JP3128036B2 - X線撮影装置 - Google Patents

X線撮影装置

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JP3128036B2
JP3128036B2 JP05336589A JP33658993A JP3128036B2 JP 3128036 B2 JP3128036 B2 JP 3128036B2 JP 05336589 A JP05336589 A JP 05336589A JP 33658993 A JP33658993 A JP 33658993A JP 3128036 B2 JP3128036 B2 JP 3128036B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影画像に生じる歪を
補正する画像歪補正処理技術に係わり、特に、イメージ
インテンシファイアなどの撮影系を用いた場合に発生す
る画像歪を精度良く補正することが可能な画像撮影装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、画像撮影装置においてイメー
ジインテンシファイア(螢光増倍管)などの撮影系を用
いて撮影した場合に、得られた画像に糸巻歪が発生して
しまうことはよく知られている。X線撮影装置におい
て、X線管とX線イメージインテンシファイア間の距離
の変化によって糸巻歪特性は変化するが、この糸巻歪特
性の変化を抑えるための技術として特開平2−1063
6号公報に記載されたものがある。この公報に記載され
たものでは、X線管とX線イメージインテンシファイア
間の距離の変化によって生じる糸巻歪特性の変化分をイ
メージインテンシファイアの出力蛍光膜付近に設けた電
極の電位を制御することにより相殺するようにしてい
る。また、上記のように、撮影によって得られる画像そ
のものの歪を抑えるのでなく、得られた画像を電子的な
方法で補正するようにしたものとして、実開平5−28
316号公報に記載されたものがある。この公報に記載
されたものでは、等間隔の矩形チャートを撮影してディ
ジタイザやマウス等でサンプル点を手入力し、サンプル
点での歪量から得た糸巻歪特性曲線を最小2乗法で近似
し、その近似式を糸巻歪のある画像の全点に適用して糸
巻歪を補正するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−106
36号公報に記載された方法では、X線管とX線イメー
ジインテンシファイア間の距離を変える毎に、また、電
子的視野の拡大を行う毎に電極電位を調整する必要があ
るために、時間と手間を要し非常に煩雑であった。ま
た、上記実開平5−28316号公報に記載された方法
では、サンプル点をディジタイザやマウスで手入力して
いるため正確な歪量を計測することが難しく、自動化が
困難である。さらに、上記二つの従来技術では、画像全
体にわたる1画素オーダーでの歪補正は困難なので、複
数回にわたって撮影された画像の接合や、3次元画像の
再構成のような、正確な歪補正が必要な処理に対しては
適用が不可能である。本発明の目的は、従来の技術にお
ける上述の如き問題を解消し、検出器の視野端までの範
囲の画像を正確な位置関係で得ることが可能であり、検
出器の視野端までの範囲を正確な位置関係で高い空間分
解能で撮影画像を得ることが可能な検出器の視野より
広い範囲を高い空間分解能で撮影画像を得ることが可能
また、複数の撮影画像を精度よく合成することが可
能な、さらに、検出器の視野端までの範囲の断層像を高
い空間分解能で得ることが可能なX線撮影装置を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、X線発生器と、被検体を通過したX線を
検出するX線検出器を具備する画像撮影部と、前記画像
撮影部の出力信号を収集して前記被検体の画像を得る演
算を行う画像収集処理装置とを具備し、画像収集処理装
置は、位置が既知である複数個の対象を撮影して得られ
た画像歪みを有する歪画像における前記複数個の対象の
各々の対象の座標を求める演算と、前記座標を用いて前
記X線検出器の視野外に設定した仮想対象の座標を求め
る演算と、前記対象および前記仮想対象の座標が画像歪
みのない画像の何れの座標に対応するかを求める演算
と、前記複数の対象および前記仮想対象の座標を用いて
前記視野内の画素の座標に対して対応する前記歪画像の
座標を演算により求め、画像歪みのない画像の各々の座
標に対して前記歪画像の座標を対応づける変換テーブル
を作成する演算と、前記変換テーブルを用いて前記被検
体の画像の画像歪みを補正する演算を行うことを特徴と
している。
【0005】また、その複数個の対象の既知の位置を直
線上に配列された位置にすること、複数個の対象の既知
の位置の座標を歪補正後の画像上でいずれかの画素中心
の座標に一致するようにすること、複数個の対象が配列
されている直線をテレビカメラの走査線方向と平行また
は垂直にしたことを特徴としている。また、既知の対象
として、X線を遮蔽する板上に空けたX線を透過する穴
の中心、または、X線を透過する板上に配置したX線を
遮蔽する物体の中心を用いることを特徴としている。
【0006】さらに、X線発生器と、X線検出器と、該
X線検出器の位置を変化させる移動機構とを有し、上記
X線検出器を移動させて複数回の撮影を行い、該複数回
の撮影によって得られた複数枚の画像における各々の歪
を上述した画像歪補正処理方法によって補正し、該歪を
補正した複数枚の画像を共通に含まれる部位が一致する
ように接合して合成画像を得ることを特徴としている。
また、X線発生器およびX線検出器を被検体を囲む円周
上を移動させて複数回の撮影を行い、該複数回の撮影に
よって得られた複数枚の画像における各々の歪を上述し
た画像歪補正方法によって補正し、該歪を補正した複数
枚の画像を3次元再構成して断層像を得ることを特徴と
している。また、画像撮影部の撮像素子として半導体素
子を用いている。
【0007】
【作用】本発明は、既知の位置を有する複数個の対象を
撮影し、該撮影により得られた画像における上記複数の
対象各々に対して座標を求め、該座標を用いて視野外に
設定した仮想対象の座標を演算により決定し、上記対象
および上記仮想対象の座標が歪のない画像上のどの座標
に対応するかを同定し、上記対象および上記仮想対象の
座標を用いて少なくとも視野内の画素の座標に対して対
応する歪画像上の座標を演算により求め、歪のない画像
の各々の座標に対して歪画像上の座標を対応づける変換
テーブルを作成し、該変換テーブルを用いて別途撮影さ
れた画像を変換するようにしているので、視野境界まで
歪を補正することができる。その結果、視野内全域の画
像が正しい位置関係で示すことができる。
【0008】また、複数個の対象の既知の位置を、直線
上に配列し、テレビカメラの走査線方向と平行、または
垂直にすることによって、さらに、該既知の位置の座標
を歪補正後の画像上でいずれかの画素中心の座標に一致
するようにすることにより、変換テーブル作成を非常に
簡単にすることができる。また、位置が既知の対象とし
て、X線を遮蔽する板上に空けたX線を透過する穴の中
心、または、X線を透過する板上に配置したX線を遮蔽
する物体の中心を用いることにより、位置が既知の対象
と背景とのコントラストが高い画像を得ることができ
る。さらに、X線検出器を移動させて複数回の撮影を行
い、該複数回の撮影によって得られた複数枚の画像にお
ける各々の歪を上述した画像歪補正方法によって補正
し、該歪を補正した複数枚の画像を共通に含まれる部位
が一致するように接合して合成画像を得ることにより、
X線検出器の視野端までの画像に対して歪を補正するこ
とが可能となり、その結果、接合を正確に行うことがで
き、広い領域の正確な接合画像を得ることができる。
【0009】また、X線発生器およびX線検出器を被検
体を囲む円周上を移動させて複数回の撮影を行い、該複
数回の撮影によって得られた複数枚の画像における各々
の歪を上述した画像歪補正方法によって補正し、該歪を
補正した複数枚の画像を3次元再構成して断層像を得る
ようにしたことにより、X線検出器の視野端までの画像
に対して歪を補正することが可能となり、その結果、3
次元再構成の際に視野全域を用いることが可能となるた
め、正確な再構成画像を作成することができる。また、
画像撮影部の撮像素子として半導体素子を用いたことに
より、検出器の移動を行ってもマイクロホニックノイズ
の発生がないので、画像読み出しと検出器の移動を同時
に行うことができ、その結果、繰返し撮影の時間間隔を
短縮することができ、連続撮影を可能としている。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係るX線撮影装置の概略構
成を示す側面図である。本実施例に係る胸部用X線撮影
装置は、撮影制御装置1、X線管用高電圧発生装置2、
X線を発生するX線管3、X線フィルタ4、X線スリッ
ト5、X線グリッド6、X線イメージインテンシファイ
ア7、光学レンズ系8、光学レンズ系内部の平面鏡回転
機構44、光学しぼり9、テレビカメラ10、画像収集
・処理装置11、画像表示装置12、記録装置13、移
動機構14、移動制御装置15、X線遮蔽板21により
構成される。18および19はそれぞれ前記X線イメー
ジインテンシファイア7の入力蛍光面および出力蛍光面
である。X線管3、X線フィルタ4、およびX線スリッ
ト5によってX線発生器30を構成し、X線イメージイ
ンテンシファイア7、光学レンズ系8、光学しぼり9、
およびテレビカメラ10によってX線検出器16を構成
し、X線発生器30、X線グリッド6、X線遮蔽板2
1、およびX線検出器16によって画像撮影部を構成
し、画像収集・処理装置11、画像表示装置12、およ
び記録装置13によって画像処理部31を構成してい
る。テレビカメラ10は撮像管20を撮像素子として用
いており、例えば、1050本、2100本および42
00本の走査が可能である。
【0011】本発明の実施例における上記各部の動作、
および機能の概要を説明する。撮影制御装置1は、タイ
ミングパルスに従い、X線検出器16を所定の位置でX
線撮影するための撮影シーケンス、すなわちX線パルス
のパルス幅とパルス間隔、高電圧(X線管電圧)、X線
管電流、テレビカメラの動作モード、X線スリット5の
開口部の移動シーケンス、X線検出器16の移動シーケ
ンスなどを規定している。また、移動制御装置15は移
動機構14を制御する。高電圧発生装置2では撮影シー
ケンスに従って電圧、電流を発生し、X線管3でX線を
発生する。X線フィルタ4は、低エネルギーのX線を吸
収するもので、被曝線量を低減するとともに、散乱線を
低減し、画像のコントラストを向上するためのものであ
る。被写体17を透過したX線は、X線グリッド6によ
り散乱線が遮蔽されて減衰した後、X線イメージインテ
ンシファイア7に入射する。X線イメージインテンシフ
ァイアの入力蛍光面18上に投射されたX線像は、X線
イメージインテンシファイア7の働きにより出力蛍光面
19上の可視光像に変換される。光学レンズ系8は、こ
の可視光像をテレビカメラ10へ結像する。テレビカメ
ラ10は画像をビデオ信号に変換し、画像収集・処理装
置11に入力する。
【0012】画像収集・処理装置11はビデオ信号をA
/D変換し、内部のフレームメモリに記憶し、得られた
ディジタルX線像に対して前記X線検出器による画像の
幾何学的歪と画像の濃度レベルのシェーディングとを補
正し、画像補正処理を行ない、画像表示装置12へ画像
を表示し、記録装置13へ画像を蓄積する。さらに、画
像収集・処理装置11は、2画像に共通に含まれる被写
体部位が一致するように2画像を合成する、あるいは3
次元再構成を行う。画像表示装置12は撮影画像、合成
画像、および再構成画像を表示する機能を持つ。
【0013】次に本発明の画像歪補正方法の概要を図2
を用いて説明する。処理は位置が既知の対象を撮影し、
その画像から歪量を計測して補正用の変換テーブルを作
成する事前処理と、撮影した画像をテーブルルックアッ
プにより補正する本処理に分けられる。事前処理では、
まず位置が既知の対象の歪画像の撮影を行う(ステップ
31)。位置が既知の対象として、図3に示すように、
X線を遮蔽する板上に描いた正方格子の交点のみ空けた
X線を透過する穴を用いる。具体的には、厚さが1mm
の真鍮板に描いた一辺が2cmの正方格子の交点のみに
空けた直径1mmの穴の配列(以下、ホールチャート)
を用いる。ホールチャートの撮影時には、テレビカメラ
の走査線と平行および垂直の方向にホールが配列するよ
うに、ホールチャートの傾きを調節する。これによって
対象および仮想対象の座標が歪のない画像上のどの座標
に対応するかを容易に同定することができる次に、歪の
量を正確に知るために歪画像におけるホールの中心座標
の決定を行う(ステップ33)。次に、最外周のホール
より外側の歪の量を正確に知るために視野外の仮想ホー
ルの中心座標の決定を行う(ステップ34)。イメージ
インテンシファイアの視野の境界とホール(計測点)お
よび仮想ホールの関係を図4に示す。仮想ホールの中心
座標はホール(計測点)の中心座標の値から外挿で求め
る。次に、歪補正用の変換テーブルを作成する(ステッ
プ35)。
【0014】以下、歪画像におけるホールの中心座標の
決定、歪画像における仮想ホールの中心座標の決定、お
よび歪補正用変換テーブルの作成につき詳述する。ホー
ルは画像上では大きさを持つため、ホール中心の抽出が
必要となる。ホール中心の抽出処理を図5に示す。ま
ず、検出系のシェーディング(感度むら)の影響を除く
ために、ホール画像の平滑化画像を求め(ステップ4
1)、次に、ホール画像とホール画像の平滑画像との差
分画像を求める(ステップ42)。差分画像を2値化し
て(ステップ43)背景とホールを分離し、ホールの輪
郭を抽出する(ステップ44)。分離された各ホールの
輪郭毎に座標の最大値と最小値を求め、その平均から仮
中心を決める(ステップ45)。ホール画像(計測画
像)において仮中心を中心とする領域を切り出し(ステ
ップ46)、横方向(または縦方向)に順次画素単位で
値を読み取る操作を縦方向(または横方向)に繰り返し
(図6参照)、読み取った値(ホール部分)を縦方向
(または横方向)に加算して図7に示すようなプロファ
イルを求める(ステップ47)。図7において、横軸は
横方向(または縦方向)の位置座標、縦軸は縦方向(ま
たは横方向)の加算結果である。加算回数の代表例は2
0回である。ホールから外れた位置の加算回数が余り多
いとホール部に相当するプロファイルの山がバックグラ
ンドに埋もれてしまい目立たなくなってしまうので、図
6に示すようにできるだけホール部分で加算を行う。求
めたプロファイルにおいて最大値と最小値の平均値a
(しきい値)と上記プロファイルとの交点b,cを補間
により求め(ステップ48)、その平均(中点)をホー
ルの中心とする(ステップ49)。
【0015】次に、本発明の実施例における糸巻歪画像
と歪のない画像との対応関係を求める方法を説明する。
実時間ディジタルラジオグラフィ(DR)における糸巻
歪の理論式は、歪がない点を原点とした時の元の位置座
標を(x,y)、歪が付加されたときの位置座標を(x',
y')とすると、 x'=x+D・x・(x2+y2) } (1) y'=y+D・y・(x2+y2) で表される。ただし、x軸方向はテレビカメラの走査線
と平行な方向、yはテレビカメラの走査線と垂直な方
向、Dは歪量を表す定数である。位置が既知の対象(図
4中の黒丸)の座標を用いて検出器の視野外に設定した
仮想対象(図4中の白丸)の座標を決定する際に、
(1)式を用いて歪のない画像上の座標に対する歪画像
上の座標をフィッティングすることを考える。
【0016】既知の位置として直線y=a・x+b上に配
列された位置を用いることにより、 x'=x+D・x・{x2+(a・x+b)2} }(2) y'=(a・x+b)+D・(a・x+b)・{x2+(a・x+b)2} となり、x'およびy'はxの3次式でのフィッティング
が可能となる。また、既知の位置として直線x=(y-b)
/a上に配列された位置を用いることにより、 x'=(y-b)/a+D・(y-b)/a・[{(y-b)/a}2+y2] }(3) y'=y+D・y・[{(y-b)/a}2+y] となり、x’およびy'はyの3次式でのフィッティン
グが可能となる。位置が既知の対象の座標を用いて視野
外に設定した仮想対象の座標を決定する際に、直線上に
配列された対象を用いて(2)式あるいは(3)式に従
って歪のない画像上の座標に対する歪画像上の座標をフ
ィッティングすると、x座標およびy座標を各々演算す
ることができ、該フィッティングのみで該直線上の仮想
対象の座標を求めることができる。
【0017】さらに、テレビカメラの走査線方向と前記
対象が配列された直線とを垂直にすることにより、
(1)式は、歪のない画像上での対象の座標を(a,y)
とすると、 x'=a+D・a・(a2+y2) } (4) y'=y+D・y・(a2+y2) となり、x'はyの2次式、y'はyの3次式でフィッテ
ィングすることができる。
【0018】同様に、テレビカメラの走査線方向と該直
線とを平行(すなわち、yが一定)にすることにより、
(1)式は、歪のない画像上での対象の座標を(x,b)
とすると、 x'=x+D・x・(x2+b2) } (5) y'=b+D・b・(x2+b2) となり、x'はxの3次式、y'はxの2次式でフィッテ
ィングできる。
【0019】また、(1)式は極座標系では、 r'=r・(1+D・r2) (6) と表される。ただし、rは座標原点からの距離、r'は
歪が付加された結果の距離である。従って、位置が既知
の対象を、歪のない中心領域から放射状に配列し、該対
象の座標を用いて視野外に設定した仮想対象の座標を決
定することにより、フィッティングの式を(1)式から
(6)式にすることが可能となる。その結果、仮想対象
のx座標とy座標を個々に求める必要がなくなり、フィ
ッティングの回数が減少する。
【0020】本実施例においては、視野外の仮想ホール
の座標(図4参照)は、視野内のホール(黒点)の座標
から外挿で求める。格子の垂直線に沿ったホールの列
(即ちxが一定のホールの列)の歪画像上でのx座標
(x')はyの4次式、y座標(y')はyの3次式でフィッ
ティングし、格子の水平線に沿ったホールの列(即ちy
が一定のホールの列)の歪画像上でのx座標(x')はx
の3次式、y座標(y')はxの4次式でフィッティング
する。xが一定のホール列のx'とyが一定のホール列
のy'は、理論的には上記(4)式および(5)式から
明らかなように2次式でフィッティング可能であるが、
実際には複雑な歪が加わっているため、4次式でのフィ
ッティングとする。
【0021】また、仮想ホールの座標が水平方向のホー
ル列と垂直方向のホール列の両方から求まる場合には、
平均値を用いる。さらに斜め方向等、様々な方向の1次
元配列から求めた座標を用いて座標を決定する。このよ
うに、他方向からの座標を用いることにより、フィッテ
ィングの誤差を減少させる効果がある。変換テーブルは
歪補正画像上の点(x,y)に対する歪画像上の点(x',
y')を格納する位置対応型とし、x'およびy'用に用意
する。x'およびy'は、変換を正確に行うために実数値
とする。実数値を用いることにより、画像変換の精度を
一層向上させることができる。
【0022】次に、図8を用いて歪補正用の変換テーブ
ルの効果的な作成方法について説明する。変換テーブル
の水平方向と垂直方向をそれぞれある一定画素きざみの
x座標およびy座標とし、歪のない画像上の対象および
仮想対象の座標(xi,yi)(i=1,・・・,4)
に、各対象および仮想対象の歪画像上の座標(x',y')
を格納する。図8はx’用のテーブルの様子を示してい
る。xiおよびyiが整数値でない場合、変換テーブル
の精度を保つためには、きざみを1画素より小さくする
必要があり、結果的にマトリックスサイズを大きくする
必要がある。マトリックスサイズを大きくしないために
は、xおよびy近傍で座標が整数となる変換テーブルの
値を補間演算により求める必要がある。従って、位置が
既知の対象の座標が、歪補正後の画像上でいずれかの画
素中心の座標に一致する、すなわち、xおよびyが整数
値をとることにより、マトリックスサイズを入力画像の
画素数と同等にし、x'およびy'を補間演算なしで直
接、変換テーブルに格納することができる。
【0023】さらに、テレビカメラの走査線方向と前記
対象が配列された直線m1およびm2とを垂直にした場
合の変換テーブルを図9に示す。歪のない画像上の対象
および仮想対象のx座標は定数(c1およびc2)とな
るので、x'4と同じy座標をとる直線m1上の点x'1
2はx'1およびx'2から、x'1と同じy座標をとる
直線m2上の点x'34はx'3およびx'4から補間に
より容易に求めることができる。長方形S内の変換テー
ブルを作成する場合には、長方形の頂点にあたるx'
1,x'12,x'4,x'34を用いて2次元線形補間
(4点ラグランジュ補間)により行うので、x'12お
よびx'34の補間が容易になるに伴って、テーブルの
作成が容易になる。
【0024】同様に、テレビカメラの走査線方向と前記
対象が配列された直線n1およびn2を平行にした場合
には、歪のない画像上の対象および仮想対象のy座標が
定数となるので、長方形の頂点の座標を補間により容易
に求めることができる。さらに、テレビカメラの走査線
方向と前記対象が配列された直線m1およびm2とを垂
直にし、直線n1およびn2を平行にした場合には、歪
のない画像上の対象および仮想対象のx座標およびy座
標の両方が定数となり、長方形の頂点の座標として直接
用いることができる。
【0025】次に、x'用テーブルの作成手順を示す。
テーブルの水平方向と垂直方向をそれぞれ1画素きざみ
のx座標およびy座標とし、ホールおよび仮想ホールの
格子点座標(Xi,Yj)(i:水平方向の格子点番号、
j:垂直方向の格子点番号)に、当該格子点に対応する
歪画像のホールまたは仮想ホールのx座標X'i,jを
格納する。なお、X'i,jの値は、例えば上述した方
法で求める。この操作によって図10に示すような対応
テーブルが作成される。格子点座標(Xi,Yj)以外の
テーブル値は、格子点座標(Xi,Yj)に格納された値
を使って内挿する。内挿方法は、例えば、4点ラグラン
ジュ法による線形補間とし、取り囲む近傍の4点を用い
て求める。例えば、Xi<x<Xi+1,Yj<y<Y
j+1の(x,y)に対する演算式は、 x'(x,y)=x'(Xi,Yj)・(1-s)・(1-t) +x'(Xi+1,Yj)・s・(1-t) +x'(Xi,Yj+1)・(1-s)・t +x'(Xi+1,Yj+1)・s・t =X'i,j・(1-s)・(1-t) +X'i+1,j・s・(1-t) +X'i,j+1・(1-s)・t +X'i+1,j+1・s・t (7) として求めることができる。ただし、X'i,j,X'i
+1,j,X'i,j+1,X'i+1,j+1はそれぞれ
x'(Xi,Yj),x'(Xi+1,Yj),x'(Xi,Yj+
1),x'(Xi+1,Yj+1)を意味し、sとtはそれぞ
れXiとXi+1間の距離およびYjとYj+1間の距離
を1と規格化した時のx-Xiおよびy-Yjの値を表し
ている。y'テーブルの作成は上述したx'テーブルの作
成と同様な方法で行われる。
【0026】テーブルを用いた画像変換(テーブルルッ
クアップ方式)により歪補正を行う。補正画像上の画素
(x,y)の値には歪画像上の画素(x',y')の値を入れ
る。実際にはx'およびy'は実数なので、歪画像上に対
応するデータは存在しない。従って、それを取り囲む4
画素の値を用いて4点ラグランジュ法により内挿する。
内挿には4点ラグランジュ法の他に、再近傍補間法、標
本化関数補間法、スプライン補間法等、様々な方法を用
いてもよい。別の実施例では、補間演算に、再近傍補間
法、標本化関数補間法、スプライン補間法等を用いる。
別の実施例では、近似式は、歪の形状(これは、撮影系
の構造、その他様々な要素からの影響に依存する)によ
って、1次、2次、3次、4次、・・・と様々な次数の
多次式とする。
【0027】別の実施例では、図11に示すように、位
置が既知の対象を歪のない中心領域から放射状に配列
し、該対象を用いて仮想ホール位置を決定する。使用例
としては、格子の交点および中心から放射状に引いた直
線上の2種類の位置にX線を透過する穴を空けたチャー
トを用い、1回目の撮影ではそのまま撮影し、2回目の
撮影では前記2種類のホールのうち格子の交点上のホー
ルのみあるいは中心から放射状に引いた直線上のホール
のみを塞いでX線透過を妨げるカバ−を取り付けて撮影
する。上記方法により、2種類のホールの分類を容易に
し、その結果、補正処理全体を簡素化することができ
る。
【0028】また、上記実施例では、位置が既知の対象
として、X線を遮蔽する板上に空けたX線を透過する穴
の中心を用いたが、逆に、X線を透過する板上に配置し
たX線を遮蔽する物体の中心を用いても、既知の対象と
背景とのコントラストが高い画像を得ることができる。
【0029】別の実施例として、図1に破線の囲みで示
したX線検出器16の移動を行う移動機構14を付加
し、検出器位置を移動して2回の撮影を行う。例えば、
胸部撮影を行う場合には、第1撮影位置を検出器が片
肺、縦隔、および心臓の領域をカバ−する位置とし、第
2撮影位置を検出器がもう一方の片肺、縦隔、および心
臓の領域をカバ−する位置とする。第1撮影位置および
第2撮影位置の代表例はそれぞれ、体軸から85mm左
および右の位置である。撮影で得られた2枚の画像を上
述した歪補正方法を用いて各々補正した後、2枚の画像
の重複領域が一致するように画像を接合する。なお、撮
影回数は2回に限定されるものではなく、複数回の撮影
画像を合成する場合にも有効である。
【0030】別の実施例としては、図1に破線の囲みで
示したX線発生器30およびX線検出器16の移動を行
う移動機構14を付加し、X線発生器および検出器を被
検体17を囲む円周上を移動させて複数回の撮影を行
い、撮影された各々の画像に対して上述した歪補正方法
を用いて歪を補正した後、3次元再構成して断層像を得
ることもできる。
【0031】別の実施例では、テレビカメラの撮像素子
としてCCDなどの半導体素子を用いる。撮像管では、
検出器の移動を行った場合、機械的振動により撮像管内
部の構造物の振動の影響で読み出した画像にマイクロホ
ニックノイズが混入することがあるが、半導体素子の場
合は、固体素子であるため振動によるノイズの発生がな
いので画像読み出しと検出器の移動を同時に行うことが
でき、その結果、撮影時間を短縮することができるとい
う効果もある。
【0032】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、以下に示す例のように変形して実施することが
できる。本発明のX線撮影装置を用いると、従来のX線
撮影装置で可能な多くの応用も可能であり、それらの適
用範囲を拡大するものである。例えば、断層撮影、拡大
撮影、ステレオ撮影等の画像を従来より大視野かつ高精
細画像に拡張することができる。さらに、本発明はX線
撮影だけでなく、光学撮影にも有効であり、また、歪パ
ターンも糸巻歪だけでなく、発生する歪パターンが予測
できる全ての撮影に対しても有効である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、変換テーブルを用いて
精度良い歪補正を行うことにより、検出器の視野端まで
の範囲を正確な位置関係で高い空間分解能で撮影するこ
とができ、また、検出器の視野より広い範囲で高い空間
分解能で撮影画像を得ることが可能になる。また、複数
回の撮影画像を精度良く合成したり、断層像を高い空間
分解能で得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るディジタルX線撮影装
置の概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る歪補正処理の概要を示
すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係る位置が既知の対象の具
体例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るイメージインテンシフ
ァイアの視野の境界とホールおよび仮想ホールの関係を
示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係るホール中心の抽出処理
の概要を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例に係るホールの中心を抽出す
るための操作を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例に係るホールのプロファイル
を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る歪補正用変換テーブル
を示す図である。
【図9】本発明一実施例に係る歪補正用変換テーブルを
示す図である。
【図10】本発明一実施例に係るx'用テーブルを示す
図である。
【図11】本発明の一実施例に係る位置が既知の対象を
示す図である。
【符号の説明】
1 撮影制御装置 2 高電圧発生装置 3 X線管 4 X線フィルタ 5 X線スリット 6 X線グリッド 7 X線イメージインテンシファイア 8 光学レンズ系 9 光学しぼり 10 テレビカメラ 11 画像収集・処理装置 12 画像表示装置 13 記録装置 14 移動機構 15 移動制御装置 16 X線検出器 17 被検体 18 入力蛍光面 19 出力蛍光面 20 高解像度撮像管 21 X線遮蔽板 30 X線発生器 31 画像処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 洋一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−222247(JP,A) 特開 昭62−224179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00,3/00 A61B 6/00,6/03

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生するX線管と、被検体を通過
    したX線可視光像に変換するX線イメージインテン
    シファイアと、前記可視光像を結像するテレビカメラ
    と、前記テレビカメラの出力信号を収集して前記被検体
    の画像を得る演算を行う画像収集処理装置とを具備し、 前記画像収集処理装置は、前記テレビカメラの走査線と平行および垂直の方向に等
    間隔に複数個の対象が配列され、前記各対象の既知の位
    置の座標が画像歪みを補正した後の画像の何れかの画素
    の中心の座標に一致するようにし、 位置が既知である
    複数個の対象を撮影して得られた画像歪みを有する歪
    画像における前記対象の座標を求める演算と、 前記座標を用いて前記X線イメージインテンシファイア
    の視野外に設定した仮想対象の座標を求める演算と、 前記対象および前記仮想対象の座標が画像歪みのない
    画像の何れの座標に対応するかを求める演算と、 前記対象および前記仮想対象の座標を用いて前記
    線イメージインテンシファイルの視野内の前記画像歪み
    のない画像の画素の座標に対応する前記歪画像の座標を
    演算により求め、前記画像歪みのない画像の各画素の座
    標に対して前記歪画像の座標を対応づける変換テーブル
    を作成する演算と、 前記変換テーブルを用いて前記被検体の画像の画像歪み
    を補正する演算を行うことを特徴とするX線撮影装置。
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