JP3127184B2 - 車両用レーダ装置 - Google Patents

車両用レーダ装置

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JP3127184B2
JP3127184B2 JP05236597A JP23659793A JP3127184B2 JP 3127184 B2 JP3127184 B2 JP 3127184B2 JP 05236597 A JP05236597 A JP 05236597A JP 23659793 A JP23659793 A JP 23659793A JP 3127184 B2 JP3127184 B2 JP 3127184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として発光源から
のビーム光を放射し、対象物体による反射光を受光して
対象物体までの距離の検出などを行う車両用レーダ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用レーダ装置としては例え
ば、多角形のミラーをモータにより回転させて発光源か
らのビーム光を走査する方法や、実開平3−95979
号公報に開示されたものがある。この公報に開示の装置
は、車両に搭載されたもので、レーザ発光手段からのレ
ーザ光を絞るレンズと、このレンズを通過した光を反射
させ対象物へ向けるミラーと、対象物から反射された光
を受けるレーザ受光手段と、レーザ発受光間の時間から
自車両と対象物の間の距離を演算するコントローラとを
備えている。ここで前記ミラーは軸に取り付けられ、こ
の軸は、コイルが巻回された円筒状の鉄心の中心部を貫
通して取付けられ、この鉄心の側部にはギャップをあけ
て磁石のS極とN極が対向配置されている。
【0003】コイルに通電すると鉄心が通電量に応じて
回転し、従って前記軸に取付けられたミラーも回動す
る。またコイルへの通電を断つと鉄心、軸、ミラーは戻
しバネの力によって元の位置に戻る。コイルへの通電量
を経時的に増加することによってミラーは徐々に角度を
変化させ、これによってレーザ光の走査方向を変化さ
せ、ある程度広い範囲への走査が可能となり、測距可能
範囲がそれだけ広がる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用レーダ装置は次に述べる課題があった。すな
わち、ミラーは送光側にしか設けられていず、受光側に
はないため、反射光は直接受光手段に受けられることと
なり、この受光手段には走査機能がないので、受光でき
る反射光の範囲が狭いという問題があった。これを解決
すべく受光側にもミラーを取付けることとすれば、ミラ
ー全体が大型化し重くなるため、このようなミラーを駆
動させようとすれば、大きな駆動力が必要となる。とこ
ろが上記従来装置では円筒状鉄心に巻かれたコイルに通
電することによってミラーを回転させることとなってい
るので、大型化したミラーを回転させるためにコイルへ
の通電量を増やしたり、コイルを大型化させる必要があ
るが、コイルへの通電量には限界があり、またコイルを
大型化させると装置全体が大きくなり過ぎ、車両への搭
載性が悪くなるという問題が生じる。さらに、ミラーを
大型化させるとどうしてもミラーを高速で駆動しにくく
なる。
【0005】このような理由から上記従来装置ではミラ
ーを受光側にも設けることを採用し難く、更に送光側に
のみミラーを設けるにしても、このミラーをできるだけ
小さくした方がよいという事情があった。ここで送光側
ミラーを小さくした場合、レーザ発光手段からのレーザ
光を小さいミラーで適正に反射させ対象物へ向けようと
すれば、レンズによって前記レーザ光をできるだけ小さ
く絞る必要があるので、光が相当絞られたものとなって
しまい、このため光のエネルギー密度が大となって、送
光方向に存在する人の目に対する安全上の問題も生じ
る。また前記した多角形ミラーをモータにより回転させ
るタイプの装置でも上記と同様の問題がある。
【0006】この発明では、装置全体を大型化させるこ
となく、送光側、受光側の両方にミラーを設けて送受光
範囲を広げることができ、しかもこのミラーを必要な程
度の高速度で駆動でき、また送光ビームを人の目に悪影
響を与える程は絞り込まずに済む車両用レーダ装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明で
は、送光を送光方向へ反射させると共に物からの反射光
を受光手段の方へ反射するミラーと、前記送光の方向を
変えるために前記ミラーを回動させる駆動手段とを備
え、前記駆動手段はステッピングモータと、このモータ
の回転に従って回転するカムと、前記ステッピングモー
タを回転させるためのパルスを制御する制御手段とを有
してなり、前記カムは前記ミラーを所定角度回動させる
ためのカム面と前記ミラーを前記所定角度から元に戻す
ためのカム面とを有し、前記ステッピングモータで前記
ミラーを元に戻す際のパルス数はこのミラーを前記所定
角度回動させる際のパルス数より少なくされている。
【0008】請求項2に係る発明では、ステッピングモ
ータの駆動のさせ方を上記請求項1の場合に代えて、前
記ステッピングモータが1ステップ移動する量をミラー
を元に戻す場合の方がミラーを所定角度回動させる場合
よりも小さくしたものである 求項3に係る発明で
は、ステッピングモータの駆動のさせ方を上記請求項
、2に代えて、ステッピングモータに与えられる単位
時間当たりのパルス数を前記ミラーを元に戻す場合の方
が前記ミラーを所定角度回動させる場合よりも多くして
いる。
【0009】請求項4に係る発明では、駆動手段を請求
項1乃至3のものに代えて、ミラーの裏側に位置しミラ
ーと一体的に設けられた磁石を有してなるロータと、こ
のロータの周囲に空隙を介して配置されたステータとを
有するものとし、かつ、ミラー、ロータ、及びステータ
は、回転軸に対して垂直方向の同一平面上に配置される
とともに、ステータは複数のコイルを有し、ロータは制
御手段による複数のコイルへの通電制御に応じて所定角
度ずつ回動されるものとしている。請求項5に係る発明
では、駆動手段を請求項1乃至3のものに代えて、ミラ
ーの裏側に位置しミラーと一体的に設けられた磁石を有
してなるロータと、このロータの周囲に空隙を介して配
置されたステータとを有するものとし、かつ、ミラー、
ロータ、及びステータは、回転軸に対して垂直方向の同
一平面上に配置されるとともに、ステータは少なくとも
1個のコイルを有し、ロータは制御手段によるコイルへ
の通電制御に応じて連続的に回動されるものとしてい
る。
【0010】
【作用】請求項1の発明では、送光手段からの送光がミ
ラーに反射され自車両の前方等に照射され、送光方向に
物があればそれに当たって反射され、この反射光は前記
ミラーで受光素子の方へ反射される。そして送受光との
関係に基づいて制御手段で必要な処理がなされる。前記
ミラーは送受光時は制御手段で制御されるパルスによっ
て所定角度ずつ回転されるステッピングモータの回転に
従って回転するカムにより所定角度迄回動され、所定角
度迄回動させた後、すなわち1サイクルの送受光が終わ
れば、前記カムの回転によって元の位置まで戻される。
ここで制御手段によってステッピングモータに与えられ
るパルス数は前記ミラーを元に戻す場合の方が前記ミラ
ーを所定角度迄回動させる場合よりも少なく、ミラーは
迅速に元に戻る。
【0011】請求項2の発明では、請求項1でのステッ
ピングモータの1ステップ毎の回転する量をミラーを
元に戻す場合の方が前記ミラーを所定角度迄回動させる
場合よりも小さくし、これによりミラーはカム面に従っ
て滑らかに動いて元に戻る。請求項の発明では、請
項1でのステッピングモータによってミラーを元に戻す
場合の、単位時間当たりのパルス数をミラーを所定角度
迄回動させる場合よりも多くすることによって、ミラー
は迅速に元の位置に戻る。
【0012】請求項4、及び請求項5の発明では、駆動
手段は、ミラーの裏側に位置しミラーと一体的に設けら
れた磁石を有してなるロータと、このロータの周囲に空
隙を介して配置されたステータとを有するものとし、か
つ、ミラー、ロータ、及びステータは、回転軸に対して
垂直方向の同一平面上に配置されたものとしている。こ
のため、駆動力を生じる磁石から直接ミラーが駆動され
るため駆動力の損失等がなく、かつ、構成が簡単で小型
となる。また、ロータには駆動のためのコイルを有しな
いため可動部にコイル電流を供給するための構造は不要
であり、簡単な構成で耐久性、信頼性の高いものが得ら
れる。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。 実施例1.図1、2にこの発明の実施例1を示し、車両
用レーダ装置は車両の前部等に搭載され、光ビームを発
生させる送光手段としての送光素子1と、送光素子1か
らの光を絞る送光レンズ2と、送光レンズ2を通過した
光を反射させ、自車両の前方へ光ビームを送ると共に送
光ビームが物体や人などに当って帰ってきた光を受け、
これを反射するミラー3と、このミラー3で反射された
光を絞る受光レンズ4と、受光レンズ4で絞られた反射
光を受ける受光手段たる受光素子5と送光ビームを発生
させるための前記送光素子1の駆動を制御し、送受光信
号の関係に基づいて前記物体や人などまでの距離を演算
するなどの処理をする手段(図示せず)とを有してな
る。
【0014】車両用レーダ装置の主な部分は図2に示す
ようにハウジング10内に収められている。前記ミラー
3は送受光方向(矢符方向)に対して所定の角度で斜め
に配置され、その裏面にはプレート17が取付けられ、
このプレート17にはミラー3の回動中心となる軸13
がプレート17の軸保持部17aに取付けられ、ミラー
3は軸13を中心として回動(揺動)自在となってい
る。そして、このミラー3を回動させるための駆動手段
として本実施例ではステッピングモータ14とカム15
が採用されている。ステッピングモータ14はハウジン
グ10内における前記ミラー3裏側のスペースに配置さ
れている(詳細な構造は図示せず)。このステッピング
モータ14の回転軸16の上部にはカム15が固着され
ステッピングモータ14の回転に従ってカム15も回転
する。ステッピングモータ14のコイルへの通電は図示
しない制御手段によって制御される。カム15は板にカ
ム溝が形成されてなるものであり、このカム15にはカ
ム面15a、15bが形成され、カム面15aは自車両
前方等の走査時にミラー3を所定角度まで回動させるべ
く、トレースを行う面であり、カム面15bは走査し終
ったミラー3を元の位置に戻す際にトレースする面であ
る。
【0015】前記ミラー裏面のプレート17にはローラ
保持部17bが設けられ、このローラ保持部17bには
ローラ17dが取付けられている。また前記プレート1
7の端部には突起17cが、一方、ハウジング10の内
壁にはホルダ19が設けられ、これら突起17c、ホル
ダ19間にはスプリング18が張設され、このスプリン
グ18はミラー3に連接された前記ローラ17dをカム
面に当接させる方向へ付勢されている。本実施例におけ
る上記以外の構成として、6は前記受光素子5を固着し
たサブ基板、7は送光素子1を固着したメイン基板、8
はサブ基板6とメイン基板7を電気接続すると共にサブ
基板6を保持するターミナル、20は受光素子5および
サブ基板6を囲んでこれらを外部ノイズから保持するケ
ースである。またハウジング10にはミラー3で反射さ
れた送光ビームが外部へ送出され、物体等からの反射光
をミラー3へ当るようにするための開口21が形成さ
れ、この開口21には光を透過するガラス板11がカバ
ー12で保持されて取付けられている。
【0016】次に実施例1に係る車両用レーダ装置の動
作を説明する。送光素子1で発生された光ビームはレン
ズ2で所定範囲の光束となるよう絞られ、ミラー3に当
って反射し、例えば自車両前方に送出される。送出され
た光はもし送光方向に物(物体や人など)があった場合
は、この物に当って反射し、この反射光はガラス板11
を通ってミラー3に当る。ミラー3に当った光はミラー
3によって受光素子5の方へ反射される。そして制御
(演算)のための手段によって前記送受光の関係から車
両前方の物までの距離が測定される。ここで、ミラー3
は1回の送受光ごとに軸13を中心として所定角度ずつ
回動され、例えば図1に示すようにミラー3が点線で示
す3bの位置に回動されれば送受光の方向も概ね点線で
示されるように変位され、またミラー3が2点鎖線で示
す3aに回動されれば送受光も概ね2点鎖線で示す方向
に変位される。このように順次ミラー3を回動させるこ
とによって送光ビームによる自車両前方その他への水平
方向(または垂直方向、その他)での走査が所定の周期
毎に行われることとなる。
【0017】このミラー3の回動のさせ方を図3を用い
て説明する。この実施例ではミラー3は前記したモータ
14によって回動されるカム15のカム面15a、15
bにトレースされることによって回動される。ここでス
テッピングモータ14としては2層励磁式のものが使用
される。この2層励磁式の場合、ステッピングモータ1
4を構成するロータの周囲の4つのコイルA〜Dのうち
2つずつのコイルを順次励磁させていくことによって、
ミラー3が1ステップずつ回動される。具体的には図3
に示すように、まずAとDのコイルが励磁されることに
よりステッピングモータ14及びこれに連設したカム1
5が1ステップ回転し、これによりミラー3はローラ1
7dを介してカム面15aに沿って所定角度分、1ステ
ップ回動する。次にAとBのコイルを励磁するとステッ
ピングモータ14およびこれに連設したカム15がさら
に1ステップ回転し、これによりミラー3はローラ17
dを介してカム面15aに沿って2ステップ目の回動を
行う。次にBとCのコイルを励磁すると上記の続きでミ
ラー3が3ステップ目の回動をし、続いてCとDのコイ
ルを励磁するとミラー3は4ステップ目の回動を行い、
さらに続いて第1ステップ目に励磁されたAとDのコイ
ルを励磁するとミラー3は5ステップ目の回動を行い、
以下同様に10ステップまで回動される。
【0018】これによってミラー3の走査範囲を10分
割し、10回の回動で所定角度までの一回の走査が完了
するように設定されている。従って、走査用のカム面1
5aも10回の走査でその終端がローラ17dに当接す
ることになる。尚、この実施例ではまだ1ステップ目が
行なわれていない位置(初期位置)では送受光が行なわ
れない。ミラー3による走査が終了すれば、ミラー3を
元の位置に戻すのであるが、戻りの際にはローラ17d
が移動量の少なくて済む戻し用のカム面15bに沿うの
で、ミラー3が速やかに初期位置に戻る。本例では図3
に点線で示すように二層励磁のステップ11、12の2
ステップで原点に戻るようにカム面15bが形成されて
いる。従ってミラー3を原点に復帰させるためのステッ
ピングモータ14のコイルを駆動するパルス数が少なく
て済む(本実施例では二層励磁を2回行なうパルス数)
ため、ミラー3の戻しが素早く行なえ、速やかに次のサ
イクルのミラー3による走査に移行できる。
【0019】実施例2 上記実施例1ではミラー戻しに際してのコイルを駆動さ
せるための制御手段からのパルス数が少なくて済み、ミ
ラー3の戻し行程が速やかに行なえるという利点がある
が、反面、戻しの際に1ステップにつきカム面15bが
ローラ17d上を移動量が大きいためカム面15bがロ
ーラ17dに沿って跳ねながら移動するといった状態に
なり、このため作動音や振動の原因となっていた。この
問題を解消すべく実施例2では図3に示すステップ1
1、12において実線で示すように1−2層励磁を行な
っている。具体的にはステップ11においてBコイルは
常に励磁され、Cコイルは前半は励磁されず後半に励磁
される、つまりステップ11の前半部は1層励磁、後半
に2層励磁する構成とする。これによってカム面15b
の移動が1/2ステップずつ行なわれ、ミラー3も1/
2の角度ずつ回動する。ステップ12でも同様の制御が
なされる。従って、ミラー3の戻しのときのカム15の
移動が通常の1/2ずつになり、作動音や振動が軽減さ
れる。
【0020】実施例3 上記実施例2ではカム15を1/2ステップずつ戻して
いるが、他の例として図4に示すように戻しの際に3つ
のコイルを励磁し、このうち1つは常に励磁しておき、
他の2つのコイルのうちの1つは前のステップで励磁し
ていたコイルとしてこのコイルへの通電量を直線状に減
少させていき、さらに他のコイルのうち残りの1つは前
のステップで励磁していないコイルとし、このコイルへ
の通電量を直線状に増加させていくこととすれば、ミラ
ーの回動角度が図4に実線で示すように直線状に変化
し、ミラー3の戻しが滑らかに行なえる。
【0021】実施例4 上記実施例1〜3ではミラー3の戻し時にステッピング
モータ14のステップ数を少なくすることによって戻し
を速やかに行なっているが、コイルを駆動させる単位時
間当たりのパルス数をミラーを所定角度まで回動させる
ための走査時よりも多くすることによってミラー3復帰
の際のステッピングモータ14の回転を速くし、これに
よってもミラー3の戻しを速めることができる。
【0022】実施例5 実施例5を図5、6に示す。上記実施例1と同一または
相当の部分には同一符号を付し、説明を省略する。この
例ではミラー3の裏面にプレート21が固着され、この
プレート21の裏面には磁石26の上下面を磁極板2
4、25で挟んでなるロータ23が固着されている。ミ
ラー3はロータ23の回転軸22を中心にロータ23と
共に回動可能とされている。このロータ23の前記磁極
板24先端には凹凸部27が形成されている。磁極板2
5には上記磁極板24の凹凸部27に対し周方向に半ピ
ッチずれた凹凸部28が形成されている。また磁石26
は前記磁極板24、25に接する面の方向に着磁されて
いる。このようになるロータ23は本来円筒形のものを
軸方向にほぼ半分に割ったような略半円筒形状とされて
おり、その端面、つまり回転軸22にほぼ平行な平面部
分が前記プレート21に固着されている。このロータ2
3の周囲にはステータ29が径方向に対向して設けられ
ている。ステータ29にはコイル30、31、32がそ
れぞれ巻回された磁極A、B、Cが設けられ、各磁極に
は前記ロータ23の凹凸部27、28に近接する突起部
33が形成されている。ロータ23とステータ29が駆
動手段とされている。
【0023】次に動作を説明する。送受光や距離等の演
算の仕方は上記実施例1と同様なので説明を省略し、ミ
ラー3の回動のさせ方を図7に基づいて説明する。ロー
タ23の磁極板24側がN極、磁極板25がS極に着磁
されるように磁石26を配置しているとする。コイル3
0、31、32の何れにも通電しない状態ではミラー3
は初期位置にある。ここでコイル30を励磁するとステ
ータ29の磁極Aは極性Sに着磁される。従って、図7
の(ア)に示すように磁極板24の凹凸部27の凸のN
極とステータ29の磁極Aの突起部33のS極が互いに
引き合って対向し、一方、磁極板25の凹凸部28の凸
のS極とステータ29の磁極Aの突起部33のS極が反
発し、磁極板25の凹凸部28の凸のS極とステータ2
9の磁極Aの突起部33間のくぼみが対向した位置で磁
気力が釣り合ってロータ29は(ア)の位置で停止す
る。次に、コイル30を励磁したままでコイル31を励
磁するとロータ23は(イ)の位置すなわち(ア)の位
置よりθだけ移動して磁気力が釣合って停止する。これ
は、磁極板24の凹凸部27の凸のN極とステータ29
の磁極Aおよび磁極Bの突起部33のS極が引き合い、
磁極板25の凹凸部28の凸のS極とステータ29の磁
極Aおよび磁極Bの突起部33のS極が反発し、ステー
タ29の磁極Aおよび磁極Bとロータ23間に生じる力
が釣合ってロータ23は(イ)の位置で停止する。
【0024】さらに、コイル30の励磁を切り、コイル
31のみを励磁するとロータ23は(ウ)の位置すなわ
ち(ア)の位置より2θだけ移動して磁気力が釣合って
停止する。これはコイル30のみを励磁した時と同様に
磁極板24の凹凸部27の凸のN極とステータ29の磁
極Bの突起部33が引き合い対向し、磁極板25の凹凸
部28の凸のS極とステータ29の磁極Bの突起部33
のS極が反発し、磁極板25の凹凸部28とステータ2
9の突起部33間の窪みがほぼ対向した位置で磁気力が
釣合ってロータ23は(ウ)の位置で停止する。次はコ
イル31とコイル32を励磁し、その次はコイル32の
みを励磁するように順次コイル30、31、32の励磁
を切り替えていくことでロータ23は3θ、4θとコイ
ル切替毎にθずつ移動する。これを所定θ数移動させて
いくことによってミラー3が所定角度回動される。また
コイル30、31、32の励磁を上記とは逆方向に切り
替えていくことによってロータ23は上記とは逆方向に
移動し、この逆方向励磁を速く行うことによってミラー
3は可及的に速く元の位置に戻る。
【0025】この実施例ではロータを略半円筒型とする
と共にその回転軸で直接ミラー3を回動させているの
で、ミラー3を回動させる手段をそれだけ小型化できる
と共にミラーを回動させるための力が伝達機構によって
失われない。 実施例6 上記ミラー3の回動機構の実施例6を図8、図9に示
す。既述の実施例と同等の部分はその説明を省略する。
この実施例ではミラー3裏面のプレート21にロータ3
4が取付けられ、このロータ34は径方向に着磁され互
いに極性の異なる磁石35と磁石36有してなり、本
来円筒形のものを軸方向にほぼ半分に割ったような略半
円筒形状とされており、回転軸22にほぼ平行な平面部
分である非磁性のスペーサ40の端面がプレート21に
固着されている。ミラー3はロータ34の軸22を中心
にロータ34と共に回動可能とされている。ロータ34
の周囲には空隙を介してポール37が対向配置されてい
る。このポール37は前記ロータ34との対向面の中央
部に凹部が形成され、この凹部によってロータ34とポ
ール37の対向面の周縁部よりも大きな空隙が形成され
て磁気抵抗が大きくされている。ポール37の外周には
ボビン38が取付けられ、このボビン38にはコイル3
9が巻回されている。ポール37、ボビン38、コイル
39でステータが構成されている。
【0026】次に動作について説明する。今、磁石35
の外周側がN極に、磁石36の外周側がS極に着磁され
ている場合において、コイル39に通電されていない
時、ロータ34の磁石35の外周のN極と磁石36の外
周のS極との間にポール37の突起部37aを介して磁
気回路が構成されており、磁石35と磁石36の境界面
がポール37の凹部の位置で釣合って、ロータ34、ミ
ラー3は実線の位置に保持される。次にコイル39をポ
ール37の突起部37aがN極になるように通電すると
磁石36はポール37の突起部37a側に引き寄せら
れ、一方、磁石35が突起部37aに反発する方向にロ
ータ34は図8の2点鎖線の方向に、コイル39への通
電により生じた磁束に比例した量だけ回動して磁気的に
釣合がとれた位置で停止する。このようにしてロータ3
4をコイル39への通電に比例させた量を回動させ、ロ
ータ34と一体的に構成されているミラー3を所定量回
動させる。従って、ミラー3が初期位置にあるときから
始めて、コイル39への通電量を徐々に増やしていくこ
とによって、ミラー3が走査される。ミラー3を一回所
定角度まで回動し終えたら、コイル39への通電量をな
くしていけば、ミラー3は初期位置に戻るが、このとき
いきなり通電を断つとミラー3が勢いよく戻ってその反
動のため初期位置ですぐに静止しないので、走査時より
も速く且つ徐々にコイル39への通電を減らしていけば
よい。この実施例でも上記実施例5のように装置の小型
化とミラー回動の動力損失の低減という利点がある。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、ミラーを回
動させる駆動手段として駆動力の大きいステッピングモ
ータとカムの組み合わせを採用すると共にこのステッピ
ングモータでミラーを元に戻す際のパルス数をミラーを
所定角度まで回動させる際のパルス数よりも少なくした
ので、次の効果を奏する。すなわち送光だけでなく受光
の範囲も広げるため送受光を反射するミラーを持ったレ
ーダ装置を、駆動手段の小型化が可能となることに伴い
つ小型にすることができ、またミラーを小さくし過ぎ
ずに済むので送光がミラーで絞られ過ぎず、人の目に対
して安全であり、しかもミラーを高速で戻すことができ
るので自車両走行中に車両周囲の状況が刻々と変化する
ことにも対応したレーダ装置とすることができる。請求
に記載の発明では、ミラーを戻す場合のステッピン
グモータの1ステップ毎の回動する量をミラーを所定角
度迄回動させる場合よりも小さくしたので、ミラーを戻
す際にカムとミラーとの作動音や振動を軽減できる。
【0028】請求項3の発明では、ステッピングモータ
に与えられる単位時間当たりのパルス数をミラーを元に
戻す場合の方が、ミラーを所定角度まで回動させる場合
よりも多くしたので、ミラーを高速で戻すことができ、
車両用レーダ装置として適した送受光の走査ができる。
請求項4、及び請求項5の発明では、ロータの回転力で
直接ミラーを回動させるので、伝達機構による回転駆動
力の損失が低減でき、高速で応答性の良い送光の走査が
可能で、しかもミラー駆動手段を収容する空間が小さく
てすみ、優れた車両用レーダ装置が得られる。また、ロ
ータには駆動のためのコイルを有しないため可動部にコ
イル電流を供給するための構造は不要であり、簡単な構
成で耐久性、信頼性の高いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用レーダ装置の基本的な構
成を示す概略側面図である。
【図2】 本発明に係る車両用レーダ装置の平面断面図
である。
【図3】 本発明の実施例1および2に係る車両用レー
ダ装置のステッピングモータの動作とミラーの回動を説
明する図である。
【図4】 本発明の実施例3に係る車両用レーダ装置の
ステッピングモータの動作とミラーの回動を説明する図
である。
【図5】 本発明の実施例5に係る車両用レーダ装置の
平面断面図である。
【図6】 図5のX−X線に沿う断面図である。
【図7】 本発明の実施例5に係る車両用レーダ装置の
ロータの動き方を説明する図である。
【図8】 本発明の実施例6に係る車両用レーダ装置の
平面断面図である。
【図9】 図8のY−Y線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 送光素子 2 送光レンズ 3 ミラー 4 受光レンズ 5 受光素子 14 ステッピングモータ 15 カム 15a カム面 15b カム面 16 回転軸 17、21 プレート 22 回転軸 23 ロータ 26 磁石 29 ステータ 30、31、32 コイル 34 ロータ 35、36 磁石 39 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−276113(JP,A) 特開 平5−113481(JP,A) 特開 昭57−114115(JP,A) 特開 昭54−12833(JP,A) 特開 平4−244800(JP,A) 特開 平3−74199(JP,A) 特開 平5−137396(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 G02B 26/10 H02P 8/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送光手段と、この送光手段からの送光が
    物に当たって反射された反射光を受ける受光手段と、前
    記送光と受光との関係を基に必要な処理を行う手段とを
    備えた車両用レーダ装置において、前記送光を送光方向
    へ反射させると共に前記反射光を前記受光手段の方へ反
    射するミラーと、前記送光の方向を変えるために前記ミ
    ラーを回動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段はス
    テッピングモータと、このモータの回転に従って回転す
    るカムと、前記ステッピングモータを回転させるための
    パルスを制御する制御手段とを有してなり、前記カムは
    前記ミラーを所定角度迄回動させるためのカム面と前記
    ミラーを前記所定角度から元に戻すためのカム面とを有
    し、前記ステッピングモータで前記ミラーを元に戻す際
    のパルス数はこのミラーを前記所定角度迄回動させる際
    のパルス数より少なくされていることを特徴とする車両
    用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 送光手段と、この送光手段からの送光が
    物に当たって反射された反射光を受ける受光手段と、前
    記送光と受光との関係を基に必要な処理を行う手段とを
    備えた車両用レーダ装置において、前記送光を送光方向
    へ反射させると共に前記反射光を前記受光手段の方へ反
    射するミラーと、前記送光の方向を変えるために前記ミ
    ラーを回動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段はス
    テッピングモータと、このモータの回転に従って回転す
    るカムと、前記ステッピングモータを回転させるための
    パルスを制御する制御手段とを有してなり、前記カムは
    前記ミラーを所定角度迄回動させるためのカム面と前記
    ミラーを前記所定角度から元に戻すためのカム面とを有
    し、前記ステッピングモータが1ステップ移動する量は
    ミラーを元に戻す場合の方がミラーを所定角度迄回動さ
    せる場合よりも小さくされていることを特徴とする車両
    用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 送光手段と、この送光手段からの送光が
    物に当たって反射された反射光を受ける受光手段と、前
    記送光と受光との関係を基に必要な処理を行う手段とを
    備えた車両用レーダ装置において、前記送光を送光方向
    へ反射させると共に前記反射光を前記受光手段の方へ反
    射するミラーと、前記送光の方向を変えるために前記ミ
    ラーを回動させる駆動手段とを備え、前記駆動手段はス
    テッピングモータと、このモータの回転に従って回転す
    るカムと、前記ステッピングモータを回転させるための
    パルスを制御する制御手段とを有してなり、前記カムは
    前記ミラーを所定角度迄回動させるためのカム面と前記
    ミラーを前記所定角度から元に戻すためのカム面とを有
    し、制御手段から前記ステッピングモータに与えられる
    単位時間当たりのパルス数は前記ミラーを元に戻す場合
    の方が前記ミラーを所定角度迄回動させる場合よりも多
    くされてなることを特徴とする車両用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 送光手段と、この送光手段からの送光が
    物に当たって反射された反射光を受ける受光手段と、前
    記送光と受光との関係を基に必要な処理を行う手段とを
    備えた車両用レーダ装置において、少なくとも前記送光
    を送光方向へ反射させるミラーと、前記送光の方向を変
    えるために前記ミラーを回動させる駆動手段とを備え、
    この駆動手段は、前記ミラーの裏側に位置し前記ミラー
    と一体的に設けられた磁石を有してなるロータと、この
    ロータの周囲に空隙を介して配置されたステータとを有
    し、前記ミラー、前記ロータ、及び前記ステータは、回
    転軸に対して垂直方向の同一平面上に配置されるととも
    に、前記ステータは複数のコイルを有し、前記ロータは
    制御手段による前記複数のコイルへの通電制御に応じて
    所定角度ずつ回転されることを特徴とする車両用レーダ
    装置。
  5. 【請求項5】 送光手段と、この送光手段からの送光が
    物に当たって反射された反射光を受ける受光手段と、前
    記送光と受光との関係を基に必要な処理を行う手段とを
    備えた車両用レーダ装置において、少なくとも前記送光
    を送光方向へ反射させるミラーと、前記送光の方向を変
    えるために前記ミラーを回動させる駆動手段とを備え、
    この駆動手段は、前記ミラーの裏側に位置し前記ミラー
    と一体的に設けられた磁石を有してなるロータと、この
    ロータの周囲に空隙を介して配置されたステータとを有
    し、前記ミラー、前記ロータ、及び前記ステータは、回
    転軸に対して垂直方向の同一平面上に配置されるととも
    に、前記ステータは少なくとも1個のコイルを有し、前
    記ロータは制御手段による前記コイルへの通電制御に応
    じて連続的に回転されることを特徴とする車両用レーダ
    装置。
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