JPH1025224A - 油中水型ゲル状乳化組成物およびこれを用いた乳化化粧料または外用剤 - Google Patents

油中水型ゲル状乳化組成物およびこれを用いた乳化化粧料または外用剤

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JPH1025224A
JPH1025224A JP18328896A JP18328896A JPH1025224A JP H1025224 A JPH1025224 A JP H1025224A JP 18328896 A JP18328896 A JP 18328896A JP 18328896 A JP18328896 A JP 18328896A JP H1025224 A JPH1025224 A JP H1025224A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の油中水型ゲル状乳化組成物では、温度
変化により、配合したワックス類の軟化や融解などの現
象を生じ、乳化状態を長期間維持することが困難であっ
た。 【解決手段】 乳化基剤(A):ジグリセリン、炭素数
6〜22の脂肪酸、および炭素数4〜10の中鎖二塩基
酸の反応モル比をX,YおよびZとするときX−Z=
1、0.5≦Z/X≦0.95および0.2≦Y/(2
X+2)≦0.9を満たすようにエステル化したオリゴ
エステル化生成物、 油相基剤(B):遊離水酸基のないエステルを含み、誘
電率≧2.5の油性成分、 水相基剤(C):水溶性の有機酸および/またはその
塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pH3
〜9の水溶液、から構成され、重量比で(A)/(B)
=3/1〜1/50、かつ{(A)+(B)}/(C)
=5/1〜1/10を満足する油中水型ゲル状乳化組成
物。またこの乳化組成物を油性成分に混合し、または油
性成分に混合後水性成分を加えて乳化した油中水型乳化
化粧料または外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料や外用軟膏
の基剤などとして有用な油中水型乳化組成物に関する。
更に詳しくは、乳化組成物の外相成分として、従来配合
が困難であったエステル系油分を基剤として用いた油中
水型のゲル状乳化組成物、およびこの油中水型ゲル状乳
化組成物を使用して構成された、乳化安定性および使用
感触に優れ、かつ安全性においても懸念のない油中水型
の乳化化粧料ならびに外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油中水型ゲル状乳化組成物は、きわめて
多くの分野で広く利用されており、とくに乳化化粧料あ
るいは外用剤の基剤として重要であるばかりでなく、そ
の特性が製品の品質を決定する要素の一つとなる。クリ
ームをはじめとするスキンケア化粧料を例にとって説明
すると、この化粧料の主な目的は、皮膚に水分と油分を
補って衰えた肌の調子を整えることにあり、その最も重
要な機能は、皮膚に潤いと柔軟性を与えるための水分の
保持機能と水分蒸散の抑制機能である。
【0003】油分および水分を基本成分とする化粧料
は、一般に、油連続相中に水相の液滴が分散した油中水
型エマルジョンと、水連続相の中に油相の液滴が分散し
た水中油型エマルジョンとに分けられ、油中水型エマル
ジョンの方が水中油型エマルジョンに比較して皮膚の保
護や柔軟性の維持などの多くの点で優れていることが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油中水
型エマルジョンを利用した製品ではその乳化状態を長期
間維持することが比較的困難である。この乳化安定性を
向上させるため、従来より行われている方法として、連
続相である油相にワックス類を多量に配合してこのエマ
ルジョンの粘稠性を高めることがあるが、これでもなお
種々の温度変化に対して配合したワックス類の軟化や融
解などの現象を生じ、乳化安定性は十分に改良し得なか
った。
【0005】そのため使用感触の点においても、べたつ
き易い、油っぽい、のびが重い、などという問題が生
じ、結果的には油中水型エマルジョンはごく限られた用
途、例えば耐水性に優れるという利点を生かしてハンド
クリームやファンデーションなどの剤型への応用に制限
されていた。
【0006】こうした問題を解決すべく、さらに様々な
検討がなされている。例えばアミノ酸を使用したゲル乳
化法(特公昭53−21393号公報)が提案されてい
るが、この方法に適用できる油剤は、流動パラフィン、
スクワラン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化
水素系の油に限定され、エステルなどの極性油(以下、
単にエステル油ということがある)は、乳化安定性に難
点があり、相分離などを生じるために不適当である。
【0007】したがって、一般的にエステル油は、炭化
水素系の油に比べて皮脂との混和性に優れ、皮膚上で上
すべりせず、なじみが良い、てかりにくいなどの利点が
あり、また通気性に優れ、油膜による皮膚閉塞性に対す
る調節的役割も果たすため、油剤を使用する化粧料には
常用されているが、前記乳化方法の実質的な応用用途の
広がりには限界がある。
【0008】さらに近年、4級アンモニウム塩型有機カ
チオン性物質等で疎水化・油膨潤化した粘土鉱物を用い
て乳化する方法(特公平2−32015号公報)が開発
されているが、本発明者らが追試を行ったところ、この
方法においても同様に、油剤が炭化水素油の場合に比べ
て、エステルなどの極性油を使用すると、その配合割合
を増加していくにつれて乳化状態の安定性が悪くなる傾
向があり、油剤中約20重量%以上のエステル系極性油
を使用すると相分離が生じてしまう。また、乳化安定性
を保持するために内水相の量を多く配合しなければなら
ないという処方上の制約もある。加えて、カチオン系界
面活性剤を乳化剤とする場合、皮膚や粘膜に対する刺激
などの安全性への懸念も存在する。
【0009】この他に、油中水型乳化剤として、エチレ
ンオキサイドやプロピレンオキサイド付加型のシリコー
ン系界面活性剤も使用されるようになってきたが、使用
感触におけるシリコーン特有の官能が、スキンケア化粧
料としては嗜好的に嫌われる傾向があり、また乳化安定
性を維持するために、油剤としてシリコーン油を併用し
なければならず、これも用途が限定される。また、エチ
レンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレ
ンオキサイド付加型の界面活性剤は、高い皮膚浸透性を
有することから、近年、安全性に対する懸念が増してい
る。
【0010】ところで近年、紫外線照射による皮膚への
影響の懸念が増大しており、サンスクリーン用化粧料の
需要が高まっている。その剤型は、最も一般的かつ代表
的な油中水型乳化化粧料であり、これらにはSPF(Su
n Protection Factor)値を上げるために、必ずといっ
てよいほど、紫外線吸収油剤が配合されており、例えば
パラメトキシ桂皮酸エステルやジメチルパラアミノ安息
香酸エステルなどのエステル油が汎用されている。とこ
ろが、これらの紫外線を吸収する機能のある官能基をも
つエステル油は特に極性が高いため、これを乳化したと
きにその安定性を維持することが難しい。それにもかか
わらず、油中水型乳化組成物を調製するためには、前記
の方法やその組み合わせで対応するしかなく、このよう
なエステル油の配合量の制限を余儀なくされることはし
ばしばであった。
【0011】本発明は、このような状況に鑑み、上記の
諸問題を解決し、エステルなどの極性油を配合しても乳
化安定性に優れ、使用感触においても良好であり、かつ
安全性においても懸念がなく、汎用性のある油中水型ゲ
ル状乳化組成物を提供することを目的とする。さらに本
発明は、このような油中水型ゲル状乳化組成物を利用し
た油中水型の乳化化粧料ならびに外用剤を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のオリゴエ
ステル化生成物が、ある条件の下で極めて優れた油中水
型乳化特性を示すとともに、この特定の条件下で得られ
る油中水型のゲル状乳化組成物が安定な乳化状態を維持
し、使用感触にも優れ、油中水型化粧料および外用剤に
とって極めて有用であることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0013】すなわち本発明の要旨の第1は、以下に示
す乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤
(C)を含有し、前記基剤(A)、(B)、(C)の配
合割合が、 (A):(B)=3:1〜1:50(重量比)、 {(A)+(B)}:(C)=5:1〜1:10(重量
比) である油中水型ゲル状乳化組成物にある。
【0014】乳化基剤(A):ジグリセリン、炭素数が
6〜22である脂肪酸、および炭素数が4〜10である
中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX,YおよびZ
とするとき、X−Z=1であり、かつ次の条件(a)お
よび(b)を同時に満足するようにエステル化反応させ
てなるオリゴエステル化生成物。
【0015】条件(a):0.5≦Z/X≦0.95 条件(b):0.2≦Y/(2X+2)≦0.9 油相基剤(B):遊離水酸基をもたないエステルを必須
成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分。
【0016】水相基剤(C):水溶性の有機酸および/
またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含
み、pH3〜9である水溶液。
【0017】本発明の要旨の第2は、前記の乳化基剤
(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)を含有
し、これら各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:
1〜1:50、かつ{(A)+(B)}:(C)が重量
比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル
状乳化組成物を油性成分に混合してなる油中水型乳化化
粧料または外用剤にある。
【0018】また本発明の要旨の第3は、前記の乳化基
剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤(C)を含有
し、これら各基剤のうち(A):(B)が重量比で3:
1〜1:50、かつ{(A)+(B)}:(C)が重量
比で5:1〜1:10の配合割合からなる油中水型ゲル
状乳化組成物を油性成分に混合した後、さらに水性成分
を添加し乳化させてなる油中水型乳化化粧料または外用
剤にある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の油中水型ゲル状乳化組成
物は、以下の内容で示される乳化基剤(A)、油相基剤
(B)および水相基剤(C)を用い、これらの各基剤の
うち(A):(B)が重量比で3:1〜1:50、かつ
{(A)+(B)}:(C)が重量比で5:1〜1:1
0の各配合割合となるように油中水型のゲル状に乳化さ
せることにより調製される。
【0020】ここで乳化基剤(A)は、ジグリセリン、
炭素数が6〜22である脂肪酸、および炭素数が4〜1
0である中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、Y
およびZとするとき、X−Z=1であり、かつ条件
(a):0.5≦Z/X≦0.95および条件(b):
0.2≦Y/(X+2)≦0.9を同時に満たすように
エステル化反応させてなるオリゴエステル化生成物であ
り、油相基剤(B)は遊離水酸基をもたないエステルを
必須成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分で
あり、水相基剤(C)は水溶性の有機酸および/または
その塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、p
H3〜9の水溶液である。
【0021】本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成
する要素である乳化基剤(A)は、ジグリセリンと、炭
素数6〜22の脂肪酸と、炭素数4〜10の中鎖二塩基
酸とを特定反応比率でエステル化して得られるオリゴエ
ステル化生成物であるが、ここにおいて使用できる脂肪
酸は、その用途に通常使用されている脂肪酸であればよ
く、化粧料や外用剤の場合には、その原料として一般に
使用されている脂肪酸、例えばカプリル酸、カプロン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、
イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸など)、イソノ
ナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸など)、イ
ソパルミチン酸、イソステアリン酸(2−ヘプチルウン
デカン酸、エメリー社製の多メチル分枝タイプなど)な
どが挙げられる。炭素数が6未満の脂肪酸は、皮膚刺激
性や加水分解安定性の点で不適当である。また炭素数が
23以上になると、エステル化反応が容易に進行しなく
なり、本発明に係る所望のオリゴエステル化生成物を得
にくくなるため不適当である。
【0022】油中水型ゲル状乳化組成物の長期安定性を
より一層向上させるには、脂肪酸として特にパルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの炭素数16〜22の
直鎖状長鎖飽和脂肪酸の1種または2種以上を用いるこ
とが望ましい。また使用感触上の皮膚へのなじみを考慮
すると、前記脂肪酸にさらにイソオクチル酸、イソノナ
ン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、イソ
ステアリン酸(エメリー社製の多メチル分枝型)、2−
ヘプチルウンデカン酸などの炭素数8〜18の分枝脂肪
酸の1種または2種以上を適宜加えた混合脂肪酸として
用いるのが良い。
【0023】中鎖二塩基酸としては、例えばコハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。一般には入
手し易いアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸か
らなる群より選ばれる1種または2種以上を用いるとよ
い。炭素数11以上の二塩基酸を使用した場合は、オリ
ゴエステル化生成物が油中水型の乳化特性を示さなくな
る傾向が大きくなり、これに水相基剤を加えてもゲル状
の乳化組成物とならず、すぐに水相の分離が起きる。炭
素数が14以上になるとこの傾向は顕著となる。一方、
炭素数3以下の二塩基酸を使用した場合、エステル化反
応により重合化生成物を生じ、高粘度となってしまい、
また得られる生成物の物性も安定しなくなるため、本発
明の原料として不適当である。
【0024】なお本発明に適用できる乳化基剤(A)を
調製するためには、前記のジグリセリン、脂肪酸および
中鎖二塩基酸の反応モル比率をそれぞれX、YおよびZ
で表したとき、X−Z=1であり、0.5≦Z/X≦
0.95、好ましくは0.6≦Z/X≦0.9であり、
かつ0.2≦Y/(2X+2)≦0.9、好ましくは
0.3≦Y/(2X+2)≦0.8であることを同時に
満たすようにエステル化反応させることが重要である。
Z/X<0.5の場合、生成するエステル化生成物はあ
る程度の乳化特性を示すものの乳化組成物の安定性が悪
く、水相の分離が起きやすくなる。逆に0.95<Z/
Xの場合、エステル化反応による生成物は重合度が高く
なりすぎて高粘度となってしまい、本発明の乳化基剤
(A)として不適当である。またY/(2X+2)<
0.1の場合は、このエステル化生成物と他の公知の油
剤との親和性が悪くなり、乳化組成物において油相の分
離が起きやすくなる。一方、0.9<Y/(2X+2)
の場合は、油中水型の乳化特性を示さなくなり、水相を
加えてもゲル状の乳化組成物とならず、容易に水相の分
離が起きるようになる。
【0025】なお本発明において、乳化基剤(A)であ
るオリゴエステル化生成物のエステル化反応は、前記の
ジグリセリン、脂肪酸および中鎖二塩基酸を原料とし、
無触媒または触媒存在下、常圧もしくは減圧下において
常法(100〜250℃で1〜20時間反応)に従って
行われる。エステル化反応終了後、必要に応じて例えば
反応物を脱色剤により脱色、さらに減圧により脱臭して
精製を行い、本発明に係わる液状ないしペースト状のオ
リゴエステル化生成物を得ることができる。
【0026】本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成
する要素である油相基剤(B)は、遊離水酸基をもたな
いエステルを必須成分として含み、その誘電率が2.5
以上、より好ましくは2.8〜8.0の油性成分からな
り、さらに好ましくは誘電率が2.8〜7.5のもので
ある。これに該当する適当なエステルは、その用途に通
常使用されているものであればよく、化粧料や外用剤の
場合には、従来より化粧料や外用剤の油剤や油性成分と
して使用されている合成エステルおよび天然油脂類から
選択でき、例えば、合成エステルとしてはミリスチン酸
イソプロピル、ミリスチン酸イソパルミチル、ミリスチ
ン酸オクチルドデシル、イソオクチル酸セチル、イソノ
ナン酸イソノニル、パルミチン酸イソオクチル、オレイ
ン酸オレイル、ステアリン酸ステアリル、ジカプリン酸
ネオペンチルグリコールエステル、ジイソオクチル酸ネ
オペンチルグリコールエステル、アジピン酸ジヘプチル
ウンデシル、トリイソオクチル酸グリセリル、トリイソ
パルミチン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、
トリカプリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリ
ル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、テトライソ
オクチル酸ペンタエリスリトールエステル、ヘキサイソ
ステアリン酸ジペンタエリスリトールエステル、パラメ
トキシ桂皮酸イソオクチル、ジメチルアミノ安息香酸イ
ソオクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノイソオクチル酸
グリセリルなどがある。
【0027】また、天然油脂類としてはユーカリ油、大
豆油、ゴマ油、米胚芽油、サフラワー油、パーム油、オ
リーブ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、アボガド
油、月見草油、ヒマシ油などの植物性油脂、タートル
油、ミンク油、オレンジラフィー油などの動物性油脂、
カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ
などのワックス類、大豆硬化油や菜種硬化油などの硬化
油(水素添加油)、エステル交換油脂、分別油脂などの
加工油脂類がある。
【0028】なおヒマシ油のように分子中に水酸基を有
するエステルは、本発明において乳化状態を不安定にす
る方向に作用するため、適当でない。しかし本発明の趣
旨(乳化安定性など)を損なわない程度に配合すること
はさしつかえない。また、本発明の油中水型ゲル状乳化
組成物の油相基剤(B)には、前記エステルとともに炭
化水素油やシリコーン油を併用してもよい。ただしこの
場合には油相基剤の誘電率が2.5〜8.0、好ましく
は2.8〜8.0、さらに好ましくは2.8〜7.5と
なるようにエステルとエステル以外の前記油性成分との
配合割合を調節することが重要である。油相基剤(B)
中のエステルの含有量は、一律に規定しがたいが、概ね
20〜100重量%である。
【0029】本発明の油中水型ゲル状乳化組成物を構成
する要素である水相基剤(C)は、水溶性の有機酸およ
び/またはその塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量
%含み、pHが3〜9の水溶液である。有機酸として
は、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コ
ハク酸、乳酸、シュウ酸、ピロリドンカルボン酸、アス
コルビン酸、グリチルリチン酸などがあり、有機酸塩と
しては前記有機酸のモノ、ジおよびトリタイプのカリウ
ム塩、ナトリウム塩などを例示でき、また無機塩として
は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン
酸カリウム、硫酸亜鉛などがある。これらは単独である
いは任意の割合の混合物として使用でき、水相基剤
(C)中0.1重量%〜10重量%含有させることが必
要であり、好ましくは0.2重量%以上である。
【0030】水相基剤(C)中にこのような有機酸およ
び/または塩類を添加しない場合、乳化基剤(A)のオ
リゴエステル化生成物が遊離の水酸基を有しており、水
との混和性が良いため、乳化基剤(A)、油相基剤
(B)および水相基剤(C)を混合すると白濁状の乳化
組成物を形成するが、ゲル性状は弱い。これを顕微鏡で
観察すると、前記有機酸および/または塩類を0.1重
量%以上加えたものでは連続する油相中に数ミクロンな
いしはサブミクロン程度の水相の液滴が均一に分散した
状態として観察されるのに対し、水相が液滴となって分
散している部分と水相が液滴とはならずに連続的に存在
する部分とが混在した状態として観察される。すなわち
良好な油中水型の乳化組成物を形成せず、この乳化組成
物を調製してから2〜3日後には水相の分離が起きる。
また有機酸および/または塩類の添加量が0.1%未満
の場合、同様の傾向を示し、無添加の場合に比べて経時
的な乳化安定性はやや良いが、やがて水相の分離を生じ
る。0.1重量%以上とりわけ0.2重量%以上の添加
により、このような問題が解消される。
【0031】また、水相基剤(C)のpHは3〜9であ
る必要があり、好ましくは4〜8.5である。pHが3
未満の場合および9より高い場合は乳化した際に生成す
る乳化粒子が粗く、乳化安定性が悪い。なおこのpH調
整は、製品としての品質を考慮すると、緩衝溶液にして
おくことが望ましい。
【0032】本発明においては、水相基剤(C)中にさ
らに多価アルコール例えばプロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール
類、グリセリン、ソルビトール、ジグリセリン、エリト
リトール、またグルコース、ガラクトース、フルクトー
ス、キシロース、アラビノース、マルトースなどの糖類
を含めた多価アルコールを配合することができる。かか
る多価アルコールの配合量は水相基剤(C)に対して1
〜80重量%、好ましくは2〜60重量%である。この
ようにして本発明の油中水型ゲル状乳化組成物の保水機
能を向上させることが可能となる。
【0033】本発明の油中水型ゲル状乳化組成物におい
て、乳化基剤(A)と油相基剤(B)との重量比は3:
1〜1:50であり、好ましくは2:1〜1:30であ
る。油相基剤(B)の量が3:1より少ない場合は乳化
基剤(A)と油相基剤(B)との混合油相中に分散し得
る水相の量が少なくなるため、実質的には汎用性がほと
んどない。また、油相基剤(B)の量が1:50より多
い場合は、乳化粒子が粗くなり、乳化安定性が悪くな
る。
【0034】さらに本発明の油中水型ゲル状乳化組成物
において、乳化基剤(A)および油相基剤(B)の合計
と水相基剤(C)との重量比は5:1〜1:10であ
り、好ましくは3:1〜1:8である。水相基剤(C)
の量が5:1より少ない場合は、乳化安定性の点では特
に問題はないが、乳化基剤(A)を極力有効に使用する
すなわち少量の乳化基剤(A)で安定な乳化組成物を得
る意味では、必ずしも適当でない。また、水相基剤
(C)の量が1:10より多い場合は水相の全量を油相
中に完全に分散することができず、分散しきれない水相
が下層に分離してしまう。
【0035】本発明の油中水型ゲル状乳化組成物は、前
記の乳化基剤(A)、油相基剤(B)および水相基剤
(C)を前記特定配合割合で常法により混合して調製す
ることができる。すなわち常温または加温(約80℃ま
で)の下、乳化基剤(A)と油相基剤(B)とを混合し
て油相とし、これにホモディスパーあるいはホモミキサ
ーなどの適当な攪拌機を用いて攪拌しながら、水相基剤
(C)を添加して油中水型に乳化させることによって得
られる。
【0036】次に本発明の油中水型ゲル状乳化組成物
を、油中水型乳化化粧料および外用剤に適用した場合に
ついて説明する。本発明の油中水型乳化化粧料および外
用剤は、前記の油中水型ゲル状乳化組成物と、一般の化
粧料または外用剤で用いられる公知成分とを混合するこ
とにより調製する。すなわち、例えば本発明の油中水型
ゲル状乳化組成物を前記のエステル系油、炭化水素系
油、シリコーン系油などの油性成分に均一に混合して油
中水型の乳化製品としたり、あるいはこれにさらに水性
成分を加えて乳化処理することにより、油中水型の製品
として使用する。かかる製品としてはクリーム、乳液、
口紅、リップスティック、アイクリーム、ファンデーシ
ョン、整髪料、軟膏などを対象とする。
【0037】またスキンケア化粧料として本発明の組成
物の機能をより一層発揮させるために、例えば水相基剤
(C)または水相部に前記のような多価アルコール類を
配合するのがよい。従来、このような多価アルコール類
とエステルとを共存させた系においては、その安定性に
対する懸念が大きかったが、本発明はこれにも十分に対
応できる。本発明で得られる油中多価アルコール水溶液
型のゲル状乳化組成物は、水相中にプロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3
−ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグ
リコール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、
ヘキシレングリコールなどのグリコール類やグリセリ
ン、ソルビトール、ジグリセリン、エリトリトール、フ
ルクトース、グルコースなどの多価アルコール類を配合
することができ、保水効果が著しく向上し、保湿化粧料
として甚だ有用なものとなすことができる。
【0038】
【実施例】
〔合成例A〜H、比較合成例a〜h〕本発明において、
乳化基剤(A)となるオリゴエステル化生成物および比
較のためのエステル化生成物を以下の方法により合成し
た。すなわち、攪拌器、温度計、窒素ガス吹き込み管お
よび水分離器を備えた2リットルの4ツ口フラスコに、
表1に示す所定モル比の各原料を仕込み、全仕込み量に
対してキシレン5重量%、触媒として塩化錫0.3重量
%を加え、160〜240℃にて計算量の水が水分離器
にたまり、反応物の酸価および水酸基価の低下が殆どな
くなるまでエステル化反応を行わせた。反応終了後、水
酸化ナトリウムを用いる脱酸処理、活性炭および/また
は活性白土を用いる脱色処理、および減圧脱臭処理を施
して液状ないしはペースト状のオリゴエステル化生成物
を得た(合成例A〜H)。
【0039】前記エステル化反応で使用したジグリセリ
ン、脂肪酸および二塩基酸の各仕込みのモル比をX,
Y,Zで表し、そのときのZ/X,Y/(2X+2)の
値を表1に示した。また比較のため、表2に示す所定モ
ル比の各原料を仕込み、同条件で処理しエステル化生成
物を得た(比較合成例a〜h)。
【0040】
【表1】 注 1)チッソ化学(株)製、2−エチルヘキサン酸 2)日産化学(株)製、3,5,5−トリメチルヘキサン酸 3)エメリー社製、多メチル分枝型イソステアリン酸
【0041】
【表2】 注 1)および3):表1の注1)、3)と同じ。
【0042】実施例1〜8、比較例1〜5 〔油中水型ゲル状乳化組成物の調製〕前述の合成例A〜
Hおよび比較合成例a〜hにおいて試作されたエステル
化生成物のいくつかを用い、以下のように油中水型乳化
組成物を作成し、各々の保存安定性を調べた。
【0043】トリイソオクチル酸グリセリル(日清製油
(株)製,TIO)70gに合成例A〜H、比較合成例
a〜c、gおよびhで得たエステル化生成物のいずれか
30gを加え、60℃で混合溶解し、油溶液を調製し
た。ついでこれを40℃にて、ホモディスパー(特殊機
化工業(株)製、TK−16型。以下同じ)(回転数:
3000rpm)を用いて攪拌しながら、クエン酸0.
9重量%およびクエン酸三ナトリウム0.1重量%を含
有する水溶液(1)300mlまたは(2)100ml
を加え、油中水型乳化組成物を調製した。なお比較合成
例dおよびfではエステル化反応途中で高粘度の生成物
を生じ、以降反応が進行しなかったため、また比較合成
例eではエステル化反応途中から反応物の酸価が低下し
なくなり、以降反応が進行しなかったため、いずれも前
記乳化組成物の調製および評価を行わなかった。
【0044】前記乳化組成物の安定性の評価は、40℃
で1日および3ヵ月保存後の外観、粘度(ゲル性状とし
て)、平均乳化粒径を指標として以下の基準によった。
【0045】 外観の評価:○−相分離がみられない △−油相が分離 ▲−水相が分離 ×−油相水相とも分離 粘度の測定:1万cps未満のとき、BL型粘度計、ローターNo.3、30 rpm、25℃ 1万cps以上のとき、BH型粘度計、ローターNo.6、4r pm、25℃ 平均粒径:光学顕微鏡で観察し、無作為に30個の分散液滴を選定し、乳化液 滴の平均粒径を求めた。
【0046】この測定の結果を表3および表4に示す。
なお評価結果は、1日後の評価→3ヵ月後の評価の形で
表示した。また相分離を生じ、測定が不可能または不要
となったものは−印を付けた(以下の表においても同様
に表示)。これらの結果から、本発明の乳化基剤(A)
となるオリゴエステル化生成物を用いると油中水型のゲ
ル状乳化組成物を製造するうえで優位性があることが認
められた。
【0047】
【表3】 注 (1):クエン酸およびクエン酸三ナトリウムを含
有する水溶液300ml使用。
【0048】(2):クエン酸およびクエン酸三ナトリ
ウムを含有する水溶液100ml使用。
【0049】
【表4】 注(1)および(2):表3の注釈と同じ。
【0050】比較例6〜8 本発明のオリゴエステル化生成物の代わりに、一般に油
中水型の乳化剤として用いられているモノオレイン酸グ
リセリル(理研ビタミン(株)製、ポエムOL−20
0)、モノオレイン酸ソルビタンエステル(花王(株)
製、レオドールスーパーSP−O10)またはポリエー
テル変性シリコーン(東レダウコーニング社製、SH−
3749)を使用し、実施例1と同様の操作を行った。
得られた結果を表5に示す。表5からわかるように、い
ずれの場合にも乳化安定性が低く、ゲル性状としての粘
度および乳化粒子サイズが経時的に大きく変化すること
が認められた。
【0051】
【表5】 注(1)および(2):表3の注釈と同じ。
【0052】実施例9〜16、比較例9〜15 乳化基剤(A)として前記合成例A、C、DおよびGで
得たオリゴエステル化生成物を用い、表6に示した油相
基剤(B)および水相基剤(C)とともに、実施例1と
同様の方法により油中水型のゲル状乳化組成物を調製し
た(実施例9〜16)。またこれらとの比較のため、表
7に示した配合組成で同様にして乳化組成物を調製した
(比較例9〜15)。これらの乳化組成物につき、実施
例1と同様に評価した。この評価結果を表8および表9
に示す(表8,9中の表示方法は表3と同じ)。これら
の結果から、本発明により乳化安定性の良好な油中水型
のゲル状乳化組成物が得られることが明らかになった。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】 前記の油中水型乳化組成物を用いて各種化粧料を試作し
た。
【0057】実施例17〜20、比較例16〜19 (油中水型クリーム)実施例9〜12および比較例9〜
12で得た油中水型乳化組成物を用いて、油相:水相が
重量比で約1:1の油中水型のクリームを試作し、それ
らの乳化安定性を評価した。
【0058】すなわち実施例9〜12および比較例9〜
12において得られた油中水型乳化組成物のいずれか6
7gと、80℃に加熱して混合溶解したジカプリン酸ネ
オペンチルグリコールエステル10g、トリイソオクチ
ル酸グリセリル(実施例1と同じ)10g、スクワラン
10g、マイクロクリスタリンワックス2gおよびキャ
ンデリラワックス1gの混合油相33gとを、攪拌下、
均一に混合した後、30℃に冷却してクリームを得た。
【0059】クリームの安定性の評価は、クリーム調製
後、40℃で1日および12ヵ月保存した後の外観、平
均粒径により、その基準は実施例1と同じとした。この
結果を表10および表11に示す(表中の表示方法は表
3と同じ)。
【0060】これらの結果から、本発明の油中水型のゲ
ル状乳化組成物は乳化安定性に優れた油中水型クリーム
を与えることがわかった。
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】 実施例21、比較例20 (乳液)実施例14および比較例11で得た油中水型乳
化組成物を用いて、油相:水相が重量比で約6:4の油
中水型の乳液を試作し、それらの乳化安定性を評価し
た。
【0063】すなわち実施例14および比較例11にお
いて得られた油中水型乳化組成物のいずれか80gと、
80℃に加熱して混合溶解したパルミチン酸イソオクチ
ル10g、アジピン酸ジヘプチルウンデシル7g、マイ
クロクリスタリンワックス1gおよびミツロウ2gの混
合油相20gとを、攪拌下、均一に混合した後30℃に
冷却し、乳液を得た。
【0064】乳液の安定性の評価はクリームの場合と同
様にした。評価結果は表12および表13に示す(表中
の表示方法は表3と同じ)。これらの結果から、本発明
の油中水型のゲル状乳化組成物は乳化安定性に優れた油
中水型乳液を与えることがわかった。
【0065】
【表12】
【0066】
【表13】 実施例22および23、比較例21 (口紅様乳化スティック)さらに実施例13および1
5、比較例10で得た油中水型乳化組成物を用いて、水
相の割合が約5重量%の口紅様乳化スティックを試作
し、それらの安定性を評価した。
【0067】すなわち実施例13および15、比較例1
0において得られた油中水型乳化組成物を、表14に示
した配合組成に基づき、85℃に加熱して混合溶解した
所定の油性成分等の混合油相と攪拌下に均一に混合した
後、鋳型に流し込み急冷し、スティック状の化粧料を得
た。
【0068】この口紅様乳化スティックの安定性の評価
は、スティックを調製した後、40℃で1日および12
ヵ月保存後の外観、折れ強度によった。評価基準は次の
とおりである。
【0069】外観の評価:○−変化なし △− 発汗が
ある ×−発汗があり、やせる 折れ強度:以下の荷重試験を行った。すなわち調製した
スティックの本体部分が傾斜角度45度で上方向に位置
するように水平台に固定し、24時間、20℃に維持し
た後、スティックの先端部分にアダプターをあて垂直方
向に荷重をかけ、スティックが折れたときの荷重値を測
定した。5回測定し、最大および最小の荷重値を除く3
回の平均荷重値を折れ強度とした。
【0070】評価結果を表15に示す(表中の表示方法
は表3と同じ)。これらの結果から、本発明の油中水型
のゲル状乳化組成物は安定な油中水型乳化スティックを
与えることがわかった。
【0071】
【表14】 注 1)リンゴ酸ジイソステアリルに顔料(酸化チタン、黄色および 赤色顔料)を40重量%混練したもの。
【0072】
【表15】 実施例24 (油中水型サンスクリーン化粧料) 原料組成 重量部 1.合成例Aのオリゴエステル化生成物 20 2.パラメトキシ桂皮酸イソオクチル 60 3.ジメチルアミノ安息香酸イソオクチル 10 4.オキシベンゾン 10 5.メチルパラベン 0.4 6.クエン酸 0.4 7.クエン酸三ナトリウム 1.6 8.1,3−ブチレングリコール 40 9.精製水 357.6 10. イソオクチル酸セチル 50 11. トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンエステル 50 12. ホホバ油 10 13. スクワラン 50 14. マイクロクリスタリンワックス 6 15. ミツロウ 4 16.シリコーン処理二酸化チタン 30 (製法) (1)原料1〜5を70℃で加熱溶解する。 (2)原料6〜9を70℃で加熱溶解する。 (3)原料10〜16を70℃で加熱溶解する。 (4)(1)の混合物に(2)の混合物をホモディスパ
ー(5000rpm)攪拌の下、徐々に分散する。 (5)(4)の混合物に(3)の混合物をホモディスパ
ー(2000rpm)攪拌の下、混合する。 (6)30℃まで冷却する。
【0073】得られたクリーム状油中水型サンスクリー
ン化粧料は40℃にて12ヵ月間、室温にて12ヵ月
間、および5℃にて12ヵ月間のいずれの条件下で保存
しても安定な品質を維持していた。また、べたつくこと
なく、さっぱりした使用感であった。
【0074】実施例25 (油中水型乳化ファンデーション) 原料組成 重量部 1.精製水 20 2.乳酸ナトリウム 0.9 3.合成例Cのオリゴエステル化生成物 5 4.トリイソオクチル酸グリセリル 2 5.ジイソオクチル酸ネオペンチルグリコールエステル 3 6.イソノナン酸イソノニル 2 7.メチルフェニルポリシロキサン 3 8.スクワラン 5 9.オクタメチルシクロテトラシロキサン 5 10. セリサイト 4.5 11. カオリン 4 12. 二酸化チタン 10 13. ベンガラ 0.5 14.黄酸化鉄 1 15. 精製水 20 16. 1,3−ブチレングリコール 10 17.メチルパラベン 0.1 (製法) (1)原料1〜2を60℃で加熱溶解する。 (2)原料3〜7を60℃で加熱溶解する。 (3)原料7〜8を60℃で加熱溶解する。 (4)原料15〜18を60℃で加熱溶解し、これに原
料10〜14をホモディスパー(3000rpm)攪拌
の下、分散する。 (5)(1)の混合物に(2)の混合物をホモディスパ
ー(4000rpm)攪拌の下、徐々に分散する。 (6)(5)の混合物に(3)の混合物をホモディスパ
ー(2000rpm)攪拌の下、混合する。 (7)(6)の混合物に(4)の混合物をホモディスパ
ー(3000rpm)攪拌の下、徐々に分散する。 (8)30℃まで冷却する。
【0075】得られた油中水型乳化ファンデーション
は、40℃、室温および5℃において各12ヵ月間保存
した結果、いずれも安定な品質を維持していた。また、
べたつくことなく、さっぱりした使用感であった。
【0076】実施例26 (油中水型乳化軟膏) 原料組成 重量部 1.精製水 31.6 2.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2 3.ソルビトール 5 4.1,3−ブチレングリコール 5 5.尿素 10 6.合成例Dのオリゴエステル化生成物 3 7.トリカプリル酸グリセリル 20 8.コーン油 20 9.パラフィンワックス 5 10. メチルパラベン 0.1 11. プロピルパラベン 0.1 (製法) (1)原料1〜5を60℃で加熱溶解する。 (2)原料6〜11を80℃で加熱溶解する。 (3)(1)の混合物に(2)の混合物をホモミキサー
(5000rpm)攪拌の下、徐々に分散する。 (4)30℃まで冷却する。
【0077】得られた油中水型乳化軟膏は、40℃、室
温および5℃において各12ヵ月間保存した結果、いず
れも安定な品質を維持していた。また、水中油型の軟膏
に比べて、水仕事後の肌荒れの改善効果が顕著であっ
た。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、エステルなどの極性油
を配合した際にも乳化安定性に優れ、使用感触において
良好であり、かつ安全性においても懸念がなく、汎用性
のある油中水型のゲル状乳化組成物を提供することがで
きる。またこの油中水型ゲル状乳化組成物を配合した油
中水型の乳化化粧料および外用剤は、その優れた安定
性、安全性ならびに使用感触のために、クリーム、乳
液、口紅、リップスティック、アイクリーム、ファンデ
ーション、整髪料、軟膏類などの化粧品、医薬部外品、
医薬品に幅広く応用できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示す乳化基剤(A)、油相基剤
    (B)および水相基剤(C)を含有し、前記基剤
    (A)、(B)、(C)の配合割合が、 (A):(B)=3:1〜1:50(重量比)、 {(A)+(B)}:(C)=5:1〜1:10(重量
    比) である油中水型ゲル状乳化組成物。 乳化基剤(A):ジグリセリン、炭素数が6〜22であ
    る脂肪酸、および炭素数が4〜10である中鎖二塩基酸
    の反応モル比率をそれぞれX,YおよびZとするとき、
    X−Z=1であり、かつ次の条件(a)および(b)を
    同時に満足するようにエステル化反応させてなるオリゴ
    エステル化生成物。 条件(a):0.5≦Z/X≦0.95 条件(b):0.2≦Y/(2X+2)≦0.9 油相基剤(B):遊離水酸基をもたないエステルを必須
    成分として含み、誘電率が2.5以上の油性成分。 水相基剤(C):水溶性の有機酸および/またはその
    塩、あるいは無機塩を0.1〜10重量%含み、pH3
    〜9である水溶液。
  2. 【請求項2】 乳化基剤(A)において、脂肪酸が炭素
    数8〜18の分枝脂肪酸からなる群より選ばれる1種ま
    たは2種以上である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳
    化組成物。
  3. 【請求項3】 乳化基剤(A)において、中鎖二塩基酸
    がアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸からなる
    群より選ばれる1種または2種以上である請求項1に記
    載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  4. 【請求項4】 油相基剤(B)の誘電率が2.8〜8.
    0である請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  5. 【請求項5】 乳化基剤(A):油相基剤(B)=2:
    1〜1:30(重量比)である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  6. 【請求項6】 水相基剤(C)のpHが4〜8.5であ
    る請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。
  7. 【請求項7】 水相基剤(C)において、水溶性の有機
    酸および/またはその塩、あるいは無機塩の含有量が
    0.2重量%以上である請求項1に記載の油中水型ゲル
    状乳化組成物。
  8. 【請求項8】 水相基剤(C)がさらに多価アルコール
    を含有してなる請求項1に記載の油中水型ゲル状乳化組
    成物。
  9. 【請求項9】 乳化剤(A)において、次の条件(a)
    および(b)を同時に満足する請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の油中水型ゲル状乳化組成物。 (a):0.6≦Z/X≦0.9 (b):0.3≦Y/(2X+2)≦0.8
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合してなる油
    中水型乳化化粧料または外用剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    油中水型ゲル状乳化組成物を油性成分に混合した後、さ
    らに水性成分を添加し乳化させてなる油中水型乳化化粧
    料または外用剤。
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