例および比較例のうち、実
施例3および6、比較例2、4、7、8、10および1
1の各組成物と精製水との混合物の偏光性の有無および
粘度(BL型粘度計にて測定)は表−7のとおりであっ
た。このことから明らかなように、本発明に係る組成物
は水を添加することにより著しく高粘度状態となること
が特徴である。
【0034】
【表7】
【0035】実施例23 グリセリン25g、精製水素添加大豆レシチン(日清製
油(株)製、ベイシスLP−20H)3g、3−メチル
−1,3−ブチレングリコール((株)クラレ製)9g
および水1gを混合、80℃に加温、溶解させ、均一溶
液の水分保持剤組成物を作成した。一方、油性物質とし
てスクワランおよび流動パラフィンの等量混合物を80
℃に加温し、同温度下で、前記組成物を攪拌しつつ油性
物質を徐々に添加し、ゲル状の組成物とした後、室温ま
で冷却し、ゲル状基剤を調製した。この基剤は、6カ月
間室内(20〜25℃、相対湿度:30〜50%)で放
置したところ、水分含量にほとんど変化がなく、析出物
を生じることなく、安定性の良いものであった。
【0036】実施例24 ソルビトール70重量%水溶液15g、精製水素添加卵
黄レシチン(リポイド社製、リポイド E−80−3)
1gおよび3−メチル−1,3−ブチレングリコール
(実施例23と同じ)10gを混合、80℃に加温、溶
解させ、均一溶液の水分保持剤組成物を作成した。一
方、オリーブ油15gおよびパラフィンワックス5gを
85℃にて溶融し、油性物質とした。80℃にて、前記
組成物を攪拌しつつ、油性物質を徐々に添加し、粘稠状
の組成物とした後、これに同温度の水54gをさらに加
え、乳化液とし、室温まで冷却し、水中油型乳化状基剤
を調製した。この基剤を容器に充填し、その安定性を実
施例23と同様の条件下で調べたところ、油層または水
層を分離せず、安定な乳化状態を維持していた。
【0037】実施例25 ジグリセリン/果糖=1/1(重量)30g、精製大豆
レシチン(日清製油(株)製、ベイシスLS−60)2
0g、3−メチル−1,3−ブチレングリコール(実施
例23と同じ)40gおよび水10gを混合、80℃に
加温、溶解させ、均一溶液の水分保持剤組成物を作成し
た。同温度下で、該組成物の30gに水70gを徐々に
添加して、可溶化状基剤を調製した。この基剤は、室内
(20〜25℃、相対湿度:35〜45%)で6カ月
間、沈澱を生じることなく、また白濁せず、安定な状態
を維持していた。
【0038】
【発明の効果】本発明の水分保持剤組成物は、従来、保
湿剤として公知の多価アルコールにおいて問題点であっ
た、平衡水分の低下を伴う低湿度条件下における水分の
蒸散を緩慢にする作用があり、低湿度環境下においても
水分保持剤として有効な機能を発揮する。また、この水
分保持剤組成物を用いて得られる組成物は、粘稠ないし
ゲル状、水中油型乳化状または可溶化状の種々の形態を
保持することができるため、各形態および保水特性を活
用したさまざまな製品の基剤として使用でき、極めて応
用性が広い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−78432(JP,A) 特開 昭63−126811(JP,A) 特開 昭63−14706(JP,A) 特開 平1−266844(JP,A) 特開 昭64−85906(JP,A) 特開 平8−183726(JP,A) 特開 平6−16533(JP,A) 特開 平8−259433(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 17/38 B01F 17/14 A61K 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3価以上の水溶性多価アルコール、レシ
    チンおよび3−メチル−1,3−ブチレングリコールか
    らなる水分保持剤組成物。
  2. 【請求項2】 3価以上の水溶性多価アルコール、少量
    の水、レシチンおよび3−メチル−1,3−ブチレング
    リコールからなる水分保持剤組成物。
  3. 【請求項3】 偏光性を有するものである請求項1また
    は2に記載の水分保持剤組成物。
  4. 【請求項4】 3価以上の水溶性多価アルコールがグリ
    セリンおよび/またはソルビトールである請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の水分保持剤組成物。
  5. 【請求項5】 レシチンが水素添加レシチンである請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の水分保持剤組成物。
  6. 【請求項6】 レシチンの濃度が0.1〜50重量%で
    あり、かつ3価以上の水溶性多価アルコール:3−メチ
    ル−1,3−ブチレングリコール=1:10〜20:1
    (重量比)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    水分保持剤組成物。
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