JP3127138B2 - 混合冷媒の製造方法 - Google Patents

混合冷媒の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数種類の冷媒成
分をタンク内やボンベ内で簡単に混合して短時間に効率
よく、均一組成の混合冷媒を製造することができる混合
冷媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機や空調設備等に用いられる
冷媒としては、主としてジクロロジフルオロメタン(C
Cl22、以下「CFC12」という)やクロロジフル
オロメタン(CHClF2 、以下「HCFC22」とい
う)等の単一成分からなる冷媒が用いられてきた。しか
し近年になって、前記のCFC12等クロロフルオロカ
ーボン類(以下「CFC」という)は、成層圏のオゾン
層破壊性が問題とされ、生産が中止されるに至った。そ
こで、CFC12代替冷媒として、例えばハイドロクロ
ロフルオロカーボン類(以下「HCFC」という)、ハ
イドロフルオロカーボン類(以下「HFC」という)、
ハイドロカーボン類(以下「HC」という)、フルオロ
カーボン類(以下「FC」という)等CFC以外の各種
冷媒成分を混合した混合冷媒が開発されている。
【0003】また、前記のHCFC22等のHCFC
も、CFCに比べればオゾン破壊係数は小さいものの、
使用量が増大する可能性が高いので将来に向けて国際的
な総量規制が行われ、2020年には原則全廃が決定さ
れている。特に前記のHCFC22は、空調機器等に広
く使用されているので、その代替冷媒の開発は重要な課
題となっている。このHCFC22の代替冷媒として単
一成分でHCFC22用の機器にそのまま入れ替え使用
できるものは見いだされておらず、現在のところは、数
種のHFCを混合して得られる混合冷媒が有望視されて
いる。また、同様な観点から、HFCとHCとの混合冷
媒や、さらには、ハイドロフルオロエーテル類(以下
「HFE」という)、フルオロエーテル類(以下「F
E」という)及びフルオロヨードカーボン類(以下「F
IC」という)等の使用まで範囲を広げた混合冷媒の検
討も進められている。
【0004】これらの混合冷媒は、いずれも単一組成で
全ての冷媒用途に対応できるものではなく、用途や対象
機器に応じて物性や性能を調整するために、2成分又は
3成分以上を、さまざまな割合で組合わせた多種類の混
合冷媒が用いられるようになってきている。そこで、こ
れら多種多様の混合冷媒を需要に即応して簡単かつ安価
な設備で随時に製造できる製造方法が求められる。
【0005】従来の混合冷媒の製造方法としては、所
定の成分を気相で混合し、混合ガスを加圧・冷却して液
化し容器に充填する方法、所定の成分を液状で容器に
導入し、均一組成となるまで静置する方法、所定の成
分を液状で容器に導入し、ポンプ循環方式により循環し
攪拌する方法、所定の成分を液状で攪拌機付きの容器
に導入し攪拌機を用いて内容物を攪拌する方法、等があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の従来の
混合冷媒の製造方法には、いずれも問題があった。すな
わち、の気相混合法は、各冷媒成分を一旦ガス化して
混合し、再度加圧・冷却するので、大規模な設備と莫大
なエネルギー経費を要し実用的でない。の静置混合法
は、設備は簡単なものの混合成分の組合わせによっては
均一な混合に長時間を要し、需要に即応することができ
ない。のポンプ循環法、の攪拌法はいずれも短時間
に製造することができるが、ポンプ又は攪拌機、及び密
封手段を含む付帯設備を要するため設備が複雑高価とな
り、例えば試作冷媒の製造や冷凍機器の設置現場で冷媒
タンクやボンベを用いて混合冷媒を製造する等の多品種
少量生産的な製造には対応が困難であった。本発明は、
上記の課題を解決するためになされたものであって、従
ってその目的は、複数種類の冷媒成分を例えばタンク内
やボンベ内で簡単に混合して短時間内に均一組成の混合
冷媒を得ることができる混合冷媒の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は請求項1において、2種以上の冷媒成分を
液状で容器内に順次に導入して混合冷媒を製造するに際
して、冷媒成分(群)の導入順序を、後から導入しよう
とする冷媒成分(群)の液比重が容器内にすでに導入済
みの冷媒成分(群)の液比重より導入温度において低く
なるように選択し、後から導入しようとする冷媒成分
(群)の液比重と容器内にすでに導入済みの冷媒成分
(群)の液比重との比重差を0.01以上とし、かつ後
から導入しようとする冷媒成分(群)を導入済み冷媒成
分(群)の液相の内部に導入する混合冷媒の製造方法を
提供する。ここで冷媒成分(群)とは、1種の冷媒成
分、又は2種以上の冷媒成分からなる混合物を意味す
る。前記の冷媒成分(群)は、HCFC(ハイドロクロ
ロフルオロカーボン類)、HFC(ハイドロフルオロカ
ーボン類)、HC(ハイドロカーボン類)、FC(フル
オロカーボン類)、HFE(ハイドロフルオロエーテル
類)、FE(フルオロエーテル類)及びFIC(フルオ
ロヨードカーボン類)からなる群から選ばれた1種以上
であることが好ましい。
【0008】また本発明は請求項3において、ジフルオ
ロメタン(以下「HFC32」と記す)、1,1,1−
トリフルオロエタン(以下「HFC143a」と記す)
及びペンタフルオロエタン(以下「HFC125」と記
す)の群から選ばれた何れか2種の冷媒成分と1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(以下「HFC134
a」と記す)とを液状で容器内に順次に導入して3種の
冷媒成分からなる混合冷媒を製造するに際して、冷媒成
分の導入順序を、初期に導入する2種の冷媒成分につい
ては後から導入しようとする冷媒成分の液比重が容器内
にすでに導入済みの冷媒成分の液比重より導入温度にお
いて低くなるように選択し、続いて導入する最後の1種
の冷媒成分についてはその蒸気圧が、容器内に導入済み
の冷媒成分群の液相の蒸気圧より導入温度において高く
なるように選択し、かつ後から導入しようとする冷媒成
分を導入済み冷媒成分(群)の液相の内部に導入する混
合冷媒の製造方法を提供する。
【0009】前記の冷媒成分(群)は、容器の底部又は
底部近傍に導入することが好ましい。また前記の冷媒成
分(群)は、2以上の開口又は多孔体細孔から容器内に
導入することが好ましい。冷媒成分(群)の導入時及び
/又は導入後には、容器内の前記液相を、ポンプ循環又
は攪拌機を用いて攪拌することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の請求項1に係わる
実施の形態を図面を用いて説明する。図1(a)(b)
は本発明の一実施形態を示している。図1(a)におい
て、符号10は耐圧密閉容器(以下、単に「容器」とい
う)である。この容器10は、容器本体11の底部12
を貫通して送液管13が挿入され、この送液管13の容
器本体内端末は、底部12近傍に配置された導入部14
に接続されている。送液管13の容器外端末は、弁16
を介して図示しない冷媒成分貯槽に接続されている。
【0011】前記の導入部14は、内部が空洞とされた
円盤状多孔体からなり、図1(b)に示すように、その
下面は送液管13に接続され、上面は多数の細孔15…
によって容器本体11内に開口している。
【0012】製品となる混合冷媒を製造するに際して
は、この容器10に、混合すべき2群以上の冷媒成分
(群)(以下、単に「冷媒成分」という)を、以下に説
明する順序に従って、弁16、送液管13、導入部14
を通して液状で順次に導入する。このとき、容器内は、
好ましくは−100℃ないし40℃の範囲内で、容器本
体11内に導入された冷媒成分が液相Lを維持し得る温
度に調節されている。
【0013】導入に際しては先ず、混合すべき冷媒成分
の内、導入温度において最も液比重が高い冷媒成分の所
定量を容器本体11内に導入する。この初回の冷媒成分
が導入された後には、容器の導入部14がこの冷媒成分
の液相L中に浸漬されるように導入部14の配置が設定
されている。以下、最初に導入する冷媒成分を第一成分
といい、後続して順次導入する冷媒成分を、その順に第
二成分、第三成分…という。
【0014】第一成分導入後に、第二成分の所定量を容
器本体11内に導入する。この第二成分は、その導入温
度における液比重d2が、容器内にすでに導入済みの第
一成分の液相Lの液比重d1より低く、液比重d 1 と液比
重d 2 の比重差が0.01以上のものとされる。つま
り、導入温度において、第一成分より第二成分のほうが
液比重が低くなるように冷媒成分の導入順序が選択され
る。
【0015】混合すべき第三成分がある場合は、その所
定量を、第一成分、第二成分と同様にして導入部14か
ら容器本体11内に導入する。この第三成分は、その導
入温度における液比重d3が、容器内にすでに導入済み
の第一成分と第二成分との混合液相Lの比重d(1+2)
低く、液比重d (1+2) と液比重d 3 の比重差が0.01
以上のものとされる。つまり、導入温度において、容器
内にすでに導入済みの冷媒成分の液相Lの液比重より第
三成分の液比重のほうが低くなるように、冷媒成分の導
入順序が選択される。以下、混合すべき第四成分…があ
る場合も同様である。
【0016】前記の混合冷媒の製造方法によれば、後か
ら導入しようとする冷媒成分の比重dn が容器内にすで
に導入済みの冷媒成分の液相Lの比重dm より導入温度
において低くなるように冷媒成分の導入順序が選択さ
れ、かつ後から導入しようとする冷媒成分が容器本体の
底部12近傍に配置された導入部14の多数の細孔15
…から細分化されて、容器内の導入済みの液相L内に導
入されるので、細分化された冷媒成分は液相L中を上昇
し、循環流を形成しながら液相Lと混合し、動力攪拌な
しにも、効率よく均一な混合冷媒を形成することができ
る。
【0017】この混合冷媒の製造方法は、容器本体の底
部12近傍に導入部14を有する容器10に冷媒成分を
導入順序を選択して順次に導入するだけであるので、こ
の製造方法によれば特別な付帯設備を要せず、配合成分
の数や生産規模の大小に係わらず、簡単な設備によって
短時間のうちに均一な混合冷媒を容易に製造することが
できる。
【0018】前記の混合冷媒の製造方法においては、冷
媒成分の導入順序を前記の液比重の観点から選択した上
で、容器内の導入済みの液相Lの温度、及び/又は導入
しようとする冷媒成分の温度を適切に調節することによ
って、導入しようとする冷媒成分の蒸気圧を容器内にす
でに導入済みの液相Lの蒸気圧より高くすることができ
る。このような条件が付加されると、導入時において容
器本体11内の気相Vが相対的に負圧となるので、冷媒
成分の導入に際してギアポンプ等による圧入を要せず
に、蒸気圧差のみによる導入が可能となり、電力エネル
ギーを節減することができる。
【0019】次に本発明の請求項1の混合冷媒の製造方
法をさらに詳しく説明する。本発明において、冷媒成分
としては、HCFC、HFC、HC、FC、HFE、F
E及びFICからなる群から選ばれたものを用いること
が好ましい。
【0020】ここで、HCFCの具体例としては、例え
ば一般名でHCFC22(CHClF2 )、HCFC1
23(CHCl2 CF3 )、HCFC124(CHCl
FCF3 )、HCFC141b(CH3 CCl2 F)、
HCFC142b(CH3 CClF2 )、HCFC22
5ca(CHCl2 CF2 CF3 )、HCFC225c
b(CHClFCF2 CClF2 )等を挙げることがで
きる。
【0021】HFCの具体例としては、例えば一般名で
HFC23(CHF3 )、HFC32(CH2 2 )、
HFC41(CH3 F)、HFC134(CHF2 CH
2)、HFC134a(CH2 FCF3 )、HFC1
43a(CH3 CF3 )、HFC125(CHF2 CF
3 )、HFC161(CH3 CH2 F)、HFC227
ea(CF3 CHFCF3 )、HFC227ca(CH
2 CF2 CF3 )、HFC236ca(CHF2 CF
2 CHF2 )、HFC236cb(CH2 FCF2 CF
3 )、HFC236ea(CHF2 CHFCF3 )、H
FC236fa(CF3 CH2 CF3 )、HFC245
ca(CH2 FCF2 CHF2 )、HFC245fa
(CHF2 CH2 CF3 )、HFC245cb(CH3
CF2 CF 3 )、HFC254cb(CH3 CF2 CH
2 )等を挙げることができる。
【0022】HCの具体例としては、例えば一般名でH
C170(CH3 CH3 )、HC290(CH3 CH2
CH3 )、HC600(CH3 CH2 CH2 CH3 )、
HC600a((CH3 2 CHCH3 )、HC601
(CH3 CH2 CH2 CH2CH3 )、HC601a
((CH3 2 CHCH2 CH3 )、HC601b
((CH3 4 C)、HC−C270(環状−CH2
2 CH2 −)、HC1270(CH3 CH=CH2
等を挙げることができる。
【0023】FCの具体例としては、例えば一般名でF
C218(CF3 CF2 CF3 )、FC−C318(環
状−CF2 CF2 CF2 CF2 −)等を挙げることがで
きる。
【0024】HFEの具体例としては、例えば一般名で
HFE134(CHF2 OCHF2)、HFE143a
(CH3 OCF3 )、HFE125(CHF2 OC
3 )、HFE227ca2(CHF2 CF2 OC
3 )、HFE245cb2(CH3CF2 OC
3 )、HFE−C318(環状−CF2 CF2 CF2
OCF2 −)等を挙げることができる。
【0025】FEの具体例としては、例えば一般名でF
E116(CF3 OCF3 )等を挙げることができる。
またFICの具体例としては、例えば一般名でFIC1
3I1(CF3 I)、FIC115I1(CF3 CF2
I)等を挙げることができる。
【0026】本発明の請求項1の混合冷媒の製造方法
は、好ましくは前記の冷媒成分のいずれか2種以上を混
合する際に適用される。この混合は、必ずしも1種ずつ
を順次に行わなくてもよく、2種以上の冷媒成分がすで
に混合された混合物を一冷媒成分(群)として混合に使
用することもできる。
【0027】前記の各種冷媒成分は、飽和蒸気圧下の物
性として、それぞれが温度に依存する特有の液比重を有
している。一般に、これらの液比重は高温度になるほど
低下する傾向を示し、混合冷媒についても同様である。
前記の代表的な冷媒成分の、25℃における飽和蒸気圧
下の液比重(kg/l、以下同じ)及び蒸気圧(bar 、以下
同じ)を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】本発明によって、例えば前記表1に記載さ
れた任意の3種類の単一冷媒成分をそれぞれ所定割合で
含む混合冷媒を例えば25℃において製造する場合であ
れば、最初に最も液比重が高い冷媒成分の所定量を第一
成分として容器10に導入する。次に、第一成分と混合
して得られる混合物の液比重が、残りの一成分(第三成
分)の液比重より高くなるような冷媒成分を第二成分と
して選択してその所定量を容器に導入する。そして最後
に残りの冷媒成分を第三成分として容器に導入すればよ
い。従って、第二成分それ自体は、必ずしも第三成分よ
り液比重が高いことを要しない。
【0030】前記の混合順序の決定に関して、以下に具
体例によって説明する。また、この際、蒸気圧差のみに
よる導入の可能性についても言及する。これらの具体例
は、いかなる観点からも本発明を限定するものではな
い。
【0031】(具体例1) 25℃において、HFC1
34a、HFC125及びHFC32の3種類の冷媒成
分をそれぞれ所定の重量割合で順次に混合して3成分混
合冷媒を製造する場合。最も液比重が高いHFC134
aを第一成分として選択するが、第二成分及び第三成分
を決定するに際しては、第一成分HFC134aと混合
して得られる混合物の液比重を、HFC125及びHF
C32のそれぞれについて知る必要がある。HFC13
4aとHFC32との混合割合別の液比重と蒸気圧とを
表2に、またHFC134aとHFC125との混合割
合別の液比重と蒸気圧とを表3に示す。
【0032】
【表2】
【表3】
【0033】前記の表2及び表3から、HFC32の混
合割合が5重量%より大となる領域では、実質的にHF
C134a/HFC32混合物の液比重がHFC125
単独の液比重(1.190)より低くなる。一方、HF
C134a/HFC125混合物の場合は、混合割合の
全領域においてHFC32単独の液比重(0.961)
より混合物の液比重が高くなる。従って本発明によれ
ば、HFC125を第二成分とし、HFC32を第三成
分とするように混合順序を選定するべきである。
【0034】このときの蒸気圧についてみると、表2及
び表3から、HFC134a/HFC125混合物は、
混合割合の全域にわたってその蒸気圧が、HFC125
の蒸気圧(13.77bar )より低く、かつHFC32
の蒸気圧(16.91bar )より低くなっている。従っ
て、容器内に第一成分であるHFC134aを導入する
際にはギアポンプ等による圧入が必要であるが、第二成
分HFC125及び第三成分HFC32をこの順に導入
するに際しては、容器内が常に相対的に負圧となってい
るので、この負圧によって、ポンプ電力等のエネルギー
を消費することなく、また25℃の一定温度で、第二成
分及び第三成分を容器内に導入することができる利点が
ある。
【0035】(具体例2) 25℃において、HFC1
34aと、予め製造されたHFC125/HFC32混
合物とを混合し、所定の混合割合の3成分混合冷媒を製
造する場合。この場合は、HFC134aの液比重とH
FC125/HFC32混合物の液比重とを比較して第
一成分を決定する必要がある。表4に、各種混合割合の
HFC125/HFC32混合物の液比重と蒸気圧、及
びHFC134a単独の液比重と蒸気圧を示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4から明らかなように、この組合わせに
おいては、HFC125/HFC32混合物の混合割合
の全域において、その液比重がHFC134aより低
い。従ってHFC134aを第一成分とすべきことがわ
かる。また、この順序で導入する場合には、HFC12
5/HFC32混合物の蒸気圧が混合割合の全域におい
てHFC134aの蒸気圧より高いため、容器内が相対
的に負圧となり、エネルギーを消費することなく蒸気圧
差のみによってこの混合物を容器内に導入することが可
能になる。
【0038】(具体例3) 25℃において、FC21
8、HCFC22及びHC290の3種類の冷媒成分を
それぞれ所定の重量割合で順次に混合して3成分混合冷
媒を製造する場合。最も液比重が高いFC218を第一
成分として選択するが、第二成分及び第三成分を決定す
るに際しては、第一成分FC218と混合して得られる
混合物の液比重を、HCFC22及びHC290のそれ
ぞれについて知る必要がある。FC218とHC290
との混合割合別の液比重と蒸気圧とを表5に、またFC
218とHCFC22との混合割合別の液比重と蒸気圧
とを表6に示す。
【0039】
【表5】
【表6】
【0040】前記の表5及び表6から、実質的にFC2
18/HC290の重量割合でHC290の割合が約9
5/5より大となる領域では、混合物の液比重がHCF
C22単独の液比重(1.191)より低くなり、一
方、FC218/HCFC22の場合は、混合割合の全
領域においてHC290単独の液比重(0.492)よ
り混合物の液比重が高くなるので、HCFC22を第二
成分とし、HC290を第三成分とするように混合順序
を選定するべきである。
【0041】また、表5及び表6から、FC218/H
CFC22の混合物は、混合割合によってはその蒸気圧
が第二成分HCFC22の蒸気圧(10.44bar )よ
り高い場合があり、また第三成分HC290の蒸気圧
(9.52bar )よりほとんどの混合割合において高
く、これらの領域では容器内が相対的に正圧となるの
で、第一成分に加えて第二成分及び/又は第三成分もギ
アポンプ等によって容器に圧入するか、又は系を部分的
に昇温又は冷却して蒸気圧差によって導入するか、又は
それらの組合わせによって導入する必要がある。
【0042】第三成分HC290を蒸気圧差によって導
入する場合、例えばその温度を35℃に昇温しても蒸気
圧は12.2bar であって、混合割合によってはFC2
18/HCFC22混合物に対して十分な正の蒸気圧差
が得られない場合がある。また、蒸気圧差を得るために
FC218/HCFC22混合物を冷却することも考え
られる。混合物を20℃に冷却した場合の液比重と蒸気
圧とを表7に示す。
【0043】
【表7】
【0044】しかしこの場合も、混合割合によっては2
5℃のHC290(蒸気圧9.52bar )と20℃のF
C218/HCFC22混合物との間で十分な正の蒸気
圧差が得られない場合がある。そこで、例えばFC21
8/HCFC22混合物を20℃に冷却し、HC290
を35℃に昇温すれば、混合割合の全ての領域において
第三成分HC290に対して容器内が相対的に負圧とな
り、第三成分HC290を動力なしに容器内に導入する
ことができるようになる。35℃におけるHC290の
液比重は0.476であるから、FC218/HCFC
22混合物との間で比重差も拡大し、混合効率が向上す
る結果、より速やかに混合冷媒を得ることができるよう
になる。
【0045】(具体例4) 25℃において、HFC1
34a、HFC143a及びHFC125の3種類の冷
媒成分を、それぞれ所定の重量割合となるように順次に
混合して3成分系混合冷媒を製造する場合。最も液比重
が高いHFC134aを第一成分として選択するが、第
二成分及び第三成分を決定するに際しては、第一成分H
FC134aと混合して得られた混合物の液比重を、H
FC143a及びHFC125のそれぞれについて知る
必要がある。HFC134aとHFC143aとの混合
割合別の液比重と蒸気圧とを表8に示す。HFC134
aとHFC125との混合割合別の液比重と蒸気圧は、
すでに前記表3に示してある。
【0046】
【表8】
【0047】前記の表8から、HFC143aを第二成
分とするときは、混合物の組成のほぼ全域にわたってそ
の液比重がHFC125の液比重(1.190)より低
くなる。これに対して、表3から、HFC125を第二
成分としHFC143aを第三成分とすれば、HFC1
34a/HFC125混合物の組成割合の全領域におい
て混合物の液比重がHFC143a単独の液比重(0.
931)より高いので、HCF125を第二成分とし、
HFC143aを第三成分とするように混合順序を選定
するべきである。
【0048】このとき、蒸気圧は第一成分のHFC13
4aより第二成分HFC125のほうが高く、またこの
混合物の蒸気圧は第三成分HFC143aより全体的に
低いため、第一成分を容器に導入する場合を除いてはギ
アポンプ等による加圧操作を要せずに蒸気圧差のみによ
って導入することが可能になる。ただし、初期に混合さ
れるHFC134a/HFC125混合物が組成割合で
HFC125が約75重量%以上である場合は、第三成
分HFC143aの導入に際して逆の蒸気圧差が生じる
ので、ギアポンプ等による加圧導入か、又は加温、冷却
操作による蒸気圧差導入、又はそれらの組合わせによる
導入が必要になる。HFC143aを加温すると、例え
ば30℃では蒸気圧が14.3bar となり、正の蒸気圧
差が得られるので蒸気圧差による導入が可能になると共
に、液比重も0.91に低下して比重差が更に拡大する
ので混合効率も向上する。
【0049】(具体例5) 25℃において、HFC1
34a、HFC143a及びHFC125の3成分系混
合冷媒を製造するに際して、HFC125とHFC14
3aとが予め混合された混合物を使用する場合。この場
合の混合順序を決定する資料として、HFC143a/
HFC125混合物の各組成割合における液比重と蒸気
圧、並びにHFC134aの液比重と蒸気圧を表9に示
す。
【0050】
【表9】
【0051】前記の表9から、HFC134aの液比重
はHFC143a/HFC125混合物の液比重より全
領域にわたって高いので、HFC134aを第一成分と
し、HFC143a/HFC125混合物を第二成分と
すればよいことがわかる。
【0052】このとき蒸気圧は、第二成分HFC143
a/HFC125混合物のほうが第一成分HFC134
aより組成割合の全領域にわたって高いので、第二成分
HFC143a/HFC125混合物は蒸気圧差のみに
よって導入でき、第一成分の導入を除きギアポンプ等に
よる加圧導入は不要となりエネルギー的にも有利であ
る。
【0053】(具体例6) 25℃において、HFC1
43aとHFC125とからなる2成分系混合冷媒を製
造する場合。この場合は、表1から、液比重がより高い
HFC125を第一成分とし、液比重がより低いHFC
143aを第二成分として選択するべきである。
【0054】このとき、蒸気圧は、表1から、第一成分
HFC125が13.77bar であり、第二成分HFC
143aが12.61bar であって、逆の蒸気圧差とな
っており、ギアポンプ等による加圧導入か、又は加温、
冷却操作による蒸気圧差導入、又はそれらの組合わせに
よる導入が必要になる。第二成分HFC143aを加温
すれば、例えば30℃においては蒸気圧が14.3bar
となって正の蒸気圧差がつき、動力なしに導入できると
共に、液比重も0.91に低下して比重差が拡大するの
で混合効率も向上する。ただしこの混合冷媒は、組成割
合によっては最高共沸混合物又は共沸様混合物を形成す
ることが知られており、混合が進行するに伴って容器側
の蒸気圧が冷媒成分自体の蒸気圧より低くなる方向に変
動するので、より速やかな導入が可能となる。
【0055】(具体例7) 25℃において、HFC3
2とHFC125とからなる2成分系混合冷媒を製造す
る場合。この場合は表1から、第一成分として液比重が
より高いHFC125を、第二成分として液比重がより
低いHFC32を選択するべきである。
【0056】このとき、蒸気圧は、表1から第一成分H
FC125が13.77bar であり、第二成分HFC3
2が16.91bar であって正の蒸気圧差があり、ギア
ポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作による導入は
不要である。ただしこの混合冷媒は組成割合によって最
低共沸混合物又は共沸様混合物を形成することが知られ
ており、混合が進行するに伴って容器側の蒸気圧が冷媒
成分自体の蒸気圧より高くなる方向に変動するので、必
要に応じてギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操
作による蒸気圧差導入、又はそれらの組合わせによる導
入が必要になる。
【0057】(具体例8) 25℃において、HFC1
34aとHC290とからなる2成分系混合冷媒を製造
する場合。この場合は表1から、第一成分として液比重
がより高いHFC134aを、第二成分として液比重が
より低いHFC290を選択するべきである。
【0058】このとき、蒸気圧は、表1から、第一成分
HFC134aが6.65bar であり、第二成分HFC
290が9.52bar であって正の蒸気圧差があるの
で、ギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作によ
る導入は不要である。ただしこの混合冷媒は組成割合に
よって最低共沸混合物を形成することが知られており、
混合が進行するに伴って容器側の蒸気圧が冷媒成分自体
の蒸気圧より高くなる方向に変動するので、必要に応じ
てギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作による
蒸気圧差導入、又はそれらの組合わせによる導入が必要
になる。
【0059】(具体例9) 25℃において、HC29
0とHC600aとからなる2成分系混合冷媒を製造す
る場合。この場合は表1から、第一成分として液比重が
より高いHC600aを、第二成分として液比重がより
低いHC290を選択するべきである。
【0060】このとき、蒸気圧は、表1から、第一成分
HC600aが3.5bar であり、第二成分HC290
が9.52bar であって正の蒸気圧差があるので、ギア
ポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作による導入は
不要でありエネルギー的にも有利である。
【0061】(具体例10) 25℃において、HFC
134aとHFC32とからなる2成分系混合冷媒を製
造する場合。この場合は表1から、第一成分として液比
重がより高いHFC134aを、第二成分として液比重
がより低いHFC32を選択するべきである。
【0062】このとき蒸気圧は、表1から、第一成分H
FC134aが6.65bar であり、第二成分HFC3
2が16.91bar であって正の蒸気圧差があるので、
ギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作による導
入は不要で蒸気圧差のみによる導入が可能となるのでエ
ネルギー的にも有利である。
【0063】以上例示した本発明の請求項1の方法にお
いて、導入温度においてすでに導入済みの液相の比重よ
り液比重が低い冷媒成分を容器内に導入するに際して
は、後から導入しようとする冷媒成分を、容器内の導入
済みの液相の内部に導入することが必要である。容器内
の液相の内部に導入された冷媒成分は、液比重が低いた
めに上昇流を生じ、これによって容器内液相が容器内を
循環流動し、攪拌効果が得られ、必ずしも動力攪拌を要
せずに冷媒成分が液相中に容易に拡散し、速やかに均一
な混合冷媒が形成されるようになる。
【0064】前記において、後から導入しようとする冷
媒成分は、容器の底部又は底部近傍に導入することが好
ましい。これによって、上昇流の流路が容器の底部から
液面まで拡大され、拡散効果が向上し、より速やかに均
一な混合冷媒を得ることができる。
【0065】特に冷媒成分の導入部は、2以上の開口を
有するか又は多数の細孔を有する多孔体からなることが
好ましい。これによって容器内の液相中に2以上の上昇
流が形成され、拡散効果が更に向上する。この観点か
ら、冷媒成分の導入部は多数の細孔を有する多孔体で形
成されていることが更に好ましい。この多孔体は、図1
(a)(b)に示すように多数の細孔15…を有する円
盤状のものであってもよく、また図2(a)(b)に示
すように、多数の細孔25…を有する球状体であっても
よい。
【0066】冷媒成分の導入部は、容器が定置型の比較
的大型のものである場合は、図1(a)(b)の符号1
4に示すように、容器本体11の底部12から弁16を
介して底部近傍に挿入された送液管13の端末に接続さ
れていることが好ましい。一方、容器が例えばボンベの
ように比較的小型でかつ可搬式のものである場合等に
は、図2(a)(b)に示すように、容器20において
容器本体21の頂部22から弁26を経由して容器本体
の底部近傍にまで達する送液管23を挿入し、この送液
管23の容器内端末に、例えば多数の細孔25…を有す
る球状多孔体からなる導入部24を形成してもよい。
【0067】前記のいずれの場合も、容器内で製造され
た混合冷媒は、別途設けられた取り出し口(図示せず)
から取り出すことができる。また、図1(a)における
送液管13や図2(a)における送液管23を経由し
て、容器内圧によって、又はギヤポンプ(図示せず)等
を介して、取り出すこともできる。
【0068】本発明の請求項1の方法を実施するに際し
ての環境温度は特に限定されるものではない。要は混合
冷媒の各成分が液状で混合でき、かつ本発明に従う液比
重の高低差、及び好ましくは蒸気圧差が形成できる温度
を選定すればよい。実際上は、−100℃ないし40℃
の範囲内で容器内液相温度及び導入液成分の温度を選定
することが好ましい。−100℃より低い温度では液状
成分が凝固する可能性があり好ましくない。また40℃
を越える温度では、一般に冷媒成分が液化ガスであり、
高圧ガスの法規制を受ける場合もあるので好ましくな
い。
【0069】前記の請求項1の方法を実施するに際し
て、容器内の液相と、導入しようとする冷媒成分との液
比重差は、大きいほうが混合効率が向上することはいう
までもないが、下限は、混合すべき冷媒成分の選択によ
って必ずしも一定しない。一般には0.01以上の液比
重差があれば、本発明の方法を円滑に実施することがで
きる。例えば、25℃においてHFC134aにHFC
125を混合する際には、HFC134aの液比重が
1.206であり、HFC125の液比重が1.190
であるので、その差は0.016であり、この液比重差
によって、動力攪拌なしに良好な混合が達成される。
【0070】本発明の請求項1の方法によれば、攪拌機
やポンプ循環による動力攪拌なしに、効率的に冷媒成分
の混合を行うことができるが、例えば容器内液相と、後
から導入しようとする冷媒成分との液比重差が極端に小
さい場合、又は導入に際して逆の蒸気圧差が生じている
場合等には、必要に応じて補助的に、ギヤポンプ等によ
る循環又は圧入を行うことが好ましく、また特に大型容
器の場合は、攪拌機を設置して攪拌羽根による内部攪拌
を行うこともできる。これらの補助的な動力攪拌、又は
動力圧入を行う場合であっても、本発明の導入順序に従
って冷媒成分を導入することにより、また導入に際して
は冷媒成分の加温又は冷却による蒸気圧の調整によっ
て、全体としての動力エネルギーを節減し、かつ導入の
時間短縮を図ることができる。
【0071】次に、本発明の請求項3に係わる混合冷媒
の製造方法の実施の形態を図1を用いて説明する。この
実施形態においては、HFC32、HFC143a及び
HFC125の群から選ばれた何れか2種の冷媒成分と
HFC134aとを液状で容器内に順次に導入して3種
の冷媒成分からなる混合冷媒(以下「HFC134a混
合冷媒」と記す)を製造する。この際用いる装置の構成
は、前記の図1(a)(b)に示したものと同様であ
る。
【0072】製品となるHFC134a混合冷媒を製造
するに際しては、図1(a)(b)に示す容器(耐圧密
閉容器)10に、混合すべき3種の冷媒成分を、以下に
説明する順序に従って弁16、送液管13、導入部14
を通して液状で順次に導入する。このとき、容器内は、
好ましくは−100℃ないし40℃の範囲内で、容器本
体11内に導入された冷媒成分が液相Lを維持し得る温
度に調節されている。
【0073】導入に際しては先ず、混合すべき冷媒成分
の内、第一成分と第二成分の組み合わせについて、導入
温度で第一成分の液比重d1より第二成分の液比重d2
低く、液比重d 1 と液比重d 2 の比重差が0.01以上と
なる組合わせを選択し、残りの第三成分の蒸気圧p3
その導入温度において容器内にすでに導入済みの前記の
混合物の液相Lの蒸気圧p(1+2)より高くなるように3
種の冷媒成分の導入順序が決定される。この時、第一成
分の導入後には、容器の底部又は底部近傍にある多孔体
からなる導入部14が、導入された冷媒成分の液相L中
にあるように導入部14の配置が設定される。
【0074】この製造方法によれば、第一成分の液比重
1 が第二成分の液比重d2 より導入温度において高く
なるように冷媒成分の導入順序が選択され、続いて、第
三成分の蒸気圧p3 がすでに容器内に導入済みの冷媒成
分の液相の蒸気圧p(1+2) より高くなるように選択さ
れ、かつ冷媒成分が容器本体の底部12近傍に配置され
た導入部14の多数の細孔15…から細分化されて容器
内の液相L内に導入されるので、第一成分と第二成分の
液比重差による上昇流と、第三成分の蒸気圧差による多
孔体からの細分化された上昇流の相乗効果によって、導
入中の冷媒成分は液相L中を上昇し、循環流を形成しな
がら混合し、動力攪拌なしに、効率良く均一な3成分の
混合冷媒を形成することができる。
【0075】前記の請求項3に基づく製造方法において
は、初期の2成分間の導入順序を前記の液比重の観点か
ら選択した上で、容器内の液相Lの温度及び/又は導入
する冷媒成分の温度を適切に調節すれば、第一成分より
第二成分の蒸気圧を高くすることができる。その上で更
に第三成分の蒸気圧を容器内にすでに導入済みの液相L
の蒸気圧より高くするように温度を調整すると、導入時
において容器本体11の気相Vが順次相対的負圧となる
ので、冷媒成分の導入に際してギアポンプ等による圧入
を要せず、蒸気圧差のみによる導人が可能となり、電力
エネルギーを節減することができる。また、正の蒸気圧
差がとれる場合であっても、補助的にギアポンプ等によ
る導入を組み合わせれば、小さい電力エネルギーで導入
することができる上に、冷媒成分の上昇流をより効果的
に増大させることができる。前記の混合順序の決定に関
して以下に具体例によって説明する。これらの具体例
は、いかなる観点からも本発明を限定するものではな
い。
【0076】(具体例11) 25℃において、HFC
134a、HFC125及びHFC32の3種類の冷媒
成分をそれぞれ所定の重量割合で順次に混合して3成分
混合冷媒を製造する場合。 第一成分と第二成分の選択に際しては、まず考えられる
3群の冷媒成分の組合わせから、第一成分の液比重が第
ニ成分の液比重より高く、第一成分の液比重と第二成分
の液比重の差が0.01以上となる組合わせを選択す
る。表1から、その組合わせとして、第一成分→第二成
分がそれぞれ HFC134a→HFC32、 HFC134a→HFC125、及び HFC125→HFC32 となる順序が考えられる。
【0077】次に、これらの組合わせの蒸気圧に対し
て、第三成分として順に、HFC32、HFC125及
びHFC134aの各蒸気圧を比べると、表1、表2、
表3及び表4から、HFC134a/HFC32混合物
の重量割合でHFC134aの割合がおよそ50重量%
より大となる領域では、混合物の蒸気圧がHFC125
単独の蒸気圧(13.77bar )より低くなり、またH
FC134a/HFC125混合物は、混合割合の全域
にわたってその蒸気圧が、HFC32単独の蒸気圧(1
6.91bar )より低くなるが、−方、HFC125/
HFC32混合物は、混合割合の全域にわたってその蒸
気圧がHFC134a単独の蒸気圧(6.65bar )よ
り高くなる。従って本発明によれば、HFC32に対す
るHFC134aの割合が約50重量%以上においては
HFC134aを第一成分、HFC32を第二成分、H
FC125を第三成分とするか、又はHFC134aを
第一成分、HFC125を第二成分、HFC32を第三
成分とするように混合順序を選定するべきである。
【0078】この時の液比重についてみると、後者の導
入順序は、表1及び表3より順次液比重が低くなるよう
に選定されているので、前記の具体例1の導入順序に一
致している。また蒸気圧差は、何れの場合も第一成分が
HFC134a、第二成分がHFC32又はHFC12
5であるので、表1から順次正の蒸気圧差が得られるた
めギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作による
導入は不要で、蒸気圧差のみによる導入が可能となりエ
ネルギ−的にも有利である。
【0079】(具体例12) 25℃において、HFC
134a、HFC125及びHFC143aの3種類の
冷媒成分をそれぞれ所定の重量割合で順次に混合して3
成分混合冷媒を製造する場合。 第一成分と第二成分の選択に際しては、まず考えられる
3群の冷媒成分の組合わせから、第一成分の液比重が第
二成分の液比重より高く、第一成分の液比重と第二成分
の液比重の差が0.01以上となる組合わせを選択す
る。表1から、その組合わせとして、第一成分→第二成
分がそれぞれ HFC134a→HFC125、 HFC134a→HFC143a、及び HFC125→HFC143a となる順序が考えられる。
【0080】次に、これらの組合わせの蒸気圧に対し
て、第三成分として順に、HFC143a、HFC12
5及びHFC134aの各蒸気圧を比べると、表1、表
3、表8及び表9から、HFC134a/HFC125
混合物の重量割合でHFC134aの割合がおよそ25
重量%より大となる領域では、混合物の蒸気圧がHFC
143a単独の蒸気圧(12.61bar )より低くな
り、またHFC134a/HFC143a混合物は、混
合割合の全域にわたってその蒸気圧が、HFC125単
独の蒸気圧(13.77bar )より低くなるが、一方、
HFC125/HFC143a混合物は、混合割合の全
域にわたってその蒸気圧がHFC134a単独の蒸気圧
(6.65bar )より高くなる。従って本発明によれ
ば、HFC125に対するHFC134aの割合が約2
5重量%以上においてはHFC134aを第一成分、H
FC125を第二成分、HFC143aを第三成分とす
るか、又はHFC134aを第一成分、HFC143a
を第二成分、HFC125を第三成分とするように混合
順序を選定するべきである。
【0081】この時の液比重についてみると、前者の導
入順序は、表1及び表3より順次液比重が低くなるよう
に選定されているので、前記の具体例4の導入順序に一
致している。また蒸気圧差は、何れの場合も第一成分が
HFC134a、第二成分がHFC125又はHFC1
43aであるので、表1から順次正の蒸気圧差が得ら
れ、ギアポンプ等による加圧導入や加温、冷却操作によ
る導入は不要で、蒸気圧差のみによる導入が可能となり
エネルギ−的にも有利である。
【0082】以上例示した本発明の請求項3に基づく3
種の冷媒からなる混合冷媒の製造方法においては、第一
成分の液比重が第二成分の液比重より導入温度において
高くなるように冷媒成分を導入する必要があり、更に、
第三成分の蒸気圧がその容器内の混合物の蒸気圧より高
くなるように選択する必要がある。この時、同時に第二
及び第三の冷媒成分が容器本体の底部近傍に配置された
導入部の多数の細孔から容器内の液相内に導入されるこ
とにより、第一成分と第二成分の液比重差による上昇流
に加えて、第三成分の蒸気圧差による多孔体からの細分
化された上昇流の攪拌効果によって、冷媒成分は液相L
中を循環流動し、必ずしも動力攪拌を要せずに冷媒成分
が液相中に容易に拡散し、速やかに均一な3成分の混合
冷媒が形成されるようになる。冷媒成分の導入部の多孔
体は、図1(a)、(b)に示すように多数の細孔15
…を有する円盤状のものであってもよく、また図2
(a)、(b)に示すように多数の細孔25…を有する
球状体24であってもよい。
【0083】冷媒成分の導入部は、容器が定置型の比較
的大型のものである場合は、図1(a)(b)の符号1
4に示すように、容器本体11の底部12から弁16を
介して底部近傍に挿入された送液管13の端末に接続さ
れていることが好ましい。一方、容器が例えばボンベの
ように比較的小型でかつ可搬式のものである場合等に
は、図2(a)(b)に示すように、容器本体21の頂
部22から弁26を経由して容器本体の底部近傍にまで
達する送液管23を挿入し、この送液管23の容器内端
末に、例えば多数の細孔25…を有する球状多孔体から
なる導入部24を形成してもよい。
【0084】前記のいずれの場合も、容器内で製造され
た混合冷媒は、別途設けられた取り出し口(図示せず)
から取り出すことができる。また、図1(a)における
送液管13や図2(a)における送液管23を経由し
て、容器内圧によって、又はギヤポンプ(図示せず)等
を介して、取り出すこともできる。
【0085】本発明の請求項3に基づく3種の冷媒成分
からなる混合冷媒の製造方法を実施するに際しての環境
温度は前記と同様、特に限定されるものではない。要は
混合冷媒の各成分が液状で混合でき、かつ本発明に従う
液比重の高低差、及び蒸気圧差が形成できる温度を選定
すればよい。実際上は、−100℃ないし40℃の範囲
内で容器内液相温度及び導入液成分の温度を選定するこ
とが好ましい。−100℃より低い温度では液状成分が
凝固する可能性があり好ましくない。また40℃を越え
る温度では、一般に冷媒成分が液化ガスであり高圧ガス
の法規制を受ける場合もあるので好ましくない。
【0086】本発明の前記の方法を実施するに際して、
容器内の液相と、導入しようとする冷媒成分との液比重
差は、大きいほうが混合効率が向上することはいうまで
もないが、下限は、混合すべき冷媒成分の選択によって
必ずしも一定しない。一般には0.01以上の液比重差
があれば、本発明の方法を円滑に実施することができ
る。例えば、25℃においてHFC134aにHFC1
25を混合する際には、HFC134aの液比重が1.
206であり、HFC125の液比重が1.190であ
るので、その差は0.016であり、この液比重差によ
って、動力攪拌なしに良好な混合が達成される。
【0087】また、導入しようとする第三冷媒成分との
蒸気圧差は、大きい方が上昇流による攪拌効果が向上す
ることはいうまでもないが、概ね1bar 以上の蒸気圧差
があれば、本発明の方法を円滑に実施することができ
る。
【0088】本発明の前記の3種の冷媒成分からなる混
合冷媒の製造方法によれば、攪拌機やポンプ循環による
動力攪拌なしに、効率的に冷媒成分の混合を行うことが
できる。しかし特に大型容器の場合は、攪拌機やポンプ
循環装置を設置して内部攪拌を行ってもよい。
【0089】上記の説明において、混合容器としては縦
型のものを用いたが、本発明の適用範囲はこれに限定さ
れるものではなく、横型の容器を用いることもでき、容
器の形状や容量に制限はない。また、液相成分導入部の
構造、位置、開口面積等も特に上記に限定されるもので
はない。更に、冷媒成分の組合わせや組成割合、用いる
ポンプの種類や容量、加温や冷却の方法、又は補助的な
攪拌手段等についても本明細書に記載されたものに限定
されるものではない。
【0090】以上説明した本発明の方法によって、例え
ば表10に示すような従来から混合冷媒として知られて
いるものが、生産規模の大小にかかわらず容易に製造で
きるばかりでなく、新規な混合冷媒を開発するときの試
験的な混合に際しても、複雑な密封手段を要する攪拌機
付きの試験装置を用いることなく、容易に試作冷媒を製
造することができる。
【0091】
【表10】
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。 (実施例1)図1(a)(b)に示した容器を用い、2
5℃において、HFC32(23重量%)、HFC12
5(25重量%)及びHFC134a(52重量%)か
らなる3成分系非共沸混合冷媒(通称「R407C」)
を500kg製造する。図1(a)(b)の装置におい
て、円盤状多孔体である導入部14に形成された多数の
細孔15…は、その総開口面積が送液管13の断面積と
等しくされている。
【0093】最初に、図示しないギアポンプを用いて、
第一成分として3成分中最も液比重が高いHFC134
a(260kg)を、弁16、送液管13及び導入部14
を経由して容器本体11内に導入した。導入終了時に、
導入部14は液相L中に浸漬されていた。
【0094】他の2成分の導入順序の決定に際して、2
5℃における液比重を比較した。HFC134aとHF
C125とからなる重量割合約67.5:32.5の混
合物の液比重は1.208であり、これはHFC32の
液比重(0.961)より高いところから、HFC12
5を第二成分とし、HFC32を第三成分として選定
し、この順序でHFC125(125kg)及びHFC3
2(115kg)を、弁16、送液管13及び導入部14
を経由して容器本体11内に導入した。
【0095】第二成分、第三成分の導入に際しては、第
一成分HFC134aの蒸気圧が6.65bar であるに
対して第二成分HFC125の蒸気圧が13.77bar
と高く、また、これらの混合物の蒸気圧が8.93bar
であるに対して第三成分HFC32の蒸気圧が16.9
1bar と高いところから、ギアポンプを使用することな
く蒸気圧差のみによって導入することができた。
【0096】容器本体11内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約1時間で目的の組成割合に到達
し安定した。これにより、効率よく500kgのR407
Cが製造できた。
【0097】(比較例1)図4に示す容器40を使用す
る以外は実施例1と同様にして、500kgのR407C
を製造する。図4の容器40は、容器本体41の頂部4
2に送液管43おび弁46が設けられ、この弁46を経
由して液状の冷媒成分が容器本体41の頂部に導入され
るようになっている。
【0098】最初に、第一成分としてHFC134a
(260kg)を、図示しないギアポンプを用いて導入し
た。第二成分HFC125(125kg)の導入に際して
は、ギアポンプを使用することなく蒸気圧差のみによっ
て導入することができたが、第三成分HFC32(11
5kg)の導入に際しては途中で蒸気圧差が小さくなり、
導入困難になったのでやむを得ずギアポンプを用いて加
圧導入した。この結果、比較例1の方法は実施例1の方
法に比べ多くの電力エネルギーを消費することとなっ
た。
【0099】容器本体41内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに24時間以上を要した。
【0100】実施例1と比較例1とを比較すれば、冷媒
成分(群)の導入順序を、導入しようとする当該冷媒成
分(群)の液比重が容器内にすでに導入済みの液相Lの
比重より導入温度において低くなるように選択し、かつ
導入しようとする冷媒成分を、容器内のすでに導入済み
の液相Lの内部に導入する本発明の混合冷媒の製造方法
によって、きわめて効率よく混合冷媒を製造できること
がわかる。
【0101】(比較例2)実施例1と同様に図1(a)
(b)に示す容器10を用い、ただし混合成分の導入順
序を逆にして500kgのR407Cを製造する。最初
に、図示しないギアポンプを用いてHFC32(115
kg)を容器本体11に導入した。次いでギアポンプを用
いずにHFC125(125kg)を導入しようとした
が、逆の圧力差がつくために導入できず、ギアポンプを
用いて加圧して導入した。最後のHFC134a(26
0kg)の導入に際しても逆の圧力差がつくので、ギアポ
ンプを用いて加圧して導入した。この結果、比較例2の
方法は実施例1の方法に比べ多くの電力エネルギーを消
費することとなった。
【0102】比較例2の順序で導入する場合の容器内液
相の比重は、最初のHFC32の液比重が0.961で
あり、次に導入するHFC125の液比重が1.190
であって、後から導入する成分の液比重のほうが高い。
またHFC32とHFC125との混合物の液比重が
1.069であり、最後に導入するHFC134aの液
比重が1.206であるので、この場合も後から導入す
る成分の液比重のほうが高い。この結果、容器内の液相
Lを経時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィー
により液相の組成割合を追跡したところ、目的の組成割
合に到達し安定するまでに比較例1よりは短縮されたも
のの、実施例1に比べ長時間を要した。
【0103】(実施例2)図2(a)(b)に示す可搬
式の容器20を用い、原料としてHFC134aと、予
め混合されたHFC125及びHFC32の重量割合約
48:52の共沸様混合物とを用い、25℃においてR
407Cを100kg製造する。
【0104】図2(a)(b)の容器20は、長筒状の
容器本体21の頂部22から底部近傍に達する送液管2
3が挿入され、この送液管23の容器内端末に球状多孔
体からなる導入部24が装着されている。この導入部2
4に形成された多数の細孔25…は、その総開口面積が
送液管23の断面積と等しくされている。
【0105】HFC134aの液比重が1.206であ
り、前記混合物の液比重が1.069であるところか
ら、第一成分としてHFC134aを選定し、その52
kgを、図示しないギアポンプを用いて弁26、送液管2
3及び導入部24を経由して容器本体21内に導入し
た。この導入によって、導入部24は液相L中に浸漬さ
れた。
【0106】次に第二成分として前記のHFC125/
HFC32混合物(48kg)を、導入部24を経由して
容器本体21内に導入した。この際、第一成分HFC1
34aの蒸気圧6.65bar に比べ、HFC125/H
FC32混合物の蒸気圧が16.6bar と高いので、第
二成分はギアポンプを使用することなく蒸気圧差のみに
よって導入することができた。
【0107】容器本体21内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約1時間で目的の組成割合に到達
し安定した。これにより可搬式の容器内で効率よく10
0kgのR407Cを製造することができた。
【0108】(比較例3)図5に示す容器を使用する以
外は実施例2と同様にして、100kgのR407Cを製
造する。図5の容器50は、長筒状の容器本体51の頂
部52に送液管53おび弁56が設けられ、この弁56
を経由して液状の冷媒成分が容器本体51の頂部に導入
されるようになっている。
【0109】最初に、第一成分としてHFC134a
(52kg)を、図示しないギアポンプを用いて導入し
た。次いで実施例2と同様のHFC125/HFC32
混合物(48kg)を導入した。導入に際しては、ギアポ
ンプを使用することなく蒸気圧差のみのよって導入する
ことができたが、実施例2の場合より長時間を要した。
【0110】容器本体51内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに24時間以上を要した。
【0111】実施例2と比較例3とを比較すれば、可搬
式容器の場合も、冷媒成分の導入順序を、導入しようと
する冷媒成分の液比重が容器内にすでに導入済みの液相
の比重より導入温度において低くなるように選択すると
共に後から導入する冷媒成分を容器内の液相の内部に導
入する本発明の製造方法によって、きわめて効率よく混
合冷媒が製造できることがわかる。
【0112】(比較例4)実施例2と同様に図2(a)
(b)に示す容器20を用い、ただし混合成分の導入順
序を逆にして100kgのR407Cを製造する。最初
に、図示しないギアポンプを用いてHFC125/HF
C32混合物(48kg)を容器本体21に導入した。次
いでギアポンプを用いずにHFC134a(52kg)を
導入しようとしたが、逆の圧力差がつくために導入でき
ず、やむを得ずギアポンプを用いて加圧して導入した。
この結果、比較例4の方法は実施例2の方法に比べ多く
の電力エネルギーを消費することとなった。
【0113】容器本体21内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに比較例3よりは短縮されたものの、実施例2に比
べ長時間を要した。
【0114】(実施例3)図1(a)(b)に示した容
器10を用い、25℃において、FC218(39重量
%)、HCFC22(56重量%)及びHC290(5
重量%)からなる3成分系混合冷媒(通称「R403
B」)を500kg製造する。
【0115】最初に、図示しないギアポンプを用いて、
第一成分として3成分中最も液比重が高いFC218
(195kg)を容器本体11に導入した。次に、他の2
成分の導入順序を決定するために25℃における液比重
を比較した。FC218とHCFC22とからなる重量
割合約41:59の混合物の液比重は1.248であ
り、これはHC290の液比重(0.492)より高い
ところから、HCFC22を第二成分とし、HC290
を第三成分として選定し、この順序でそれぞれの280
kg及び25kgを容器内に導入した。
【0116】第二成分の導入に際しては、第一成分FC
218の蒸気圧8.8bar に比べて第二成分HCFC2
2の蒸気圧が10.44bar と高いところから、ギアポ
ンプを使用することなく蒸気圧差のみによって導入する
ことができた。
【0117】次に第三成分の導入に際しては、第一成分
と第二成分との混合物の蒸気圧が12.1bar であるに
対して第三成分HC290の蒸気圧が9.52bar と低
いので逆の蒸気圧差がつき、蒸気圧差によっては導入が
できなかった。そこで、容器本体11内の液相Lを20
℃に冷却して蒸気圧を10.59bar 、液比重を1.2
7とし、一方、第三成分HC290を30℃に加温して
蒸気圧を12.2bar、液比重を0.476としたとこ
ろ、蒸気圧差は正となり、液比重差も正方向に拡大した
ため、ギアポンプを使用することなく第三成分HC29
0を容器本体11内に導入することができた。
【0118】容器本体11内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約1時間で目的の組成割合に到達
し安定した。これにより、効率よく500kgのR403
Bが製造できた。
【0119】(比較例5)図4に示した頂部に液導入口
が開口された容器40を使用する以外は実施例3と同様
にして、500kgのR403Bを製造する。25℃にお
いて最初に、第一成分としてFC218(195kg)
を、図示しないギアポンプを用いて容器本体41内に導
入した。次に第二成分HCFC22(280kg)をギア
ポンプを使用することなく蒸気圧差のみによって導入し
たが、実施例3の場合より長時間を要した。
【0120】次に第三成分HC290(25kg)の導入
に際しては、容器本体41内の第一成分と第二成分との
混合物の液相Lを20℃に冷却し、一方、第三成分HC
290を30℃に加温して容器本体41内に導入したと
ころ、ギアポンプを使用することなく導入することとが
できたが、実施例3の場合より長時間を要した。
【0121】容器本体41内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに24時間以上を要した。実施例3と比較例5とを
比較すれば、本発明の混合冷媒の製造方法によって、き
わめて効率よく混合冷媒が製造できることがわかる。
【0122】(比較例6)実施例3と同様に図1(a)
(b)に示す容器10を用い、25℃において、ただし
混合成分の導入順序を逆にして500kgのR403Bを
製造する。最初に、図示しないギアポンプを用いてHC
290(25kg)を容器に導入した。次いでHCFC2
2(280kg)を同様にして導入した。更にFC218
(195kg)をギアポンプを用いずに蒸気圧差のみによ
って導入しようとしたが、逆の圧力差がつくために導入
できず、ギアポンプを用いて加圧して導入した。このと
きHC290の液比重は0.492、HCFC22の液
比重は1.191、HC290/HCFC22混合物の
液比重は1.069、FC218の液比重は1.323
であった。
【0123】容器本体11内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに比較例5よりは短縮されたものの、実施例3に比
べると長時間を要した。
【0124】(実施例4)図3に示す容器を用い、25
℃において、HFC125(44重量%)、HFC14
3a(52重量%)及びHFC134a(4重量%)か
らなる3成分系非共沸混合冷媒(通称「R404A」)
を500kg製造する。
【0125】図3に示す容器30は、耐圧密閉容器本体
(以下、単に「容器本体」という)31の底部を貫通し
て送液管33が挿入され、この送液管33の容器本体内
端末は、底部近傍に配置された導入部34に接続されて
いる。送液管33の容器外端末は、弁36を介して図示
しない冷媒成分貯槽に接続されている。導入部34は、
内部が空洞とされた円盤状多孔体からなり、その下面は
送液管33に接続され、上面は多数の細孔35…によっ
て容器本体31内に開口している。この細孔35…の総
開口面積は送液管33の断面積と等しくされている。一
方、容器本体31の頂部近傍の壁面からは枝管37が引
き出され、容器本体31内の液相Lが、液循環弁38
a、液循環ポンプ39、及び液循環弁38bを順次経由
して送液管33に循環されるようになっている。
【0126】最初に液循環弁38a,38bを閉じ、図
示しないギアポンプを用いて、第一成分として3成分中
最も液比重が高いHFC134a(20kg)を、弁3
6、送液管33及び導入部34を経由して容器本体31
内に導入した。この導入によって導入部34は液相L中
に浸漬された。
【0127】他の2成分の導入順序の決定に際して、2
5℃における液比重を比較した。HFC134aとHF
C125とからなる重量割合約8.3:91.7の混合
物の液比重は1.192であり、これはHFC143a
の液比重(0.931)より高いところから、HFC1
25を第二成分とし、HFC143aを第三成分として
選定し、この順序でHFC125(220kg)及びHF
C143a(260kg)を、弁36、送液管33及び導
入部34を経由して容器本体31内に導入した。
【0128】第二成分HFC125の導入に際しては補
助的にギアポンプを使用したが、第一成分HFC134
aの蒸気圧6.65bar に比べてHFC125の蒸気圧
が13.77bar と高いので、小さい電力エネルギーで
速やかに導入することができた。また第三成分HFC1
43aの導入に際しては、前記のHFC134a/HF
C125混合物の蒸気圧が13.15bar であり、これ
に比べて第三成分HFC143aの蒸気圧が12.61
bar と低く逆の蒸気圧差となったので、ギアポンプを用
い加圧して導入した。またこのとき、液循環弁38a、
液循環ポンプ39、及び液循環弁38bからなる循環系
を作動させ、容器本体31内の液相Lを、送液管33を
通じて循環させた。
【0129】容器本体31内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約30分間で目的の組成割合に到
達し安定した。これにより、効率よく500kgのR40
4Aが製造できた。
【0130】(比較例7)図3に示した容器を用い実施
例4と同様にして、ただし混合成分の導入順序を逆にし
て500kgのR404Aを製造する。最初に、図示しな
いギアポンプを用いてHFC143a(260kg)を容
器本体31内に導入し、次いで順次にHFC125(2
20kg)及びHFC134a(20kg)をギアポンプを
用いて容器本体31内に導入した。このとき、HFC1
43aの液比重は0.931であり、HFC125の液
比重は1.190であり、またHFC143a/HFC
125混合物の液比重は1.035であり、HFC13
4aの液比重は1.206であった。
【0131】更に、実施例4と同様に液循環弁38a、
液循環ポンプ39、及び液循環弁38bからなる循環系
を作動して液循環を行った。容器本体31内の液相を経
時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより
液相の組成割合を追跡したところ、目的の組成割合に到
達し安定するまでに実施例4より長時間を要し、従って
循環に要する電力もより多く消費した。
【0132】(実施例5)図2(a)(b)に示す可搬
式の容器20を用い、原料としてHFC134aと、予
め混合されたHFC125及びHFC143aの重量割
合約45.8:54.2の混合物とを用い、25℃にお
いてR404Aを100kg製造する。
【0133】HFC134aの液比重が1.206であ
り、前記混合物の液比重が1.035であるところか
ら、第一成分としてHFC134aを選定し、その4kg
を、図示しないギアポンプを用いて、弁26、送液管2
3及び導入部24を経由して容器本体21内に導入し
た。
【0134】次に第二成分として前記のHFC125/
HFC143a混合物(96kg)を、同様にして導入部
24を経由して容器本体21内に導入した。この際、第
一成分HFC134aの蒸気圧6.65bar に比べ、H
FC125/HFC143a混合物の蒸気圧が12.2
5bar と高いので、第二成分は小さい電力エネルギーで
速やかに導入することができた。
【0135】容器本体21内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約1時間で目的の組成割合に到達
し安定した。これにより可搬式の容器内で効率よく10
0kgのR404Aを製造することができた。
【0136】(比較例8)図2(a)(b)に示す容器
を用い実施例5と同様にして、ただし混合成分の導入順
序を逆にして100kgのR404Aを製造する。最初
に、図示しないギアポンプを用いて実施例5と同じ組成
割合のHFC125/HFC143a混合物(96kg)
を容器本体21内に導入し、次いでHFC134a(4
kg)を導入した。
【0137】容器本体21内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、目的の組成割合に到達し安定する
までに実施例5より長時間を要した。
【0138】(実施例6)図1(a)(b)に示す容器
10を用い、25℃において、HFC32(50重量
%)及びHFC125(50重量%)からなる2成分系
共沸様混合冷媒(通称「R410A」)を500kg製造
する。図1(a)(b)の容器10において、円盤状多
孔体である導入部14に形成された多数の細孔15…
は、その総開口面積が送液管13の断面積と等しくされ
ている。
【0139】最初に、図示しないギアポンプを用いて、
第一成分として液比重がより高いHFC125(250
kg)を、弁16、送液管13及び導入部14を経由して
容器本体11内に導入し、次いで第二成分として、HF
C32(250kg)を同様にして導入した。HFC32
の導入終了付近では、容器本体内の蒸気圧がHFC32
のそれに近い値を示した。容器本体11内の液相Lを経
時的にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにより
液相の組成割合を追跡したところ、約1時間で目的の組
成割合に到達し安定した。これにより、効率よく500
kgのR410Aを製造することができた。
【0140】(比較例9)実施例6と同様に図1(a)
(b)に示す容器10を用い、ただし混合成分の導入順
序を逆にして500kgのR410Aを製造する。最初
に、図示しないギアポンプを用いてHFC32(250
kg)を容器本体11に導入し、次いでHFC125(2
50kg)を同様にして導入した。このとき、導入初期か
ら逆の蒸気圧差がついて導入に長時間を要したため、実
施例6に比べてポンプの電力をより多く消費した。容器
本体11内の液相Lを経時的にサンプリングし、ガスク
ロマトグラフィーにより液相の組成割合を追跡したとこ
ろ、目的の組成割合に到達し安定するまでに実施例6に
比べ長時間を要した。
【0141】(実施例7)図1(a)、(b)に示した
容器を用い、25℃において、HFC32(23重量
%)、HFC125(25重量%)及びHFC134a
(52重量%)からなる3成分系非共沸混合冷媒(通称
「R407C」)を500kg製造する。図1(a)、
(b)の装置において、円盤状多孔体である導入部14
に形成された多数の細孔15…は、その総開ロ面積が送
液管13の断面積と等しくされている。
【0142】最初に、25℃において第一成分の液比重
が第二成分の液比重より大きくなる組合わせを選定し
た。次に、その第一成分と第二成分の混合物と残りの第
三成分の25℃における蒸気圧を比較した。HFC13
4aの液比重が1.206、HFC32の液比重が0.
961であり、またその重量割合が約69.3:30.
7の混合物の蒸気圧が11.17bar であり、これはH
FC125の蒸気圧(13.77bar )より低いことか
ら、HFC134a(260kg)を第一成分、HFC3
2(115kg)を第二成分、及びHFC125(125
kg)を第三成分として選定し、この順序で弁16、送液
管13及び導入部14を経由して容器本体11内に導入
した。
【0143】第一成分であるHFC134aは、図示し
ないギアポンプを用い送液管13及び導入部14を経由
して容器本体11内に導入した。導入終了時に、導入部
14は液相L中にあった。第二成分及び第三成分の導入
に際しては、第一成分HFC134aの蒸気圧が6.6
5bar であるのに対して第二成分HFC32の蒸気圧が
16.91bar と高く、また、これらの混合物の蒸気圧
が11.17bar と、第三成分のHFC125の蒸気圧
13.77bar より低く設定されているので、ギアポン
プを使用することなく蒸気圧差のみによって導入するこ
とができ、電力エネルギーを節減することができた。
【0144】容器本体11内の液相Lを経時的にサンプ
リングし、ガスクロマトグラフィーにより液相の組成割
合を追跡したところ、約1時間で目的の組成割合に到達
し安定した。これにより効率よく500kgのR407C
が製造できた。
【0145】(実施例8)図3に示す容器を用い、25
℃において、HFC125(44重量%)、HFC14
3a(52重量%)及びHFC134a(4重量%)か
らなる3成分系非共沸混合冷媒(通称「R404A」)
を500kg製造する。図3に示す容器30は、容器本体
31の底部を貫通して送液管33が挿入され、この送液
管33の容器本体内端末は、底部近傍に配置された導入
部34に接続されている。送液管33の容器外端末は、
弁36を介して図示しない冷媒成分貯槽に接続されてい
る。導入部34は、内部が空洞とされた円盤状多孔体か
らなり、その下面は送液管33に接続され、上面は多数
の細孔35…によって容器本体31内に開口している。
この細孔35…の総開口面積は送液管33の断面積と等
しくされている。一方、容器本体31の頂部近傍の壁面
からは枝管37が引き出され、容器本体31内の液相L
が、液循環弁38a、液循環ポンプ39、及び液循環弁
38bを順次経由して送液管33に循環されるようにな
っている。
【0146】最初に25℃において第一成分の液比重が
第二成分の液比重より大きくなる組合わせを選定した。
次に、その第一成分と第二成分の混合物と残りの第三成
分の25℃における蒸気圧を比較した。HFC134a
の液比重が1.206、HFC143aの液比重が0.
931であり、またその重量割合が約7.1:92.9
の混合物の蒸気圧が12.34bar であり、これはHF
C125の蒸気圧(13.77bar )より低いことか
ら、HFC134a(20kg)を第一成分、HFC14
3a(260kg)を第二成分、及びHFC125(22
0kg)を第三成分として選定し、この順序で弁36、送
液管33及び導入部34を経由して容器本体31内に導
入した。
【0147】第一成分であるHFC134aは図示しな
いギアポンプを用い弁36、送液管33及び導入部34
を経由して容器本体31内に導入した。導入終了時に、
導入部34は液相L中に浸漬されていた。第二成分の導
入に際してはギアポンプを補助的に使用したが、第一成
分HFC134aの蒸気圧が6.65bar であるのに対
して第二成分HFC143aの蒸気圧が12.61bar
と高いので、小さい電力エネルギーで導入することがで
きた。また、これらの混合物の蒸気圧が12.34bar
と、第三成分のHFC125の蒸気圧13・77bar よ
り低く設定されているので、第三成分はギアポンプを使
用することなく蒸気圧差のみによって導入することがで
き、全体として電力エネルギーを節減することができ
た。
【0148】更に、液循環弁38a、液循環ポンプ39
及び液循環弁38bからなる循環系を作動させ、容器本
体31内の液相Lを、送液管33を通じて循環させた。
容器本体31内の液相Lを経時的にサンプリングし、ガ
スクロマトグラフィーにより液相の組成割合を追跡した
ところ、約30分間で目的の組成割合に到達し安定し
た。これにより、効率よく500kgのR404Aが製造
できた。
【0149】以上、本発明の請求項1に基づく実施例1
〜実施例6を比較例1〜比較例9と比較すると、冷媒成
分の導入順序を、導入しようとする冷媒成分の液比重が
容器内にすでに導入済みの冷媒成分の液相の比重より導
入温度において低くなるように選択し、導入しようとす
る冷媒成分の液比重と容器内にすでに導入済みの冷媒成
分の液相の比重との比重差が0.01以上となるように
選択すると共に、後から導入する冷媒成分を容器内の液
相の内部に導入するという比較的簡単な本発明の請求項
1の製造方法によって、冷媒成分の混合が促進され、か
つ好ましくは、導入しようとする冷媒成分の蒸気圧が容
器内にすでに導入済みの液相の蒸気圧より高くなるよう
に温度条件を設定することによって、経済的かつ効率的
に混合冷媒が製造できることがわかる。
【0150】また、本発明の請求項3に基づく実施例7
〜実施例8を比較例1、2及び比較例7と比較すると、
特に、HFC32、HFC143a及びHFC125の
群から選ばれた2種の冷媒成分とHFC134aとから
なる3成分系混合冷媒を製造する場合においては、冷媒
成分の導入順序を、初期に導入する2種の冷媒成分につ
いて、導入しようとする冷媒成分の液比重が、容器内に
すでに導入済みの冷媒成分の液比重より導入温度におい
て低くなるように選択し、かつ最後に導入する冷媒成分
について、その蒸気圧が、容器内にすでに導入済みの混
合物の蒸気圧より導入温度において高くなるように選択
し、かつ冷媒成分を、導入済み液相の内部に導入すると
いう比較的簡単な本発明の請求項3の製造方法によって
経済的かつ効率的に当該3成分系混合冷媒が製造できる
ことがわかる。
【0151】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる混合冷媒の製
造方法は、冷媒成分の導入順序を、後から導入しようと
する冷媒成分の液比重が容器内にすでに導入済みの冷媒
成分の液比重より導入温度において低くなるように選択
し、後から導入しようとする冷媒成分の液比重と容器内
にすでに導入済みの冷媒成分の液比重との比重差を0.
01以上とし、かつ後から導入しようとする冷媒成分
を、導入済み冷媒成分の液相の内部に導入するものであ
るので、動力攪拌を必要とせず、又は僅かな補助的攪拌
によって、短時間に効率よく冷媒成分の均一な混合を達
成することができる。また、特定のHFC系冷媒成分か
らなる3成分系混合冷媒に関する本発明の請求項3に係
わる製造方法は、初期の2成分の容器への導入順序を、
導入温度において、液比重が低くなる順に選択し、かつ
最後の1成分の蒸気圧を初期の2成分の混合物の蒸気圧
より高くなるように選択し、かつ後から導入しようとす
る冷媒成分を導入済み冷媒成分の液相の内部に導入する
ものであるので、動力攪拌を必要とせず、又は僅かな補
助的攪拌によって、短時間に効率よく冷媒成分の均一な
混合を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の方法を実施するための容器
の一例を示す断面図、(b)はその冷媒成分導入部を示
す斜視図。
【図2】 (a)は本発明の方法を実施するための容器
の他の一例を示す断面図、(b)はその冷媒成分導入部
を示す斜視図。
【図3】 本発明の方法を実施するための容器の更に他
の一例を示す断面図。
【図4】 混合冷媒を製造する従来の容器の一例を示す
断面図。
【図5】 混合冷媒を製造する従来の容器の他の一例を
示す断面図。
【符号の説明】
10…容器、 11…容器本体、 12…底部、 13…送液管、 14…導入部、 15…細孔、 16…弁、 20…容器、 21…容器本体、 22…頂部、 23…送液管、 24…導入部、 25…細孔、 26…弁、 30…容器、 31…容器本体、 33…送液管、 34…導入部、 35…細孔、 36…弁、 37…枝管、 38a,38b…液循環弁、 39…液循環ポンプ、 L…液相、 V…気相。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 5/04 F25B 45/00 B01F 3/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の冷媒成分を液状で容器内に順
    次に導入して混合冷媒を製造するに際して、冷媒成分
    (群)の導入順序を、後から導入しようとする冷媒成分
    (群)の液比重が容器内にすでに導入済みの冷媒成分
    (群)の液比重より導入温度において低くなるように選
    択し、後から導入しようとする冷媒成分(群)の液比重
    と容器内にすでに導入済みの冷媒成分(群)の液比重と
    の比重差を0.01以上とし、かつ後から導入しようと
    する冷媒成分(群)を導入済み冷媒成分(群)の液相の
    内部に導入することを特徴とする混合冷媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の冷媒成分(群)が、ハイドロクロ
    ロフルオロカーボン類(HCFC)、ハイドロフルオロ
    カーボン類(HFC)、ハイドロカーボン類(HC)、
    フルオロカーボン類(FC)、ハイドロフルオロエーテ
    ル類(HFE)、フルオロエーテル類(FE)及びフル
    オロヨードカーボン類(FIC)からなる群から選ばれ
    た1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の混
    合冷媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 ジフルオロメタン、1,1,1−トリフ
    ルオロエタン及びペンタフルオロエタンの群から選ばれ
    た何れか2種の冷媒成分と1,1,1,2−テトラフル
    オロエタンとを液状で容器内に順次に導入して3種の冷
    媒成分からなる混合冷媒を製造するに際して、冷媒成分
    の導入順序を、初期に導入する2種の冷媒成分について
    は後から導入しようとする冷媒成分の液比重が容器内に
    すでに導入済みの冷媒成分の液比重より導入温度におい
    て低くなるように選択し、続いて導入する最後の1種の
    冷媒成分についてはその蒸気圧が、容器内に導入済みの
    冷媒成分群の液相の蒸気圧より導入温度において高くな
    るように選択し、かつ後から導入しようとする冷媒成分
    を導入済み冷媒成分(群)の液相の内部に導入すること
    を特徴とする混合冷媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記の冷媒成分(群)を、容器の底部又
    は底部近傍に導入することを特徴とする請求項1又は請
    求項3に記載の混合冷媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記の冷媒成分(群)を、2以上の開口
    又は多孔体細孔から容器内に導入することを特徴とする
    請求項1又は請求項3に記載の混合冷媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 冷媒成分(群)の導入時及び/又は導入
    後に、容器内の前記液相を、ポンプ循環又は攪拌機を用
    いて攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項3に
    記載の混合冷媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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